以下に、遊技球を受け入れた上で遊技が開始される遊技機に関する一実施の形態につき図面に基づいて説明する。
本実施の形態における遊技機は、遊技に際して所定数の遊技媒体(遊技価値)としての遊技球(例えばパチンコ機と同様の遊技球:パチンコ球)を必要とし、所定条件が成立した場合には複数の遊技球、場合によっては大量の遊技球が払い出されるよう構成されている。なお、遊技球はパチンコ球に限られず、広義には鋼球であればよい。
まず、遊技機1の外観構成及び内部構造の概略を説明する。ここで、図1は遊技機1の全体を示す斜視図、図2は遊技機1の正面図、図3は遊技機本体と前面扉4とを展開して横に並べて示す正面図、図4は遊技機1の背面図である。なお、図2には、遊技機1に併設される球貸し装置Aも図示している。
図1〜図3に示すように、遊技機1は、本体枠としての外枠2と、外枠2の前部に設けられ外枠2の一側部にて開閉可能に支持された前面枠3とを備えている。この場合、外枠2と前面枠3とは、その左端の上部及び下部においてヒンジ31,32により開閉可能に連結されている。外枠2は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって、全体として矩形状をなす。また、前面枠3は、外形寸法が外枠2よりも僅かに小さな四角枠状の板材よりなり、外枠2の前面に当接するようにして設けられている。前面枠3には、その裏面から外枠2の内周面に沿って背面側に延びる裏セット盤16が取り付け固定されており、その裏セット盤16に、後述するベルトユニットや、遊技球の受入又は払出のための装置(いわゆる裏セット)や、各種制御基板等が搭載されるようになっている。本実施の形態では、基本的に外枠2、前面枠3及び該前面枠3に設けられる裏セット盤16等により遊技機本体が構成されている。
前面枠3の前面側には、当該前面枠3に対して開閉可能な開閉扉としての前面扉4が設けられると共に、この前面扉4の下方に下皿ユニット5が設けられている。すなわち、前面枠3の前面側は前面扉4と下皿ユニット5とにより覆い隠されるようになっており、前面扉4が開放されることにより、下皿ユニット5よりも上方の前面枠3及びそれに搭載された各種機構(ベルトユニット等)が前方に露出されるようになっている。前面枠3と前面扉4とは、その左端の上部及び下部のヒンジ33,34により開閉自在に連結されている。従って、前面扉4は、前面枠3に対してその左側部を中心に右側部が回動される。
前面扉4及び下皿ユニット5の前面は、遊技機全体として一体的な外観をなすよう連続的な立体形状にて形成されており、遊技機1の概ね外周全体で環状をなしかつ遊技機前面に突出する環状部6,7を有する。環状部6,7は遊技機正面から見てほぼ左右対称の形状をなす。これら環状部6,7には、発光ダイオード等よりなる発光体8,9が多数埋設されており(図2右下の一部破断部参照)、遊技に際しこの発光体8,9が発光することにより、例えば環状部6,7が一斉に又は遊技機外周を周回して光るようになっている。環状部6のうち、最上部に位置するトップ部6aは他の部位よりも一層前方に突出しており、トップ部6aには、左右一対のランプ表示部10が設けられると共に、同じく左右一対のスピーカ11が設けられている。また、環状部6において高さ方向中央部付近には、内側に括れた括れ部6bが設けられ、その括れ部6bにもランプ表示部12,13が設けられている。
環状部6,7(発光体8,9)やランプ表示部10,12,13等は、表示内容の多様化や表示演出の重厚化等を意図しつつ遊技の際の補助演出を行うために設けられるものであって、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行する。例えば、ビッグボーナスゲームを獲得しうる状態になったときに、環状部6,7(発光体8,9)を一斉に又は周回させるように発光させたり、全てのランプ表示部10,12,13を点灯又は点滅等させたりすることで、遊技者への告知が行われる。
一方で、実際の遊技ホールでは、図2に示すように、遊技機1の向かって左側には球貸し装置Aが設けられ、この球貸し装置Aへの紙幣や硬貨等の投入によりノズルBを通じて遊技球が遊技機1(実際には後述する上皿18)に供給されるようになっている。ノズルBは、基部Cを中心にして手前側に回動可能に、かつ上方に跳ね上げ可能に構成されている。かかる場合、ノズルBが図示の如く球供給位置にあると、このノズルBと、前述した前面扉4前面の環状部6とが干渉するおそれが生ずるが、本実施の形態では、環状部6の括れ部6bの一部に切り欠き状の凹部15が形成されており、この凹部15にノズルBの中間部位が配置されるようになっている。詳しくは、凹部15は、上皿18の直上となる高さ位置に、かつ後述する操作部100(遊技機前面の膨出部)の上面と連続面をなすようにして設けられている。また、凹部15は、ノズルBが回動して球供給位置に配置されるのに支障のない十分な高さ方向の寸法を有する。
上記凹部15により、遊技機1前面の立体的な造形にかかわらず、ノズルBを介して遊技球の補充が好適に実施できる。また、凹部15には、他の環状部6と同様に発光体8が埋め込まれている。故に、凹部15が切欠き状に設けられたとしても、環状部6,7は凹部15も含むようにして発光し、その全体の印象が損なわれることはない。なお、凹部15の上面壁を、手前側が上位となる傾斜面としても良い。これにより、凹部15内に配置されたノズルBを上方に跳ね上げる際、凹部15の傾斜面に沿わせて容易にその跳ね上げを行うことができる。
本実施の形態における遊技機1は、現実の遊技球の受入を必要条件として遊技が行われ、所定条件の成立に伴い所定個数の遊技球の払出が行われるよう構成されている。遊技媒体として遊技球を用いるための構成を以下に説明する。すなわち、図3に示すように、前面枠3に取り付け固定された裏セット盤16には、その前面側下方に上皿形成体17が着脱可能に取り付けられている。図5は、上皿形成体17の構成を示す斜視図である。
上皿形成体17には貯留部としての上皿18が形成されており、その上皿18は、受入装置23への投入口に通じる主上皿部18aと、その上流側に位置する副上皿部18bとを有する。基本的に、主上皿部18aは、後述する払出機構より払い出された遊技球を貯留するものである一方、副上皿部18bは、球貸し用のノズルB(図2参照)から供給される遊技球を受け取り、主上皿部18aへ導くものである。主上皿部18a内の遊技球は、球案内部19を通じて投入口に流れ込み、この投入口より受入装置23(図3参照)に給送される。球案内部19は遊技球を一列に整列させて球出口に供給することができるようになっており、球案内部19にはステンレスカバー(保護カバー)20が取り付けられている。主上皿部18a及び副上皿部18bは折り返すようにして前後に重複して設けられ、副上皿部18bは図5の左側に向けて幾分下方に傾斜し、主上皿部18aは図5の右側に向けて幾分下方に傾斜している。故に、主上皿部18a及び副上皿部18b内の遊技球は順序よく下流側に流れ、受入装置23へ向けて案内される。
上皿形成体17の左右両端部には装着固定部21が設けられており、この装着固定部21を裏セット盤16側に締結することにより、上皿形成体17が裏セット盤16に装着されるようになっている。装着固定部21の締結解除により、上皿形成体17が裏セット盤16から離脱される。装着固定部21は裏セット盤16に対して着脱自在であればその締結手法は任意でよく、裏セット盤16側に設けた被締結穴に締結具(例えばナイラッチ(登録商標))を押し込むワンプッシュ式の締結手法や、裏セット盤16側に設けたネジ穴に雄ネジを螺着する手法等が適用できる。
そして、上皿形成体17が裏セット盤16に装着された状態で、前面扉4が閉じられると、裏セット盤16と前面扉4との間で上皿形成体17が固定される。上皿形成体17にはその長手方向に延びるフランジ22が設けられており、このフランジ22が前面扉4の裏面に挟持されるようになっている。すなわち、フランジ22を挟み込むように前面扉4の裏面の対応位置には挟持用凹所が形成されていることから、前面扉4の閉状態時において上皿形成体17の脱落が防止されるとともに、上皿18に貯留される大量の遊技球の重量をも支えることができる。また、図1や図2に示すように、前面扉4のうち、上皿形成体17に対応する部分(操作部100)は前面側に膨出しており、かつその膨出部の上面が開口している。このため、前面扉4が閉状態にあるときには、上皿形成体17の上皿18が膨出部(操作部100)の上方に開放されるようになる。以上の構成により、上皿形成体17を遊技機本体又は前面扉4から容易に取り外すことができるとともに、上皿形成体17を取り外した上で、上皿18(特に球案内部19)の清掃作業等が行いやすくなる。また、後述する操作部100等の点検、修理等が前面扉4の裏側から行いやすくなる。つまり、メンテナンス性の向上が図られる。前面扉4の膨出部分は操作部100となっており、前面扉4のうち、操作部100の直上には表示部120が設けられている。これら操作部100及び表示部120の構成については後述することとする。
受入装置23(図3参照)は裏セット盤16に設けられており、遊技者による操作に基づき受入装置23を介して例えば15個等の所定個数の遊技球が受け入れられる。そして、所定個分の遊技球が受け入れられることで遊技(ゲーム)の開始条件が成立し、遊技開始の準備が整えられるようになっている。このとき、受け入れられた遊技球は、図示しない排出経路を介して遊技機外部に排出される。
裏セット盤16の裏側には、遊技中の所定条件の成立時において遊技球の払出を行う払出機構が設けられている。すなわち、図4に示すように、裏セット盤16の裏側の最上部にはタンク25が設けられており、このタンク25には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク25の下方にはタンクレール26が連結され、更にタンクレール26の下流側にはケースレール27が連結されている。払出装置28はケースレール27の下流側に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が行われる。そして、払出装置28より払い出された遊技球は遊技球通路ユニット29を通じて前記上皿18に供給される。
タンクレール26、ケースレール27、払出装置28等の払出機構は、後述するベルトユニット70(実際には、同ベルトユニット70を包囲する保護カバー135)を迂回するようにして配置されている。また、図4(遊技機1の背面図)では右端の上下部分で前面枠3が開閉可能に軸支されており、前述の払出機構は軸側に配置されている。この場合、払出機構には多数の遊技球が貯留されその重量は自ずと大きくなるが、払出機構が軸側に設けられるため、前面枠3の開閉を支障なく行うことができるようになる。またこのとき、軸部材(ヒンジ31,32)にかかる重量負担が軽減されるため、同軸部材(ヒンジ31,32)を保護する効果も併せて得られる。払出機構と同様に前記受入装置23も軸側に設けられていることから、遊技球の取り扱いに関する機構が全て軸側にまとめられ、遊技球の流れに関する不具合時の対応も容易になる。
受入装置23が作動すると、それに伴い上皿18にある遊技球が所定個数ずつ受け入れられる。また、遊技中に所定条件が成立した場合には、払出装置28が作動し、これによりタンク25に貯留されている遊技球が、遊技球通路ユニット29等を介して基本的には上皿18に払い出される。
一方、図1等に示すように、前面扉4の前面下方に設けた下皿ユニット5には下皿41が形成され、下皿ユニット5の奥方の側面には下皿排出口42が形成されている。前記上皿18に遊技球が満タンに貯留されている状態であって更に払出装置28から遊技球が払い出される場合には、下皿排出口42を介して下皿41に遊技球が払い出される。下皿排出口42の上方にはスピーカ43が設けられている。下皿41に隣接して灰皿44が形成されている。
前面扉4前面の膨出部よりなる操作部100は、その下面が台形状(凸状)に切り欠かれており(実際には、後述するストップボタン操作面113の下方部分が切り欠かれている)、その切り欠きにより形成された領域にスピーカ43が設置されている。スピーカ43は、上下方向に限られた空間で十分な音量を確保するため横長の形状をなす。操作部100の下方空間(切り欠きによりできた空間)は、下皿41に貯まった遊技球を掻き出すために手を差し入れる空間でもある。この場合、操作部100の下方空間において、スピーカ43は、その上方及び左右が操作部100により、下方が下皿41(下皿ユニット5)によりそれぞれ囲まれるようになっている。
下皿ユニット5には球抜き穴45が形成されており、球抜きボタン46を押すことで図示しない球抜き機構が連動し、下皿41に貯まった遊技球が球抜き穴45から下方に排出されるようになっている。
図3,図6に示すように、前面扉4を閉じた状態において、当該前面扉4にはベルトユニット70のすぐ前方位置に前面パネル60が配設されており、その前面パネル60には3つの表示窓61,62,63が設けられている。各表示窓61〜63は横並びとなるように設けられ、各表示窓61〜63を通して内部が視認可能となっている。
また、前面パネル60の背面には、これも同様にパネル状をなすフロントライト部材64が重ね合わせるようにして取り付けられている。フロントライト部材64は発光手段を構成するものであり、光源(ライト)と、光源からの光をパネル面に沿って導入しかつパネル面に略垂直な方向に反射させパネル外部へ発する透明な導光パネルとを有して構成されている。つまり、このフロントライト部材64によればその後方に向けて略垂直に面発光が行われ、後述するベルトユニット70のベルト表面(図柄)が明るく照射されることとなる。この場合、表示窓61〜63による図柄の視認範囲に対して面発光が行われる。なお、本実施の形態では、表示窓61〜63毎に個別に光源が設けられている。すなわち、図3に示すように、それぞれ光源65,66,67及びそれらに対応したインバータ65a,66a,67aが、個別に設けられている。
次に、表示装置としてのベルトユニット70の構成を図3、図6〜図8を用いて説明する。図7は、ベルトユニット70を遊技機本体から取り出して示す斜視図であり、同図には、当該ベルトユニット70の前面、すなわち図柄表示面を左手前側に示している。また、図8は、ベルトユニット70を背面側より見た正面図である。
ベルトユニット70は、前面扉4の裏側において前方より裏セット盤16に設置されている。すなわち、ベルトユニット70は、四角ボックス状をなす金属製のケース80(ケース部材)を具備している。ケース80はベルトユニット70の背面側の背面部80aと左右及び上下の側壁部80bとよりなる。また、ケース80には、その一部を折り曲げ形成することにより上部2カ所に被固定部としての支持固定部81が設けられている。そして、支持固定部81に取付金具82が取り付けられ、この取付金具82を介してケース80が裏セット盤16に取着固定されている。因みに図7に示すように、ケース80の下部には係止穴83,84,85が設けられており、各係止穴83〜85に裏セット盤16側の係止部(図示略)が係止されることにより、ベルトユニット下端部の前後方向の位置決めがなされるようになっている。つまり、各係止穴83〜85は前後に複数(例えば2つ)設けられ、その前後の係止穴83〜85の何れを用いるかによりベルトユニット70の傾斜角度が決定されるようになっている。
また、ケース80には、絵柄変動部を構成する左回転体71、中回転体72及び右回転体73が収容されている。図6,図7に示すように、各回転体71〜73はそれぞれ、ケース80に回転可能に軸支された駆動ローラ74及び従動ローラ75と、両ローラ74,75間に掛け渡されたベルト(無端状ベルト)76とを備えている。駆動ローラ74には、その回転方向に沿って左右両縁部に複数の外歯74aが等間隔に設けられ、従動ローラ75にも同様に、その回転方向に沿って左右両縁部に複数の外歯75aが等間隔に設けられている。これに対し、ベルト76には、その左右両縁部に前記外歯74a,75aと同じ間隔で係合穴76aが設けられている。そして、ベルト76の係合穴76aを両ローラ74,75の外歯74a,75aに係合させるようにしてベルト76が両ローラ74,75に掛け渡されている。本実施の形態では、従動ローラ75は駆動ローラ74よりも小径であるとするが、それらは同じ径であっても、従動ローラ75の方が大径であってもよい。また、駆動ローラ74を上に、従動ローラ75を下に配置するが、それらを上下逆に配置してもよい。かかる構成下、円形状のリールで回転体を構成した場合とは異なり、ベルト76(回転体71〜73)は全体として扁平状に構成されることとなる。
各回転体71〜73の駆動ローラ74は、それぞれステッピングモータ等よりなるモータ77,78,79に連結されている。そして、各モータ77〜79の駆動により各回転体71〜73が個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動されるようになっている。回転体71〜73が回転すると、各表示窓61〜63を通して回転体71〜73(各ベルト76)が上から下へ向かって移動しているかのように視認される。なお、上記のローラ機構をプーリやギア等を用いた他の機構に変更することも可能である。また、駆動ローラ74及び従動ローラ75とベルト76とを1部材にて構成することも可能である。
各ベルト76の外表面には、それぞれ識別情報としての絵柄たる図柄(シンボル)が多数付されている。これらの図柄のうち、表示窓61〜63を介して視認可能な図柄数は、主として表示窓61〜63の上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施の形態では、各回転体71〜73毎に3個ずつの図柄が視認可能となるよう表示窓61〜63の上下方向の長さが設定されている。
各回転体71〜73の前方には、各ベルト76の係合穴76aを隠すための目隠手段としてのプレート部材86が設けられている。このプレート部材86は、各回転体71〜73の配列方向に延びるようにして各回転体共通に設けられており、各回転体71〜73毎に対応する縦長形状の透孔87,88,89が形成されている。この透孔87〜89は前記表示窓61〜63と略同じ大きさを有し、各透孔87〜89の両サイドの板部により各ベルト76の係合穴76aが前方から隠されるようになっている。この場合、プレート部材86は、駆動ローラ74及び従動ローラ75の間のベルト周回域に配設され、特に、ベルト76に接触することがない程度に当該ベルト76に近接して配設されている。また、各透孔87〜89の上下には、プレート部材86の一部を所定角度に折り曲げた集光板90が設けられており、この集光板90により、前記フロントライト部材64から発せられる光が中央方向に集められるようになっている。プレート部材86は、左右の取付部91でケース80の両側面に取り付け固定されている。
さらに、本ベルトユニット70には、表示窓61〜63を介して視認可能な図柄を後方より照明するためのバックライト92(後方発光手段)が設けられている。このバックライト92は蛍光ランプ等により構成され、駆動ローラ74と従動ローラ75との間に配置される。
また、図8に示すように、ケース80の裏面(背面部80a)には、遊技に関する各種の制御を統括的に管理する主基板(主制御装置)131と、該主基板131に対して従属的に動作するサブ基板(副制御装置)132とが左右に並べるようにして設置されている。すなわち、本実施の形態では、ベルトユニット70に対して主基板131及びサブ基板132が一体化されている。主基板131及びサブ基板132の固定方法としては、ネジによる固定、フック等の係止具の係止による固定等が考えられる。
主基板131は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む制御回路基板より構成されている。サブ基板132も同様に、CPU、ROM、RAM等を具備する。なお、主基板131及びサブ基板132は何れも透明又は非透明な制御基板ボックスに収容されており、この制御基板ボックス内に収容した状態でベルトユニット70のケース裏面に固定されている。
ベルトユニット70の各回転体71〜73が回転駆動される際、その回転及び停止が繰り返されると振動の影響が主基板131やサブ基板132に及ぶおそれがある。そこで、ケース80と主基板131及びサブ基板132との間に振動吸収用のマウント部材(衝撃吸収部材)を介在させるようにしても良い(但し図示は略す)。マウント部材としては、ゴム製又は樹脂製等のシート等が考えられる。図6,図7において符号93は、主基板131からモータ77〜79への駆動出力を中継するための中継基板である。
ここで、ベルトユニット70は遊技者の視線方向に合わせて幾分傾けて遊技機本体に装着されるようになっており、そのためケース80の背面部80aも傾斜している。この場合、主基板131及びサブ基板132は、ベルトユニット70(ケース80の背面部80a)の傾斜により形成された空きスペースに配置されるようになっている。故に、空きスペースが有効利用できる。
図4に示すように、上記構成のベルトユニット70が遊技機本体に取り付けられた状態では、当該ベルトユニット70はカバー部材としての無色透明(又は半透明)な保護カバー135で包囲される。保護カバー135は、少なくとも遊技機前面側に開口した状態で裏セット盤16に固定されており、ベルトユニット70全体を囲むのに十分な大きさを有する。この場合、ベルトユニット70に対して主基板131及びサブ基板132が一体化されていることから、主基板131及びサブ基板132も同様に保護カバー135で包囲されることとなる。故に、遊技球の供給経路や島設備等から遊技球が落下したりしても、その落下球がベルトユニット70や各基板131,132に当たることが防止できる。図中の符号135aは通気孔である。
また同図4に示すように、裏セット盤16には、ベルトユニット70よりも下方に電源装置としての電源ユニット133が設置されている。電源ユニット133は、前述した主基板131、サブ基板132等の制御装置やその他払出装置28等に必要な電源を供給するための電源基板と、該電源基板を収容する無色透明な基板ボックスと、電源基板の内外で生じたノイズを排除するためのノイズ対策用の金属板とを具備し、それらが一体的に組み付けられて構成される。
電源ユニット133には、電源スイッチやリセットスイッチや設定キー挿入孔などが設けられている。なお、電源スイッチは、主基板131を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチは、遊技機1の各種状態をリセットするためのスイッチである。本遊技機1は各種データのバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、例えば遊技ホールの営業が終了する場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、リセットスイッチを押しながら電源スイッチをオンすると、バックアップデータがリセットされるようになっている。また、電源スイッチがオンされている状態でリセットスイッチを押した場合には、エラー状態がリセットされる。設定キー挿入孔は、ホール管理者などが出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔へ挿入して操作することにより、遊技機1の設定状態(当選確率設定処理)を例えば「設定1」から「設定6」まで変更できるようになっている。
次に、各回転体71〜73のベルト76に付される図柄について説明する。図9には、各回転体71〜73のベルト76についての図柄配列が示されている。同図は、ベルト76表面の展開図とみても差し支えない。同図に示すように、各ベルト76にはそれぞれ20個の図柄が一列に設けられている。図中、各図柄の左側には1〜20の連続番号を付しており、以下の説明では当該番号を適宜用いることとする。なお、各回転体71〜73のベルト76はそれぞれに同一図柄の数や配置順序が相違するものであるが、ここでは便宜上、その1つについてのみ図示し説明する。
図柄としては、(1)ビッグボーナスゲームに移行するためのビッグボーナス図柄としての「7」図柄(例えば、図9の19番目の図柄)及び「BAR」図柄(例えば、図9の20番目の図柄)、(2)リプレイゲームに移行するための「リプレイ図柄」(例えば、図9の17番目の図柄)、(3)小役の払出が行われる小役図柄としての「スイカ」図柄(例えば、図9の18番目の図柄)、「ベル」図柄(例えば、図9の16番目の図柄)、「チェリー」図柄(例えば、図9の15番目の図柄)がある。
本実施の形態において、ビッグボーナス図柄の組合せである「7」図柄や「BAR」図柄が後述する有効ライン上に左・中・右と揃った場合には、75個の遊技球の払出が行われるとともにビッグボーナスゲームへの突入がなされるようになっている。また、「リプレイ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には、遊技球の払出は行われずリプレイゲームへの突入がなされるようになっている。
更に、小役図柄に関し、「スイカ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には75個の遊技球の払出が、「ベル」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には40個の遊技球の払出が行われる。また、左回転体71の「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には10個の遊技球の払出が行われる。すなわち、中回転体72及び右回転体73の「チェリー」図柄は遊技球の払出とは無関係であり、言わば無意味な図柄である。また、「チェリー」図柄に限っては、他の図柄との組合せとは無関係に遊技球の払出が行われるため、左回転体71の複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段又は下段)に「チェリー」図柄が停止された場合には、その重なった有効ラインの数を乗算した分だけの遊技球の払出が行われることとなり、結果として本実施の形態では20個の遊技球の払出が行われる。
図10に示すように、本遊技機1には、各表示窓61〜63を結ぶようにして、横方向に平行となるように3本、斜め方向にたすき掛けとなるように2本、計5本の有効ラインが設定されている。すなわち、有効ラインとして、上・中・下の横ライン(上ライン、中央ライン、下ライン)と、一対の斜めライン(右上がりライン、右下がりライン)とが設定されている。勿論、最大有効ライン数を6以上としてもよく、5未満としてもよく、所定条件に応じて最大有効ライン数を変更するようにしてもよい。図2に示すように、表示窓61〜63群の正面から見て左側にはベット数表示部95が設けられており、このベット数表示部95により、その都度有効化された有効ラインに応じてベット数相当の数字がセグメント表示されるようになっている。なお、遊技者に有効ラインを一層理解し易くするために、ベット数に応じて有効化されるラインを明示的に表示するライン表示部を設けてもよい。
ベット数表示部95では、中央ラインからなる1ラインのみが有効化された場合に「1」がセグメント表示される。本実施の形態では、5個の遊技球の受入(1ベット)が完了するとこの1ラインが有効化される。また、ベット数表示部95では、上下ライン及び中央ラインからなる3ラインのみが有効化された場合に「2」がセグメント表示される。本実施の形態では、10個の遊技球の受入(2ベット)が完了するとこれら3ラインが有効化される。さらに、ベット数表示部95では、全有効ライン(上中下ライン並びに右上がり及び右下がりライン)からなる5ラインが有効化された場合に「3」がセグメント表示される。本実施の形態では、15個の遊技球の受入(3ベット)が完了するとこれら5ラインが有効化される。本実施の形態では、一遊技回の遊技に必要な遊技球の数(所定数)は「15個」に設定されている。このため、受入の完了した遊技球の数をベット数表示部95に表示する構成としてもよい。
図1,図2に示すように、前記前面扉4の膨出部分に設けられた操作部100の左側には、各回転体71〜73を一斉(同時である必要はない)に回転開始させるために操作されるスタートレバー101が設けられている。スタートレバー101は可変表示を開始させるべく操作される始動操作手段を構成する。スタートレバー101には、操作が有効に受け付けられる状態であることを報知する発光体(発光部材)が設けられている。発光体はスタートレバー101の先端部に設けられた球体部に内蔵されており、発光体の発光に伴いスタートレバー101(球体部)自体が発光する構成となっている。発光体は、スタートレバー101の操作が有効に受け付けられる状態である場合に点灯(又は点滅)し、スタートレバー101の操作が有効に受け付けられた後、又は受け付けられない状態である場合に消灯する。或いは、発光体は、スタートレバー101の操作が有効に受け付けられる状態である場合に赤色で発光し、スタートレバー101の操作が有効に受け付けられた後、又は受け付けられない状態である場合に青色で発光するものであっても良い。
スタートレバー101の右側にはストップボタン操作面113が設けられ、そのストップボタン操作面113には、回転中の各回転体71〜73を個別に停止させるためのストップボタン102,103,104が設けられている。各ストップボタン102〜104は、停止対象となる回転体71〜73に対応する表示窓61〜63毎にそれぞれ設けられている。ストップボタン102〜104は、可変表示を停止させる停止手段、及び可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。なお、本実施の形態では、前記ストップボタン102〜104が押圧操作されないまま所定時間経過すると、前記回転体71〜73が停止させられるよう構成されている。
操作部100(前面扉4の膨出部分)の上面には平坦状の操作補助面105が形成されている。この操作補助面105は、その背後の上皿18を取り囲むようにしてアーチ状に設けられ、遊技機前面との間に上皿18と略同形状の開口部106が形成されている。前面扉4を閉じた状態では、この開口部106を介して上皿18が上方に開口する構造となっている。また、操作補助面105は、前方(手前側)に向けて下降するよう僅かに傾斜して設けられている。但し、その傾斜はなくてもよいし、逆に後方に向けて下降する傾斜であってもよい。
ここで、操作補助面105においてストップボタン102〜104(ストップボタン操作面113)の直上部分は、その前後方向の幅が略均一であり、操作補助面105の後方縁部(図1のL部)は直線状に構成されている。この場合、遊技者が各ストップボタン102〜104を親指で押圧操作することを想定すると、人差し指や中指など他の指を操作補助面105の後方縁部(L部)にかけるようにするとよい。その状態で手を左右に移動することにより、操作補助面105上を沿うようにして、各ストップボタン102〜104を連続的に押圧操作することができるようになる。言い換えれば、上皿部分に指をかけて上記押圧操作を行うことができる。要するに、操作補助面105が平坦でありかつその後方縁部が直線であるため、その操作補助面105を利用し、各ストップボタン102〜104の連続的な押圧操作を素早くかつスムーズに実施することができる。
また、上皿18(本実施の形態では特に図5等に示す副上皿部18b)には、操作補助面105側を幾分高くするようにして段差や傾斜を設けておくようにしてもよい。すなわち、上皿18の前方が高く、後方が低くなるよう高低差を設けておく。これによれば、上皿18内に遊技球が貯留されたとしても多くは上皿18の低い部位(すなわち、操作補助面105から離れた部位)に貯まることとなる。それ故、上皿18を指かけ部として利用する場合に、指と遊技球とが干渉するといった不都合が回避できる。
スタートレバー101の上方(すなわち、遊技者にとっては左手側)において、操作部100の操作補助面105には、遊技球を受け入れるための入力操作手段を構成するボタン状のマックスベットスイッチ109が設けられている。マックスベットスイッチ109は、遊技媒体たる遊技球を必要数(本実施の形態では15個)分だけ受け入れるためのものである。
マックスベットスイッチ109には、操作が有効に受け付けられる状態であることを報知する発光体(発光部材)が設けられている。発光体はマックスベットスイッチ109のボタン押圧部に内蔵されており、発光体の発光に伴い当該ボタン押圧部が発光する構成となっている。発光体は、マックスベットスイッチ109の操作が有効に受け付けられる状態である場合に点灯(又は点滅)し、マックスベットスイッチ109の操作が有効に受け付けられた後、又は受け付けられない状態である場合に消灯する。或いは、発光体は、マックスベットスイッチ109の操作が有効に受け付けられる状態である場合に赤色で発光し、マックスベットスイッチ109の操作が有効に受け付けられた後、又は受け付けられない状態である場合に青色で発光するものであっても良い。
マックスベットスイッチ109は、1回押圧操作される毎に、上皿18の遊技球が「15個」ずつ受入装置23により受け入れられる。但し、特別遊技状態であるビッグボーナスゲーム中のジャックインゲームにあっては、マックスベットスイッチ109の1回の押圧操作により5個分(1ベット分)の遊技球が受け入れられるようになっている。
本実施の形態では、ビッグボーナスゲーム中のジャックインゲーム以外であれば、前記5ラインが有効化された(15個の遊技球が受け入れられた)時点で最大ベット(3ベット)状態となり、ビッグボーナスゲーム中のジャックインゲームにあっては、前記1ラインが有効化された(5個の遊技球が受け入れられた)時点で最大ベット(1ベット)状態となる。つまり、マックスベットスイッチ109の1回の押圧操作がなされた時点で、それ以上の遊技球の受入は行われないようになっている。従って、本実施の形態では最大ベット状態となった上で、さらにマックスベットスイッチ109が押圧操作された場合には、該操作が無効化されるようになっている。
操作部100の右部において操作補助面105には、精算スイッチ111が設けられている。精算スイッチ111は、上皿18に貯留されている遊技球を下皿41に排出するためのものである。すなわち、遊技者が遊技を終了して上皿18に貯留されている遊技球を取り出そうとした場合に、当該精算スイッチ111が押圧操作されることで上皿18内の遊技球が下皿41に排出される。なおこのとき、誤動作防止のために、精算スイッチ111が一定時間以上押圧操作された場合のみその操作を有効とする条件を付しても良い。
これに加え、精算スイッチ111は、マックスベットスイッチ109の押圧操作により一旦受け入れられた遊技球を払い出す機能をも具備すると良い。より具体的には、遊技に際し、(イ)マックスベットスイッチ109の押圧操作により受け入れられた遊技球、(ロ)上皿18に貯留されている遊技球について、それらがいずれも存在する場合、精算スイッチ111が1回押圧操作される度に、(イ)→(ロ)の順に遊技球の精算が行われる。つまりこのとき、精算スイッチ111が計2回押圧操作されることで、上記(イ)、(ロ)の遊技球が全て下皿41に排出(精算)されることとなる。なお、上記(イ)、(ロ)の遊技球のうち、該当するものが1つでもあれば、その都度の精算スイッチ111の押圧操作に伴いその該当する遊技球が精算される(優先順位は(イ)→(ロ))。因みに、精算スイッチ111に代えて、レバースライド操作によって上皿18の遊技球が下皿41に排出される構成であってもよい。また、上記(イ)、(ロ)の遊技球をそれぞれ精算するためのスイッチを個別に設けることも可能である。
さらに、前面扉4の表示部120には、獲得遊技球の個数を表示する獲得数表示部122と、ビッグボーナスゲーム中の情報(例えばゲーム回数等)を表示するための情報表示部123とがそれぞれ設けられている。本実施の形態では、これら各表示部122,123は3桁或いは2桁の7セグメント表示器によって構成されているが、桁数は特に限定されるものではないし、液晶表示器等によって代替することも当然可能である。
なお、遊技機1(前面扉4)の上部には、ビッグ報知部、リプレイ報知部、小役報知部等の各種報知部(図示略)が適宜設けられるとよい。これら各種報知部は遊技機1の上部以外の場所に設けてもよいし、共通の報知部で異なる態様の報知を行うようにしてもよい。また、かかる報知部として環状部6,7を利用してもよい。例えば、ビッグ報知部は、各回転体71〜73の停止時に「7」図柄又は「BAR」図柄が有効ライン上に揃った場合、ビッグボーナスゲームを獲得したことを点灯、点滅等によって表示報知する。リプレイ報知部は、各回転体71〜73の回転停止時に「リプレイ」図柄が有効ライン上に揃った場合、リプレイゲームを獲得したことを点灯、点滅等によって表示報知する。小役報知部は、各回転体71〜73の回転停止時に小役図柄としての「スイカ」図柄等が有効ライン上に揃った場合、所定数の遊技球を獲得したことを点灯、点滅等によって表示報知する。なお、これら各報知部は表示によって報知することとしたが、これに代えて或いはこれに加えて、遊技機1(前面扉4の上部)に備えられるスピーカ11によって音声により報知してもよい。
図11は、遊技機1における電気的構成を説明するブロック図である。同図において、二重矢印は電源の接続及び方向を示し、通常の矢印は信号の接続及び方向を示している。電源ユニット133(電源基板)からの電源は、主基板131及び払出装置28へと供給される。また、サブ基板132へは、主基板131を介して電源が供給される。
主基板131の入力側には、スタートレバー101の操作を検出するスタート検出センサ141、各ストップボタン102〜104の操作を個別に検出するストップ検出センサ142,143,144、マックスベットスイッチ109の押圧操作を検出するマックスベット検出センサ145、各回転体71〜73(ベルト76)の回転位置(原点位置)を個別に検出する回転位置検出センサ151,152,153、払出装置28より払い出される遊技球を検出する払出検出センサ154、受入装置23より受け入れられる遊技球を検出するカウントセンサ155、受入装置23において1ベット分(5個)又はマックスベット分(15個)の遊技球を一度に受入可能か否かを検出するための貯留球検出センサ156等の各種センサが接続されている。
主基板131の出力側には、電源ユニット133を介して前記払出装置28が接続されている。また、この他にも主基板131の出力側には、前記各モータ77,78,79、ベット数表示部95、獲得数表示部122、情報表示部123、受入装置23におけるゲート開放用のソレノイド125等が接続されている。
さらに、主基板131の出力側にはサブ基板132が接続されている。サブ基板132の出力側には、発光体8,9、各ランプ表示部10,12,13、スピーカ11,43、フロントライト部材64等が接続されている。主基板131からは、サブ基板132に対しその時々の遊技情報が信号として送信されるようになっている。各遊技情報に関する信号を入力したサブ基板132では、各種信号に基づき、自身の制御プログラムに基づき、種々の演出を実行する。なお本実施の形態では、サブ基板132により、「発光体制御手段」、「フロントライト制御手段」等が構成される。因みに、発光体制御とは、環状部6,7内の発光体8,9を一方向又は双方向に周回させたり、同発光体8,9を一斉に点灯させたりする制御を言う。また、フロントライト制御とは、各回転体71〜73のベルト76を停止させる順序を遊技者に教示すべく、その停止順序に合わせて各回転体71〜73に対応するフロントライト部材64の各光源65〜67を順に発光させる制御を言う。
主基板131及びサブ基板132は、上述の通りCPU,ROM,RAM等を備えているが、以下の説明では、それらの現実の構成自体に拘束されず、主基板131及びサブ基板132を機能実現手段の集合体としてとらえて説明する。すなわち、以下に説明する各種機能はCPUの制御下で実現される機能であり、その制御プログラムはROM(場合によってはRAM)の記憶内容に基づくものであり、その時々の必要なデータはRAMに一時的に記憶保持されることとなるが、それらのプログラム上の要件等については適宜のテーブル構成を採用する等で当業者がなし得るものであるため、個々には説明しない。但し、本実施の形態の遊技内容を把握する上で必要がある場合等については、適宜具体的な説明をする。
主基板131は、「小役抽選手段」を備えている。小役抽選手段は、スタート検出センサ141からの検出信号が入力されたタイミングによって、小役払出条件が成立したか否かの抽選を行い、これによって小役フラグの成立の有無が決定される。
主基板131は、「小役制御手段」を備えている。小役制御手段は、通常遊技中に小役フラグが成立している場合、各回転体71〜73の停止時に、後述する小役成立テーブルの内容を参照しながら、一定の引き込み停止制御(スベリ制御とも言う)を加えて半強制的に小役図柄を有効ライン上に停止させる。
主基板131は、「リプレイゲーム抽選手段」を備えている。リプレイゲーム抽選手段は、スタート検出センサ141からの検出信号が入力されたタイミングによって、リプレイゲーム移行条件が成立したか否かの抽選を行い、これによってリプレイフラグの成立の有無が決定される。
主基板131は、「リプレイゲーム制御手段」を備えている。リプレイゲーム制御手段は、通常遊技中にリプレイフラグが成立している場合、各回転体71〜73の停止時に、後述するリプレイ成立テーブルの内容を参照しながら、一定の引き込み停止制御を加えて半強制的にリプレイ図柄を有効ライン上に停止させる。そして、有効ライン上にリプレイ図柄が停止することを条件に、次回の遊技を無償で行うことができるようにするものである。勿論、このリプレイゲームが行われる場合にも各種抽選は実行されている。
主基板131は、「ビッグボーナス抽選手段」を備えている。ビッグボーナス抽選手段は、スタート検出センサ141からの検出信号が入力されたタイミングによって、ビッグボーナス移行条件が成立したか否かの抽選を行い、これによってビッグボーナス成立フラグの有無が決定される。
主基板131は、「ビッグボーナス制御手段」を備えている。ビッグボーナス制御手段は、通常遊技中に、前記ビッグボーナスフラグが成立すると、各回転体71〜73の停止時に、後述するビッグボーナス成立テーブルの内容を参照しつつ、一定の引き込み停止制御を加えて半強制的にビッグボーナス図柄を有効ライン上に停止させる。そして、有効ライン上にビッグボーナス図柄が停止することを条件に、予め設定された所定の遊技回数(ここでは30回)を上限として、現状遊技状態である通常遊技から特別遊技状態たるビッグボーナスゲームに移行させ、その後、原則的には元の通常遊技状態に復帰させるものである。
主基板131は、「ビッグボーナス中抽選手段」を備えている。ビッグボーナス中抽選手段は、ビッグボーナスゲーム中にのみ有効化され、スタート検出センサ141からの検出信号が入力されたタイミングによって、小役図柄の抽選及びジャックインの抽選を行い、小役フラグ及びジャックインフラグの成立の有無が決定される。そして、前記ビッグボーナス制御手段は、小役フラグの成立によって所定の小役図柄(例えば「スイカ」図柄)を有効ライン上に揃わせるべく小役成立テーブルを参照しつつ各回転体71〜73を半強制的に引き込み停止制御する。
また、前記ビッグボーナス制御手段は、前記ジャックインフラグの成立によってジャックインさせるべく、リプレイ成立テーブルの内容を参照しつつ、各回転体71〜73を半強制的に引き込み停止制御する。ジャックインとは、ビッグボーナスゲーム中に所定のボーナスゲームを実行させる状態であり、具体的には「リプレイ」図柄が揃うことによって生じる。従って、ジャックイン実行のためにビッグボーナス制御手段は、ジャックイン図柄(リプレイ図柄)を有効ライン上に揃わせるべく各回転体71〜73を半強制的に引き込み停止制御する。ジャックインされるとジャックインゲームが実行される。
ここで、ジャックインゲームについて説明する。ジャックイン図柄が有効ライン上に停止すると、予め設定された所定のゲーム回数(ここでは12回)を上限として、現状遊技状態であるビッグボーナスゲーム中のうちの特殊なゲームであるジャックインゲームに移行し、その後元のビッグボーナスゲームに復帰する。該ジャックインゲーム中は、有効ラインが1ライン(中央ライン)のみとされている。該ジャックインゲーム中においては、スタート検出センサ141からの検出信号が入力されたタイミングによって、所定の図柄(ここでは、リプレイ図柄)の抽選を行う。かかる図柄の抽選は、通常の抽選とは異なり、リプレイ図柄が有効ライン(中央ラインのみ)上に揃った場合に所定個数(例えば75個)の遊技球が払い出されるように設定しておき、かかるリプレイ図柄を遊技球払出図柄として、当該遊技球払出図柄が揃う条件を満たすか否かの抽選とされている。そして、前記抽選の結果、リプレイフラグ(ここでいうリプレイフラグは通常遊技中のものとは異なり、ジャックインゲーム用に新たに設定されたものである。)が成立した場合には前記遊技球払出図柄以外の図柄が有効ライン上に揃わないように各回転体71〜73を制御するものであり、しかも遊技球払出図柄が所定回数(例えば8回)揃った場合には前記所定の遊技回数(12回)に達していなくとも所定のボーナスゲームは終了する。
ここで、ビッグボーナスゲームは、前記所定の遊技回数(30回)内で所定回数(例えば3回)を上限とするジャックインが可能であり、ビッグボーナスゲーム中のジャックイン中における遊技回数は前記30回の回数には加算されないようになっている。そして、ビッグボーナス制御手段は、前記所定の遊技回数(30回)内であっても、前記所定のボーナスゲームが所定回数(3回)終了した時点(3回目のジャックインによる所定のボーナスゲーム終了時点)でビッグボーナスゲームを強制的に終了させる。
主基板131は、「回転体制御手段」及び「記憶手段」を備えている。回転体制御手段は、記憶手段の記憶内容に応じて各回転体71〜73を制御するものであり、特に記憶手段に記憶された各種テーブルの記憶内容に応じて各回転体71〜73(駆動ローラ74ひいてはベルト76)の停止位置を制御するものである。
記憶手段(ここではROMであるがRAMであってもよい。)に記憶された各種テーブルとは、成立した各種フラグに応じて個々に設定されたものである。
具体的には、例えば何らフラグが成立していない場合にいずれの図柄をも有効ライン上に揃えないようにするための「外れテーブル」、小役フラグに対応して所定の小役図柄を有効ライン上に揃えるための「小役成立テーブル」、リプレイフラグに対応してリプレイ図柄を有効ライン上に揃えるための「リプレイ成立テーブル」、ビッグボーナスフラグに対応して「7」図柄又は「BAR」図柄を有効ライン上に揃えるための「ビッグ成立テーブル」等の他、以上の成立図柄をどの有効ライン上に揃えるかを決定するための「ラインテーブル」等である。
次に、以上の構成からなる遊技機1の作用につき、遊技方法を踏まえて説明する。
遊技の開始に際し、マックスベットスイッチ109の有効操作が可能な状態(具体的には、マックスベットスイッチ109に設けた発光体が点灯した状態)で当該スイッチ109が押圧操作されると、それがベット検出センサ145により検出され、その検出信号が主基板131に入力される。そして、主基板131がベット検出センサ145の検出信号を有効に受け付けることにより、主基板131は受入装置23に対して15個分の遊技球を受け入れるよう指令する。これにより、受入装置23が駆動されて上皿18から遊技球が受け入れられる。
主基板131は、遊技球受入数(=ベット数×5)に応じてベット数表示部95をセグメント表示させる。すなわち、5個の遊技球の受入が完了すればベット数表示部95には「1」が表示されて中央ラインからなる1ラインのみが有効化される。また、10個の遊技球の受入が完了すればベット数表示部95には「2」が表示されて上下ライン及び中央ラインからなる3ラインが有効化される。さらに、15個の遊技球の受入が完了すればベット数表示部95には「3」が表示されて上下ライン、中央ライン及び左右の斜めラインからなる5ラインが有効化される。なお、本実施の形態では、ベット数表示部95においてベット数、つまり有効ラインを表示することとしているが、これに代えて、或いはこれに加えて、有効ラインに対応する有効ライン表示ランプ等を設け、どのラインが有効化されているのかをより明示的に表示することとしてもよい。
上記の如く遊技球の受入が開始された以降に遊技者がスタートレバー101を操作すると、その操作がスタート検出センサ141によって検出され、その検出信号が主基板131に入力される。このとき、スタートレバー101の有効操作が可能な状態(具体的には、スタートレバー101に設けた発光体が点灯した状態)であれば、主基板131はスタート検出センサ141の検出信号を有効に受け付け、スタートレバー101の操作があったことを判断する。また、これとともに、その旨の情報をサブ基板132へと送信する。そして、主基板131は、全ての回転体71〜73(ベルト76)を一斉(同時でもよいし所定の時間差を設けてもよい。)に回転させるべく、モータ77〜79を駆動制御する。その結果、各ベルト76は、遊技者にとっては表面に付された図柄を目視することが困難な程度の速度で一方向に回転し、各表示窓61〜63を介して各図柄が上から下へ向かって可変表示されているよう映し出される。
また、前記スタートレバー101の操作に基づく検出信号が主基板131に入力されたタイミングで、通常遊技中では、小役抽選手段、リプレイゲーム抽選手段、ビッグボーナス抽選手段による各抽選が行われる。
小役抽選手段による抽選結果が、小役フラグ成立を意味する場合は、適宜の小役図柄を有効ライン上に停止させ得る権利がそのゲームにおいてのみ与えられる。また、リプレイゲーム抽選手段による抽選結果が、リプレイフラグ成立を意味する場合は、リプレイゲームへ移行する権利がそのゲームにおいてのみ与えられる。すなわち、小役フラグ及びリプレイフラグは次ゲーム以降に持ち越されることはない。また、ビッグボーナス抽選手段による抽選結果がビッグボーナスフラグ成立を意味する場合は、ビッグボーナスゲームへ移行する権利が与えられ、そのフラグはビッグボーナスゲームへ移行するまで保持される。さらに、各抽選手段の抽選結果が、いずれの条件成立をも意味しない場合には、いずれのフラグもたたない。
以上の各抽選手段による抽選が終了し且つ受入装置23による遊技球の受入が完了した後、遊技者がストップボタン102〜104を任意の順序で操作すると、その操作がそれぞれストップ検出センサ142〜144によって個別に検出され、各検出信号を受けて主基板131は各ストップボタン102〜104の操作があったことを判断する。すると、主基板131は、操作された各ストップボタン102〜104に対応した回転体71〜73を個別に停止させるべく、各モータ77〜79を停止制御する。
これら各回転体71〜73(ベルト76)の停止位置は、上記各抽選手段による抽選結果である各成立フラグに基づき、主基板131の記憶手段に記憶されている前記各テーブルを参照して決定される。このとき、有効ラインから回転体回転方向手前の4図柄分までに成立フラグに対応した図柄が存在すれば、原則として、その図柄が積極的に有効ライン上に引き込まれるような制御がなされることとなり、回転体停止タイミングが4図柄分手前までの誤差であれば、その誤差を吸収することができる(引き込み停止制御)。その結果、遊技者が熟練していなくとも主基板131によって成立フラグに応じた図柄を有効ライン上に極力停止させることが可能となる。
なお、所定のタイミング(例えば第1番目のストップボタン102、103又は104が押圧されたタイミング)において、サブ基板132は、発光体8,9、ランプ表示部10,12,13、スピーカ11,43、フロントライト部材64等を用いて各種の補助表示を行い、リーチ演出表示等を実行する。
各回転体71〜73の停止時において、有効ライン上の停止図柄の組合せが、予め定められた所定の図柄の組合せである場合、即ち小役図柄の組合せ、ビッグボーナス図柄の組合せである場合、主基板131は各停止図柄の組合せに応じて払い出される遊技球数を獲得数表示部122に表示させる。或いは、有効ライン上の停止図柄の組合せがリプレイ図柄の組合せである場合、主基板131は遊技機正面の表示窓61〜63群の左側に設けたベット数表示部95のセグメント表示(場合によっては有効ライン毎に付された有効ライン表示ランプの表示)を実行する。
主基板131は、獲得数表示部122への表示と並行して、各停止図柄の組合せに応じた数の遊技球を遊技価値として払い出すための払出制御を行う。かかる場合、主基板131が電源ユニット133を介して払出装置28を駆動制御することにより、上皿18等へ遊技球の払出が行われる。
そして、有効ライン上に揃った図柄が小役図柄或いは何ら払出のない図柄の組合せである場合には通常遊技が続行される。一方、有効ライン上に揃った図柄の組合せがリプレイ図柄の組合せである場合にはリプレイゲーム制御手段によって次回のゲームを無償で行うことができるリプレイゲームが実行される。また、有効ライン上に揃った図柄の組合せがビッグボーナス図柄の組合せである場合にはビッグボーナス制御手段によってビッグボーナスゲームが実行される。ここで、本実施の形態の遊技機1では、ビッグボーナスゲームの終了条件として、所定回の遊技(30ゲームの終了又は3回のジャックインゲームの終了)の他、払出遊技球数が上限値(具体的には2250個)に達したか否かという条件も含まれるように構成されている。従って、30ゲーム又は3回のジャックインゲームの終了を待たずして払出遊技球数が上限値である2250個に達すると、そこでビッグボーナスゲームが終了されるようにして、必要以上に射幸性をあおらないようにしている。
なお、小役図柄、リプレイ図柄、ビッグボーナス図柄等が有効ライン上に揃った場合、サブ基板132は、発光体8,9や、各ランプ表示部10,12,13、フロントライト部材64等を表示制御して小役成立や、リプレイゲームへの移行や、ボーナスゲーム成立を表示報知するとともに、スピーカ11,43を適宜駆動制御して音声報知する。なお、これらスピーカ11,43による音声報知は、遊技者への遊技価値返還による利益が大きいもの程大袈裟なもの(音量を大きくしたり、トーンを高くしたり、リズムを変化させる等)とすることが好ましい。各報知部の表示態様についても同様であり、例えばビッグボーナスゲームではめまぐるしく点滅させる等のように表示態様を変化させることによって、得られる利益の大きさを遊技者に推し量らせることができる。
前述したように、各回転体71〜73の停止時において、有効ライン上の停止図柄の組合せが例えば小役図柄の組合せである場合、停止図柄の組合せに応じた数の遊技球を払い出すための払出制御が行われ、払出装置28の駆動により上皿18等に遊技球が払い出される。この場合、従前の遊技機では、遊技球の払出が完了するまでの待ち時間において、次回遊技のためのマックスベットスイッチ109やスタートレバー101の操作が受け付けられず、仮に遊技球の払出中に遊技者がマックスベットスイッチ109やスタートレバー101を操作してもその操作が無効とされる。そのため、多くの遊技者は、より早く操作が完了するようマックスベットスイッチ109やスタートレバー101を必要以上に繰り返し操作する。これにより、マックスベットスイッチ109やスタートレバー101の損傷を招くおそれが生じる。また、マックスベットスイッチ109やスタートレバー101を繰り返し操作してもそれが受け付けられないことにより遊技者が苛立ち、その苛立ちからマックスベットスイッチ109やスタートレバー101を操作する力が更に増してくることも考えられる。
また、有効ライン上の停止図柄の組合せがリプレイ図柄の組合せである場合には、次回遊技でも前回遊技と同じベットを有効にするためのリプレイ表示処理(ベット数表示部95のセグメント表示処理)等が行われ、その処理完了までの待ち時間において、やはりスタートレバー101が必要以上に繰り返し操作される。これにより同様の事態が生じる。
そこで本実施の形態の遊技機1では、小役図柄等の成立に伴い遊技球が払い出されている最中、又はリプレイ成立に伴い表示処理等が行われている最中であっても、マックスベットスイッチ109やスタートレバー101の操作を有効に受け付けることができる構成とする。その具体的な動作を図12のタイムチャートに従い説明する。図12の(a)は、回転体71〜73の停止時に、有効ライン上の停止図柄の組合せが小役図柄の組合せとなる場合を示し、(b)は、有効ライン上の停止図柄の組合せがリプレイ図柄の組合せとなる場合を示している。
図12の(a)において、タイミングa〜bでは、回転体71〜73が回転し、図示しないストップボタン102〜104の押圧操作に伴い同回転体71〜73の回転が停止する。このとき、停止図柄が小役図柄の組合せとなることで、タイミングb〜cにおいて遊技球を払い出すための払出処理が行われる。そしてその後、次回遊技のためにマックスベットスイッチ109やスタートレバー101が操作されていれば、ゲーム間のウエイト時間として規定されている所定時間(a〜dの時間、例えば4.1秒)が経過したタイミングdで再び回転体71〜73の回転が開始される。
かかる場合において、回転体71〜73の回転が停止したタイミングb以降であれば、その直後からマックスベットスイッチ109やスタートレバー101の操作が有効に受け付けられる。具体的には、タイミングb以降において、マックスベットスイッチ109に設けられた発光体が点灯し、当該スイッチ109の有効操作が可能であることが報知される。そして、払出期間内(タイミングb〜c)であっても、例えばタイミングeでマックスベットスイッチ109が操作されると、その操作に伴うベット検出センサ145の検出信号が主基板131に有効に入力される。ベット検出センサ145の入力が主基板131にて有効とされることに伴い、受入装置23が駆動されて上皿18から遊技球が順次受け入れられる(タイミングe〜f)。
また、マックスベットスイッチ109の操作後において、スタートレバー101に設けられた発光体が点灯し、当該レバー101の有効操作が可能であることが報知される。そして、タイミングgでスタートレバー101が操作されると、それがスタート検出センサ141により検出され、その検出信号が主基板131に有効に入力される。以上により、タイミングgの時点で次回遊技の準備が完了する。
このように本実施の形態では、マックスベットスイッチ109の操作後における受入装置23の遊技球受入が完了していなくても、スタートレバー101の操作(スタート検出センサ141の検出信号)が有効とされる構成となっている。但しこの場合、スタートレバー101の操作を有効としたものの、上皿18内の遊技球が不足していること等が原因で遊技球受入が完了しないことも考えられる。そこで、マックスベットスイッチ109の操作を有効とした後、所定時間が経過しても遊技球受入が正常に完了しなかった場合、前記有効としたマックスベットスイッチ109の操作とスタートレバー101の操作とが無効とされる。これにより、遊技球の受入が完了していないにも関わらずストップボタン102〜104の操作等により遊技が終了される不具合を防止できる。
上記の通り遊技球の払出中であってもマックスベットスイッチ109やスタートレバー101の各操作を有効とすることにより、遊技者によりマックスベットスイッチ109やスタートレバー101が不要に繰り返し操作されるといった事態が抑制される。
一方、図12の(b)において、タイミングh〜iでは、回転体71〜73が回転し、図示しないストップボタン102〜104の押圧操作に伴い同回転体71〜73の回転が停止する。このとき、停止図柄がリプレイ図柄の組合せとなることで、タイミングi〜jにおいてリプレイ表示処理等が行われる。そしてその後、次回遊技のためにスタートレバー101が操作されていれば、所定時間(例えば4.1秒)が経過したタイミングkで再び回転体71〜73の回転が開始される。
かかる場合において、回転体71〜73の回転が停止したタイミングi以降であれば、その直後からスタートレバー101の操作が有効に受け付けられる。具体的には、タイミングi以降において、スタートレバー101に設けた発光体が点灯し、当該レバー101の有効操作が可能であることが報知される。そして、タイミングlでスタートレバー101が操作されると、それがスタート検出センサ141により検出され、その検出信号が主基板131に有効に入力される。以上により、タイミングlの時点で次回遊技の準備が完了する。故に、リプレイ成立時においても、遊技者によりスタートレバー101が不要に繰り返し操作されるといった事態が抑制される。
次に、主基板131内のCPUにより実行される各制御処理を説明する。かかる主基板131の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがある。ここでは、まずNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを簡単に説明し、その後メイン処理を詳細に説明する。
停電の発生などによって電源が遮断されると、電源ユニット133から主基板131のCPUに設けられたNMI端子(ノンマスカブル割込端子)に停電信号が出力される。これに伴い、主基板131がNMI割込み処理を起動する。NMI割込み処理において、主基板131は、使用レジスタのデータをRAMのバックアップエリアに退避させる退避処理や、停電フラグをRAMの停電フラグ格納エリアにセットするフラグセット処理等を実行する。
また、例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生する。このタイマ割込みにおいて、主基板131は、先ず停電フラグがセットされているか否かを判別し、セットされていれば停電時処理を実行する。この停電時処理として、主基板131は、CPUのスタックポインタの値やRAM判定値をRAMのバックアップエリアに保存する。なお、RAM判定値とは、具体的にはRAMの作業領域アドレスにおけるチェックサム値の2の補数である。RAM判定値をバックアップエリアに保存することにより、RAMのチェックサムは0となる。RAMのチェックサムを0とすることによりそれ以後のRAMアクセスが禁止される。
また同じくタイマ割込処理において、主基板131は、以下の処理を順次実行する。すなわち、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理、各回転体71〜73を回転させるためのモータ制御処理、各種センサ(図11参照)の状態を監視するセンサ監視処理、各種カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理、ベット数や払出数をカウントするカウンタ処理、サブ基板132へコマンドなどを送信するコマンド出力処理、獲得数表示部122や情報表示部123にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理、該セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理などを順次実行する。
次に、電源投入後に実行される主基板131でのメイン処理を、図13に示すフローチャートを用いて詳しく説明する。メイン処理は、停電からの復旧や電源スイッチのオン操作によって電源が投入された際に実行される。
先ずステップS101では、初期化処理として、スタックポインタの値をCPU内に設定すると共に、割込み処理を許可する割込みモードを設定し、その後CPU内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。
これらの初期化処理が終了すると、次にステップS102ではリセットスイッチがオン操作されているか否かを判定する。リセットスイッチがオン操作されている場合にはステップS103に進み、RAMクリア処理としてRAMに記憶されたデータを全てクリアする。
その後、ステップS104では設定キーが設定キー挿入孔に挿入されているか否かを判定する。設定キーが挿入されている場合にはステップS105に進み設定変更処理を行う。設定変更処理として、先ずRAMに記憶されたデータを全てクリアする。そして、予め設定された複数段階の設定状態(例えば「設定1」〜「設定6」)のうちどの設定状態が選択されたかを判定した上で、選択された設定状態に応じた内部処理を実行する。
ステップS106では停電フラグがセットされているか否かを確認する。停電フラグがセットされていない、すなわち先のステップS103又はステップS105にてRAMのデータがクリアされている場合には、後述する通常処理に進み、本処理を終了する。
ステップS106において停電フラグがセットされた状態にあるときには、ステップS108以降に示す復電処理に移行する。停電フラグがセットされた状態にあるということは、ステップS103のRAMクリア処理、ステップS105の設定変更処理等のサブルーチン処理が全く実行されていないことを意味する。従って、RAMのデータは全く書き替えられていないこととなり、復電処理ではRAMのデータなどが正常であるかどうかなどの確認処理が必要となる。そのためにまず、ステップS108ではRAM判定値が正常であるか否かを確認する。具体的には、RAMのチェックサムの値を調べ、その値が正常、つまりRAM判定値を加味したチェックサムの値が0か否かを確認する。RAM判定値を加味したチェックサムの値が0である場合、RAMのデータは正常であると判定する。
ステップS108においてRAM判定値が異常である、つまりチェックサムの値がゼロでなかったときには、RAMのデータが破壊された可能性が高い。そのため、このような場合にはステップS109にてエラー表示処理を行う。エラー表示処理として、先ず割込み処理を禁止し、入出力ポート内の全ての出力ポートをクリアすることにより、入出力ポートに接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御する。その後、ホール管理者などにエラーの発生を報知するエラー表示を行うと共に、リセットスイッチがON操作されるまでかかる状態を維持する。
ステップS108においてRAM判定値が正常であると判定した場合にはステップS110に進み、バックアップエリアに保存されたスタックポインタの値をCPUのスタックポインタに書き込み、スタックの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。次に、ステップS111において、復電処理の実行を伝える復電コマンドをサブ基板132に送信する。その後、ステップS112にて遊技状態として打ち止めおよび自動精算設定保存処理を行い、ステップS113にてスタート検出センサ141等の各種センサの初期化を行う。以上の処理が終了した後、ステップS114にて停電フラグをリセットし、電源遮断前の番地に戻る。具体的には、先に説明したタイマ割込み処理に復帰し、前記タイマ割込みのウォッチドッグタイマクリア処理が実行されることとなる。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図14のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS201では、マックスベットスイッチ109が操作されたか否かを判定する。マックスベットスイッチ109が操作されたときには、続いてステップS202にてスタートレバー101が操作されたか否かを判定する。ステップS201,S202が共にYESの場合には、ステップS203の抽選処理、ステップS204の回転体制御処理、ステップS205の遊技球払出処理、ステップS206の特別遊技状態処理を順に実行し、ステップS201に戻る。一方、ステップS201にてマックスベットスイッチ109が操作されていない、またはステップS202にてスタートレバー101が操作されていない場合には、ステップS201に戻る。
以下、ステップS203の抽選処理、ステップS204の回転体制御処理、ステップS205の遊技球払出処理を、図15〜図18のフローチャートを参照しながら説明する。なお、ステップS206の特別遊技状態処理では、ビッグボーナスフラグの成立に伴いビッグボーナスゲームが実行されるが、その遊技内容については概ね既述した通りであるため、ここでは説明を省略する。
先ずステップS203の抽選処理について、図15のフローチャートに基づき説明する。
ステップS301では、遊技機1の現在の設定状態や小役確率の高低等に基づき、当否決定用の乱数テーブルを選択する。ここで、遊技機1の設定状態は「設定1」〜「設定6」のいずれかであり、「設定1」のときに役の当選確率が最も低い乱数テーブルが選択され、「設定6」のときに役の当選確率が最も高い乱数テーブルが選択される。さらに、小役確率については高低2種類存在し、現在の出玉率が所定の期待値を下回っているときには小役当選確率が高い乱数テーブルが選択され、所定の期待値を上回っているときには小役当選確率が低い乱数テーブルが選択される。
ステップS302では、このようにして選択された乱数テーブルに、スタートレバー101が操作されたときに乱数カウンタよりラッチした乱数を照らして役の抽選を行う。そしてステップS303にていずれかの役に当選したか否かを判定し、いずれの役にも当選していない場合にはそのまま本処理を終了する。いずれかの役に当選した場合にはステップS304に進み、その役に応じた当選フラグをセットすると共に図柄を揃えるべき有効ラインを決定する。続いてステップS305では回転体停止制御用のスベリテーブルを決定し、これをRAMのスベリテーブル格納エリアに格納する。ここで、スベリテーブルとは、ストップボタン102〜104が押されたタイミングにおける所定の有効ライン上の図柄と、その有効ライン上に停止させるべき図柄とが異なる場合に、その停止させるべき図柄を所定の有効ライン上で止まるように回転体71〜73をどれだけ滑らせるかを定めたテーブルである。
次に、ステップS204の回転体制御処理について、図16のフローチャートに基づき説明する。
回転体制御処理では、先ずステップS401においてウエイト処理を行う。このウエイト処理は、前回のゲームにおいて回転体の回転を開始した時点から所定時間(例えば4.1秒)が経過するまで今回のゲームにおいて回転体の回転を開始せずに待機する処理である。このため、マックスベットスイッチ109の有効操作後にスタートレバー101が操作されたとしても、直ちに各回転体71〜73が回転しないことがある。
ウエイト処理に続いてステップS402では、各回転体71〜73を回転させる回転体始動処理を行う。かかる回転体始動処理について、図17のフローチャートに基づき説明する。
ステップS501では先ず全ての回転体71〜73の回転を開始させる。続くステップS502では、所定個数(15個)の遊技球受入が完了したか否かを確認し、完了していれば本処理を終了して回転体制御処理に復帰する。一方、所定個数の遊技球受入が完了していない場合には、ステップS503に進み、マックスベットスイッチ109が有効操作されてからの経過時間を確認する。そして、かかる経過時間が遊技球の受入用に予め設定された受入時間を経過していなければ、ステップS502に戻り、遊技球の受入が完了したか否かを確認する。この受入時間は、所定個数の遊技球受入に要する時間に対して十分な時間が設定されている。このため、受入時間を経過した場合には、上皿18内の遊技球が不足していること等が原因で遊技球受入が完了しないと考えられる。そこで、ステップS504では回転中の全ての回転体を強制的に停止させる強制停止処理を行う。なお、この場合には、仮に先述の抽選処理において何らかの役に当選し当選フラグがセットされていたとしても、この当選フラグと対応する役が成立しないように各回転体71〜73を停止させる。続くステップS505では、始動操作の有効化処理を行った後、本回転体始動処理を終了する。有効化処理では、回転体71〜73の停止後におけるスタートレバー101やマックスベットスイッチ109の有効操作が可能な状態とする。これにより、スタートレバー101やマックスベットスイッチ109に設けた発光体が点灯される。なお、ステップS505にて有効化処理を行った場合、回転体制御処理に復帰するのではなく通常処理(より詳しくはステップS205の遊技球払出処理)に復帰する。そして、受け入れられた遊技球は、遊技球通路ユニット29を通じて上皿18に払い出される。
図16の回転体制御処理の説明に戻り、ステップS403では、ストップボタン102〜104のいずれかが押下操作されて回転体の停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合にはステップS404に進み、予め定められた各回転体71〜73の最大回転時間(例えば40秒)を経過したか否かを判定する。最大回転時間を経過していない場合にはステップS403に戻り、最大回転時間を経過した場合にはステップS405に進んで回転中の全ての回転体を強制的に停止させる強制停止処理を行う。
一方、ステップS403にてストップボタン102〜104のいずれかが押下操作されて停止指令が発生した場合には、ステップS406に進み、回転体停止処理を行う。この回転体停止処理では、押下操作されたストップボタンに対応する回転体を停止させるが、役の抽選において役に当選し、当選フラグがセットされている場合にはRAMのスベリテーブル格納エリアに格納されたスベリテーブルを参照して、可能な限り当選した役が所定の有効ライン上に並ぶように制御する。例えば、下ライン上に「スイカ」図柄が並ぶという役に当選し、「スイカ」図柄が上ラインに停止するタイミングでストップボタンが押下操作された場合には、下ラインに停止するように図柄2つ分だけ回転体を滑らせる。但し、滑らせることのできる範囲は予め決められている(例えば最大で図柄4つ分)ため、ストップボタンを押したタイミングによっては下ライン上に「スイカ」図柄が停止しないこともある。なお、ステップS405の強制停止処理においても、当選フラグがセットされている場合にはこれと同様の処理を行う。
続いて、ステップS407では今回の停止指令が第1停止指令か否か、すなわち3つの回転体全てが回転しているときにストップボタンが押下操作されたか否かを判定する。第1停止指令の場合には、ステップS408に進み、スベリテーブル変更処理を行う。このスベリテーブル変更処理では、例えば当選した有効ライン上で役を揃えようとしたときに役の複合が発生するか否かを判定し、役の複合が発生しないときにはそのまま次のステップに移行し、役の複合が発生するときには当選した有効ラインを別の有効ラインに変更すると共に変更後の有効ラインに合ったスベリテーブルに変更した後に次のステップに移行する。ここで、役の複合とは、例えば上ライン上で「ベル」図柄を揃えようとしたときに左回転体にて「チェリー」図柄が中ライン上に現れる場合(図9参照)のように複数の役が同時に発生する場合をいう。なお、スベリテーブル変更処理は役の複合を回避するとき以外にも行われることがある。
一方、ステップS407で今回の停止指令が第1停止指令でないときには、ステップS409に進み、第2停止指令か否か、つまり3つの回転体のうち1つの回転体が停止し2つの回転体が回転しているときにストップボタンが押下操作されたか否かを判定する。第2停止指令のときにはステップS410に進み、停止目判定処理を行う。この停止目判定処理では、2つの回転体が停止したときにその2つが「7」図柄等のボーナス図柄で揃っているか否かを判定し、揃っていないときにはそのまま次のステップに移行し、揃っているときにはスピーカ11から効果音等を発生させた後に次のステップに移行する。
そして、ステップS405の強制停止処理の後、ステップS408のスベリテーブル変更処理の後、ステップS409にて今回の停止指令が第2停止指令でなかったとき、又はステップS410の停止目判定処理を行った後には、ステップS411にて全ての回転体71〜73の回転が停止したか否かを判定する。ステップS411がNOの場合にはステップS403に戻り、YESの場合には続くステップS412にて払出判定処理を行う。払出判定処理では、役が有効ライン上に並んでいるか否かを判定し、役が有効ライン上に並んでいないときにはRAMの払出予定数格納エリアに0をセットし、役が有効ライン上に並んでいるときにはその役が当選した役と一致しているか否かを判定し、一致していないときにはランプ表示部10等によりエラー表示を行うと共に払出予定数格納エリアに0をセットする。一致しているときには払出予定数格納エリアに75個を上限として払出予定数を格納する。
また、ステップS413では、始動操作の有効化処理を行った後、本回転体制御処理を終了する。有効化処理では、回転体71〜73の停止後におけるスタートレバー101やマックスベットスイッチ109の有効操作が可能な状態とする。これにより、スタートレバー101やマックスベットスイッチ109に設けた発光体が点灯される。
次に、ステップS205の遊技球払出処理について、図18のフローチャートに基づき説明する。
遊技球払出処理では、先ずステップS601にて払出数カウンタがカウントした払出数と、払出予定数格納エリアに格納された払出予定数とが一致しているか否かを判定する。払出数と払出予定数とが一致していないときには、ステップS602にて払出装置28を駆動して遊技球を上皿18に払い出す。このとき、ステップS602では払出検出センサ154の検出信号に応じて払出数を1インクリメントする。これにより獲得数表示部122の表示数が1インクリメントされる。そしてその後、ステップS601に戻る。ステップS601で払出数と払出予定数とが一致したときには、ステップS604にて払出装置28を停止させ、本処理を終了する。なお、払出数や獲得数表示部122の表示は、払出予定数分の遊技球を払い出したときにリセットされる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
遊技球受入の完了を待つことなくスタートレバー101の操作を有効とする構成としたため、遊技者によりスタートレバー101やマックスベットスイッチ109が不要に繰り返し操作されるといった事態が抑制できる。その結果、遊技機1を保護し、長期にわたって良好な状態で維持することができる。また加えて、回転体71〜73の停止後において次の操作までに待ち時間が無いこと、一度操作されればそれが有効となることから、従来技術とは異なり思い通りに操作できないことによる遊技者の不満や不快感等が解消できる。故に、遊技をスムーズに進行させることが可能となる。本遊技機1のようにメダルの代わりに遊技球を用いてスロットマシンに似通った遊技を行うことのできる遊技機においては、1遊技回の遊技を行うにあたり、スロットマシンではベット数と同数のメダルが必要とされるのに対してベット数の5倍の遊技球が必要とされる。従って、マックスベットスイッチ109の操作からスタートレバー101の操作までに要する待ち時間がスロットマシンと比して長くなりがちであり、1遊技回の遊技が間延びしてしまうことが懸念される。しかしながら、遊技球受入の完了を待つことなくスタートレバー101の操作を有効とする構成とすることにより、かかる遊技の間延びを軽減することが期待できる。
回転体始動処理において遊技球受入の完了を確認した上で回転体制御処理に復帰し、各ストップボタン102〜104が押下操作されたか否かを確認する構成とすることにより、遊技球受入が完了していないにも関わらずストップボタン102〜104の操作等により遊技が終了される不具合を防止できる。仮に、遊技球受入の完了前に停止操作可能な構成とした場合、15個の遊技球受入の完了前に例えば「ベル」図柄が揃って40個の遊技球払出を行わなければならない等の不具合が生じ、遊技機1を設置する遊技ホール等が不足の不利益を被る恐れが生じ得るからである。
受入時間の経過に伴う各回転体71〜73の強制停止処理を行う場合には、抽選処理において何らかの役に当選し当選フラグがセットされていたとしてもこの当選フラグと対応する役が成立しないように各回転体71〜73を停止させることにより、遊技者が遊技中に不快感を抱くことを抑制することができる。かかる強制停止処理においても当選フラグと対応する役が成立するように各回転体71〜73を停止させる構成とした場合、15個の遊技球受入が受入時間内に完了しなかったことが遊技者の所有する遊技球不足によるものであれば後悔の念に駆られることとなるし、遊技機1側の不具合によるものであれば怒りの念が込み上げることとなるからである。
遊技球の払出中であってもスタートレバー101やマックスベットスイッチ109の各操作が有効とされるため、或いは、リプレイ成立時にはその直後にスタートレバー101の操作が有効とされるため、遊技者によりスタートレバー101やマックスベットスイッチ109が不要に繰り返し操作されるといった事態が抑制できる。従って、スタートレバー101やマックスベットスイッチ109の損傷等が抑制できる。その結果、遊技機1を保護し、長期にわたって良好な状態で維持することができる。また加えて、回転体71〜73の停止後において次の操作までに待ち時間が無いこと、一度操作されればそれが有効となることから、従来技術とは異なり思い通りに操作できないことによる遊技者の不満や不快感等が解消できる。さらにいうと、遊技者に不満が募るとスタートレバー101やマックスベットスイッチ109を操作する力が増してくることも考えられるが、かかる場合にも部材の損傷等が抑制できる。以上のことから、遊技をスムーズに進行させることが可能となる。
本実施の形態の遊技機1は、クレジット機能を有しておらず、更に遊技媒体として遊技球(パチンコ遊技球)を使用しているため、払出の都度現実の遊技球の払出が行われ、その際払出の所要時間が長くなる。そのため、スタートレバー101やマックスベットスイッチ109の過剰な操作が一層懸念されるが、上記構成によりスタートレバー101やマックスベットスイッチ109の過剰な操作が抑制できる。
因みに、クレジット機能を付加しない遊技機では、上記のとおり現実の遊技球の払出が行われるためにその払出時間を必要とするが、これは遊技球の消費速度(投入速度)を制限することにもなる。また、仮想遊技球を使う場合と比べて、現実の遊技球を使う場合には過剰なる遊技球投入に対して抑止力が働くと考えられる。故に、ギャンブル性が過剰化することを制限することができる。
ジャックインゲーム以外の遊技では3ベット遊技のみ行える構成とすることにより、1ベット遊技や2ベット遊技も行える遊技機と比して、主基板131の記憶容量を減少させることが可能となると共に、制御負荷を軽減させることが可能となる。すなわち、任意のベット数にて遊技を行える構成とした場合、抽選処理を行う際に使用する乱数テーブルを、各ベット数に応じて備える必要があるからである。さらに、遊技球受入の完了を待つことなくスタートレバーの操作が有効とされる構成において、例えばマックスベットスイッチが操作されたにも関わらず遊技球受入が12個しか完了しなかった場合に2ベット用乱数テーブルを用いて抽選するのか等の種々の問題が生じることとなり、主基板131の制御負荷が増大するからである。また、遊技者にとっては、マックスベットスイッチ109を1回操作すれば15個の遊技球が受け入れられるため、マックスベットスイッチ109を複数回操作する必要がなくなり、快適に遊技を行うことが可能となる。これはマックスベットスイッチ109が操作される頻度を低減させることにつながり、遊技機1を保護し、長期にわたって良好な状態で維持することができる。
因みに、スロットマシンと同様にベット数と同数の遊技球にて1遊技回の遊技を行うことができる構成とすれば、遊技が間延びする不都合は軽減され得る。しかしながら、遊技球1個の遊技価値はメダル1枚の遊技価値の5分の1に相当することが一般的であるため、ギャンブル性が過剰に低下し、遊技者の遊技意欲を駆り立たせないものとなってしまう。かかる一方、遊技球1個の遊技価値を引き上げてメダル1枚の遊技価値と同等にした場合、パチンコ機と混在して設置する遊技ホールにあっては、遊技者が遊技球を返却する際に使用する返却設備をパチンコ機の返却設備と別設備とする必要が生じ、遊技ホールに無用の設備負担を強いることとなる。これは、パチンコ機のギャンブル性が過剰に高まることとなるからである。従って、5個の遊技球を以って1ベットが可能な構成とすることにより、上記問題を好適に解消することができる。
なお、以上説明した実施の形態の他、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施の形態では、スタートレバー101に発光体を設け、該発光体の発光形態に応じてスタートレバー101の操作が有効となるか否かを表示したが、これを変更し、例えば前面パネルにおいて表示窓61〜63の付近に表示するようにしても良い。表示方法は、液晶表示、ドットマトリックス表示、7セグメント表示など何れでも良い。また、音声による報知を行っても良い。
(b)回転体71〜73の停止後、マックスベットスイッチ109の操作とスタートレバー101の操作とが共に有効操作された時点で、回転体71〜73の回転を開始するようにしても良い。図12(a)で説明すれば、スタートレバー101が有効操作されるタイミングgで回転体71〜73が回転し始めることとなる。この場合、回転体71〜73が回転し始めることで、マックスベットスイッチ109やスタートレバー101の操作が有効とされたことが分かる。故に、遊技者によるマックスベットスイッチ109やスタートレバー101の過剰な操作がより確実に回避できる。また、遊技球を受け入れる処理と回転体71〜73を回転させる処理とを並行して行うことにより、遊技球を受け入れる処理を行っている間に回転体71〜73の回転を安定化させることも可能となる。なお本構成であっても、所定時間が経過するまではストップボタン102〜104の押圧操作を無効化しておけば、前述の通りゲーム間におけるウエイト時間(例えば図12(a)のa〜dの時間)の規定をそのまま適用することができる。
(c)リプレイ成立時において、リプレイ図柄の停止直後にスタートレバー101の操作を有効とし、更にスタートレバー101が有効操作された時点で、回転体71〜73の回転を開始するようにしても良い。図12(b)で説明すれば、スタートレバー101が有効操作されるタイミングlで回転体71〜73が回転し始めることとなる。この場合、回転体71〜73が回転し始めることで、スタートレバー101の操作が有効とされたことが分かる。故に、遊技者によるスタートレバー101の過剰な操作がより確実に回避できる。
(d)ゲーム間におけるウエイト時間(例えば図12(a)のa〜dの時間)の規定を無くした構成としても良い。すなわち、主基板131は、回転体制御処理においてウエイト処理を行うことなく回転体71〜73の回転を開始させる。但しこの場合、マックスベットスイッチ109の操作とスタートレバー101の操作とを有効とした後、少なくとも受入装置23による遊技球の受入が完了するまでは、回転体71〜73の停止操作を無効とするように構成することが望ましい。つまり、ストップボタン102〜104の押圧操作を無効とする構成とすることが望ましい。遊技球の受入が完了していないにも関わらずストップボタン102〜104の操作等により遊技が終了される不具合を防止できるからである。
(e)上記実施の形態では、リプレイ成立直後及び遊技球の払出中におけるマックスベットスイッチ109やスタートレバー101の操作(スタート検出センサ141,マックスベット検出センサ145の検出信号)が有効とされる構成としたが、これを変更し、リプレイ表示処理が終了した及び遊技球の払い出しが完了したことを条件に、マックスベットスイッチ109やスタートレバー101の操作が有効とされる構成としても良い。
(f)遊技球の払出中におけるスタートレバー101やマックスベットスイッチ109の操作を有効とする第1の状態と、遊技球の払出中における同操作を無効とする第2の状態とを切り替えられるようにしても良い。例えば、遊技機1に外部に切替スイッチ(切替操作部材)を設け、遊技者によって自在に第1/第2の状態が切り替えられる構成とする。又は、遊技機1の内部に切替スイッチ(切替操作部材)を設け、遊技ホール側で第1/第2の状態が切り替えられる構成とする。これにより、遊技者或いは遊技ホール側が何れの状態を望むかなどに応じて第1/第2の状態の設定が自在となる。また、不慣れな遊技者にとっては、従前通りの遊技手順を選択することも可能となる。リプレイ成立直後においてスタートレバー101を有効とする第1の状態と、有効としないか第2の状態とを切り替える構成とする場合も同様である。
(g)上記実施の形態では、遊技球受入の完了を待つことなくスタートレバー101の操作を有効とする構成としたが、例えば遊技球の払い出しが完了していない場合等の所定条件成立時には遊技球受入の完了を待つ構成としてもよい。かかる構成とすれば、主基板131は遊技球の払い出しを行う処理とスタートレバー101の有効操作に伴う処理(抽選処理等)とを並行して行う必要性が生じないため、主基板131の制御負荷を軽減させることが可能となる。
(h)上記実施の形態の遊技機1では、入力操作手段としてマックスベットスイッチ109のみを設けたが、複数のベットスイッチを設ける構成としても良い。例えば、1ベット用と2ベット用とマックスベット用の3種類のベットスイッチを設ける構成とすれば、通常遊技において遊技者の望むベット数にて遊技を行うことが可能となる。
(i)上記実施の形態では、スタートレバー101が有効操作された後に抽選処理を行い、各回転体71〜73を始動させる処理(回転体制御処理)を行う構成としたが、かかる構成に限定されるものではない。例えば、スタートレバー101が有効操作された後に各回転体71〜73を始動させる処理を行い、遊技球受入の完了を条件として抽選処理を行う構成とする。かかる構成とすれば、例えば上皿18内の遊技球は十分にあったが遊技機1側の不具合により遊技球受入が受入時間内に完了しなかった場合に、遊技者が不利益(例えば抽選処理の抽選結果がビッグボーナス当選だった等)を被る恐れを回避することが可能となる。
(j)上記実施の形態では、マックスベットスイッチ109の有効操作後からの経過時間を確認し、この経過時間が受入時間を経過した場合に強制停止処理を行う構成としたが、スタートレバー101の有効操作後からの経過時間を確認し、この経過時間が受入時間を経過した場合に強制停止処理を行う構成としてもよい。
(k)上記実施の形態では、各回転体71〜73の回転を開始させてから遊技球の受入が完了したか否かを確認する構成としたが、遊技球の受入が完了したことを待って各回転体71〜73の回転を開始させる構成としてもよい。かかる構成とすれば、遊技球の受入が受入時間内に完了しなかった場合に強制停止処理を行う必要がないため、主基板131の制御負荷を軽減させることが可能となる。或いは、少なくとも1個の遊技球を受入装置23が受け入れたことを条件としてスタートレバー101の操作を有効とする構成としてもよい。すなわち、スタートレバー101の操作は少なくとも1個の遊技球を担保として有効とされる。かかる構成とすることにより、例えば遊技球を保有しない遊技者等がマックスベットスイッチ109やスタートレバー101を無用に操作することを抑制し得る。なお、これらを組合わせてもよいことは言うまでもない。
(l)上記実施の形態の遊技機1は、クレジット機能(仮想遊技媒体の記憶機能)を持たない構成としたが、このクレジット機能を持つ構成としても良い。かかる場合でもあっても、仮想遊技媒体が記憶されていない場合や現実の遊技球が払い出される場合、又はリプレイ成立時において、上述の優れた作用効果が得られる。
(m)補助演出用の情報付与手段を遊技機1に設置する構成としてもよい。同情報付与手段は、例えば、ベルトユニット70の前面側にて当該ベルトユニット70に一体化して設置したり、中央パネル部において表示窓61〜63の近傍(左右上下のいずれか)に設置したり、前面パネル60(図6参照)よりも上方に設置したり、環状部6のうちトップ部6aに設置したりすればよい。情報付与手段としては、電気的表示装置の一種たる液晶表示装置を用いることが可能であり、さらに他の電気的表示装置、例えばCRT、ドットマトリックス、LED、エレクトロルミネセンス(EL)、蛍光表示管等を用いてもよい。また、電気的表示装置以外にも、スピーカ等の音声発生装置を用いてもよく、これにより遊技者に対してダイナミックな音声演出が可能となる。さらに、音声発生装置たるスピーカ11,43と表示装置との組み合わせとして情報付与手段を構成してもよい。
(n)上記実施の形態における図柄の種類、配列等はあくまでも一例にすぎず、例えば他の小役図柄を盛り込む等、任意の構成を採用することができる。また、絵、数字、文字等に限らず、幾何学的な線や図形等であってもよい。また、光や色等を利用して図柄を構成することも可能であるし、立体的形状等によっても図柄を構成し得るし、これらを複合したものであっても図柄を構成し得る。すなわち、図柄は識別性を有した情報(識別情報)としての機能を有するものであればよい。
(o)上記実施の形態におけるスタートレバー101等に代表される操作手段や、獲得数表示部122等に代表される表示手段の配置はあくまでも一例に過ぎず、例えばスタートレバー101を右側に配置したり、レバーに代えてボタンにしたりする等、適宜変更することは何ら差し支えない。
(p)遊技機1の全ての制御が主基板131により司られる構成としてサブ基板132を省略してもよい。また、サブ基板132を音声制御基板、ランプ制御基板といったように制御分担を細分化して複数基板によって構成することも可能である。
(q)上記実施の形態では、特別遊技状態としてビッグボーナスゲームを有する遊技機1について説明したが、一回のジャックインゲームからなるレギュラーボーナスゲームを行いうる遊技機に適用してもよい。また、逆にビッグボーナスゲームを省略したものとしてもよい。更に、ビッグボーナスゲーム後に所定条件成立(所定ゲーム回数の終了、所定フラグ成立等)まで遊技媒体(遊技球)の消費を抑えて、或いは遊技媒体(遊技球)の獲得のチャンスを増大させたゲームを進行し得るチャンスゲーム機能等の各種付加価値を設けたものとしてもよい。
(r)上記実施の形態における遊技球の、1ベット当りの受入数(所定数)、最大受入数、払出個数等はあくまでも例示であって、上記数値に特に限定されるものではない。
1…遊技機、18…貯留部としての上皿、23…受入装置、28…払出装置、61〜63…表示窓、70…可変表示装置としてのベルトユニット、71〜73…回転体、76…ベルト、101…始動操作手段を形成するスタートレバー、102〜104…停止操作手段を形成するストップボタン、109…入力操作手段を形成するマックスベットスイッチ、131…入力操作確認手段等を含む主基板、141…始動操作手段を形成するスタート検出センサ、142〜144…停止操作手段を形成するストップ検出センサ、145…入力操作手段を形成するマックスベット検出センサ。