JP2006241991A - 冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関や車両用空気調和装置が備える凝縮機その他の冷却対象機器を冷却するにあたり、冷却のために消費するエネルギーを低減すること。
【解決手段】この冷却装置10は、内燃機関1を冷却した冷却媒体を、内燃機関1とラジエーター50との間で循環させるウォーターポンプ11と、ラジエーター50に通風するファン12とを含む。ウォーターポンプ11とファン12とは、同一の電動機13によって駆動される。また、ファン12と電動機13との間には、クラッチ14が設けられる。クラッチ14は、ファン12がウォーターポンプ11の駆動を補助できる場合は係合し、ファン12が電動機13の負荷となる場合には解放される。
【選択図】 図3−1

Description

本発明は、車両に搭載される内燃機関や車両用空気調和装置が備える凝縮器その他の機器類の冷却装置に関する。
内燃機関では、冷却水を循環させるためのウォーターポンプを、内燃機関によって駆動するものが一般的である。近年の内燃機関では、冷却水を循環させるために用いるウォーターポンプを電動機によって駆動するものが提案されている。例えば特許文献1には、ラジエーターを冷却するファンを駆動する電動機と、ウォーターポンプを駆動する電動機とを共用化したエンジン冷却装置が開示されている。
特開平8−93473号公報
しかし、特許文献1に開示されているエンジン冷却装置は、ファン又はウォーターポンプを選択的に駆動できないため、ファン又はウォーターポンプのいずれか一方を使用する場合には他方も駆動されてしまう。これによって、ファン及びウォーターポンプを駆動する電動機の消費電力が増加してしまう。
そこで、この発明は上記に鑑みてなされたものであり、内燃機関や車両用空気調和装置が備える凝縮機その他の冷却対象機器を冷却するにあたり、冷却のために消費するエネルギーを低減できる冷却装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る冷却装置は、電動機により駆動されて、内燃機関を冷却した冷却媒体を、前記内燃機関と前記冷却媒体の熱を放熱させる放熱手段との間で循環させる冷却媒体循環手段と、前記冷却媒体循環手段を駆動する前記電動機によって駆動されて、前記放熱手段に通風する導風手段と、前記導風手段と前記電動機との間に設けられ、かつ、前記導風手段が前記冷却媒体循環手段の駆動を補助できる場合は前記導風手段と前記電動機とを接続し、前記導風手段が前記電動機の負荷となる場合には前記導風手段と前記電動機とを解放する駆動力断続手段と、を含むことを特徴とする。
次の本発明に係る冷却装置は、前記冷却装置において、前記内燃機関の暖機が完了する前には、前記冷却媒体循環手段が停止し、また、前記導風手段の駆動要求がない場合、かつ前記内燃機関の暖機が完了した後においては前記駆動力断続手段を解放することを特徴とする。
次の本発明に係る冷却装置は、前記冷却装置において、前記冷却媒体循環手段が吐出する冷却媒体の量を増加させる場合には、前記駆動力断続手段が、前記導風手段と前記電動機とを解放することを特徴とする。
次の本発明に係る冷却装置は、前記冷却装置において、前記導風手段によって前記導風手段が前記冷却媒体循環手段の駆動を補助できる場合は、前記導風手段が前記冷却媒体循環手段の駆動を補助する動力に基づいて、前記電動機を制御することを特徴とする。
次の本発明に係る冷却装置は、前記冷却装置において、前記電動機が前記導風手段を駆動しないで前記冷却媒体循環手段を駆動する場合における前記電動機の回転数及び前記電動機の駆動電流に基づいて、前記駆動力断続手段の断続を制御することを特徴とする。
次の本発明に係る冷却装置は、前記冷却装置において、前記導風手段が動作を開始するときには、前記電動機の回転数が予め定めた第1基準回転数以上になるまでは前記駆動力断続手段を解放しておき、前記電動機の回転数が予め定めた第1基準回転数以上になったときに前記駆動力断続手段を接続することを特徴とする。
次の本発明に係る冷却装置は、前記冷却装置において、前記電動機の回転数が予め定めた第2基準回転数よりも大きい場合には、前記電動機の回転数が予め定めた第2基準回転数以下になったときに前記駆動力断続手段を接続することを特徴とする。
次の本発明に係る冷却装置は、前記冷却装置において、前記電動機の動作不良が発生した場合には、前記駆動力断続手段を接続し、かつ前記冷却媒体が予め定めた所定の温度を超えた場合には、前記内燃機関の出力を制限することを特徴とする。
次の本発明に係る冷却装置は、第1電動機によって駆動されて、内燃機関を冷却した冷却媒体を、前記内燃機関と前記冷却媒体の熱を放熱させる放熱手段との間で循環させる第1冷却媒体循環手段と、前記第1電動機によって駆動されて、前記放熱手段に通風する第1導風手段と、前記第1導風手段と前記第1電動機との間に設けられて、前記第1電動機からの駆動力を断続する第1駆動力断続手段と、第2電動機によって駆動されて、前記放熱手段に通風する第2導風手段と、を含み、前記第1導風手段と前記第2導風手段とは前記放熱手段に対して並列に配置され、かつ前記第2導風手段側であって前記放熱手段の冷却風導入側に熱交換器が配置され、前記熱交換器への通風要求があり、かつ前記第1冷却媒体循環手段の駆動要求がある場合には、前記第1駆動力断続手段を切断して前記第1電動機と前記第2電動機とを駆動することを特徴とする。
次の本発明に係る冷却装置は、前記冷却装置において、前記内燃機関の暖機が完了する前において、前記熱交換器への通風要求がない場合には、前記第1電動機及び前記第2電動機を停止するとともに、前記第1駆動力断続手段を解放することを特徴とする。
次の本発明に係る冷却装置は、前記冷却装置において、前記内燃機関の暖機が完了する前において、前記熱交換器への通風要求があった場合には、前記第2電動機のみを駆動することを特徴とする。
次の本発明に係る冷却装置は、前記冷却装置において、前記内燃機関の暖機が完了した後において、前記熱交換器への通風要求がない場合には、前記第1電動機のみを駆動することを特徴とする。
次の本発明に係る冷却装置は、前記冷却装置において、前記第2電動機によって駆動されて、前記内燃機関を冷却した冷却媒体を、前記内燃機関と前記放熱手段との間で循環させる第2冷却媒体循環手段と、前記第2電動機と前記第2冷却媒体循環手段との間に設けられて、前記第2電動機からの駆動力を断続する第2駆動力断続手段と、を備え、前記熱交換器への通風要求があり、かつ前記冷却媒体の循環要求がある場合には、前記第2駆動力断続手段を接続して前記第2電動機を駆動することを特徴とする。
次の本発明に係る冷却装置は、前記冷却装置において、前記熱交換器への通風要求がなく、かつ前記冷却媒体の循環要求がある場合には、前記第1電動機を駆動することを特徴とする。
次の本発明に係る冷却装置は、前記冷却装置において、さらに、前記放熱手段への通風要求がある場合には、前記第1駆動力断続手段を接続することを特徴とする。
本発明に係る冷却装置は、内燃機関や車両用空気調和装置が備える凝縮機その他の冷却対象機器を冷却するにあたり、冷却のために消費するエネルギーを低減できる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、以下の実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。本発明は、乗用車やバス、トラック等の車両に搭載される内燃機関、車両用空気調和装置の凝縮器その他の熱源を冷却することに適用できる。
この実施例は、車両に搭載される内燃機関を冷却するための冷却水を循環させるウォーターポンプと、ラジエーターに送風する冷却ファンとを、同一の電動機で選択的に駆動する点に特徴がある。
図1は、この実施例に係る冷却装置が搭載される車両を示す模式図である。車両100は、内燃機関1を動力源として走行する。図1中の矢印L方向が車両100の前進に相当し、車両100の進行方向というときには、車両100が前進しているときの方向をいう。内燃機関1からの排熱は、冷却媒体(この実施例では冷却水)によって、車両100の進行方向前方に配置される放熱手段である熱交換器(ラジエーター)50に運ばれ、ここで大気中に放熱される。ラジエーター50の冷却風導入側の前方には、必要に応じて車両用空気調和装置(以下車両用空調装置)が備える凝縮機(コンデンサ)51が備えられる。凝縮器51は、高温、高圧の冷媒ガスの熱を大気中へ放出させ、冷媒ガスを液体に凝縮させる。また、車両100には、ラジエーター50に送風するための導風手段、及び冷却水を循環させるための冷却媒体循環手段を駆動する電動機13が搭載されている。
図2は、この実施例に係る冷却装置を備える内燃機関の冷却系を示す説明図である。内燃機関1の冷却系は、この実施例に係る冷却装置10と、サーモスタット4、ラジエーター50、及びこれらと冷却対象である内燃機関1をつなぐ冷却媒体流路5、5rを含んで構成される。ここで、この実施例に係る冷却装置10は、ウォーターポンプ(W/P)11と、ファン12と、電動機13と、クラッチ14とを含んで構成される。ここで、内燃機関1と、ラジエーター50と、ウォーターポンプ11とは、冷却媒体通路5、5rで接続されて内燃機関1の冷却経路を形成する。
内燃機関1は、気筒1sを格納するシリンダブロック3やシリンダヘッド2の内部に設けられる冷却水流路に冷却水を流して、発生する熱を冷却媒体である冷却水へ移動させる。なお、この内燃機関1は過給機6を備えるが、過給機6も、内燃機関1の冷却水によって冷却される。また、内燃機関1や過給機6を冷却した後の冷却水は、車両100の空調装置が備えるヒータコア7へ導かれて、車両100の暖房に用いられる。
内燃機関1や過給機6を冷却する冷却水は、ウォーターポンプ11によって、内燃機関1の冷却系内を循環する。内燃機関1の冷間始動時において、冷却水の温度が適正な値に上昇するまで、内燃機関1は暖機運転される。このときには、サーモスタット4が閉弁しているので、冷却水はラジエーター50をバイパスして流れる(図2中の実線で示す冷却媒体流路5)。これによって、冷却水の温度を迅速に上昇させる。内燃機関1の冷却水の温度が適正な値まで上昇したら、サーモスタット4が開弁する。すると、内燃機関1の冷却水はラジエーター50を通って流れ(図2中の破線で示す冷却媒体流路5r)、冷却水へ移動した内燃機関1の排熱は、ラジエーター50から大気中へ放熱される。
例えば、車両100が高温環境下において連続して低速走行しているような場合には、ラジエーター50からの放熱が不足して、冷却水の温度が過度に上昇することがある。このような場合、ラジエーター50の冷却風流出側、すなわち冷却風導入側(図中L側)の反対側に備えられる導風手段であるファン12によりラジエーター50へ冷却風を導き、ラジエーター50からの放熱を促進する。ファン12は、駆動力断続手段であるクラッチ14を介して電動機13によって駆動される。
前記ウォーターポンプ11は、ファン12を駆動する前記電動機13によって駆動される。すなわち、ウォーターポンプ11とファン12とは、内燃機関1とは別個の動力源である電動機13によって駆動される。ここで、ウォーターポンプ11が冷却水を吐出するときの回転方向と、ファン12がラジエーター50に冷却風を導くときの回転方向とが一致するようになっている。なお、ウォーターポンプ11とファン12との動作は、内燃機関1に取り付けられる冷却水温度センサ(冷却媒体温度取得手段)42が取得する冷却水温度(冷却媒体温度)に基づいて制御される。
内燃機関1によってウォーターポンプ11を駆動する場合、ウォーターポンプ11の吐出量は内燃機関1の機関回転数に依存するが、この実施例の構成によれば、ウォーターポンプ11の吐出量は内燃機関1の機関回転数には依存しない。これによって、内燃機関1の運転条件に応じて、内燃機関の冷却に必要な冷却水の流量を吐出できる。また、前記ファン12はクラッチ14を介して電動機13によって駆動されるので、ウォーターポンプ11は、ファン12と独立して駆動できる。これによって、ファン12の動作に依存しないでウォーターポンプ11を駆動することができる。
なお、この例では、電動機13とファン12との間に駆動力断続手段であるクラッチを設けているが、電動機とウォーターポンプ11との間にも駆動力断続手段を設けてもよい。これにより、ファン12の動作もウォーターポンプ11と独立して制御できるので、制御の自由度が向上する。
このように、この実施例に係る冷却装置10は、電動機13とファン12との間に設けたクラッチ14により、ファン12の動作に依存しないでウォーターポンプ11を駆動することができる。その結果、ウォーターポンプ11のみを駆動したい場合にはファン12の駆動を停止できるので、ファン12を駆動する分のエネルギー消費が抑制できる。
また、ウォーターポンプ11とファン12とを、同一の駆動手段(電動機13)によって駆動する。これにより、冷却装置10全体をコンパクトにできるので、車両等のように、限られた設置スペースでも搭載可能とし、搭載の自由度を向上させることができる。また、ウォーターポンプ11を駆動する電動機と、ファン12を駆動するための電動機との両方を用意する必要はないので、低コスト化を実現できる。さらに、クラッチ14によって電動機13からファン12へ伝達される駆動力を断続できるので、冷却制御の自由度が向上する。
また、車両100の走行中や、車両100に対して向かい風が吹いているときには、車両100の走行風や向かい風によってファン12が回転する。このとき、前記クラッチ14を係合(すなわち駆動力断続手段を接続、以下同様)すれば、車両100の走行風等を利用してウォーターポンプ11を駆動することができる。これによって、ウォーターポンプ11の駆動エネルギーを低減させることができる。
図3−1は、この実施例に係る冷却装置を示す説明図である。内燃機関1は、機関ECU(Electronic Control Unit)8によって制御される。機関ECU8内には、この実施例に係る冷却制御装置30が組み込まれており、この冷却制御装置30によって、この実施例に係る冷却装置10の動作が制御される。この実施例に係る冷却制御装置は、内燃機関1に取り付けられるアクセル開度センサ41、冷却水温度センサ42、車両100の速度を検出する車速センサ43、電動機13の回転数を検出する電動機回転数センサ44その他のセンサ類から、この実施例に係る冷却装置10の制御に必要な情報を取得する。そして、冷却制御装置30は、前記センサ類から取得した情報に基づいて、冷却装置10を構成する電動機13やクラッチ14の動作を制御する。
図3−2は、この実施例に係る冷却装置を車両に搭載した状態を示す概略図である。この実施例に係る冷却装置10は、ラジエーター50の冷却風流出側に配置される。車両100の走行中、ラジエーター50には冷却風である走行風WRが導入される。そして、走行風WRがラジエーター50から流出する間に、ラジエーター50内に導入される高温の冷却水を冷却する。この実施例係る冷却装置10は、後述するように、例えば、ファン12を作動させる必要はないがウォーターポンプ11を作動させる必要がある場合に、クラッチ14を係合させて、走行風WRによってファン12をつれ回らせることができる。これによって、電動機13によるウォーターポンプ11の駆動動力を低減させることができる。
このとき、走行風WRによって効率的にファン12を回転させるため、車両100のボンネット100Bやアンダーカバー100UCに、空気抜き孔100Vを設けることが好ましい。これによって走行風WRを効率的に利用してファン12を回転させることができるので、ファン12による動力回収効率が向上する。ここで、ファン12によってより多くの動力を回収するため、空気抜き孔100Vは、ファン12の位置よりも車両進行方向に対して反対方向に設けることが好ましい。
図4は、この実施例に係る冷却装置の第1変形例を示す装置構成図である。図5−1、図5−2は、冷却装置を駆動する場合における電動機の動力と回転数との関係を示す概念図である。この変形例に係る冷却装置10aは、電動機13とファン12との間に電動機回転数変更手段である回転数変更装置17を備える(図4)。この変形例において、回転数変更装置17は、遊星歯車装置である。これによって、ファン12とウォーターポンプ11とは、異なる回転数で動作する。ここで、回転数変更手段である回転数変更装置17は、電動機13とウォーターポンプ11との間に設けてもよい。すなわち、回転数変更手段である回転数変更装置17は、電動機13とファン12との間、又は電動機13とウォーターポンプ11との間のうち、少なくとも一方に設ければよい。
この変形例に係る冷却装置10aでは、回転数変更装置17と電動機13との間に、駆動力断続手段であるクラッチ14を備える。なお、クラッチ14は、ファン12と回転数変更装置17との間、回転数変更装置17と電動機13との間、又は電動機13とウォーターポンプ11とのいずれかに備えればよい。なお、この変形例においては、冷却装置1a、10bの構成に限られず、電動機13とファン12との間、又は電動機13とウォーターポンプ11との間のうち、少なくとも一箇所にクラッチ14を備えればよい。
上記冷却装置10(図2、図3−1、図3−2)においては、同一の電動機13でファン12とウォーターポンプ11とが駆動される。一般に、ファン12は風きり音を抑制しつつ風量を稼ぐために、直径が大きいものを比較的低回転で回転させることが好ましい。一方、ウォーターポンプ11は、多くの冷却が必要な場合、回転数を高くすることによって冷却に必要な流量を確保する。このように、ファン12とウォーターポンプ11とでは、必要な回転数が異なる場合が多い。
いま、ファン駆動動力がPAであり、ウォーターポンプ駆動動力がPWであるとする。このとき、例えば、ファン12の必要最大風量が得られるファン最大駆動動力がPAMAXであり、ウォーターポンプ11の必要最大流量が得られるウォーターポンプ最大駆動動力がPWMAXであるとする(図5−1)。ここで、ファン12は、直径の大きなファンを用いて比較的低回転で最大必要風量を得る。一方、ウォーターポンプ11は、高速回転することによって、最大必要流量を得る。したがって、ファン12の必要最大風量が得られるファン回転数NmAは、ウォーターポンプ11の必要最大流量が得られるウォーターポンプ回転数NmWよりも小さい(図5−1)。
ウォーターポンプ11の必要最大流量を得ようとすると、電動機13をNmWで回転させる必要がある。図4に示す冷却装置10aにおいて回転数変更装置17がない場合、すなわち、上記冷却装置10(図2、図3−1、図3−2)の場合、電動機13をNmWで回転させると、ウォーターポンプ11とともにファン12はNmWで回転する。ファン12のファン駆動動力PAは、ファン回転数の増加とともに増加する。したがって、電動機13をNmWで回転させると、図5−1に示すように、ファン12の駆動動力PAOは、ファン最大駆動動力がPAMAXよりも大きくなる。このとき、ファン12とウォーターポンプ11とを駆動する駆動動力は、PAO+PWMAXとなり、電動機13の消費電力が増加し、車両100の燃料消費を増加させる。
一方、この変形例に係る冷却装置10aでは、回転数変更装置17によって、ファン12とウォーターポンプ11とを異なる回転数で回転させることができる。これによって、ファン12及びウォーターポンプ11を、それぞれの適切な回転数で駆動することができる。例えば、ウォーターポンプ11の必要最大流量を得ようとすると、電動機13をNmWで回転させる必要があるが、この変形例に係る冷却装置10aでは、回転数変更装置17によって電動機13の回転数を減速してファン12をファン回転数NmAで駆動する(図5−2)。
このとき、ファン12とウォーターポンプ11とを駆動する駆動動力は、PAMAX+PWMAXとなり、上記冷却装置10(図2、図3)でファン12とウォーターポンプ11とを駆動する場合の駆動動力(PAO+PWMAX)よりも小さくなる。これによって、この変形例に係る冷却装置10aが備える電動機13の消費電力は、回転数変更装置17を備えない上記冷却装置10よりも小さくなるので、車両100の燃料消費を抑制できる。このように、この変形例に係る冷却装置10aの構成によれば、ファン12及びウォーターポンプ11を、それぞれの適切な回転数で駆動することができる。その結果、ファン12及びウォーターポンプ11の性能を十分に発揮させることができるとともに、電動機13が消費するエネルギーも必要最小限に抑えることができる。
図6−1、図6−2は、この実施例に係る冷却装置の第2変形例を示す装置構成図である。図6−1、図6−2に示すように、この冷却装置10bは、電動機13の回転数の変速比を変更可能な変速比可変手段を介して電動機13の駆動力をファン12へ伝達し、ファン12の回転数をウォーターポンプ11の回転数とは独立して変化させる。具体的には、この冷却装置10bは、電動機13と、ファン12と、ウォーターポンプ11とを並列に配置する。そして、電動機13の出力取出口と、ファン12及びウォーターポンプ11の入力口とを略同一直線上に配置して、動力伝達手段であるベルト15Vbによって、電動機13からの動力をファン12及びウォーターポンプ11に伝える。
電動機13の出力軸13ssには、出力プーリー13pが取り付けられる。ウォーターポンプ11の入力軸11sには、入力プーリー11pが取り付けられる。また、ファン12の入力軸20sには、変速比可変プーリー15Vpを備える変速比可変装置15Vが、クラッチ14を介して取り付けられる。そして、出力プーリー13p、入力プーリー11p及び変速比可変プーリー15Vpには、1本のベルト15Vbが掛けられており、これによって電動機13の出力がファン12とウォーターポンプ11とに伝達される。
図6−1に示すように、ファン12の入力軸20sに取り付けられる変速比可変プーリー15Vpは、第1プーリー15Vp1及び第2プーリー15Vp2を対向配置して構成される。そして、変速比可変プーリー15Vpは、アクチュエータ15Vaによって、第1プーリー15Vp1が回転軸に平行な方向に移動できる。これによって、第1プーリー15Vp1と第2プーリー15Vp2との間隔hを変化させる。ベルト15Vbは、第1プーリー15Vp1と第2プーリー15Vp2とに挟まれて動力を伝達するので、前記間隔hが変化すると、変速比可変プーリー15Vpの回転軸からベルト15Vbまでの距離が変化する。これによって、この変速比可変装置15Vでは、ファン12に対する変速比を変化させることができる。このとき、図6−2に示すように、ベルトテンショナー15Vbtによって、ベルト15Vbの張り具合が調整される。なお、アクチュエータ15Vaの動作は、機関ECU8に組み込まれる冷却制御装置30によって制御される。
このように、この例に係る冷却装置10bでは、変速比可変プーリー15Vpとアクチュエータ15Vaとで、変速比可変装置15Vを構成する。このような構成によって、この変形例に係る冷却装置10bは、ウォーターポンプ11及びファン12を、それぞれの全動作領域において、それぞれの適切な回転数で駆動することができる。その結果、ファン12及びウォーターポンプ11の性能を十分に発揮させることができるとともに、電動機13が消費するエネルギーも必要最小限に抑えることができる。
図7−1は、この実施例に係る冷却装置の第3変形例を示す装置構成図である。図7−2は、図7−1のA−A断面図である。この冷却装置10cは、ウォーターポンプ11と、これを駆動する電動機13とを一体化している。また、冷却装置10cをファンシュラウド52へ固定するステー53を、ウォーターポンプ11から吐出される冷却水の通路と兼用している。
図7−1に示すように、この冷却装置10cは、放射状に配置されたステー53を介してファンシュラウド52へ固定される。電動機13は、ローター13rと、ローター13rの外周部分に配置される磁石13mと、ケース13cに取り付けられるステーター13sとを含んで構成される。ローター13rには出力軸13ssが取り付けられており、出力軸13ssはローター13rとともに回転する。
図7−2に示すように、出力軸13ssには、ファン12とウォーターポンプ11とが取り付けられる。ここで、ウォーターポンプ11は、出力軸13ssに直接取り付けられて、出力軸13ssとともに回転する。一方、ファン12は、駆動力断続手段であるクラッチ14を介して出力軸13ssに取り付けられる。このような構成によって、ファン12の動作に依存しないでウォーターポンプ11を駆動できる。
内燃機関1を冷却した冷却水、あるいはラジエーター50で放熱した冷却水は、ウォーターポンプ11の冷却水入口11iからウォーターポンプ11内に取り込まれ、冷却水出口11oから吐出される。この変形例に係る冷却装置10cは、ウォーターポンプ11と、これを駆動する電動機13とが一体なので、冷却水によって電動機13を冷却することができる。
図7−2に示すように、冷却装置10cをファンシュラウド52へ支持するステー53内は中空となっており、ウォーターポンプ11の冷却水出口11oと接続される。ウォーターポンプ11から吐出された冷却水はステー53の内部を通って流れ(図7−1の矢印C方向)、ファンシュラウド52に設けられた冷却水出口から送り出される。このように、ステー53は、冷却装置10cを支持する冷却装置支持部材として機能するととともに、ウォーターポンプ11から吐出される冷却水を流す冷却水通路として機能する。これによって、ファン12の背面(車両100の進行方向とは反対側)に冷却水通路を別個に設ける必要はないので、走行風の通風抵抗を低減できる。その結果、ファン12のつれ回りによりウォーターポンプ11の駆動を補助する際には、走行風を効率的に利用できる。また、冷却装置10cを搭載するスペースをコンパクトにすることができる。
次に、この実施例に係る冷却制御装置について説明する。図8は、この実施例に係る冷却制御装置を示す説明図である。この実施例に係る冷却装置10、10a等は、この実施例に係る冷却制御装置30によって制御される。図4に示すように、冷却制御装置30は、機関ECU8に組み込まれて構成されている。機関ECU8は、CPU(Central Processing Unit:中央演算装置)8pと、記憶部8mと、入力及び出力ポート36、37と、入力及び出力インターフェイス38、39とから構成される。
なお、機関ECU8とは別個に、この実施例に係る冷却制御装置30を用意し、これを機関ECU8に接続してもよい。そして、この実施例に係る冷却制御を実現するにあたっては、機関ECU8が備える冷却装置10等の制御機能を、前記冷却制御装置30が利用できるように構成してもよい。
冷却制御装置30は、動作条件演算部31と、動作制御部32とを含んで構成される。これらが、この実施例に係る冷却制御を実行する部分となる。この実施例において、冷却制御装置30は、機関ECU8を構成するCPU(Central Processing Unit:中央演算装置)8pの一部として構成される。この他に、CPU8pには、内燃機関1の運転の制御を司る機関制御部8cが含まれている。
CPU8pと、記憶部8mとは、バス351〜353を介して、入力ポート36及び出力ポート37を介して接続される。これにより、冷却制御装置30を構成する動作条件演算部31と、動作制御部32とは、相互に制御データをやり取りしたり、一方に命令を出したりできるように構成される。また、冷却制御装置30は、この実施例に係る冷却制御を、機関ECU8が予め備えている運転制御ルーチンに割り込ませたりすることができる。
入力ポート36には、入力インターフェイス38が接続されている。入力インターフェイス38には、アクセル開度センサ41、冷却水温度センサ42、車速センサ43、電動機回転数センサ44その他の、車両100に搭載される内燃機関1等の冷却制御に必要な情報を取得するセンサ類が接続されている。これらのセンサ類から出力される信号は、入力インターフェイス38内のA/Dコンバータ38aやディジタルバッファ38dにより、CPU8pが利用できる信号に変換されて入力ポート36へ送られる。これにより、CPU8pは、内燃機関1の運転制御や、この実施例に係る冷却制御に必要な情報を取得することができる。
出力ポート37には、出力インターフェイス39が接続されている。出力インターフェイス39には、電動機13やクラッチ14といった、この実施例に係る冷却制御に必要な制御対象が接続されている。出力インターフェイス39は、制御回路391、392等を備えており、CPU8pで演算された制御信号に基づき、前記制御対象を動作させる。このような構成により、前記センサ類からの出力信号に基づき、この実施例に係る冷却制御装置30は、この実施例に係る冷却制御を実行することができる。
記憶部8mには、この実施例に係る冷却制御の処理手順を含むコンピュータプログラムや制御マップ等が格納されている。ここで、記憶部8mは、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成することができる。
上記コンピュータプログラムは、CPU8pへすでに記録されているコンピュータプログラムと組み合わせによって、この実施例に係る冷却制御の処理手順を実現できるものであってもよい。また、この冷却制御装置30は、前記コンピュータプログラムの代わりに専用のハードウェアを用いて、動作条件演算部31、動作制御部32の機能を実現するものであってもよい。次に、この冷却制御装置30を用いて、この実施例に係る冷却制御を実現する手順を説明する。ここでは、図2、図3に示す冷却装置10を用いて実施例1に係る冷却制御を実現する例を説明するが、実施例1の第1変形例に係る冷却装置10a等を用いて実施例1に係る冷却制御を実現してもよい。なお、次の説明にあたっては、適宜図1〜図8を参照されたい。
この実施例に係る冷却装置10を制御する際には、内燃機関1の暖機が完了する前であると冷却制御装置30の動作条件演算部31が判定した場合には、動作制御部32がウォーターポンプ11を停止する。これによって、内燃機関1の暖機を促進できるので、暖機時における燃料増量の期間を短縮して、燃料消費を抑制できる。また、ウォーターポンプ11を停止することにより、電動機13によるエネルギー消費を抑制できる。内燃機関1の暖機が完了した後、ファン12の駆動要求がないと動作条件演算部31が判定した場合には、動作制御部32は、クラッチ14を解放する。これによって、ファン12を駆動する分のエネルギーを低減できる。
内燃機関1の運転中、動作条件演算部31が、ウォーターポンプ11の冷却水の吐出量を増加させる場合であると判定した場合、動作制御部32がクラッチ14を解放して、ウォーターポンプ11を単独で駆動する。これによって、速やかにウォーターポンプ11の回転を上昇させて吐出量を増加させることができる。例えば、車両100が高速運転している場合、あるいは牽引や登坂時等のように車両100が比較的低速走行しているが内燃機関1の負荷が大きい場合等に、ウォーターポンプ11から吐出される冷却水の増量が要求される。次に、ファン12が走行風や向かい風等の冷却風によって回転し、ウォーターポンプ11の駆動を補助できる場合の制御について説明する。
図9、図10は、この実施例に係る冷却装置の制御手順を示すフローチャートである。この制御においては、ファン12がウォーターポンプ11の駆動を補助する動力に基づいて、電動機13を制御する。例えば、ウォーターポンプ11の駆動を補助する動力がある場合、前記動力に相当する電流分、電動機13の駆動電流を低減する。冷却制御装置30が備える動作条件演算部31は、ウォーターポンプ11が循環させる冷却水の要求流量を求める。このため、まず、内燃機関1の発熱量Ewを推定する。前記発熱量Ewは、内燃機関1の要求出力から推定される。内燃機関1の要求出力は、例えば、アクセル開度センサ41からの情報から、予め定められた制御マップによって機関ECU8が決定する。
動作条件演算部31は内燃機関1の発熱量Ewを推定し(ステップS101)、内燃機関1に備えられる冷却水温度センサ42から、冷却水温度Twを検出する(ステップS102)。そして、動作条件演算部31は、内燃機関1の発熱量Ewと内燃機関1の冷却水温度Twとから、ウォーターポンプ11が循環させる冷却水の要求流量Qwを求める(ステップS103)。
ウォーターポンプ11が循環させる冷却水の要求流量Qwが分かれば、ウォーターポンプ11を駆動するために必要な電動機13の駆動電流Ibseが分かる。動作条件演算部31は、冷却水の要求流量Qwから、ウォーターポンプ11を駆動するために必要な電動機13の駆動電流Ibseを算出する(ステップS104)。ここで、ステップS104で算出した電動機13の駆動電流Ibseは、ファン12と電動機13とがクラッチ14によって接続されているか否かによって変化する。このため、冷却制御装置30の動作条件演算部31は、クラッチ14の係合状態を判定し(ステップS105)、最終的に要求される電動機13の駆動電流を求める。次に、この手順を説明する。
図10に示すフローチャートは、クラッチの係合状態を判定し、ファン12を駆動するための電流を求める手順を示している。動作制御部32は、クラッチ14の係合状態を判定し(ステップS105、図9)、冷却水温度Twと、予め定めた所定の冷却ファン動作温度Tw1とを比較する(ステップS1051)。冷却ファン動作温度Tw1は、実験や解析により予め定められる。
Tw>Tw1である場合(ステップS1051:Yes)、ファン12を駆動する条件であると判定できる。この場合、動作制御部32は、ファン12を駆動するため、クラッチ係合フラグFcを1に設定する(ステップS1053)。一方、Tw≦Tw1である場合(ステップS1051:No)、ラジエーター50を流れる冷却水を冷却するために、ファン12を駆動する必要はない条件であると判定できる。しかし、車両100に搭載される空気調和装置を構成する圧縮機に対して駆動要求がある場合、すなわち、熱交換器である凝縮器に対する通風要求がある場合、前記圧縮機で圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器(熱交換器)に通風する必要がある。このような場合には、ファン12を駆動する必要がある。なお、ここでは熱交換器として凝縮器を例としているが、熱交換器の他の例としては、例えば内燃機関1が過給機を備える場合に用いられるインタークーラー等があげられる。
Tw≦Tw1である場合(ステップS1051:No)、動作制御部32は、空気調和装置を構成する圧縮機の駆動要求があるか否かを判定する(ステップS1052)。圧縮機に駆動要求がある場合(ステップS1052:Yes)、すなわち凝縮器(熱交換器)への通風要求がある場合には、ファン12を駆動する必要がある。この場合、動作制御部32は、クラッチ係合フラグFcを1に設定する(ステップS1053)。
次に、動作条件演算部31は、ファン12のつれ回り動力Pfanを推定する(ステップS1054)。ここで、つれ回り動力Pfanとは、車両100の走行風WR(図2参照)や向かい風等がファン12を回転させることにより生み出される動力である。つれ回り動力Pfanは、車両100の走行速度と相関がある。例えば、車両100の走行速度とつれ回り動力Pfanとの関係を、実験や解析によって予め求めておく。そして、この間径をマップ化して記憶部8mに格納しておき、動作条件演算部31が、記憶部8mに格納されているマップに車両100の走行速度を与えて、つれ回り動力Pfanを推定する。
ファン12と電動機13とをクラッチ14によって接続する場合、前記つれ回り動力Pfanがあれば、ウォーターポンプ11を駆動するために必要な電動機13の駆動電流Ibseは、前記つれ回り動力Pfanの分、少なくて済む。このため、電動機13の最終的な駆動電流(最終電動機駆動電流)は、つれ回り動力Pfanを考慮して求めることになる。
Tw≦Tw1である場合(ステップS1051:No)、かつ圧縮機の駆動要求がない場合(ステップS1052:No)、ファン12を駆動する必要はないと判定できる。しかし、ファン12のつれ回り動力Pfanが存在する場合には、クラッチ14を係合してファン12と電動機13とを接続することにより、ウォーターポンプ11を駆動するために必要な電動機13の駆動電流Ibseを、前記つれ回り動力Pfanの分だけ低減できる。
このため、動作条件演算部31は、ファン12のつれ回り動力Pfanを推定する(ステップS1055)。そして、推定したつれ回り動力Pfanと、実験や解析により予め求めたクラッチ係合判定値(予め定めた所定の判定値)Pcとを比較する(ステップS1056)。クラッチ14には、例えば、電磁力によって係合状態を作り出す電磁クラッチを用いることができる。このような場合、ファン12のつれ回り動力Pfanが、クラッチ14を係合させるために必要な電力よりも小さい場合には、内燃機関1を含む車両100の駆動装置全体としてのエネルギー消費量は増加する。
したがって、ファン12と電動機13とを接続して、ファン12のつれ回り動力Pfanを回収した場合、内燃機関1や冷却装置10を含む機器全体としてのエネルギー消費量を抑制できる場合に、クラッチ14を係合させることが好ましい。クラッチ係合判定値Pcはかかる観点から定められるものであり、内燃機関1や冷却装置10を含む機器全体としてのエネルギー消費量を抑制するために必要な、最低のつれ回り動力Pfanである。すなわち、ファン12のつれ回り動力Pfanがクラッチ係合判定値Pcよりも大きい場合には、内燃機関1や冷却装置10を含む機器類全体としてのエネルギー消費量を抑制できると判定できる。
Pfan>Pcである場合(ステップS1056:Yes)、内燃機関1や冷却装置10を含む機器類全体としてのエネルギー消費量を抑制できると判定できる。この場合、動作制御部32は、クラッチ係合フラグFcを1に設定し(ステップS1057)、最終電動機駆動電流を算出する(ステップS106、図9)。Pfan≦Pcである場合(ステップS1056:No)、内燃機関1や冷却装置10を含む機器類全体としてのエネルギー消費量をかえって増加させると判定できる。この場合、動作制御部32は、クラッチ係合フラグFcを0に設定する(ステップS1058)。この場合、ウォーターポンプ11のみを電動機13で駆動することになる。
クラッチ14の係合状態を判定し、ファン12のつれ回り動力Pfanを求めたら、動作条件演算部31は、最終電動機駆動電流を算出する(ステップS106、図9)。最終電動機駆動電流Ifinは、ウォーターポンプ11を駆動するために必要な電動機13の駆動電流Ibseと、ファン12のつれ回り動力Pfanとから求めることができる。電動機13の駆動電流は、つれ回り動力Pfanの関数f(Pfan)で求めることができる。したがって、Ifin=Ibse−f(Pfan)となる。動作条件演算部31は、上記手順によって求められたIbse及びPfanから、電動機13の最終電動機駆動電流Ifinを算出する(ステップS106、図9)。
動作制御部32は、上記手順で決定されたクラッチ係合フラグFcが1である場合には、クラッチ14を接続する。また、クラッチ係合フラグFcが0である場合には、クラッチ14を切る。そして、機関制御部8cは、上記手順によって算出された最終電動機駆動電流Ifinで、電動機13を駆動する(ステップS107、図9)。
このように、この実施例に係る冷却装置10、10a等では、ファン12を駆動する必要がない場合には、クラッチ14によってファン12と電動機13との接続を切る。これによって、ウォーターポンプ11のみを駆動する場合には、ファン12を駆動する必要はないので、それだけ電動機13の負荷を低減して、消費エネルギーを低減できる。次に、この実施例に係る他の冷却制御について説明する。
図11は、この実施例に係る他の冷却制御の手順を示すフローチャートである。図12−1は、この冷却制御に用いる電動機電流と電動機回転数の関係を示すマップである。図12−2は、ファンが電動機を補助できるか否かを判定する際の考え方を示す説明図である。なお、この冷却制御は、上記冷却制御装置(図8)によって実現できる。この冷却装置10を制御するにあたり、冷却制御装置30が備える動作条件演算部31は、ウォーターポンプ11が循環させる冷却水の要求流量を求める。このため、まず、内燃機関1の発熱量Ewを推定する。前記発熱量Ewは、内燃機関1の要求出力から推定される。内燃機関1の要求出力は、例えば、アクセル開度センサ41からの情報から、予め定められた制御マップによって機関ECU8が決定する。
動作条件演算部31は、内燃機関1の発熱量Ewを推定する(ステップS201)。次に、動作条件演算部31は、内燃機関1に備えられる冷却水温度センサ42から、冷却水温度Twを検出する(ステップS202)。そして、動作条件演算部31は、内燃機関1の発熱量Ewと内燃機関1の冷却水温度Twとから、ウォーターポンプ11が循環させる冷却水の要求流量Qwを求める(ステップS203)。
動作条件演算部31は、算出した要求流量Qwからウォーターポンプ11の駆動要求回転数Nwを算出する(ステップS204)。これは、例えば、実験や解析等によって、要求流量Qwと駆動要求回転数Nwとの関係を予め求めてマップ化し、作成したマップに基づいて駆動要求回転数Nwを求めることができる。
次に、動作条件演算部31は、冷却水温度センサ42から取得した冷却水の温度、及び車速センサ43から取得した車両100の走行速度等に基づいて、ファン12を駆動する条件であるか否かを判定する(ステップS205)。ファン12を駆動しない条件である場合(ステップS205:No)、動作条件演算部31は、ウォーターポンプ11を駆動する条件であるか否かを判定する(ステップS206)。
ファン12を駆動しない場合で(ステップS205:No)、かつウォーターポンプ11を駆動しない場合(ステップS206:No)、STARTに戻って冷却制御装置30が内燃機関1の運転を監視する。ファン12を駆動しない場合で(ステップS205:No)、かつウォーターポンプ11を駆動する場合(ステップS206:Yes)、ファン12のつれ回り動力によりウォーターポンプ11を駆動するために必要な電動機13の動力を低減できる場合がある。このため、この冷却制御においては、動作制御部32がクラッチ14を係合して(ステップS207)、電動機13によるウォーターポンプ11の駆動をファン12が補助できるか否かを判定する。
ファン12のつれ回り動力によって電動機13の駆動が補助される場合、電動機13の駆動が補助されていない場合(すなわち電動機13がファン12を駆動しないでウォーターポンプ11のみを駆動する場合)と同じ電動機駆動電流であっても、電動機回転数が増加する。一方、ファン12と電動機13とをクラッチ14によって接続したときに、電動機13の駆動が補助されていない場合と同じ電動機駆動電流で、かつ電動機回転数は電動機13の駆動が補助されていない場合よりも低い場合、ファン12の回転は電動機13の負荷となる。この例に係る冷却制御では、ファン12がウォーターポンプ11の駆動を補助する動力(つれ回り動力)に基づく前記関係を利用して、ファン12のつれ回り動力によって電動機13を補助するか否かを判定する。
このため、クラッチ14を開放した状態、すなわち電動機13の負荷がウォーターポンプ11のみである場合における電動機駆動電流Imと、そのときの電動機13の回転数(基準電動機回転数)Nmbとの関係を予め取得する。そして、取得した電動機駆動電流Imと基準電動機回転数Nmbとの関係を、例えば図12−1に示す判定マップ60として作成し、機関ECU8の記憶部8mに格納しておく。
そして、動作制御部32がクラッチ14を係合したら(ステップS207)、動作条件演算部31は、電動機駆動電流Imを検出するとともに(ステップS208)、電動機回転数Nmを検出する(ステップS209)。次に、動作条件演算部31は、その電動機駆動電流Imのときの基準電動機回転数Nmbを取得する(ステップS210)。これは、動作条件演算部31がステップS208で検出した電動機駆動電流Imを判定マップ60に与え、そのときの基準電動機回転数Nmbを判定マップ60から取得する。そして、動作条件演算部31は、ステップS209において検出した電動機回転数NmとステップS210において取得した基準電動機回転数Nmbとを比較する(ステップS211)。
Nm>Nmbである場合、図12−2に示すように、動作条件演算部31は、ファン12が電動機13によるウォーターポンプ11の駆動を補助していると判定する(ステップS212)。したがって、動作制御部32は、クラッチ14の係合を継続して(ステップS213)、ファン12のつれ回り動力を利用して電動機13とともにウォーターポンプ11を駆動する。これにより、電動機13で消費されるエネルギーがファン12のつれ回り動力分低減できるので、内燃機関1の燃料消費を抑制できる。また、ファン12のつれ回り動力を利用することにより、電動機13の単独でウォーターポンプ11を駆動した場合には吐出できない量の冷却水を内燃機関1の冷却系に循環させることができるので、内燃機関1の冷却性能が向上する。
Nm≦Nmbである場合、図12−2に示すように、動作条件演算部31は、ファン12が電動機13の負荷として作用していると判定する(ステップS214)。したがって、動作制御部32は、クラッチ14を開放して(ステップS215)、電動機13の負荷を軽減する。これによって、電動機13の駆動力を、すべてウォーターポンプ11の駆動に使用することができるので、電動機13がファン12を駆動することによるウォーターポンプ11の冷却水吐出量の低下を抑制できる。
なお、内燃機関1の放熱量が増加して冷却水温度が予め定めた基準値を上回り、ファン12の駆動も必要になった場合には(ステップS205:Yes)、クラッチ14を係合してウォーターポンプ11とファン12とを電動機13によって駆動する。この場合には、電動機13の消費電力が増加しても、内燃機関1の冷却を優先させるためである。この場合、ファン12とウォーターポンプ11とを電動機13で駆動するため、動作条件演算部31がウォーターポンプ11の駆動要求回転数を補正する(ステップS216)。そして、動作制御部32がクラッチ14を係合して(ステップS217)、ウォーターポンプ11とファン12とを電動機13で駆動する。動作条件演算部31は、このときの電動機駆動電流Imを検出し(ステップS218)、動作制御部32は検出された電動機駆動電流Imに基づいて、冷却装置10の動作を制御する。
ファン12の回転は、車両100の走行速度と相関があるが、ファン12の回転は、風の方向や風速、前走車の有無、車両100のフロントグリルの形状等によって変化する。この例に係る冷却制御では、電動機13を単独で用いてウォーターポンプ11を駆動した場合の基準電動機回転数Nmbと、ファン12とウォーターポンプ11とを電動機13で駆動した場合の電動機回転数Nmとに基づいて、ファン12が電動機13によるウォーターポンプ11の駆動を補助できるか否かを判定する。これによって、ファンのつれ回り動力を正確かつ簡易に推定できる。
なお、この冷却制御において、ステップS207でクラッチ14を係合する前に、車両100の走行速度(車速)Vを求めて、これを予め定めた基準速度V1と比較し、車速Vが基準速度V1を上回ったらクラッチ14を係合してもよい。このとき、車両100の走行中に、動作条件演算部31がファン12によって電動機13によるウォーターポンプの駆動を補助できる車速を求め、基準速度V1を随時更新するようにしてもよい。
図13は、この実施例に係る他の冷却制御の手順を示すフローチャートである。この冷却制御は、クラッチ14を係合してファン12の駆動を開始する際、すなわちファン12が動作を開始する際において、電動機13の負荷を抑制するものである。この冷却制御は、上記冷却制御装置30(図8)によって実現できる。ウォーターポンプ11が停止しているときにファン12の駆動を開始する場合、クラッチ14を係合したまま電動機13の回転を開始すると、電動機13にはファン12の起動トルクとウォーターポンプ11の起動トルクとが同時に作用する。その結果、電動機13には大きな駆動トルクが要求されるので、電動機13の駆動エネルギーが過大になるおそれがある。また、ウォーターポンプ11の駆動中にクラッチ14を係合してファン12を駆動する場合、電動機13の回転数が低いと、同様に電動機13の駆動エネルギーが大きくなる。
この冷却制御では、ファン12の駆動要求があるときには、電動機13の回転数が予め定めた所定の回転数に到達してからクラッチ14を係合して、電動機13でファン12を駆動する。冷却制御装置30の動作条件演算部31は、ファン12の駆動要求があるか否かを判定する(ステップS301)。ファン12の駆動要求がない場合(ステップS301:No)、STARTに戻って冷却制御装置が内燃機関1の運転を監視する。
ファン12の駆動要求がある場合(ステップS301:Yes)、動作条件演算部31は、ウォーターポンプ11の駆動回転数(W/P駆動回転数)Nwpが、予め定めた第1基準回転数N1以上であるか否かを判定する(ステップS302)。Nwp≧N1である場合(ステップS302:Yes)、動作条件演算部31は、W/P駆動回転数Nwpが予め定めた第2基準回転数N2よりも大きいか否かを判定する。ここで、N2>N1である。
Nwp≦N2である場合(ステップS303:No)、動作制御部32はクラッチ14を係合させて(ステップS304)、ファン12を駆動する。N2≧Nwp≧N1であれば、電動機13はある程度の回転数で駆動されているので、クラッチ14を係合させても電動機13の駆動エネルギーは過大にならない。その後、冷却制御装置30は、ファン12、ウォーターポンプ11の駆動制御に移行する(ステップS305)。
Nwp<N1である場合(ステップS302:No)、電動機13は十分な回転数に到達していないので、動作制御部32はクラッチ14を開放し(ステップS306)、Nwp=N1となるまでクラッチ14を開放したまま待機する(ステップS307:No)。このとき、上述した冷却装置10bのように変速比可変装置15Vを備えている場合(図6−1、図6−2)、変速比可変装置15Vによりクラッチ14に入力される電動機13の回転数を迅速にN1に合わせることができる。Nwp=N1となったら(ステップS307:Yes)、動作制御部32はクラッチ14を係合させて(ステップS304)、ファン12を駆動する。その後、冷却制御装置30は、ファン12、ウォーターポンプ11の駆動制御に移行する(ステップS305)。これによって、クラッチ14を係合させる際において、電動機13の駆動エネルギーが過大になることを抑制できる。
電動機13の回転数が高い状態でクラッチ14を係合させるとクラッチ14には急激に動力が伝達されるので、クラッチ14からは異音や振動が発生したり、クラッチ14の耐久性が低下したりする。このため、かかる場合には、電動機13の回転数を適正な大きさまで低下させてからクラッチ14を係合する。Nwp>N2である場合には(ステップS303:Yes)、動作制御部32はクラッチ14を開放し、Nwp≦N2となるまでクラッチ14を開放したまま待機する(ステップS308:No)。このとき、上述した冷却装置10bのように変速比可変装置15Vを備えている場合(図6−1、図6−2)、変速比可変装置15Vによりクラッチ14に入力される電動機13の回転数を迅速にN2に合わせることができる。
Nwp=N2となったら(ステップS308:Yes)、動作制御部32はクラッチ14を係合させて(ステップS304)、ファン12を駆動する。その後、冷却制御装置30は、ファン12、ウォーターポンプ11の駆動制御に移行する(ステップS305)。これによって、クラッチ14を係合する際の異音や振動等の発生を抑制しつつ、クラッチ14を係合させる際において、電動機13の駆動エネルギーが過大になることを抑制できる。
図14は、この実施例に係る他の冷却制御の手順を示すフローチャートである。この冷却制御は、例えば電動機13の断線等の理由によってウォーターポンプ11が動作しなくなった場合において、内燃機関1を保護するためのものである。なお、この冷却制御は、上記冷却制御装置(図8)により実現できる。まず、ウォーターポンプ11の駆動制御を実行しているときに(ステップS401)、冷却制御装置30の動作条件演算部31は、電動機回転数センサ44によって電動機13の回転数(電動機回転数)Nmを検出し、取得する(ステップS402)。
動作条件演算部31は、取得した電動機回転数Nmを、予め定めた第1制限回転数Nmc1と比較する(ステップS403)。Nm≧Nmc1である場合(ステップS403:Yes)、電動機13は正常であると判定できるので(ステップS413)、STARTに戻り、冷却制御装置30は内燃機関1の運転を監視する。
Nm<Nmc1である場合(ステップS403:No)、電動機13に断線等の電気的な不具合が発生して、電動機13に動作不良が発生したと判定する(ステップS404)。この場合、動作制御部32はクラッチ14を係合する(ステップS405)。そして、車両100の走行風によってファン12を回転させ、これによってウォーターポンプ11を駆動する。これによって、内燃機関1の冷却水の循環量を少しでも確保して、内燃機関1を冷却する。ここで、電動機13の電気的な不具合とは、電動機13の配線が断線したり、電動機13の駆動回路に不具合が発生したりして、電動機13の回転軸を外部から回すことはできるが、電動機13事態は正常に動作しない場合をいう。
次に、動作条件演算部31は、冷却水温度センサ42から内燃機関1の冷却水温度Twを取得し、予め定めた基準冷却水温度Twcと比較する(ステップS406)。Tw<Twcである場合(ステップS406:No)、内燃機関1は冷却が確保されていると判定できるので、STARTに戻り、冷却制御装置30は内燃機関1の運転を監視する。Tw≧Twcである場合(ステップS406:Yes)、内燃機関1の冷却は不十分であると判定できる。この場合、動作制御部32は、内燃機関1の出力が、予め定めた第1出力制限値Pc1を超えないように、内燃機関1の出力を制限する。これを第1出力制限モードとする(ステップS407)。これにより、内燃機関1のオーバーヒートを抑制する。なお、内燃機関1の出力制限は、例えばスロットル弁の開度を制限したり、燃料噴射量を制限したり、あるいは複数の気筒のうち、一部の気筒における燃焼を停止したりすることにより実現できる(以下同様)。
次に、動作条件演算部31は、電動機回転数Nmを検出するとともに(ステップS408)、車速センサ43から車両100の走行速度(車速)を検出する(ステップS409)。そして、動作条件演算部31は、検出したNmとNmc2とを比較する(ステップS410)。ここで、ステップS408とステップS409との順番は問わない。
ステップS409で検出した車速が、ファン12のつれ回りが期待できる車速である場合であっても、そのときのファン12の回転数(すなわち電動機回転数Nm)が、検出した車速に応じた回転数(以下第2制限回転数)Nmc2以下である場合には、電動機13に機械的な不具合が発生していると判定できる。ここで、電動機13の機械的な不具合とは、例えば、電動機が焼き付いたり、電動機13の軸受等が破損したりして、外部から電動機13の回転軸を回転させようとしてもこれが不可能であるか、又は著しく困難であるような場合をいう。
Nm≦Nmc2である場合(ステップS410:Yes)、電動機13に機械的な不具合が発生していると判定する。この場合、動作制御部32は、内燃機関1の出力が、予め定めた第2出力制限値Pc2を超えないように、内燃機関1の出力を制限する。ここで、Pc1>Pc2である。これを第2出力制限モードとする(ステップS411)。これにより、内燃機関1のオーバーヒートを抑制する。その後。動作条件演算部31は、電動機13の焼き付き等が発生していると判定し(ステップS412)、その結果を、例えば車両100の計器パネルに警告として表示したり、機関ECU8の記憶部8mに格納したりする。Nm>Nmc2である場合(ステップS410:No)、電動機13に機械的な不具合は発生していないと判定できるので、STARTに戻り、冷却制御装置30は内燃機関1の運転を監視する。
以上、この実施例では、内燃機関を冷却する冷却媒体を循環させる冷却媒体循環手段を駆動する電動機と、前記冷却媒体の熱を放熱させる電気機器用放熱手段に通風させるための導風手段を駆動する電動機とを、同一の電動機で共用する。そして、駆動力断続手段を導風手段と電動機との間に配置する。これによって、冷却媒体循環手段のみの駆動要求がある場合には、冷却媒体循環手段のみを選択して駆動できるので、導風手段を駆動する分のエネルギー消費を抑制できる。また、車両の走行風によって導風手段が駆動されることにより生み出される動力によって、冷却媒体循環手段を駆動する動力を低減することもできる。これによって、エネルギー消費を抑制できる。
さらに、冷却媒体循環手段と導風手段との駆動源を共用化しているので、冷却装置全体をコンパクトにできる。これによって、車両等のように、限られた設置スペースでも搭載可能とし、搭載の自由度を向上させることができる。なお、この実施例で開示した構成と同一の構成を備えるものは、この実施例の奏する作用、効果と同様の作用、効果を奏する。また、実施例1で開示した構成は、適宜以下の実施例に開示する構成に適用することができる。
図15は、この実施例に係る冷却装置を備える内燃機関の冷却系を示す説明図である。この実施例は、ラジエーターに送風する導風手段を複数台備える点が異なる。他の構成は実施例1及びその変形例と同様なので説明を省略する。以下の説明において、導風手段は2台であるが、導風手段の個数は2台に限定されるものではない。
実施例2に係る冷却装置10dは、車両100(図1参照)に搭載されて、内燃機関1の冷却水を内燃機関1の冷却系内で循環させたり、車両用空調装置が備える凝縮機へ送風したりする。冷却装置10dは、第1電動機13Aで駆動される第1ファン(第1導風手段)12A及び第1ウォーターポンプ11(第1冷却媒体循環手段)Aと、第1電動機13Aとは別個に用意された第2電動機13Bで駆動される第2ファン(第2導風手段)12Bとを含んで構成される。ここで、第1ファン12Aと第2ファン12Bとは、放熱手段であるラジエーター50に対して並列に配置される。また、第1電動機13Aと第1ファン12Aとは、第1駆動力断続手段である第1クラッチ14Aを介して接続される。第2電動機13Bは、第2ファン12Bのみを駆動するので、第1ファン12A及びウォーターポンプ11を駆動する第1電動機13Aよりも小型で出力の小さいものを使用することができる。
この実施例に係る冷却装置10dでは、ラジエーター50ウォーターポンプ11と第1ファン12とを、同一の駆動手段(第1電動機13A)によって駆動する。これにより、冷却装置10d全体をコンパクトにできるので、車両等のように、限られた設置スペースでも搭載可能とし、搭載の自由度を向上させることができる。
ラジエーター50の冷却風導入側には、車両用空調装置の凝縮器(熱交換器)51が備えられる。凝縮器51は、車両用空調装置が備える圧縮機から吐出される冷媒の熱を大気中に放熱して、冷媒を凝縮させる。ここで、内燃機関1の負荷が小さく、かつ冷却水の温度が低い場合には、冷却水の循環量を少なくして、内燃機関1の暖機を促進する。一方、車両100(図1参照)の走行速度が低く、かつ車両用空調装置の圧縮異を駆動して冷媒を凝縮器51で凝縮させる場合、第2ファン12Bを高回転駆動して凝縮器51を通過する風量を大きくする必要がある。この実施例に係る冷却装置10dでは、ウォーターポンプ11と別個独立に駆動できる第2ファン12Bと及び2電動機13Bを備えるので、上記のような場合でも凝縮器51を通過する風量を確保しつつ、内燃機関1の暖機を促進できる。
この実施例に係る冷却装置10dは、第2ファン12Bの冷却風導入側に熱交換器である凝縮器51を配置する。すなわち、車両100の走行風によるつれ回り動力を利用してウォーターポンプ11の駆動を補助する第1ファン12Aの冷却風導入側(図15のDで示す領域)には、凝縮器51を配置しない。このように、車両100の走行風によるつれ回り動力を利用する第1ファン12Aの冷却風導入側には、通風抵抗となる部品は配置せず、車両100の走行風によるつれ回り動力を利用しない第2ファン12Bの冷却風導入側に配置する。これにより、車両100の走行風を第1ファン12Aへ効率よく導入して第1ファン12Aを回転させ、つれ回り動力を確保できる。なお、通風抵抗となる部品には、凝縮器51の他、内燃機関1が過給機を備える場合に用いられるインタークーラー等がある。
図16−1、図16−2は、この実施例に係る冷却装置を車両に搭載した状態を示す概略図である。この実施例に係る冷却装置10dは、ラジエーター50の冷却風流出側、すなわち、冷却風導入側(図中L側)の反対側に配置される。車両100の走行中、ラジエーター50を走行風WRが通過して、ラジエーター50内に導入される高温の冷却水を冷却する。この実施例係る冷却装置10dは、実施例1で説明した冷却装置10、10a等のように、第1ファン12Aのつれ回り動力によって、第1電動機13Aによるウォーターポンプ11の駆動を補助する。なお、第2ファン12Bによるつれ回り動力を回収してもよい。この場合、第2ファン12Bによって第2電動機13Bを駆動し、これによって発生した電力を、例えば車両100が備える蓄電手段(蓄電池やコンデンサ)に蓄える。
このとき、走行風WRによって効率的に第1ファン12Aを回転させるため、車両100のボンネット100Bやアンダーカバー100UCに、空気抜き孔100Vを設けることが好ましい。これによって走行風WRを効率的に利用してファン12を回転させることができるので、第1ファン12Aによる動力回収効率が向上する。ここで、第1ファン12Aによってより多くの動力を回収するため、空気抜き孔100Vは、ファン12の位置よりも車両進行方向とは反対方向に設けることが好ましい。また、空気抜き孔100Vは、少なくとも第1ファン12Aが配置されている側に設けることが好ましい。なお、第2ファン12Bによるつれ回り動力を回収する場合には、空気抜き孔100Vを第2ファン12Bが配置されている側にも設けることが好ましい。
図17は、この実施例の第1変形例に係る冷却装置を示す正面図である。この実施例の第1変形例に係る冷却装置10eは、第1ファン12Aと第2ファン12Bとがファンシュラウド52aへ並列に配置される。また、車両100の走行風による第1ファン12Aの回転効率を、車両100の走行風による第2ファン12Bの回転効率よりも大きくしてある。この例では、第1ファン12Aの直径dAを、第2ファン12Bの直径dBよりも大きくして、第1ファン12Aの回転効率を高くしてある。これによって、走行風による第1ファン12Aのつれ回り動力を確保できる。
車両100の走行風による第1ファン12Aの回転効率を大きくするためには、第1ファンの直径を変更する他に、第1ファン12Aの羽根の数を変更したり、第1ファンの羽根の面積を変更したりする手法がある。また、これらの手法から2以上の手法を組み合わせてもよい。
図18−1は、この実施例の第2変形例に係る冷却装置を示す正面図である。図18−2は、図18−1のA−A断面図である。この変形例に係る冷却装置10fは、前記第1変形例に係る冷却装置10eと略同様の構成であるが、第1ファン12Aと第2ファン12Bとを車両100の進行方向に対してずらして(この例ではl)、ファンシュラウド52bに配置する点が異なる。このようにすることで、つれ回り動力を利用する第1ファン12Aの直径を、上記第1変形例に係る冷却装置10eよりも大きくできるので、車両100の走行風によるつれ回り動力をより効率的に利用できる。なお、この例では、隔壁50bBによって第1ファン12Aと第2ファン12Bとを仕切っているが、これによって、第1ファン12Aによる通風と第2ファン12Bによる通風との干渉を低減できる。また、車両100の走行風を効率よく第1ファンへ導くことができる。
図19は、実施例2に係る冷却制御の手順を示すフローチャートである。この冷却制御は、実施例1に係る冷却制御装置30(図8)により実現できる。ここでは、図15に示す冷却装置10dを用いて実施例2に係る冷却制御を実現する例を説明するが、実施例2の第1変形例に係る冷却装置10e等を用いて実施例2に係る冷却制御を実現してもよい。次の説明においては、上述した図1、図8、図15等を適宜参照されたい。冷却制御装置30が備える動作条件演算部31が、内燃機関1の暖機が完了する前で、かつ車両用空調装置(A/C:Air Conditioner)が停止していると判定した場合、動作制御部32は、第1及び第2電動機13A、13Bを停止する。
動作条件演算部31が、内燃機関1の暖機が完了する前で、かつ車両用空調装置(A/C)が動作していると判定した場合、動作制御部32は、第2電動機13Bのみを駆動する。動作条件演算部31が、内燃機関1の暖機が完了し、かつ車両用空調装置(A/C)が停止していると判定した場合、動作制御部32は、第1電動機13Aで第1ウォーターポンプ11Aのみを駆動するとともに、通風は第2ファン12Bで行う。これによって、第1及び第2電動機13A、13Bのエネルギー消費を抑制する。
この実施例に係る冷却制御において、動作条件演算部31は、車両用空調装置(A/C)からのファン駆動要求、すなわち、熱交換器である凝縮器51に対する通風要求があるか否かを判定する(ステップS501)。例えば、車両100が停止しているとき等に、ファン駆動要求が発生する。車両用空調装置からのファン駆動要求がない場合(ステップS501:No)、動作条件演算部31は、ウォーターポンプ11を駆動するか否かを判定する(ステップS502)。ここで、熱交換器に対する通風要求としては、例えば内燃機関1が過給機を備える場合に用いられるインタークーラー(熱交換器)に対するものがある。例えば、車両100の停止中にインタークーラーに通風することにより内燃機関1への給気温度を下げて、充填効率を改善する。
ウォーターポンプ11を駆動しない場合(ステップS502:No)、動作制御部32は第1クラッチ14Aを開放し(ステップS509)、第1電動機13Aを停止する。ウォーターポンプ11を駆動する場合(ステップS502:Yes)、動作制御部32は第1クラッチ14Aを開放し、第1電動機13Aを駆動する(ステップS503)。これによって、第1ファン12Aを駆動しないで、ウォーターポンプ11のみを単独で駆動することができる。
次に動作条件演算部31は、冷却水温度センサ42によって内燃機関1の冷却水温度を検出し、冷却水の温度が高いためにファンを駆動する必要があるか否かを判定する(ステップS504)。ファンを駆動しない場合(ステップS504:No)、動作制御部32は第1クラッチ14Aを開放し(ステップS509)、第1電動機13Aを停止する。ファンを駆動する必要がある場合(ステップS504:Yes)、第1クラッチ14Aを係合して(ステップS510)、第1ファン12Aを駆動する。このとき、第1ファン12Aを駆動する代わりに、第2ファン12Bを駆動するようにしてもよい。例えば、第1クラッチ14Aに電磁クラッチを使用する場合、電磁クラッチの消費電力と第1ファン12Aを駆動することによる消費電力が、第2ファン12Bを駆動する消費電力よりも大きい場合は、第2ファン12Bを駆動してもよい。また、この実施例の第1、第2変形例に係る冷却装置10e、10fのように、第1ファン12Aと第2ファン12Bとで得られる風量が異なる場合には、冷却要求に応じた風量のファンを選択してもよい。
車両用空調装置からのファン駆動要求がある場合(ステップS501:Yes)、動作制御部32は、第2電動機13Bにより、第2ファン12Bを駆動する(ステップS505)。次に、動作条件演算部31は、ウォーターポンプ11を駆動するか否かを判定する(ステップS506)。ウォーターポンプ11を駆動しない場合(ステップS506:No)、動作制御部32は第1クラッチ14Aを開放し(ステップS509)、第1電動機13Aを停止する。ウォーターポンプ11を駆動する場合(ステップS506:Yes)、動作制御部32は第1クラッチ14Aを開放し、第1電動機13Aを駆動する。これによって、第1ファン12Aを駆動しないで、ウォーターポンプ11のみを単独で駆動することができる(ステップS507)。
次に動作条件演算部31は、冷却水温度センサ42によって内燃機関1の冷却水温度を検出し、冷却水の温度が高いためにファンを駆動する必要があるか否かを判定する(ステップS508)。ファンを駆動しない場合(ステップS508:No)、動作制御部32は第1クラッチ14Aを開放し(ステップS509)、第1電動機13Aを停止する。ファンを駆動する必要がある場合(ステップS508:Yes)、第1クラッチ14Aを係合して(ステップS510)、第1ファン12Aを駆動する。
このとき、第1ファン12Aを駆動する代わりに、第2ファン12Bを駆動するようにしてもよく、また、第1ファン12Aと第2ファン12Bとで得られる風量が異なる場合には、冷却要求に応じた風量のファンを選択してもよい。このように、ウォーターポンプ11と、第2ファン12Bとを別個独立に制御できるので、内燃機関1や車両用空調装置の運転条件に応じて、冷却水の循環量と、ラジエーター50や凝縮器51の通風量を最適に制御できる。
図20は、この実施例の第3変形例に係る冷却装置を備える内燃機関の冷却系を示す説明図である。この変形例は、同一の電動機により駆動されるファンとウォーターポンプとの組み合わせを複数用意し、電動機とファンとの間にクラッチが設けられるものと、電動機とウォーターポンプとの間にクラッチが設けられるものとを備える点が異なる。他の構成は実施例2及びその変形例と同様なので説明を省略する。以下の説明において、同一の電動機により駆動されるファンとウォーターポンプとの組み合わせは2組みであるが、同一の電動機により駆動されるファンとウォーターポンプとの組み合わせは2組に限定されるものではない。
この変形例に係る冷却装置10gは、車両100(図1参照)に搭載されて、内燃機関1の冷却水を内燃機関1の冷却系内で循環させたり、車両用空調装置が備える凝縮機へ送風したりする。冷却装置10gは、第1電動機13Aで駆動される第1ファン(第1導風手段)12A及び第1ウォーターポンプ(第1冷却媒体循環手段)11Aと、第1電動機13Aとは別個に用意された第2電動機13Bで駆動される第2ファン(第2導風手段)12Bと第2ウォーターポンプ(第2冷却媒体循環手段)11Bとを含んで構成される。
ここで、第1ファン12Aと第2ファン12Bとは並列に配置される。第1電動機13Aと第1ファン12Aとは、第1駆動力断続手段である第1クラッチ14Aを介して接続される。また、第2電動機13Aと第2ウォーターポンプ11Bとは、第2駆動力断続手段である第2クラッチ14Bを介して接続される。これによって、第1ウォーターポンプ11Aは、第1ファン12Aに対して別個独立に駆動でき、また、第2ファン12Bは、第2ウォーターポンプ11Bに対して別個独立に駆動できる。なお、第1及び第2電動機13A、13B、第1及び第2クラッチ14A、14Bは、冷却制御装置30(図8参照)により制御される。
サーモスタット4を通過した冷却水は、第1及び第2ウォーターポンプ11A、11Bに導入される。図20に示すように、第1ウォーターポンプ11Aから吐出される冷却水は、内燃機関1へ送られる。また、第2ウォーターポンプ11Bから吐出される冷却水は、第1ウォーターポンプ11Aの吐出側へ導かれて、内燃機関1へ送られる。
図21−1は、この変形例に係るウォーターポンプの配管系を示す概略図である。この実施例に係る冷却装置10gは、第1ウォーターポンプ11Aと第2ウォーターポンプ11Bとを別個独立に駆動できる。例えば、第1ウォーターポンプ11Aのみ駆動して、第2ウォーターポンプ11Bは停止するような使い方もある。このとき、第2ウォーターポンプ11Bへ冷却水が流れ込まないように、第1ウォーターポンプ11Aの吐出口11Aoと第2ウォーターポンプ11Bの吐出口11Boとの間、又は第1ウォーターポンプ11Aの入口11Aiと第2ウォーターポンプ11Bの入口11Biとの間に、開閉弁54を設けてもよい。
図21−2は、この変形例に係るウォーターポンプの他の配管系を示す概略図である。この配管系は、サーモスタット4(図20参照)から送られる冷却水を、まず第2ウォーターポンプ11Bの入口11Biへ導く。そして、第2ウォーターポンプ11Bの吐出口11Boと第1ウォーターポンプ11Aの入口11Aiとを接続する。この配管系の場合、第1ウォーターポンプ11Aのみを駆動するとき、冷却水は第2ウォーターポンプ11Bを通過することになるので、流路抵抗が大きくなる。このため、第2ウォーターポンプ11Bの入口11Biと吐出口11Boとを接続して第2ウォーターポンプ11Bをバイパスする流路を設ける。そして、この流路に開閉弁54を設けて、第1ウォーターポンプ11Aのみを駆動する場合には、開閉弁54を開くようにする。このようにすれば、第1ウォーターポンプ11Aのみを駆動する場合に、冷却水は第2ウォーターポンプ11Bをバイパスして流れるので、第2ウォーターポンプ11Bを通過することによる流路抵抗の増加を抑制できる。
図22は、この実施例の第4変形例に係る冷却装置を示す説明図である。この冷却装置10hは、上記第3実施例に係る冷却装置10g(図20)と略同様の構成であるが、内燃機関1を冷却した冷却水を第2ウォーターポンプ11Bの入口11Biに導き、第2ウォーターポンプ11Bの吐出口11Boから吐出された冷却水を、ラジエーター50の入口50iに送る点が異なる。
ラジエーター50で冷却された冷却水は、ラジエーター50の出口50oから排出され、サーモスタット4を通ってから、第1ウォーターポンプ11Aの入口11Aiに送られて、第1ウォーターポンプ11Aの吐出口11Aoから内燃機関1へ送られる。このような構成によれば、上記冷却装置10gと比較して、第2ウォーターポンプ11Bと内燃機関1との冷却水通路の距離、及び第2ウォーターポンプ11Bと第1ウォーターポンプ11Aとの冷却水通路の距離を短くできる。その結果、冷却水の圧力低下を小さくできるので、耐キャビテーション性能が向上し、信頼性が向上する。次に、この実施例に係る冷却制御について説明する。
図23は、この実施例の第4変形例に係る冷却装置を用いた場合の冷却制御の手順を示すフローチャートである。この実施例に係る冷却制御は、実施例1に係る冷却制御装置30(図8)により実現できる。次の説明においては、すでに説明した図1、図8、図15等を適宜参照されたい。冷却制御装置30が備える動作条件演算部31が、内燃機関1の暖機が完了する前で、かつ車両用空調装置(A/C:Air Conditioner)が停止していると判定した場合、動作制御部32は、第1及び第2電動機13A、13Bを停止する。
動作条件演算部31が、内燃機関1の暖機が完了する前で、かつ車両用空調装置(A/C)が動作していると判定した場合、動作制御部32は、第2クラッチ14Bを解放して第2電動機13Bのみを駆動することにより、第2ファン12Bのみを駆動する。動作条件演算部31が、内燃機関1の暖機が完了し、かつ車両用空調装置(A/C)が停止していると判定した場合、動作制御部32は、第1クラッチ14Aを解放し、第1電動機13Aで第1ウォーターポンプ11Aのみを駆動するとともに、通風は第2クラッチ14Bを解放し、第2ファン12Bで行う。これによって、第1及び第2電動機13A、13Bのエネルギー消費を抑制する。
この実施例に係る冷却制御において、動作条件演算部31は、車両用空調装置(A/C)からのファン駆動要求があるか否かを判定する(ステップS601)。例えば、車両100が停止しているとき等に、ファン駆動要求が発生する。車両用空調装置からのファン駆動要求がない場合(ステップS601:No)、動作条件演算部31は、ウォーターポンプを駆動するか否か、すなわち、冷却水を循環させるか否かを判定する(ステップS602)。
ウォーターポンプ11を駆動しない場合(ステップS602:No)、動作制御部32は第1クラッチ14Aを開放し(ステップS606)、第1電動機13Aを停止する。ウォーターポンプを駆動する場合(ステップS602:Yes)、動作制御部32は第1クラッチ14Aを開放し、第1電動機13Aを駆動する(ステップS603)。これによって、第1ファン12Aを駆動しないで、第1ウォーターポンプ11Aのみを単独で駆動することができる。
次に動作条件演算部31は、冷却水温度センサ42によって内燃機関1の冷却水温度を検出し、冷却水の温度が高いためにファンを駆動する必要があるか否かを判定する(ステップS604)。ファンを駆動しない場合(ステップS604:No)、動作制御部32はクラッチ14を開放して、第1電動機13Aを停止する。ファンを駆動する必要がある場合(ステップS604:Yes)、第1クラッチ14Aを係合して(ステップS605)、第1ファン12Aを駆動する。このとき、第1ファン12Aを駆動する代わりに、第2ファン12Bを駆動するようにしてもよい。例えば、第1クラッチ14に電磁クラッチを使用する場合、電磁クラッチの消費電力と第1ファン12Aを駆動することによる消費電力が、第2ファン12Bを駆動する消費電力よりも大きい場合は、第2ファン12Bを駆動してもよい。また、実施例1の第1、第2変形例に係る冷却装置10e、10fのように(図17、図18−1、図18−2)、第1ファン12Aと第2ファン12Bとで得られる風量が異なる場合には、冷却要求に応じた風量のファンを選択してもよい。
車両用空調装置からのファン駆動要求がある場合(ステップS601:Yes)、動作制御部32は、第2電動機13Bにより、第2ファン12Bを駆動する(ステップS607)。次に、動作条件演算部31は、ウォーターポンプを駆動するか否かを判定する(ステップS608)。ウォーターポンプを駆動しない場合(ステップS608:No)、動作制御部32は第1及び第2クラッチ14A、14Bを開放する(ステップS611)。これによって、第2ファン12Bのみを第2電動機13Bで駆動して、凝縮器51へ通風する。
ウォーターポンプを駆動する場合(ステップS608:Yes)、動作制御部32は第2クラッチ14Bを係合して(ステップS609)、第2電動機13Bを駆動する。これによって、第2ウォーターポンプ11Bを駆動しつつ第2ファン12Bを駆動して、凝縮器51へ通風させることができる。なお、ステップS609においては、第1クラッチ14Aを係合するとともに第1電動機13Aを駆動して、第2ウォーターポンプ11Bの代わりに第1ウォーターポンプ11Aによって冷却水を循環させてもよい。
次に動作条件演算部31は、冷却水温度センサ42によって内燃機関1の冷却水温度を検出し、冷却水の温度が高いためにファンを駆動する必要があるか否かを判定する(ステップS610)。冷却水温度が制限値よりも低く、ファンを駆動しない場合(ステップS610:No)、STARTに戻って、冷却制御装置30が内燃機関1の運転を監視する。冷却水温度が高くなって、第1及び第2ファン12A、12Bの両方を駆動する必要がある場合(ステップS610:Yes)、動作制御部32は、第1クラッチ14A係合して(ステップS605)、第1電動機13Aを駆動することによって、第1ファン12Aを駆動する。
以上、実施例2及びその変形例では、複数の導風手段を備えるとともに、少なくとも一つの導風手段は、内燃機関を冷却する冷却媒体を循環させる冷却媒体循環手段を駆動する電動機によって駆動され、かつ駆動力断続手段が導風手段と電動機との間に配置される。これによって、冷却媒体循環手段のみの駆動要求がある場合には、冷却媒体循環手段のみを選択して駆動できるので、導風手段を駆動する分のエネルギー消費を抑制できる。また、車両の走行風によって導風手段が駆動されることにより生み出される動力によって、冷却媒体循環手段を駆動する動力を低減することもできる。これによって、エネルギー消費を抑制できる。さらに、内燃機関を冷却する冷却水量と導風手段であるファンの回転数とを、それぞれ最適な範囲で制御できる。
以上のように、本発明に係る冷却装置は、車両に搭載される内燃機関や車両用空気調和装置が備える凝縮器その他の機器類の冷却に有用であり、特に、冷却に要するエネルギーを低減することに適している。
この実施例に係る冷却装置が搭載される車両を示す模式図である。 この実施例に係る冷却装置を備える内燃機関の冷却系を示す説明図である。 この実施例に係る冷却装置を示す説明図である。 この実施例に係る冷却装置を車両に搭載した状態を示す概略図である。 この実施例に係る冷却装置の第1変形例を示す装置構成図である。 冷却装置を駆動する場合における電動機の動力と回転数との関係を示す概念図である。 冷却装置を駆動する場合における電動機の動力と回転数との関係を示す概念図である。 この実施例に係る冷却装置の第2変形例を示す装置構成図である。 この実施例に係る冷却装置の第2変形例を示す装置構成図である。 この実施例に係る冷却装置の第3変形例を示す装置構成図である。 図7−1のA−A断面図である。 この実施例に係る冷却制御装置を示す説明図である。 この実施例に係る冷却装置の制御手順を示すフローチャートである。 この実施例に係る冷却装置の制御手順を示すフローチャートである。 この実施例に係る他の冷却制御の手順を示すフローチャートである。 この冷却制御に用いる電動機電流と電動機回転数の関係を示すマップである。 ファンが電動機を補助できるか否かを判定する際の考え方を示す説明図である。 この実施例に係る他の冷却制御の手順を示すフローチャートである。 この実施例に係る他の冷却制御の手順を示すフローチャートである。 この実施例に係る冷却装置を備える内燃機関の冷却系を示す説明図である。 この実施例に係る冷却装置を車両に搭載した状態を示す概略図である。 この実施例に係る冷却装置を車両に搭載した状態を示す概略図である。 この実施例の第1変形例に係る冷却装置を示す正面図である。 この実施例の第2変形例に係る冷却装置を示す正面図である。 図18−1のA−A断面図である。 実施例2に係る冷却制御の手順を示すフローチャートである。 この実施例の第3変形例に係る冷却装置を備える内燃機関の冷却系を示す説明図である。 この変形例に係るウォーターポンプの配管系を示す概略図である。 この変形例に係るウォーターポンプの他の配管系を示す概略図である。 この実施例の第4変形例に係る冷却装置を示す説明図である。 この実施例の第4変形例に係る冷却装置を用いた場合の冷却制御の手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1 内燃機関
8 機関ECU
8c 機関制御部
8m 記憶部
10、10a、10b、10c、10d、10e、10f、10g、10h 冷却装置
11 ウォーターポンプ
11A 第1ウォーターポンプ
11B 第2ウォーターポンプ
12 ファン
12A 第1ファン
12B 第2ファン
13 電動機
13A 第1電動機
13B 第2電動機
14 クラッチ
14A 第1クラッチ
14B 第2クラッチ
30 冷却制御装置
31 動作条件演算部
32 動作制御部
41 アクセル開度センサ
42 冷却水温度センサ
43 車速センサ
44 電動機回転数センサ
50 ラジエーター
51 凝縮器
100 車両

Claims (15)

  1. 電動機により駆動されて、内燃機関を冷却した冷却媒体を、前記内燃機関と前記冷却媒体の熱を放熱させる放熱手段との間で循環させる冷却媒体循環手段と、
    前記冷却媒体循環手段を駆動する前記電動機によって駆動されて、前記放熱手段に通風する導風手段と、
    前記導風手段と前記電動機との間に設けられ、かつ、前記導風手段が前記冷却媒体循環手段の駆動を補助できる場合は前記導風手段と前記電動機とを接続し、前記導風手段が前記電動機の負荷となる場合には前記導風手段と前記電動機とを解放する駆動力断続手段と、
    を含むことを特徴とする冷却装置。
  2. 前記内燃機関の暖機が完了する前には、前記冷却媒体循環手段が停止し、また、
    前記導風手段の駆動要求がない場合、かつ前記内燃機関の暖機が完了した後においては前記駆動力断続手段を解放することを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  3. 前記冷却媒体循環手段が吐出する冷却媒体の量を増加させる場合には、
    前記駆動力断続手段が、前記導風手段と前記電動機とを解放することを特徴とする請求項1又は2に記載の冷却装置。
  4. 前記導風手段によって前記導風手段が前記冷却媒体循環手段の駆動を補助できる場合は、
    前記導風手段が前記冷却媒体循環手段の駆動を補助する動力に基づいて、前記電動機を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷却装置。
  5. 前記電動機が前記導風手段を駆動しないで前記冷却媒体循環手段を駆動する場合における前記電動機の回転数及び前記電動機の駆動電流に基づいて、前記駆動力断続手段の断続を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の冷却装置。
  6. 前記導風手段が動作を開始するときには、前記電動機の回転数が予め定めた第1基準回転数以上になるまでは前記駆動力断続手段を解放しておき、前記電動機の回転数が予め定めた第1基準回転数以上になったときに前記駆動力断続手段を接続することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の冷却装置。
  7. 前記電動機の回転数が予め定めた第2基準回転数よりも大きい場合には、前記電動機の回転数が予め定めた第2基準回転数以下になったときに前記駆動力断続手段を接続することを特徴とする請求項6に記載の冷却装置。
  8. 前記電動機の動作不良が発生した場合には、前記駆動力断続手段を接続し、かつ前記冷却媒体が予め定めた所定の温度を超えた場合には、前記内燃機関の出力を制限することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の冷却装置。
  9. 第1電動機によって駆動されて、内燃機関を冷却した冷却媒体を、前記内燃機関と前記冷却媒体の熱を放熱させる放熱手段との間で循環させる第1冷却媒体循環手段と、
    前記第1電動機によって駆動されて、前記放熱手段に通風する第1導風手段と、
    前記第1導風手段と前記第1電動機との間に設けられて、前記第1電動機からの駆動力を断続する第1駆動力断続手段と、
    第2電動機によって駆動されて、前記放熱手段に通風する第2導風手段と、を含み、
    前記第1導風手段と前記第2導風手段とは前記放熱手段に対して並列に配置され、かつ前記第2導風手段側であって前記放熱手段の冷却風導入側に熱交換器が配置され、
    前記熱交換器への通風要求があり、かつ前記第1冷却媒体循環手段の駆動要求がある場合には、前記第1駆動力断続手段を切断して前記第1電動機と前記第2電動機とを駆動することを特徴とする冷却装置。
  10. 前記内燃機関の暖機が完了する前において、前記熱交換器への通風要求がない場合には、前記第1電動機及び前記第2電動機を停止するとともに、前記第1駆動力断続手段を解放することを特徴とする請求項9に記載の冷却装置。
  11. 前記内燃機関の暖機が完了する前において、前記熱交換器への通風要求があった場合には、前記第2電動機のみを駆動することを特徴とする請求項9に記載の冷却装置。
  12. 前記内燃機関の暖機が完了した後において、前記熱交換器への通風要求がない場合には、前記第1電動機のみを駆動することを特徴とする請求項9に記載の冷却装置。
  13. 前記第2電動機によって駆動されて、前記内燃機関を冷却した冷却媒体を、前記内燃機関と前記放熱手段との間で循環させる第2冷却媒体循環手段と、
    前記第2電動機と前記第2冷却媒体循環手段との間に設けられて、前記第2電動機からの駆動力を断続する第2駆動力断続手段と、を備え、
    前記熱交換器への通風要求があり、かつ前記冷却媒体の循環要求がある場合には、前記第2駆動力断続手段を接続して前記第2電動機を駆動することを特徴とする請求項9に記載の冷却装置。
  14. 前記熱交換器への通風要求がなく、かつ前記冷却媒体の循環要求がある場合には、前記第1電動機を駆動することを特徴とする請求項13に記載の冷却装置。
  15. さらに、前記放熱手段への通風要求がある場合には、前記第1駆動力断続手段を接続することを特徴とする請求項14に記載の冷却装置。
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