JP2006233196A - 粘度指数向上剤および潤滑油組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 アルキル基の炭素数が1〜36の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)および窒素原子含有単量体(b)を必須構成単量体とし、単量体の合計質量に基づいて(a)の割合が10〜80重量%および(b)の割合が20〜90重量%である重合体(A)からなる粘度指数向上剤;該粘度指数向上剤、並びに希釈剤および/または添加剤からなる粘度指数向上剤組成物;並びに、該粘度指数向上剤または粘度指数向上剤組成物と、基油からなる潤滑油組成物;である。
【選択図】 なし
Description
しかしながら、さらに低粘度化するためには従来の粘度指数向上剤では不十分であり、改良がが求められていた。
アルキル基の炭素数が1〜36の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)および窒素原子含有単量体(b)を必須構成単量体とし、単量体の合計質量に基づいて(a)の割合が10〜80重量%および(b)の割合が20〜90重量%である重合体(A)からなる粘度指数向上剤;該粘度指数向上剤、並びに希釈剤および/または添加剤からなる粘度指数向上剤組成物;該粘度指数向上剤または粘度指数向上剤組成物と、基油からなる潤滑油組成物;並びに、該粘度指数向上剤を潤滑油組成物の重量に基づいて0.5〜30重量%含有する潤滑油組成物;である。
(メタ)アクリル酸メチル(このうち、メタクリル酸メチルを以下MMAと略記する)、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−または、iso−プロピル、(メタ)アクリル酸n−、iso−またはsec−ブチルなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸n−イソデシル、(メタ)アクリル酸n−ウンデシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸2−メチルウンデシル、(メタ)アクリル酸n−トリデシル、(メタ)アクリル酸2−メチルドデシル、(メタ)アクリル酸n−テトラデシル、(メタ)アクリル酸2−メチルトリデシル、(メタ)アクリル酸n−ペンタデシル、(メタ)アクリル酸2−メチルテトラデシル、オキソ合成により製造されたアルコール[例えば、商品名「ドバノール23」(三菱化学製)、「ネオドール23」(シェル化学)、「トリデカノール」(協和発酵製)、「オキソコール1213」(日産化学製)、「ドバノール45」(三菱化学製)、「ネオドール45」(シェル化学)、「オキソコール1415」(日産化学製)との(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる(以下、「ネオドール23」とのメタクリル酸エステルをD23、「ネオドール45」とのメタクリル酸エステルをD45と略す)。
(a2)のうちで好ましいのは、炭素数12〜15の直鎖及び/または分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルである。
アクリル酸n−ヘキサデシル、メタクリル酸n−ヘキサデシル(以下HMAと略す)、アクリル酸n−オクタデシル、メタクリル酸n−オクタデシル(以下OMAと略す)、(メタ)アクリル酸n−エイコシル、(メタ)アクリル酸n−ドコシル、(メタ)アクリル酸2メチルペンタデシル、(メタ)アクリル酸2−ヘキシルデシル基、(メタ)アクリル酸2−メチルヘキサデシル、(メタ)アクリル酸2−オクチルデシル、(メタ)アクリル酸2−ヘキシルドデシル、(メタ)アクリル酸2−メチルヘプタデシルなどが挙げられる。(a3)のうちで好ましいのは、炭素数16〜18の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルである。
(a4)アルキル基の炭素数が19〜36(分岐)の(メタ)アクリル酸アルキルエステル:
(メタ)アクリル酸2−メチルオクタデシル基、(メタ)アクリル酸2−オクチルドデシル、アクリル酸2−デシルテトラデシル、メタクリル酸2−デシルテトラデシル(以下DOMと略す)などが挙げられる。(a4)のうちで好ましいのは、(メタ)アクリル酸2−オクチルドデシル、(メタ)アクリル酸2−デシルテトラデシルである。
(メタ)アクリル酸n−、iso−、sec−およびネオペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチルなどが挙げられる。
例えば、4−ニトロスチレンなど、
(b2)1〜3級アミノ基含有ビニル単量体:
1級アミノ基含有ビニル単量体、例えば、炭素数3〜6のアルケニルアミン[(メタ)アリルアミン、クロチルアミンなど]およびアミノアルキル(炭素数2〜6)(メタ)アクリレート[アミノエチル(メタ)アクリレートなど];2級アミノ基含有ビニル単量体、例えば、アルキル(炭素数1〜6)アミノアルキル(炭素数2〜6)(メタ)アクリレート[t−ブチルアミノエチルメタクリレート、メチルアミノエチル(メタ)アクリレートなど]、ジフェニルアミン(メタ)アクリルアミド[4−ジフェニルアミン(メタ)アクリルアミド、2−ジフェニルアミン(メタ)アクリルアミドなど]および炭素数6〜12のジアルケニルアミン[ジ(メタ)アリルアミンなど];3級アミノ基含有ビニル単量体、例えば、ジアルキル(炭素数1〜4)アミノアルキル(炭素数2〜6)(メタ)アクリレート[ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなど]、ジアルキル(炭素数1〜4)アミノアルキル(炭素数2〜6)(メタ)アクリルアミド[ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなど]、3級アミノ基含有芳香族ビニル系単量体[N,N−ジメチルアミノスチレン、など]および含窒素複素環含有ビニル系単量体[モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、N−ビニルピロール、N−ビニルピロリドン、N−ビニルチオピロリドンなど];が挙げられる。
(b3)第4級アンモニウム塩基含有ビニル単量体:
例えば、前述の3級アミノ基含有ビニル単量体を、4級化剤(炭素数1から12のアルキルクロライド、ジアルキル硫酸、ジアルキルカーボネート、およびベンジルクロライド等)を用いて4級化したものなどが挙げられる。具体的には、アルキル(メタ)アクリレート系第4級アンモニウム塩としては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルメチルモルホリノアンモニウムクロライドなど;アルキル(メタ)アクリルアミド系第4級アンモニウム塩としては、例えば、(メタ)アクリロイルアミノエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライドなど;その他の第4級アンモニウム塩基含有ビニル系単量体としては、例えば、ジメチルジアリルアンモニウムメチルサルフェート、トリメチルビニルフェニルアンモニウムクロライドなど、が挙げられる。
(b4)両性ビニル単量体:
N−(メタ)アクリロイルオキシ(もしくはアミノ)アルキル(炭素数1〜10)N,N−ジアルキル(炭素数1〜5)アンモニウム−N−アルキル(炭素数1〜5)カルボキシレート(もしくはサルフェート)、例えば、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウムN−メチルカルボキシレート、N−(メタ)アクリロイルアミノプロピルN,N−ジメチルアンモニウムN−メチルカルボキシレート、およびN−(メタ)アクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウムプロピルサルフェートなど、が挙げられる。
(b5)ニトリル基含有単量体:
(メタ)アクリロニトリルなどが挙げられる。、
(b2)〜(b4)のうちで好ましいものは(b2)、さらに好ましいのは2級アミノ基含有ビニル単量体および3級アミノ基含有ビニル単量体、特に好ましいのはジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート(以下DAEと略す)、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モルホリノエチルアクリレートおよびモルホリノエチルメタクリレート(以下MEMと略す)である。
例えば、炭素数2〜20のアルケン[エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセンなど]、および炭素数4〜12のアルカジエン[ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6ヘプタジエン、1,7−オクタジエンなど]、
例えば、シクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ピネン、リモネン、インデン、ビニルシクロヘキセン、およびエチリデンビシクロヘプテンなど、
例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、4−エチルスチレン、4−イソプロピルスチレン、4−ブチルスチレン、4−フェニルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ベンジルスチレン、4−クロチルベンゼン、および2−ビニルナフタレンなど、
例えば、炭素数2〜12の飽和脂肪酸のビニルエステル[酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、オクタン酸ビニルなど]、炭素数1〜12のアルキル、アリールもしくはアルコキシアルキルのビニルエーテル[メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、ビニル2−メトキシエチルエーテル、ビニル2−ブトキシエチルエーテルなど]、および炭素数1〜8のアルキルもしくはアリールのビニルケトン[メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、フェニルビニルケトンなど]、
例えば、グリシジル(メタ)アクリレートグリシジル(メタ)アリルエーテルなど、
例えば、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、塩化(メタ)アリル、ハロゲン化スチレン(ジクロルスチレンなど)など、
例えば、不飽和ポリカルボン酸のアルキル、シクロアルキルもしくはアラルキルエステルが挙げられ、このうち不飽和ジカルボン酸[マレイン酸、フマール酸、イタコン酸など]の炭素数1〜8のアルキルジエステル[ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルマレエート、ジオクチルマレエート]など、
例えば、ヒドロキシル基含有芳香族ビニル単量体[p−ヒドロキシスチレンなど]、ヒドロキシアルキル(炭素数2〜6)(メタ)アクリレート[2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2または3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなど]、モノ−またはジ−ヒドロキシアルキル(炭素数1〜4)置換(メタ)アクリルアミド[N,N−ジヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ−2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミドなど]、ビニルアルコール(酢酸ビニル単位の加水分解により形成される)、炭素数3〜12のアルケノール[(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−オクテノール、1−ウンデセノールなど]、炭素数4〜12のアルケンジオール[1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジオールなど]、ヒドロキシアルキル(炭素数1〜6)アルケニル(炭素数3〜10)エーテル[2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテルなど]、多価(3〜8価)アルコール(アルカンポリオール、その分子内もしくは分子間脱水物、糖類、例えばグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ジグリセリン、蔗糖)のアルケニル(炭素数3〜10)エーテルもしくは(メタ)アクリレート[蔗糖(メタ)アリルエーテル]など、
例えば、ポリオキシアルキレングリコール(アルキレン基の炭素数2〜4、重合度2〜50)、もしくはポリオキシアルキレンポリオール[上記3〜8価のアルコールのポリオキシアルキレンエーテル(アルキル基の炭素数2〜4、重合度2〜100)]、またはそれらのアルキル(炭素数1〜4)エーテルのモノ(メタ)アクリレート[ポリエチレングリコール(分子量100〜300)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量130〜500)モノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(分子量110〜310)(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールエチレンオキシド付加物(2〜30モル)(メタ)アクリレート、モノ(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレン(分子量150〜230)ソルビタン]など、
モノカルボキシル基含有ビニル単量体、例えば、不飽和モノカルボン酸[(メタ)アクリル酸、α−メチル(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸など]、不飽和ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数1〜8)エステル[マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステルなど];2個以上のカルボキシル基を含有するビニル単量体、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸など、が挙げられる。
(A)を構成する単量体中の(c)の割合は、粘度指数向上能および耐摩耗性の観点から、通常20%以下、好ましくは0%または15%以下である。
鉱物油(100℃動粘度=2.94mm2/s、40℃動粘度=11.25mm2/s、粘度指数=114)に重合体を溶解し、その溶液の100℃動粘度が6.0±0.1mm2/sになるよう重合体の添加量を調整して、重合体の鉱物油溶液を得る。
該溶液について、JASO M347−95に準拠して、100℃の動粘度の低下率を求める。
希釈剤は重合後に減圧下に加熱留去などの方法で除去してもよいが、取り扱い性の観点から好ましいのは希釈剤をそのまま残存させる方法である。
重合触媒としては、アゾ系触媒(例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(以下AMBNと略す)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(以下ADVNと略す)、ジメチル2,2−アゾビスイソブチレートなど)や過酸化物系(例えば、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジブチルパーオキシトリメチルアジペート、ベンゾイルパーオキシド、クミルパーオキシド、ラウリルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、クミルパーオキシド、ラウリルパーオキシドなど)を用いることができる。
さらに、必要により連鎖移動剤を併用してもよく、このようなものとしては、例えばチオール類(n−ラウリルメルカプタン(以下DMと略す)、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール等)、チオール酸類(チオグリコール酸、チオリンゴ酸等)、アミン類(ジブチルアミン等)等を挙げることができ、連鎖移動剤の量は単量体の質量に対して、好ましくは0.001〜5%、さらに好ましくは0.05〜3%である。反応温度としては、50〜140℃、好ましくは70〜120℃である。また、上記の希釈剤を使用した溶液重合の他に、塊状重合、乳化重合または懸濁重合により得ることもできる。さらに、(A)が共重合体の場合の重合様式としては、ランダム共重合、交互共重合またはブロック共重合のいずれでもよく、また(A)は直鎖状または分岐状のいずれでもよい。
重合体の剪断安定性を重合条件によって調整する手段としては、例えば、重合時の温度、単量体濃度(希釈剤濃度)、触媒量および連鎖移動剤量などの調整がある。
また、重合率の観点から、気相の酸素濃度は10〜5,000ppmが好ましく、さらに好ましくは100〜2,000ppm、特に好ましくは100〜1,000ppmである。
本発明の粘度指数向上剤組成物は、(A)からなる粘度指数向上剤、並びに希釈剤および/または添加剤(稀釈剤以外の添加剤)からなる。
希釈剤としては、前述の(A)の製造時に使用した希釈剤をそのまま残存させたものでもよく、また新たに添加したものでもよい。新たに添加する場合の希釈剤は残存する希釈剤と同一の組成のものでも異なる組成のものでもよい。
希釈剤の含有量は特に限定されないが、下限は、(A)の質量に基づいて、好ましくは10%、さらに好ましくは30%、特に好ましくは40%であり、上限は、(A)の質量に基づいて好ましくは900%、さらに好ましくは800%、特に好ましくは600%である。
希釈剤の比率が高いほうが基油に容易に溶解する点で好ましいが、あまり多いのは経済的ではない。
(1)単量体を希釈剤の存在下に重合させる、または必要により、さらに希釈剤で希釈する方法。
(2)重合時は希釈剤を使用せずに、後に希釈剤で希釈する方法。
などが挙げられる。好ましいのはハンドリングの観点から(1)の方法である。
流動点降下剤のうち好ましいのはポリメタクリレート系流動点降下剤(以下、PMA系流動点降下剤と略記)であり、特に好ましいのは、単量体のうち少なくとも1種がアルキル基の炭素数が12〜18のアルキル(メタ)アクリレートを含み、平均炭素数が12〜16のPMA系流動点降下剤である。
具体的には、メタクリル酸ドデシル/メタクリル酸ヘキサデシル(10〜50%/50〜90%)共重合体[平均炭素数:14.0〜15.6]、メタクリル酸ドデシル/メタクリル酸テトラデシル(90〜70%/10〜30%)共重合体[平均炭素数:12.2〜12.6]、およびD23/HMA/OMA(30〜70%/5〜50%/3〜20%)共重合体[平均炭素数:13.7〜15.4]などが挙げられる。
本発明の粘度指数向上剤組成物において、(A)/PMA系流動点降下剤の好ましい割合は、低温粘度の観点から、(99〜85)/(1〜15)である。
粘度指数向上剤組成物の重量に基づく添加剤の含有量の合計は、通常0〜50%、好ましくは0〜30%さらに好ましくは0〜20%である。
基油としては特に限定されないが、例えば、溶剤精製油、イソパラフィンを含有するおよびまたは水素化分解による高粘度指数油、炭化水素系合成潤滑油(ポリαオレフィン系合成潤滑油)、エステル系合成潤滑油、ナフテン油、アルキルアフタレンなどが挙げられる。これらのうち好ましいのは、イソパラフィンを含有するおよびまたは水素化分解による高粘度指数油、炭化水素系合成潤滑油(ポリαオレフィン系合成潤滑油)、エステル系合成潤滑油である。
また、基油のうち、100℃における動粘度が1〜15mm2/s、好ましくは2〜5mm2/sであり、その粘度指数が通常80以上、好ましくは100以上、さらに好ましくは105〜180である基油が好ましい。このような基油を配合した潤滑油組成物は、粘度指数がさらに高くなり省燃費性が良好となる。
ギヤ油の場合には100℃の動粘度が3〜10mm2/sの基油の質量に基づいて、(A)として3〜30%が添加されることが好ましい。
自動変速機油(ATF、ベルトCVT油)の場合には100℃の動粘度が2〜6mm2/sの基油の質量に基づいて、(A)として2〜25%が添加されることが好ましい。
トラクション油の場合には100℃の動粘度が1〜5mm2/sの基油の質量に基づいて、(A)として0.5〜15%が添加されることが好ましい。
作動油の場合には100℃の動粘度が1〜10mm2/sの基油の質量に基づいて、(A)として0.5〜25%が添加されることが好ましい。
、好ましくは4〜10mm2/s、特に好ましくは4.5〜7mm2/sである。
以下に実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定するものではない。なお、実施例、比較例中の部は重量部を表す。
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、滴下ロート、および窒素吹き込み管を備えた反応容器に、希釈剤としてのトルエン25部を仕込み、別のガラス製ビーカーに、表1に記載の単量体を合計100部、連鎖移動剤としてドデシルメルカプタン(DMと略記)を表1に記載の量、およびラジカル重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル:ADVNと略記)および/または2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル:AMBNと略記)を表1記載の量を仕込み、20℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに仕込んだ。反応容器の気相部の窒素置換を行い、気相酸素濃度を500〜1,000ppmとした。密閉下85℃で4時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了から2時間、85℃で熟成した後、130℃、3時間、減圧度4kPa以下で2時間かけて低沸成分を留去し、重合体(A−1)〜(A−3)および比較の重合体(X−1)、(X−2)を得た。
重合体(A−1)〜(A−3)、比較の重合体(X−1)、(X−2)について、前述に記載した方法で測定した動粘度の低下率の結果を表1に示す。
重合体(A−1)〜(A−3)、比較の重合体(X−1)、(X−2)および希釈剤(鉱物油D:100℃の動粘度は2.3mm2/s、粘度指数83)を表2記載の重量部で100℃、2時間撹拌混合し、それぞれを粘度指数向上剤組成物(CA−1)〜(CA−3)および比較の粘度指数向上剤組成物(CX−1)、(CX−2)とした。
粘度指数向上剤組成物(CA−1)〜(CA−3)および比較の粘度指数向上剤組成物(CX−1)、(CX−2)を表3記載の添加量で、基油(鉱物油E:100℃の動粘度は4.3mm2/s、粘度指数121)に均一になるまで撹拌溶解し、実施例4〜6並びに比較例3および4の潤滑油組成物を得た。これら潤滑油組成物の100℃動粘度(JIS K2283)、粘度指数(JIS K2283)および耐摩耗性(摩耗痕径)を測定した結果を表3示す。
SRVを用い、ボールオンディスクでボールの摩耗痕径を測定する。
摩耗痕経:ボールの摩耗痕の縦と横の直径の平均値
装置:オプチモール SRV試験機(日本パーカライジング株式会社)
ボール:直径10mm
ディスク:直径24mm×厚さ7.9mm
荷重:200N
ストローク幅:2mm
振動数:50Hz
試験時間:10分間
Claims (8)
- アルキル基の炭素数が1〜36の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)および窒素原子含有単量体(b)を必須構成単量体とし、単量体の合計質量に基づいて(a)の割合が10〜80重量%および(b)の割合が20〜90重量%である重合体(A)からなる粘度指数向上剤。
- 窒素原子含有単量体(b)が、2級アミノ基含有ビニル単量体および/または3級アミノ基含有ビニル単量体である請求項1記載の粘度指数向上剤。
- 重合体(A)が、単量体の合計質量に基づく(a)および(b)以外の他の単量体(c)の割合が20重量%以下である重合体である請求項1または2記載の粘度指数向上剤。
- 重合体(A)の剪断安定性試験による100℃での動粘度の低下率が0〜10%である請求項1〜3のいずれか記載の粘度指数向上剤。
- 請求項1〜4のいずれか記載の粘度指数向上剤、並びに希釈剤および/または添加剤からなる粘度指数向上剤組成物。
- 請求項1〜5のいずれか記載の粘度指数向上剤または粘度指数向上剤組成物と、基油からなる潤滑油組成物。
- 請求項1〜4のいずれか記載の粘度指数向上剤を潤滑油組成物の重量に基づいて0.5〜30重量%含有する潤滑油組成物。
- ギア油用である請求項6または7記載の潤滑油組成物。
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