JP2006226512A - 動力伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ポンプから吐出された流体により出力部材を駆動する構成を有し、出力部材の回転方向を切り換えることの可能な動力伝達装置を提供する。
【解決手段】 原動機により駆動される容積型ポンプ14と、容積型ポンプ14から吐出される流体により駆動される出力部材51,54とを有する動力伝達装置において、出力部材51,54の回転方向を正逆に切り換える回転方向切換装置14,47,48,49,50,60,61,64が設けられていることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 原動機により駆動される容積型ポンプ14と、容積型ポンプ14から吐出される流体により駆動される出力部材51,54とを有する動力伝達装置において、出力部材51,54の回転方向を正逆に切り換える回転方向切換装置14,47,48,49,50,60,61,64が設けられていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
この発明は、容積型ポンプから吐出される流体により、出力部材を回転させることの可能な動力伝達装置に関するものである。
従来、車両には原動機が搭載されており、その原動機の出力側には動力伝達装置が配置されている。この動力伝達装置はクラッチおよび変速機などにより構成されている。このような動力伝達装置としては、噛み合い式の動力伝達装置、摩擦式の動力伝達装置、流体式の動力伝達装置、電磁式の動力伝達装置などが知られており、流体式の動力伝達装置の一例が、特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載された高油圧ジェット変速機は、原動機により容積型の高圧油圧ポンプを駆動させ、油圧ポンプから吐出された油を切替弁を経由させて2つのノズルに選択的に供給するように構成されている。また、各ノズルに対応して、出力軸には2つの油圧ジェットペルトンが設けられており、2つの油圧ジェットペルトンは径が異なっている。
そして、切替弁を切替えて、油圧ポンプの油をいずれか一方のノズルに供給し、油ジェットを油圧ジェットペルトンに当てて油圧ペルトンを作動させる構成となっている。ここで、油ジェットを噴射する油圧ジェットペルトンを切り替えることにより、変速機能を作用せしめるものとされている。なお、原動機から変速機に至る経路に設けられる動力伝達装置の他の構成例が、特許文献2に記載されている。この特許文献2に記載された動力伝達装置においては、原動機の動力により駆動されるカム部材と、出力軸に連結されたシリンダ部材と、シリンダ部材に取り付けられ、カム部材のカム面に沿って転動可能なボールとが設けられている。そして、ボールとカム面との間の圧力に応じたトルク伝達がおこなわれるものとされている。
特開平8−109955号公報
特開平8−284977号公報
しかしながら、上記の特許文献1に記載されている変速機においては、出力軸の回転方向を切り換えることができなかった。
この発明は上記事情を背景としてなされたものであって、ポンプから吐出された流体により出力部材を駆動する構成において、出力部材の回転方向を切り換えることの可能な動力伝達装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため請求項1の発明は、原動機により駆動される容積型ポンプと、この容積型ポンプから吐出される流体により駆動される出力部材とを有する動力伝達装置において、前記出力部材の回転方向を正逆に切り換える回転方向切換装置が設けられていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記回転方向切換装置は、前記容積型ポンプにおける流体の吸入状態または吐出状態を制御するための経路として、前記出力部材を正回転させる場合に選択される流体の第1の流通経路と、前記出力部材を逆回転させる場合に選択される流体の第2の流通経路とを切り換える構成を有していることを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項1または2の構成に加えて、前記回転方向切換装置は、前記流体を噴出させて前記出力部材に供給することにより、この出力部材を駆動する構成を有していることを特徴とするものである。
請求項4の発明は、請求項3の構成に加えて、前記回転方向切換装置は、前記容積型ポンプにおける流体の吸入状態または吐出状態を制御するために、前記出力部材を正回転させるための流体の流通経路を選択した場合に、前記出力部材を逆回転させるために前記容積型ポンプから前記出力部材に供給される流体の流量を減少させることにより、前記出力部材を逆回転させる運動エネルギの増加を抑制する構成を有していることを特徴とするものである。
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの構成に加えて、前記容積型ポンプは、前記原動機から動力が伝達される入力部材と、前記出力部材に対して動力伝達が可能な状態と不可能な状態とを選択的に切り換え可能な接続部材とを有しており、この接続部材が前記出力部材に対して動力伝達が可能に連結された場合に、前記出力部材を正回転させることが可能となる構成を有しているとともに、前記接続部材と前記入力部材とが動力伝達可能に接続されていることを特徴とするものである。
請求項6の発明は、請求項5の構成に加えて、前記回転方向切換装置は、前記容積型ポンプから吐出される流体により前記出力部材を逆方向に回転させるための流通経路を選択した場合に、前記接続部材を、前記出力部材に対して動力伝達が不可能な状態とすることにより、前記入力部材から前記出力部材に対して、この出力部材を正方向に回転させる動力が伝達されることを遮断する構成を、更に有していることを特徴とするものである。
請求項7の構成は、請求項3または4の構成に加えて、前記回転方向切換装置は、前記容積型ポンプから吐出される流体により前記出力部材を逆方向に回転させるための流通経路を選択した場合に、前記容積型ポンプから吐出された流体が前記出力部材に向けて噴射されることを許容するとともに、前記接続部材を、前記出力部材に対して動力伝達が不可能な状態とすることにより、原動機により駆動される入力部材から前記出力部材に対して、この出力部材を正方向に回転させる動力が伝達されることを遮断する構成を、更に有していることを特徴とするものである。
請求項8の発明は、請求項1ないし7のいずれかの構成に加えて、前記出力部材に供給されて出力部材を駆動した後の流体を、前記容積型ポンプの吸入側に誘導する誘導路と、この誘導路の流体が前記容積型ポンプの吐出側に戻ることを抑制する逆流抑制機構とが、更に設けられていることを特徴とするものである。
請求項9の発明は、請求項8の構成に加えて、前記入力部材の回転軸線を中心とする半径方向で、前記容積型ポンプの吐出側は、前記入力部材よりも内側に配置されているとともに、前記誘導路が前記入力部材の側面により形成されており、前記逆流抑制機構は、前記入力部材の半径方向で外側に向かうほど、前記誘導路の流路面積が拡大されるように、前記入力部材の側面を傾斜した構成であることを特徴とするものである。
上記のように構成された請求項1の発明によれば、原動機により容積型ポンプが駆動されるとともに、容積型ポンプから吐出される流体により出力部材が駆動される。また、回転方向切換装置により、出力部材の回転方向を正逆に切り換えることが可能である。
また、請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、容積型ポンプにおける流体の吸入状態または吐出状態を制御することにより、流体の経路として、第1の流通経路と第2の流通経路とを選択的に切り替えることが可能である。ここで、第1の流通経路が選択された場合は、出力部材を正回転する動力が発生し、第2の流通経路が選択された場合は、出力部材を逆回転させる動力が発生する。つまり、容積型ポンプから吐出された流体により出力部材を駆動する場合に、出力部材の回転方向が異なるような動力伝達をおこなうことができる。
また、請求項3の発明によれば、請求項1または2の発明と同様の効果を得られる他に、流体が羽根に沿って流れる場合、または流体が羽根に衝突した場合の運動エネルギに応じた分力が出力部材に伝達されて、その出力部材が駆動される。
請求項4の発明によれば、請求項3の発明と同様の効果を得られる他に、出力部材を正回転させるための流体の流通経路を選択した場合は、出力部材を逆回転させるために容積型ポンプから出力部材に供給される流体の流量が減少されて、出力部材を逆回転させる運動エネルギの増加を抑制できる。したがって、出力部材が逆回転する向きの動力伝達を確実に遮断できる。
請求項5の発明によれば、請求項1ないし4のいずれかの発明と同様の効果を得られる他に、原動機の動力が入力部材に伝達されて、容積型ポンプが駆動される。また、接続部材を出力部材に対して選択的に連結することにより、入力部材の動力を出力部材に伝達して、出力部材を正方向に回転させることが可能である。
請求項6の発明によれば、請求項5の発明と同様の効果を得られる他に、容積型ポンプから吐出される流体により出力部材を逆方向に回転させるための流通経路を選択した場合は、出力部材を正方向に回転させる動力伝達を確実に遮断することができる。
請求項7の発明によれば、請求項3または4の発明と同様の効果を得られる他に、容積型ポンプから吐出される流体により出力部材を逆方向に回転させるための流通経路を選択した場合は、容積型ポンプから吐出された流体が出力部材に向けて噴射され、かつ、出力部材を正方向に回転させる動力伝達を確実に遮断することができる。
請求項8の発明によれば、請求項1ないし7のいずれかの発明と同様の効果を得られる他に、出力部材に供給されて出力部材を駆動した後の流体を、容積型ポンプの吸入側に誘導することが可能であり、容積型ポンプで吸入される流体の流量を確保しやすくなる。また、誘導路の流体が容積型ポンプの吐出側に戻ることを抑制できるため、容積型ポンプで吸入される流体の流量を、一層確保しやすくなる。
請求項9の発明によれば、請求項8の発明と同様の効果を得られる他に、入力部材の半径方向で外側に向かうほど、誘導路の面積が拡大されているため、誘導路のオイルは、流通抵抗が少ない(もしくは圧力が低い)外側に誘導されることとなり、流体が吸入側に逆流することを一層確実に抑制できる。
つぎに、この発明を具体例に基づいて説明する。図2には、この発明の動力伝達装置を有する車両Veのパワートレーンおよび制御系統の一例が、模式的に示されている。まず、車両Veのパワートレーンについて説明すれば、原動機としてのエンジン1が設けられており、エンジントルクがインプットシャフト2に伝達されるように構成されている。インプットシャフト2は、トランスアクスルケース3内に配置されている。トランスアクスルケース3は、フロントケース4およびセンターケース5およびリヤケース6を有しており、フロントケース4とリヤケース6との間にセンターケース5が配置されている。そして、フロントケース4とセンターケース5とがねじ部材(図示せず)により結合固定され、センターケース5とリヤケース6とがねじ部材(図示せず)により結合固定されている。インプットシャフト2は、フロントケース4およびセンターケース5およびリヤケース6内に亘って配置されており、インプットシャフト2の軸線は、車両Veの左右方向に配置されている。そして、インプットシャフト2とエンジン1のクランクシャフト7との間に形成された動力伝達経路にダンパ装置8が設けられている。
また、インプットシャフト2を回転可能に保持する軸受9,10が設けられている。また、フロントケース4の内面に連続する隔壁11が設けられており、軸受9が隔壁11により保持されている。さらに、リヤケース6の内面に連続するスリーブ12が設けられており、スリーブ12により軸受10が保持されている。さらに、センターケース5には隔壁13が設けられており、トランスアクスルケース3の内部であって、リヤケース6と隔壁13とにより取り囲まれた空間にオイルポンプ収納室A1が形成されている。このオイルポンプ収納室A1には、容積型のオイルポンプが設けられている。ケーシングと、このケーシングに内接する可動部材との間に密閉空間を形成し、その密閉空間の移動または容積の変化によって、流体を吸入側から吐出側に押し出す形式のポンプである。ここでは、容積型のオイルポンプとして、ラジアルピストンポンプ14を設けた場合について説明する。以下、ラジアルピストンポンプ14の実施例を順次説明する。
この実施例1は、請求項1ないし請求項7の発明に対応するものであり、実施例1におけるラジアルピストンポンプ14の構成例を、図1に基づいて説明する。このラジアルピストンポンプ14は、インナーレース15およびアウターレース16を有している。まず、インナーレース15はインプットシャフト2に取り付けられており、このインナーレース15は、インプットシャフト2の軸線B1を中心として環状に形成されている。また、インプットシャフト2は大径部17と小径部18とを有しており、インナーレース15は小径部17に取り付けられている。そして、インナーレース15の内周には内歯19が形成されている一方、インプットシャフト2の小径部18の外周には外歯20が形成されている。そして、内歯19と外歯20とが噛み合わされている。すなわち、インプットシャフト2とインナーレース15とがスプライン嵌合されており、インプットシャフト2とインナーレース15とが、軸線B1を中心として一体回転するように連結され、インプットシャフト2に対してインナーレース15が軸線方向に移動可能である。
そして、インナーレース15には、円周方向に複数のシリンダ21が形成されている。各シリンダ21は、インナーレース15の外周面に開口された略円筒形状の凹部であり、軸線B1を中心として複数のシリンダ21が放射状に配置されている。また、各シリンダ21内にはピストン22が各々配置されており、ピストン22はシリンダ21内で、インナーレース15の半径方向に往復移動自在に構成されている。また各ピストン22における外側の端面に凹部23が形成されており、凹部23により転動体24が転動可能に保持されている。この転動体24はボールまたはローラを用いることが可能である。一方、シリンダ21の奥端面25とピストン22との間には油室26が形成されている。この油室26には、弾性部材、具体的には金属製の圧縮コイルばね27が設けられており、ピストン22をシリンダ21の外に押し出す向きの力が、圧縮コイルばね27からピストン22に加えられる。
一方、リヤケース6には油路28が形成されており、油路28と油室26とを接続する経路に逆止弁29が設けられている。逆止弁29は、吸入ポート30と、吸入ポート30を開閉する弁体31とを有している。逆止弁29は、油路28のオイルが油室26に吸入されることを許容し、油室26のオイルが吸入ポート30から外部に逆流することを防止する構成を有している。さらに、インプットシャフト2の内部には軸線方向に油路32が形成されており、油路32がインプットシャフト2の端面に開口されている。そして、リヤケース6に油路33が形成されており、油路33と油路32とが接続されている。なお、リヤケース6内には、油路34が設けられており。吸入ポート30と油路28とが油路34により接続されている。そして、油路34に対して、油路32,33を液密に遮断する密封装置35が設けられている。ここで、油路34は、リヤケース6とインナーレース15とインナーレース2とアウターレースの内向きフランジ(後述する)とにより取り囲まれた空間である。
さらに、インプットシャフト2には小径部18の外周に開口された油路36が設けられており、油路36と油路32とが接続されている。また、インナーレース15には、その内周面に開口された油路37が形成されており、インナーレース15がインプットシャフト2に対して軸線方向に移動することにより、油路37と油路36との連通面積が増減するように構成されている。そして、油路37と油室26とを接続する経路に逆止弁38が設けられている。逆止弁38は、油室26および油路37に接続された吐出ポート39と、吐出ポート39を開閉する弁体40とを有している。逆止弁40は、油室26からオイルが吐出されることを許容し、油室26の外部のオイルが油室26に逆流することを防止する構成を有している。
一方、アウターレース16は、インナーレース15の外側を取り囲むように配置された円筒部41と、円筒部41であって、軸受10側の内周端に形成された内向きフランジ42とを有している。円筒部41の内周にはカム面43が形成されている。このカム面43は軸線B1を中心とする環状に構成されているとともに、略波形に構成されている。つまり、半径方向の外側および内側に向けて交互に湾曲されている。このように構成された円筒部41の内径は、インナーレース15の外径よりも大きく設定されている。そして、インナーレース15の外周端よりも外側に露出する転動体24の一部とカム面43とが接触され、転動体24はカム面43に沿って、アウターレース16の円周方向に転動可能である。さらに、アウターレース16の外周面とカム面43との間に油路100が形成されている。
また、円筒部41の内周面にはスナップリング44が取り付けられているとともに、円筒部41の内部には、インナーレース15の端面に接触するプレート45が設けられている。プレート45は環状に構成されており、軸線方向でインナーレース15とスナップリング44との間に配置されている。また、インナーレース15であって、内向きフランジ42側の端面には、円周方向に沿って複数のストッパ46が形成されており、ストッパ46が内向きフランジ42に接触し、かつ、インナーレース15がプレート45に接触することにより、インナーレース15とアウターレース16とが、軸線方向に相互に位置決めされている。つまり、インナーレース15およびアウターレース16は、軸線方向に一体的に移動可能である。また、内向きフランジ42とインナーレース15との間に油路101が形成されており、油路100と油路101とが接続されている。さらに、油路101は、ストッパ46同士の間を通じて、吸入ポート30に接続されている。なお、リヤケース6には密封装置67が取り付けられており、その密封装置67が内向きフランジ42の内周端に接触されている。密封装置67および密封装置35により、油路34が液密にシールされている。
一方、前記アウターレース16の円筒部41の外周には、円周方向に沿って環状の外向きフランジ47が形成されており、外向きフランジ47であって軸線方向の両端に、軸線方向の凹凸により構成された係合部(歯部)48,49が形成されている。この係合部48,49は外向きフランジ47の円周方向に亘って設けられており、リヤケース6には、係合部48と同じ円周上に、軸線方向の凹凸により構成された係合部(歯部)50が設けられている。上記のように構成されたアウターレース16は、インナーレース15と一体的にインプットシャフト2の軸線方向に移動可能であり、アウターレース16に軸線方向の動作力を与える動作機構(図示せず)が設けられている。この動作機構としては、乗員のシフトポジション選択操作のための操作力を、ケーブルやリンクなどの機械的な伝動機構(図示せず)によりアウターレース16に伝達するシステム(図示せず)、または、シフトポジション選択操作を電気信号に変換し、その電気信号に基づいてアクチュエータ(図示せず)を駆動させ、そのアクチュエータの動作力をアウターレース16に伝達するシステム(図示せず)などのいずれを用いてもよい。
ところで、トランスアクスルケース3内には、中空のプライマリシャフト51が設けられており、インプットシャフト2の外側にスプライマリシャフト51が取り付けられている。プライマリシャフト51とインプットシャフト2とは、ニードルベアリング52により相対回転可能に構成されている。また、プライマリシャフト51を回転可能に保持する2つの軸受53が軸線方向に配置されている。一方の軸受53は隔壁13の凹部13Bに取り付けられており、他方の軸受53は隔壁11に取り付けられている。2つの軸受53の内輪は、いずれもプライマリシャフト51に圧入されている。プライマリシャフト51はセンターケース5およびリヤケース6の内部に亘って配置されており、プライマリシャフト51であってリヤケース6側の端部には、羽根車54が取り付けられている。羽根車54の内周端がプライマリシャフト51に接続されている。羽根車54とプライマリシャフト51とが一体回転するように構成されており、羽根車54は、半径方向に延ばされた環状のプレート55と、プレート55の円周方向に配置された複数の羽根56とを有している。
また、羽根車54は、インプットシャフト2の軸線方向で隔壁13とインナーレース15との間に配置されており、羽根車54の外周側には環状の連結部57が設けられている。連結部57には、軸線方向の凹凸により構成された係合部58が形成されている。係合部58は係合部49と同じ円周上に配置されている。そして、アウターレース16が図1で軸線方向に沿って左側に動作すると、係合部48と係合部50とが解放されるとともに、係合部49と係合部58とが解放される。これに対して、アウターレース16が図1で軸線方向に沿って右側に動作すると、係合部49と係合部58とが係合されるとともに、係合部48と係合部50とが解放される。なお、プレート55とインナーレース15との間に油路102が形成され、油路102が油路100と接続されている。また、アウターレース16の外周には密封装置66が設けられており、油路102を液密にシールしている。一方、羽根車54であって、羽根56よりも内周側にはプレート55を軸線方向に貫通する油路59が形成されている。そして、油路59と油路102とが接続されている。
ところで、前記内歯19と外歯20との嵌合部分の隙間に油路60が形成されており、油路60は吐出ポート39に接続可能である。さらに、インプットシャフト2の大径部17とプライマリシャフト51との間には油路61が形成されており、油路61と油路60とが接続可能に構成されている。なお、インナーレース15であってプライマリシャフト51側の内周端には、軸方向に延ばされた円筒状のシャッタ62が形成されており、インナーレース15がインプットシャフト2に対して図1で左側に移動した場合は、油路60と油路61とが接続され、インナーレース15がインプットシャフト2に対して図1で右側に移動した場合は、シャッタ62が油路61の開口端に進入して、油路60と油路61とが遮断もしくは流通面積が減少するように構成されている。
さらに、プライマリシャフト51を半径方向に貫通する油路63が形成されており、油路63が油路61に接続されている。また、隔壁13には油路64が設けられている。油路64の内周側の開口部は、隔壁13の内周面に配置され、油路64の外周側の開口部64Aは隔壁13の端面13Aに配置されている。ここで、油路64は円周方向に複数、かつ、放射状に設けられており、各油路64の外周側の開口部64Aは、羽根56と同一円周上に配置されている。そして、油路64と油路63とが接続されている。プライマリシャフト51の外周には密封装置65が2つ設けられており、油路63と油路64との間を流れるオイルが、隔壁13とプライマリシャフト51との隙間から漏れないように液密にシールされている。
図3は、羽根車54および油路64を示す円周方向の断面図であり、油路64の中心線C1と、端面13Aとのなす角度θが90度未満の角度となっている。すなわち、エンジン1側からプライマリシャフト51を見た場合において、エンジン1の回転方向(正方向)が時計方向であると仮定すると、油路64から噴射されるオイルが羽根車54の羽根56に沿って流動し、オイルの運動エネルギに応じた力が羽根車54に加えられて、羽根車54が反時計方向(逆方向)に回転する動力が生じるように、角度θもしくは油路64の傾き方向が設定されている。油路64に対するオイルの供給経路は後述する。
上記のように構成されたラジアルピストンポンプ14は、図1に示すように油圧制御装置68に接続されている。油圧制御装置68は、オイルパン69を有しているとともに、オイルパン69に油路28,33が接続されている。そして、油路28には吸入制御弁70が設けられている。吸入制御弁70は、公知のソレノイドバルブなどにより構成されており、オイルパン69から油路28を経由してラジアルピストンポンプ14に吸入されるオイルの流量を、吸入制御弁70により制御することが可能である。また、油路33には吐出制御弁71が設けられている。吐出制御弁71は、公知のソレノイドバルブなどにより構成されており、ラジアルピストンポンプ14から油路33に吐出されるオイルの流量を制御することが可能である。
ところで、図2のように、トランスアクスルケース3の内部、具体的にはセンターケース5の内部には無段変速機が設けられている。ここでは、無段変速機としてベルト式無段変速機72が設けられている場合を説明する。ベルト式無段変速機72は、前述したプライマリシャフト51の他に、セカンダリシャフト73を有している。プライマリシャフト51およびセカンダリシャフト73は相互に平行に配置されており、プライマリシャフト51と一体回転するプライマリプーリ74が設けられ、セカンダリシャフト73と一体回転するセカンダリプーリ75が設けられている。
プライマリプーリ74は、軸線方向に移動不可能な固定片76と、軸線方向に移動可能な可動片77とを有している。また、セカンダリプーリ75は、軸線方向に移動不可能な固定片78と、軸線方向に移動可能な可動片79とを有している。そして、プライマリプーリ74およびセカンダリプーリ75に無端状のベルト80が巻き掛けられている。さらに、プライマリプーリ74からベルト80に加えられる挟圧力を制御する油圧サーボ機構81と、セカンダリプーリ75からベルト80に加えられる挟圧力を制御する油圧サーボ機構82とが設けられている。この油圧サーボ機構81,82の油圧室(図示せず)に供給される圧油の流量および油圧が、油圧制御装置68により制御される構成となっている。つまり、油圧制御装置68は、油圧サーボ機構81,82の圧油の流量および油圧を制御するソレノイドバルブ(図示せず)などを有している。
さらに、トランスアクスルケース3の内部には、セカンダリシャフト73のトルクが伝達される歯車伝動機構83およびデファレンシャル84が設けられており、デファレンシャル84にはドライブシャフト85を介在させて車輪86が連結されている。前記エンジン1は、燃料の燃焼による熱エネルギを運動エネルギに変換する動力装置であり、エンジン1としては、例えば外燃機関および内燃機関が挙げられる。この実施例では、エンジン1として内燃機関、例えば、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、LPGエンジンなどを用いる場合について説明する。このエンジン1の出力を制御する装置として、吸入空気量制御装置(電子スロットルバルブ)、燃料噴射量制御装置などが設けられている。
つぎに、車両Veの制御系統を説明すれば、車両Veの全体を制御するコントローラとしての電子制御装置87が設けられている。この電子制御装置87には、イグニッションスイッチ、加速要求を(例えば、アクセルペダルの操作状態)検知するセンサ、制動要求(例えば、ブレーキペダルの操作状態)を検知するセンサ、エンジン回転数を検知するセンサ、スロットル開度を検知するセンサ、インプットシャフト2の回転数を検知するセンサ、プライマリシャフト51の回転数を検知するセンサ、セカンダリシャフト73の回転数を検知するセンサ、シフトポジションを検知するセンサなどの信号が入力される。これに対して、電子制御装置87からは、油圧制御装置87を制御する信号、エンジン1を制御する信号などが出力される。
上記のように構成された車両Veにおいて、インプットシャフト2とプライマリシャフト51との間における動力の伝達原理を説明する。エンジン1が運転されるとともに、シフトポジションとしてドライブポジションが選択された場合は、アウターレース16が図1において右方向に動作する。すると、係合部49と係合部58とが係合されるとともに、係合部48と係合部50とが解放される。つまり、アウターレース16と羽根車54とが、係合部49と係合部58との係合力により動力伝達可能に連結される。また、アウターレース16と一体的にインナーレース15が軸線方向で右側に動作し、油路36と油路37とが接続される。このインナーレース15の動作にともない、シャッタ62が、インプットシャフト2の大径部17とプライマリシャフト51との間に進入し、油路60と油路61との連通面積が狭められる。
一方、インナーレース15に取り付けられているピストン22には、油室26の油圧および圧縮コイルばね27の付勢力に応じた力が加えられ、転動体24がカム面43に押し付けられる。エンジントルクにより、インプットシャフト2およびインナーレース15が一体的に回転すると、転動体24がカム面43に沿って転動し、ピストン22が、シリンダ21内でインナーレース15の半径方向に往復移動する。
ピストン22がシリンダ21内を往復移動することにより、油室26の容積が変化する。すなわち、ピストン22が、軸線B1から離れる向きに動作すると油室26の容積が拡大され、ピストン22が、軸線B1に近づく向きに動作すると油室26の容積が縮小される。油室26の容積が拡大される場合は、油室26が負圧となる。すると、逆止弁29が開くとともに、オイルパン69のオイルが、油路28および油路34を経由して、油室26内に吸入される。この場合、逆止弁38が閉じられるため、油路37からオイルが油室26に逆流することはない。
ついで、インナーレース15とアウターレース16との相対回転に連動して、ピストン22が軸線B1に近づく向きで動作すると、油室26の容積が縮小されて、油室26の油圧が上昇する。そして、油室26の油圧が上昇すると、逆止弁29が閉じられて、油路34から油室26にオイルが吸入されなくなるとともに、油室26のオイルが油路34に逆流することが防止される。さらに、逆止弁38が開放され、油室26のオイルが油路37および油路36および油路32を経由して油路33に吐出される。油路33のオイルはオイルパン69に戻される。以後、ピストン22がインナーレース15の半径方向で往復動を繰り返すことにより、ラジアルピストンポンプ14へのオイルの吸入と、ラジアルピストンポンプ14からのオイルの吐出とが、交互に繰り返される。
また、この実施例においては、ラジアルピストンポンプ14に吸入されるオイル量およびラジアルピストンポンプ14から吐出されるオイル量を、つぎのようにして制御することが可能である。まず、吸入制御弁70の開度が増加されると、ラジアルピストンポンプ14に吸入されるオイルの流量が増加する。これに対して、吸入制御弁70の開度が減少された場合は、ラジアルピストンポンプ14に吸入されるオイルの流量が減少する。一方、吐出制御弁71の開度が増加されるほど、油路33におけるオイルの流通抵抗が低下し、油室26のオイル量が減少しやすくなる。これに対して、吐出制御弁71の開度が減少されるほど、油路33におけるオイルの流通抵抗が増加して、油室26のオイル量が減少しにくくなる。このようにして、油室26に吸引されるオイル量および油室26から吐出されるオイル量を調整可能であり、オイル量に応じて油室26の油圧が制御される。この油室26の油圧は、インプットシャフト2とアウターレース16との間で伝達されるトルクに影響を及ぼす。
前述した油室26の油圧および圧縮コイルばね27の押圧力により、転動体24とカム面43と接触点において、アウターレース16を回転させようとする向きの分力が生じ、その分力に応じてアウターレース16でトルクが生じる。上記のように、油室26のオイル量が減少して、油室26の油圧が低下した場合は、ピストン22を押圧する力が低下するため、インプットシャフト2からアウターレース16に伝達されるトルクが低下する。これに対して、油室26のオイル量が増加して、油室26の油圧が上昇した場合は、ピストン22を押圧する力が増加するため、インプットシャフト2からアウターレース16に伝達されるトルクが上昇する。
前述のように、ドライブポジションが選択された場合は、アウターレース16と羽根車54とが動力伝達可能に連結されているため、インプットシャフト2のトルクがアウターレース16を経由して羽根車54に伝達されるとともに、羽根車54のトルクが、プライマリシャフト51に伝達される。なお、ドライブポジションが選択された場合は、シャッタ62により油路60と油路61との連通面積が縮小されるため、油室26から吐出されたオイルが、油路60を経由して油路61に流れ込むことを確実に遮断可能であるか、または油路60を経由して油路61に流れ込むオイル量を少量にすることが可能である。したがって、オイルの運動エネルギにより羽根車54が逆回転することを確実に回避できる。なお、羽根車54の逆回転については後述する。
一方、シフトポジションとしてリバースポジションが選択された場合は、アウターレース16が図1において左方向に動作する。すると、係合部49と係合部58とが解放されるとともに、係合部48と係合部50とが係合される。その結果、アウターレース16はリヤケース6に固定され、アウターレース16と羽根車54との間における動力伝達が遮断される。また、図1に示すように、シャッタ62がインプットシャフト2の大径部17とプライマリシャフト51との間から退出し、油路60と油路61とが接続される。さらに、インナーレース15により、油路36が遮断されるか、または油路36と油路37との連通面積が縮小される。
このように、油路60と油路61とが接続された場合において、エンジントルクがインプットシャフト2に伝達された場合は、ピストン22の動作により油室26から吐出されたオイルが、油路60および油路61および油路63を経由して油路64に供給されるとともに、油路64の開口部64Aから羽根車54に向けて噴射され、ジェット噴流を形成する。噴射されたオイルが羽根56に衝突して、オイルの運動エネルギに応じて羽根車54およびプライマリシャフト51を回転させるトルクが生じる。ここで、リバースポジションが選択された場合における羽根車54の回転方向は、ドライブポジションが選択された場合における羽根車54の回転方向とは逆になる。つまり、リバースポジションが選択された場合は、インプットシャフト2の運動エネルギが、ラジアルピストンポンプ14によりオイルの運動エネルギに変換され、オイルの運動エネルギが羽根車54の運動エネルギに変換される。言い換えれば、油路64および羽根車54は、流体の運動エネルギにより動力伝達をおこなう、いわゆる流体伝動装置を構成している。なお、リバースポジションが選択された場合は、係合部49と係合部58とが解放されるため、インプットシャフト2の動力が、アウターレース16を経由して羽根車54に伝達されることを確実に遮断することができる。
このように、ラジアルピストンポンプ7は、吸入したオイルを必要部位に供給する機能と、インプットシャフト2とアウターレース16との間における動力伝達状態を制御する機能(クラッチとしての機能)とを兼備している。特に、動力伝達状態を制御する機能には、係合部49と係合部58との噛み合いによる係合力で動力伝達をおこなう第1の動力伝達状態と、羽根車54にオイルを噴射してオイルの運動エネルギにより動力伝達をおこなう第2の動力伝達状態とを選択的に切り換える機能が含まれている。このように、油室26の油圧を制御することにより、インプットシャフト2とプライマリシャフト51との間で伝達されるトルクを制御することが可能である。また、ドライブポジションが選択された場合は、油室26の油圧の制御により、インプットシャフト2とプライマリシャフト51との回転数差を制御可能である。具体的には、油室26の油圧が高いほど、回転数差が小さくなる。以上のような原理により、エンジントルクが、インプットシャフト2を経由してベルト式無段変速機72のプライマリシャフト51に伝達される。プライマリシャフト51のトルクがベルト80を経由してセカンダリシャフト73に伝達される。セカンダリシャフト73のトルクは、歯車伝動機構83およびデファレンシャル84を経由して車輪86に伝達される。
前記ベルト式無段変速機3においては、油圧サーボ機構81,82における圧油の供給状態が油圧制御装置68により制御される。例えば、油圧サーボ機構81に供給される圧油の流量が制御されて、プライマリプーリ74におけるベルト80の巻き掛け半径、およびセカンダリプーリ75におけるベルト80の巻き掛け半径が制御され、ベルト式無段変速機73の変速比、つまり、プライマリシャフト51の回転速度と、セカンダリシャフト73の回転速度との比を無段階(連続的)に制御することができる。また、この変速制御に加えて、セカンダリプーリ75からベルト80に加える挟圧力が調整されて、ベルト式無段変速機72のトルク容量が制御される。
例えば、車速および加速要求(例えばアクセル開度)などに基づいて、車両Veにおける必要駆動力が判断され、その判断結果に基づいて目標エンジン回転数および目標エンジントルクが求められる。具体的には、必要駆動力に応じて、目標エンジン出力が求められ、その目標エンジン出力を最適燃費で達成する目標エンジン回転数が求められ、その目標エンジン回転数に応じて目標エンジントルクが求められる。そして、実エンジン回転数を目標エンジン回転数に近づけるように、ベルト式無段変速機72の変速比が制御される。また、ベルト式無段変速機72の変速比の制御と並行して、電子スロットルバルブの制御などにより、実エンジントルクが目標エンジントルクに近づけられる。
なお、ニュートラルポジションまたはパーキングポジションが選択された場合は、アウターレース16がドライブポジションの場合と同じ位置に移動し、係合部49と係合部58とが係合され、係合部48と係合部50とが解放される。そして、油室26の油圧を低下させることにより、インプットシャフト2とアウターレース16との間で動力伝達がおこなわれない状態となるまで、ラジアルピストンポンプ14のトルク容量が低下される。
以上のように、実施例1におけるラジアルピストンポンプ14を用いると、ドライブポジションまたはリバースポジションのいずれが選択された場合も、エンジントルクによりラジアルピストンポンプ14が駆動されて、ラジアルピストンポンプ14によるオイルの吸入および吐出がおこなわれる。また、ラジアルピストンポンプ14の一部を構成しているアウターレース16を軸線方向に動作させることにより、プライマリシャフト51の回転方向を正逆に切り換えることが可能である。したがって、プライマリシャフト51の回転方向を正逆に切り換えるために、専用の切換装置(前後進切換装置)を設けずに済む。したがって、動力伝達装置の小型化および低コスト化に寄与できる。また、この実施例において、はラジアルピストンポンプ14が用いられており、リバースポジションが選択された場合は、油室26の油圧を低下させると、殆ど引き摺りトルクが生じなくなる。このため実施例と、比較例とを比べると、実施例の方が、引き摺りトルクが生じない分、動力損失の増加を抑制でき、エンジン1の燃費が向上する。なお、この比較例とは、前後進切換装置として湿式のクラッチやブレーキなどの摩擦係合装置を用いる構成である。
また、油路64の開口部64Aの面積を設計することにより、油路64から吐出されるオイルの流量を自在に設定可能である。したがって、ラジアルピストンポンプ14の体格を大型化することなく、プライマリシャフト51で生じるトルクを高めることが可能である。また、開口部64Aの面積を拡大すれば、エンジン回転数によらずに、高トルクを羽根車54で生じさせることが可能である。すると、プライマリシャフト51が停止している状態でインプットシャフト2が回転する場合に、インプットシャフト2の回転数であるストール回転数をなるべく低く設定することが可能である。したがって、エンジン1を燃焼効率のよい運転状態で運転することが可能であり、燃費が向上する。さらに、前述した油路64の角度θを調整することにより、油路64から噴射されるオイルの噴射圧と、羽根車54で生じるトルクとの対応関係を自在に設定することが可能である。例えば、オイルの噴射圧および噴射流量が同じであれば、角度θを小さくするほど、羽根車54で生じるトルクが高くなる。このようにすると、インプットシャフト2とプライマリシャフト51との間における動力伝達効率が向上し、エンジン回転数を可及的に低下させることが可能である。そして、車両Veの発進時から巡航走行までのエンジン回転数の変化を滑らかに推移させることが可能である。
さらに、インプットシャフト2とプライマリシャフト51との間に、油路64にオイルを供給する油路61が形成されている。油路61はインプットシャフト2の全周に亘って形成されるため、インプットシャフト2の内部に油路を形成する場合と比べて油路61の断面積を大きく確保しやすくなる。したがって、油路64から噴射されるオイルの流量を可及的に大流量化することが可能であり、プライマリシャフト51の高回転化に対応できる。また、ラジアルピストンポンプ14から吐出され、かつ、羽根車54に衝突したオイルが、油路59,102,100,101を経由して、吸入ポート30に戻るため、ラジアルピストンポンプ14に吸入されるオイル量の低下を抑制できる。したがって、オイルパン69のみからラジアルピストンポンプ14にオイルを吸入する構造と比較して、ラジアルピストンポンプ14の高回転化が可能である。
また、羽根車54に衝突したオイルを、再度、油室26に吸入できるため、油室26の外部の油圧を低下させることが可能であり、かつ、圧縮コイルばね27のばね荷重を低減させることが可能である。したがって、カム面43に対する転動体24の押し付け力を低減させることが可能であり、リバースポジションが選択された場合は、インプットシャフト2とプライマリシャフト51との間における動力損失を抑制できる。また、油路59を通過したオイルが油路100を通過するため、カム面43と転動体24との接触部分を潤滑および冷却することが可能である。したがって、ラジアルピストンポンプ14の耐久性が向上する。さらに、この実施例では、アウターレース41を固定するために、リヤケース6の一部を用いているため、部品点数の低減をおこなうことが可能である。
また、実施例1においては、軸線方向でベルト式無段変速機72と羽根車54との間に隔壁13が設けられているとともに、プライマリシャフト51を保持する軸受53の一方が、隔壁13の凹部13Bに配置されている。そして、油路64の開口部64Aと、羽根車54のプレート55とが、プライマリシャフト51の軸線方向で正対して(対向して)配置されている。したがって、油路64の開口部64Aから噴射されたオイルがプレート55に衝突すると、軸線方向で羽根車54を隔壁13から遠ざける向きの分力F1が生じる。すると、分力F1と同じ向きのスラスト力がプライマリシャフト51に伝達されて、プライマリシャフト51に圧入されている軸受53が凹部13Bの端面に押し付けられる。このため、トランスアクスルケース3に対して、プライマリシャフト51を軸線方向で確実に位置決めできる。したがって、ベルト80の幅方向の中心が、プライマリシャフト51の軸線方向に位置ずれすることを抑制でき、ベルト80の耐久性が向上する。さらに、実施例1においては、吐出ポート39から吐出されたオイルが、インプットシャフト2の外側に形成された油路60,61を経由して油路64に供給されるように構成されている。したがって、吐出ポート39から吐出されたオイルを、インプットシャフト2の内部を経由させて油路64に供給するような比較例の構成に比べて、プライマリシャフト51とインプットシャフト2との間に密封装置を設けずに済み、部品点数が減少する。また、その密封装置と、プライマリシャフト51またはインプットシャフト2との摺動による動力損失を防止でき、エンジン1の燃費が向上する。
また、実施例1におけるラジアルピストンポンプ14によれば、ドライブポジションが選択された場合は、油路34を経由して油室26にオイルが吸入される。一方、リバースポジションが選択された場合は、油路34を経由して油室26にオイルが吸入される他、羽根車54に噴射された後のオイルが、油路59,102,100,101を経由して、再度、吸入ポート30を経由して油室26に吸引される。つまり、ドライブポジションが選択された場合は、油室26に吸引されるオイルの流通経路は1系統であり、リバースポジションが選択された場合は、油室26に吸引されるオイルの流通経路は2系統となる。また、ドライブポジションが選択された場合は、油室26から吐出されたオイルが、油路36および油路33を経由して油圧制御装置68に戻されるが、リバースポジションが選択された場合は、油室26から吐出されたオイルが、油路60および油路61を経由して羽根車54側に供給される。このように、ドライブポジションが選択された場合と、リバースポジションが選択された場合とでは、ラジアルピストンポンプ14に吸入されるオイルの流通経路が異なり、かつ、ラジアルピストンポンプ14から吐出されるオイルの流通経路も異なる。
ここで、この実施例1に基づいて説明した構成と、この発明の構成との対応関係を説明すると、エンジン1が、この発明の原動機に相当し、インナーレース15、アウターレース16、ピストン22、転動体24、油室26、圧縮コイルばね27、逆止弁29,38、カム面43などにより構成されたラジアルピストンポンプ14が、この発明の容積型ポンプに相当する。また、インナーレース15、アウターレース16、油路36,37,59,60,61,62,63,64,100,101,102、外向きフランジ47、係合部47,48,49,50,58などにより、この発明の回転方向切換装置が構成されている。つまり、ラジアルピストンポンプ14の構成の一部が、回転方向切換装置の一部を兼ねている。また、液体であるところのオイル(作動油、潤滑油を含む)が、この発明における「流体」に相当し、プライマリシャフト51および羽根車54および連結部57が、この発明の出力部材に相当する。
また、ドライブポジションが選択された場合が、この発明における「出力部材を正回転させる場合」に相当する。また、ラジアルピストンポンプ14に吸入されるオイルの流量、およびラジアルピストンポンプ14から吐出されるオイルの流量が、この発明における「容積型ポンプにおける流体の吸入状態または吐出状態」に相当する。さらに、ラジアルピストンポンプ14に吸入されるオイルが流通する油路28,34、およびラジアルピストンポンプ14から吐出されたオイルが流通する油路37,36,32,33が、この発明における第1の流通経路に相当する。さらに、リバースポジションが選択された場合が、この発明における「出力部材を逆回転させる場合」に相当し、ラジアルピストンポンプ14に吸入されるオイルが流通する油路28,34,59,100,101,102、ラジアルピストンポンプ14から吐出されたオイルが流通する油路60,61,63,64が、この発明における第2の流通経路に相当する。
また、インナーレース15が、この発明における入力部材に相当し、アウターレース16が、この発明における接続部材に相当する。また、シャッタ62および油路61が、この発明における「出力部材を逆回転させる運動エネルギの増加を抑制する構成(流量抑制装置)」に相当する。また、羽根車54および油路60,61,63,64が、この発明の「流体の運動エネルギを出力部材に伝達することにより、出力部材を回転させる動力を発生する構成(流体伝動装置)」に相当する。さらに、インナーレース15およびシャッタ62が、この発明における「第1の流通経路と流体の第2の流通経路とを切り換える構成(経路切換装置もしくは方向制御弁)」に相当する。さらに、係合部49と係合部58とが係合された場合が、この発明の「接続部材を出力部材に対して動力伝達が可能な状態」に相当し、係合部49と係合部58とが解放された場合が、この発明の「接続部材を出力部材に対して動力伝達が不可能な状態」に相当する。さらに、インナーレース15、シャッタ62、油路60,61,63,64が、この発明における「容積型ポンプから吐出された流体が出力部材に向けて噴射されることを許容する構成(流体誘導経路)」に相当する。
つぎに、ラジアルピストンポンプ14の他の構成例を、図4に基づいて説明する。この実施例2は、請求項8および請求項9の発明に対応している。図4において、軸線B1を中心とする半径方向で、油路102よりも油路60,61の方が内側に配置されている。また、油路59は、油路60,61よりも外側に配置されている。さらに、油路102を形成するインナーレース15の側面103は、油路102の流通面積が外側に向かうほど拡大する向きで傾斜している。つまり、軸線方向で、プレート55の側面と、インナーレース15の側面103との間隔は、外側であるほど長くなっている。言い換えれば、インナーレース15の軸線方向における肉厚が、外側に向かうほど薄く設定されている。なお、実施例2のその他の構成は、実施例1の構成と同じである。
この実施例2において、実施例1と同じ構成部分については、実施例1と同様の作用効果を得られる。また、実施例2においては、油路59からオイルが油路102に流れ込んだ場合に、油路102における外側であるほどオイルの流通抵抗が低下する(もしくは油圧が低い)ため、油路102のオイルが油路100に供給されることを促進できる。言い換えれば、油路102のオイルが内側に流れ込み、さらに、シャッタ62とプライマリシャフト51との間を経由して油路60,61に逆流することを抑制できる。つまり、油路102と油路61との間の液密性が一層向上する。したがって、ラジアルピストンポンプ14から吐出され、かつ、羽根車54に衝突した後のオイルを整流して、確実に吸入ポート30に供給することが可能である。
ここで、実施例2の構成とこの発明の構成との対応関係を説明すると、油路102が、この発明の誘導路に相当し、傾斜された側面103が、この発明の逆流抑制機構に相当し、吸入ポート30が、この発明の吸入側に相当し、流路60,61が、この発明の吐出側に相当し、軸線B1が、この発明における「入力部材の軸線」に相当する。実施例2のその他の構成と、この発明の構成との対応関係は、実施例1の構成と、この発明の構成との対応関係と同じである。
この実施例3は、請求項1ないし請求項8の発明に対応するものであり、実施例3におけるラジアルピストンポンプ14の構成例を、図5および図6に基づいて説明する。図5は、軸線B1を含む平面における断面図、図6は、ラジアルピストンポンプ14の円周方向における部分的な断面図である。インプットシャフト2におけるリヤカバー6側の端部内周には、軸受200が圧入されている。リヤカバー6の内壁にはスリーブ201が形成されており、軸受200がスリーブ201により保持されている。リヤカバー6には、スリーブ201の軸方向に沿って油路33が形成されている。また、インプットシャフト2の内部には油路202が形成され、インプットシャフト2の外周面に開口された油路203が形成されている。そして、スリーブ201とインプットシャフト2との間を液密にシールする密封装置204が設けられている。このような構成により、油路33が油路202を経由して油路203に接続されている。
さらに、インプットシャフト2と一体回転するインナーレース205が設けられている。インナーレース205は環状に構成されており、インナーレース205には、円周方向に複数のシリンダ206が形成されている。各シリンダ206は、インナーレース205の外周面に開口された略円筒形状の凹部であり、軸線B1を中心として複数のシリンダ206が放射状に配置されている。また、各シリンダ206内にはピストン207が各々配置されており、ピストン207はシリンダ206内で、インナーレース205の半径方向に往復移動自在に構成されている。また、各ピストン207における外側の端面に凹部208が形成されており、凹部208により転動体209が転動可能に保持されている。この転動体209はボールまたはローラを用いることが可能である。一方、シリンダ206にはプレート210が設けられており、プレート210には油路211が形成されている。プレート210とピストン207との間には油室212が形成されている。この油室212には、弾性部材、具体的には金属製の圧縮コイルばね213が設けられており、ピストン223をシリンダ206の外に押し出す向きの力が、圧縮コイルばね213からピストン207に加えられる。
一方、リヤケース6の内部には、環状のアウターレース214が設けられているアウターレース214は、インナーレース205の外側を取り囲む円筒部215と、円筒部215のリヤケース6側の端部に連続され、かつ、半径方向で内側に向けて延ばされた張り出し部216とを有している。アウターレース214は、インナーレース205およびインプットシャフト2に対して軸線方向に移動可能に構成されている。また、張り出し部216はアウターレース214の全周に亘って設けられており、張り出し部216の内周端とインプットシャフト2との間に油路217が形成されている。前記インナーレース205であって、油路217と油室212とを接続する経路に逆止弁218が設けられている。逆止弁218は、吸入ポート219を有する弁座220と、吸入ポート219を開閉する弁体221と、弁体221を弁座220に押し付ける力を生じる弾性部材としての圧縮コイルばね223とを有している。インナーレース205には、弁体収納室224が形成されており、弁体収納室224に弁体221および圧縮コイルばね223が収納されている。圧縮コイルばね223は具体的には円錐コイルばねが用いられており、圧縮コイルばね223は、弁収納室224の壁面225と弁体221との間に介在させられている。また、圧縮コイルばね223の平均径は、壁面225側から弁体221側に向かうほど小さくなるように設計されている。さらに、インナーレース205には、油室212と弁体収納室224とを接続する油路226が形成されている。
さらに、油室212から油路203に至る経路に逆止弁227が設けられている。逆止弁227は、吐出ポート228を有する弁座229と、吐出ポート228を開閉する弁体230と、弁体230を弁座229に押し付ける力を生じる弾性部材としての圧縮コイルばね231とを有している。インナーレース205とインプットシャフト2との間には、弁体収納室232が形成されており、弁体収納室232に弁体230および圧縮コイルばね231が収納されている。圧縮コイルばね231は、具体的には円錐コイルばねが用いられており、圧縮コイルばね231は、弁収納室232の壁面233と弁体230との間に介在させられている。また、圧縮コイルばね231の平均径は、壁面233側から弁体230側に向かうほど小さくなるように設計されている。さらに、インナーレース205とインプットシャフト2との間には、弁体収納室232に接続する油路234が形成されている。
一方、前記プライマリシャフト51と一体回転する羽根車335が設けられている。羽根車335は、プライマリシャフト51であって、ラジアルピストンポンプ14側の端部から外側に延ばされた円盤状のプレート336と、プレート336に円周方向に沿って配置された複数の羽根337とを有している。羽根337は、プレート336であってラジアルピストンポンプ14側の側面に連続して形成されている。さらに羽根車335の外周には環状の連結部材337が設けられており、連結部材337には全周に亘って係合部(歯部)338が形成されている。さらに、センターケース5の内壁には張り出し部339が設けられており、張り出し部339には係合部(歯部)340が形成されている。張り出し部339および係合部340は、係合部338と同一円周上に、かつ、軸線方向で所定間隔をおいて配置されている。
前記アウターレース24の円筒部215には軸線方向に延ばされ、かつ、円筒状に構成された突出部341を有しており、突出部341の自由端には内向きフランジ342が形成されている。内向きフランジ342には軸線方向の両側に係合部343,344が全周に亘って形成されている。なお、アウターレース214に軸線方向の動作力を与える動作機構(図示せず)が設けられている。この動作機構は、実施例1で説明したものと同じである。
さらに、アウターレース214の円筒部215であって、連結部材337側の端部には、環状の壁部345が接続されている。壁部345は、連結部材337の端部から、軸線方向でインナーレース205と羽根車335との間に向けて延ばされている。壁部345の内周面とインプットシャフト2の外周面との間を液密にシールする密封装置400が設けられている。この壁部345であって、半径方向で油路234と羽根337との間には油路346が形成されている。油路346は壁部345を半径方向に貫通して形成されており、油路346の外周側の開口端347が、図6に示すように、軸線方向で羽根337の内側に配置されている。また、油路364の中心線D1と、壁部345の端面348とのなす角度θが90度未満の角度となっている。すなわち、エンジン1側からプライマリシャフト51を見た場合において、エンジン1の回転方向が時計方向であると仮定すると、油路346から噴射されるオイルが羽根車335の羽根337に衝突し、オイルの運動エネルギにより羽根車335が反時計方向に回転する動力が生じるように、角度θもしくは油路346の傾き方向が設定されている。さらに、壁部345であって、羽根337同じ円周上には壁部345を軸線方向に貫通する油路349が設けられている。
ところで、前記インナーレース214の円筒部215の内周にはカム面350が形成されている。このカム面350は軸線B1を中心とする環状に構成されているとともに、略波形に構成されている。つまり、半径方向の外側および内側に向けて交互に湾曲されている。このように構成された円筒部215の内径は、インナーレース205の外径よりも大きく設定されている。そして、インナーレース205の外周端よりも外側に露出する転動体209とカム面350とが接触され、転動体209はカム面350に沿って、アウターレース214の円周方向に転動可能である。さらに、インナーレース205とカム面350との間に油路351が形成されており、油路351と油路349とが接続されている。また、前記張り出し部216とインナーレース205との間には油路352が形成されており、油路352は、油路351および吸入ポート219に接続されている。
なお、張り出し部216の内周端とリヤケース6との間には、油路217を液密にシールする密封装置353が設けられている。さらに、アウターレース214の円筒部215と連結部337との間を液密にシールする密封装置354が設けられている。さらにまた、壁部345であって、半径方向で油路234と油路349との間には、軸線B1を中心とする環状の凹部355が形成されている。また、インナーレース205の外壁であって、半径方向で油路234と油路349との間には、軸線B1を中心とする環状の凸部356が形成されている。この実施例3におけるその他の構成は実施例1の構成と同じである。
つぎに、実施例3において、インプットシャフト2とプライマリシャフト51との間における動力の伝達原理を説明する。エンジン1が運転されるとともに、シフトポジションとしてドライブポジションが選択された場合は、アウターレース214が図5で左方向に動作して、係合部343と係合部338とが係合されるとともに、係合部340と係合部344とが解放される。つまり、アウターレース214と羽根車335とが、係合部343と係合部338との係合力により動力伝達可能に連結される。また、アウターレース214と一体的に壁部345が軸線方向で左側に動作して、インナーレース205の外壁が壁部345の壁面348に密着する。その結果、油路234と油路346との連通面積が狭められるか、または、油路234と油路346とが遮断される。
一方、インナーレース205に取り付けられているピストン207には、油室212の油圧および圧縮コイルばね213の付勢力に応じた力が加えられ、転動体209がカム面351に押し付けられる。エンジントルクにより、インプットシャフト2およびインナーレース205が一体的に回転すると、転動体209がカム面351に沿って転動し、ピストン207が、シリンダ206内でインナーレース205の半径方向に往復移動する。
ここで、ピストン207が、軸線B1から離れる向きに動作すると油室212の容積が拡大され、ピストン207が、軸線B1に近づく向きに動作すると油室212の容積が縮小される。油室212の容積が拡大される場合は、油室212が負圧となる。すると、逆止弁218が開くとともに、オイルパン69のオイルが、油路28および油路217を経由して、油室212内に吸入される。この場合、逆止弁227は閉じられる。
ついで、インナーレース205とアウターレース241との相対回転に連動して、ピストン207が軸線B1に近づく向きで動作すると、油室221の容積が縮小されて、油室212の油圧が上昇する。そして、油室212の油圧が上昇すると、逆止弁218が閉じられるとともに、逆止弁227が開放され、油室212から吐出されたオイルが、油路203,202,33を経由してオイルパン69に戻される。以後、ピストン207がインナーレース205の半径方向で往復動を繰り返すことにより、ラジアルピストンポンプ14へのオイルの吸入と、ラジアルピストンポンプ14からのオイルの吐出とが、交互に繰り返される。
また、この実施例3においても、吸入制御弁70の開度およびが吐出制御弁71の開度を制御することにより、ラジアルピストンポンプ14に吸入されるオイル量およびラジアルピストンポンプ14から吐出されるオイル量を、実施例1と同様の原理により制御可能である。また、油室212のオイル量および油圧を制御することにより、インプットシャフト2からアウターレース214に伝達されるトルクを制御する原理も、実施例1の場合と同じである。
前述のように、ドライブポジションが選択された場合は、アウターレース214と羽根車335とが動力伝達可能に連結されているため、インプットシャフト2のトルクがアウターレース214を経由して、羽根車335およびプライマリシャフト51に伝達され、プライマリシャフト51が正方向に回転する。なお、ドライブポジションが選択された場合は、油路234と油路346との連通面積が縮小されるか、または油路234と油路346との連通が遮断されるため、油室212から油路234に吐出されたオイルが、羽根車335に供給されることを確実に回避できる。
一方、シフトポジションとしてリバースポジションが選択された場合は、アウターレース214および壁部345が、一体的に図5で軸線方向の右方向に動作されて、係合部338と係合部343とが解放されるとともに、係合部344と係合部340とが係合される。その結果、壁部345がインナーレース205から離れて、油路234と油路346との連通面積が拡大される。また、アウターレース214はセンターケース5により回転不可能に保持される。つまり、アウターレース214と羽根車335との間における動力伝達が遮断される。
このように、油路234と油路346とが接続された場合において、エンジントルクがインプットシャフト2に伝達された場合は、ピストン207の動作により油室212から油路234に吐出されたオイルが、図6に示すように、油路346から羽根車335の羽根337に向けて噴射され、ジェット噴流の運動エネルギにより、羽根車335およびプライマリシャフト51が逆方向に回転する。そして、羽根車335に衝突した後のオイルは、油路349,351,352を経由して、吸入ポート219に戻る。また、凸部356の一部が凹部355内に位置することにより、密封装置として機能しており、油路234のオイルが、インナーレース205と壁部345との間を通過して油路351流れることが防止される。したがって、油路234のオイルを確実に羽根車335に向けて噴射することができる。これとは逆に、油路349を通過したオイルが、油路234側に逆流することが、凸部356および凹部355により防止される。したがって、羽根車355に衝突した後のオイルが、確実に吸入ポート219に戻される。なお、リバースポジションが選択された場合でも、油路203は解放されているため、ラジアルピストンポンプ14から吐出されたオイルの一部は、油路203を経由して油路33に排出されるが、吐出制御弁71が閉じられるため、油路346に流れ込むオイル量の低下を抑制できる。
これに対して、ニュートラルポジションまたはパーキングポジションが選択された場合は、係合部338と係合部343とが解放され、かつ、係合部340と係合部344とが解放される位置でアウターレース214が停止される。その結果、エンジントルクがインナーレース205に伝達された場合、インナーレース205とアウターレースと214とが一体回転することとなり、ピストン207がインナーレース205の半径方向には動作しない。したがって、ラジアルピストンポンプ14におけるオイルの吸入および吐出が停止され、羽根車335に向けてオイルが噴射されることはない。また、アウターレース214と羽根車214との動力伝達伝も遮断される。このように、ニュートラルポジションまたはパーキングポジションが選択された場合は、インプットシャフト2とプライマリシャフト51との間における動力伝達が遮断される。さらに、実施例3においては、逆止弁218を構成する圧縮コイルばね223は、壁面225側の径の方が、弁体221側の径よりも大きく設定されている。このため、圧縮コイルばね223の外周面を弁体収納室224の内壁に接触させることで、圧縮コイルばね223を半径方向に位置決めすることができる。したがって、弁座220に弁体221を押し付ける力を安定して作用させることができ、かつ、他の位置決め機構を設けずに済む。また、圧縮コイルばね223は円錐コイルばねであるため、巻線同士の隙間を広く確保することができ、逆止弁218を通過して油室212に吸入されるオイルの流量の低下を抑制できる。
さらに、実施例3においては、逆止弁227を構成する圧縮コイルばね231は、壁面233側の径の方が、弁体230側の径よりも大きく設定されている。このため、圧縮コイルばね231の外周面を弁体収納室232の内壁に接触させることで、圧縮コイルばね231を半径方向に位置決めすることができる。したがって、弁座229に弁体230を押し付ける力を安定して作用させることができ、かつ、他の位置決め機構を設けずに済む。また、圧縮コイルばね231は円錐コイルばねであるため、巻線同士の隙間を広く確保することができ、逆止弁227を通過するオイルの流量の低下を抑制できる。なお、この実施例3において、実施例1と同じ構成部分については、実施例1と同じ作用効果を得られる。
ここで、実施例3で説明した構成と、この発明の構成との対応関係を説明すると、インナーレース205、アウターレース214、ピストン207、逆止弁218,227、圧縮コイルばね213、カム面350、転動体209などにより構成されたラジアルピストンポンプ14が、この発明の容積型ポンプに相当する。また、インナーレース205が、この発明の入力部材に相当する。また、プライマリシャフト51、羽根車335、連結部337が、この発明の出力部材に相当し、インナーレース205、ピストン207、転動体209、アウターレース214、カム面350、油路234,346,349,351,352,202,203,353、凹部356、凸部355、壁部345、インナーレース205の外壁、係合部338,343,340,344などの構成により、この発明の回転方向切換装置が構成されている。
また、プライマリシャフト51を正回転させる場合において、ラジアルピストンポンプ14に吸入されるオイルが流通する油路28,353、逆止弁218と、ラジアルピストンポンプ14から吐出されたオイルが流通する油路203,202,33、逆止弁227とが、この発明における「流体の第1の流通経路」に相当する。また、プライマリシャフト51を逆回転させる場合において、ラジアルピストンポンプ14に吸入されるオイルが流通する油路28,353,349,351,352、逆止弁218と、ラジアルピストンポンプ14から吐出されたオイルが流通する油路234,346、逆止弁227が、この発明における「流体の第2の流通経路」に相当する。さらに、壁部345の壁面348およびインナーレース205の外壁が、この発明の「第1の流通経路と第2の流通経路とを切り換える構成(経路切換機構もしくは方向制御弁)」および「出力部材を逆回転させる運動エネルギの増加を抑制する構成」に相当する。さらに、油路234,346が、この発明における「流体を噴出させて出力部材に衝突することにより、出力部材を駆動する構成」に相当する。さらに、アウターレース214が、この発明の接続部材に相当し、係合部338,343が、この発明における「接続部材が出力部材に対して動力伝達が可能に連結された場合に、出力部材を正回転させることが可能となる構成」に相当する。
さらに、ピストン207、転動体209、カム面350などの構成により、「接続部材と入力部材とが動力伝達可能に接続され」ている。さらに、係合部338と係合部343とが解放されることが、この発明の「接続部材を出力部材に対して動力伝達が不可能な状態とすること」に相当する。さらに、油路234と油路346とが接続されて、油路346からオイルが噴出されることが、この発明の「容積型ポンプから吐出された流体が出力部材に向けて噴射されること」に相当する。また、吸入ポート219を有する逆止弁218が、この発明の「容積型ポンプの吸入側」に相当し、吐出ポート228を有する逆止弁227が、この発明の「容積型ポンプの吐出側」に相当する。さらに、油路349,350,352が、この発明の誘導路に相当し、凸部356および凹部355が、この発明の逆流抑制機構に相当する。なお、実施例3のその他の構成と、この発明との対応関係は、実施例1の構成とこの発明の構成との対応関係と同じである。
なお、実施例1ないし実施例3は、ベルト式無段変速機3以外の無段変速機、例えば、トロイダル式無段変速機を有する動力伝達装置に適用することも可能である。また、無段変速機以外の変速機、例えば、複数の遊星歯車機構およびクラッチやブレーキなどの摩擦係合装置を有する有段変速機を有する車両の動力伝達装置にも、この実施例を適用可能である。このような有段変速機の場合において、羽根車にオイルのジェット噴流を衝突させて、出力部材を軸線方向に位置決めすることも可能である。すると、外力で出力部材にスラスト力が発生した場合に、出力部材のガタ打ち音を低減でき、振動・騒音の抑制性能を向上することが可能である。
なお、前記実施例1においては、羽根車54に衝突したオイルが、油路59,102,100,101を経由して吸入ポート30に戻るように構成されているが、油路59,102,100,101などの構成が設けられていないラジアルピストンポンプ14を採用することも可能である。また実施例3においては、羽根車335に衝突したオイルが、油路349,350,352を経由して吸入ポート219に戻るように構成されているが、油路349,350,352などの構成が設けられていないラジアルピストンポンプ14を採用することも可能である。
各実施例において、羽根車の羽根の形状は、図1および図3および図4およびおよび図5および図6に示されたような板形状の他に、プレートと羽根との間に流路が形成されるように、断面形状が円弧形状の半割体の羽根を設け、この羽根をプレートに取り付けることも可能である。図1および図3および図4の構成のように、油路64から噴射されたオイルが羽根車54に沿って外側から内側に向けて流れる場合、羽根車の半径方向の外側に流路の入口が配置され、羽根車の半径方向の内側に出口が配置される。ここで、入口から出口に向かう流路の形状が、軸線B1に直交する平面内で円弧形状または放物線形状となるように湾曲して構成される。このように、湾曲する流路を構成した場合、油路64から噴射されたオイルが羽根の内壁に沿って流路を流れる場合に、オイルの運動エネルギに応じた分力が、羽根の内壁に加えられて、羽根車54を回転させる向きの力が生じる。
ここで、流路の入口におけるオイルの運動量をρQVとし、流路の出口におけるオイルの運動量をρQV′とした場合、下記の運動方程式が成り立つ。
F=ρQ(V′−V) ・・・(1)
この式において、Fは羽根車54を回転させる向きの力であり、ρはオイルの密度であり、Qはオイルの流量であり、V,V′はオイルの流速である。つまり、オイルの運動量の経時的変化の割合、言い換えれば「差」に相当する分力が羽根の内壁に加えられていることになる。そして、入口から出口に向かう流路の形状が、軸線B1に直交する平面内で円弧形状または放物線形状となるように湾曲して構成されていれば、オイルが羽根の内壁に沿って流れる場合に、流路内でオイルの流動する断面形状が変化することを抑制でき、オイルから羽根車54に伝達される動力の伝達効率の低下を抑制できる。
F=ρQ(V′−V) ・・・(1)
この式において、Fは羽根車54を回転させる向きの力であり、ρはオイルの密度であり、Qはオイルの流量であり、V,V′はオイルの流速である。つまり、オイルの運動量の経時的変化の割合、言い換えれば「差」に相当する分力が羽根の内壁に加えられていることになる。そして、入口から出口に向かう流路の形状が、軸線B1に直交する平面内で円弧形状または放物線形状となるように湾曲して構成されていれば、オイルが羽根の内壁に沿って流れる場合に、流路内でオイルの流動する断面形状が変化することを抑制でき、オイルから羽根車54に伝達される動力の伝達効率の低下を抑制できる。
なお、図5および図6のように、油路346から噴射されたオイルが、羽根車335の半径方向で内側から外側に沿って流れるような構成において、羽根により流路を設ける場合は、羽根車の半径方向の内側に流路の入口が配置され、羽根車の半径方向の外側に出口が配置される。このように、図5および図6の構成について、羽根により円弧形状または放物線形状の流路を形成した場合も、上記の式(1)に基づいて説明した原理により、羽根車335を回転させる向きの力が生じる。また、各実施例においては、インプットシャフトの軸線方向で、エンジンとラジアルピストンポンプとの間に、羽根車および変速機が配置されているが、インプットシャフトの軸線方向で、エンジンと変速機との間に、ラジアルピストンポンプおよび羽根車を配置する構成も、この発明に含まれる。さらに、この発明における「流体を噴出させて出力部材に供給すること」には、オイルを出力部材に衝突させること、流体を出力部材の形状に沿って流動させることなどが含まれる。
さらに、インプットシャフト2に動力を伝達する原動機として、モータ・ジェネレータを用いた車両の動力伝達装置に、この実施例を適用することも可能である。また、インプットシャフト2とが、車両の幅方向に設けられた動力伝達装置の他、インプットシャフトが、車両の前後方向に設けられた動力伝達装置に、この実施例を適用することも可能である。また、この実施例の動力伝達装置は、前輪駆動車、後輪駆動車、四輪駆動車のいずれにも適用可能である。さらにまた、この発明において、入力部材および出力部材には、シャフト、環状の回転メンバ、歯車などの回転要素が含まれる。すなわち、入力部材および出力部材は、動力を伝達することが可能であれば、その形状、材質などは問われない。
また、各実施例においては、ドライブポジションが選択された場合に、アウターレースと羽根車と動力伝達可能に連結され、リバースポジションが選択された場合に、アウターレースと羽根車との間の動力伝達が遮断される構成について説明しているが、リバースポジションが選択された場合に、アウターレースと羽根車とが動力伝達可能に連結され、ドライブポジションが選択された場合に、アウターレースと羽根車との間の動力伝達が遮断される構成も、この発明に含まれる。また、上記実施例では、接続部材として、噛み合い式のクラッチが用いられているが、摩擦式のクラッチ、電磁式のクラッチを用いて、アウターレースと羽根車とを接続することも可能である。また、容積型ポンプとしては、ベーンポンプ、ギヤポンプなどを用いることも可能である。これらのポンプから吐出される流体の運動エネルギにより、出力部材を駆動するように構成する場合も、流体の運動エネルギ以外の方法により、原動機の動力を出力部材に伝達する伝動機構を設けることとなる。この場合、伝動機構としては、歯車式の伝動機構、摩擦式の伝動機構などを用いることが可能である。
1…エンジン、 14…ラジアルピストンポンプ、 15,205…インナーレース、 16,214…アウターレース、 22,207…ピストン、 27,213…圧縮コイルばね、 28,32,33,34,36,37,60,61,63,64,59,100,101,102,234,346,349,351,352,202,203,353…油路、 24,209…転動体、 29,38,218,227…逆止弁、 43,350…カム面、 47,48,49,50,58,338,343,340,344…係合部、 51…プライマリシャフト、 54,335…羽根車、 57,337…連結部、 62…シャッタ、 103…側面、 345…壁部、 348…壁面、 356…凹部、355…凸部。
Claims (9)
- 原動機により駆動される容積型ポンプと、この容積型ポンプから吐出される流体により駆動される出力部材とを有する動力伝達装置において、
前記出力部材の回転方向を正逆に切り換える回転方向切換装置が設けられていることを特徴とする動力伝達装置。 - 前記回転方向切換装置は、前記容積型ポンプにおける流体の吸入状態または吐出状態を制御するための経路として、前記出力部材を正回転させる場合に選択される流体の第1の流通経路と、前記出力部材を逆回転させる場合に選択される流体の第2の流通経路とを切り換える構成を有していることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
- 前記回転方向切換装置は、前記流体を噴出させて前記出力部材に供給することにより、この出力部材を駆動する構成を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の動力伝達装置。
- 前記回転方向切換装置は、前記容積型ポンプにおける流体の吸入状態または吐出状態を制御するために、前記出力部材を正回転させるための流体の流通経路を選択した場合に、前記出力部材を逆回転させるために前記容積型ポンプから前記出力部材に供給される流体の流量を減少させることにより、前記出力部材を逆回転させる運動エネルギの増加を抑制する構成を有していることを特徴とする請求項3に記載の動力伝達装置。
- 前記容積型ポンプは、前記原動機から動力が伝達される入力部材と、前記出力部材に対して動力伝達が可能な状態と不可能な状態とを選択的に切り換え可能な接続部材とを有しており、この接続部材が前記出力部材に対して動力伝達が可能に連結された場合に、前記出力部材を正回転させることが可能となる構成を有しているとともに、前記接続部材と前記入力部材とが動力伝達可能に接続されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の動力伝達装置。
- 前記回転方向切換装置は、前記容積型ポンプから吐出される流体により前記出力部材を逆方向に回転させるための流通経路を選択した場合に、前記接続部材を、前記出力部材に対して動力伝達が不可能な状態とすることにより、前記入力部材から前記出力部材に対して、この出力部材を正方向に回転させる動力が伝達されることを遮断する構成を、更に有していることを特徴とする請求項5に記載の動力伝達装置。
- 前記回転方向切換装置は、前記容積型ポンプから吐出される流体により前記出力部材を逆方向に回転させるための流通経路を選択した場合に、前記容積型ポンプから吐出された流体が前記出力部材に向けて噴射されることを許容するとともに、前記接続部材を、前記出力部材に対して動力伝達が不可能な状態とすることにより、前記原動機により駆動される入力部材から前記出力部材に、この出力部材を正方向に回転させる動力が伝達されることを遮断する構成を、更に有していることを特徴とする請求項3または4に記載の動力伝達装置。
- 前記出力部材を駆動した後の流体を、前記容積型ポンプの吸入側に誘導する誘導路と、この誘導路の流体が前記容積型ポンプの吐出側に戻ることを抑制する逆流抑制機構とが、更に設けられていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の動力伝達装置。
- 前記入力部材の回転基準となる軸線を中心とした半径方向で、前記容積型ポンプの吐出側は、前記入力部材よりも内側に配置されているとともに、前記誘導路が前記入力部材の側面により形成されており、前記逆流抑制機構は、前記入力部材の半径方向で外側に向かうほど、前記誘導路の流路面積が拡大されるように、前記入力部材の側面を傾斜した構成であることを特徴とする請求項8に記載の動力伝達装置。
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