JP2006230734A - 移動用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】患者を移動させる際の介護者の労力を低減させる移動用シートを提供する。
【解決手段】シート本体が円筒状または重ね合わされたシート状部材からなり、当該シート状部材がタテ糸、ヨコ糸共に総繊度150デシテックス以下の主としてポリエステルまたはナイロン長繊維織物からなり、且つ厚さが0.16mm以下であり、且つ剛軟度が20〜100mmの範囲であることを特徴とする移動用シート。
【選択図】図1

Description

本発明は、自宅や施設、病院等において寝たきりの患者を介護する人が、患者の着替えやシーツ、敷き布団などの交換の際にベット上で患者を移動、方向転換させたり、また患者の検査や診察のために、ベッド等からストレッチャへ、ストレッチャから手術台や検査台等へ、あるいはその逆方向に患者を移動させるために用いる移動用シートに関するものである。
従来、自宅や施設、病院等で寝たきりの患者の衣服の着替えやシーツ交換、褥瘡防止のための体位変更や、検査や治療のためのベッドまたはストレッチャへの移動をする時など、人手により患者を抱きかかえたり、引きずったり、持ち上げたりして患者を移動させていた。
このような患者の移動にはかなりの力を要し、特に体重の重い患者を持ち上げる場合は更に、複数の人手を必要とするものであった。
また、昨今では自宅で寝たきりの老人の介護を行う介護者も老人である場合やヘルパーの人が力の弱い女性である場合も多く、しかも人手を集めることが困難であり一人で行わなくてはならないものとなっている。従って、患者を移動させることは介護者の体に多大な負担をかけるものであった。
また、患者の側も無理な体勢で移動させられたり、部分的に引っ張られたりすることがあり移動するにも苦痛を伴うものであった。
このような状況の中、介護者や患者の負担・苦痛を和らげ、患者の移動が容易な移動用の補助具として各種織編物やフィルムを用いた移動用シートが市販されるようになった。
公開特許公報において、各種の患者を移動させることを目的とした移動用シートが提案されている。たとえば、ポリエチレン等の薄いフィルムを重ね、滑り合わせる事により患者の移動、回動を容易にしたもの(特許文献1参照)、表面シート材と裏面シート材との間にクッション材、あるいは芯材を設け、硬さを付与することで、患者−ベッド間など、敷設部への挿入を容易にしたもの(特許文献2、3、4参照)等が提案されている。
特開2001−17471号公報 特開平8−257074号公報 特開平10−179642号公報 特開2000−178974号公報
しかしながら、特許文献1のフィルムを重ねた移動用シートは、敷設部に挿入するには、硬さに乏しいため、敷設部接触時、容易に屈曲し、挿入しづらいという問題に加え、長期に渡り寝たきりの患者の移動に使用するには、しわになりやすく、滑り性が悪化しやすいという問題があった。
さらに、特許文献2、3の表面シート材と裏面シート材との間にクッション材、あるいは芯材を設けた移動用シートは、訪問介護等において折り畳んで携帯するには、クッション材あるいは芯材がかさ高となり、携帯し難いという問題があった。
このように従来の移動用シートはいずれも操作が容易であるものの、挿入性および携帯性において十分な性能を満足しうるものではなかった。
そこで、本発明の目的はかかる従来技術の欠点を改良し、家庭や病院で手軽に使用でき、かつ、今まで以上に薄くてなお挿入性、携帯性、滑り性に優れ、滑り性を向上させた移動用シートを提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明の移動用シートは下記の構成から成る。
すなわち、本発明の移動用シートの一態様は、シート本体が円筒状または重ね合わされたシート状部材からなり、当該シート状部材がタテ糸、ヨコ糸共に総繊度150デシテックス以下の主としてポリエステルまたはナイロン長繊維織物からなり、且つ厚さが0.16mm以下であり、且つ剛軟度が20〜100mmの範囲であることを特徴とするものである。この移動用シートにおいては、好ましくは相対するシート面の動摩擦係数が0.1〜0.3の範囲であることを特徴とするものである。
本発明の移動用シートにより、自宅や病院等において寝たきりの患者を介護する人が、シートを敷設部に挿入しやすく、患者を動かす際、わずかな労力で移動させることができ、かつ持ち運びが容易で家庭や病院で手軽に使用できる移動用シートを得ることができる。
以下、図面に示す一態様を用いて、本発明の移動用シートを詳細に説明する。
図1は、本発明の移動用シートの一態様を示す斜視図であり、図2は、本発明の移動用シートの他の態様の例を示す斜視図である。図3は、本発明の移動用シートのさらに他の態様の例を示す斜視図である。
なお、図4は図1で示したシート本体1を部分的に拡大し、単独のシート状部材2に展開し、接合部6を省略しものであり、本発明において相対するシート面とは、シート状部材2同士の各接触面をいい、具体的には図1〜4における符号3の部分を指す。また、図5は本発明のスライドシートの使用例を示す使用図である。
本発明の移動用シートは、患者を動かす際に患者とベット等との間で発生する摩擦抵抗による患者自身の人体への負担・苦痛や介護者の労力を低下させるため、患者とベット等との間に配置する。移動用シートのシート状部材同士を接触させ、滑らせるための相対するシート面を構成する必要があるため、シート状部材を重ね合わせた、あるいは円筒状の構造物とする。そのためには、例えば、図1に示すようにシート状部材2を重ね合わせて構成されるシート本体1を接合部6で接合した構造、あるいは図2に示すように一体のシート状部材2をS字型に折り重ねて構成されるシート本体1を接合部6で接合した構造、図3に示すように一体のシート状部材2を円筒状に形成した構造を有する。ここで、シート本体1における接合部6を接合する場合、接合部6の接合方法としては、縫糸を用いたミシン縫製、接着テープを用いた接合、高周波ウエルダーや超音波ミシンなどによる溶着など、接合方法は通常用いられる方法でなんら差し支えない。
また、接合部6は折り返しなどにより内部に隠された態様が好ましい。接合部6を内部に隠すことによりシート本体1を滑らせる際、キャタピラ機構による運動、すなわち回動運動を行う場合、シート外側が平坦なため接合部6とベッドあるいは人体との引掛りがなく、回動が容易である。
なお、本発明において相対するシート面とは、シート状部材2同士の各接触面をいい、具体的には図1〜3における符号3の部分を指す。
本発明の移動用シートを構成する要素として、シート本体1が円筒状または重ね合わされたシート状部材からなり、当該シート状部材2が主としてタテ糸、ヨコ糸共に総繊度150デシテックス以下のポリエステルまたはナイロン長繊維織物からなり、且つシート本体1を構成するシート状部材2の厚さが0.16mm以下であり、且つ剛軟度が20〜100mmの範囲とするものである。
本発明でいうシート状部材2とは、図4に示すように、単一または一枚よりなるもので、シート本体1はシート状部材2を円筒状あるいは複数枚重ね合わせることにより構成するものである。シート状部材2の厚さとは、シート状部材2単一または一枚当たりの厚さであり、剛軟度とは、シート状部材2単一または一枚当たりの屈曲に対する抵抗を数値的に表したものである。
シート状部材2の厚さ5としては0.16mm以下であることが必要である。この厚以下とすることにより携帯性が良く好適なものとなる。シート状部材2の厚さ5が0.16mmを超えると、折り畳み収納する際、折り畳まれたシート本体1が嵩張り、携帯性が悪くなる。より好適には、厚みは0.05〜0.16mmの範囲が好ましい。
尚、本発明における厚さの値はJIS L 1096 普通法に基づき、23.5kPaの圧力をかけたときの厚さを測定したときの値をいう。
シート状部材2を織物で構成する場合、シート状部材2の厚さを低減する方法としては、総繊度減少、扁平断面糸の使用、筬打ち強力増加などがあるが、もちろんこれらを組み合わせることも可能である。
本発明の移動用シートは、より携帯性を高めるため、図1に示すようにシート本体1と一体、あるいは単独に、シート本体1を収納するためのポケット7を設けたものであってもよい。その際、シート状部材2の厚さ5が0.16mmを超えると、シート本体1の厚さが大きく収納が困難であるため、ポケットに若干のすき間、すなわちマチを設ける必要があり、作成に手間を要するが、0.16mm以下であると、ポケットにマチを設けずともシート本体の1の収納が容易となり、好適である。
シート状部材2の剛軟度としては20〜100mmの範囲であることが敷設部への挿入性が良く好適である。シート状部材2の剛軟度が100mmを超えると、折り畳み収納する際、シート本体1が硬く、完全に折り畳まらず、嵩張り、携帯性が悪くなる。逆に20mm未満であると、敷設部への挿入の際、シート本体1が軟らかく、屈曲し、挿入性が悪くなる。より好適には、剛軟度は40〜80mmの範囲が好ましい。
尚、本発明における剛軟度の値はJIS L 1096 カンチレバー法に基づき、(株)大栄科学機器製作所製カンチレバー型試験機を使用して測定したときの値を示す。
シート状部材2の剛軟度を高める方法としては、ポリエステル、ナイロン等の合成繊維織物を使用する場合、熱セット温度を上昇させる、カレンダー加工する、シリコン系、フッ素系等の熱可塑性樹脂を固着するなどがあるが、もちろんこれらを組み合わせることも可能である。該熱可塑性樹脂を固着する場合において、樹脂付着量としては合成繊維織物の重量に対して0.5〜2.0重量%の範囲が硬さ、滑り性共に良く好適である。0.5重量%以下であると、織物の経糸と緯糸の固定が弱く、目ずれが発生しやすい。逆に2.0重量%以上であると樹脂が厚く織物表面がゴム状となり滑り性が悪くなる。より好適には0.5〜1.5重量%の範囲が好ましい。
また、シート状部材2を複数枚重ねてシート本体1を構成してもよい。
本発明においては、シート状部材2の厚さを薄く、且つ硬さを折り畳み可能な範囲まで硬くすることにより、シート本体1の敷設部への挿入性および携帯性を高めることが可能となる。
シート状部材2に用いる素材としては、長繊維織物であることが長期使用に耐えうる引張強度を有し、且つ表面が滑らかで全ての方向において滑り性が良く好適である。シート状部材2の素材に短繊維と長繊維の混合織物を使用することも差し支えないが、その際、短繊維の混合割合は、相対するシート面3における短繊維の表面の毛羽による引掛かりを少なくするため40重量%以下とすることが好ましい。シート状部材2の素材に短繊維のみで構成される織物を用いると、シート状部材2を重ね合わせて滑らせる際、相対するシート面3において、織物を構成する短繊維の表面の毛羽による引掛りが生じ、滑り性が悪くなる。シート状部材2の素材にフィルムを用いると、引張強度が低く、使用中に破れる。
シート状部材2の素材に編物を用いると、伸縮が大きく、シート状部材2を重ね合わせて滑らせる際、相対するシート面3において、伸びと収縮応力が生じ、滑り性が悪くなる。しかし、シート状部材2を長繊維織物より構成することにより、より優れた移動用シートとすることができる。
また、シート状部材2に用いる長繊維織物の総繊度としては150デシテックス以下であることが滑り性に優れ好ましい。ここでいう総繊度とは、長繊維織物を構成するマルチフィラメント糸1本あたりの太さを表し、マルチフィラメントを構成する複数の単糸における繊度の合計である。シート状部材2の素材に用いる繊維の繊度が150デシテックスを超えると、互いに交わりあって平織物を構成する経糸6と緯糸7間の高低差による段差が大きく、シート状部材2を重ね合わせて滑らせる際、相対するシート面3において、交わりあう経糸6と緯糸7間の高低差による段差が引掛り、滑り性が悪くなる。より好適には50デシテックス〜100デシテックスの範囲である。
本発明においては、シート状部材2の素材に細繊維織物を使用して表面を平滑に構成し、且つ厚さを薄く、且つ硬さを折り畳み可能な範囲まで硬くすることにより、シート本体1の敷設部への挿入性および携帯性を高めることが可能となる。
また、本発明の移動用シートにおいては、シート状部材2の相対するシート面の動摩擦係数が0.1〜0.3の範囲であることが、表面が滑らかで滑り性が良く好適である。
相対するシート面3における動摩擦係数は、0.1〜0.3の範囲であることが、滑り性が良く、好適である。0.3を超えると、相対するシート面3同士を滑り合わせる際、摩擦抵抗が大きく、移動に労力を要し、滑り性が悪い。逆に0.1未満であると、摩擦抵抗が少なく、滑り過ぎて移動時にスリップや滑落する可能性がある。より好適には0.15〜0.25の範囲が好ましい。
なお、本発明における動摩擦係数の値はJIS K 7125に基づき、新東科学(株)製表面性試験機(HEIDON−14DR)を使用して荷重1kg、引張速度1m/minの条件にて測定したときの値を示す。
相対するシート面の動摩擦係数を低減させる方法としては、長繊維織物の総繊度減少およびフィラメントカウント数の増加、撚数の低減、密度増加、シリコン系、フッ素系、ウレタン系等の樹脂のコーティングがあるが、もちろんこれらを組み合わせることも可能である。また、相対するシート面3の地の目線を互いに交差させ滑り合わせてもよい。
なお、相対するシート面3を構成する方法としては、前述の通り、図1の複数枚のシート状部材2を積層する方法、図2の一枚のシート状部材2を折りたたむ方法、図3の円筒状のシート状部材2を使用する方法等があるが、もちろん、これらを組み合わせることも可能である。また、例えば円筒状のシート状部材2を2枚積層し接合すれば、相対するシート面3が3組となるシート本体1を作成することもできる。
また、相対するシート面3は2方向が開放されている態様、すなわち図1〜3のように2方向が接合された態様が好ましい。4方向または3方向が接合されていると、キャタピラ機構による運動、すなわち回動運動が行えず、シート面3の滑り合わせによる相対移動距離が少なく満足する効果が得にくい。また、3方向または4方向が開放されている、すなわち1方向のみ接合された態様または接合部を有さない態様では、自由度が大きく移動範囲は広いものの、まとまりがつきにくく収納性、携帯性という点でやや劣るものとなる。
シート本体1の外側に位置するシート状部材2のシート面4の摩擦係数としては、0.3〜1の範囲であることが患者−シート間のずれが少なく好適である。より好適には0.5〜0.8の範囲が好ましい。
本発明においては、シート状部材2の相対するシート面を平滑にし、動摩擦係数を低くすることにより、円筒状または重ね合わされたシート状部材2の相対するシート面3における滑り性を高めることが可能となる。
本発明におけるシート本体1を構成するシート状部材2は、消臭、抗菌性を付与するために消臭剤や抗菌剤を添加したり、人体と接する面、すなわちシート本体1の外側に位置するシート状部材2のシート面4において、人体の滑りを防止する防滑剤のコーティング、フィルム等をラミネートしたものであってもよいし、吸汗性を付与するためのタオル等を設けたものであってもよい。またさらに、より携帯性を高めるため、図1に示すようにシート本体1と一体、あるいは単独に、シート本体1を収納するためのポケット7を設けたものであってもよい。
本発明の移動用シートは、被介護者だけでなく健常者においても、車下や高さの低い台下に仰向けの姿勢で潜り作業を行う際、背中に敷いて使用することにより人体の移動を容易にすることが可能となる。また、移動させるものも人体に限らない。つまり、介護具だけでなく、移動用シートとして広く使用することができる。
以下、本発明を実施例および比較例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例および比較例において用いた移動用シートの挿入性、携帯性、滑り性について被験者10人によるモニター評価を実施した。評価基準を表1に示す。被験者全員の評価点数の合計点数を各評価結果とし、各評価結果の合計点数を総合評価とした。総合評価が大きいものほど優れているが、15点以上を良好とした。
(測定)
(1)剛軟度
JIS L 1096 カンチレバー法に基づき、(株)大栄科学機器製作所製カンチレバー型試験機を使用して測定。
(2)厚さ
JIS L 1096 普通法に基づき、23.5kPaの圧力をかけたときの厚さを測定。
(3)動摩擦係数
JIS K 7125に基づき、新東科学(株)製表面性試験機(HEIDON−14DR)を使用して荷重1kg、引張速度1m/minの条件にて測定。
(評価)
(1)挿入性評価
ベッド上に人体(体重約55kg)を仰向けに横たわらせた状態で、人体を斜めに起こし、人体−ベッド間に生じる隙間にシート本体1を挿入したときの挿入性を4段階で評価した。移動用シートとしては、評価点数が高いほど挿入性に優れている。評価点数合計が5点以上の場合を良好とした。評価基準を表1に示す。
(2)携帯性評価
移動用シートを可能なまでに折り畳んだときの携帯性を4段階で評価した。移動用シートとしては、評価点数が高いほど携帯性に優れている。評価点数合計が5点以上の場合を良好とした。評価基準を表1に示す。
(3)滑り性評価
移動用シート上に人体(体重約55kg)を載せ、前後左右に移動させたときの滑り性を4段階で評価した。移動用シートとしては、評価点数合計が5点以上の場合を良好とした。評価基準を表1に示す。
Figure 2006230734
(実施例1)
図1および表2に示した移動用シート、すなわちシート状部材2がタテ糸、ヨコ糸共に総繊度33デシテックスのナイロン66長繊維平織物に固形濃度38%のシリコン樹脂を1.1重量%付着し、且つ剛軟度タテ80mm、ヨコ65mm、動摩擦係数0.15、厚さ0.09mmであり、シート状部材2を3枚重ね合わせ、シート本体1の相対するシート面3を2組構成した移動用シートの、挿入性、携帯性、滑り性を、表1の評価基準により5段階で評価し、各評価項目の合計点数を総合評価とした。表3にその結果を示す。
なお、シート本体1のタテ方向、すなわち接合部6方向の寸法は人間工学研究センターの人体計測データを基に患者の頭部〜腰部までカバーできる長さ、すなわち120cmとし、ヨコ方向、すなわち接合部6と直行する方向の寸法は患者の肩幅を十分にカバーできる長さ、すなわち75cmとした。接合部6はミシン縫製により接合し、シート状部材2を接合部6で折り返し、接合部6がシート本体1の内側にくるように設けた。また、1枚目シート状部材2aにポケット7をシート本体1と一体となるように設けた。表3にその結果を示す。
(実施例2)
図1および表2に示した移動用シート、すなわちシート状部材2が固形濃度25%のフッ素系樹脂を1.3重量%付着し、タテ糸、ヨコ糸共に総繊度116デシテックスのポリエステル長繊維糸から構成された剛軟度タテ51mm、ヨコ44mm、動摩擦係数0.20、厚さ0.10mmの綾織物であり、シート状部材2を3枚重ね合わせ、シート本体1の相対するシート面3を2組構成した移動用シートの、挿入性、携帯性、滑り性の評価を行った。表3にその結果を示す。
なお、その他の構成は実施例1と同様にした。
(実施例3)
図1および表2に示した移動用シート、すなわちシート状部材2が固形濃度35%のシリコン系樹脂を0.6重量%固着し、タテ糸、ヨコ糸共に総繊度49dtexのナイロン長繊維糸から構成された剛軟度タテ32mm、ヨコ32mm、動摩擦係数0.25、厚さ0.13mmの平織物であり、シート状部材2を3枚重ね合わせ、シート本体1の相対するシート面3を2組構成した移動用シートの、挿入性、携帯性、滑り性の評価を行った。表3にその結果を示す。
なお、その他の構成は実施例1と同様にした。
(実施例4)
図1および表2に示した移動用シート、すなわちシート状部材2が固形濃度15%のシリコン系樹脂を2重量%固着し、タテ糸、ヨコ糸共に総繊度20dtexのポリエステル長繊維糸70%、綿短繊維糸30%を交織して構成された剛軟度タテ50mm、ヨコ40mm、動摩擦係数0.30、厚さ0.16mmの交織朱子織物であり、シート状部材2を3枚重ね合わせ、シート本体1の相対するシート面3を2組構成した移動用シートの、挿入性、携帯性、滑り性の評価を行った。表3にその結果を示す。
なお、その他の構成は実施例1と同様にした。
(比較例1)
図1および表2に示した移動用シート、すなわちシート状部材2が固形濃度35%のシリコン系樹脂を10重量%固着し、タテ糸、ヨコ糸共に総繊度200dtexのナイロン66短繊維糸から構成された剛軟度タテ120mm、ヨコ115mm、動摩擦係数0.45、厚さ0.40mmの平織物であり、シート状部材2を3枚重ね合わせ、シート本体1の相対するシート面3を2組構成した移動用シートの、挿入性、携帯性、滑り性の評価を行った。表3にその結果を示す。
なお、シート本体1のタテ方向、ヨコ方向の寸法は実施例1と同様にした。
(比較例2)
図1および表2に示した移動用シート、すなわちシート状部材2が剛軟度12mm、動摩擦係数0.09、厚さ0.10mmのフィルムであり、シート状部材2を3枚重ね合わせ、シート本体1の相対するシート面3を2組構成した移動用シートの、挿入性、携帯性、滑り性の評価を行った。表3にその結果を示す。
なお、シート本体1のタテ方向、ヨコ方向の寸法は実施例1と同様にした。
(比較例3)
図1および表2に示した移動用シート、すなわちシート状部材2がタテ糸、ヨコ糸共に総繊度100dtexのアクリル短繊維糸から構成された剛軟度タテ18mm、ヨコ25mm、動摩擦係数0.60、厚さ0.72mmのヨコ編物であり、シート状部材2を3枚重ね合わせ、シート本体1の相対するシート面3を2組構成した移動用シートの、挿入性、携帯性、滑り性の評価を行った。表3にその結果を示す。
なお、シート本体1のタテ方向、ヨコ方向の寸法は実施例1と同様にした。
(比較例4)
表2に示した移動用シート、すなわちシート状部材2が剛性で動摩擦係数0.08、厚さ2.50mmのプラスチック板であり、シート状部材2を2枚重ね合わせ、シート本体1の相対するシート面3を1組構成した移動用シートの、挿入性、携帯性、滑り性の評価を行った。表3にその結果を示す。
なお、シート本体1のタテ方向、ヨコ方向の寸法は実施例1と同様にした。
(比較例5)
表2に示した移動用シート、すなわちシート状部材2が剛軟度17mm、動摩擦係数1.2、厚さ1.00mmのゴム製シート1枚より構成された移動用シートの、挿入性、携帯性、滑り性の評価を行った。表3にその結果を示す。
なお、シート本体1は接合部6を有さず、シート本体1のタテ方向、ヨコ方向の寸法は実施例1と同様にした。
表3から明らかなように、本発明の移動用シートは、シート状部材2の厚さが0.16mm以下まで薄く、且つ剛軟度20〜100mmの範囲内において挿入性および携帯性の優れた移動用シートとなった。また、シート状部材2の摩擦係数0.1〜0.3の範囲内において滑り性の優れた移動用シートとなった。
すなわち、本発明の移動用シートは、発明の要素を多く満たす程、総合評価は高いものとなった。以上の結果を表2と表3に示す。
Figure 2006230734
Figure 2006230734
本発明は、自宅や施設、病院等において寝たきりの患者を介護する人が、患者の着替えやシーツ、敷き布団などの交換の際にベット上で患者を移動、方向転換させたり、また患者の検査や診察のために、ベッド等からストレッチャへ、ストレッチャから手術台や検査台等へ、あるいはその逆方向に患者を移動させるための移動用シートして利用することができる。
本発明の移動用シートの一態様を示す斜視図である。 本発明の移動用シートの他の態様の例を示す斜視図である。 本発明の移動用シートの他の態様の例を示す斜視図である。 図1に示した移動用シートのシート本体1の部分拡大図である。 本発明の移動用シートの使用例を示す使用図である。
符号の説明
1:シート本体
2:シート状部材
3:シート状部材の相対するシート面
4:シート本体の外側に位置するシート状部材のシート面
5:シート状部材の厚さ
6:シート本体の接合部
7:ポケット
8:人体

Claims (2)

  1. シート本体が円筒状または重ね合わされたシート状部材からなり、当該シート状部材がタテ糸、ヨコ糸共に総繊度150デシテックス以下の主としてポリエステルまたはナイロン長繊維織物からなり、且つ厚さが0.16mm以下、且つタテ、ヨコ両方向の剛軟度が共に20〜100mmの範囲であることを特徴とする移動用シート。
  2. 該シート状部材の相対するシート面の動摩擦係数が0.1〜0.3の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の移動用シート。
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