JP2006225308A - 皮膚外用剤 - Google Patents
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これらの美白剤のなかで、レゾルシノール誘導体、特に4−n−ブチルレゾルシノールに代表されるアルキルレゾルシノール誘導体は、その特異的な作用メカニズムの面で注目されている。さらに、アルキルレゾルシノール誘導体の美白剤としての効果を高める手段として、シラカバエキス、コウキエキス、水溶性大豆蛋白と共存させることが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
その反面、アルキルレゾルシノール誘導体は、他の美白剤と比べて皮膚透過性が高過ぎるがために、持続的な美白効果を発揮しにくいという面も指摘されている。これに対して、アルキルレゾルシノール誘導体の皮膚透過性を抑制して、皮膚貯留性を高める試みなどがなされている(例えば、特許文献2を参照)。しかしながら依然として、アルキルレゾルシノール誘導体の皮膚貯留性を高めて持続的な美白効果を発揮させる手段が求められている。
[3] 一般式(I)で表されるアルキルレゾルシノールが、4−n−ブチルレゾルシノールである[1]に記載の皮膚外用剤。
[4] 美白用であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の皮膚外用剤。
本発明の皮膚外用剤は、アルキルレゾルシノール及び/又は生理的に許容されるその塩を含有することを特徴とする。アルキルレゾルシノールは前記一般式(I)で表される化合物であり、一般式(I)におけるR1基は炭素数1〜7のアルキル基を示す。該アルキル基は直鎖、分岐または環状構造を有するアルキル基のいずれでもよい。R1基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、シクロプロピルメチル基などを例示することができる。R1基は炭素数4のアルキル基であることが好ましく、n−ブチル基であることがより好ましい。
R1基は、ベンゼン環構成炭素のいずれかの炭素に結合していればよいが、下記式に示すように4位の炭素に結合していることが好ましい。
1969, No 18, 127参照)、(2)レゾルシノールと対応するアルキルアルコールとをアルミナ触媒を使用して200〜400℃の高温下で反応させる方法(英国特許第1,581,428号明細書参照)などによって、アルキルレゾルシノールを得ることができる。
本発明の皮膚外用剤に含有されるコエンザイムQ10は、ユビキノン類化合物(2,3−ジメトキシ−5−メチル−6−ポリイソプレニル−1,4−ベンゾキノン)であって、6位のポリイソプレニル側鎖のイソプレン単位が10であるユビキノン化合物である。コエンザイムQ10は、ユビデカレノン又は補酵素Q10とも称される。コエンザイムQ10は日本薬局方に記載されており、黄色〜橙色の粉末である。コエンザイムQ10は、鐘淵化学工業(株)や日清ファルマ(株)よりコエンザイムQ10の名称で販売されており、このような市販品を本発明の皮膚外用剤に含有させることができる。
前記の通り、本発明の皮膚外用剤はアルキルレゾルシノール及び/又はその塩、ならびにコエンザイムQ10を含有することを特徴とする。
本発明の皮膚外用剤は、アルキルレゾルシノールの一種単独を含有してもよいが、二種以上を組み合わせて含有することもできる。本発明の皮膚外用剤においてアルキルレゾルシノールは美白作用成分として含有されることが好ましく、アルキルレゾルシノールの好ましい含有量は、皮膚外用剤全量に対して0.01〜10質量%であることが好ましく、0.05〜5質量%であることがより好ましい。
打ちになり経済的に好ましくない。
また、非イオン界面活性剤(例えばポリオキシエチレン脂肪酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、グリセリンモノエステルなど)、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、シリコーン(例えばジメチコンなど)、エタノール、カルボキシビニルポリマー等の増粘剤、トリメチルグリシンなどのベタイン類、防腐剤、紫外線吸収剤、ビタミンE(トコフェロール)、BHT、BHA、色素、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、タルク、セリサイト等も、好ましい任意成分として例示される。
また本発明の皮膚外用剤は、コエンザイムQ10によりアルキルレゾルシノールの皮膚貯留性が高められるので、アルキルレゾルシノールを単独で含む皮膚外用剤よりも長い美白効果を有する。したがって本発明の皮膚外用剤は、メラニン産生によって黒くなった肌色を白くするための化粧料や、日焼けなどの肌色が黒くなる要因に曝露される前に塗布して、肌が黒くなるのを防止するための化粧料として用いることができる。特に、老人性色素沈着や、紫外線に起因する皮膚の黒化を改善又は予防するために用いられると、本発明の皮膚外用剤の美白効果がより効果的に奏され得る。
以下に示す処方に従って乳液を作製した。表1に記載のイ)、ロ)およびハ)の混合成分を、それぞれ80℃に加熱した。攪拌下のイ)に、ロ)を徐々に加えて乳化物を得た。
得られた乳化物に、更にハ)を加えて中和した。得られた中和物を攪拌冷却して乳液を得た。
さらに、成分イ)におけるコエンザイムQ10を水に置換すること以外は、実施例1と同様にして乳液を作成し、比較例1の乳液とした。
実施例1および比較例1で得られた乳液に含まれる4−n−ブチルレゾルシノールの皮膚透過性及び皮膚貯留性を、以下のようにして評価した。
ヘアレスマウスから背部皮膚を採取して、該背部皮膚から余分な皮下組織を除去した。得られた皮膚を約3cmφにカットし、さらに脂肪層及び皮下組織をピンセットなどを用いて除去した。
得られた皮膚を、皮膚外面側を上にして拡散セル(開口部直径2cm)に固定した。拡散セルのリザーバー(皮膚内面側)にリン酸緩衝生理食塩水を満たし、リザーバー内に入れたマグネチックスターラーにて撹拌しながら37℃に保持した。拡散セルに固定された皮膚の外面(上面)に、実施例1又は比較例1の乳液を1g載せて、これを開放系にて放置した。
12時間後、24時間後、および48時間後に、リザーバー中のリン酸緩衝生理食塩水を100μl採取し、採取した水溶液それぞれに含まれる4−n−ブチルレゾルシノールの量を測定した。また、48時間後には、拡散セルから皮膚を取り外し、皮膚上に残留していたサンプルを、アセトンを染み込ませた不織布で拭い取り、この不織布から4−n−ブチルレゾルシノールを抽出し、抽出された4−n−ブチルレゾルシノールの量を測定した。
4.6mm×150mm、カラム温度35℃、溶出溶媒;メタノール/エタノール(99.5%)=8/2、流速1ml/min、紫外部検知 275nm)にて行い、皮膚を
透過してリザーバーに移行した4−n−ブチルレゾルシノール、および皮膚上に残留していた4−n−ブチルレゾルシノールの量を定量した。なお定量は、絶対検量線法にて行なった。
また、「皮膚上に載せた製剤中の4−n−ブチルレゾルシノールの量」に対する、「皮膚上に載せた製剤中の4−n−ブチルレゾルシノールの量から、皮膚を透過してリザーバーに移行した4−n−ブチルレゾルシノールの量および皮膚上に残留していた4−n−ブチルレゾルシノールの量を引いた量」の割合を皮膚貯留性とした。この結果を図2に示す。
すなわち、比較例1の乳液に含まれる4−n−ブチルレゾルシノールは皮膚中を速やかに通り抜けてしまうのに対して、実施例1の乳液に含まれる4−n−ブチルレゾルシノールは皮膚中に長く滞留することができることがわかる。
次に、ヒトの皮膚におけるメラニン生成抑制効果を確認するために、以下のように20名のパネラーを使用した美白試験を行った。予め、パネラーの上腕部に1.5×1.5cmの3つの部位を設定した。設定した部位以外の部分を黒布で覆った後、紫外線を0.8MED照射した。照射後、設定された3つの部位のうち2つの部位に、それぞれ実施例1および比較例1の乳液の0.05mlを、朝、昼、入浴後の1日3回塗布した。残りの1部位には紫外線の照射以外の処理を行わず、陽性対照部位とした。
翌日および3日目にも同様に、紫外線を0.8MED照射した後、各乳液の0.05mlを朝、昼、入浴後の1日3回塗布した。
4日目に、色彩色差計(ミノルタCR−200)を用いて、設定した各部位(照射部位)とその隣接部位(非照射部位)のL値を測定した。各設定部位のL値とその隣接部位のL値の差を算出し、ΔL値とした。この結果を表2に示す。
下記表3に示す処方に従い、実施例1と同様の方法で乳液を作成した。
下記表4に示す処方に従って、(イ)の各成分を合わせ80℃に加熱しておき、別途(ロ)の各成分を合わせ80℃に加熱する。(イ)の成分に(ロ)の成分を加えて撹拌乳化し、その後35℃まで冷却し、クリームを作成した。
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