JP2004131498A - 皮膚外用剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ウコンの抽出方法、美白に対する有効成分を検討して、紫外線照射による日焼けをはじめ、老化に伴うシミ、ソバカスの低減、退色、消去により皮膚本来の色、艶をよみがえらせて、美白、美肌を達成させる皮膚外用剤を提供する。
【解決手段】 メラニン生成に対して高い阻害活性を有するたクルジオン、さらにはクルクモールを含有する。クルジオン、クルクモールに代えて、ウコン葉を疎水性有機溶剤で抽出した抽出物を含有してもよい。ウコン葉の疎水性有機溶剤抽出物には、クルジオン、クルクモールが高含有率で含まれている。
【選択図】 図3

Description

 本発明は、皮膚に塗ったり、染みこませたり、擦ったり、接触させたりすることによって経皮的に皮膚内部へ浸透させ、既にできたシミ、ソバカス等を低減、退色させて、本来の皮膚の色を取り戻すために用いられる皮膚外用剤に関し、化粧水、化粧クリーム等の基礎化粧品や入浴剤、薬用石けん等として用いられる皮膚外用剤に関する。
 近年の成層圏オゾン層の破壊に基づいて増加する紫外線から肌を守り、皮膚の老化、黒化を防止するとともに、シミ、ソバカス、くすみをなくして皮膚本来の美しさを取り戻すことを目的とした美白用基礎化粧品の需要が高まっている。特に、1990年代に流行した顔黒のために、紫外線を照射して日焼けさせた女性たちが、美白化の流行に転換するようになり、日焼けがおさまった後に残ったシミ、ソバカスを取り除くことについて、強い要望がある。
 美白用化粧品としては、紫外線照射により生じる活性酸素による色素産生を抑制して、肌の老化に伴うくすみを改善しようとするものや、シミの原因となるメラニン生成反応の一部を触媒するチロシナーゼ活性を阻害することによりシミを低減しようとするものがある。前者の化粧品としては、ビタミンC、トコフェロール(ビタミンE)、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)等の抗酸化剤を含有させた化粧品が販売されている。しかし、ビタミンC、E等のビタミン類は、一般に安定性が悪く、また活性酸素で酸化された後に生じる酸化型ビタミンA、酸化型ビタミンEが悪影響を及ぼすため、美白という点では満足できるものではない。安定性に優れた合成抗酸化剤は、近年の消費者の安全性志向、自然志向、健康志向から、敬遠される傾向にある。
 自然派化粧品を好む消費者の要望に応えるべく、美肌、美白化に有用な成分として、ハーブエキス又は生薬エキスを使用した美白用自然派化粧品が提案されている。
 例えば、特許文献1には、チロシナーゼ活性阻害に基づくメラニン生成抑制剤として、ウコン、チョウジ等の生薬抽出物を含有する皮膚化粧料が開示されている。ここで用いられるウコン抽出物は、ウコンの根茎部を水、メタノール、エタノール等の親水性有機溶剤で抽出した抽出物である。
 特許文献2には、バンウコン、ササゲ、ワサビノキ等の生薬抽出物が不飽和脂肪酸酸化防止作用及び活性酸素消去作用に優れ、これらを含有する皮膚外用剤がくすみ改善に対してビタミンEよりも優れていることが開示されている。ここで用いられているバンウコンの抽出物は、地下茎の熱水抽出物、全草のエタノール抽出物、地下茎の1,3ブチレングリコールの抽出物であり、当該抽出物の優れた抗酸化作用により、シワ、ハリ、さらには肌のくすみを改善しようとするものである。
 特許文献3には、グリセリンやヒアルロン酸Na等の水溶性増粘剤、エタノール等の抗菌性アルコール、トコフェロール類等の抗酸化ビタミン類、メフェナム酸やトラネキサム酸等の抗炎症剤とともに、美白成分として、オウゴン、ボタン、アロエ、にんじん、ウコン等の植物抽出物を添加した化粧用組成物が開示されている。この特許文献3には、紫外線により惹起された色素沈着が消退することが示されているが、その作用効果に対する植物エキスの役割は明らかにされていない。
 一方、ウコンの根茎抽出物に含まれるクルクミンが抗酸化作用を有することが知られており(非特許文献1)、特許文献4,5では、クルクミンの塩又は誘導体が、マトリックスプロテアーゼ(コラゲナーゼ、ゼラチナーゼなど)の活性阻害剤として、働くことを利用した化粧品が提案されている。ここで開示されている化粧品は、皮膚の老化に関連するエラスチン等の繊維タンパク質の分解を防止して、シワ、タルミ、肌のくすみを改善しようとするものである。
特開平6−227960 特開平2002−121144 特開2002−212052 特開2001−139466 特開2002−80338 糸川秀治監修「ウコンの凄い特効」宙出版、2001年6月22日第10刷、p.20ー34
 抗酸化成分による活性酸素の捕捉は、紫外線照射によるシミ、ソバカスの新生を抑制しようとするものであり、既にできているシミ、ソバカスの低減、消失、退色といった美白効果に対しては、更なる向上が望まれている。
 一方、上述のように、肌、皮膚に対するウコンエキスの効果を利用する化粧品は、種々開示されているものの、その作用効果のメカニズムは未だ明らかではなく、抽出方法、エキスの組成によっても効果にばらつきがある。
 本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ウコンの抽出方法、美白化に対する有効成分を検討して、紫外線照射による日焼けをはじめ、老化に伴うシミ、ソバカスの低減、退色、消去により皮膚本来の色、艶をよみがえらせて、美白、美肌を達成させる皮膚外用剤を提供することにある。
 本発明の皮膚外用剤は、クルジオンを含有し、さらにクルクモールを含有してもよい。
 本発明の別の見地による皮膚外用剤は、ウコン(Curucumae Rhizoma)葉のエキスを含有するもので、特にウコン葉を疎水性有機溶剤で抽出した抽出物を含有することが好ましい。また、前記疎水性有機溶剤は、ヘキサン、ジエチルエーテル及び酢酸エチルからなる群より選ばれる1種であることが好ましい。
 本発明の化粧料は、上記本発明の皮膚外用剤を含有するものである。
 本発明のウコン葉粉末から美白成分を抽出する方法は、疎水性有機溶剤で抽出する工程を含む。
 本発明の皮膚外用剤は、経皮的に皮膚内部に取り込まれて、図1に示す反応経路において、チロシナーゼの活性を阻害することにより、シミの原因となるメラニンの生成を抑制し、さらに皮膚のターンオーバーに伴って、すでにできたシミ、ソバカスを退色、低減を期待できるので、化粧料、入浴剤に配合される美白エッセンスとして有効である。また、本発明の皮膚外用剤は、抗菌活性を有しているので、皮脂性の肌のニキビや化膿防止にも有効である。
 本発明の皮膚用外用剤は、下記化学式(1)で示されるクルジオン、すなわち1(10)−ゲルマクレン−5,8−ジオンを含有している。
Figure 2004131498
 さらに、化学式(2)で示されるクルクモールを含有してもよい。
Figure 2004131498
 クルジオン及びクルクモールは、経皮透過性に優れ、皮膚内部に浸透して、図1に示す反応経路において、チロシナーゼ活性を阻害し、これによりメラニンの生成を抑制することができる。また、クルジオン及びクルクモール、特にクルジオンは、大腸菌(Escherichia coli),枯草菌(Bacillus subtilis)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)等の各種バクテリアやカビ類に対して抗菌性を有している。
 本発明の皮膚外用剤は、クルジオン、さらにはクルクモール自体を含有させてもよいし、これらの成分を主成分とするウコン葉の抽出物、特にウコン葉の疎水性有機溶媒による抽出物を含有させてもよい。
 ここで、「ウコン」とは、学術名「Curcumae Rhizoma」で、一般に秋ウコン(鬱金:Curcuma longa)と呼ばれているもの及び春ウコン(姜黄:Curcuma aromatica)と呼ばれているものをいう。
 従来より、ウコンについては、その根茎エキス及びその主成分であるクルクミンの利胆作用が知られており(株式会社南江堂の生薬学改訂第4版参照)、生薬として用いられている。また、近年では、クルクミンの抗酸化作用や根茎エキスの消炎作用を利用して、化粧品の抗酸化剤や抗炎症剤、美白成分等の有効成分にも利用されているが、葉エキスについては、その効能は知られておらず、廃棄されていたのが現状である。
 ウコンの葉の抽出精油の成分は、根茎抽出成分組成と異なっている。ガスクロマトグラフィー及び質量スペクトル分析の結果、ウコン葉抽出成分の含有率が1質量%以上の成分は、1,8−シネロール(1,8−cineole)、レナルール(lenalool)、α−テルピネオール(α−terpineol)、カリオフィレンオキサイド(caryophllene oxide)、クルジオン(curdione)、ゲルマクロン(germacrone)、クルクモール(curcumol)などであり、クルジオン及びクルクモールの含有率は約50質量%である。クルジオンはウコンの根茎エキスにはほとんど含まれておらず、逆に根茎エキスの有効成分として知られているクルクミンは、ウコン葉エキスにはほとんど含有されていない。
 本発明の皮膚外用剤は、クルジオンを有効成分として利用することにより、ウコン根茎エキスよりも優れた美白効果を得ようとするものである。そして、従来廃棄されていたウコン葉を利用することにより、有効成分であるクルジオン及びクルクモールを単独で使用するよりも容易に入手することができ、またウコン葉エキスに含まれているクルジオン及びクルクモール以外の成分(テルペン類など)やミネラルに基づくプラスアルファの効果も期待できる。
 ウコン葉抽出エキスを得るために使用する抽出溶媒としては、供する製品の使用目的、種類あるいは後に行う加工処理等を考慮した上で選択すれば良いが、通常、水;メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール等の低級アルコール;プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ヘキサン、へプタン等の炭化水素類;エチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類などを用いることができる。しかし、美白有効成分であるクルジオン、クルクモールは、ヘキサン等の疎水性有機溶媒に対する溶解度が高いことから、これらの美白成分の含有率が高い抽出物を得るためには、疎水性有機溶剤、好ましくはヘキサン、ジエチルエーテル及び酢酸エチルよりなる群から選択される1種又はこれらの混合物を用いて抽出することが好ましく、より好ましくはヘキサンである。
 抽出に際しては、例えばウコン葉粉末をメタノールで抽出した後、さらにヘキサンで抽出するなど、複数段階で抽出を行ってもよいが、美白成分の含有率を高めるために、疎水性有機溶剤による抽出工程を含むようにすることが好ましい。
 これらの溶媒で抽出したエキス含有溶液をそのまま皮膚外用剤として用いても良いし、必要に応じて濃縮、希釈、濾過、乾燥等の処理をして用いても良い。また、抽出後、疎水性有機溶剤を乾燥等により揮発させてしまって、美白成分の含有率が高い粉末を得るようにしてもよい。
 本発明の皮膚外用剤は、上記ウコン葉エキス、あるいは有効成分であるクルジオン、さらにはクルクモールを適当な溶媒、基剤に含有させて使用してもよいし、上記エキス又はクルジオン(及び必要に応じてさらにはクルクモールを添加)をエッセンスとして、化粧品や医薬部外品に添加してもよい。具体的には、美白料だけでなく、クレンジングクリーム、クレンジングローション、先顔クリーム、石けん等の皮膚洗浄剤;保湿化粧水、柔軟化粧水、収斂化粧水等の整肌料;ミルキィローション、エモリエントミルク、バニシングクリーム等の保護料;マッサージクリーム、マッサージローション、フォームパック、ピールオフパック等の賦活料;入浴剤;パップ剤などに、美白成分として添加してもよい。いずれの場合も、経皮的に有効成分が皮膚内部に取り込まれて、シミ、ソバカスの退色、低減、消失に働くことができる。
 最終製品におけるクルジオンの含有割合又はウコンエキスの含有割合は、最終製品の種類に応じて適宜選択されるが、化粧水の場合、ウコンエキスの含有率は、1〜30質量%程度が好ましく、クルジオン含有率は1〜20質量%程度が好ましい。
 本発明の皮膚外用剤は、最終製品に応じて、抽出物の効果を損ねない範囲で、基剤、保湿剤、増粘剤、界面活性剤類、pH調整剤、防腐剤、香料、保湿剤、紫外線吸収剤、増粘剤、色素、酸化防止剤、キレート成分を配合することができる。
 油性基剤としては、ミツロウ、カカオ油;カルナバロウ、高級脂肪酸、固形パラフィン、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の固形状油性原料;ワセリン、ラノリン等の半固形状油性原料;スクワラン、オリーブ油、ヒマシ油、パーム油、ピーナッツ油、流動パラフィン、オレイン酸、リノール酸、ミリスチン酸オクチルドデシル、シリコーン油などを用いることができる。
 水性基剤としては、グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、ピロリドンカルボン酸及びその塩、コラーゲン、ヒアルロン酸及びその塩、コンドロイチン硫酸及びその塩等の保湿剤;カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルアルコール、キサンタンガム、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシプロピルセルロース、アラビアゴム等の増粘剤などが用いられる。
 界面活性剤としては、イソステアリン酸ポリエチレングリコール、ステアリン酸ソルビタン、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヘキシルデ゛シルエーテル等の非イオン型界面活性剤;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルリン酸ナトリウム等のアニオン型界面活性剤;塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム等のカチオン型界面活性剤;ショ糖脂肪酸エステル、カゼインナトリウム、レシチン、コラーゲン等の天然型界面活性剤などが用いられる。
 pH調整剤としては、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。
 この他、必要に応じて添加され得るものとして、パラジメチルアミノ安息香酸、ウロカニン酸エチル、ジイソプロピル桂皮酸エチル、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、サリチル酸トリエタノールアミン等の紫外線吸収剤;エチルパラベン、ブチルパラベン等の防腐剤;グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等の消炎剤;パルミチン酸レチノール等のビタミンA類、リボフラビン,ニコチン酸アミド等のビタミンB類、コレカルシフェロール等のビタミンD類、dl−α−トコフェロール等のビタミンE類などの抗酸化剤;エリソルビン酸ナトリウム、セージエキス、パラヒドロキシアニソール等の酸化防止剤;ローヤルゼリー、コレステロール誘導体各種アミノ酸等の賦活剤;γ−オリザノール、デキストラン硫酸ナトリウム等の血行促進剤;チタンイエロー、カーサミン、ベニバナ等の色剤;その他の植物エキスが挙げられる、
 〔ウコンエキスの調製〕
 ウコン葉抽出液No.1:
 沖縄産の春ウコンの葉粉末を30%エタノール中に2日間浸漬した後、濾過した。残査を再び30%エタノールで2日間浸漬して、濾過した。得られた濾液(エタノール抽出液)を、減圧濃縮した後、80℃で加熱殺菌し、冷却後、濾過して、ウコン葉エキスを得た。このウコン葉エキス200gを30%エタノール水に溶解して1リットルの溶液とした(ウコン葉エキス含有率20%)。
 ウコン葉抽出液No.2:
 山川町の春ウコンの葉粉末700gをヘキサン4リットル中に2日間浸漬した後、濾過した。残査を再びヘキサン4リットルで2日間浸漬して、濾過した。得られた濾液(ヘキサン抽出液)を、減圧濃縮して、ウコン葉エキスを得た。
 ウコン根抽出液:
 沖縄産の春ウコンの根粉末を30%エタノール中に2日間浸漬した後、濾過した。残査を再び30%エタノールで2日間浸漬して、濾過した。得られた濾液(エタノール抽出液)を、減圧濃縮した後、80℃で加熱殺菌し、冷却後、濾過して、ウコン根エキスを得た。このウコン根エキス200gを30%エタノール水に溶解して1リットルの溶液とした(ウコン根エキス含有率20%)。
 〔活性酸素除去効果〕
 ウコン葉抽出液No.1及びウコン根抽出液について、活性酸素除去機能を、NBT試験により測定した。
 NBT試験は、発色試薬(ニトロブルーテトラゾリウム(NBT)0.24mMとキサンチン0.4mMを含有するpH8.0のリン酸緩衝液)と酵素液(0.049U/mlのキサンチノキシダーゼ含有)を試料液に加え、図2に示す反応により生じるジホルマザンの生成量を測定することにより、キサンチンの酸化により生じた活性酸素ラジカルの消去量を調べる試験である。試料から発生する水素イオン(活性酸素ラジカル除去機能)が多いほど、NBTがジホルマザンに変化する量が減少する。
 ウコン葉抽出液No.1又はウコン根抽出液10μlに、発色試薬100μlを添加して、ミキサーで1分間攪拌した後、酵素液100μl添加して、1分間攪拌して、37℃で28分間加温した。その後、反応停止液(ドデシル硫酸ナトリウム690mM)を20μl添加し、5分間攪拌して、反応を停止させた。560nmでの吸光度Eを測定した。
 酵素液に代えて、ブランク液として蒸留水100μlを用いて、同様に行って、560nmでの吸光度ESBlを測定した。
 コントロールとして、試料水溶液に代えて蒸留水10μlを用いて、酵素液を添加した場合の560nmでの吸光度(EBl)及び酵素液の代わりにブランク液を用いた場合の560nmでの吸光度EBBlを測定した。
 測定した吸光度から、下式に基づいて、活性酸素除去率を求めた。
 活性酸素除去率={1−(E−ESBl)÷(EBl−EBBl)}×100
 ウコン葉抽出液No.1の活性酸素除去率は34.4%であり、ウコン根の活性酸素除去率は63%であった。ウコン葉エキスの活性酸素除去機能は、ウコン根エキスに比べて低いといえる。ウコン根エキスには、水素イオンを発生するクルクミンを含有しているが、ウコン葉エキスの主成分であるクルジオン、クルクモールには、ヒドロキシラジカルの発生が期待できないからと考えられる。
 〔チロシナーゼ活性阻害作用〕
 ウコン葉抽出液No.1及びウコン根抽出液について、メラニンの生成に関与する酵素であるチロキシナーゼ活性の阻害作用を調べた。
 測定は、チロシナーゼ酵素液(0.1単位/mg、10%)と、基質としてL−DOPA(L−ジヒドロキシフェニルアラニン)をpH6〜6.2に保持するリン酸緩衝液(1/15MのNaHPO溶液200mlと1/15MのKHPO溶液800mlの混合液)に溶解させた溶液を使用し、試料液を添加して、ドーパキノンの生成量を測定することにより行った。L−DOPAは、図1に示すように反応して、メラニン生成の元となるドーパキノンを生成し、チロシナーゼ酵素は、この反応に関与している。従って、試料がチロシナーゼ酵素反応を阻害することにより、ドーパキノン生成量を低下させ、結果としてメラニンの生成を抑制することができる。
 具体的には、チロシナーゼ酵素液として、ジャガイモ塊茎から調製したアセトンパウダー1gに、リン酸緩衝液10mlを加えて得られる懸濁液を吸引濾過して得られた濾液を用いた。
 試料液であるウコン葉抽出液No.1又はウコン根抽出液20μlに、基質溶液100μlと酵素液20μlを添加して混合し、30℃で15分間反応させた後、反応停止液として0.1N塩酸を20μl添加した。
 反応後の液について、400nmで吸光度(S)を測定した。
 なお、ブランクとして、試料液及び基質に代えてリン酸緩衝液を使用して、400nmで吸光度(B)を測定した。下式により、チロシナーゼ阻害率を算出した。
 チロシナーゼ阻害率=(B−S)/B×100
 ウコン葉抽出液No.1のチロシナーゼ活性阻害率は14.9%であり、ウコン根エキスのチロシナーゼ活性阻害率は7.7%であった。ウコン葉抽出液は、ウコン根抽出液の約2倍のチロシナーゼ活性阻害作用を有することがわかる。
 〔抽出方法の違いによるウコン葉エキスとチロシナーゼ活性阻害作用の関係〕
 ウコン葉抽出液No.1について、ヘキサンと水で分液し、ヘキサン画分と水画分の双方について、チロシナーゼ活性阻害率を上記方法と同様にした測定した。
 ヘキサン画分のチロシナーゼ活性阻害率は46.9%であったのに対し、水画分は−38%であった。ヘキサン画分ではウコン葉抽出液No.1と比べてチロシナーゼ活性阻害が増大したのに対し、水画分ではチロシナーゼ活性を促進するという逆転現象が認められた。
 ヘキサン画分をガスクロマトグラフィーにかけたところ、主成分は、クルクモールとクルジオンであった。
 〔ウコン葉ヘキサン抽出液に含まれるチロシナーゼ活性阻害作用物質の検索〕
 ウコン葉抽出液No.2をガスクロマトグラフィーにかけたところ、図3に示すような結果が得られた。図3から、ウコン葉ヘキサン抽出液の主成分は、成分2と成分6であることがわかる。
 次に、1gのウコン葉抽出液No.2をmシリカゲルを充填したカラムに注入した後、、ヘキサンと酢酸エチル混合液(ヘキサン:酢酸エチル3:1)、酢酸エチル、クロロホルム、メタノールの順で、展開、溶出した。得られた溶出液の成分を検索したところ、成分2はヘキサンと酢酸エチルの混合液画分に含まれ、成分6は酢酸エチル画分に含まれることがわかった(純度90%以上)。
 上記ヘキサンと酢酸エチルの混合液画分、及び酢酸エチル画分の溶媒を留去したところ、白色結晶が得られた。成分2の収量は0.37gであり、成分6の収量は0.23gであった。
 成分2及び成分6の各結晶について、質量分析及び融点を測定したところ、図4及び図5に示す結果が得られた。成分2はセスキテルペンケトン構造をもつクルジオン、成分6はセスキテルペンアルコールのクルクモールであることが同定できた。
 成分2及び成分6の白色結晶について、チロシナーゼ活性を上記方法に準じて測定した。尚、成分2及び成分6は、いずれも水に溶解しなかったので、少量のジメチルスルフォキシド(DIMSO)に溶解した後、水に分散させて試料液とした。
 成分2のチロシナーゼ阻害活性は、62.1%、成分6のチロシナーゼ阻害活性は55.4%であった。いずれもウコン葉抽出液No.1のヘキサン画分よりも阻害活性が高いことから、ウコン葉に認められるチロシナーゼ活性阻害作用は、クルジオン、クルクモールに基づくことがわかる。
 尚、クルジオン、クルクモールの試料液について、活性酸素除去効果を上記方法に準じて測定したところ、活性酸素除去効果は認められなかった。
 〔化粧水としての効果〕
 ウコン抽出液No.1を精製水で希釈して、ウコン葉エキス2%の化粧水を調製した。
 この化粧水を、朝の洗顔後で化粧前に、及び夜の洗顔後につける化粧水の代わりとして6人のパネラーに、2ヶ月間使用してもらったところ、以下のような結果を得た。
 パネラー1(24歳の女性);シミが薄くなり、肌が白くなった
 パネラー2(60歳の女性);シミが薄くなった
 パネラー3(59歳の女性);シミが2ヶ月程度で半分以下になった。
 パネラー4(46歳の男性);ソバカスが1ヶ月程度で1/4程度にまで減少した。
 パネラー5(37歳の女性);毛穴の黒ずみがなくなった。
 パネラー6(31歳の女性);湿疹やニキビの芯が膿んだりすることなく、とれてきた。
 パネラー1〜4の結果からわかるように、本発明の化粧水は、シミ、ソバカスの退色、低減、消去に効果がある。また、パネラー5については、シミ、ソバカスではないが、本発明の化粧水により黒ずみが減り、色素退色といった美白効果があることがわかる。
 パネラー6については、色素退色といった美白効果ではないが、ウコン葉の抽出物の抗菌効果によるものではないかと考えられる。
 〔抗菌効果〕
 熊本産ウコン葉粉末700gをメタノール4リットルで24時間、室温で抽出し、これを濾過して、メタノール抽出液と残査に分けた。この残査を、再度4リットルのメタノールに浸し、同様に濾過した後、再度この残査に対してメタノール抽出を行った。得られたこれらのメタノール抽出液をまとめて減圧濃縮し、122.1gのメタノール抽出物を得た。
 得られたメタノール抽出物をヘキサン1リットルを用いてヘキサン層とメタノール層とに分液し、それぞれの層を減圧濃縮して、38.7971gのヘキサン抽出物と49.938gのメタノール抽出物に分けた。ヘキサン抽出物とメタノール抽出物の双方について、ペーパーディスク法で、大腸菌を指標として抗菌活性を調べたところ、メタノール抽出物には抗菌活性は認められず、ヘキサン抽出物に抗菌活性が認められた。
 次いで、ヘキサン抽出物を水蒸気蒸留して、精油成分0.323gを得た。この精油成分を用いて、大腸菌を指標に、マイクロプレート法でマイナスコントロールにDMSO、ポジティブコントロールに安息香酸を用いて抗菌試験を行ったところ、安息香酸と同程度の抗菌性を示した。
 このヘキサン抽出成分をシリカゲルクロマトグラフィーを用いて、クルジオン含有フラクション及びクルクモール含有フラクションを得た。各フラクションについて、ペーパーディスク法及びマイクロプレート法で、各種菌に対する抗菌活性を調べた。結果を表1(ペーパーディスク法)及び表2(マイクロプレート法)に示す。
 表中、「+」は抗菌活性があることを示し、その数が多い程、活性が強いことを示している。「−」は抗菌活性がないことを示している。
Figure 2004131498
Figure 2004131498
 表1及び表2の結果から、クルジオン及びクルクモールの含有率は、種々のバクテリア及び一部のカビについて、抗菌活性を有することが確認できた。
 本発明の皮膚外用剤は、高いチロシナーゼ活性阻害作用を有し、また抗菌活性を有しているので、美白用化粧品をはじめ、ニキビ、しみの防止、治療を目的とする皮膚外用剤として用いることができる。
メラニン生成のメカニズムを説明するための反応経路概略図である。 活性酸素除去効果の測定原理を説明するための反応経路概略図である。 ウコン葉抽出液No.2のガスクロマトグラフィーである。 ウコン葉抽出液No.2の成分2のマススペクトルである。 ウコン葉抽出液No.2の成分6のマススペクトルである。

Claims (7)

  1. クルジオンを含有する皮膚外用剤。
  2. さらにクルクモールを含有する請求項1に記載の皮膚外用剤。
  3. ウコン(Curucumae Rhizoma)葉のエキスを含有する皮膚外用剤。
  4. 前記ウコン葉のエキスは、疎水性有機溶剤で抽出した抽出物である請求項3に記載の皮膚外用剤。
  5. 前記疎水性有機溶剤は、ヘキサン、ジエチルエーテル及び酢酸エチルからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項4に記載の皮膚外用剤。
  6. 請求項1〜5のいずれかを含有する化粧料。
  7. ウコン葉粉末から美白成分を抽出する方法であって、
     疎水性有機溶剤で抽出する工程を含む抽出方法。

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