JP3607891B2 - クッションカバーおよびクッション構造体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はクッションカバーおよびクッション構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、寝具用具であるベットやフトンの使用においては、ベットのマットやフトンにシーツを敷いて使用している。
しかし、シーツを敷いたマットやフトンの上に人が寝転んだり寝返りをするとシーツがマットやフトンの表面を滑って、シーツに寝じわが生じると共に、寝転んだり寝返りをする毎にマットやフトンに染み込んだ汗等による悪臭が放出され、不快感を感じる。
【0003】
また、椅子やソファーに人が腰かけた場合も、マットやフトンの場合と同様にクッション材に染み込んだ汗等による悪臭が放出されると共に、浅く腰をかけて背伸びをした場合は椅子やソファーより滑り落ちることもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はクッション部材より放出される悪臭を消臭し、滑りを無くすようにしたクッションカバーおよびクッション構造体を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明においては、所定距離離れた複数の平行線の上手方向および下手方向に複数の中心をもって前記所定距離の1/2以上の半径をもって円弧状の凸部を形成し、かつ前記上手方向に中心をもって形成された円弧状の凸部と該上手方向の中心に対応する下手方向に中心をもって形成された円弧状の凸部が前記平行線間の中央で交叉するとともに前記上手方向に中心をもって形成された円弧状の凸部と前記下手方向に中心をもって形成された円弧状の凸部が前記平行線上で交互に形成された表地と、前記表地と裏地との間に臭いを消す消臭材層を設ける。
【0006】
請求項2の発明においては、前記裏地に、前記表地と同様な円弧状の凸部または縦方向および横方向に所定間隔離れて複数の平行な凸部を形成する。
請求項3の発明においては、前記表地および前記裏地の前記凸部を除いた部分に空気穴を形成する。
【0007】
請求項4の発明においては、前記表地を織物シートで形成する。
請求項5の発明においては、前記表地を合成皮革シートで形成する。
請求項6の発明においては、請求項1乃至5のいずれかに記載のクッションカバーによってクッション部材を包ませる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1〜図3を参照して説明する。図1は第1の実施例の正面図、図2は側面図、図3はX−X′線断面図である。
図1はクッション部材をクッションカバーで包んだクッション構造体1の正面図で、2は表地、3および4は表地2に形成された円弧状の凸部である。
【0009】
なお図示していないがクッション構造体1の裏面も図1で示すように表地上に円弧状の凸部が形成され、また図1のAおよびBで示すクッション構造体1の側面も正面図と連続して図2で示すように表地2上に円弧状の凸部3,4が形成されている。
【0010】
表地2は糸を織った布でできており、凸部3および4は横糸を凸部の位置でたるませた織成によって形成してもよく、また太さの異なる2本の横糸を使用し、凸部の位置を太糸で織る編成によって形成してもよい。
【0011】
凸部3および凸部4は図4で示されるように形成される。図1に示すクッション構造体1の長手方向と直交する方向に所定距離D離れて複数の仮想の平行線Lを設け、凸部3は、この平行線Lの下手方向に複数の中心R3nをもって半径がD/2以上として円弧状に形成されている。
【0012】
また、凸部4は平行線Lの上手方向に複数の中心R4nをもって、凸部3と同じ半径で円弧状に形成されている。
また円弧状の凸部3および4は、隣り合う平行線の中央位置にある仮想の中央線Cm−1 およびC上で交叉し、隣り合う平行線Lm−1 およびLm+1 上に中心を持って形成された円弧上の凸部3および4の中央線Cm−1 およびC上での交叉点と一致するように形成されている。
【0013】
また円弧状の凸部3および4は平行線L上で所定間隔dおよびdをもって交互に形成されている。
【0014】
図3は図1のX−X′線の断面図を示す。
図3において、2は前述した表地であり、3および4は前述した円弧状の凸部である。
5はベットの場合はマット、フトンの場合は綿等のクッション部材である。
【0015】
また、9はクッションカバーであり、クッション部材5を包んでいる。
クッションカバー9は、表地2と裏地6との間に、臭いを消すために竹炭等の木炭類または活性炭等の消臭材7の層が設けられている。
【0016】
8Aおよび8Bは消臭材7の割れた粉末が表地2および裏地6を介して外に飛び散らないようにするための消臭材カバーである。
【0017】
このようにクッションカバー9に消臭材7の層を設けることにより、ベットやフトンに寝転んだり寝返りをしたときにクッション部材5より放出される悪臭を消臭材7が消臭し、不快感を感じることがなくなる。
【0018】
またクッションカバー9の表地2上には円弧状の凸部3および4がクッション構造体1の長手方向と直交する方向に中心を持って形成されているので、クッション構造体1の上に敷かれたシーツは凸部3および4による滑り止めによって寝転んだり寝返りをしてもシーツの寝じわを無くすことができる。
【0019】
また凸部が円弧状に形成されているので、直線状に形成された場合に対して、シーツを介した凸部の肌触りの不快感を無くし、安らぎを与えることができる。
なお実施例ではクッション部材がベットのマットやフトンとしたが、これらに限定するものではなく、これ以外のクッション部材であってもよい。
【0020】
つぎに、図5を参照して、本発明の第2の実施例を説明する。
椅子やソファー等の表地としては織布等の上に液体に可溶な物質を混在させたウレタン系、ポリアミド系、ポリアミノ酸系等のポリマを塗布し、塗布後可溶性物質を抽出して多孔質の被膜を得た合成皮革が使用されている。
【0021】
第2の実施例はこのような合成皮革が第1の実施例で説明した表地2に使用されている場合に対応するものである。
なお表地2は合成皮革の他に織物に繊維素誘電体や軟質PVCなどを塗布あるいは積層した人造皮革であってもよい。
【0022】
このような合成皮革または人造皮革を表地2に採用した場合は通気性が悪いため、人が椅子やソファーに腰を下ろしたとき、クッション部材5に含まれている空気の逃げ道が無くなり、腰が落ち付くまでに長時間を要する。
【0023】
したがって、図5(A)の表地2の正面図および(B)の表地の断面図に示されるように、凸部3および4を除いた部分に空気穴10および11を設ける。
また、図3で説明した裏地6も合成皮革または人造皮革である場合は、図5(C)に示されるように、クッション部材5との間に空気の放出を容易にするための凸部12を設けると共に凸部12を除く部分に空気穴13を設ける。
【0024】
なお、第1の実施例で説明した表地2が気密性の高い布である場合は、空気穴10,11を設けるようにしてもよい。
なお、椅子やソファーに適用する場合は、第1の実施例で説明したと同様に、クッション部材5の上下および側面の全てをクッションカバー9で包むようにして良いが、目に見えない下面は他の布等で代えてもよい。
【0025】
また、椅子やソファーに適用する場合は、図4で説明した平行線Lを腰を下ろす方向と一致するようにする。このように一致するようにすることによって、浅く腰をかけて背伸びをしても、表地2に形成された凸部が作用して椅子やソファーより滑り落ちることがなくなる。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、クッションカバーの表面に円弧状の凸部を形成した表地と裏地との間に消臭材層を設けるようにしたので、クッション部材より放出される悪臭を消臭し、また滑りを無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の正面図である。
【図2】第1の実施例の側面図である。
【図3】第1の実施例のX−X′線断面図である。
【図4】円弧状の凸部の説明図である。
【図5】本発明の第2の実施例の説明図である。
【符号の説明】
1 クッション構造体
2 表地
3,4,12 凸部
5 クッション部材
6 裏地
7 消臭材
8A,8B 消臭材カバー
9 クッションカバー
10,11,13 空気穴

Claims (6)

  1. 所定距離離れた複数の平行線の上手方向および下手方向に複数の中心をもって前記所定距離の1/2以上の半径をもって円弧状の凸部を形成し、かつ前記上手方向に中心をもって形成された円弧状の凸部と該上手方向の中心に対応する下手方向に中心をもって形成された円弧状の凸部が前記平行線間の中央で交叉するとともに前記上手方向に中心をもって形成された円弧状の凸部と前記下手方向に中心をもって形成された円弧状の凸部が前記平行線上で交互に形成された表地と、前記表地と裏地との間に臭いを消す消臭材層を設けたことを特徴とするクッションカバー。
  2. 前記裏地に、前記表地と同様な円弧状の凸部または縦方向および横方向に所定間隔離れて複数の平行な凸部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のクッションカバー。
  3. 前記表地および前記裏地の前記凸部を除いた部分に空気穴が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のクッションカバー。
  4. 前記表地が織物シートで形成されていることを特徴とする請求項1,2または3記載のクッションカバー。
  5. 前記表地が合成皮革シートで形成されていることを特徴とする請求項1,2または3記載のクッションカバー。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載のクッションカバーによってクッション部材が包まれていることを特徴とするクッション構造体。
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