JP2006231903A - 印刷装置、印刷装置制御プログラム及び印刷装置制御方法、並びに印刷用データ生成装置、印刷用データ生成プログラム及び印刷用データ生成方法 - Google Patents
印刷装置、印刷装置制御プログラム及び印刷装置制御方法、並びに印刷用データ生成装置、印刷用データ生成プログラム及び印刷用データ生成方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】印刷装置100を、M値(M≧3)の画像データを取得する画像データ取得部10と、当該取得したM値の画像データに対してN(M>N≧2)値化処理を行うと共に、バンディング現象に関与するノズルに対応した画素データに対しては、バンディング回避用の特別な誤差拡散マトリクスを用いて誤差拡散処理を行うことで、後述する印刷部13において、画像データの画像を印刷媒体(例えば、印刷用紙)に印刷するための印刷用データを生成する印刷用データ生成部11と、印刷用データに基づき画像データの画像を、インクジェット方式によって印刷媒体に印刷する印刷部12とを含んだ構成とした。
【選択図】 図1
Description
インクジェットプリンタは、一般に安価でかつ高品質のカラー印刷物が容易に得られることから、パーソナルコンピュータやデジタルカメラなどの普及に伴い、オフィスのみならず一般ユーザにも広く普及してきている。
そこで、現状では前記のようなハード的な部分での改良に加え、以下に示すような印刷制御といった、いわゆるソフト的な手法を用いてこのような「バンディング現象」を低減するような技術が併用されている。
また、以下に示す特許文献4においては、各ノズルのばらつき量を誤差拡散にフィードバックして処理し、ノズルから吐出されるインクの吐出量のばらつきを吸収してバンディング現象を回避している。
また、濃度が濃い部分について、不吐出ノズルの情報を左右に振り分けるなどによって「白スジ現象」を回避する方法は、これを前述した「飛行曲がり現象」に適用した場合には、白スジは低減可能であるが、濃度が濃い部分には依然としてバンディングが残ってしまうという問題がある。
また、上記特許文献5の従来技術などのような方法では、2値化後の後処理において、周辺のノズルで異なるサイズのドットを形成する際、ドットにγ特性がある場合には、その部分の面積階調が崩れる危険性があるという問題がある。
また、インクの吐出不良による印刷画質の劣化を解消または殆ど目立たなくすることができる新規な印刷装置、印刷装置制御プログラム及び印刷装置制御方法、並びに印刷用データ生成装置、印刷用データ生成プログラム及び印刷用データ生成方法を提供することを第3の目的としている。
印刷に用いる媒体に、ドットを形成可能なノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷するようにした印刷装置であって、
M(M≧3)値の画素値を有する画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記ノズルの特性を示すノズル情報を記憶するノズル情報記憶手段と、
拡散対象の画素データへの誤差の拡散割合が異なる複数種類の誤差拡散マトリクスを記憶する誤差拡散マトリクス記憶手段と、
前記画像データにおける所定画素データを選択する画素データ選択手段と、
前記選択した画素データの示すM(M≧3)値の画素値を、N(M>N≧2)値に変換する処理であるN値化処理を行うN値化処理手段と、
前記選択した画素データの値と、当該選択した画素データの前記N値化処理後の値との差分を前記誤差として、当該誤差を、前記誤差拡散マトリクスに基づき、前記画像データにおける前記N値化処理が未処理の画素データに拡散して前記画像データの画素値を更新する誤差拡散手段と、
前記N値化処理後の画像データに対応する前記ノズルのドット形成内容に関する情報を規定した印刷用データを生成する印刷用データ生成手段と、
前記印刷用データに基づき、前記印刷ヘッドによって前記画像を前記媒体に印刷する印刷手段と、を備え、
前記誤差拡散手段は、前記ノズル情報に基づき、前記選択した画素データ毎に前記誤差拡散マトリクス記憶手段から所定の誤差拡散マトリクスを選択し、当該選択した誤差拡散マトリクスに基づき、前記N値化処理が未処理の画素データに前記誤差を拡散することを特徴としている。
従って、例えば、ノズルにおけるインクの吐出不良や、ドットの形成位置が理想位置からずれたノズルの「飛行曲り現象」などによって発生する、主にノズルの特性を起因とした「バンディング現象」による「白スジ」や「濃いスジ」等の印刷画質の劣化を低減する場合や、ノズルによって形成されるドットのγ特性に起因した「バンディング現象」による「白スジ」や「濃いスジ」等の印刷画質の劣化を低減する場合など、各バンディング現象の発生要因毎に、バンディング現象の発生を回避するのに適切な種類の誤差拡散マトリクスに適宜切り替えて誤差拡散処理を行うようにすることができるので、「バンディング現象」による「白スジ」や「濃いスジ」等の印刷画質の劣化を、バンディング現象の発生要因毎に適切に低減できるという効果が得られる。
前記ノズル情報は、前記ノズルに対するインクの吐出不良の有無を示す吐出不良情報を含むことを特徴としている。
このような構成であれば、インクの吐出不良を有するノズルを容易に識別することができるので、「インクの吐出不良」が原因で発生する「バンディング現象」を回避するのに適切な誤差拡散マトリクスを用意し、これを適宜選択して誤差拡散処理を行うことで、「インクの吐出不良」が発生要因の「バンディング現象」による「白スジ」や「濃いスジ」等の印刷画質の劣化を、適切に低減できるという効果が得られる。
また、ノズルのインクの吐出不良の有無は、例えば、印刷装置に備え付けられたCCDセンサで検知することができるので、この検知結果に基づき、インクの吐出不良の有無を示す情報を生成することができる。以下、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、「印刷用データ生成装置」に関する形態、「印刷用データ生成プログラム」に関する形態、「印刷用データ生成方法」に関する形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。
前記ノズル情報は、前記各ノズルの前記ドットの実際の形成位置と当該ドットの理想の形成位置との位置ずれ量の情報を含むことを特徴としている。
このような構成であれば、ドット形成位置が理想の形成位置からずれることによって発生する、いわゆる「飛行曲がり現象」の発生要因となるノズルを容易に識別することができると共に、飛行曲り量の大きさを把握することができるので、「飛行曲がり現象」が原因で発生する「バンディング現象」を回避するのに適切な誤差拡散マトリクスを用意し、これを適宜選択して誤差拡散処理を行うことで、「飛行曲がり現象」が発生要因の「バンディング現象」による「白スジ」や「濃いスジ」等の印刷画質の劣化を、適切に低減できるという効果が得られる。
前記誤差拡散マトリクスは、前記選択した画素データに対応した画素に対して、画素を選択する方向とその垂直方向以外の方向である斜め方向に位置する拡散対象の画素に対応した画素データへの前記誤差の拡散割合を、前記斜め方向以外の拡散対象の画素データへの拡散割合よりも大きくした誤差拡散マトリクスである斜重誤差拡散マトリクスを含むことを特徴としている。
前記誤差拡散手段は、前記位置ずれ量が所定量以上のノズル及びその近傍のノズルの少なくとも一方に対応した画素データに対する前記誤差の拡散処理において、当該画素データの前記誤差を、前記斜重誤差拡散マトリクスを用いて、前記N値化処理が未処理の画素データに拡散することを特徴としている。
前記誤差拡散手段は、インクの吐出不良を有するノズル及びその近傍のノズルの少なくとも一方に対応した画素データに対する前記誤差の拡散処理において、当該画素データの前記誤差を、前記斜重誤差拡散マトリクスを用いて、前記N値化処理が未処理の画素データに拡散することを特徴としている。
前記N値化処理手段は、インクの吐出不良を有するノズルに対応する画素データの有する画素値を最低濃度値又は最低濃度値に近い値に変換し、
前記誤差拡散手段は、前記変換前の画素データの画素値と前記変換後の画素データの画素値との差分を前記誤差として、当該誤差を、前記誤差拡散マトリクスを用いて、前記変換後の画素データ周辺の、前記N値化処理が未処理の画素データに拡散することを特徴としている。
前記印刷ヘッドは、前記媒体の装着領域と同等の範囲又は前記装着領域よりも広い範囲に亘って前記ノズルが連続して配列された印刷ヘッドであることを特徴としている。
このような構成であれば、前述したように、いわゆる1パスで印刷が終了するラインヘッド型の印刷ヘッドを用いた場合に特に発生し易いバンディング現象による「白スジ」や「濃いスジ」を目立たなくするのに効果的な印刷用データを生成することができるという効果が得られる。
前記印刷ヘッドは、前記媒体の紙送り方向に直交する方向に移動しながら印刷を実行する印刷ヘッドであることを特徴としている。
前述したバンディング現象は、ラインヘッド型の印刷ヘッドの場合に顕著にみられるが、マルチパス型の印刷ヘッドの場合でも発生する。従って、前記形態1乃至7のいずれか1の印刷方法をマルチパス型の印刷ヘッドの場合に適用すれば、マルチパス型の印刷ヘッドで発生したバンディング現象による「白スジ」や「濃いスジ」も目立たなくするのに効果的な印刷用データを生成することができるという効果が得られる。
印刷に用いる媒体に、ドットを形成可能なノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷するようにした印刷装置を制御するのに使用する印刷装置制御プログラムであって、
M(M≧3)値の画素値を有する画像データを取得する画像データ取得ステップと、
前記画像データにおける所定画素データを選択する画素データ選択ステップと、
前記選択した画素データの示すM(M≧3)値の画素値を、N(M>N≧2)値に変換する処理であるN値化処理を行うN値化処理ステップと、
前記選択した画素データの値と、当該選択した画素データの前記N値化処理後の値との差分を誤差として、当該誤差を、誤差拡散マトリクスに基づき、前記画像データにおける前記N値化処理が未処理の画素データに拡散して前記画像データの画素値を更新する誤差拡散ステップと、
前記N値化処理後の画像データに対応する前記ノズルのドット形成内容に関する情報を規定した印刷用データを生成する印刷用データ生成ステップと、
前記印刷用データに基づき、前記印刷ヘッドによって前記画像を前記媒体に印刷する印刷ステップとからなる処理をコンピュータに実行させるのに使用するプログラムを含み、
前記誤差拡散ステップにおいては、前記ノズルの特性を示すノズル情報に基づき、拡散対象の画素データへの誤差の拡散割合が異なる複数種類の誤差拡散マトリクスの記憶された誤差拡散マトリクス記憶手段から、前記選択した画素データ毎に所定の誤差拡散マトリクスを選択し、当該選択した誤差拡散マトリクスに基づき、前記N値化処理が未処理の画素データに誤差を拡散することを特徴としている。
また、インクジェットプリンタなどといった現在市場に出回っている殆どの印刷装置は中央処理装置(CPU)や記憶装置(RAM、ROM)、入出力装置などからなるコンピュータシステムを備えており、そのコンピュータシステムを用いてソフトウェアによって前記各手段を実現することができるため、専用のハードウェアを作成して前記各手段を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。
さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
前記ノズル情報は、前記ノズルに対するインクの吐出不良の有無を示す吐出不良情報を含むことを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態2の印刷装置と同等の作用および効果が得られる。
前記ノズル情報は、前記ノズルの前記ドットの実際の形成位置と当該ドットの理想の形成位置との位置ずれ量の情報を含むことを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態3の印刷装置と同等の作用および効果が得られる。
前記誤差拡散マトリクスは、前記選択した画素データに対応した画素に対して、画素を選択する方向とその垂直方向以外の方向である斜め方向に位置する拡散対象の画素に対応した画素データへの前記誤差の拡散割合を、前記斜め方向以外の拡散対象の画素データへの拡散割合よりも大きくした誤差拡散マトリクスである斜重誤差拡散マトリクスを含むことを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態4の印刷装置と同等の作用および効果が得られる。
前記誤差拡散ステップにおいては、前記位置ずれ量が所定量以上のノズル及びその近傍のノズルの少なくとも一方に対応した画素データに対する前記誤差の拡散処理において、当該画素データの前記誤差を、前記斜重誤差拡散マトリクスを用いて、前記N値化処理が未処理の画素データに拡散することを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態5の印刷装置と同等の作用および効果が得られる。
前記誤差拡散ステップにおいては、インクの吐出不良を有するノズル及びその近傍のノズルの少なくとも一方に対応した画素データに対する前記誤差の拡散処理において、当該画素データの前記誤差を、前記斜重誤差拡散マトリクスを用いて、前記N値化処理が未処理の画素データに拡散することを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態6の印刷装置と同等の作用および効果が得られる。
前記N値化処理ステップにおいては、インクの吐出不良を有するノズルに対応する画素データの有する画素値を最低濃度値又は最低濃度値に近い値に変換し、
前記誤差拡散ステップにおいては、前記変換前の画素データの画素値と前記変換後の画素データの画素値との差分を前記誤差として、当該誤差を、前記誤差拡散マトリクスを用いて、前記インクの吐出不良を有するノズルに対応する画素データ周辺の、前記N値化処理が未処理の画素データに拡散することを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態7の印刷装置と同等の作用および効果が得られる。
形態10乃至形態16のいずれか1の印刷装置制御プログラムが記録されていることを特徴としている。
これによって、形態10乃至形態16のいずれか1の印刷装置制御プログラムと同様の作用及び効果が得られると共に、CD−ROMやDVD−ROM、MOなどの記録媒体を介して前記印刷プログラムを容易に授受することが可能となる。
印刷に用いる媒体に、ドットを形成可能なノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷するようにした印刷装置を制御するのに使用する印刷装置制御方法であって、
M(M≧3)値の画素値を有する画像データを取得する画像データ取得ステップと、
前記画像データにおける所定画素データを選択する画素データ選択ステップと、
前記選択した画素データの示すM(M≧3)値の画素値を、N(M>N≧2)値に変換する処理であるN値化処理を行うN値化処理ステップと、
前記選択した画素データの値と、当該選択した画素データの前記N値化処理後の値との差分を誤差として、当該誤差を、誤差拡散マトリクスに基づき、前記画像データにおける前記N値化処理が未処理の画素データに拡散して前記画像データの画素値を更新する誤差拡散ステップと、
前記N値化処理後の画像データに対応する前記ノズルのドット形成内容に関する情報を規定した印刷用データを生成する印刷用データ生成ステップと、
前記印刷用データに基づき、前記印刷ヘッドによって前記画像を前記媒体に印刷する印刷ステップと、を含み、
前記誤差拡散ステップにおいては、前記ノズルの特性を示すノズル情報に基づき、拡散対象の画素データへの誤差の拡散割合が異なる複数種類の誤差拡散マトリクスの記憶された誤差拡散マトリクス記憶手段から、前記選択した画素データ毎に所定の誤差拡散マトリクスを選択し、当該選択した誤差拡散マトリクスに基づき、前記N値化処理が未処理の画素データに誤差を拡散することを特徴としている。
これによって、形態1の印刷装置と同等の作用効果が得られる。
前記ノズル情報は、前記ノズルに対するインクの吐出不良の有無を示す吐出不良情報を含むことを特徴としている。
これによって、形態2の印刷装置と同等の作用効果が得られる。
前記ノズル情報は、前記ノズルの前記ドットの実際の形成位置と当該ドットの理想の形成位置との位置ずれ量の情報を含むことを特徴としている。
これによって、形態3の印刷装置と同等の作用効果が得られる。
前記誤差拡散マトリクスは、前記選択した画素データに対応した画素に対して、画素を選択する方向とその垂直方向以外の方向である斜め方向に位置する拡散対象の画素に対応した画素データへの前記誤差の拡散割合を、前記斜め方向以外の拡散対象の画素データへの拡散割合よりも大きくした誤差拡散マトリクスである斜重誤差拡散マトリクスを含むことを特徴としている。
これによって、形態4の印刷装置と同等の作用効果が得られる。
前記誤差拡散ステップにおいては、前記位置ずれ量が所定量以上のノズル及びその近傍のノズルの少なくとも一方に対応した画素データに対する前記誤差の拡散処理において、当該画素データの前記誤差を、前記斜重誤差拡散マトリクスを用いて、前記N値化処理が未処理の画素データに拡散することを特徴としている。
これによって、形態5の印刷装置と同等の作用効果が得られる。
前記誤差拡散ステップにおいては、インクの吐出不良を有するノズル及びその近傍のノズルの少なくとも一方に対応した画素データに対する前記誤差の拡散処理において、当該画素データの前記誤差を、前記斜重誤差拡散マトリクスを用いて、前記N値化処理が未処理の画素データに拡散することを特徴としている。
これによって、形態6の印刷装置と同等の作用効果が得られる。
前記N値化処理ステップにおいては、インクの吐出不良を有するノズルに対応する画素データの有する画素値を最低濃度値又は最低濃度値に近い値に変換し、
前記誤差拡散ステップにおいては、前記変換前の画素データの画素値と前記変換後の画素データの画素値との差分を前記誤差として、当該誤差を、前記誤差拡散マトリクスを用いて、前記インクの吐出不良を有するノズルに対応する画素データ周辺の、前記N値化処理が未処理の画素データに拡散することを特徴としている。
これによって、形態7の印刷装置と同等の作用効果が得られる。
印刷に用いる媒体に、ドットを形成可能なノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷するようにした印刷装置において使用される印刷用データを生成する印刷用データ生成装置であって、
M(M≧3)値の画素値を有する画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記ノズルの特性を示すノズル情報を記憶するノズル情報記憶手段と、
拡散対象の画素データへの誤差の拡散割合が異なる複数種類の誤差拡散マトリクスを記憶する誤差拡散マトリクス記憶手段と、
前記画像データにおける所定画素データを選択する画素データ選択手段と、
前記選択した画素データの示すM(M≧3)値の画素値を、N(M>N≧2)値に変換する処理であるN値化処理を行うN値化処理手段と、
前記選択した画素データの値と、当該選択した画素データの前記N値化処理後の値との差分を前記誤差として、当該誤差を、前記誤差拡散マトリクスに基づき、前記画像データにおける前記N値化処理が未処理の画素データに拡散して前記画像データの画素値を更新する誤差拡散手段と、
前記N値化処理後の画像データに対応する前記ノズルのドット形成内容に関する情報を規定した印刷用データを生成する印刷用データ生成手段と、を備え、
前記誤差拡散手段は、前記ノズル情報に基づき、前記選択した画素データ毎に前記誤差拡散マトリクス記憶手段から所定の誤差拡散マトリクスを選択し、当該選択した誤差拡散マトリクスに基づき、前記N値化処理が未処理の画素データに誤差を拡散することを特徴としている。
従って、形態1の印刷装置と同様の作用及び効果を得ることができると共に、例えば、本形態で生成した印刷用データを印刷装置に送るだけで当該印刷装置で印刷処理を実行できる構成とすることが可能であり、このような構成にすることで、専用の印刷装置を用意することなく、既存のインクジェット方式の印刷装置をそのまま利用することができる。
また、パソコンなどの汎用の情報処理装置を利用することができるため、パソコンなどの印刷指示装置とインクジェットプリンタとからなる既存の印刷システムをそのまま活用することができる。
前記ノズル情報は、前記ノズルに対するインクの吐出不良の有無を示す吐出不良情報を含むことを特徴としている。
これによって、形態2の印刷装置と同様の作用及び効果が得られる。
前記ノズル情報は、前記ノズルの前記ドットの実際の形成位置と当該ドットの理想の形成位置との位置ずれ量の情報を含むことを特徴としている。
これによって、形態3の印刷装置と同様の作用及び効果が得られる。
前記誤差拡散マトリクスは、前記選択した画素データに対応した画素に対して、画素を選択する方向とその垂直方向以外の方向である斜め方向に位置する拡散対象の画素に対応した画素データへの前記誤差の拡散割合を、前記斜め方向以外の拡散対象の画素データへの拡散割合よりも大きくした誤差拡散マトリクスである斜重誤差拡散マトリクスを含むことを特徴としている。
これによって、形態4の印刷装置と同様の作用及び効果が得られる。
前記誤差拡散手段は、前記位置ずれ量が所定量以上のノズル及びその近傍のノズルの少なくとも一方に対応した画素データに対する前記誤差の拡散処理において、当該画素データの前記誤差を、前記斜重誤差拡散マトリクスを用いて、前記N値化処理が未処理の画素データに拡散することを特徴としている。
これによって、形態5の印刷装置と同様の作用及び効果が得られる。
前記誤差拡散手段は、インクの吐出不良を有するノズル及びその近傍のノズルの少なくとも一方に対応した画素データに対する前記誤差の拡散処理において、当該画素データの前記誤差を、前記斜重誤差拡散マトリクスを用いて、前記N値化処理が未処理の画素データに拡散することを特徴としている。
これによって、形態6の印刷装置と同様の作用及び効果が得られる。
前記N値化処理手段は、インクの吐出不良を有するノズルに対応する画素データの有する画素値を最低濃度値又は最低濃度値に近い値に変換し、
前記誤差拡散手段は、前記変換前の画素データの画素値と前記変換後の画素データの画素値との差分を前記誤差として、当該誤差を、前記誤差拡散マトリクスを用いて、前記インクの吐出不良を有するノズルに対応する画素データ周辺の、前記N値化処理が未処理の画素データに拡散することを特徴としている。
これによって、形態7の印刷装置と同様の作用及び効果が得られる。
印刷に用いる媒体に、ドットを形成可能なノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷するようにした印刷装置において使用される印刷用データを生成する印刷用データ生成プログラムであって、
M(M≧3)値の画素値を有する画像データを取得する画像データ取得ステップと、
前記画像データにおける所定画素データを選択する画素データ選択ステップと、
前記選択した画素データの示すM(M≧3)値の画素値を、N(M>N≧2)値に変換する処理であるN値化処理を行うN値化処理ステップと、
前記選択した画素データの値と、当該選択した画素データの前記N値化処理後の値との差分を誤差として、当該誤差を、誤差拡散マトリクスに基づき、前記画像データにおける前記N値化処理が未処理の画素データに拡散して前記画像データの画素値を更新する誤差拡散ステップと、
前記N値化処理後の画像データに対応する前記ノズルのドット形成内容に関する情報を規定した印刷用データを生成する印刷用データ生成ステップとからなる処理をコンピュータに実行させるのに使用するプログラムを含み、
前記誤差拡散ステップにおいては、前記ノズルの特性を示すノズル情報に基づき、拡散対象の画素データへの誤差の拡散割合が異なる複数種類の誤差拡散マトリクスの記憶された誤差拡散マトリクス記憶手段から、前記選択した画素データ毎に所定の誤差拡散マトリクスを選択し、当該選択した誤差拡散マトリクスに基づき、前記N値化処理が未処理の画素データに誤差を拡散することを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態25の印刷用データ生成装置と同等の作用および効果が得られる。
前記ノズル情報は、前記ノズルに対するインクの吐出不良の有無を示す吐出不良情報を含むことを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態25の印刷用データ生成装置と同等の作用および効果が得られる。
前記ノズル情報は、前記ノズルの前記ドットの実際の形成位置と当該ドットの理想の形成位置との位置ずれ量の情報を含むことを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態26の印刷用データ生成装置と同等の作用および効果が得られる。
前記誤差拡散マトリクスは、前記選択した画素データに対応した画素に対して、画素を選択する方向とその垂直方向以外の方向である斜め方向に位置する拡散対象の画素に対応した画素データへの前記誤差の拡散割合を、前記斜め方向以外の拡散対象の画素データへの拡散割合よりも大きくした誤差拡散マトリクスである斜重誤差拡散マトリクスを含むことを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態28の印刷用データ生成装置と同等の作用および効果が得られる。
前記誤差拡散ステップにおいては、前記位置ずれ量が所定量以上のノズル及びその近傍のノズルの少なくとも一方に対応した画素データに対する前記誤差の拡散処理において、当該画素データの前記誤差を、前記斜重誤差拡散マトリクスを用いて、前記N値化処理が未処理の画素データに拡散することを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態29の印刷用データ生成装置と同等の作用および効果が得られる。
前記誤差拡散ステップにおいては、インクの吐出不良を有するノズル及びその近傍のノズルの少なくとも一方に対応した画素データに対する前記誤差の拡散処理において、当該画素データの前記誤差を、前記斜重誤差拡散マトリクスを用いて、前記N値化処理が未処理の画素データに拡散することを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態30の印刷用データ生成装置と同等の作用および効果が得られる。
前記N値化処理ステップにおいては、インクの吐出不良を有するノズルに対応する画素データの有する画素値を最低濃度値又は最低濃度値に近い値に変換し、
前記誤差拡散ステップにおいては、前記変換前の画素データの画素値と前記変換後の画素データの画素値との差分を前記誤差として、当該誤差を、前記誤差拡散マトリクスを用いて、前記インクの吐出不良を有するノズルに対応する画素データ周辺の、前記N値化処理が未処理の画素データに拡散することを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態31の印刷用データ生成装置と同等の作用および効果が得られる。
形態32乃至形態38のいずれか1の印刷用データ生成プログラムが記録されていることを特徴としている。
これによって、形態32乃至形態38のいずれか1の印刷用データ生成プログラムと同様の作用及び効果が得られると共に、CD−ROMやDVD−ROM、FD(フレキシブルディスク)などの記録媒体を介して前記印刷プログラムを容易に授受することが可能となる。
印刷に用いる媒体に、ドットを形成可能なノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷するようにした印刷装置において使用される印刷用データを生成する印刷用データ生成方法であって、
M(M≧3)値の画素値を有する画像データを取得する画像データ取得ステップと、
前記画像データにおける所定画素データを選択する画素データ選択ステップと、
前記選択した画素データの示すM(M≧3)値の画素値を、N(M>N≧2)値に変換する処理であるN値化処理を行うN値化処理ステップと、
前記選択した画素データの値と、当該選択した画素データの前記N値化処理後の値との差分を誤差として、当該誤差を、誤差拡散マトリクスに基づき、前記画像データにおける前記N値化処理が未処理の画素データに拡散して前記画像データの画素値を更新する誤差拡散ステップと、
前記N値化処理後の画像データに対応する前記ノズルのドット形成内容に関する情報を規定した印刷用データを生成する印刷用データ生成ステップと、を含み、
前記誤差拡散ステップにおいては、前記ノズルの特性を示すノズル情報に基づき、拡散対象の画素データへの誤差の拡散割合が異なる複数種類の誤差拡散マトリクスの記憶された誤差拡散マトリクス記憶手段から、前記選択した画素データ毎に所定の誤差拡散マトリクスを選択し、当該選択した誤差拡散マトリクスに基づき、前記N値化処理が未処理の画素データに誤差を拡散することを特徴としている。
これによって、形態25の印刷用データ生成装置と同等の作用及び効果が得られる。
前記ノズル情報は、前記ノズルに対するインクの吐出不良の有無を示す吐出不良情報を含むことを特徴としている。
これによって、形態26の印刷用データ生成装置と同等の作用及び効果が得られる。
前記ノズル情報は、前記ノズルの前記ドットの実際の形成位置と当該ドットの理想の形成位置との位置ずれ量の情報を含むことを特徴としている。
これによって、形態27の印刷用データ生成装置と同等の作用及び効果が得られる。
前記誤差拡散マトリクスは、前記選択した画素データに対応した画素に対して、画素を選択する方向とその垂直方向以外の方向である斜め方向に位置する拡散対象の画素に対応した画素データへの前記誤差の拡散割合を、前記斜め方向以外の拡散対象の画素データへの拡散割合よりも大きくした誤差拡散マトリクスである斜重誤差拡散マトリクスを含むことを特徴としている。
これによって、形態28の印刷用データ生成装置と同等の作用及び効果が得られる。
前記誤差拡散ステップにおいては、前記位置ずれ量が所定量以上のノズル及びその近傍のノズルの少なくとも一方に対応した画素データに対する前記誤差の拡散処理において、当該画素データの前記誤差を、前記斜重誤差拡散マトリクスを用いて、前記N値化処理が未処理の画素データに拡散することを特徴としている。
これによって、形態29の印刷用データ生成装置と同等の作用及び効果が得られる。
前記誤差拡散ステップにおいては、インクの吐出不良を有するノズル及びその近傍のノズルの少なくとも一方に対応した画素データに対する前記誤差の拡散処理において、当該画素データの前記誤差を、前記斜重誤差拡散マトリクスを用いて、前記N値化処理が未処理の画素データに拡散することを特徴としている。
これによって、形態30の印刷用データ生成装置と同等の作用及び効果が得られる。
前記N値化処理ステップにおいては、インクの吐出不良を有するノズルに対応する画素データの有する画素値を最低濃度値又は最低濃度値に近い値に変換し、
前記誤差拡散ステップにおいては、前記変換前の画素データの画素値と前記変換後の画素データの画素値との差分を前記誤差として、当該誤差を、前記誤差拡散マトリクスを用いて、前記インクの吐出不良を有するノズルに対応する画素データ周辺の、前記N値化処理が未処理の画素データに拡散することを特徴としている。
これによって、形態31の印刷用データ生成装置と同等の作用及び効果が得られる。
以下、本発明の第1の実施の形態を図面に基づき説明する。図1〜図14は、本発明に係る印刷装置、印刷装置制御プログラム及び印刷装置制御方法、並びに印刷用データ生成装置、印刷用データ生成プログラム及び印刷用データ生成方法の第1の実施の形態を示す図である。
印刷装置100は、ラインヘッド型の印刷装置であり、図1に示すように、外部装置又は記憶媒体等からM値(M≧3)の画像データを取得する画像データ取得部10と、画像データ取得部10から取得した画像データに対してN(M>N≧2)値化処理を行うことで、後述する印刷部13において、画像データの画像を印刷媒体(例えば、印刷用紙)に印刷するための印刷用データを生成する印刷用データ生成部11と、印刷用データに基づき画像データの画像を、インクジェット方式によって印刷媒体に印刷する印刷部12とを含んだ構成となっている。
N値化部11aは、上記CMYK色変換された画像データを印刷用データ生成用メモリ11fに記憶すると共に、この画像データから所定の画素データを選択し、N値化情報記憶部11bから読み出したN値化情報に含まれる、ノズルのドット形成サイズに対応したN値化用閾値、各ドット形成サイズに対応したドット番号及び各ドット番号に対応したN値化後の画素値(例えば、輝度値)に基づき、上記選択した所定の画素データ(以下、選択画素データと称す)をN値化するようになっている。更に、選択画素データのN値化前の画素値とN値化後の画素値との差分を算出し、これを誤差として、選択画素データの情報と共に誤差拡散部11cに伝送する。なお、N値化後の値は、元の画素値に対応したドット番号か、ドットを形成しないことを示す数値「0」となり、当該N値化後の値を示すデータを、印刷部12が解釈できるデータに変換して印刷用データ生成用メモリ11fに記憶された元の画素データに上書きして記憶する(上書きせずに別の領域に記憶しても良い)。
誤差拡散部11cは、N値化部11aから取得した選択画素データの情報及び誤差に基づき、ノズル情報記憶部11dから、当該選択画素データに対応するノズル情報を読み出し、当該ノズル情報に基づき、選択画素データに対応したノズルが異常ノズルであるか否かを判断すると共に、異常ノズルであると判断されたときは、当該異常ノズルによって生じるバンディング現象を回避するための特別な誤差拡散マトリクスを誤差拡散マトリクス記憶部11eから選択して読み出し、一方、異常のない正常なノズルであると判断されたときは、正常ノズル用に用意された通常の誤差拡散マトリクス(以下、通常誤差拡散マトリクスと称す)を読み出すようになっている。そして、この読み出した誤差拡散マトリクスを用いて、印刷用データ生成用メモリ11fに記憶された画像データにおける、上記選択画素データに対応する画素周辺のN値化処理が未処理の画素データに上記誤差を拡散(分配)する。このようにして、選択画素データがN値化される毎に、その誤差を拡散対象の画素値に拡散することで、印刷用データ生成用メモリ11fに記憶された画像データを更新していく。
ノズル情報記憶部11dは、印刷部12の有する印刷ヘッド200の各ノズルNと、画像データにおける各画素データとの対応を示す情報、各ノズルNに対するインクの吐出不良の有無を示す情報、各ノズルNの飛行曲り量を示す情報などのノズルNの特性を示す情報を含んでなるノズル情報を記憶するようになっている。このノズル情報から、印刷ヘッド200における各ノズルNに対して、飛行曲がり現象が発生しているか否か、吐出不良を有するか否かなどを調べることで、各ノズルNが異常ノズルであるか否かを判断できる共に、異常ノズルNが、印刷ヘッド200における何番目のノズルであるか、画像データにおけるどの画素データに対応しているかなどを具体的に特定することができる。
ここで、本実施の形態において、複数種類の誤差拡散マトリクスとしては、バンディング現象に関与している選択画素データの誤差拡散処理用に、当該選択画素データに対応する画素に対して、斜め方向に位置する拡散対象の画素に対応する画素データに対して、他の拡散対象の画素データと比較して拡散割合を大きくした複数種類の斜重誤差拡散マトリクスを記憶するようになっており、他にも、バンディング現象に関与しない画素データ用に複数種類の通常誤差拡散マトリクスを記憶するようになっている。
図3に示すように、この印刷ヘッド200は、ブラック(K)インクを専用に吐出する複数個のノズルN(図では18個))が、ノズル配列方向に直線状に配列されたブラックノズルモジュール50と、同じくイエロー(Y)インクを専用に吐出する複数個のノズルNが、ノズル配列方向に直線状に配列されたイエローノズルモジュール52と、同じくマゼンタ(M)インクを専用に吐出する複数個のノズルNが、ノズル配列方向に直線状に配列されたマゼンタノズルモジュール54と、同じくシアン(M)インクを専用に吐出する複数個のノズルNが、ノズル配列方向に直線状に配列されたシアンノズルモジュール56といった4つのノズルモジュール50、52、54及び56を含んだ構成となっている。そして、これら4つのノズルモジュールにおける各同じ番号のノズルNが、図3に示すように、印刷方向(ノズル配列方向に対して垂直方向)において一直線上に並ぶようにノズルモジュール50、52、54及び56が一体的に配列して構成されている。従って、各ノズルモジュールを構成する複数のノズルNは、それぞれノズル配列方向に直線状に配列され、4つのノズルモジュールにおける各同じ番号のノズルNは、それぞれ印刷方向に直線状に配列される。
印刷処理は、CPU60によって実行されると、図5に示すように、まず、ステップS100に移行するようになっている。
ステップS100では、画像データ取得部10において、ネットワークケーブルLを介して接続された外部装置からの印刷指示情報が送られてくることにより、あるいは入力装置74を介して印刷指示情報が入力されたことにより、印刷指示があったか否かを判定し、印刷指示があったと判定された場合(Yes)はステップS102に移行し、そうでない場合(No)は印刷指示があるまで判定処理を繰り返す。
ステップS108では、印刷用データ生成部11において、ステップS106で生成した印刷用データを印刷部12に出力してステップS110に移行する。
次に、図6に基づき、ステップS106の印刷用データ生成処理を詳細に説明する。
図6は、印刷装置100における、印刷用データ生成処理を示すフローチャートである。
ステップS202に移行した場合は、N値化部11aにおいて、N値化情報記憶部11bから、N値化情報を読み出し、当該読み出したN値化情報をRAM62の所定領域に記憶することで当該N値化情報を取得してステップS204に移行する。
ステップS206では、N値化部11aにおいて、ステップS202で取得したN値化情報に基づき、ステップS204で選択した選択画素データをN値化すると共に、当該N値化後の値を、印刷部12が解釈可能で且つこのN値化後の値に対してノズルが形成するドットサイズを示すデータに変換し、当該変換後のデータによって印刷用データ生成用メモリ11fに記憶されたCMYK画像データの選択画素データを更新してステップS208に移行する。
ステップS210では、誤差拡散部11cにおいて、N値化部11aからステップS208で算出した誤差及び当該誤差に対応する選択画素データの情報を取得すると、ノズル情報記憶部11dから選択画素データに対応したノズル情報を読み出し、当該読み出したノズル情報をRAM62の所定領域に記憶することで当該ノズル情報を取得してステップS212に移行する。以降は、選択画素データに対し、まずRAM62に記憶されたノズル情報から、当該選択画素データに対応したノズル情報を検索することで、同じノズル情報を用いる画素データに対する取得処理を高速化する。
ステップS214に移行した場合は、誤差拡散部11cにおいて、誤差拡散マトリクス記憶部11eから、斜重誤差拡散マトリクスを選択して読み出しステップS216に移行する。本実施の形態において、斜重誤差拡散マトリクスは、前述したように拡散割合の異なる複数種類のマトリクスデータが誤差拡散マトリクス記憶部11eに記憶されており、その選択方法としては、これら複数の斜重誤差拡散マトリクスの中から、選択画素データ毎に、ランダムに選択する、所定の順番で選択する、選択画素に対応する異常ノズルの状態に応じて適切なものを選択するなど、様々な選択方法がある。
一方、ステップS212において、選択画素データに対応するノズルが異常ノズルではないと判断されてステップS220に移行した場合は、誤差拡散部11cにおいて、誤差拡散マトリクス記憶部11eから、通常誤差拡散マトリクスを選択して読み出しステップS216に移行する。本実施の形態において、通常誤差拡散マトリクスは、前述したように拡散割合の異なる複数種類のマトリクスデータが誤差拡散マトリクス記憶部11eに記憶されており、その選択方法としては、これら複数の誤差拡散マトリクスの中から、選択画素データ毎に、各画素データに応じたものを選択する、ランダムに選択する、所定の順番で選択するなど、様々な選択方法がある。
ここで、図7は、いわゆる異常ノズルがないブラックノズルモジュール50のみで形成されるドットパターンの一例を示した図であり、図8は、ブラックノズルモジュール50のうち、ノズルN6が飛行曲がり現象を発生している場合に形成されるドットパターンの一例を示した図である。また、図9は、ブラックノズルモジュール50のうち、ノズルN6がインクの吐出不良(図では不吐出)を有している場合に形成されるドットパターンの一例を示した図である。また、図10は、ドットサイズに対する、N値の情報、各N値に対する閾値の情報の一例を示す図である。また、図11(a)は、各ノズルに対する絶対吐出精度情報(飛行曲り量情報)を示す図であり、(b)は、各ノズルに対する相対吐出精度情報を示す図である。また、図12は、相対吐出精度情報が必要な理由の説明図であり、図13は、各ノズルに対する吐出不良(図では、不吐出)の有無を示す図である。また、図14(a)は、誤差拡散マトリクスの一構成例を示す図であり、(b)は、誤差拡散マトリクス記憶部11eに記憶された各誤差拡散マトリクスの拡散割合及び誤差拡散マトリクスの種類を示す図である。
一方、飛行曲りの発生するノズルを含んだブラックノズルモジュール50による印刷結果については、図8に示すように、そのノズルN6によって形成されるドットがその右隣りの正常なノズルN7で形成されるドット側に、距離aだけずれてしまい、この結果、ノズルN6によって形成されるドットと、その左隣りのノズルN5によって形成されるドットとの間に「白スジ」が発生してしまっている。
上記した「白スジ」は、いわゆる一様の濃度で印刷された印刷物であって、しかも印刷用紙が白でインクがブラックなどのように極端に濃度が異なる組み合わせの場合に、より顕著に目立ってしまい、印刷物の品質を極端に悪化させてしまう。
まず、印刷装置100は、画像データ取得部10において、外部装置等から印刷指示情報を受信すると(ステップS100)、当該印刷指示情報に対応するM値の画像データを、印刷指示情報の送信元である外部装置等から取得し(ステップS102)、当該取得した画像データの色情報がCMYK以外である場合にM値のCMYK画像データに変換する一方、CMYK画像データを印刷用データ生成部11に伝送する(ステップS104)。一方、印刷用データ生成部11は、画像データ取得部10からCMYK画像データを取得すると、印刷用データの生成処理を実行する(ステップS106)。
更に、N値化部11aは、選択画素データをN値化すると、当該選択画素データの変換前の輝度値と、変換後のドット番号に対応する輝度値との差分を誤差として算出して、当該算出した誤差と選択画素データの情報とを誤差拡散部11cに伝送する(ステップS208)。
例えば、図11(a)に基づき、選択画素データに対応するノズルの形成するドットの理想位置からの飛行曲がり量(絶対吐出精度)が、「±4μm」未満のときは、そのノズルNがインク不吐出でなければ「飛行曲りなし」と判断し、「±4μm」以上のときは「飛行曲りあり」と判断し、選択画素データに対応するノズルNは異常ノズルであると判断する。
ここで、上記したように、絶対吐出精度だけでなく相対吐出精度を用いて上記異常ノズルの判断を行うのは、例えば、図12に示すように、連続して並ぶ3つのノズル全てが同じ方向に同じ量だけ飛行曲がりを生じている場合に、これらのノズルに対応する画素データに対して、バンディング回避用の特別な誤差拡散マトリクス(例えば、前述した斜重誤差拡散マトリクス)を用いて誤差拡散処理を行ってしまうと印刷結果の画質が悪化する可能性があるためである。
上記したように、異常ノズルであるか否かの判断処理が終了すると、選択画素データに対応するノズルNが異常ノズルであると判断された場合は(ステップS212の「Yes」の分岐)、誤差拡散マトリクス記憶部11fから、斜重誤差拡散マトリクスを選択し(ステップS214)、一方、選択画素データに対応するノズルNが正常なノズルであると判断された場合は(ステップS212の「No」の分岐)、誤差拡散マトリクス記憶部11fから、通常誤差拡散マトリクスを選択する(ステップS220)。
一方、印刷部12は、印刷用データ生成部11から出力された印刷用データを取得し、当該取得した印刷用データに基づき、ブラックノズルモジュール50を用いて印刷媒体上に、各ドット番号に対応したサイズのドットを形成(印刷)する(ステップS110)。
上記したように、異常ノズルが原因でバンディング現象が発生する箇所の画素データに対して、上記した斜重誤差拡散マトリクスを用いた誤差拡散処理を施すことで、視覚的に白スジ又は濃いスジと認識される現象を図8又は図9に示すドットパターンの形成結果よりも目立たなくすることができる。
次に、本発明の第2の実施の形態を図面に基づき説明する。図15は、本発明に係る印刷装置、印刷装置制御プログラム及び印刷装置制御方法、並びに印刷用データ生成装置、印刷用データ生成プログラム及び印刷用データ生成方法の第2の実施の形態を示す図である。
この図15の印刷用データ生成処理は、上記第1の実施の形態とその生成原理は同じだが、インクの吐出不良を有するノズルに対応した選択画素データに対して、そのN値化を行わず、元の画素データの値を誤差として、当該誤差を、誤差拡散マトリクス記憶部11eに記憶されたバンディング回避用の特別な誤差拡散マトリクスを用いて、周辺の拡散対象の画素データに拡散する点が、上記第1の実施の形態と異なる。従って、以下、上記第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、上記第1の実施の形態と重複する部分については説明を省略する。
図15は、印刷装置100における、印刷用データ生成処理を示すフローチャートである。
この印刷用データ生成処理は、選択画素データに対応するノズルNが異常ノズルであるか否かを判断し、ノズルNが、飛行曲りを生じる異常ノズルである場合はN値化を行って誤差を算出し、一方、インクの吐出不良を有する異常ノズルである場合はN値化を行わずに元の画素データの画素値を誤差とし、更に、前記判断結果に基づき、誤差拡散マトリクス記憶部11eから、異常ノズルに対応する画素データに適切な誤差拡散マトリクスを選択し、当該選択した誤差拡散マトリクスを用いて誤差拡散処理を施し、これら各処理が施された画像データに基づき印刷用データを生成する処理であって、ステップS106において実行されると、図15に示すように、まず、ステップS300に移行するようになっている。
ステップS302に移行した場合は、N値化部11aにおいて、N値化情報記憶部11bから、N値化情報を読み出し、当該読み出したN値化情報をRAM62の所定領域に記憶することで当該N値化情報を取得してステップS304に移行する。
ステップS306では、N値化部11aにおいて、ノズル情報記憶部11dから選択画素データに対応したノズル情報を読み出し、当該読み出したノズル情報をRAM62の所定領域に記憶することで当該ノズル情報を取得してステップS308に移行する。
ステップS310に移行した場合は、N値化処理部11aにおいて、選択画素データの画素値を最低濃度値(例えば、濃度値「0」または輝度値「255」)に変換し、この最低濃度値に対応する「ドットなし」を示す印刷部12が解釈可能なデータを生成し、当該生成したデータによって印刷用データ生成用メモリ11fに記憶されたCMYK画像データの選択画素データを更新すると共に、変換前の画素値と変換後の画素値との差分を誤差として算出し、当該誤差と選択画素データの情報(吐出不良であることを示す情報を含む)とを誤差拡散部11cに伝送してステップS312に移行する。
ステップS314では、誤差拡散部11cにおいて、ステップS312又はステップS324で選択した誤差拡散マトリクスに基づき、ステップS312又はステップS322で取得した選択画素データの誤差を、印刷用データ生成用メモリ11fに記憶された画像データにおける、拡散対象の画素データに対して拡散して、これら拡散対象の画素データを更新してステップS316に移行する。
一方、ステップS308において、選択画素データに対応したノズルNにインクの吐出不良がなくステップS318に移行した場合は、ステップS302で取得したN値化情報に基づき、ステップS304で選択した選択画素データをN値化すると共に、当該N値化後の値を印刷部12が解釈可能な形成するドットサイズを示すデータに変換し、当該変換後のデータによって印刷用データ生成用メモリ11fに記憶されたCMYK画像データの選択画素データを更新してステップS320に移行する。
ステップS322では、誤差拡散部11cにおいて、RAM62に記憶されたノズル情報に基づき、選択画素データに対応するノズルNが飛行曲りを生じる異常ノズルか否かを判定し、異常ノズルであると判定された場合(Yes)はステップS324に移行し、そうでない場合(No)はステップS326に移行する。
一方、ステップS322において、選択画素データに対応するノズルが異常ノズルではないと判断されてステップS326に移行した場合は、誤差拡散部11cにおいて、誤差拡散マトリクス記憶部11eから、通常誤差拡散マトリクスを選択して読み出しステップS314に移行する。
本実施の形態においても、上記第1の実施の形態における図8に示すように、ブラックノズルモジュール50のノズルN6によって形成されるドットがその右隣りの正常なノズルN7で形成されるドット側に、距離aだけずれてしまい、この結果、ノズルN6によって形成されるドットと、その左隣りのノズルN5によって形成されるドットとの間に「白スジ」が発生してしまっており、また、図9に示すように、ブラックノズルモジュール50のノズルN6にインクの吐出不良が発生しており、本来は形成されるはずのドットが形成されず、ノズルN5とノズルN7とによって形成されるドット間に「白スジ」が発生してしまっている。
上記したように、飛行曲りを発生するノズルが原因でバンディング現象が発生する箇所の画素データに対してN値化及び上記した斜重誤差拡散マトリクスを用いた誤差拡散処理を施し、且つ、インクの吐出不良が原因でバンディング現象が発生する箇所の画素データに対してN値化処理を行わず、その代わりに、当該画素データの画素値を誤差として、上記した斜重誤差拡散マトリクスを用いた誤差拡散処理を施すことで、視覚的に白スジ又は濃いスジと認識される現象を図8又は図9に示すドットパターンの形成結果よりも目立たなくすることができる。
ここで、図16は、本実施例で用いたグラデーション画像である。また、図17は、従来の誤差拡散手法における通常の誤差拡散マトリクスであり、図18は、図16のグラデーション画像を、図17に示す従来手法における誤差拡散マトリクスを用いて4値化した結果を示す図である。また、図19は、図16のグラデーション画像を、本発明に係る誤差拡散処理手法を用いて4値化した結果を示す図である。
従来の誤差拡散手法においては、画素データを画像データにおける各行の左から右に向かって順番に選択した場合に、図17に示すように、選択画素の右隣の未処理画素データ、並びに左下、真下及び右下の未処理画素データの計4つの画素データに対して誤差を拡散することになる。つまり、従来の誤差拡散手法は、選択画素データの下方向に多くの誤差を拡散することになる。この従来手法によるグラデーション画像の4値化後の画像は、図18に示すようになる。図18に示す4値化後のグラデーション画像における、画像部分21a〜21cに着目してみると、画像部分21aにおいては、4値化に使用した誤差拡散マトリクスの拡散方向が下方向に多く誤差を拡散する特性があるため、印刷時のドットの種類(ドットには複数種類のサイズがある)がスムーズに切り替えられず、ドット種類の切り替え遅延が起きるため、特に丸で囲んだ部分においては、右下方向に流れ込むようにドットが形成されてしまっている。また、画像部分21b(中間調部分)においては、21aと同様の理由から、この部分を形成する複数種のドットが均一に混ざり合っていないため、画質の低下が生じている。また、画像部分21cにおいては、21a及び21bと同様の理由から、特に、丸で囲んだ部分においては、右下方向にドットが流れ込む、いわゆるドットの尾引き現象が生じてしまっている。
一方、本発明の誤差拡散処理手法においては、上記実施の形態と同様に、図16のグラデーション画像における、異常ノズルと判断されたノズルの形成するドット部分に対応する画素データついては、図14(b)に示す、誤差拡散マトリクスの中から、斜重誤差拡散マトリクスを選択して誤差拡散処理を行って4値化し、異常ノズルでは無いと判断された正常なノズルの形成するドット部分に対応する画素データについては、図14(b)に示す、誤差拡散マトリクスの中から、通常の誤差拡散マトリクスを選択して誤差拡散処理を行って4値化した。つまり、上記第1の実施の形態と同様の誤差拡散処理手法を用いて4値化した。この4値化の結果は、図19に示すようになる。図19に示す4値化後のグラデーション画像における、画像部分23a〜23cに着目してみると、画像部分23aにおいては、上記従来手法よりもドット種類の切り替え遅延が改善され、シャドウ部のドット種類の分散性が向上しており、上記図18の画像部分21aよりも画質が向上している。また、画像部分23bにおいては、上記従来手法よりも複数種のドットが均一に混ざり合っており、上記図18の画像部分21bよりも画質が向上している。また、画像部分23cにおいては、上記従来手法よりもハイライト部のドットの尾引き現象が改善されており、上記図18の画像部分21cよりも画質が向上している。
また、上記第1及び第2の実施の形態における印刷装置100は、ラインヘッド型のインクジェットプリンタのみならず、マルチパス型のインクジェットプリンタにも適用可能であり、ラインヘッド型のインクジェットプリンタであれば、飛行曲がり現象などが発生していても白スジや濃いスジが殆ど目立たない高品質の印刷物を1パスで得ることが可能となり、また、マルチパス型のインクジェットプリンタであれば、往復動作回数を減らすことができるため、従来よりも高速印刷が可能となる。
同図(A)に示すように、矩形状の印刷媒体(用紙)Sの幅方向を画像データの主走査方向、長手方向を画像データの副走査方向とした場合、ラインヘッド型のインクジェットプリンタでは、同図(B)に示すように、印刷ヘッド200がその印刷媒体(用紙)Sの紙幅分の長さを有しており、この印刷ヘッド200を固定し、この印刷ヘッド200に対して前記印刷媒体(用紙)Sを副走査方向に移動させることでいわゆる1パス(動作)で印刷を完了するようにしている。なお、いわゆるフラットヘッド式のスキャナのように印刷媒体(用紙)Sを固定し、印刷ヘッド200側をその副走査方向に移動させたり、あるいは両方をそれぞれ反対方向に移動させながら印刷を行うことも可能である。これに対し、マルチパス型のインクジェットプリンタは、同図(C)に示すように、紙幅分の長さに比べてはるかに短い印刷ヘッド200を主走査方向と直交する方向に位置させ、これを主走査方向に何度も往復動作をさせながら印刷媒体(用紙)Sを所定のピッチずつ副走査方向に移動させることで印刷を実行するようにしている。従って、後者のマルチパス型のインクジェットプリンタの場合は、前者のラインヘッド型のインクジェットプリンタに比べて印刷時間がかかるといった欠点がある反面、任意の箇所に印刷ヘッド200を繰り返し位置させることができることから前述したようなバンディング現象のうち特に白スジ現象の軽減については、ある程度の対応が可能となっている。
また、図3では、印刷ヘッド200の各色ごとに設けられた各ノズルモジュール50、52,54,56は、その印刷ヘッド200の長手方向に直線状にノズルNが連続した形態となっているが、図21に示すように、これら各ノズルモジュール50、52,54,56をそれぞれ複数の短尺のノズルユニット50a、50b、…50nで構成し、これを印字ヘッド200の移動方向の前後に配列するように構成しても良い。特に、このように各ノズルモジュール50、52,54,56ごとに複数の短尺のノズルユニット50a、50b、…50nで構成すれば、各ノズルユニット50a、50b、…50nの実際のドット間の距離(ピッチ)を狭くすることなく、実質的にドット間の距離をより短くすることが可能となるため、高解像度画像に対して容易に対応することができる。
Claims (14)
- 印刷に用いる媒体に、ドットを形成可能なノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷するようにした印刷装置であって、
M(M≧3)値の画素値を有する画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記ノズルの特性を示すノズル情報を記憶するノズル情報記憶手段と、
拡散対象の画素データへの誤差の拡散割合が異なる複数種類の誤差拡散マトリクスを記憶する誤差拡散マトリクス記憶手段と、
前記画像データにおける所定画素データを選択する画素データ選択手段と、
前記選択した画素データの示すM(M≧3)値の画素値を、N(M>N≧2)値に変換する処理であるN値化処理を行うN値化処理手段と、
前記選択した画素データの値と、当該選択した画素データの前記N値化処理後の値との差分を前記誤差として、当該誤差を、前記誤差拡散マトリクスに基づき、前記画像データにおける前記N値化処理が未処理の画素データに拡散して前記画像データの画素値を更新する誤差拡散手段と、
前記N値化処理後の画像データに対応する前記ノズルのドット形成内容に関する情報を規定した印刷用データを生成する印刷用データ生成手段と、
前記印刷用データに基づき、前記印刷ヘッドによって前記画像を前記媒体に印刷する印刷手段と、を備え、
前記誤差拡散手段は、前記ノズル情報に基づき、前記選択した画素データ毎に前記誤差拡散マトリクス記憶手段から所定の誤差拡散マトリクスを選択し、当該選択した誤差拡散マトリクスに基づき、前記N値化処理が未処理の画素データに前記誤差を拡散することを特徴とする印刷装置。 - 前記ノズル情報は、前記ノズルに対するインクの吐出不良の有無を示す吐出不良情報を含むことを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
- 前記ノズル情報は、前記ノズルの前記ドットの実際の形成位置と当該ドットの理想の形成位置との位置ずれ量の情報を含むことを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
- 前記誤差拡散マトリクスは、前記選択した画素データに対応した画素に対して、画素を選択する方向とその垂直方向以外の方向である斜め方向に位置する拡散対象の画素に対応した画素データへの前記誤差の拡散割合を、前記斜め方向以外の拡散対象の画素データへの拡散割合よりも大きくした誤差拡散マトリクスである斜重誤差拡散マトリクスを含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の印刷装置。
- 前記誤差拡散手段は、前記位置ずれ量が所定量以上のノズル及びその近傍のノズルの少なくとも一方に対応した画素データに対する前記誤差の拡散処理において、当該画素データの前記誤差を、前記斜重誤差拡散マトリクスを用いて、前記N値化処理が未処理の画素データに拡散することを特徴とする請求項4記載の印刷装置。
- 前記誤差拡散手段は、インクの吐出不良を有するノズル及びその近傍のノズルの少なくとも一方に対応した画素データに対する前記誤差の拡散処理において、当該画素データの前記誤差を、前記斜重誤差拡散マトリクスを用いて、前記N値化処理が未処理の画素データに拡散することを特徴とする請求項4又は請求項5記載の印刷装置。
- 前記N値化処理手段は、インクの吐出不良を有するノズルに対応する画素データの有する画素値を最低濃度値又は最低濃度値に近い値に変換し、
前記誤差拡散手段は、前記変換前の画素データの画素値と前記変換後の画素データの画素値との差分を前記誤差として、当該誤差を、前記誤差拡散マトリクスを用いて、前記変換後の画素データ周辺の、前記N値化処理が未処理の画素データに拡散することを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載の印刷装置。 - 前記印刷ヘッドは、前記媒体の装着領域と同等の範囲又は前記装着領域よりも広い範囲に亘って前記ノズルが連続して配列された印刷ヘッドであることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の印刷装置。
- 前記印刷ヘッドは、前記媒体の紙送り方向に直交する方向に移動しながら印刷を実行する印刷ヘッドであることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の印刷装置。
- 印刷に用いる媒体に、ドットを形成可能なノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷するようにした印刷装置を制御するのに使用する印刷装置制御プログラムであって、
M(M≧3)値の画素値を有する画像データを取得する画像データ取得ステップと、
前記画像データにおける所定画素データを選択する画素データ選択ステップと、
前記選択した画素データの示すM(M≧3)値の画素値を、N(M>N≧2)値に変換する処理であるN値化処理を行うN値化処理ステップと、
前記選択した画素データの値と、当該選択した画素データの前記N値化処理後の値との差分を誤差として、当該誤差を、誤差拡散マトリクスに基づき、前記画像データにおける前記N値化処理が未処理の画素データに拡散して前記画像データの画素値を更新する誤差拡散ステップと、
前記N値化処理後の画像データに対応する前記ノズルのドット形成内容に関する情報を規定した印刷用データを生成する印刷用データ生成ステップと、
前記印刷用データに基づき、前記印刷ヘッドによって前記画像を前記媒体に印刷する印刷ステップとからなる処理をコンピュータに実行させるのに使用するプログラムを含み、
前記誤差拡散ステップにおいては、前記ノズルの特性を示すノズル情報に基づき、拡散対象の画素データへの誤差の拡散割合が異なる複数種類の誤差拡散マトリクスの記憶された誤差拡散マトリクス記憶手段から、前記選択した画素データ毎に所定の誤差拡散マトリクスを選択し、当該選択した誤差拡散マトリクスに基づき、前記N値化処理が未処理の画素データに誤差を拡散することを特徴とする印刷装置制御プログラム。 - 印刷に用いる媒体に、ドットを形成可能なノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷するようにした印刷装置を制御するのに使用する印刷装置制御方法であって、
M(M≧3)値の画素値を有する画像データを取得する画像データ取得ステップと、
前記画像データにおける所定画素データを選択する画素データ選択ステップと、
前記選択した画素データの示すM(M≧3)値の画素値を、N(M>N≧2)値に変換する処理であるN値化処理を行うN値化処理ステップと、
前記選択した画素データの値と、当該選択した画素データの前記N値化処理後の値との差分を誤差として、当該誤差を、誤差拡散マトリクスに基づき、前記画像データにおける前記N値化処理が未処理の画素データに拡散して前記画像データの画素値を更新する誤差拡散ステップと、
前記N値化処理後の画像データに対応する前記ノズルのドット形成内容に関する情報を規定した印刷用データを生成する印刷用データ生成ステップと、
前記印刷用データに基づき、前記印刷ヘッドによって前記画像を前記媒体に印刷する印刷ステップと、を含み、
前記誤差拡散ステップにおいては、前記ノズルの特性を示すノズル情報に基づき、拡散対象の画素データへの誤差の拡散割合が異なる複数種類の誤差拡散マトリクスの記憶された誤差拡散マトリクス記憶手段から、前記選択した画素データ毎に所定の誤差拡散マトリクスを選択し、当該選択した誤差拡散マトリクスに基づき、前記N値化処理が未処理の画素データに誤差を拡散することを特徴とする印刷装置制御方法。 - 印刷に用いる媒体に、ドットを形成可能なノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷するようにした印刷装置において使用される印刷用データを生成する印刷用データ生成装置であって、
M(M≧3)値の画素値を有する画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記ノズルの特性を示すノズル情報を記憶するノズル情報記憶手段と、
拡散対象の画素データへの誤差の拡散割合が異なる複数種類の誤差拡散マトリクスを記憶する誤差拡散マトリクス記憶手段と、
前記画像データにおける所定画素データを選択する画素データ選択手段と、
前記選択した画素データの示すM(M≧3)値の画素値を、N(M>N≧2)値に変換する処理であるN値化処理を行うN値化処理手段と、
前記選択した画素データの値と、当該選択した画素データの前記N値化処理後の値との差分を前記誤差として、当該誤差を、前記誤差拡散マトリクスに基づき、前記画像データにおける前記N値化処理が未処理の画素データに拡散して前記画像データの画素値を更新する誤差拡散手段と、
前記N値化処理後の画像データに対応する前記ノズルのドット形成内容に関する情報を規定した印刷用データを生成する印刷用データ生成手段と、を備え、
前記誤差拡散手段は、前記ノズル情報に基づき、前記選択した画素データ毎に前記誤差拡散マトリクス記憶手段から所定の誤差拡散マトリクスを選択し、当該選択した誤差拡散マトリクスに基づき、前記N値化処理が未処理の画素データに誤差を拡散することを特徴とする印刷用データ生成装置。 - 印刷に用いる媒体に、ドットを形成可能なノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷するようにした印刷装置において使用される印刷用データを生成する印刷用データ生成プログラムであって、
M(M≧3)値の画素値を有する画像データを取得する画像データ取得ステップと、
前記画像データにおける所定画素データを選択する画素データ選択ステップと、
前記選択した画素データの示すM(M≧3)値の画素値を、N(M>N≧2)値に変換する処理であるN値化処理を行うN値化処理ステップと、
前記選択した画素データの値と、当該選択した画素データの前記N値化処理後の値との差分を誤差として、当該誤差を、誤差拡散マトリクスに基づき、前記画像データにおける前記N値化処理が未処理の画素データに拡散して前記画像データの画素値を更新する誤差拡散ステップと、
前記N値化処理後の画像データに対応する前記ノズルのドット形成内容に関する情報を規定した印刷用データを生成する印刷用データ生成ステップとからなる処理をコンピュータに実行させるのに使用するプログラムを含み、
前記誤差拡散ステップにおいては、前記ノズルの特性を示すノズル情報に基づき、拡散対象の画素データへの誤差の拡散割合が異なる複数種類の誤差拡散マトリクスの記憶された誤差拡散マトリクス記憶手段から、前記選択した画素データ毎に所定の誤差拡散マトリクスを選択し、当該選択した誤差拡散マトリクスに基づき、前記N値化処理が未処理の画素データに誤差を拡散することを特徴とする印刷用データ生成プログラム。 - 印刷に用いる媒体に、ドットを形成可能なノズルを有する印刷ヘッドによって、前記媒体に画像を印刷するようにした印刷装置において使用される印刷用データを生成する印刷用データ生成方法であって、
M(M≧3)値の画素値を有する画像データを取得する画像データ取得ステップと、
前記画像データにおける所定画素データを選択する画素データ選択ステップと、
前記選択した画素データの示すM(M≧3)値の画素値を、N(M>N≧2)値に変換する処理であるN値化処理を行うN値化処理ステップと、
前記選択した画素データの値と、当該選択した画素データの前記N値化処理後の値との差分を誤差として、当該誤差を、誤差拡散マトリクスに基づき、前記画像データにおける前記N値化処理が未処理の画素データに拡散して前記画像データの画素値を更新する誤差拡散ステップと、
前記N値化処理後の画像データに対応する前記ノズルのドット形成内容に関する情報を規定した印刷用データを生成する印刷用データ生成ステップと、を含み、
前記誤差拡散ステップにおいては、前記ノズルの特性を示すノズル情報に基づき、拡散対象の画素データへの誤差の拡散割合が異なる複数種類の誤差拡散マトリクスの記憶された誤差拡散マトリクス記憶手段から、前記選択した画素データ毎に所定の誤差拡散マトリクスを選択し、当該選択した誤差拡散マトリクスに基づき、前記N値化処理が未処理の画素データに誤差を拡散することを特徴とする印刷用データ生成方法。
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