〈全体の構成〉
図1は、本発明の実施例に係る遊技台としてのスロットマシン100の外観を示す正面図である。
図1に示すように、スロットマシン100の中央内部には、外周面に複数種類の絵柄(「7」、「Bar」、「ベル」、「リプレイ」等の文字や記号:図示省略)を配列した円筒状のリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、本体201の内部で回転できるように構成されている。本体201の両サイドには、取手部201cが設けられ、スロットマシン100の運搬の際に利用される。
前面扉101には、リール表示窓113が設けられており、リール110〜112を正面から眺めると、これに施された絵柄がリール表示窓113から縦方向に3つ見えるようになっている。つまり、全リール110〜112が停止した場合、遊技者は、3×3の合計9個の絵柄を見ることができる。これらのリール110〜112が回転し、停止することにより、様々な絵柄の組み合せがリール表示窓113に表示されることになる。なお、本実施形態では、3個のリールを備えるものとしたが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各リール110〜112の裏側には、リール表示窓113上に表示される個々の絵柄を照らすためのバックライト(図示せず)が配置されている。バックライトは、例えば、7色(赤、緑、青紫の三原色と、白色等をはじめとするこれらの混合色)の光を発することが可能であり、各原色に対応したLED等を含んで構成される。
入賞ライン表示ランプ120は、遊技毎に有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ライン114は、スロットマシン100に投入された遊技媒体(本実施形態ではメダルを想定する。)の枚数によって変化する。例えば、図1に示すように5本の入賞ライン114を有する場合、メダルを1枚投入したときは中段の水平入賞ライン、2枚投入したときは、上段の水平入賞ラインおよび下段の水平入賞ラインを加えた3つの入賞ライン、3枚投入したときは更に2本の斜めの入賞ラインを加えた5ラインが有効となり、有効な入賞ライン114上に揃った絵柄の組み合せにより入賞が判断されることとなる。勿論、入賞ラインの数は5本に限定されるものではない。
スタートランプ121は、リール110〜112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、入賞役である再遊技に入賞したとき(例えば、リプレイ−リプレイ−リプレイの再遊技絵柄の組み合せが入賞ライン114上に揃ったとき)、遊技者へ次の遊技が再遊技であることを知らせるランプである。再遊技の場合、次遊技において遊技媒体であるメダルの投入が免除される。
告知ランプ123は、特別な入賞役(例えば、ビッグボーナス(BB)やレギュラーボーナス(RB))に内部当選した状態にあることを遊技者に報知するランプである。メダル投入ランプ124は、遊技開始にあたって遊技者にメダルの投入が必要であることを報知するランプである。
メダル投入枚数表示ランプ125は、遊技者が投入したメダル枚数を表示するランプである。本実施形態では、1回の遊技に最大3枚までメダル投入できるので、縦に配置した3つのランプを用いてメダル投入枚数を表示している。無論、ランプで表示する他に7セグメント表示器等で直接メダル投入枚数を表示しても良い。
払出枚数表示器126は、メダルの払い出しのある何らかの入賞役に入賞したとき、遊技者へ払い出されるメダルの枚数を表示する表示器である。遊技回数表示器127は、ビッグボーナスゲーム中の一般ゲームの回数等を表示する表示器である。貯留枚数表示器128は、電子的に貯留(クレジット)しているメダルの枚数を表示する表示器である。
メダル投入ボタン131,132は、貯留されたメダルをスロットマシン100へ電子的に投入するための投入ボタンであり、いわゆるベットボタンと呼ばれているものである。本実施形態では、3枚メダル投入ボタン131(最大枚数のメダルを投入できる、いわゆるマックスベットボタン)と、1回押下するごとに1枚のメダルを投入する1枚メダル投入ボタン132とを有し、これらのボタンのいずれかを押下することにより遊技に必要な1〜3枚のメダルがスロットマシン100へ電子的に投入される。2枚のメダルを投入する場合は、1枚メダル投入ボタン132を2回押下することとなる。投入されたメダル枚数分は、現在の貯留枚数から減算されて残枚数が貯留枚数表示器128に表示される。
メダル投入口133は、遊技を開始するに当たって遊技者が直接メダルを投入するための開口を有する。メダルを直接投入した際に、メダル投入口直下にあるメダルセレクターユニット(図示せず)内にメダルが詰まってしまった場合は、メダルキャンセルスイッチ133aを操作することによってメダルの詰まりを解消させる。スタートレバー135は、遊技の開始操作として、リール110〜112の回転を開始させるレバー型のスイッチである。
停止ボタンユニット136には、3つの停止ボタン(左停止ボタン136a,中停止ボタン136b,右停止ボタン136c)が設けられている。各停止ボタンは、押下することによって対応するリール110〜112を停止させるボタン型のスイッチである。具体的には、左停止ボタン136aを操作することによって左リール110が、中停止ボタン136bを操作することによって中リール111が、右停止ボタン136cを操作することによって右リール112がそれぞれ停止する。
各停止ボタンの内部にはランプ(図示せず)が設けられており、スタートレバー135が操作された後、リール110〜112の停止操作が可能な状態になると全ランプが点灯し、遊技者に停止操作が可能になったことを報知する。各停止ボタンのランプは各停止ボタンが押下される毎に消灯する。無論、停止操作可能な状態とその他の状態とでランプの発光色を変化させるように構成することもできる。
精算ボタン138は、遊技者が獲得したメダルを精算して排出する精算処理を行う場合に押下されるボタンである。
キー孔139は、扉開閉用のキーを差し込む孔で、キーを差し込んで時計方向に回すとロックが解除され、スロットマシン100の前面扉101を開けることができる。メダル排出口165は、メダルを排出するための開口であり、入賞時に払い出されるメダルはここから排出される。排出されたメダルは、受け皿160に溜まるようになっている。
上部ランプ190、サイドランプ151,152、中央ランプ153,154、腰部ランプ155,156、下部ランプ157,158は、遊技を盛り上げるための演出用のランプであり、遊技状態に応じて点灯/消灯/点滅する。また、図示を省略したタイトルパネルランプによりタイトルパネル140を照明する。更に、装飾を施したスピーカカバーが装着された中央スピーカの音孔173から遊技の効果音が出力される。
本実施形態では、受皿160を透光性材料で構成し、受皿取り付け面からランプ光を入射させることで上記演出用のランプと同様の効果を発揮させるように構成している。また、受皿160には、着脱可能に構成した灰皿ユニット170が設けられている。
また、スロットマシンの上部(リール表示窓113の上方)中央部には、遊技に関する各種の情報(ゲームを盛り上げるためキャラクタ等を登場させるゲーム画面、スロットマシンの内部で異常が発生した場合にエラーの内容を表示するエラー画面など)を表示することができる液晶表示装置180が設けられており、この液晶表示装置180を用いて、各種スイッチ類(例えば、3枚メダル投入ボタン131や1枚メダル投入ボタン132,スタートレバー135,停止ボタン136a〜136c,精算ボタン138等)に生じた動作不良に関する情報も報知する。
次に、スロットマシン100における制御手段として機能する各制御部を詳細に説明する。図2は主制御部300の詳細を示すもので、図3は副制御部400の詳細を示すものである。
〈主制御部の構成〉
まず、図2を用いて、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。
クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU310は、クロック補正回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
また、CPU310には、後述するセンサやスイッチの状態を常時監視するための監視周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。
タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを6MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
また、CPU310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部400においても同様である。
また、CPU310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース360が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、メダル受付センサ320、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算ボタンスイッチ324、リセットスイッチ326、メダル払出センサ327の状態を検出し、各センサを監視している。
メダル受付センサ320は、メダル投入口133の内部の通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバーセンサ321は、スタートレバー135に設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタンセンサ322は、各々のストップボタン136a〜136cに設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
メダル投入ボタンセンサ323は、メダル投入ボタン131、132のそれぞれに設置されており、RAM313に電子的に貯留されているメダルを遊技用のメダルとして投入する場合の投入操作を検出する。たとえば、CPU310は、メダル投入ボタン131に対応するメダル投入ボタンセンサ323がHレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを3枚投入し、メダル投入ボタン132に対応するメダル投入ボタンセンサ323がHレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを1枚投入する。なお、メダル投入ボタン131が押された際、貯留されているメダル枚数が2枚の場合は2枚投入され、1枚の場合は1枚投入される。
精算ボタンスイッチ324は、精算ボタン138に設けられている。精算ボタン138が押されたことを精算ボタンスイッチ324が検出すると、CPU310は、貯留記憶されている貯留メダルの枚数と、メダル投入口133から投入された投入メダルの枚数と、払出を保留されている払出保留メダルの枚数を全て積算して総メダル数を算出し、ホッパモータを駆動させてメダル払出装置から総メダル数分のメダルを払い出す精算処理を行う。なお、メダル払出装置の払出可能なメダル数が精算用の総メダル枚数に満たないために、途中でメダル払出装置が空になった場合、精算処理を中止して、メダル払出装置が空である旨のエラー報知を行う。
リセットスイッチ326は、エラー等の復旧後に操作されると、RAM313の特定エリアをクリアして通常稼働状態に復帰させるものである。メダル払出センサ327は、メダル払出装置によって払い出されたメダルを検出し、適正数の払出制御を行うためのものである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
CPU310には、さらに、入力インタフェース361、出力インタフェース370、371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。
入力インタフェース361には、インデックスセンサ328が接続されている。インデックスセンサ328は、具体的には、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リールに設けた遮光片がこのインデックスセンサ328を通過するたびにHレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
出力インタフェース370には、リールを駆動させるためのリールモータ駆動部330と、メダル払出装置(バケットにたまっているメダルをメダル排出口165から払出すための装置。図示せず。)のホッパモータを駆動するためのホッパモータ駆動部331と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、演出用ランプ等)と、払出枚数表示器126と、遊技回数表示器127と、貯留枚数表示器128とが接続されている。
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器311及び水晶発振器316から発振されるクロックに基いて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。
また、CPU310のデータバスには、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェース371が接続されている。
〈副制御部の構成〉
次に、図3を用いて、スロットマシン100の副制御部400について説明する。副制御部400は、主制御部300より送信された主制御コマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。
クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。
また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。
また、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、各リール110〜112の絵柄を背面より照明するためのバックライト420、RAM413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ421等が接続されている。
CPU410には、データバスを介して主制御部300から主制御コマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されており、入力インタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等が実行される。
また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。
CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、各種演出用のランプへ信号を出力するための出力インターフェース470、主制御部300からのコマンドを受信するための入力インタフェース461、液晶画面制御部500からの信号を入力するための入力インタフェース471、時計IC424、7セグメント表示器440への信号を出力するための出力インタフェース472が接続されている。
時計IC424が接続されていることで、CPU410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器440は、スロットマシン100の内部に設けられており、たとえば副制御部400に設定された所定情報を店の係員等が確認できるようになっている。
更に、出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。即ち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信したデータに応じて上部ランプ190、サイドランプ151,152、腰部ランプ155,156、下部ランプ157,158、リールパネルランプ145、タイトルパネルランプ140a、受皿ランプ160a、払出口ストロボ165a、レストバーランプ601を制御する。
リールパネルランプ145は、リール110〜112を照明するランプであり、タイトルパネルランプ140aは、タイトルパネル140を照明するランプであり、受皿ランプ160aは、受皿160を照明するランプであり、払出口ストロボ165aは、メダル排出口165の内側に設置されたストロボタイプのランプである。また、レストバーランプ601は、後述するレストバー600を照明するランプである。
なお、CPU410は、液晶画面制御部500への信号送信は、デマルチプレクサ419を介して実施する。逆に、CPU410は、入力インタフェース471を介して液晶画面制御部500からの信号を受信する。すなわち、CPU410は、デマルチプレクサ419と入力インタフェース471を介して液晶画面制御部500と双方向通信を行う。この液晶画面制御部500は、液晶表示装置180の表示制御を行う装置である。
〈主制御部メイン処理〉
図4は、本実施形態のスロットマシン100における遊技の基本的制御(主制御部メイン処理)を示すフローチャートである。遊技の基本的制御は、主制御部300のCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、一連の処理を繰り返し実行する。また、このメイン処理の実行中、所定時間毎(例えば、1.877ms毎)にタイマ割込処理が実行され、各種表示の表示更新処理や各種検出器からの検出信号の受付処理などを行う。
ステップS101では、メダル投入およびスタート操作の受付処理を行う。ステップS102では、乱数発生器317で発生させた乱数を取得する。ステップS103では、上記S102で取得した乱数値と、ROM312に格納されている入賞役抽選テーブルを用いて、入賞役の抽選を行う。なお、入賞役の種類は任意に採用することができるが、本実施形態では、レギュラーボーナス(RB)、ビッグボーナス(BB)、小役、再遊技などが存在する。各入賞役には、設定値毎、投入枚数毎に、抽選データが設定されている。
ステップS104では、全リール110〜112の回転を開始させる。ステップS105では、ストップボタン136a〜136cの受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリールを、S103の抽選結果に応じた絵柄で停止させる制御を行う。ステップS106では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン114上に、「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。また、「7−7−7」が揃っていたならばBB入賞と判定する。入賞結果は、入賞結果コードとして格納される。
ステップS107では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、メダル払出装置を作動させて、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。ステップS108では、遊技状態制御処理を実行する。この遊技状態制御処理では、遊技の種類を移行させるための制御が行われ、例えば、BB入賞の場合には、次回からBBゲームを開始できるよう準備し、BBゲームの最終遊技では、次回から通常遊技が開始できるよう準備する。以上により1ゲームが終了し、以降これを繰り返すことにより遊技が進行することとなる。
〈レストバー〉
本発明のスロットマシン100には、遊技者が各種のボタン或いはレバーを操作しながら手を休めることのできる、言い換えると操作中の手の負担を軽減するレストバー600が設けてある。
このレストバー600は、例えば、図1に示すように、スロットマシン100の前面扉101に固定状に設ける。即ち、レストバー600は、遊技者が軽く握ることができるように適宜な外径を有する棒状のレストバー本体部610(以下、本体部610と略称することがある)と、該レストバー本体部610を支えるレストバー支持部620(以下、支持部620と略称することがある)とを備えている。
そこで、図1に示すレストバー600は、前面扉101のほゞ横幅に渡って配設されている。即ち、この支持部620は、左側のサイドランプ152と腰部ランプ156との間、右側のサイドランプ151と腰部ランプ155との間から立ち上がり、各サイドランプ151,155と一体感のあるデザインとされている。
一方、上記のようなレストバー支持部620によって支持されるレストバー本体部610は、1枚メダル投入ボタン132からメダル投入口133までの間隔に渡って横長に配置してある。また、この本体部610は、後述する操作部700に配設したスタートレバー135及び3個のストップボタン136a〜136c(以下、ストップスイッチという)をカバーしている。即ち、本体部610は、スタートレバー135及び3個のストップスイッチを配置した領域に対応する長さを有している。
操作部700は、リール表示窓113の下方にやゝ膨出状に形成した部位であって、前記メダル投入ボタン131、132やメダル投入口133も配設される。従って、前記したような長さを有するレストバー本体部610が、両端をレストバー支持部620によって支持されて、操作部700の前面に臨むことになり、本体部610と操作部700との間に開放した空間部が形成される。このため、レストバー600に載せた手を丸めれば、レストバー600を軽く握ることができる。なお、この状態を、レストバー600に指を掛けた状態といってもよい。
そこで、本発明においては、レストバー本体部610に手を載せた状態、或いは軽く握った状態、或いは指を掛けた状態、即ち、手の一部がレストバー本体部610に接触した状態で、手を左右にスライドさせることができる。また、手をレストバー本体部610に載せた状態であっても、操作部700に配設した各ストップスイッチを操作することができる(図5参照)。
一方、遊技の勝敗を左右する各リール110〜112を停止させるためのストップボタン(ストップスイッチ)136a〜136cが、それぞれのリール110〜112に対応して操作部700に左右横方向に設けてある。そこで、遊技者は、各リール110〜112を一つづつ所望する絵柄で停止させるため、対応するストップボタン136a〜136cを、通常、利き手の親指で左から右へ一つづつ操作する。即ち、手を水平方向に移動させながら各ストップスイッチを操作する必要があり、遊技中は常に手を支えておかなければならないし、各スイッチを頻繁に操作しなければならない。このため、遊技による疲労の主な原因となって、長時間に渡って遊技を行うと疲労が蓄積している。
従って、レストバー600を設けたスロットマシン100によれば、遊技の待機中ばかりではなく、手を移動する際及び操作部700の各ストップスイッチを操作する際であっても、レストバー600により手を支えておくことができるので、手ないし腕を全て筋力で支えておく必要がなく、疲れを低減することができる。
また、レストバー600は、レストバー本体部610に手の一部が触れた状態で、操作部700のメダル投入ボタン131、132(以下、ベットスイッチという)を、人指し指或いは中指で操作可能なように配置してある。このため、遊技に必要な遊技媒体を所謂クレジットにより投入するためのベットスイッチの操作を、レストバー本体部610から手を離すことなく行うことができる。なお、ベットスイッチは、斜め前方(遊技者から見ると手前)に膨出する操作部700の傾斜面に設けてある。このため、レストバー600に手を載せた状態で、人指し指或いは中指による操作が、より容易になっている。
更に、レストバー600は、遊技の開始操作としてリール110〜112の回転を開始させるためのスタートレバー135(以下、スタートスイッチという)を、レストバー本体部610に手の一部が触れた状態で、例えば親指によって操作可能なように、例えば操作部700の前端面(遊技者に対向する面)に配置してある。このため、遊技を開始する操作を、レストバー本体部610から手を離すことなく行うことができる。
そこで、レストバー600に手を載せた状態で、即ち、大きな筋力を使わずに手ないし腕を支えた状態で、遊技操作において繰り返し行なわれる、遊技媒体の投入操作と、リールの回転停止操作とを、少なくとも行うことができる。しかも、レストバー600に載せた手を、遊技の流れに沿って、左から右へとスライドさせながら、各スイッチを操作していけばよい。
また、レストバー600は、スタートスイッチをもカバーする長さを有しているので、レストバー600に手を載せた状態で、例えば親指で操作することができる。従って、遊技媒体の投入、遊技の開始、各リールの停止操作の何れも、レストバー600から手を離すことなく可能である。
具体的には、先ず、ベットスイッチ(メダル投入ボタン131、132)を操作してメダルを投入し、その後、最も左側に配置されたスタートスイッチ(スタートレバー135)を操作してリール110〜112の回転を開始させ、次いで、左側のストップスイッチ136aを操作して左リール110を停止させ、次に真ん中のストップスイッチ136bを操作して中リール111を停止させ、最後に右側のストップスイッチ136cを操作して右リール112を停止させることができる。
即ち、遊技における一連の操作を、レストバー600から手を離すことなく、左側から右側へ手をスライドさせながら、リズムに乗って流れるように行うことができる。従って、疲れを軽減することができるばかりではなく、リズミカルな楽しい遊技が可能である。
前記した図1に示す実施例では、レストバー本体部610が、スタートスイッチを含めてスイッチ及びストップスイッチをカバーする長さを有しているが、本体部610は、遊技中、最も頻繁に操作される各ストップスイッチをカバーする長さを有していれば、充分に疲労の軽減に役立つ。
即ち、レストバー本体部610は、操作部700に配置した3個のストップスイッチの横幅とほゞ等しい長さを少なくとも有していればよく、この本体部610をレストバー支持部620によって操作部700の前面に臨ませる。
そこで、レストバー本体部610に手を載せた状態、或いは軽く握った状態、或いは指を掛けた状態、即ち、手の一部がレストバー本体部610に接触した状態で、手を左右にスライドさせながら、操作部700に配設した各ストップスイッチを、例えば親指で操作することができる。
従って、遊技中、最も頻繁に操作する操作部700の各ストップスイッチを操作する際に、手ないし腕を全て筋力で支えておく必要がないので、疲労を低減することができ、長時間に渡って遊技を継続しても疲労感が蓄積することが少ない。
前記した実施例では、レストバー本体部610は、レストバー支持部620により前面扉101に対して固定状に設けられている。しかし、レストバー支持部620を可動式とすることもできる。例えば、レストバー本体部610と前面扉101の前面との間隔を調整するように、支持部620に摺動手段(図示せず)を設けて高さを変更可能に構成する。この高さの変更は、レストバー本体部610と前面扉101との間に形成する開放した空間部の大きさを変更すると言い換えることもできる。
このようにレストバー支持部620を可動式とすれば、遊技者の手の大きさに合せて、各スイッチとの間隔を調整可能とすることができ、遊技者の好みに合せることが可能である。従って、疲労感を更に大幅に低減することができる。
本発明におけるレストバー600は、レストバー本体部610をレストバー支持部620に対して回動可能に構成してもよい。即ち、レストバー本体部610とレストバー支持部620との間を、例えば軸着構造にして、本体部610を回転可能に構成すればよい。
このように、レストバー本体部610を回動可能に構成すれば、操作時に手首の負担が軽くなると共に、移動時も楽に動かせる。このため、疲労をより一層低減させることが可能になる。
図6に示す実施例では、レストバー600に、光による装飾手段を設けている。この装飾手段は、例えば、レストバー本体部610を透光性のある部材により形成し、レストバー支持部620に発光ダイオード(LED)やランプ等の光源を備える発光基板640を設けて、レストバー本体部610を照射するように形成する。なお、この発光基板640とサイドランプ161,152に内蔵したLED基板151a,152bとを接続すれば、発光基板640に対して容易に電源を供給できる。
また、左右の発光基板640で異なる色彩で発光させれば、レストバー600本体の途中で混ざり合うため、色彩の変化を楽しむことができる。更に、各リールに対応する位置に発光ダイオードを配置すれば、各リールの回転・停止に合せて点灯・消灯させることができるし、逆に、発光ダイオードの点灯・消灯或いは点滅により、リールを停止させる順番を指示したり、停止させるタイミングを指示することも可能である。
光による装飾手段は、光源を持たなくてもよい。即ち、レストバー本体部610の内面に凹凸加工を施して所謂レンズカット部641を設け、光の乱反射を利用して模様を浮き出させるようにしてもよい。このようにすれば、安価に装飾効果の高いレストバー600を提供することができる。
このように、光による装飾手段を設けておけば、影或いは死角が生じることがなくなるので、不正遊技を行うための機器を隠して取り付ける場所がなくなる。勿論、凹凸加工を施したレストバー本体部610を、前記した光源により発光するようにすれば、より効果的な装飾を施すことができる。
本発明におけるレストバー600は、レストバー本体部610の内部に光源として、例えば蛍光管642等を内蔵させて、ストップスイッチ等の操作部700を照明する構成とすることもできる。このようにして、操作部700を照明すれば、操作部700に設けた種々のスイッチ類が見易くなるし、不正遊技を行うための機器を万が一取り付けられた場合であっても、発見が容易になる。なお、この蛍光管642や前記した発光基板640がレストバーランプ601となる。
一方、照明する光が強すぎたり、光源が直接目に入ると、目が疲れてしまう。そこで、レストバー本体部610の遊技者側には、反射シールを設けるなどして、適宜遮光するように構成するとよい。
レストバー本体部610の材質は、透光性を有しており、透明であることが好ましい。例えば、ABS等の硬質プラスチックで形成することができる。また、このレストバー本体部610の周囲に、ゴム、合皮等の軟質材を巻き付けるなどして、感触のよいクッション材を設けるようにしてもよい。或いは、このクッション材を前記した照明の際の遮光に利用することもできる。
ところで、前記クッション材を着脱可能に構成すると、更に興味深い使い方が可能になる。即ち、堅さや太さ或いは質感の異なるクッション材を複数種類準備しておき、遊技者は自分の趣向にあったクッション材を選択して使用することができる。更に、遊技者が自分専用のクッション材を用意すれば、台を移動した際、或いは異なる機種で遊技する際も、同じ感覚の環境で、言うなれば自分好みの環境で遊技が可能になる。
本発明に係るスロットマシン100における操作部700に設けるスタートスイッチ(スタートレバー135)は、従来のように上下(前後)に可動するレバー式のものでもよいが、例えば図7(a)に示すように、押しボタン式とすることもできる。
スタートスイッチを押しボタン式とした場合には、ストップスイッチ136a〜136cと同様に親指によって操作すればよく、ストップスイッチと同じ操作感覚で操作可能である。また、レバー式のスタートスイッチを採用する場合には、可動方向を上下(前後)に限定することなく、左右にも可動可能として操作性を向上させるようにしてもよい。
本発明に係るスロットマシンのレストバー600には、遊技者が手を載せる或いは指を掛けることのできるスライド部材650を、レストバー本体部610に対して左右にスライド可能に取り付けている。即ち、例えば図7(b)に示すように、円筒状のスライド部材650を棒状のレストバー本体部610に遊嵌すればよい。
そこで、この左右にスライド自在なスライド部材650に手を載せて、左右に手をスライドさせる場合には、手の皮膚とレストバー本体部610との間に摩擦が生じない。このため、遊技を長時間に渡って実行しても、摩擦による障害、例えばマメができるとか、皮が剥けるという問題が発生することがなく、遊技者の手を支えて疲労を軽減するという効果と相俟って、長時間に渡る快適な遊技を可能にする。
なお、前記したクッション材と、このスライド部材650とを組み合わせることも可能である。即ち、クッション機能を備えるスライド部材650、或いはスライド可能なクッション材を構成すると、個々の遊技者により一層適合した遊技環境を提供可能になる。そして、長時間に渡って遊技を継続しても、疲れを感じることが少なくなる。
前記したスロットマシン100におけるレストバー600の説明では、レストバー本体部610の両端を、左右一対のレストバー支持部620によって支持したレストバー600を説明しているが、レストバー600は所謂片持ち式のものであってもよい。即ち、レストバー支持部620は、レストバー本体部610の少なくとも一端を支持して、当該レストバー本体部610を操作部700との間に開放した空間部を形成するように臨めばよい。例えば図7(c)に示すように、スロットマシンに向って右側に設けた支持部620によって、レストバー本体部610を操作部700の前面に臨ませ、レストバー本体部610の左側先端部をスタートスイッチ(スタートレバー135)の右側に臨ませる。
このように構成したレストバー600によっても、手をレストバー本体部610に載せた状態、或いは軽く握った状態、或いは指を掛けた状態で、各スイッチを操作することができる。このため、手ないし腕を全て筋力で支える必要がなく、長時間に渡って遊技を行っても疲れを感じることなく各スイッチを操作することができる。
また、このような構成のレストバー600は、極めてコンパクトに構成可能であり、従来のスロットマシンに対しても容易に適用することが可能である。
更に、レストバー本体部610の形状は、直線状ばかりではなく曲線状に形成することもできる。即ち、従来の操作部700の形状をそのまま利用可能なように、従来の各スイッチの配置に対応してレストバー本体部610を形成すれば、従来の操作部700を生かした効果的なレストバー600を提供することができる。
なお、レストバー本体部610の断面形状は、円形ばかりではなく、手を載せ易く且つ左右に移動し易い形状ならば、どのような形状であってもよく、全長に渡って同じ形状である必要もない。例えば、指の形状に対応して波形の指掛け部を形成してもよいし、また斜面部を有すると共に角部を曲面に形成したおむすび型、鳥の翼の断面のような翼型、水滴或いは涙のような形状など、適宜な形状とすることができる。
そして、レストバー本体部610と操作部700との間には開放した空間部が形成されている。この空間部は、本体部610を握り易くするばかりではなく、開放されているため、ホコリ等が溜まることを防ぐと共に、周囲の清掃を行い易くする。また、開放されて死角が少ないので、空間部が不正遊技のための加工や機器を隠す場所を提供することがない。
図8は、本発明の他の実施例を示すスロットマシン100の斜視図であり、図9は、該スロットマシン100の前面扉101を開いた状態の斜視図である。この実施例においては、レストバー600がスロットマシン本体201に可動可能に設けてある。なお、前記した実施例と同じ機能を有する部材には、同一の符号を付して説明を省略する。
この実施例においても、レストバー本体部610は前記した実施例と同様に、各スイッチを操作可能なように、操作部700の前面に臨んでいる。従って、レストバー本体部610に手を載せた状態、或いは軽く握った状態、或いは指を掛けた状態で、ベットスイッチ(メダル投入ボタン131,132)、スタートスイッチ(スタートレバー135)、ストップスイッチ(ストップボタン136a〜136c)を操作可能であって、疲れを低減できる。
この実施例では、前記のようなレストバー本体部610を支えるレストバー支持部620は、スロットマシン本体201の側面に、取付軸621を介して可動可能に軸着されている。そして、図9に示すように、レストバー600を本体201の上方に完全に跳ね上げた状態でなければ、前面扉101を開放することができないように構成するとよい。
また、このレストバー600の可動状態を検知する可動検知手段(図示せず)を設け、この可動検知手段の検知結果に基づいて作動する報知手段を設けるとよい。この報知手段は、ランプや警告音を発するスピーカー等、どのようなものであってもよいが、例えば、前記したレストバー本体部610に設けた装飾手段を、通常とは異なる発色で点灯或いは点滅させたり、発光色を変えると共に点灯/点滅パターンを変化させることで構成することもできる。このためには、光による装飾手段における点灯色及び/又は点滅パターンを変化させる装飾制御手段(図示せず)を設ければよい。
更に、レストバー600を可動可能に設け、所望の位置で停止可能とすることで、当該レストバー600の高さを変更することもできる。即ち、レストバー600の可動停止位置を調整し、遊技者が最も操作部700を操作し易い位置で停止させれば、遊技者は自分の好みに応じてレストバー600の高さを合せることができる。一方、レストバー600を不要と思う遊技者は、このレストバー600を例えば前面扉101の前面から外れる位置に跳ね上げてしまえば、レストバー600が操作部700の操作を邪魔することや各リール110〜112の視認性を損ねることがない。このため、遊技者は、レストバー600が存在していても、従来のスロットマシンと同じ感覚或いは手順で各スイッチを操作できる。
そして、本発明に係るスロットマシン100は、前記した可動状態を検知する可動検知手段と装飾制御手段とを利用すると共に、レストバー600を所定の位置に固定する固定手段を設けることにより、更に効果的なスロットマシンとすることができる。即ち、前記したように、レストバー600の可動状態を検知する可動検知手段及び装飾制御手段により、レストバー600が停止する位置に基づいて発光色を異ならせる。そこで、例えば、スロットマシン100が空いているとき、即ち遊技者が付いていない休止中の台については、レストバー600を前記固定手段により休止位置となるように設定すると共に、休止中の発光色を決めておけば、レストバー600の発光色を見て、空き台であるか否かを一目で判別可能である。
また、スロットマシン100の内部に不正な改造を加えるためには前面扉101を開放しなければならないが、前面扉101を開放するためには、レストバー600を開放可能となる位置に可動させなければならず、レストバー600を可動させると、発光色、或いは点灯/点滅パターンが、通常時とは異なる状態になるため前面扉101の開放操作が容易に発見されてしまう。このため、レストバー600が、不正遊技の抑止力として機能する。しかも、レストバー600の状態を、遊技店の管理室において監視するようにすれば、各スロットマシン100の稼動状態を把握可能であるし、不正遊技の監視も可能である。
更に、レストバー600を可動させると、レストバー600が下がった状態では見え難かった当該レストバー600の裏側や下面部分が、見易くなる。このため、不正遊技を行うための機器をレストバー600に隠して取り付けても、簡単に発見されてしまうので、レストバー600を可動可能に設置することは、不正遊技対策の面からも有効である。
図10は、本発明の更に他の実施例を示すスロットマシン100の斜視図である。この実施例においては、レストバー600を島設備、例えば遊技媒体であるメダルの貸出機800に設けている。また、この実施例においては、操作部700をレストバー600自身に設けている。
即ち、複数のスロットマシン100を列設する遊技島において、隣り合うスロットマシン100の間には、遊技媒体であるメダルを貸し出すメダル貸出機800が配置してある。そこで、この実施例では、メダル貸出機800にレストバー600を設けている。なお、このレストバー600は、メダル貸出機800に対して回動可能に構成してあり、スロットマシンの前面扉101を開放する際に邪魔にならないように構成してある。
このように、レストバー600をメダル貸出機800等の島設備に設けるときは、スロットマシンを入れ替える場合であっても、レストバー600をそのまま利用可能である。従って、コスト削減や省資源或いはリサイクルの観点から極めて有効である。
また、この実施例においては、操作部700をレストバー600に内蔵させている。即ち、ベットスイッチ710、スタートスイッチ520、ストップスイッチ731,732,733を、レストバー本体部610に内蔵させている。言い換えると、スロットマシン100側には、操作部700を設けていない。従って、スロットマシン100を極めてシンプルに構成することが可能になると共に、新台の入れ替えに際しては、より一層コストの削減及び省資源化に寄与することができる。
一方、このシンプルに構成したスロットマシン100にあっても、従来のスロットマシンと同様に、絵柄を表示するリールを備え、メダルを投入することにより遊技を開始し、ストップスイッチを操作することで、リールの回転を停止し、表示した絵柄の組み合わせによって当りを判定するものである。また、スロットマシンは、演出表示のための表示装置を備え、前面扉101の上方には音孔173が左右に設けられ、また下方にも音孔173が設けられ、効果音を出力するようになっている。なお、音孔173を島設備である例えば幕板や腰板等に設けてもよい。
そして、この操作部700を内蔵するレストバー600においても、遊技者は手を載せた状態、或いは指を掛けた状態で、操作部700に設けた各スイッチ710,720,731〜733を例えば親指で操作することができる。従って、手ないし腕を全て筋力で支えている必要がないので、疲労を著しく低減することができる。
ところで、この実施例では、遊技媒体としてメダルを使用しているが、実際のメダルを使用することなく、メダルに相当する電子情報を授受することで遊技が可能なスロットマシン100とすることもできる。例えば、遊技者がメダル貸出機800に紙幣或いは硬貨を投入し、投入した金額に基づいて貸し出したメダル情報を、遊技店の管理装置へ送信する。管理装置では受信したメダル情報を記憶し、レストバー600に設けたベットスイッチ710を有効にすると共に、該ベットスイッチ710の操作に基づいて記憶したメダル情報を減算する。一方、スロットマシン100では、ベットスイッチ710の操作に基づいて遊技開始の準備し、レストバー600に設けたスタートスイッチ720の操作に基づいてリールの回転を開始する。そして、レストバー600に設けたストップスイッチ733〜733の操作に基づいて各リールを停止し、当落の判定を行う。当りの場合には、賞としてメダルが供給され、このメダル供給情報が前記管理装置のメダル情報に加算される。
このようにすれば、メダル情報を始め、遊技に関する種々の情報を遊技店の管理装置によって管理することができる。一方、スロットマシン100は、遊技の演出表示に専念することができる。そして、スロットマシン100は、リールや演出表示装置、或いはタイトルパネル等を、例えば液晶表示パネル102によって構成することができる。従って、スロットマシン100から機械的な構成を排除することが可能になり、スロットマシン100をきわめてシンプルに構成することが可能になる。
そして、このようなスロットマシン100によれば、プログラムの変更により、表示内容を変更可能なので、プログラムを入れ替えることにより、機種の変更と同等の効果を得ることができる。
なお、前記した実施例では、実際に貨幣を投入するメダル貸出機800について説明したが、所謂プリペイドカードを利用したメダル貸出機800に適用できることはいうまでもない。また、遊技の結果、獲得したメダル(メダル情報)をカードに書き込むことも可能である。
そして、本発明におけるレストバー600は、スロットマシン100の前面扉101、或いはスロットマシン本体201と一体感のある、或いは統一されたデザインとなるように工夫されている。
例えば、図5の側面からの説明図に示すように、レストバー本体部610は、サイドランプ151と腰部ランプ155との間に、サイドランプ151から腰部ランプ155を介して受皿160に連なる曲線を阻害しないように形成してある。
従って、従来のスロットマシン100のデザインを引き継いだ形状とすることが可能である。一方、図10に示すように、全く新しい斬新な形状とすることもできる。
前記したように、レストバー600をスロットマシン100の前面扉101に設ける場合には、前面扉101と一体感を形成するデザインとすることができ、機種毎に対応可能である。また、レストバー600を前面扉101を開放するときの手がかりとすることもできる。
一方、レストバー600をスロットマシン本体201に設ける場合には、機種毎にデザインを変更しなくてもよい。また、スロットマシン本体201に対して強固に取り付けることが可能なので、遊技者が叩くなど、悪戯をした場合にも充分に対処できる。
以上、本発明を図示の実施例について説明したが、本発明は前記した各実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した構成を変更しない限り適宜に実施できる。例えば、前記した実施例は全て右利きの遊技者が右手で操作することを前提としているが、左利きの遊技者でも対応可能である。