JP2006226391A

JP2006226391A - 転がり軸受

Info

Publication number: JP2006226391A
Application number: JP2005040326A
Authority: JP
Inventors: Katsunori Sone; 克典曽根; Hiromitsu Kondo; 博光近藤; Kengo Hiramatsu; 研吾平松
Original assignee: NTN Corp; NTN Toyo Bearing Co Ltd
Current assignee: NTN Corp
Priority date: 2005-02-17
Filing date: 2005-02-17
Publication date: 2006-08-31
Also published as: EP1850021A1; CN101120180A; EP1850021A4; WO2006088045A1

Abstract

【課題】仕上げ加工が容易で、摩耗によるクリープ防止機能の低下を抑止できる構造のクリープ防止装置を備えた軸受を提供する。
【解決手段】４点接触玉軸受１１は、内輪１２と、外輪１３と、内輪１２および外輪１３との間に配置された玉１４と、玉１４の間隔を保持する保持器１５とを備える。外輪１３は、その外径面の任意の１点と、端面外周部の任意の２点とを結ぶ平面で切断した平坦面１３ａを有する。
【選択図】図４

Description

この発明は、転がり軸受、特に、軌道輪に絶縁層を有する転がり軸受に関する。

従来、転がり軸受は、回転時にハウジングと外輪との間でクリープが発生するのを防止するために、例えば、実公平７−８９１３号公報（特許文献１）等に記載されるようなクリープ防止装置を備える。

クリープ防止装置には様々な形態があり、一般的には、図１に示すような外輪を有する転がり軸受が知られている。

図１によると、外輪１の外径面から端面にかけて、一定の幅で切り欠き２が設けられている。また、図２（ａ）および（ｂ）は、この切り欠き２に対応するキー３，４である。

図１に示したような外輪１を有する転がり軸受を軸へ組み込む際には、ハウジングの切り欠き２に対応する部分に凹部を設け、ハウジングと外輪２をキー３で固定することにより、クリープを防止する。
実公平７−８９１３号公報

鉄道車両用主電動機をはじめとした電動機、若しくは、風力発電機、インバータモータ等の回転軸を支持する軸受として、その外輪に絶縁層を有する絶縁軸受が用いられている。

図１に示したようなクリープ防止装置を有する外輪１は、切り欠き２のような複雑な構造を有するので、その仕上げ加工は非常に困難となる。特に、切り欠き２の寸法が小さく、絶縁被膜が形成されている場合には、機械による仕上げ加工ができず、手作業によらなければならない場合があり、軸受の加工工数が増大する。さらには、図３に示す切り欠き壁面２ａ，２ｂの仕上げ加工ができない場合も起こり得る。

また、切り欠き２とキー３とは接触面積が小さいので、軸受回転時の振動によるキー３の摩耗量が多く、耐久性に優れた構造とはいえない。接触面積を大きくするために、切り欠き２を大きくすることが考えられるが、軸受自体の強度を維持するためには限界がある。

この絶縁軸受は、例えば、外輪にセラミック等を溶射することにより、その外径面に絶縁被膜を形成する。図１に示すようなクリープ防止装置を有する外輪に絶縁被膜を溶射する場合、例えば、図３に示すように（Ａ）方向から溶射したとすると、切り欠きの両壁面２ａ，２ｂへの溶射が不十分となる。

この場合、壁面２ａに絶縁被膜を溶射するためには、（Ｂ）方向から溶射する必要があり、また、壁面２ｂに絶縁被膜を溶射するためには、（Ｃ）方向から溶射しなければならないので、絶縁被膜の溶射工数が増加する。

また、上記したように（Ｂ）（Ｃ）の２方向から溶射した場合、切り欠き２の底面２ｃおよび、切り欠き２の周辺部は２度溶射することになり、各部での絶縁被膜の膜厚にバラツキが生じる原因となる。

さらに、軸受回転時においては、切り欠き２の両壁面２ａ，２ｂと底面２ｃとがなす角部には、応力集中による被膜の破損が発生しやすく、軸受の絶縁性能を低下させる原因となる。

そこで、本発明の目的は、仕上げ加工が容易で、摩耗によるクリープ防止機能の低下を抑止できる構造のクリープ防止装置を備えた転がり軸受を提供することである。

また、この軸受を絶縁層を有する軸受に適用した場合には、絶縁被膜の溶射工数、膜厚の管理が容易で、また、回転時の応力集中による絶縁被膜の破損を防止することができるクリープ防止装置を備えた転がり軸受を提供することを目的とする。

この発明に係る転がり軸受は、内輪と、外輪と、内輪および外輪の間に配置された転動体とを備え、外輪は、その外径面の任意の１点と、端面外周部の任意の２点とを結ぶ平面で切断した平坦面を有する。

上記構成とすることにより、従来と比較して、単純な構造のクリープ防止装置となるので、仕上げ加工が容易となり加工工数を削減することができる。

また、切断平坦面とキーとの接触面積が大きくなることにより、両部材間の接触応力は小さくなるので、振動等によるキーの摩耗を抑制することができ、長期間にわたって高いクリープ防止機能を維持することが可能となる。

好ましくは、内輪の内径面、または、外輪の外径面に絶縁被膜が形成されている絶縁軸受であるとよい。上記構成の転がり軸受は、クリープ防止装置が設けられた面に絶縁被膜を形成する場合であっても、一方向からの溶射で切断平坦面およびその周辺部に絶縁被膜を形成することが可能となるので、溶射工数を削減することができる。また、各部での絶縁被膜の膜厚を均一にすることが容易となる。

また、切断平坦面に内側に屈曲した角部がないことにより、応力集中が発生しないので、絶縁被膜の破損による軸受の絶縁性能の低下がなく、耐久性に優れた転がり軸受を得ることができる。

転動体は、例えば、玉であってもよく、または、ころであってもよい。

この発明は、仕上げ加工が容易で、クリープ防止機能を長期間維持することができる構造のクリープ防止装置を備えた転がり軸受を得ることができる。

さらに、絶縁軸受に適用した場合には、絶縁被膜の溶射工数、膜厚の管理が容易となり、また、回転時の応力集中による絶縁被膜の破損を防止することができるクリープ防止装置を備えた転がり軸受を得ることができる。

図４（ａ）および（ｂ）は、この発明の一実施形態に係る４点接触玉軸受１１の正面図および側断面図である。また、図５は、図４に示したような４点接触玉軸受１１に使用される外輪１３の斜視図である。さらに、図６（ａ）および（ｂ）は、外輪１３をハウジングに固定するキー１６，１７の斜視図である。

４点接触玉軸受１１は、図４（ｂ）に示すように、内輪１２と、外輪１３と、内輪１２および外輪１３との間に配置された転動体としての玉１４と、玉１４の間隔を保持する保持器１５とを備える。外輪１３は、図５に示すように、その外径面の任意の１点（Ｐ）と、端面外周部の任意の２点（Ｑ，Ｒ）とを結ぶ平面で切断した平坦面１３ａを有する。

図５に示したような外輪１３を有する４点接触玉軸受１１を軸へ組み込む際には、ハウジングの切断平坦面１３ａに対応する部分に凹部を設け、ハウジングと外輪１３をキー１６で固定することによりクリープを防止する。

また、切断平坦面１３ａと、図６（ａ）に示すようなキー１６との接触面積が大きくなることにより、両部材間の接触応力が小さくなるので、振動等によるキー１６の摩耗を抑制することができ、長期間にわたって高いクリープ防止機能を維持することが可能となる。なお、切断平坦面１３ａに対応するキーの強度を高めるために、図６（ｂ）に示すように、切断平坦面１３ａの当接部の後部に柱部を有する形状のキー１７としてもよい。

４点接触玉軸受１１を鉄道車両用主電動機をはじめとした電動機、若しくは、風力発電機、インバータモータ等の回転軸を支持する絶縁軸受として使用する場合には、外輪１３の外径面にセラミック等を溶射することにより絶縁被膜を形成することとなる。

切断平坦面１３ａが設けられた外輪１３の外径面に絶縁被膜を形成する場合、図４（ａ）に示すように、（Ａ）方向からの溶射で切断平坦面およびその周辺部に均一に絶縁被膜を形成することができる。

その結果、絶縁被膜の溶射工数を削減することができるので、結果として、軸受のコストダウンにつながる。また、各部での膜厚を均一にすることが容易となる。

なお、絶縁被膜は、外輪１３の外径面に限らず、内輪１２の内径面に形成することとしてもよい。

上記の実施形態では、外輪１３の２箇所に切断平坦面１３ａを設けた例を示したが、これに限ることなく、切断平坦面１３ａを１箇所としてもよいし、または、切断平坦面１３ａを２箇所以上設けることとしてもよい。

また、切断平坦面１３ａの軸受回転軸線に直交する面に対する角度は、キー１６の強度およびクリープ防止装置としての楔効果の観点から４５度程度の角度が望ましい。極端に角度が小さい場合には、キー１６の強度が低下し、反対に角度が大きすぎる場合にはクリープ防止機能が低下する。

上記の実施形態では、４点接触玉軸受の例を示したが、これに限ることなく、深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受、自動調心ころ軸受、円筒ころ軸受、または、円錐ころ軸受等、軸受自体の形状、および、転動体が玉であるかころであるかを問わず、あらゆる転がり軸受に適用することができる。

さらに、上記の実施形態では、単列の４点接触玉軸受の例を示したが、これに限ることなく、内輪および外輪の間に転動体が複列に配置された、複列転がり軸受に適用することも可能である。

以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。

この発明は、軌道輪に絶縁層を有する転がり軸受に有利に利用される。

従来のクリープ防止装置を備えた転がり軸受に使用される外輪の斜視図である。図１の外輪の切り欠きに対応するキーの斜視図である。図１に示した外輪の矢印Ａ方向から見た正面図である。本発明の一実施形態に係る４点接触玉軸受の正面図および側断面図である。図４に示した４点接触玉軸受に使用される外輪の斜視図である。図５に示した外輪の切断平坦面に対応するキーの斜視図である。

符号の説明

１，１３外輪、２切り欠き、３，４，１６，１７キー、２ａ，２ｂ切り欠き壁面、２ｃ切り欠き底面、１１４点接触玉軸受、１２内輪、１３ａ切断平坦面、１４玉、１５保持器。

Claims

内輪と、
外輪と、
前記内輪および前記外輪の間に配置された転動体とを備え、
前記外輪は、その外径面の任意の１点と、端面外周部の任意の２点とを結ぶ平面で切断した平坦面を有する、転がり軸受。
前記外輪の外径面には、絶縁被膜が形成されている、請求項１に記載の転がり軸受。
前記内輪の内径面には、絶縁被膜が形成されている、請求項１または２に記載の転がり軸受。
前記転動体は玉である、請求項１〜３のいずれかに記載の転がり軸受。
前記転動体はころである、請求項１〜３のいずれかに記載の転がり軸受。