JP3890220B2 - 記録装置及び記録方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の記録素子を配列した記録ヘッドを用いて記録を行う記録装置及び記録方法に関する。特に詳細には、複数のノズルを配列した記録ヘッドを用い、ノズルからインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
記録ヘッドに配列されたノズルからインクを吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット方式の記録装置は、近年において、プリンタ、FAX、複写機等に多く適用されてきている。特に複数の色のインクを用いてカラー画像を記録可能なカラープリンタにおいてはその高画質化が進むことで著しい伸びを示しているといえる。また、記録装置においては、高画質化の一方で、高速化も重要な要素であり、ヘッドの液滴吐出駆動周波数の高速化と共に、記録ヘッドに配列されるノズル数の増加による高速化が進みつつある。
【0003】
しかしながら、インクジェットヘッドにおいては、製造時に記録ヘッドのノズル内に入ったゴミや、長期間の使用によるノズルの劣化、インクを吐出させるための素子の劣化等が原因となって、いわゆる「不吐出」というインク滴が吐出できなくなる状況が発生する場合がある。後者が原因となる場合は、特に記録装置の使用期間中に偶発的に不吐出が発生する可能性もある。
【0004】
また、完全に不吐出の状態とならずに、インク滴の吐出方向が所望の方向より大きく偏った状態(以下、「吐出のよれ」とも称する)や、インク滴の吐出量が所望の量より大きく異なった状態(以下、「ドロップ径のばらつき」とも称する)となる場合もあった。このような、記録に用いた場合に記録画像の品質を大きく低下させる程に劣化したノズルについては、記録を行うノズルに相当しない状態であり、以下、「不吐出」と含めて説明する。
【0005】
このような不吐出等は、製造環境等の改善により、発生する頻度を抑えることができ、従来は大きな問題ではなかった。しかし、前述のように高速化のために記録ヘッドに配列するノズル数を多くした場合、無視できない問題となる。特に、不吐出状態のノズルを含まない記録ヘッドや、不吐出が発生しにくい良好な記録ヘッドを製造するためには、製造上のコストアップを招き、結果として記録ヘッドが高価になってしまう。
【0006】
これらの不吐出等が発生すると、画像上に白すじ等の欠陥が発生する。このような白すじを補完するため、記録ヘッドを複数回走査して記録を行う分割印字方式を利用し、白すじとなる部分を他の正常なノズルで補完して記録する等の技術が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような記録の高速化を達成するためには、1回の走査で印字を完成させる、所謂1パス印字を行うことが好ましいが、この1パス印字においては、不吐出で記録されない部分を補完したり、目立たなくすることが非常に困難である。また、記録媒体上の所定の領域に対して記録ヘッドを複数回走査して記録を行う、いわゆる「マルチスキャン」と呼ばれる記録方式においても、不吐出が発生したノズルの位置や数によっては、その位置を補完記録することが困難な場合もある。
【0008】
本発明は、上述の問題点に鑑みて成されたもので、不吐出が生じることによりドットが記録されないことで記録画像に発生する白すじ等の画像のむらを解消し、不吐出が発生した場合でも、白すじや画像のむらを人間の目では認識できなくし、記録ヘッドのコストアップを抑制し、更には、プリント速度の高速化を可能とするインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記構成を備えることにより上記課題を解決できるものである。
【0010】
(1)複数の記録素子を配列した記録ヘッドを用い、記録媒体上にカラー画像の記録を行う記録装置において、記記録ヘッドの複数の記録素子を駆動して記録媒体上に画像を記録する記録ヘッド駆動手段と、前記複数の記録素子のうちの不良の記録素子により記録されるべき位置に対して、夫々異なる法により補完記録を行うための複数の補完手段と、前記記録媒体のにじみ率に応じて前記複数の補完手段の中から少なくとも1つの補完手段を選択するための選択手段と、を有することを特徴とする記録装置。
(2)前記複数の補完手段は、前記不良の記録素子による記録色とは異なる色を記録する記録素子を用いて補完記録を行うための第1の補完手段を含むことを特徴とする前項(1)に記載の記録装置。
(3)前記複数の補完手段は、前記不良の記録素子の近傍に位置する記録素子を用いて補完記録を行うための第2の補完手段を含むことを特徴とする前項(1)に記載の記録装置。
(4)前記複数の補完手段は、前記不良の記録素子による記録色とは異なる色を記録する記録素子を用いて補完記録を行うための第1の補完手段と、前記不良の記録素子の近傍に位置する記録素子を用いて補完記録を行うための第2の補完手段と、を含むことを特徴とする前項(1)に記載の記録装置。
(5)前記選択手段は、前記記録媒体が第1の記録媒体の場合、前記第2の補完手段のみを選択し、前記記録媒体が第2の記録媒体の場合、少なくとも前記第1の補完手段を選択することを特徴とする前項(4)に記載の記録装置。
(6)前記第1の記録媒体はにじみ率が2.5以上のものであり、前記第2の記録媒体はにじみ率が2.5未満のものであることを特徴とする前項(5)に記載の記録装置。
(7)前記第1の補完手段は、前記不良の記録素子による記録色と明度の近似する色により補完記録を行うことを特徴とする前項(2)、(4)および(5)のいずれかに記載の記録装置。
(8)前記第1の補完手段は、前記不良の記録素子に対応した画像データを、補完記録を行う記録素子に対応した記録色に応じて補正する補正手段を有し、該補正手段により補正された画像データに基づいて補完記録を行うことを特徴とする前項(7)に記載の記録装置。
(9)前記第2の補完手段は、前記不良の記録素子に対応する画像データに応じて、前記近傍に位置する記録素子に対応した画像データを補正することを特徴とする前項(3)乃至(5)のいずれかに記載の記録装置。
(10)前記不良の記録素子は、記録が不可能な状態となった記録素子を含むことを特徴とする前項(1)乃至(9)のいずれかに記載の記録装置。
(11)前記第1の記録媒体は普通紙であり、前記第2の記録媒体は光沢紙であることを特徴とする前項(5)または(6)に記載の記録装置。
(12)記録媒体のにじみ率を測定する測定手段を備えることを特徴とする前項(1)乃至(11)のいずれかに記載の記録装置。
(13)前記記録媒体が前記第1の記録媒体の場合、前記第2の補完手段のみで補完記録を行うようにするため、前記記録ヘッドの吐出量を制御する制御手段を備えることを特徴とする前項(5)に記載の記録装置。
(14)複数の記録素子を配列した記録ヘッドを用い、記録媒体上にカラー画像の記録を行う記録装置において、前記複数の記録素子の内の不良の記録素子により記録されるべき位置に対して補完記録を行うための複数の異なる補完方法の中から、使用する補完方法を選択する選択手段と、前記選択された補完方法によって補完記録を行う手段と、を含み、前記選択手段は、第1の記録媒体が使用される場合と前記第1の記録媒体よりもにじみ率の小さい第2の記録媒体が使用される場合とで、異なる補完方法を選択することを特徴とする記録装置。
(15)複数の記録素子を配列した記録ヘッドを用い、記録媒体上にカラー画像の記録を行う記録方法において、前記複数の記録素子の内、不良の記録素子を特定する工程と、 前記記録媒体のにじみ率に応じて、前記不良の記録素子により記録されるべき位置に対して補完記録を行うための補完方法を夫々異なる複数の補完方法の中から選択する工程と、前記選択された補完方法により補完記録を行う工程と、を含むことを特徴とする記録方法。
(16)複数の記録素子を配列した記録ヘッドを用い、記録媒体上にカラー画像の記録を行う記録方法において、前記複数の記録素子の内の不良の記録素子により記録されるべき位置に対して補完記録を行うための複数の異なる補完方法の中から、使用する補完方法を選択する工程と、前記選択された補完方法によって補完記録を行う工程と、を含み、前記選択工程では、第1の記録媒体が使用される場合と前記第1の記録媒体よりもにじみ率の小さい第2の記録媒体が使用される場合とで、異なる補完方法を選択することを特徴とする記録方法。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明の実施の形態を説明する。
【0036】
図1は、印字画像の欠落状況、補完状況を示す模式図、及び明視距離と欠落幅の関係を示すグラフ、図2は、低印字dutyも高印字dutyも全て、不吐ヘッドのノズル部をBkだけで補完する方法を示すブロック図、図3(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)は、1画素に1ドットの画像設計の場合の例を示す説明図、図4は、入力値に対する各色の明度の出力値を示すグラフ、図5、図6は、異色による補完のための変換の例を示すグラフ、図7は、異色による補完のための変換の例を示すグラフ、図8は、データ変換演算回路の処理を示すフローチャート、図9は、異色による補完のための変換の例を示すグラフ、図10は、本実施例におけるインクジェット記録装置の例としてのカラー複写機の構成を示す側断面図、図11は、CCDラインセンサ(受光素子)の詳細説明図、図12は、インクジェットカートリッジの外観斜視図、図13は、プリント基板85の詳細を示す斜視図、図14(a)、(b)は、プリント基板85上の要部回路構成を示す説明図、図15は、発熱素子857の時分割駆動チャートの例を示す説明図、図16(a)は、理想的な記録ヘッドでの記録状態を示す模式図、(b)は、ドロップ径のばらつき、よれの有る状態を示す模式図、図17(a)は、理想的な記録ヘッドによる50%ハーフトーンの状態を示す模式図、(b)は、ドロップ径のばらつき、よれの有る50%ハーフトーンの状態を示す模式図、図18は、本実施例における画像処理部の構成例を示すブロック図、図19は、γ変換回路95の入・出力関係を示すグラフ、図20は、データ処理部100の機能を示す要部構成例ブロック図、図21は、ノズルに対する濃度補正テーブルの例を示すグラフ、図22は、ノズルに対する非線形濃度補正テーブルの例を示すグラフ、図23は、インクジェット記録装置本体の外観斜視図、図24は、むら読取りパターンの印字出力状況説明図、図25は、128個のノズルからなる記録ヘッドによる記録パターンの例を示す説明図、図26(a)、(b)、(c)は、読取った印字濃度データのパターンを示す説明図、図27は、ノズル対応印字濃度のパターンを示す説明図、図28は、読取り領域の画素の状況を示す説明図、図29は、画素の濃度データ説明図、図30(a)は、横軸を補完したグレーの明度(bの部分の明度)縦軸を補完後にむらが見えなくなる明視距離として示した関係グラフ、(b)は極小値の明度(約56)で補完した場合と、補完しない場合に関して、横軸を明視距離、縦軸をむらが見えなくなる欠落幅として示した関係グラフ、(c)は(b)図の関係を欠落幅を狭い部分で詳細に示したグラフ、図31(a)は、欠落部分bをBkドットを間引いたパターンで補完する例を示した説明図、(b)は(a)の部分拡大図、図32(a)は、隣接補完を行った場合におけるBkドットでの補完の例、(b)は人間の目での画像むら評価表、図33は、図32をグラフ化した説明図である。
【0037】
尚、以下の説明においては、不吐出が発生したノズル、インク滴の吐出方向が所望の方向より大きく偏った状態のノズル、及び、インク滴の吐出量が所望の量より大きく異なった状態のノズルについて、これらを記録が行えない状態のノズルとして説明する。本発明は、これらのノズルについては、記録を行わないノズル、または記録を行わない記録素子として扱い、これらのノズルによって記録されない位置に対して補完するよう記録を行うもの、もしくは記録されない位置について詳細に説明する。尚、正常な記録が行えない状態となったノズル、記録素子について、不良ノズル、不良記録素子、とも称して説明する。
【0038】
本発明者は、不吐出ノズルが発生した場合の不吐補完方法について鋭意検討したところ、被記録媒体に応じて、複数の不吐補完方法を使い分けることが好ましいことが分った。
【0039】
すなわち、非記録媒体によって、着弾したインク滴のにじみ方が違うため、不吐がある場合のすじむらを消すための補完の仕方が異なるのである。
【0040】
ここで、次の説明に当たり、にじみ率を定義する。記録ヘッドから吐出されたインク滴が被記録媒体に着弾して、インク滴が拡がり、ドットが形成されるが、着弾前のインク滴の直径に対するドット径の比をにじみ率とする。
【0041】
にじみ率が大きいか小さいかの基準としては、約2.5倍を考えた。
【0042】
すなわち、インクジェット記録装置によってインク滴が吐出されて、被記録媒体に着弾した場合、着弾したインク滴の直径は、ほぼ飛翔しているインク滴の直径の2倍程度の大きさになることが分っている。
【0043】
その後、着弾したインク滴は被記録媒体内に吸収されていくが、インクの浸透性が高い場合、いわゆる普通紙と呼ばれるにじみ防止剤としてのサイズ剤が含有されているPPC(PlainPaperCopier)用紙でも、十分浸透するため、にじみ率は2.5倍以上となる。一方、インクの浸透性が低い場合、着弾後も余り浸透せず、インク中の揮発成分の蒸発及び紙中への膨順によってドットが形成されるため、にじみ率は2倍よりも余り大きくならないし、2倍以下となることもある。
【0044】
また、インクの浸透性に関わらず、コート層が形成された特殊媒体では、インクのにじみ方をコントロールするように形成されており、にじみ率を大きくするような媒体もあるが、最近では粒状感を向上させて画質を向上させる目的でドット径を小さくするのが主流であり、光沢紙などはほぼ2倍程度のにじみ率である。
【0045】
すなわち、媒体の表面での水平方向への浸透を防止するように形成されているのである。
【0046】
よって、にじみ率が大きい被記録媒体では、不吐部分の幅が比較的狭ければ、不吐ノズルの隣接ノズルのドットを含めた近傍ノズルのドットを多く印字することでむらを見えにくくすることが可能となるのである。すなわち、高印字Dutyでは例えば、ベタ画像の場合、紙中での単位面積当たりのインクの量が多くなると、紙の不吐部分の領域に対してドット群のにじみが拡がり、不吐画像として認識できないようにできることが分った。
【0047】
一方、低印字Dutyでは、被記録媒体に依らず、図3のように不吐ノズルの隣接ノズルのドットを含めた近傍ノズルのドットを多く印字することで、マクロ的な濃度の補完によりむらとして認識しにくくすることが可能となるのである。
【0048】
不吐ノズルの近傍ノズルでの補完によりむらが見えにくくなるための不吐部分の幅はインク滴の量によっても変わるが、70μm程度以内であれば好ましい。
【0049】
また、普通紙であれば浸透性の高いインクが好ましい。にじみ率としては2.5倍以上あれば好ましい。浸透性の低いインクであってもコート紙等で2.5倍以上のにじみ率があれば好ましい。
【0050】
一方、光沢紙のようなにじみ率が2.5倍未満の媒体では、元々のドット径も小さいし、隣接ドットを多く印字してもほとんどドット群としての拡がりも少なく、不吐部分は補完されにくい。よって、他の色のドットでの補完が有効となる。
【0051】
被記録媒体として、他色での補完を行うかどうかは、予め本体やプリンタドライバー等で設定しておけば良いが、印字物の先端等にインク滴を印字し、そのドット径を本体等で測定して、その被記録媒体のにじみ率を認識するような構成は好ましいものである。
【0052】
以下に本発明の不良ノズルによって記録されない部分を補完して記録を行う方法や、白すじを目立たなくする方法について個別に且つ詳細に説明する。
【0053】
<明度補完>
以下の例は、不吐出の発生等により記録が行えない状態となったノズルに代って、そのノズルから吐出されるインクの色とは異なる色のノズルによって、ドットを補完して記録を行うものであって、不吐出が発生したノズルに対応する出力データ(以下、画像データともいう)に基づいて、その出力データによって記録される画像の明度と、補完のために他の色のノズルによって記録される画像の明度とを、或る一定のレベルで合わせるように、補完用のノズルに対応した出力データを生成して補完記録を行うものである。尚、上記明度に関して、不吐出のノズルの色を対応した出力データに従って一様に記録した場合の明度に対し、補完に用いる色を一様に記録した場合の明度と或る一定のレベルで合わせるように、補完に用いる色のノズルに対応した出力データを生成するものである。このように明度を或る一定のレベルで合わせることで、不吐出によって記録が行われない部分に他の色により補完するように記録を行ったとしても、不吐出の部分を目立ちにくくすることができる。
【0054】
尚、補完する色に関しては、色度が近い色で補完することが好ましい。例えば、一般的なカラーインクジェットプリンタではシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(Bk)の4色のインクを用いることが知られており、このような複数の色のインクを用いる構成においては、C(シアン)のノズルの不吐出を補完する場合においては、4色の中では明度がほぼ等しいM(マゼンタ)や、比較的明度が近いBk(黒)等のインクを吐出する記録ヘッドのノズルを用いて補完を行うことが可能である。具体的には、本来Cのノズルで出力するべきデータにより記録される画像の明度に対して、明度差が一定範囲内となるBkあるいはMのデータに変換し、この変換したBkあるいはMのデータと本来のBkあるいはMのデータを加算して出力するものである。
【0055】
従って、不吐出があった場合でも、例えば、次に図2を参照して説明する処理を行うことで、目的とする不吐出補完が可能となる。
【0056】
図2は、上述の明度補完の手法を説明するブロック図/フローチャートである。まず、ステップS1において、不吐出のヘッド及びノズルを認識する。これは予め、ヘッド製作時に不吐出のノズルを検出してE2 PROMにデータとして書き込んでおいたものを読み込むか、あるいは、記録装置で出力した画像から不吐出ノズルを判断するか、もしくは不吐出ノズルを検出可能なセンサによる検出等により行う。
【0057】
尚、検出する構成としては、光学的にインクの吐出状態を検出するものや、試験的に記録された画像を読取って不吐出部分を検出するもの、など種々の構成を適用することが可能である。次に、ステップS2において、不吐出ノズルにおける、カラーの出力データ(多値データ)を読取り、そのデータから明度を求める。続いてステップS3において、不吐出ノズルに対応するデータの明度値に従って、補完に使用するインクの色のデータを生成する。この補完用のデータの生成は上述したように明度を或る一定のレベルで合わせるように行うものである。尚、この処理は、各色毎に対応した出力データの値と、それに対応する明度値とを格納したテーブルを用い、不吐出のノズルに対応した出力データに従って変換する処理によって行うことができる。尚、図2において21で示すテーブルは、後述するブラックインクによる補完において、処理に使用するテーブルである。
【0058】
本発明者によれば、図1(a)のようにdの幅で印字画像が欠落した場合、そのままでは白すじとして認知されるが、その欠落した部分bに他の色を補完する形で印字した場合、dの幅が十分狭ければ前記補完する色を元々の色aと近い明度にすることで、異なる色であるにも拘わらず、周囲の色と同化して区別しにくいことを見出した。
【0059】
具体的には、図1(a)はaの色の画像中に幅dの欠落部分bが発生した状態であり、図1(b)は、欠落部分を他の色で明度を近づけるように補完した状態であり、aの部分の色をC(シアン)やM(マゼンタ)として幅dを変えたときに、欠落部分bを補完せずに白地のままとした場合と、例えば、Bk(黒)を用いて補完した場合とで、むらとして認識できるかどうかを、観察する画像と目の距離(明視距離)を変えて実験した。
【0060】
一例として、図1に示すaの部分を明度が約51の赤色とした場合、図1に示すbの部分に明度を変えたグレーの色により補完を行った場合の実験例について説明する。
【0061】
図30(a)は、横軸を補完したグレーの明度(bの部分の明度)、縦軸を補完後にむらが見えなくなる明視距離として示した。
【0062】
尚、紙はキヤノン株式会社製コート紙(型番HR101)を用い、キヤノン製インクジェットプリンタBJF850を用い、1パスで印字した。グレーはシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(Bk)の混色により形成した。
【0063】
よって、中間調はC,M,Yの3色による、いわゆるプロセスBkで、階調値が高くなると、Bkを混ぜていって、それに伴い、C、M,Yを徐々に抜いていくような処理を行った。このような、カラーインクとブラックインクを用いたグレーを形成するための処理は、階調値に対応したテーブルを参照して行った。
【0064】
図30(a)では、補完したbの部分の明度によって、すじが見えなくなる距離(明視距離)が異なることが理解できるが、この図で言えることは、パラメーターである欠落幅dの値に拘らず、bの明度をaの明度約51に近づけるほど、白すじ等のむらが見えなくなる距離が小さくなる、ということである。
【0065】
また、この図30(a)から、aの明度に対するbの明度の差を±10以内にすることで、補正効果があることが分る。±10という値はaの明度51に対し、約20%であるが、aの明度を変化させて印字して、実験した場合でも、ほぼ、同様な関係が得られた。
【0066】
好ましくは、bとaの明度差をaの明度に対して、±10%以内にすることで補完効果が高いものとなる。
【0067】
ここで、欠落幅dが短くなるほど、bの明度は、aの明度に対して若干大きめの(若干、明るい)方がむらが目立たなくなる明視距離が短くなっているが、これは、bの部分の色とaの部分の色がインクがにじんで重なっている境界部分が色が濃く(明度としては低く)なっているためと考えられる。
【0068】
特に、グレーを上記したプロセスBkで形成したため、にじみ部は比較的広がっていた。
【0069】
因みに、この例において、紙の白地部分の明度は約92である。
【0070】
この図における極小値の明度(約56)で補完した場合と、補完しない場合に関して、横軸を明視距離、縦軸をむらが見えなくなる欠落幅として示した関係を図30(b)とした。
【0071】
この関係を欠落幅を狭い部分で詳細に示したものを、図30(c)に示した。
【0072】
すると白地の部分の認識境界である幅dは図1(c)の○(白丸)で示したようになった。ここでは、欠落部分の幅dが約30μmのときには距離100cmを境界にして、また、欠落部分の幅が約5μmのときには距離20cmを境界にして欠落部分が認識されないことを意味する。すなわち、約30μmの欠落部分については、100cmの距離より離れて目で見た場合に欠落部分として認識されにくく、また、約5μmの欠落部分については、20cmの距離より離れて目で見た場合に欠落部分として認識されにくいことになる。
【0073】
一方、欠落部分bを、明度を或る一定のレベルで合わせるようにグレー色で補完記録した場合に、補完した部分を目で認識できなくなる幅dは、図1(c)中の●(黒丸)で示したようになった。この黒丸で示す位置は、約130μmの幅の欠落部分については距離100cmより離れて見た場合に認識されにくく、また、約40μmの欠落部分であっても約20cmより離れて見た場合に認識されにくいことを意味する。従って、明度を或る一定のレベルで合わせるように他の色で補完記録を行うことで、欠落部分を補完記録しない場合よりも欠落部分が認識されにくいことになる。
【0074】
この結果から分かるように、bの部分の明度を適当な値に設定して他の色で補完すると、白すじの認識度を小さくできることが分かった。
【0075】
上記した実験上ではグレーの色はC,M、Y及び/またはBkのインクの混合色である、いわゆるプロセスBkで形成したが、欠落部分bに対してBkのドットを間引いたパターンで補完した場合においても、ほぼ同様な結果となった。
【0076】
この欠落部分bを、Bkドットを間引いたパターンで補完する例を、図34に示す。図31(b)は、図31(a)の部分拡大図である。図31(b)の341は、間引いたBkドットのパターン、342、343は、画像aの欠落した部分bを、Bkドットの間引いたパターンで補完した例を示している。
【0077】
むらが見えなくなったときのbの部分の領域を増大させて明度を測定し、aの部分の明度との関係をみると、やはり、グレーで補完した場合と同様にそれぞれの明度は近い値であることが分った。
【0078】
ここで、Bkのドットを用いた理由の1つは、Bkのドット自身の明度が低いため、Bkドットを間引いたパターンで、2次色も含めた高印字Duty部の低い明度に合わせることができるためである。
【0079】
ここで、欠落幅dの値が約200μm以下の場合についての詳細な補完方法の例について説明する。
【0080】
具体的には、1200dpiの解像度のヘッドを用いて、1画素を1200×1200dpiの解像度で形成し、また、約4plのインク滴でキヤノン製コート紙HR101に対して印字を行った。
【0081】
不吐については、連続したノズルでの不吐がなく1不吐となるように画像を調整して、一様な階調パターンをCインクで印字した。
【0082】
不吐部分に対する補完ドットはBkインクでのドットを用いた。
【0083】
ここでは、以下に説明するように、不吐部分がある距離を離して見たときに、むらとして認識できなくなるための条件を求めた。
【0084】
実際には、図32(a)に示すような印字を行った。各マス目は、ある階調の一様なパターンを基本とし、一部を不吐となるように細工した。
【0085】
不吐部は1マスの中に数箇所に分散して設けた。
【0086】
上下方向に0〜255までの8bitで階調を変えて、その階調に応じた8bitのOutputDataに対してある割合を乗じることで、補完ドットとしてのOutputDataとなるようにし、左右方向にその割合を振った。
【0087】
例えば、丸Aで示した割合が0.2で、丸Bで示したOutputDataが255のときの補完ドットのOutputDataは255×0.2=51となる。
【0088】
そして、その部分に対するマス目のむらは見えないので○と評価して、図32(b)のように表した。見えるか見えないか微妙な部分は△、見える部分は×で示した。
【0089】
他のマス目に関しても、同様に行い、図32(b)の表を完成させた。
【0090】
図32(b)に基づき、図33を示した。
【0091】
図33では、ここでは評価が○と△のみ示し、×は割愛した。
【0092】
実際には、図32のマス目の割合をもっと細かく振ることで、評価を詳細に行い、図33の実線のような補完カーブを得た。
【0093】
実線を挟む上下の破線は、その範囲であればむらが目立たない部分である。
【0094】
ここで、図32、33に示した例は、1不吐における両端の隣接ノズルの多値データを1.5倍にすることで、そのノズルのドット数を1.5倍にするようにした、すなわち隣接補完を行った場合におけるBkドットでの補完の例を示した。
【0095】
一方、上記した、図32(a)のようなパターンを本体で検査パターンとして印字し、例えば、本体に搭載されたスキャナやセンサ等で読取って図32(b)や図33のように判断を下してもいい。この場合、センサ等はデフォーカス等することで、実際に目で見る距離に相当した感度に設定し、1マスの中で、明らかに白すじとして検知するものと、明らかに黒すじとして検知できるものを除いたマス目の集合の中の中間部分を選択する等が考えられ、そのようにすることで図33のような補正カーブを得ても良い。
【0096】
以上、補正方法の例について、詳細に説明したが、マゼンタ(M)の不吐部分をBkで補完する場合もCと同様になる。
【0097】
上記したように、不吐になって白すじとなった部分に、元の色の明度に近い色を補完することで、明視距離に対する不吐出の幅が十分狭ければ、「すじむら」として認識されにくくなることが分った。
【0098】
本検討によれば、補完する色を元の色の明度±20%にすることで、少なくとも補完しない場合に比べ、むらは良くなり、(逆に黒すじ等の悪くなることはない)好ましくは元の色の明度±10%以内の色にすることで、劇的に良くなることがわかった。
【0099】
また、上記の例は、黒色で補完記録を行う例を挙げたが、他の色についても同様のことが言える。
【0100】
尚、普通紙へ、1不吐における両端の隣接ノズルの多値データを1.5倍にすることで、そのノズルのドット数を1.5倍にするようにした、すなわち隣接補完を行なったパターンを印字すると、インクの浸透性が高ければ、他の色による補完がなくとも、400dpiで不吐部の欠落部が60μm程度であれば、隣接ノズルにインクを多く印字する結果として、不吐部にインクがにじみ、すじが見えなくなる。しかしながら、ヘッドからの吐出量が少なく、ドット径が小さい場合は必ずしも、不吐による隙間が埋まらないこともある。
【0101】
このような場合を想定して、上記印字パターンを印字しても、むらが見えなくなるようなヘッドの吐出量に変化させて、補完を行うことが好ましい。
【0102】
以下ににじみ率が約2.0のにじみ率の小さい紙であるコート紙に印字する場合の例について説明する。にじみ率が小さいため、他色による補完を行う。
【0103】
<Bkインクを用いた明度補完の実施例>
不吐したノズルに代ってBkのドットで補完する手法について説明する。
【0104】
この手法は、補完するためのドットを、そのドットが出力データに基づき一様に印字された場合の明度が、不吐ノズル部の出力データによって一様に印字された場合の明度に対して或る一定の明度差内になるような画像データに基づいて記録することを特徴とする。
【0105】
補完する色に関しては、当然ではあるが色度が近い色で補完することが好ましい。例えばシアンインク用のヘッドの不吐ノズルを補完する場合においては、マゼンタやブラックのインクを用いて明度を合わせるようにして補完を行うことが可能である。然しながら色度の観点からすれば、シアンとマゼンタの色度の違いによりその境界部分が比較的目立ちやすいため、Bkで補完する方がより好ましいものとなる。具体的には、本来Cのノズルで出力するべきデータの明度に対してある一定の明度差内になるような明度となるBkのデータに変換し、この変換したBkデータと本来のBkのデータを加算して出力するものである。
【0106】
例えば、このCからBkへの変換の一例は次のようにして行われる。
【0107】
図4は、各色のインクをにじみ率が小さいコート紙に階調記録を行った場合の明度を表すグラフの例であり、横軸は各色に対応する入力値、縦軸は明度を表現している。
【0108】
ここで、シアン(C)のデータが「192」であった場合、その明度L*は約56となっている。
一方、Bkにおいて明度が約56となるのは入力値が約56のときである。
【0109】
このことから、シアンの不吐出のノズルに対応するデータが「192」のとき、
このデータを、ブラックインク用のデータ「56」に変換する。
【0110】
このようにして求めたC,Mと補完するBkとの関係を図5に示す。図5は、不吐出のノズルに対応する入力データに対し、変換後の補完記録のための出力データを表すグラフである。図中、#C_Bkは、シアンに対しブラックインクを用いて補完する場合の関係を示し、#M_Bkは、マゼンタをブラックインクを用いて補完する場合の関係を示す。シアンやマゼンタの不吐出による欠落部分をブラックインクにより補完する場合は、図5に示すような変換を行うためのテーブルを用い、欠落部分に対応したデータを変換して得られたBkのデータを、本来のBkのデータに加算して出力することで、不吐の影響を減ずることができる。尚、Y(イエロー)に関しては、本来、明度が紙面に対して余り変化しない。即ち、目につきにくいことから特に異なる色で補うことはしなくとも良い。尚、図5において、#Bk_cmyは、ブラックの欠落部分を、C,M,Yの3色により補完する例を示しており、Bkの不吐に対しては、C,M,Yを用いて、補うことも可能である。
【0111】
<ヘッドシェーディングによる補完>
次に、ヘッドシェーディングの処理により欠落部分を目立ちにくくする手法について説明する。ここで、ヘッドシェーディングとは、記録ヘッドに設けられる複数のノズルそれぞれの吐出特性のばらつきが主な原因となって発生する濃度むらを補正するために用いられる技術であり、濃度を均一化させるための補正データを個々のノズルに対応させて設定することにより、濃度むらを目立ちにくくするものである。具体的には、記録ヘッドにより試験的に記録した画像の濃度をスキャナで読取り、濃度が低い部分に対応したノズルに対して濃度を高めるための補正データを設定し、逆に濃度が高い部分に対応したノズルに対して濃度を下げるための補正データを設定することで、濃度の均一化を図る。
【0112】
この、ヘッドシェーディングの処理を行うことにより、元画像の不吐の部分(欠落部分)に対応した領域に対して、少なくとも前記領域に隣接する画素周辺の印字dutyを高くするよう補正され、不吐の部分を目立ちにくくすることができる。
【0113】
即ち、具体的には、別記するように、ヘッドシェーディングは、記録ヘッドにより記録したテストパターンの濃度を読取り、その濃度のむらに応じて各ノズル毎の出力γを変更することにより「むら」を取り除くものであるが、読取り濃度むらのデータは、通常別記するように400dpi〜600dpiの解像度の出力では注目ノズルとその両隣りのノズル部の濃度の平均値を取ることによって、注目ノズルにおける濃度と見做し、補正を行っている。
【0114】
従って、不吐出が発生したノズルがあると、その両隣りのノズル部に対応する濃度も結果として低下するため、ヘッドシェーディングの処理により、不吐出が発生したノズルの両端のノズル部における印字データは、濃度を高くするよう補正される。
【0115】
その結果、不吐ノズルに対応する画素の近傍は、その両隣りも含めると印字ドット数が不吐がない場合と比べて同等になるため、むらとして認識できなくなる。
【0116】
図3(a)〜(e)に、ヘッドシェーディングにより不吐出のノズルに隣接するノズルの画像データが補正される状態を模式的に示す。
【0117】
図3(a)〜(d)は、100%のデューティでドットが記録される場合、各格子内に4つのドットが記録される例を示すものである。また、図3(e)は、100%のデューティでドットが記録される場合、1つの格子内に2つのドットが記録される例を示している。また、図の縦方向にノズルが配列された記録ヘッドにより記録される画像であり、図中のAで示す箇所が、不吐出のノズルによって記録が行われない位置を示している。
【0118】
図3(a)は、1/4のデューティで記録される画像を示しており、前述したヘッドシェーディングの処理により、不吐出ノズルに隣接するノズルのデータが濃度を高くするように補正され、結果として記録されるドット数が増える。また、図3(e)は、1/8のデューティで記録される画像を示している。このようにデューティが低い場合においては、不吐出ノズルによって発生する「すじ」は目立ちにくく、隣接するノズルにより記録されるドットが増えることで、見た目の濃度についても、正常な記録ヘッドで記録した場合と比較して、大きな差は生じない。
【0119】
図3(b)は1/2のデューティ(50%)で記録される画像を示しており、また図3(c)は3/4のデューティ(75%)で記録される画像を示している。この図3(c)の例では、デューティが高く、不吐出ノズルの隣接するノズルのみでは、不吐出ノズルに対応する画像の濃度を再現できないため、不吐出ノズルから2ノズル目の位置のノズルに対しても、濃度を高くする補正を行っている。
【0120】
この図3(b)、(c)で示すように、記録されるドットの密度が高くなるにしたがって、不吐出ノズルに対応した位置(図中矢印Aで示す位置)の欠落部分が「すじ」となって目立ちやすくなる。
【0121】
従って、上述のヘッドシェーディングの処理は、デューティが低い画像領域について、特に効果的に不吐出による画像の欠落で生じる濃度低下を抑えることができる。
【0122】
図3(f)は、上記ヘッドシェーディング等により不吐出と判定されたノズルに隣接するノズル部におけるγ補正の例を示す。図中、4aは、補正なしの傾きを示している。4bは、元の画像データに対して、γ補正により1.5倍に濃度を高める補正の例を示す。このように、不吐出ノズルに隣接するノズルに対して、濃度を最大で1.5倍とするγ補正を行ってもよい。
【0123】
上述したように、ヘッドシェーディングの処理により、一様な印字パターンの場合、低印字dutyの場合、不吐出ノズル近傍の印字ドット数はその周囲と比べてもほぼ同じとなり、高印字dutyでも、にじみ率が大きくドット径が大きい媒体であれば、不吐部分ににじませることができ、ほぼ、全ての印字dutyで「むら」として認識しにくいものとなる。
【0124】
次に、にじみ率が約2.0のにじみ率の小さい紙であるコート紙に印字する場合の他の例について説明する。にじみ率が小さいため、他色による補完を行うが、ヘッドシェーディングも行う。
【0125】
<明度補完とヘッドシェーディングの組合せ>
前述した不吐の部分を他の色を使用して補う方法と、不吐の部分の両側のノズルを使用して補う方法の二つを組合わせて使用する。
【0126】
次に、前述した明度を合わせて他の色で補完する手法と、前述したヘッドシェーディングの手法とを組合せることにより、不吐出ノズルによる画像の欠落をさらに効果的に目立たなくする構成について説明する。
【0127】
尚、この際には、各種補正量を適宜修正し、最適化して使用することが好ましい。低印字dutyの領域ではヘッドシェーディングにより、不吐ノズルに対応する画素の近傍は、その両隣りも含めると印字されるドット数が、不吐がない場合と比べて同等になるため、前述と同様むらとして認識できなくなる(図3(a)〜(e)参照)。
【0128】
しかし、前述のヘッドシェーディングの手法では、にじみ率が小さい媒体ではベタ画像のような高印字dutyの画像の場合、不吐出のノズルに対応した部分が白すじとなって目立ちやすいため、「すじ状のむら」として認識される。よって、低印字duty時はヘッドシェーディングにより補正し、高印字duty時は、さらに他の色のドットにより補完することにより、画像の印字デューティの違いによらず、不吐出ノズルによる画像の劣化を抑えることができる。
【0129】
図3(f)は、ヘッドシェーディングの処理と、他の色による補完の処理とを組み合わせた例を示している。例えば、不吐出ノズルに隣接するノズルについては、図中の4bで示す直線に従った補正を行うとともに、デューティが高い場合には、他の色により、不吐出のノズルに対応した部分を補完する。補正直線4bは、画像濃度を1.5倍にするγ補正を示している。また、デューティが2/3(67%)を超える画像データについては、図中の点線4cで示す画像データを、他の色に対応させて発生させる。このような処理を行うことにより、デューティが2/3より低い場合は、隣接するノズルに対応した位置の画像濃度を高めることにより、不吐出による欠落部分を目立ちにくくするとともに、デューティが2/3より高い場合は、不吐出による欠落部分に対して、他の色により、明度を合わせるように補完記録を行うことができる。
【0130】
以下、上述した本発明の補完の手法を基に、インクジェット方式の記録装置を例に挙げて詳細に説明する。
【0131】
尚、本発明においては、スキャナ機能を持ったプリンタ、または、濃度むら及び不吐ノズル測定用パターンを読取ったデータが入力可能なプリンタであれば実施可能であるが、ここでは、カラー画像の読取りと記録とが可能なインクジェット方式のカラー複写機を例として説明する。
【0132】
(第1の実施例)
以下は、にじみ率の小さいコート紙を用いていると本体等で判断した場合の実施例について説明する。
【0133】
<明度補完とBk補完との組合せによる手法>
本実施例は、不吐ノズルに対して異なる色、特にシアン(C),マゼンタ(M)に対して、ブラック(Bk)のインクを用い、不吐ノズルに対応する画像データに基づいて、明度を合せるよう補完するものである。
【0134】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を詳細に説明する。
【0135】
図10は本実施例のインクジェット記録装置を使用したカラー複写機の構成を示す側断面図である。
【0136】
このカラー複写機は、画像読取り及び画像処理部(以下、リーダ部24と称す)とプリンタ部44とで構成されている。リーダ部24はR,G,Bの3色のフィルタを有するCCDラインセンサ5により、原稿ガラス1上に載置された原稿2をスキャンしながら画像を読取り、当該読取り画像を画像処理回路で処理して、プリンタ部44にてシアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y),ブラック(Bk)の4色のインクジェットヘッドにより紙その他の記録媒体(以下記録紙ともいう)に画像の記録を行っている。
【0137】
尚、画像データを外部から入力し、このデータを画像処理回路で処理してプリンタ部44にて記録することも可能である。
【0138】
以下、装置の動作を詳細に説明する。
【0139】
リーダ部24は部材または部分1〜23からなり、プリンタ部44は部材または部分25〜43から成る。また、図10において、図の左上側が、操作者が対面する前面となっている。
【0140】
プリンタ部44は、インクを吐出することにより記録を行うインクジェットヘッド(以下、記録ヘッドともいう)32を備えている。また、この記録ヘッド32は、例えば、インクを吐出するためのノズルが128本配列されており、ノズルの吐出方向側には吐出口が形成されている。ここでは、63.5ミクロンのピッチで128個の吐出口が、所定の方向(後述する副走査方向)並置されており、8.128ミリメートルの幅を記録することができる構成になっている。従って、記録紙に記録する場合は、一旦記録紙の搬送(副走査方向の搬送)を止め、この状態で記録ヘッド32を図面に垂直な方向に移動させて8.128ミリメートルの幅で必要距離だけ記録した後、次に記録紙を8.128ミリメートルだけ送って止め、次の8.128ミリメートルの幅の画像を記録するという動作を繰り返すことになる。この記録方向を主走査方向、紙送り方向を副走査方向と呼ぶ。
【0141】
本実施例の構成では、主走査方向は図13に対し垂直な方向、副走査方向は図10における左右方向である。
【0142】
またリーダ部24は、プリンタ部44に対応して原稿2を8.128ミリメートルの幅で読取る動作を繰り返すが、読取り方向を主走査方向、次の読取りのために移動する方向を副走査方向と呼ぶ。本実施例の構成では、主走査方向は図10の左右方向とし、副走査は図10に対し垂直な方向とする。
【0143】
リーダ部24の動作を説明すると以下のようである。
【0144】
原稿台ガラス1上の原稿2は、主走査キャリッジ7上のランプ3により照射され、その画像はレンズアレイ4を通して受光素子5(CCDラインセンサ)に導かれる。主走査キャリッジ7は副走査ユニット9上の主走査レール8に嵌合し、スライド可能になっている。さらに、主走査キャリッジ7は図示していない係合部材で、主走査ベルト17と連結しており、主走査モータ16の回転によって、図10上で垂直方向に移動し、主走査動作を行う。
【0145】
副走査ユニット9は光学枠10に固定された副走査レール11に嵌合していてスライド可能になっている。さらに、副走査ユニット9は図示していない係合部材で副走査ベルト18と連結しているので、副走査モータ19の回転により図10上で垂直方向に移動し、副走査動作を行う。
【0146】
こうして、CCD5により読取られた画像信号はループ状に湾曲可能なフレキシブルな信号ケーブル13によって副走査ユニット9に伝えられる。信号ケーブル13は主走査キャリッジ7上で、その一端が挟持部14に挟持され(くわえられ)ており、他端は、副走査ユニットの底面20に部材21によって固定されて、副走査ユニット9とプリンタ部44の電装ユニット26とを結ぶ副走査信号ケーブル23に結合されている。ここで、信号ケーブル13は主走査キャリッジ9の動きに追従し、副走査信号ケーブル23は副走査ユニット9の動きに追従している。
【0147】
図11は本実施例のCCDラインセンサ5の詳細を示す図である。このラインセンサ5は498個の受光セルをライン状に備え、R,G,Bの3画素で1画素を構成しているため、実質的に166画素を読取ることができる。このうち有効な画素数は144画素で、この画素数からなる画素幅はほぼ9mmである。
【0148】
次に、プリンタ部44の動作を説明すると以下のようである。
【0149】
記録紙カセット25から図示されない動力源によって駆動された給紙ローラ27によって1枚づつ送り出された記録紙は、二組の対となるローラ28,29及び30,31の間で記録ヘッド32によって記録される。記録ヘッド32はインクタンク33と一体に構成され、プリンタ主走査キャリッジ34上に着脱可能に載置されている。プリンタ主走査キャリッジ34は、プリンタ主走査レール35に嵌合していてスライド可能になっている。
【0150】
更に、プリンタ主走査キャリッジ34は図示していない係合部材で主走査ベルト36と連結しているので、主走査モータ37の回転によって、図10に対して垂直方向に移動して主走査動作を行う。
【0151】
プリンタ主走査キャリッジ34には、アーム部38があり、記録ヘッド32に信号を伝えるプリンタ信号ケーブル39が固定されている。プリンタ信号ケーブル39の他端は、プリンタ中板40に部材41によって固定され、更に電装ユニット26に結合されている。このプリンタ信号ケーブル39は、プリンタ主走査キャリッジ34の動きに追従し、尚且つ上部の光学枠10に接することが無いように構成されている。
【0152】
プリンタ部44の副走査は、二組の対となるローラ28,29及び30,31を図示しない動力源によって回転させ、記録紙を8.128mmづつ搬送することによって行う。42はプリンタ部44の底板、45は外装板、46は原稿を原稿台ガラス1に圧着するための圧着板、1009は排紙口(図23参照)、47は排紙トレーそして48は操作面の電装部である。
【0153】
図12は本実施例のカラー複写機のプリンタ部44におけるインクジェットカートリッジの外観を示す斜視図である。また図13は図12のプリント基板85の詳細を示す斜視図である。
【0154】
図13において、85はプリント基板、852はアルミ放熱板、853は発熱素子とダイオードマトリクスからなるヒータボード、854は個々のノズル情報を予め記憶している記憶手段であってEEPROM等の不揮発性メモリその他適宜の形態を可とする。
【0155】
本実施例においては、不吐ノズルか否かの情報を記憶してあるが、他に濃度むら等の情報も記憶することが可能である。
【0156】
855は本体とのジョイント部となる接点電極である。尚、ここではライン状に配列された吐出口群は図示されていない。
【0157】
こうすることにより、本体装置に記録ヘッド32が装着されると、本体装置は記録ヘッド32から不吐ノズルに関する情報を読み出し、この情報に基づいて濃度むら改善のための所定の制御を行う。これにより、良質な画像品位を確保することが可能となる。
【0158】
図14(a)及び(b)は図13のプリント基板85上の要部回路構成例を示す図である。ここで、図14(a)に示す一点鎖線の枠内がヒータボード853内の回路構成であり、このヒータボード853は発熱素子857と電流の回り込み防止用のダイオード856とを直列接続した回路のN×Mのマトリクス構造で構成されている。即ち、これらの発熱素子857は、図15に示すように各ブロック毎に時分割で駆動され、その駆動エネルギーの供給量の制御はセグメント(Seg)側に印加されるパルス幅(T)を変更して制御することにより実現される。
【0159】
図14(b)は図13のEEPROM854の一例を示す図であり、本実施例においては、不吐ノズルに関する情報が記憶されている。この不吐ノズル情報は本体装置側の画像処理部へ出力される。
【0160】
本実施例における画像処理部の構成例を図18に示す。
【0161】
図18において、固体撮像素子の1つであるCCDセンサ5から読み込まれた画像信号は、シェーディング補正回路91でそのセンサ感度が補正され、色変換回路92で光の3原色R(レッド),G(グリーン),B(ブルー)から印刷色であるC(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),Bk(ブラック)へと変換される。
【0162】
この変換は通常3次元LUT(ルックアップテーブル)を利用して行われるが、特にこの方法に限られるものではない。また、印刷色がC、M、Y、Bkだけでなく、濃度の低いLC(ライトシアン),LM(ライトマゼンタ)等を含む場合においても適応可能である。
【0163】
また、画像データとして、外部から直接色変換回路92へ入力し、処理することも可能である。
【0164】
これらのRGBから変換されたC,M,Y,Bk信号はデータ変換部94に入力される。データ変換部94では、インクジェット記録ヘッドに備えてある記憶手段854の不吐ノズル情報、若しくは別途不吐ノズル測定を経て算出された不吐ノズル情報を使用して、後述するようにデータ変換され、γ変換回路95に供給される。尚ここで使用したノズル毎の特性は、データ変換部94の中のメモリに蓄積されている。
【0165】
γ変換回路95は、例えば図19に示すように、入力データに対する出力データを算出するための数段階の関数を有しており、色毎の濃度バランスや使用者の色合いの好みに応じて適切な関係が選択される。またこの関数はインク特性や記録紙に応じて決定される。尚、このγ変換回路95は、色変換回路92に取込んでしまうことも可能である。この出力は2値化回路に送られる。
【0166】
本実施例においては誤差拡散法(ED)を採用した。
【0167】
2値化処理回路96の出力はプリンタ部44に送られ、記録ヘッド32により記録される。
【0168】
尚、本実施例においては、2値化処理回路を使用し画像を出力しているが、本発明は、この2値化処理回路に限られるものではない。例えば大小ドットを利用した3値化であっても良いし、1画素中に0〜n発のドットを記録することによるn+1値化処理回路であっても良い。種々の出力方法に応じて適宜選択すれば良い。
【0169】
以下、本発明の最も重要な動作であるデータ処理部100を構成する不吐ノズル/濃度むら測定部93とデータ変換部94について説明する。
【0170】
図20は、図18におけるデータ処理部100の機能を示す要部構成例ブロック図であり、破線で囲んだ部分が、夫々、不吐ノズル/濃度むら測定部93とデータ変換部94である。
【0171】
初めに、不吐ノズル/濃度むら測定部93の具体的な動作について説明する。
【0172】
この処理は、不吐ノズルに関する情報の更新の必要があれば、不吐/むら読取りパターンの印字と、同パターンの読取り及びデータ演算とから成り、また、不吐ノズル情報の更新の必要がなければ、省略することができる。
【0173】
尚、本実施例においては、濃度むらに関する補正処理は行わないが、この不吐ノズル/濃度むら測定部93では、濃度むらに関する情報も取得可能であり、且つ他の実施例で使用するので、その説明も付け加えることとする。
【0174】
不吐ノズルに関する情報を更新する場合、最初に不吐/むら読取りパターンの印字が行われるが、それに先立ち、まずヘッドの回復動作が行われる。これは記録ヘッド32の固着インクの除去、ノズルからインクを吸引することによる気泡の除去とヘッドヒータの冷却などを一連の動作で行い、むら読取り用パターン印字を最善の状態で行わしめるための準備動作として強く望ましいものである。
【0175】
次に図24に示すむら読取り用パターンを印字出力する。印字パターンは濃度50%のハーフトーンを各色4ブロックづつ、同図の縦方向に印字し、計16ブロックのパターンからなっている。パターンは記録用紙の定められた位置に印字される。また各ブロックは3ラインの印字から作られ、1,3ライン目は128ノズルのうちのそれぞれ下端部、上端部の16ノズルからだけ吐出を行わせ、2ライン目は128ノズル全てから吐出を行わせることによって計160ノズル分の印字幅を持ったハーフトーンの印字ブロックとなる。ここで各ブロックを160吐出口分の幅で記録する理由は次の通りである。
【0176】
図25に示すように、例えば128個のノズルからなる記録ヘッド32を用いた場合には、この記録ヘッド32により記録されたパターンをCCDセンサ5などで読取ると、記録紙の地色(例えば白)の影響により濃度データAnがだれる傾向を示す。従って、もし各ブロックを128吐出口でしか記録しなければ、端部吐出口の濃度データの信頼性がなくなる虞がある。そこで、本実施例では160吐出口で印字し、ある閾値以上の濃度データを有効データとして扱い、有効データの中心を中心吐出口と見做し、その点から(吐出口数)/2(この場合64)づつ隔てた点のデータを、それぞれ第1吐出口,第128吐出口に対応させた。
【0177】
尚、両端パターンを印字するノズル数は、特に16ノズルに限定されるものではない。本実施例においては、データ保存メモリの節約を目的とし、16ノズルと決定した。
【0178】
読取りパターンの印字が終了した後、出力された記録用紙2を図23の原稿台1にパターンを下向きにし、かつ同色の4ブロックがCCDセンサ5の主走査方向に並ぶように置き、むらパターンの読取りを開始する。
【0179】
不吐/むら読取りに先立ち、まず図23の基準白色板1002を用いてCCDセンサ5のシェーディング処理が行われ、続いてむら読取りパターンの読取りが行われる。ここでいう1ラインは或る色の4ブロックを1度に読取るCCDセンサの1主走査を指している。従って、1ライン読取りで、ブラックのパターンが4ブロック分メモリに格納される。4ブロックそれぞれの読取られたデータ(濃度データ)はメモリの或る定められたエリアに納まるように、記録紙上の定められた位置に印字されている。この読取ったデータの形は、普通は図26(a)のようになっている。ここで横軸がリーダのアドレス、縦軸が濃度を表す。先にも述べたように或る決まった濃度レベル以上の範囲を印字領域とするわけであるが、ここではスレッショルドを初めて超えた濃度のアドレスX1がある許容範囲の中に入っているかを確認する。リーダの読みはじめから印字開始位置がXで始まっていたとするとき、X1がX±Δxの中にあるのかどうかを、さらにはX1+160±Δxの位置でデータがスレッショルド以下に落ちているかをチェックする。
【0180】
これが満たされない場合、斜め置きの可能性があるためエラーと判断し、やり直すか、もしくはデータ回転処理を行った後、再びチェックするようにする。このようにして、データとノズルの1対1の対応を行う。不吐ノズル検知は印字領域と判断されたX1からX2までの範囲の濃度データを一画素づつ取出し不吐ノズル用のスレッショルド以下になっていないかをチェックする。
【0181】
一般に図26(c)に示すように1ノズルのみが不吐出であったとき、その領域は白紙領域と同じ程度の濃度には下がらない。そこで本実施例では不吐ノズル検知用のスレッショルドを別に設け、印字領域内のデータがこれより低い場合に不吐出があると判断している。
【0182】
ところで、ヘッド自体の状態が不安定の場合、吐出口が突発的に不吐出になってしまうこともある。
【0183】
例えば、図24の4つの印字パターンのうち4つとも不吐出がある場合、これは完全な不吐出であるが、もし1つの領域以外には不吐出がなかった場合、不吐出がある部分は突発的なものと判断して、残りの部分のみ使用して計算を行うことにしても良いし、エラーとして再度印字から始めても良い。尚、不吐出のスレッショルドは特別に設けることなく、先に述べた印字領域用スレッショルドを少し高い位置に設けて、同時に検知することが可能である。
【0184】
さて、これらデータは、不吐/むら演算回路135(図20)へと入力される。
【0185】
本実施例における演算は、不吐ノズル決定処理であるが、むら補正の為の濃度比率決定処理についても併せて示す。
【0186】
ここで、図26(c)のような形でデータが実際に入力されたところから、図27を参照して順次説明していく。まず両端の立ち上がり位置X1,X2の平均を取り、印字領域の中心値を求める。ここを、ノズル列の中心部、即ち64番目と65番目のノズルの間であると判断する。従ってその中心部から64画素づつ前後した位置にあるデータが1番ノズルと128番ノズルの濃度ということになる。これにより両端のつなぎ部分も含めた印字濃度n(i)が各ノズルで得られたことになる。ここで各ノズルに対する印字濃度n(i)が不吐ノズル検知用のスレッショルドよりも小さい場合には、そのノズルを不吐ノズルと確定し、そのノズルの濃度比率情報をd(i)=0と設定する。また、本実施例では、以下に示す濃度比の演算は行わない為に、その他のノズルの濃度比率情報をd(i)=1と設定している。
【0187】
濃度比率情報の設定は、以下に示すように行うことができる。
【0188】
不吐ノズルを除いた全ノズルの平均濃度AVEを求め、その平均濃度に対する各ノズルの濃度比率d(i)=n(i)/AVEを各ノズルの濃度比率情報とするものである。
【0189】
しかし、この1画素分の幅しか持たない領域の濃度データをそのままノズルの濃度データとして用いてしまうのは好ましくない。何故なら、図28で示すように、読取り領域の1画素分には、両側のノズルから吐出されたドットによる濃度も含まれていることは確実であるし、どのノズルにおいても多少は左右どちらかによれていることは免れないからである。さらに、人間の目に映る濃度むらが注目画素を含む周囲の状況に応じて影響されることも加味するのが望ましい。
【0190】
従って実用的には各ノズルの濃度を決定する前に、図29に示すようにその画素と両側の画素を含めた3画素程度の濃度データ(Ai-1 ,Ai ,Ai+1 )の平均値を順次求めて、これをノズル濃度ave(i)とし、この値を用いて各ノズルの濃度比率情報d(i)=ave(i)/AVEとすることが好ましい。この濃度比率情報を用いて、後述する補正テーブルの作成が行われることになる。
【0191】
この濃度比率情報d(i)は、補正テーブル演算回路136(図20参照)において処理され、各ノズルに対する補正テーブルが設定される。
【0192】
この決定式のテーブル番号をT(i)とすると、
Figure 0003890220
である。ここでは、図21に示す様に64本の補正テーブル#0〜#63が用意してあり、テーブルナンバ#32を中心に少しづつ傾きを増加/減少させてある。
【0193】
テーブルナンバ#32は入力値と出力値が常に等しい傾き1の直線になっている。これが128個の吐出口の平均濃度を出す吐出口の取るべきテーブルである。その上下に振られた残りの曲線は、印字サンプルと等しい濃度50%(80H)のところで#32を中心に1%刻みでテーブルが存在するようになっている。
【0194】
従って上式で求められたT(i)は常に80Hの入力信号において濃度比率に一致した信号値変換が行われるわけである。また、#0は不吐ノズルに対応しており、その出力は全て0に設定してある。
【0195】
このようにしてT(i)を128個求めたところで1ライン補正テーブル番号算出は終了する。
【0196】
尚、本実施例においては、濃度比率決定処理は行っていない為、全てのノズルに対して#0または#32が算出されている。
【0197】
以上で1ラインすなわち1色分の不吐ノズル及びむら読取りと、そのデータから補正を行った各ノズル毎の補正テーブル番号の算出が完了し、これを4ライン分すなわち4色のヘッドに対して同様な処理を行う。4色分の補正テーブル番号が算出されたら、次に補正テーブル番号保持部137の更新を行う。この中には記憶手段である記録ヘッド記憶情報854から読み込まれた補正テーブル番号が格納されており、ここで算出された最新の補正テーブル番号が、この補正テーブル番号保持部137及び記録ヘッド記憶情報854の内容に書き換えられる。
【0198】
即ち、不吐/むら検出を行わなかった場合には、記録ヘッド記憶情報854に保持されていた補正テーブル番号が以下の処理に利用されることとなる。
【0199】
データ変換演算回路138においては、出力する画像信号を前述した各ノズル毎の補正テーブルを使用して出力し、ヘッド毎の信号へと変換する。この処理のフローを図8に示す。
【0200】
データ変換部94に入力したC,M,Y,Kの画像信号は、実際に記録を行うノズルと対応づけられる。更に記録を行う際に同一画素となる各色のデータが選択され、一括して処理されることとなる。
【0201】
ここで、各ノズル毎の濃度補正テーブルが参照され、データが変換される。このデータ変換については、補正テーブルが#1〜#63の場合と#0、すなわち不吐である場合との2つに大別される。
【0202】
補正テーブルが#1〜#63の場合には、入力信号がそのまま色別データ加算部へ送られる。
【0203】
一方、補正テーブルが#0の場合、即ちそのノズルが不吐の場合には、それを補う為の補完データが作成される。例えば入力信号がCの場合には#C−K補正テーブル、入力信号がMの場合には#M−K補正テーブルを用いてBkデータを作成する。またその入力信号がYのときはBkデータは作成せず、更にBkの場合には#Bk−cmyを用いて、C,M,Yそれぞれのデータを作成することとなる。
【0204】
この補完データは、本実施例においては、前述した様に明度がほぼ等しくなるように作成する。図4は入力値に対する各色の明度の出力値を示すグラフであり、このグラフを元に補完テーブルが作成してある。例えばシアン(C)のデータが「192」(8bit入力)である場合、その明度は約56となっている。
【0205】
一方、黒(Bk)において明度が約56となるのは8bit入力値がほぼ56であり(Bk=56)、この結果、C=192はBk=56に変換される。同様にして求めたマゼンタ(M)に対する黒(Bk)の補完テーブル(#M−K)も併せて図5に示す。
【0206】
一方、イエロー(Y)に対する補完は、このイエロー(Y)の明度が常に高いことを考慮し、特に行わないこととする。また、黒(Bk)に対する補完は、C,M,Y夫々を同じ割合で補完することとした。その結果得られた補完テーブルを#Bk−cmyとして図5に示す。
【0207】
これら補完テーブルを使用して補完データを作成することとなるが、実際には記録するドット径と画素ピッチの関係も考慮することが望ましい。例えば、本実施例においては、記録するドット径は約95μmであり、画素ピッチは63.5μmである。これは100%印字した時に多少の着弾ずれが生じても、エリアファクター100%が得られるように設定してあることによる。
【0208】
従って、例えば1ノズルのみ不吐の場合には、不吐ノズルに対する画素には、その両側の画素に記録したドットの影響がかなり及んでいることとなる。
【0209】
換言すれば、不吐ノズルの部分に記録する補完されたドットは、その両側の画素に少なからず影響を及ぼすということになる。
【0210】
これは、不吐ノズルが連続していなければ、補完するデータは明度との関係から求めた値よりも少なくてよいということと等価である。
【0211】
従って、本実施例においては、図6に示すような補完テーブルを使用した。
【0212】
ここで作成された補完データは、色毎にデータ加算部に送られる。
【0213】
データ加算部では色毎にデータを保持する機能と演算処理する機能を備えていて、このデータ加算部に入力されたデータが初めてであるときは、そのままデータが保持される。また、既にデータが保持されている場合には、そのデータが加算される。また加算されたデータが255(FFH)を超えた場合には、255として保持される。尚本実施例においては単純な加算処理を行っているが、必要に応じて、各種演算やテーブルを利用した処理を行っても良い。
【0214】
C,M,Y,Bk全ての色に対してデータの加算処理が行われた後、このデータはデータ補正部に渡され、データ加算部のデータはリセットされ、次の画素の処理を待つこととなる。データ補正部に渡されたデータは、そのノズルの補正テーブル(#0〜#63)に従い変換され、一連のデータ変換の終了となる。
【0215】
この様にして変換されたデータは、γ変換回路95、2値化処理回路96等を経て、画像が出力されることとなる。
【0216】
この様にして得られた画像は、近づけて凝視すると、不吐の部分が認識できるが、全体としてほぼ良好なものであった。
【0217】
<ヘッドシェーディングによる処理の例>
ここで説明するのは、ヘッドシェーディング、所謂「濃度むら」補正の一連の動作のなかで、不吐ノズルの補正を行うものである。以下具体的に説明する。
【0218】
本例も、前述した前述の実施例と同様のシステムで行われ、異なる点は、むら補正を行うことと、異なる色による補完データを作成しないことである。
【0219】
この2点を中心に、以下データ変換処理、即ち、不吐ノズル/濃度むら測定部93とデータ変換部94の処理について説明する。
【0220】
図18において、不吐ノズル/濃度むら測定部93での処理は、基本的に前述の実施例の場合と同様である。図20のブロック図に示すように、初めに不吐/むら読取りパターンを印字し、次にCCDセンサを用いてこの画像データを読取り、加算、平均化等の処理を行って、図27に示すようなノズルと対応づけられた印字濃度n(i)を得ることができる。
【0221】
さて、本例の理解を容易にするため、まず最初に濃度むら発生の基本的要因について説明する。
【0222】
図16(a)は、理想的な記録ヘッド32での記録状態を拡大して示した模式図である。図中、61はインクの吐出口を示し、この記録ヘッド32で記録した場合には均一なドロップ径(液滴径)でのインクスポット60が用紙上に整列して記録される。
【0223】
尚、同図では所謂全吐(全吐出口がONの状態)の場合を示したが、例えば、50%出力のようなハーフトーンの場合でも濃度むらは発生しない。
【0224】
それに対し、図16(b)に示したケースでは、2番目及び(n−2)番目の吐出口のドロップ62、63の径が他より小さく、また(n−2)番目と(n−1)番目については理想的着弾中心よりも、ずれた位置に記録されている。即ち、(n−2)番目のドロップ63は中心よりも右上方に、また(n−1)番目のドロップ64は中心よりも左下方に偏って記録されている。
【0225】
この様に記録された結果として、図16(b)に示したA領域は薄い筋となって現われ、またB領域も(n−1)番目と(n−2)番目の中心間距離がドロップ間の平均距離l0よりも大きくなるため、結果的に他の領域よりも薄い筋となって現われる。一方、C領域では、(n−1)番目とn番目の中心間距離が平均距離l0よりも狭くなるため、他の領域よりも濃い筋となって現れることになる。
【0226】
以上述べたように、濃度むらは主としてドロップ径のばらつきと中心位置からのずれ(これを一般に「よれ」と称する)に起因して現われるものである。
【0227】
この濃度むらに対処するための手段として或る領域内の画像濃度を検出し、その検出値に基づいて、その領域内へのインク打込み量を制御するという方法が有効である。
【0228】
例えば、図17(a)に示すように理想的な記録ヘッドによる50%のハーフトーン記録に対し、図17(b)に示すようなドロップ径の“ばらつき”や“よれ”のある記録ヘッドによる記録において、濃度むらが目立たないように実現するには次のようにする。即ち、1例として図17(b)に示す破線a内領域での合計ドット面積を、図17(a)の領域aの合計ドット面積に近づけることにより、図17(b)に示すような特性を有する記録ヘッドによる記録においても、肉眼では図17(a)と同等の濃度に感じられるようになる。
【0229】
また、図17(b)のb領域についても同様に行うことにより、濃度むらが実際上解消されることとなる。
【0230】
尚、図17(b)は、説明を簡略化するために、濃度補正制御の処理結果をモデル化して示したもので、αとβは補正用のドットを示している。
【0231】
また、不吐ノズルに対しては、吐出されたドロップ径が限りなく「0」に近づいたものとして捉えることにより、このシステムを適用することが可能となる。
【0232】
この観点から、各ノズルに対応した濃度比率データは前述の実施例の中で示したように、
【0233】
【数1】
Figure 0003890220
とすることが重要となる。即ち、i0のノズルが不吐の場合、n(i0)=d(i0)=0と設定する。その為、不吐ノズルの両側のノズルi0+1、i0−1においては、そのノズルの実効濃度ave(i0+1)、ave(i0−1)は、n(i0+1)、n(i0−1)に比べて大幅に小さな値となる。その結果、濃度比率情報d(i0+1)、d(i0−1)が実質小さくなり、後述する補正テーブルにより、より高い濃度を出力するように設定され、不吐ノズルを補う役割を果すこととなる。従って、ノズル毎の実効濃度ave(i)を算出する計算式は、前に示した前後3画素の平均値だけに限られるものではなく、例えば、ave(i)=(2n(i−1)+2n(i+1)/5というように適当な加重をかけた平均値を用いても良く、適宜選択することが可能である。
【0234】
この様に求められた濃度比率情報d(i)は、データ変換部94中の補正テーブル演算回路136にて処理され、各ノズルに対する補正テーブルが設定される。この処理は、前述の実施例で示したものと同じであり、詳しい説明は省略する。
【0235】
尚、図21に示す濃度補正テーブルは64本であるが、必要に応じて増減することができる。また出力する媒体やインクの特性に応じて、例えば、図22に示すような非線形の補正テーブルを使用することも出来る。
【0236】
上述した様にして、全てのヘッドに対し補正テーブルを設定した後、補正テーブル番号保持部137及び記録ヘッド記憶情報854の内容の更新を行う。出力画像のデータ変換は、ここで設定された補正テーブルを利用してデータ変換演算回路138で行うこととなる。この変換は、前述の実施例とほぼ同様であるが、本例においては、異色による補完は行わない為、より簡略化されている。
【0237】
その処理のフローは、図8における補正テーブルの判断(ステップS2003)、異色データの作成(ステップS2005)、データの加算(ステップS2006)、の部分が省略された形となっている。このようにして補完処理されたデータは、必要に応じてγ変換回路95を経て、2値化処理回路96で2値化され、画像が出力されることとなる。
【0238】
こうして得られた画像は、特にハイライト部において不吐の影響が殆ど見受けられない良好なものであった。
【0239】
しかしながら、高印字Duty部においては、必ずしも不吐による白すじを補償できていない場合がある。
【0240】
(第2の実施例)
本実施例においても、にじみ率が約2.0のにじみ率の小さい紙であるコート紙に印字する場合の例について説明する。
【0241】
<ヘッドシェーディングと異色による補完>
本実施例は、第1の実施例の異色を利用した不吐補完とヘッドシェーディングによる不吐補完を組合わせた実施形態であり、第1の実施例におけるヘッドシェーディングの例と同様のシステムで行うことが出来る。
【0242】
以下本実施例の動作を示すデータ変換処理について説明する。
【0243】
図18、及び図20のブロック図において、不吐ノズル/濃度むら測定部93では、第2の実施例の場合と全く同様の動作、即ち、不吐/むら読取りパターンの印字、不吐/むら読取りパターンの読取り、不吐ノズルの検出及びノズル毎の印字濃度の算出、ノズル毎の濃度比率情報の算出が行われる。
【0244】
この様に求められた濃度比率情報は、データ変換部94中の補正テーブル演算回路136にて、第1の実施例の場合と同様に処理され、各ノズルに対する補正テーブルが設定される。この設定は、補正テーブル番号保持部137及び記録ヘッド記憶情報854の内容を更新し、この内容がデータ変換演算回路138にて利用される。データ変換演算回路138における処理は、基本的に前述の実施例で示した処理(図8参照)と同様である。
【0245】
異なる点は、注目するノズルが不吐である場合、即ち、補正テーブル番号が、#0である場合に、補完する為の異色の補完データ作成用となる異色補正テーブルの内容である。本実施例においては、ヘッドシェーディングによるノズル毎の濃度補正を、また不吐ノズルの両側のノズルは不吐を補うように補正を行う為、特に低印字デューティであるハイライト部では異色の補完は行わない方が好ましい。また、比較的高印字デューティのシャドウ部においても前述した不吐ノズルの両側のノズルによる補正効果がある為、前述の実施例の場合に比較して、異色による補完の程度は少なくて十分である。
【0246】
具体的には図5のC,Mに対するBkの補完カーブをf(x)(xはInputData)とした場合、新たなBkの補完カーブをβ・f(x−δ)とする。
【0247】
そこで本実施例においては、図7に示すような異色補完テーブルを用いて、データ変換処理を行った。
【0248】
すなわち、前述のヘッドシェーディングの処理により、不吐出が発生したノズルに隣接する両側のノズルによりドットが多く記録されるため、異色の補完のために記録するドット数が少なくてすむ。例えば、図4(f)は、補正テーブルのイメージを示す図であり、図21に示すような入力値に対して、不吐出のノズルに隣接するノズルは、補正を行わない場合(補正直線4a)に比較して、濃度を1.5倍(補正直線4b)にする補正を行う。この補正は、図3(a)、(b)、(d)に相当する。尚、図3(a)、(b)、(c)、(d)に示す格子は、内部に4つのドットが記録される大きさを示している。よって図3(a)は、1つの格子内に1つのドットが記録される低印字デューティの一様なパターンを示している。
【0249】
図3に示すドットを記録する記録ヘッドは、図の縦方向に沿ってノズルを配列したものであり、ここでは上から3番目のドット位置に対応するノズルが不吐出になった場合を示している。実線で表される丸が正常なノズルにより記録されるドット位置を示し、また、細かい破線で表される丸が、不吐出のノズルにより、本来記録されるべきドットの位置を示している。また、粗い破線の丸は、補完のために記録されるドットを表している。この図から分るように、不吐出が発生したノズルに隣接する両側のノズルは、1.5倍記録されることが好ましいことが理解できる。
【0250】
しかしながら、ドットの密度が高い画像においては、白すじが目立ちやすくなる。特に、記録媒体によってはドットが小さく形成されるため、1/2デューティを超えるような画像においても、白すじが目立ってしまう。このように、印字デューティが高い画像においては、不吐ノズルに対応する位置に、他の色のドットを記録することにより、欠落部分を目立ちにくくすることができる。よって、ここでは、2/3デューティ(67%)以上のデューティの画像においては不吐ノズルに隣接するノズルについては100%のデューティでドットを記録すると共に、不吐ノズルに対応する位置に他の色で補完するよう記録する。尚、不吐ノズルに隣接するノズルのみで欠落部分を目立ちにくくするためには、原理的には100%以上のデューティでドットを記録する必要があるが、不吐ノズルに対応する部分について他の色で補完しているため、不吐ノズルに隣接するノズルについては、記録するドット数を、100%のデューティまで少なくすることができる。
【0251】
この様にデータ変換を行い、画像を出力したところハイライト部からシャドウ部まで、ほぼ全域に亘り良好な画像を得ることができた。
【0252】
さて、被記録媒体として、他色での補完を行うかどうかは、予め本体やプリンタドライバー等で設定しておけば良いが、印字物の先端等にインク滴を印字し、そのドット径を本体等で測定して、その被記録媒体のにじみ率を認識するような構成は好ましいものである。
【0253】
尚、本発明は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式の記録ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすものである。
【0254】
斯かる方式によれば記録の高密度化、高精細化が達成できるからである。
【0255】
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書,同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式は、所謂オンデマンド型,コンティニュアス型の何れにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を超える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書,同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。尚、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、更に優れた記録を行うことができる。
【0256】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書,米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基いた構成としても本発明の効果は有効である。即ち、記録ヘッドの形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録を確実に効率よく行うことができるようになるからである。
【0257】
更に、記録装置が記録できる記録媒体の最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのような記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成の何れでもよい。
【0258】
加えて、上例のようなシリアルタイプのものでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0259】
また、本発明の記録装置の構成として、記録ヘッドの吐出回復手段,予備的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できるので、好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段,クリーニング手段,加圧或は吸引手段,電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子、或はこれらの組合せを用いて加熱を行う予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出手段を挙げることができる。
【0260】
また、搭載される記録ヘッドの種類乃至個数についても、例えば単色のインクに対応して1個のみが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数のインクに対応して複数個数設けられるものであってもよい。即ち、例えば記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組合せによるか何れでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの各記録モードの少なくとも1つを備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0261】
【発明の効果】
不吐出したドットにより生ずる白すじ等の画像のむらを解消すると共に、これによって、不吐出が発生した場合でも、これらのむらを人間の目では認識できなくし、インクジェットヘッドのコストアップを抑制し、更には、プリント速度の高速化を可能とするという効果を呈する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 印字画像の欠落状況、補完状況を示す模式図及び明視距離と欠落幅の関係を示すグラフ
【図2】 低印字dutyも高印字dutyも全て不吐ヘッドのノズル部をBkだけで補完する方法を示すブロック図
【図3】 (a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)は、1画素に1ドットの画像設計の場合の例を示す説明図
【図4】 入力値に対する各色の明度の出力値を示すグラフ
【図5】 異色による補完のための変換の例を示すグラフ
【図6】 異色による補完のための変換の例を示すグラフ
【図7】 異色による補完のための変換の例を示すグラフ
【図8】 データ変換演算回路の処理を示すフローチャート
【図9】 異色による補完のための変換の例を示すグラフ
【図10】 本実施例におけるインクジェット記録装置の例としてのカラー複写機の構成を示す側断面図
【図11】 CCDラインセンサ(受光素子)の詳細説明図
【図12】 インクジェットカートリッジの外観斜視図
【図13】 プリント基板85の詳細を示す斜視図
【図14】 (a),(b) プリント基板85上の要部回路構成を示す説明図
【図15】 発熱素子857の時分割駆動チャートの例を示す説明図
【図16】 (a)は、理想的な記録ヘッドでの記録状態を示す模式図、(b)は、ドロップ径のばらつき、よれの有る状態を示す模式図
【図17】 (a)は、理想的な記録ヘッドによる50%ハーフトーンの状態を示す模式図、(b)は、ドロップ径のばらつき、よれの有る50%ハーフトーンの状態を示す模式図
【図18】 本実施例における画像処理部の構成例を示すブロック図
【図19】 γ変換回路95の入・出力関係を示すグラフ
【図20】 データ処理部100の機能を示す要部構成例ブロック図
【図21】 ノズルに対する濃度補正テーブルの例を示すグラフ
【図22】 ノズルに対する非線形濃度補正テーブルの例を示すグラフ
【図23】 インクジェット記録装置本体の外観斜視図
【図24】 むら読取りパターンの印字出力状況説明図
【図25】 128個のノズルからなる記録ヘッドによる記録パターンの例を示す説明図
【図26】 (a)、(b)、(c)は、読取った印字濃度データのパターンを示す説明図
【図27】 ノズル対応印字濃度のパターンを示す説明図
【図28】 読取り領域の画素の状況を示す説明図
【図29】 画素の濃度データ説明図
【図30】(a) 横軸を補完したグレーの明度(bの部分の明度)縦軸を補完後にむらが見えなくなる明視距離として示した関係グラフ、(b)は極小値の明度(約56)で補完した場合と、補完しない場合に関して、横軸を明視距離、縦軸をむらが見えなくなる欠落幅として示した関係グラフ、(c)は(b)図の関係を欠落幅を狭い部分で詳細に示したグラフ
【図31】(a) 欠落部分bをBkドットを間引いたパターンで補完する例を示した説明図、(b)は(a)の部分拡大図
【図32】(a) 隣接補完を行った場合におけるBkドットでの補完の例、(b)は人間の目での画像むら評価表
【図33】 図32をグラフ化した説明図
【符号の説明】
1 プラテンガラス
2 原稿
3 ランプ
4 レンズアレイ
5 CCDラインセンサ(受光素子)
7 主走査キャリッジ
8 主走査レール
9 副走査ユニット
10 光学枠
11 副走査レール
13 信号ケーブル
14 挟持部(くわえ部)
16 主走査モータ
17、36 主走査ベルト
18 副走査ベルト
19 副走査モータ(リーダ部24の)
23 副走査信号ケーブル
24 リーダ部
25 記録紙カセット
26 電装ユニット
27 給紙ローラ
32 インクジェットヘッド(記録ヘッド)
34 プリンタ主走査キャリッジ
37 主走査モータ(プリンタ部44の)
39 プリンタ信号ケーブル
44 プリンタ部(インクジェットプリンタ)
45 外装板
46 圧着板
47 排紙トレー
85 プリント基板
90 画像データ信号
91 シェーディング補正回路
92 色変換回路
93 不吐ノズル/濃度むら測定部
94 データ変換部
95 γ変換回路
96 2値化処理回路
100 データ処理部
854 記録ヘッド記憶情報

Claims (16)

  1. 複数の記録素子を配列した記録ヘッドを用い、記録媒体上にカラー画像の記録を行う記録装置において、
    記記録ヘッドの複数の記録素子を駆動して記録媒体上に画像を記録する記録ヘッド駆動手段と、
    前記複数の記録素子のうちの不良の記録素子により記録されるべき位置に対して、夫々異なる法により補完記録を行うための複数の補完手段と、
    前記記録媒体のにじみ率に応じて前記複数の補完手段の中から少なくとも1つの補完手段を選択するための選択手段と、
    を有することを特徴とする記録装置。
  2. 前記複数の補完手段は、前不良の記録素子による記録色とは異なる色を記録する記録素子を用いて補完記録を行うための第1の補完手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記複数の補完手段は、前不良の記録素子の近傍に位置する記録素子を用いて補完記録を行うための第2の補完手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  4. 前記複数の補完手段は、前不良の記録素子による記録色とは異なる色を記録する記録素子を用いて補完記録を行うための第1の補完手段と、
    不良の記録素子の近傍に位置する記録素子を用いて補完記録を行うための第2の補完手段と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  5. 選択手段は、前記記録媒体が第1の記録媒体の場合、前記第2の補完手段のみを選択し前記記録媒体が第2の記録媒体の場合、少なくとも前記第1の補完手段を選択することを特徴とする請求項に記載の記録装置。
  6. 前記第1の記録媒体にじみ率が2.5以上のものであり前記第2の記録媒体にじみ率が2.5未満のものであることを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
  7. 前記第1の補完手段は、前記不良の記録素子による記録色と明度の近似する色により補完記録を行うことを特徴とする請求項2、4および5のいずれかに記載の記録装置。
  8. 前記第1の補完手段は、前記不良の記録素子に対応した画像データを、補完記録を行う記録素子に対応した記録色に応じて補正する補正手段を有し、該補正手段により補正された画像データに基づいて補完記録を行うことを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
  9. 前記第2の補完手段は、前記不良の記録素子に対応する画像データに応じて、前記近傍に位置する記録素子に対応した画像データを補正することを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の記録装置。
  10. 前記不良の記録素子は、記録が不可能な状態となった記録素子を含むことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の記録装置。
  11. 前記第1の記録媒体は普通紙であり、前記第2の記録媒体は光沢紙であることを特徴とする請求項5または6に記載の記録装置
  12. 録媒体のにじみ率を測定する測定手段を備えることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の記録装置。
  13. 前記記録媒体が前記第1の記録媒体の場合、前記第2の補完手段のみで補完記録を行うようにするため、前記記録ヘッドの吐出量を制御する制御手段を備えることを特徴とする請求項に記載の記録装置。
  14. 複数の記録素子を配列した記録ヘッドを用い、記録媒体上にカラー画像の記録を行う記録装置において、
    前記複数の記録素子の内の不良の記録素子により記録されるべき位置に対して補完記録を行うための複数の異なる補完方法の中から、使用する補完方法を選択する選択手段と、
    前記選択された補完方法によって補完記録を行う手段と、を含み、
    前記選択手段は、第1の記録媒体が使用される場合と前記第1の記録媒体よりもにじみ率の小さい第2の記録媒体が使用される場合とで、異なる補完方法を選択することを特徴とする記録装置。
  15. 複数の記録素子を配列した記録ヘッドを用い、記録媒体上にカラー画像の記録を行う記録方法において、
    前記複数の記録素子の内、不良の記録素子を特定する工程と、
    前記記録媒体のにじみ率に応じて、前記不良の記録素子により記録されるべき位置に対して補完記録を行うための補完法を夫々異なる複数の補完法の中から選択する工程と、
    前記選択された補完法により補完記録を行う工程と、
    を含むことを特徴とする記録方法。
  16. 複数の記録素子を配列した記録ヘッドを用い、記録媒体上にカラー画像の記録を行う記録方法において、
    前記複数の記録素子の内の不良の記録素子により記録されるべき位置に対して補完記録を行うための複数の異なる補完方法の中から、使用する補完方法を選択する工程と、
    前記選択された補完方法によって補完記録を行う工程と、を含み、
    前記選択工程では、第1の記録媒体が使用される場合と前記第1の記録媒体よりもにじみ率の小さい第2の記録媒体が使用される場合とで、異なる補完方法を選択することを特徴とする記録方法。
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