JP7096582B2 - 寝具 - Google Patents

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本発明は、就寝中の寝返りを円滑に行わせることを可能にし、寝返り不足による体への負担や睡眠の質の低下を防ぐことを目的とする寝具に関するものである。
加齢による柔軟性の低下や筋力の低下などが要因で、就寝中の寝返りのスムーズさが損なわれる場合がある。その場合、寝返りの際に目が覚めることで睡眠の質が低下したり、寝返りの回数が通常より著しく減ることで、起床時の腰痛や、体の痺れ、筋肉の硬直といった弊害が生じることが指摘されている。
従来、自力で寝返りをし易くする方法として、体の下に敷くマットレスの反発力を利用する方法があり、様々なマットレスの形状や構造の最適化が計られている。例えば、特許文献1の寝具用マットレスは、75%圧縮時の最大荷重がそれぞれ所定範囲に設定された3層構造を有しており、寝心地が良いことに加え、高反発性とすることで寝返りを妨げない構造となっている。しかし、寝返りの回転運動の大きな障害となる摩擦抵抗は変わらないため、体とマットレスとの接触部分から伝わる反発力を利用するだけでは効果は限定的で、大きな改善にはならず、体全体で大きな寝返り運動をしないといけない状態は変わらない。
一方、摩擦抵抗を減らして寝返りをし易くすることを目的とした寝具として、体の下に敷くシーツであって、特に臀部にあたる布地部の摩擦を減らしたシーツが知られている(特許文献2)。また、前身頃部と後ろ身頃部とを有する上衣であって、後ろ身頃部の表地を高滑性生地部材として摩擦を減らした上衣が知られている(特許文献3)。
特開2015-126836号公報 実用新案登録第3126751号公報 実用新案登録第3183432号公報
しかし、上記特許文献2や上記特許文献3のように、体の下に敷くシーツや着用する上衣のどちらか一方の滑りをよくしたとしても、摩擦対象となるもう一方が不確定では摩擦抵抗が十分低減されるとはいえない。そのため、利用者の寝返りをし易くするという効果が満足に発揮できない場合がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、寝返りを最小限の動作で安定して円滑に行わせることができる寝具を提供することを目的とする。
本発明の寝具は、就寝時に使用する寝具であり、該寝具は、寝間着の外側に着用する着衣と、使用者の下に敷く下敷きシートとで構成され、上記着衣の外側表面と上記下敷きシートの使用者側の表面との最大静止摩擦係数が0.15~0.35であることを特徴とする。
上記下敷きシートの使用者側の表面の生地が合成繊維の編物であり、上記着衣の外側表面の生地が合成繊維の織物であることを特徴とする。
上記合成繊維の編物および上記合成繊維の織物の少なくとも一方は、表面が潤滑剤でコーティングされた生地であることを特徴とする。
上記合成繊維の編物が、ポリエステル繊維を主成分とする繊維の経編物であり、上記合成繊維の織物が、ナイロン繊維またはポリエステル繊維を主成分とする繊維の平織物であることを特徴とする。
上記寝具は、上記着衣として第1着衣と第2着衣を有し、該第1着衣と上記下敷きシートとの最大静止摩擦係数と、該第2着衣と上記下敷きシートとの最大静止摩擦係数とが互いに異なる値であることを特徴とする。
本発明の寝具は、寝間着の外側に着用する着衣と、使用者の下に敷く下敷きシートとで構成され、着衣の外側表面と下敷きシートの使用者側の表面との最大静止摩擦係数が0.15~0.35であるので、従来就寝時に使用しているマットレス、敷布団などの体の下の寝具や、毛布、掛け布団などの体の上の寝具、体に着用する寝間着の種類などによらず、安定して寝返りに最適な摩擦力を提供できる。
また、着衣と下敷きシート間の最大静止摩擦抵抗を0.35以下にすることで、十分に寝返りが円滑になり、小さい回転半径の小さい動きで短時間で回転できることを可能にしている。さらに、該最大静止摩擦抵抗を0.15以上とすることで滑り過ぎにより力が伝わらず、回転力を得るために足を広げたり体を捻じって重心を移動する大きな運動が必要になることもない。これにより、寝返り時に覚醒して睡眠の質が低下することや、寝返り不足による起床時の腰痛、体の痺れ、筋肉の硬直などを防ぐことができる。
下敷きシートの使用者側の表面の生地が合成繊維の編物であり、着衣の外側表面の生地が合成繊維の織物であるので、最大静止摩擦抵抗が小さくなった組み合わせとしつつ、寝具として最適な素材を選択できるようになる。下敷きシートの上側の表面を編物にすることで、織物やフィルム素材に比べ、編物の多孔性の立体構造により、通気性がよく、触感が柔らかく、伸縮性に優れるため、体の重みによる体の各部位の沈み具合に合わせて縦横に伸縮することができ、寝心地を良くし睡眠の質を高めることができる。一方、着衣の表地を織物にすることで、編物に比べ、軽くて薄い素材にすることができ、下に着ている寝間着の着心地を妨げず、寝間着姿で起きて活動する際の妨げにならない。また、下敷きシート以外に接触する掛け布団や毛布、着衣同士の接触部分の摩擦を低減し、寝返り時の摩擦による掛け布団や毛布の乱れを防ぎ、脇や股下など着衣同士の接触部分の動きをスムーズにすることができる。
本発明の寝具の下敷きシート・着衣の一例を示す概略図である。 本発明の寝具の下敷きシート・着衣の他の例を示す概略図である。
本発明の寝具は、寝間着の外側に着用する着衣と、使用者の下に敷く下敷きシートとで構成され、これらの間の最大静止摩擦係数が所定範囲となっている。従来の寝返り用寝具は、着衣および敷物(下敷きシートやマットレスなど)のいずれか一方の摩擦係数を改善したものであったが、本発明者は、いずれか一方でなく両者の組み合わせを改良した寝具とすることで、確実に摩擦抵抗の改善を図れるようにした。さらに、寝返り時の摩擦を最適化するため、両者間の最大静止摩擦係数に着目し、これを所定範囲とすることで寝返りが最小限の動作で円滑にできることを見出した。本発明はこのような知見に基づくものである。
本発明の寝具の一例を図1に基づいて説明する。図1に示すように、本発明の寝具1は、就寝時に使用者Uの下に敷く下敷きシート2と、就寝時に使用者Uに着用される着衣3とから構成される。着衣3は、使用者Uが就寝時に使用する寝間着の上から着用される。下敷きシート2は、マットレスや敷布団の上に載置され、必要に応じて固定されている。
下敷きシート2のサイズは、使用者Uが該シートに仰向けなどで寝る際において、シート横幅(短手方向長さ)が寝返りでも体がはみ出さない十分な幅であり、シート縦幅(長手方向長さ)が少なくとも膝から脇下までの範囲を覆うことができる幅であればよい。具体的なサイズとしては、短手方向長さが80~120cm、長手方向長さが100~140cmであり、短手方向長さが100cm程度、長手方向長さが120cm程度であることが好ましい。
また、下敷きシート2の長手方向長さは使用時に適宜調整してもよい。図1に示すように、下敷きシート2の長手方向の下辺(下端)を膝の位置に合わせ、上辺(上端)は肩より上に達するようにしてもよい。上端の余り部分は、例えば枕の下に敷いてもよい。図1のように、摩擦を低減したい膝から肩までの部分をカバーしつつ、寝返りの回転力を生むために摩擦が必要となる膝下部分はカバーしないことで、円滑な寝返りが可能となる。
本発明の寝具の他の例を図2に基づいて説明する。図2に示す例では、下敷きシート2’の長手方向の上辺(上端)が、脇下までの長さとされている。この場合、肩の部分に下敷きシート2’がないことで、マットレスや敷布団と肩との摩擦がある程度確保され、寝返りの回転力を確保しやすくなる。
下敷きシートの使用者側の表面生地(表地)は摩擦係数が小さい生地がよく、さらに使用者に接触することから、肌触りがよく、熱が籠らず通気性が高いものが適している。下敷きシートの表地としては、合成繊維の編物が好ましい。編物とすることで、織物に比べ、伸縮性や柔軟性に優れ、下敷きシートに適した特性が得られやすい。編物としては横編物でも経編物でもよいが、より安定した編地が得られることから経編物がより好ましい。なお、製編は通常の方法によって行われ、トリコット編機やラッセル編機などが用いられるが、トリコット編機による経編物が好ましく、編み方として、デンビー編、コード編、アトラス編などの編組織で形成されたものが含まれるが、コード編にすれば表面に明確な畝を構築でき滑りやすい表面になりより好ましい。
下敷きシートの表地を合成繊維のトリコット編機によるコード編みの経編物とした場合、ウェール(編物の経方向の連なり)方向がシート長手方向と略平行となるように構成し、コース(編物の緯方向の連なり)方向がシート短手方向と略平行となるように構成することが好ましい。寝返りは主にシート短手方向の動作となるため、上記構成とすることで寝返りにより適した構成となる。経編物の密度は、ウェール方向において、例えば、25~40本/インチ、好ましくは28~32本/インチであり、コース方向において、例えば、35~65本/インチ、好ましくは45~55本/インチである。
上記編物を構成する合成繊維としては、特に限定されず、例えばポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等のポリオレフィン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維等のポリエステル繊維、ナイロン6、ナイロン66等のナイロン繊維、ポリ塩化ビニル繊維等が使用できる。これらの中でも、ナイロン繊維またはポリエステル繊維を主成分とする繊維が好ましく、この場合、ナイロン繊維またはポリエステル繊維を主成分とする構成であれば、1種または2種以上の合成繊維を任意に含んでいてもよい。例えば、ナイロン繊維(またはポリエステル繊維)の重量割合は、好ましくは60%以上であり、より好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは100%である。
上記編物を構成する合成繊維の太さは、例えば50~150デニールであり、好ましくは60~80デニールである。
また、下敷きシートは、使用者の寝相によってずれたり、捲れたりしないように裏面生地(裏地)として、他の素材に対して摩擦が大きくてずれにくく、一部分がずれたり捲れても弾性力により復元できる生地が好ましい。具体的には、裏地として、ポリウレタン、PVA、ポリエチレンなどのスポンジ部材が好ましい。下敷きシートは、該スポンジ部材を上記表地の裏面(利用者側の面の反対面)に接着剤などで貼り合わせて製造できる。該スポンジ部材の厚みは、マットレスや敷布団のクッション性を変えないように2~3mm程度であることが好ましい。
図1において、着衣3はシャツ3aとズボン3bとにより構成される。着衣3は、パジャマなどの寝間着の上から着ても十分余裕のあるサイズとなっている。図1に示すように、シャツ3aの袖は、利用者の肘辺りまでを覆う長さであり、シャツ3aの裾は膝辺りまで覆う長さである。シャツ3aの裾は、通常のシャツの裾より丈が長めにとられている。ズボン3bは膝までの丈であり、摩擦力を残したい膝下までは覆わない長さとなっている。ズボン3bのウエストは、ゴムまたは紐で固定する。なお、寝相によりシャツ3aの裾が上にズレてしまう場合は、ズボン3bを装着した方が摩擦低減の確実性が高まる。
シャツとズボンの素材は共通でよく、摩擦抵抗が小さい上、肌触りがよく、丈夫で軽く薄く通気性が良いことが実用上適している。シャツおよびズボンの生地としては、合成繊維の織物が好ましい。織物とすることで、編物に比べ、薄地でも丈夫な着衣とでき、放熱性などに優れる。織物の中でも、平織物が好ましい。
上記織物を構成する合成繊維としては、ナイロン繊維またはポリエステル繊維を主成分とする繊維が好ましい。この場合、ナイロン繊維またはポリエステル繊維を主成分とする構成であれば、1種または2種以上の繊維を任意に含んでもよい。例えば、ナイロン繊維(またはポリエステル繊維)の重量割合は、好ましくは60%以上であり、より好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは100%である。
上記織物を構成する合成繊維の太さは、例えば10~75デニールであり、好ましくは15~30デニールである。合成繊維の太さを小さくすると、生地を薄く軽くできるが耐摩耗性が低下しやすくなり、合成繊維の太さを大きくすると摩擦抵抗が大きくなりやすい。例えば、20デニールのナイロン糸を使う場合、打ち込み本数(1インチ間に打ち込む経緯の糸の本数の合計)は350~420本/インチ程度であり、好ましくは380~400本/インチ程度である。打ち込み本数を大きくすると密度が増し滑りやすくなるが、柔軟性や通気性が悪くなる。
着衣と下敷きシートとの最大摩擦係数を0.15~0.35とするため、上記編物および上記織物の少なくとも一方は、表面が潤滑剤でコーティングされた生地であることが好ましい。コーティング処理としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などを用いたフッ素加工や、ポリウレタンを用いたポリウレタン加工、シリコンを用いたシリコン加工などが挙げられる。これらの中でも、加工表面に硬い塗膜が生じ、肌触りや通気性に劣ることから、シリコン加工よりも、ポリウレタン加工およびフッ素加工の方がより好ましい。フッ素加工は、素材の通気性や柔らかさ、風合いを損ねる度合いがより低いため、特に好ましい。なお、加工方法としてはラミネートや、塗布、浸漬などの方法が使用できる。
また、コーティング処理に代えて、上記編物および上記織物の少なくとも一方の表面がポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂、ナイロン樹脂などの合成樹脂からなるプラスチックフィルムで覆われた生地とすることができる。プラスチックフィルムを用いることで、コーティング処理に比べ製造コストを低減させることができる。ただし、肌触りや通気性の面で、コーティング処理に劣るため、表面処理としてはコーティング処理の方が好ましい。
図1では、着衣3がシャツ3aおよびズボン3bからなる構成としたが、シャツのみからなる構成としてもよい。例えば、シャツのみの構成では、ワンピースの寝間着の上から着衣を着る場合や、装着点数を減らしたい場合に有利である。
本発明において、上記着衣と上記下敷きシートとの最大静止摩擦係数は0.15~0.35である。最大静止摩擦係数(JIS K 7125に準拠して測定)は、着衣の外側表面と下敷きシートの利用者側の表面2a(図1参照)とが接触する場合の値である。製品として最大静止摩擦係数を1種類のみ提供する場合、最大静止摩擦係数は好ましくは0.17~0.30であり、より好ましくは0.20~0.25である。最大静止摩擦係数は、一様に小さくすると滑り過ぎによって逆に寝返り効率が落ちるため、0.15以上とする。
また、製品として、例えば2つの着衣と1枚の下敷きシートを組み合わせた寝具とすることができる。この寝具セットでは、最大静止摩擦係数を2種類提供でき、例えば、最大静止摩擦係数が0.25程度と0.17程度となるような着衣をそれぞれ用意することで、着衣間で差が生じ、利用者の体形や体の柔軟性などによって個々の寝返りに適した着衣を選択することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明するが、これは単なる例示であり、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
試験例1
実施例1~5および比較例1~3で使用した着衣の生地、および下敷きシートの利用者側の表面の生地を以下に示す。
(着衣)
生地A:ポリエステル繊維100%の平織生地、繊維太さ20デニール、打ち込み数400本/インチ
生地B:ナイロン繊維100%の平織生地、繊維太さ20デニール、打ち込み数400本/インチ
生地C:生地Bにポリウレタン加工を施した生地
生地D:生地Bにフッ素樹脂加工を施した生地
生地E:生地Bにシリコン加工を施した生地
生地F:綿100%の平織生地、繊維太さ132デニール、打ち込み数110本/インチ
生地G:綿60%、ポリエステル繊維40%の平織生地、繊維太さ63デニール、打ち込み数210本/インチ
生地H:20g/m2のポリプロピレン繊維の不織布の外側表面に、厚さ20μmのポリエチレンフィルムを貼り合わせた生地
(下敷きシート)
生地a:ポリエステル100%繊維のコード編みのトリコット生地、繊維の太さ75デニール、編み密度コース52本/インチ、ウェール32本/インチ
生地b:生地aにシリコン加工を施した生地
下敷きシートのサイズは横幅100cm、縦幅120cmとし、膝から肩までの範囲をカバーするように高反発マットレスの上に敷いた。着衣は、各被験者のサイズに合わせて、それぞれ袖は肘までの長さとし、裾は膝までの長さとした。着衣はシャツのみとし、各被験者の寝返り運動に支障がないゆったりとしたサイズのシャツを使用した。
実施例1~5および比較例1~3について、着衣と下敷きシートの生地の組み合わせによる最大静止摩擦係数を測定した。最大静止摩擦係数の測定は、JIS K 7125のプラスチック-フィルムおよびシート摩擦係数試験方法に準じて行った。
また、着衣と下敷きシートの生地の組み合わせにおける、寝返りの回転所要時間および寝返りのしやすさを19人の被験者により評価した。回転所要時間は、寝返りを想定して、側臥位の寝姿から反対側の側臥位の寝姿へ移る動作を被験者に行ってもらい、被験者全員の寝返り時間の平均値を算出した。寝返りのしやすさは、被験者の感覚として、生地の触感や風合いは考慮せずに寝返り動作が一番し易いと感じた組み合わせを選択してもらい集計した。結果を表1に示す。
Figure 0007096582000001
表1より、最大静止摩擦係数が0.15~0.35の実施例1~5では、回転所要時間が3秒以内とスムーズな寝返りが可能であった。なお、実施例4、5は、途中で止まらずスムーズに短時間で寝返りができる被験者と、途中で回転が止まり足を広げたり重心を移す大きな労力、時間が必要になる被験者が存在し、2極化した。被験者の感覚より、最大静止摩擦係数が0.20~0.30(実施例2、3)の場合に、より優れた結果が得られた。
一方、比較例1、2は、寝返りの途中に回転が止まる回数が平均5回以上となり、回転を再開するために足を広げたり重心を移す小刻みな運動が必要になり、回転時間が長くなった。また、最大静止摩擦係数が0.15未満の比較例3では、全ての被験者で回転開始時において、1回の運動で回り切るための下敷きマットからの反力が得られず、寝返り途中に回転する上の肩が頂点に達する前に1回、回転が止まり、回転を再開し頂点を越えるために足を広げたり重心を移す大きな労力が必要になった。
試験例2
試験例2では、平織生地である生地Cと編物生地である生地aとの組合せを変え、最大静止摩擦係数を測定した。生地Cと生地aは上記のとおりである。結果を表2に示す。
Figure 0007096582000002
表2において、織物と編物の組み合わせである実施例3の値は、表1のものと同じである。実施例3では、織目が密で平坦な表面の平織物と、編物の立体的な編み目が噛み合うことがないため、編物の立体構造の接触面積が小さくなり、最大静止摩擦係数が小さくなっている。その結果、実施例6の織物同士の組み合わせと同等以上の摩擦低減効果が得られることが分かった。なお、摩擦抵抗を十分に低下させ得ると同時に、通気性、触感、伸縮性に優れる編物素材を下敷きシートの素材とし、軽さ、薄さに優れる織物素材を着衣にする実用性の高い組み合わせが可能なことが示された。これに対して、編物同士の組み合わせ(比較例4)の場合、立体的な編み目が噛み合い、摩擦抵抗が大きくなってしまうことが分かった。
以上のように本発明の寝具は、従来技術では達成しえなかった寝返りの摩擦抵抗を寝返りに最適な範囲に限定することを可能にし、寝返りを最小限の動作で円滑に行わせることができる。
本発明の寝具は、寝返りを最小限の動作で安定して円滑に行わせることができるので、寝返り不足による体への負担や睡眠の質の低下を防ぐことができ、特に、自力での寝返りが困難な高齢者や患者などの寝返りを円滑にするための寝具に適している。
1 寝具
2 下敷きシート
3 着衣

Claims (4)

  1. 就寝時に使用する寝具であり、該寝具は、寝間着の外側に着用する着衣と、使用者の下に敷く下敷きシートとで構成され、前記着衣の外側表面と前記下敷きシートの使用者側の表面との最大静止摩擦係数が0.15~0.35であり、
    前記下敷きシートの使用者側の表面の生地が合成繊維の編物であり、前記着衣の外側表面の生地が合成繊維の織物であることを特徴とする寝具。
  2. 前記合成繊維の編物および前記合成繊維の織物の少なくとも一方は、表面が潤滑剤でコーティングされた生地であることを特徴とする請求項記載の寝具。
  3. 前記合成繊維の編物が、ポリエステル繊維を主成分とする繊維の経編物であり、前記合成繊維の織物が、ナイロン繊維またはポリエステル繊維を主成分とする繊維の平織物であることを特徴とする請求項または請求項記載の寝具。
  4. 前記寝具は、前記着衣として第1着衣と第2着衣を有し、該第1着衣と前記下敷きシートとの最大静止摩擦係数と、該第2着衣と前記下敷きシートとの最大静止摩擦係数とが互いに異なる値であることを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか1項記載の寝具。
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