JP2006228961A - 半導体装置 - Google Patents

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隆英 杉山
Koji Hotta
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Abstract

【課題】 IGBTのオン電圧を低減すること。
【解決手段】 少なくとも一つの断面において、コレクタ電極21と、p型コレクタ領域22と、p型の介在領域23と、n型のバッファ領域24と、n型のドリフト領域25と、p型のボディ領域26の積層構造を備えている。さらに、ボディ領域26によってドリフト領域25から隔てられているn型のエミッタ領域34と、エミッタ領域34に接続しているエミッタ電極52と、エミッタ領域34とドリフト領域25を隔てているボディ領域26にゲート絶縁膜42を介して対向しているゲート電極44を備えており、コレクタ領域22、介在領域23、バッファ領域24、ドリフト領域25の各々の不純物濃度が、前記の順で低下していることを特徴とするIGBT。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体装置のオン電圧を低減する技術に関する。
半導体装置は一般的に、p型不純物を含む半導体領域とn型不純物を含む半導体領域を備えている。したがって半導体装置には、両者が接する面(pn接合面)が形成されている。例えば、半導体材料にシリコンを用いた半導体装置では、p型不純物としてボロンを導入したp型半導体領域と、n型不純物としてリンを導入したn型半導体領域を備えていることが多い。ボロン原子とリン原子は大きさが異なることから、ボロンを導入したp型半導体領域とリンを導入したn型半導体領域の間に形成されるpn接合面の周囲には格子歪が発生している。p型不純物にボロンを選択した場合に、pn接合面で格子歪が大きくなり易いことが知られており、ボロンを高濃度に導入するほど格子歪が大きくなり易いことも知られている。
熱処理等をして導入した不純物を活性化すると、格子歪が緩和される一方において結晶欠陥が発生する。発生した結晶欠陥が半導体装置の特性に悪影響を及ぼすことがある。不純物を導入したときのpn接合面の格子歪が大きいほど、熱処理後のpn接合面の近傍に多量の結晶欠陥が発生してしまう。
nチャンネルのパンチスルー型のIGBTは、p型のコレクタ領域とn型のバッファ領域とn型のドリフト領域とp型のボディ領域の積層構造を備えており、p型のコレクタ領域とn型のバッファ領域の間にpn接合面が形成されている。コレクタ領域にはボロンが高濃度に導入されていることが多い。
前記バッファ領域は、IGBTがオフしたときに、p型のボディ領域とn型のドリフト領域のpn接合面から伸びる空乏層がコレクタ領域まで達するのを防止する。空乏層がコレクタ領域まで達するのを防止することができるので、ドリフト領域を薄膜化することができる。ドリフト領域が薄膜化されると、ドリフト領域における抵抗を小さくすることができる。このようなバッファ領域を備えたIGBTをパンチスルー型という。
前記したように、nチャンネルのパンチスルー型のIGBTは、ボロンが高濃度に導入されたp型のコレクタ領域と、そのコレクタ領域に接するn型のバッファ領域を備えている。したがって、p型のコレクタ領域とn型のバッファ領域の間のpn接合面の近傍には、結晶欠陥が多量に存在している。結晶欠陥が多量に存在していると、コレクタ領域からバッファ領域を介してドリフト領域に注入される正孔の注入効率が低下する。正孔の注入効率が低下すると、IGBTがオンした場合に、ドリフト領域でのキャリア濃度が低くなり、オン電圧が高くなってしまう。なお、p型不純物がボロン以外の場合も、同様の問題が生じ得る。
パンチスルー型のIGBTの一例が特許文献1に記載されている。特許文献1のIGBTは、コレクタ領域とバッファ領域の間に、両者の不純物濃度よりも不純物濃度が低い半導体層(p型、n型のいずれでもよい)を介在させる技術を提案している。
特開2002−305305号公報
特許文献1の半導体装置は、IGBTのスイッチング特性の改善を図るために提案された技術である。低濃度半導体層の不純物濃度をコレクタ領域とバッファ領域の不純物濃度よりも低く調整することにより、低濃度半導体層に多量のキャリアが蓄積され、IGBTがターンオフしたときに、そのキャリアがコレクタ電極に向けて緩やかに排出されるようにしている。サージ電圧等の発生を抑制することを意図している。
特許文献1には記載されていないが、コレクタ領域とバッファ領域の間に低濃度半導体層を形成することによって、コレクタ領域とバッファ領域の間のpn接合面近傍の結晶欠陥の発生を回避できるものと思われる。即ち、不純物が低濃度に導入された低濃度半導体層を形成することによって、低濃度半導体層とバッファ層の接合面における格子歪が減少し、結晶欠陥の発生が抑制されるものと思われる。
しかしながら、特許文献1のように、低濃度半導体層の不純物濃度をコレクタ領域とバッファ領域の不純物濃度よりも低濃度にすると、不純物量が過少となりすぎるので、低濃度半導体層の抵抗が大きくなるという問題が生じる。このため、半導体装置のオン電圧が高くなってしまうという問題がある。
特許文献1の技術は、スイッチング特性の改善を図ることを意図したものであり、オン電圧の増大に対しては何ら対策も講じていない。
本発明は、p型不純物を含む半導体領域とn型不純物を含む半導体領域が接している面(pn接合面)を備えている半導体装置において、そのpn接合面近傍の結晶欠陥を少なくすることによって、オン電圧を低減することを目的としている。
本発明の半導体装置は、少なくとも一つの断面において、コレクタ電極と、第1導電型不純物を含むコレクタ領域と、第1導電型不純物を含む介在領域と、第2導電型不純物を含むバッファ領域と、第2導電型不純物を含むドリフト領域と、第1導電型不純物を含むボディ領域が、その順序で積層された積層構造を備えている。本発明の半導体装置は、さらに、ボディ領域によってドリフト領域から隔てられている第2導電型不純物を含むエミッタ領域と、エミッタ領域に接続しているエミッタ電極と、エミッタ領域とドリフト領域を隔てているボディ領域に絶縁膜を介して対向しているゲート電極を備えている。
本発明の半導体装置は、コレクタ領域、介在領域、バッファ領域、ドリフト領域の各々の不純物濃度が、その順序で低下していることを特徴としている。
ここでいう不純物濃度とは、導電型の種類と関係がなく、異なる導電型であってもその不純物濃度を比較すればよい。
ここでいう「介在領域」とは、コレクタ領域から結晶成長して形成された領域の他に、コレクタ領域に不純物を導入することによって形成された領域も含む。介在領域は、コレクタ領域上の少なくとも一部に形成されていればよい。
またコレクタ領域は、コレクタ電極と介在領域の間を完全に隔てるように形成されている場合に限らず、分散配置された状態で形成される場合がある。一般的にコレクタショートと呼ばれるタイプであり、スイッチング速度を向上させることができる。
上記の半導体装置は、従来構造のコレクタ領域とバッファ領域の間に、コレクタ領域の不純物濃度よりも不純物濃度が低く、バッファ領域の不純物濃度よりも不純物濃度が高い介在領域を備えていると評価することもできる。なお、[背景技術]で挙げた特許文献1の「低濃度半導体層」の不純物濃度は、コレクタ領域とバッファ領域の両者の不純物濃度よりも低いことを特徴としている。本発明の「介在領域」の不純物濃度は、コレクタ領域の不純物濃度よりも不純物濃度が低く形成されている点では特許文献1に共通しているが、バッファ領域の不純物濃度よりも高く調整されている点において特許文献1から明白に異なるものである。
p型不純物の含有量が少ない介在領域を形成することによって、従来構造のコレクタ領域とバッファ領域の間のpn接合面の近傍に発生していた結晶欠陥を低減することができる。即ち、介在領域を形成することによって、介在領域とバッファ領域の間の接合面の格子歪が減少し、結晶欠陥の発生が抑制される。コレクタ領域からドリフト領域にかけて結晶欠陥の少ない半導体装置が得られる。この結果、コレクタ領域から介在領域とバッファ領域を介してドリフト領域に向けて十分な量のキャリアが供給される。半導体装置がオンの場合に、ドリフト領域のキャリア濃度が高くなるので、半導体装置のオン電圧は低減されるのである。さらに、介在領域の不純物濃度は極端に低く調整されないので、それ自身の抵抗も大きくならない。介在領域の抵抗をほとんど増大させずに、キャリアの注入効率を向上させることによって、半導体装置のオン電圧が低減されるのである。
コレクタ領域の不純物濃度が5×1018cm−3以上であることが好ましい。
従来構造では、コレクタ領域の不純物濃度を高くするほど、コレクタ領域とバッファ領域の間のpn接合面において結晶欠陥が多量に発生していた。結晶欠陥の発生を避けるために、コレクタ領域の不純物濃度を低くしたとすると、コレクタ領域における抵抗が大きくなり、半導体装置のオン電圧は高くなってしまう。本発明は、介在領域を設けることによって、コレクタ領域の不純物濃度が高い場合でも、結晶欠陥が多量に発生することを抑制する。コレクタ領域の不純物濃度が5×1018cm−3以上であると、ほぼ導体と見なすことができ、コレクタ領域における抵抗は極めて小さい。コレクタ領域の不純物濃度を高くすることによって、コレクタ領域自体の抵抗を低減するとともに、さらに、コレクタ領域からドリフト領域にかけて結晶欠陥の少ない状態を得ている。したがって、コレクタ領域から介在領域とバッファ領域を介してドリフト領域に向けて十分な量のキャリアが供給され、極めてオン電圧の低い半導体装置を得ることができる。
コレクタ領域と介在領域に含まれている第1導電型不純物がボロンである場合に、介在領域を設けることが特に有効である。[背景技術]で説明したように、p型不純物としてボロンを選択すると、格子歪が大きくなり易く、多量の結晶欠陥が発生してしまう。本発明は、このような場合によく対処することができる。p型不純物としてボロンを用いたとしても、結晶欠陥の発生を抑制し、オン電圧の低い半導体装置を得ることができる。
コレクタ領域とバッファ領域の間に存在する介在領域の厚みが、50μm以下であることが好ましい。
介在領域の厚みは、その厚み方向の抵抗が実質的に増大しない程度に薄いのが好ましい。介在領域の厚みが厚すぎると、それ自身の抵抗が高くなりオン電圧が増大してしまう。したがって、介在領域は、抵抗が高くならない程度に薄く調整されているのが好ましい。介在領域の抵抗が実質的に増大しないようにするには、介在領域の厚みを50μm以下にするのが好ましい。この厚み以下に調整すると、介在領域の電圧降下を約0.05V以下にすることができる。介在領域の電圧降下が約0.05V以下であれば、オン電圧の増大に影響していないと評価することができる。これにより、介在領域自身の抵抗は高くなることなく、コレクタ領域から供給される正孔の注入効率を向上することによって、半導体装置のオン電圧を低減することができる。
介在領域とバッファ領域は、コレクタ領域からエピタキシャル成長した層によって形成されていることが好ましい。
エピタキシャル成長を利用して半導体領域を形成すると、母材となる半導体領域とエピタキシャル成長する半導体領域の不純物の種類及び濃度の違いによって、格子歪が発生し易い。第1導電型不純物を含むコレクタ領域から第2導電型不純物を含むバッファ領域をエピタキシャル成長すると、そのpn接合面に格子歪が発生し、pn接合面の近傍に結晶欠陥が多量に発生してしまう。本発明は、コレクタ領域から介在領域をエピタキシャル成長した後に、その介在領域からバッファ領域をエピタキシャル成長することによって結晶欠陥の発生を抑制することができる。
本発明によると、介在領域を設けることによって、介在領域とバッファ領域の接合面において、結晶欠陥が少ない状態を得ることができる。したがって、コレクタ領域からドリフト領域にかけて結晶欠陥の少ない状態を得ることができる。コレクタ領域から介在領域とバッファ領域を介してドリフト領域に向けて十分な量のキャリアを供給することができる。オン電圧が低減された半導体装置を得ることができる。
実施例の主要な特徴を列記する。
(第1形態) コレクタ領域と介在領域とバッファ領域とドリフト領域は、この順に積層した積層構造で形成されている。
(第2形態) バッファ領域は不純物としてリンを含有しており、その不純物濃度は1×1017cm−3〜1×1018cm−3の範囲であることが好ましい。この濃度範囲よりも低いとスイッチング速度が遅くなってしまう。また、この濃度範囲よりも高いと正孔の注入効率が低下しオン電圧が高くなってしまう。
図1に、半導体装置10の要部断面図を概略して示す。半導体装置10の基本的な構成はパンチスルー型のIGBTである。半導体装置10はパンチスルー型のIGBTの構成に加えて、コレクタ領域22とバッファ領域24の間に介在領域23を備えている。半導体装置10は、半導体材料としてシリコンを用いているが、他の半導体材料、あるいは異種の半導体材料を組み合わせて用いてもよい。
半導体装置10は、アルミニウムからなるコレクタ電極21を備えている。そのコレクタ電極21上にボロンを高濃度に含むp型のコレクタ領域22が形成されている。コレクタ領域22の不純物濃度は極めて高く、ほぼ導体と評価することができる。コレクタ電極21とコレクタ領域22は電気的に接続している。コレクタ領域22上にボロンを含むp型の介在領域23が形成されている。介在領域23上にリンを高濃度に含むn型のバッファ領域24が形成されている。バッファ領域24は、介在領域23によってコレクタ領域22から隔てられている。バッファ領域24上にリンを含むn型のドリフト領域25が形成されている。ドリフト領域25はバッファ領域24によって介在領域23から隔てられている。ドリフト領域25上にボロンを含むp型のボディ領域26が形成されている。ボディ領域26は、ドリフト領域25によってバッファ領域24から隔てられている。ボディ領域26の表面部に、リンを高濃度に含むn型のエミッタ領域34と、ボロンを高濃度に含むp型のボディコンタクト領域32が選択的に形成されている。エミッタ領域34とボディコンタクト領域32は、ボディ領域26によってドリフト領域25から隔てられている。エミッタ領域34とボディコンタクト領域32は、エミッタ電極52に接続している。エミッタ電極52はアルミニウムによって形成されている。エミッタ領域34とドリフト領域25を隔てているボディ領域26に、ゲート絶縁膜42を介してトレンチゲート電極44が対向している。ゲート絶縁膜42は酸化シリコンによって形成されており、トレンチゲート電極44はポリシリコンによって形成されている。トレンチゲート電極44とエミッタ電極52は、層間絶縁膜46によって絶縁されている。
ここで、半導体装置10の製造方法を簡単に説明する。まず、コレクタ領域22となる半導体基板を用意し、その半導体基板上から介在領域23、バッファ領域24、ドリフト領域25を順にエピタキシャル成長して形成する。次に、ボディ領域26をイオン注入技術及び熱拡散を利用して形成する。次に、イオン注入技術を利用してボディ領域26の表面部にエミッタ領域34とボディコンタクト領域32を選択的に形成する。次に、所定の位置関係にトレンチを形成した後に、そのトレンチの側壁を熱酸化し、次いでトレンチ内にポリシリコンを充填することによってトレンチゲート電極44を形成する。ボディ領域26の表面にアルミニウムを形成することによってエミッタ電極52を形成し、半導体基板(コレクタ領域22)の裏面にアルミニウムを蒸着することによってコレクタ電極21を形成する。これらの手順を経て、半導体装置10を得ることができる。
図2(a)に半導体装置10の各領域の不純物濃度の分布を示す。図2(b)に半導体装置10の各領域の格子歪量の分布を示す。ここでいう格子歪量とは、例えばX線回折によって測定される値である。図2の縦軸は半導体装置10の深さに対応しており、縦軸に付されている番号は各領域の図番号と一致する。
図2(a)中の実線で示される図中11はエピタキシャル成長直後のボロンの不純物濃度を示し、破線で示される図中12は熱処理後のボロンの不純物濃度を示す。図2(a)中の実線で示される図中13はエピタキシャル成長直後のリンの不純物濃度を示し、破線で示される図中14は熱処理後のリンの不純物濃度を示す。
図2(b)中の実線で示される図中15はエピタキシャル成長直後の格子歪量を示し、破線で示される図中16は熱処理後の格子歪量を示す。
図2(a)に示すように、エピタキシャル成長直後の不純物濃度(実線で示される)で評価すると、介在領域23の不純物濃度は、コレクタ領域22の不純物濃度よりも低く形成されている。バッファ領域24の不純物濃度は、介在領域23よりも低く形成されているとともに、ドリフト領域25よりも高く形成されている。介在領域23の不純物濃度が、コレクタ領域22よりも低く、バッファ領域24よりも高いということもできる。また、熱処置後の不純物濃度(破線で示される)で評価してもやはり、上記の関係は維持されている。なお、介在領域23とバッファ領域24の接合界面近傍では、熱処理後の不純物の再分布によって、バッファ領域24の不純物濃度が介在領域23の不純物濃度よりも高いという関係の部分も存在している。しかし、介在領域23のほとんどの部分では、熱処理後であってもバッファ領域24の不純物濃度よりも不純物濃度が高い状態が維持されていることから、介在領域23の不純物濃度はバッファ領域24よりも高いと評価することができる。
ここで比較のために、図3に、介在領域23が形成されていない半導体装置の不純物濃度の分布と格子歪量の分布を示す。
図3(a)中の実線で示される図中111はエピタキシャル成長直後のボロンの不純物濃度を示し、破線で示される図中112は熱処理後のボロンの不純物濃度を示す。図3(a)中の実線で示される図中113はエピタキシャル成長直後のリンの不純物濃度を示し、破線で示される図中114は熱処理後のリンの不純物濃度を示す。
図3(b)中の実線で示される図中115はエピタキシャル成長直後の格子歪量を示し、破線で示される図中116は熱処理後の格子歪量を示す。
まず、図3の比較例を説明する。比較例の半導体装置は、ボロンが高濃度に導入されたp型のコレクタ領域22と、そのコレクタ領域22に接するn型のバッファ領域24を備えている。ボロン原子とリン原子は大きさが異なることから、エピタキシャル成長直後の段階において、ボロンが導入されたコレクタ領域22とリンが導入されたバッファ領域24のpn接合面では、そのpn接合面で最大となる格子歪が周囲に発生している(図3(b)の図中115)。一般的に、ボロンが高濃度に導入されるほど、格子歪が大きくなり易い。パンチスルー型のIGBTのコレクタ領域22は、機械的強度を保つためだけに必要とされている領域であり、不純物濃度に関してはほぼ導体と見なせるほど高く調整されている。例えば、コレクタ領域22の不純物濃度は5×1018cm−3以上に調整されている。このようなコレクタ領域22を備えている場合、コレクタ領域22とバッファ領域24のpn接合面には、大きな格子歪が発生してしまう。
導入されたボロン(図3(a)の図中111)とリン(図3(a)の図中113)を熱処理等によって活性化すると、不純物の再分布が起きる(図3(a)の図中112、114)。このとき、図3(b)に示すように、pn接合面の格子歪も緩和される。この格子歪が緩和されるときに、格子歪の緩和量(△σ100)が大きいと、pn接合面近傍に結晶欠陥が発生する。比較例では、pn接合面の格子歪(図3(b)の図中115)が大きいために、この緩和量(△σ100)が大きくなってしまう。このため、pn接合面近傍には多量の結晶欠陥が発生している。結晶欠陥が多量に存在していると、コレクタ領域22からバッファ領域24を介してドリフト領域25に注入される正孔の注入効率が低下する。正孔の注入効率が小さいと、半導体装置がオンの場合に、ドリフト領域25のキャリア濃度が低くなり、オン電圧が高くなってしまう。
一方、本実施例の半導体装置10では、図2(b)に示すように、格子歪の緩和量(△σ10)が比較例の緩和量(△σ100)と比較して減少している。半導体装置10では、コレクタ領域22とバッファ領域24の間に、ボロンの含有量が少ない介在領域23を形成することによって、格子歪の緩和量を減少させることに成功しているのである。即ち、コレクタ領域22の不純物濃度よりも不純物濃度が低く調整された介在領域23を形成することによって、介在領域23とバッファ領域24の接合面の格子歪が減少し、結晶欠陥の発生が抑制される。コレクタ領域22からドリフト領域25にかけて結晶欠陥の少ない状態を得ることができる。この結果、コレクタ領域22から介在領域23及びバッファ領域24を介してドリフト領域25に向けて十分な量の正孔が供給される。半導体装置10がオンの場合に、ドリフト領域25の正孔濃度が高くなり、半導体装置10のオン電圧は低減されるのである。また、介在領域23の不純物濃度は、バッファ領域24の不純物濃度よりも高く調整されている、即ち、介在領域23の不純物濃度が極端に低く調整されていないので、介在領域23自身の抵抗はそれほど高くならない。介在領域23の抵抗をほとんど増大させずに、正孔の注入効率を向上させることによって、半導体装置10のオン電圧が低減されるのである。
半導体装置10は他に次の特徴を有している。
介在領域23の厚みL23は、その厚み方向の抵抗が実質的に増大しない程度に薄いということもできる。介在領域23の厚みL23が厚すぎると、それ自身の抵抗が高くなりオン電圧が増大してしまう。本実施例の介在領域23の厚みL23は、抵抗が高くならない程度に薄く調整されている。例えば、介在領域23の不純物濃度を3×1017cm−3とした場合、介在領域23の厚みL23を約50μm以下に調整すると、介在領域23の電圧降下は約0.05V以下になる。介在領域23の電圧降下が約0.05V以下であれば、オン電圧の増大に及ぼす影響をほとんど無視することができる。これにより、介在領域23自身の抵抗は高くなることなく、コレクタ領域22から供給される正孔の注入効率を向上させることによって、半導体装置10のオン電圧を低減することができる。
図4に、変形例の半導体装置100の要部断面図を概略して示す。半導体装置100は、実施例の半導体装置10のトレンチゲート電極44をプレーナゲート電極144に変更した例である。先に説明したように、本実施例の技術は、コレクタ領域122とバッファ領域124の間に介在領域123を形成することによって、結晶欠陥の発生を抑制し、オン電圧を低減するものである。したがって、表面側の構造等によって、本技術の作用効果は特に左右されない。トレンチゲート電極44をプレーナゲート電極144に変更したとしても、先に説明したのと同様の作用効果を得ることができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
実施例の半導体装置の要部断面図を示す。 実施例の半導体装置の不純物濃度の分布と格子歪量の分布を示す。 比較例の半導体装置の不純物濃度の分布と格子歪量の分布を示す。 変形例の半導体装置の要部断面図を示す。
符号の説明
21:コレクタ電極
22:コレクタ領域
23:介在領域
24:バッファ領域
25:ドリフト領域
26:ボディ領域
32:ボディコンタクト領域
34:エミッタ領域
42:ゲート絶縁膜
44:トレンチゲート電極
46:層間絶縁膜
52:エミッタ電極

Claims (5)

  1. 少なくとも一つの断面において、コレクタ電極と、第1導電型不純物を含むコレクタ領域と、第1導電型不純物を含む介在領域と、第2導電型不純物を含むバッファ領域と、第2導電型不純物を含むドリフト領域と、第1導電型不純物を含むボディ領域の積層構造を備えており、
    ボディ領域によってドリフト領域から隔てられている第2導電型不純物を含むエミッタ領域と、エミッタ領域に接続しているエミッタ電極と、エミッタ領域とドリフト領域を隔てているボディ領域に絶縁膜を介して対向しているゲート電極を備えており、
    コレクタ領域、介在領域、バッファ領域、ドリフト領域の各々の不純物濃度が、前記の順序で低下していることを特徴とする半導体装置。
  2. コレクタ領域の不純物濃度が5×1018cm−3以上であることを特徴とする請求項1の半導体装置。
  3. コレクタ領域と介在領域に含まれている第1導電型不純物がボロンであることを特徴とする請求項1又は2の半導体装置。
  4. コレクタ領域とバッファ領域の間に存在する介在領域の厚みが、50μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの半導体装置。
  5. 介在領域とバッファ領域が、コレクタ領域からエピタキシャル成長した層によって形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの半導体装置。
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