はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明群を手段n(n=1,2,3…)として区分して示し、それらを必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、発明の実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
手段1.複数種の絵柄が周方向に付された円環状のリール(リール71〜73)を有し、該リールを回転させることにより絵柄の変動を行う絵柄変動装置(リールユニット70)を備え、
該絵柄変動装置よりも遊技機前方に位置し前記リールに付された絵柄のうち一部の絵柄を視認可能とする前面パネル部(透明パネル65)を、その上方に位置する上パネル部(上部パネル59)よりも遊技機前方に張り出して設けた構成とし、
前記前面パネル部と前記上パネル部との間に、その上方からの光が前記リールに照射されるのを遮断する光遮断部(上方傾斜部61)を設けたことを特徴とする遊技機。
手段1によれば、前面パネル部がその上方に位置する上パネル部よりも前方に張り出した構成であるので、前面パネル部の後方領域、すなわち絵柄変動装置の収容領域を拡張できる。これにより、例えば、遊技ホールの島設備への設置条件等により遊技機の体格に制限がある場合であっても、遊技機の体格に対して径が比較的大きいリールを備えた絵柄変動装置を望ましい状態で搭載することができる。特に、遊技機後方への張り出しが制限されている場合に、径が比較的大きいリールを備えた絵柄変動装置を配設する場合には、本構成は最適な構成といえる。しかしながら、前面パネル部が上パネル部よりも前方に張り出した構成では、両パネルの間が段差状となるので、遊技ホールにおける天井照明といったリールの上方から照射される光がリールの表面上部にあたる可能性があり、この場合、光があたった部分に位置する絵柄の視認性が低下することとなる。これに対して、本構成では、前面パネル部と上パネル部との間に光遮断部が設けられているので、リールの上方から照射される光は当該光遮断部によって遮断され、上記のように絵柄の視認性が低下することはない。以上より、遊技機の体格に対して径が比較的大きいリールを備えた絵柄変動装置を望ましい状態で搭載し、しかも遊技を良好に行うことができる。
手段2.手段1において、前記上パネル部と前記前面パネル部とを連結する部位を前記光遮断部として構成したことを特徴とする遊技機。
手段2によれば、光遮断部が、前面パネル部を上パネル部よりも遊技機前方へと張り出させる機能と、絵柄の視認性が低下することを防止する機能とを兼ね備えるため、それら両機能を1部材で実現することができる。
手段3.手段1又は2において、前記上パネル部に本遊技機又は遊技内容に関する情報を表示する構成とし、前記光遮断部の前面を前記上パネル部側から前記前面パネル部側に向けて下方に傾斜させたことを特徴とする遊技機。
手段3によれば、上パネル部の下側端部が前面パネル部の上側端部よりも上方に位置する構成となるので、遊技者の目の高さが前面パネル部の上側端部よりも下方に位置する場合であっても、上パネル部の表示情報を当該遊技者に容易に視認させることができる。
手段4.手段1乃至3のいずれかにおいて、前記上パネル部に発光体(上部ライト59a)又は表示器を設けたことを特徴とする遊技機。
手段4によれば、遊技機前面という限られた領域において、当該領域を有効活用して発光体又は表示器を設けることができる。そして、この場合においても上記のように光遮断部が設けられていることにより、発光体や表示器から照射される光がリールの表面にあたるのを防止することができる。
手段5.手段1乃至4のいずれかにおいて、前記光遮断部を前記前面パネル部よりも遊技機前方に延出させて設けたことを特徴とする遊技機。
手段5によれば、遊技ホールにおける天井照明といったリールの上方から照射される光が、リールの表面上部に照射されるのをより確実に防止することができる。
手段6.手段1乃至5のいずれかにおいて、前記前面パネル部を平面状としたことを特徴とする遊技機。
手段6によれば、前面パネル部が平面状なので、該前面パネル部の配設角度を調節することにより、遊技ホールの天井照明などといった遊技機外部から照射される光の前面パネル部における反射で絵柄の視認性が低下するといった不都合が発生するのを防止することができる。仮に、前面パネル部が曲面状となっている場合には、前面パネル部が同じ厚みで形成されていたとしても遊技者の前面パネル部を見る角度に応じて視認性にバラツキが生じることとなるからである。
手段7.手段1乃至6のいずれかにおいて、遊技媒体としての遊技球を貯留する球貯留部(上皿18)を前記前面パネル部よりも下方に設け、遊技に際し、前記球貯留部に貯留した遊技球を順次取り込む構成であって、前記前面パネル部と前記球貯留部との間に前記前面パネル部よりも遊技機後方側に位置する奥壁(奥壁64)を設けたことを特徴とする遊技機。
本構成の遊技機では、遊技に際し、球貯留部に貯留されている遊技球が取り込まれるので、遊技者は貯留部へと遊技球の補給を適宜行う必要がある。この場合に、手段7のように、前面パネル部と球貯留部との間に前面パネル部よりも遊技機後方側に位置する奥壁が設けられており、該奥壁を基準としてそれから前方に球貯留部が設けられているので、球貯留部が遊技機前方へと過剰に膨出するのを抑制しつつ、遊技者が当該球貯留部へと比較的容易に遊技球を補給することができる構成となっている。仮に、上記のような奥壁が設けられていない構成の場合には、遊技者が球貯留部へと遊技球を補給するための空間を確保すべく該球貯留部を遊技機前方へと過剰に膨出させる必要がある。この場合、遊技者に圧迫感を与えるなどといった不都合が生じるおそれがある。特に、遊技機前面から所定間隔離れた位置に遊技者が座るための椅子が固定配置されている場合には、球貯留部が遊技機前方へと大きく膨出すると、球貯留部の前面と遊技者の胴体との距離が短くなってしまい、遊技者に圧迫感を与えるなどといった不都合が発生しやすい。また、球貯留部の前面に、リールの回転を開始させるべく操作される始動操作手段及び同リールの回転を停止させるべく操作される停止操作手段とが配設されている構成の場合には、球貯留部が遊技機前方へと大きく膨出すると、球貯留部の前面に配設された始動操作手段や停止操作手段の操作が窮屈なものとなってしまう。これは継続して遊技を行う遊技者にとっては大きな負担となってしまう。これに対して、本構成であれば、上記のような不都合が生じるおそれはない。
手段8.手段7において、前記奥壁部を、前記球貯留部の上方であって、該球貯留部の前方縁部から後方縁部との間に設けたことを特徴とする遊技機。
手段8によれば、球貯留部は奥壁部よりも遊技機前方側の領域と、奥壁部よりも遊技機後方側の領域とを有することとなる。これにより、球貯留部を遊技機前方へとさほど膨出させることなく、球貯留部への遊技球の補給を比較的容易に行うことができるようにし、さらには球貯留部の貯留領域の拡張を図ることができる。
手段9.手段7又は8において、前記球貯留部に貯留されている遊技球を排出するために操作される排出スイッチ(精算スイッチ111)を前記奥壁に設けたことを特徴とする遊技機。
本構成では、排出スイッチが操作されることにより、球貯留部に貯留されている遊技球が、例えば、下皿や遊技球収容箱に排出される。この場合に、手段9によれば、前面パネル部や球貯留部の前面よりも奥側に位置する奥壁に排出スイッチが配設されているので、誤って排出スイッチが押されるといったことを抑制することができる。特に、球貯留部の前面に始動操作手段や停止操作手段が配設されている構成においては、球貯留部の前面に排出スイッチが配設されていると始動操作手段や停止操作手段を操作する際に誤って排出スイッチが押される可能性が高くなるが、本手段によればこのような間違いを最適に防止することができる。
手段10.手段7乃至9のいずれかにおいて、前記奥壁に遊技の進行に伴う遊技情報を表示する表示部(獲得数表示部122、情報表示部123)を設け、前記前面パネル部と前記奥壁との間に該前面パネル部から前記奥壁にかけて下方に傾斜した傾斜部(下方傾斜部63)を設けたことを特徴とする遊技機。
手段10によれば、遊技機前面という限られた領域において、当該領域を有効活用して表示部を配設することができる。また、遊技者は前面パネル部を介して絵柄の変動表示を視認しながら遊技を行うため、遊技者の目の高さは前面パネル部の前方に位置し、少なくとも奥壁よりも上方に位置する。この状況下において、前面パネル部よりも奥壁が奥側に位置する構成では、奥壁の一部が前面パネル部により隠れて表示部に表示されている内容の全部を遊技者に視認させることができないおそれがある。これに対して、前面パネル部と奥壁との間に該前面パネル部から奥壁にかけて下方に傾斜した傾斜部が設けられていることにより、前面パネル部の下縁が奥壁の上縁よりも高い位置となるので、上記のような不都合が生じるおそれはない。
手段11.手段1乃至10のいずれかにおいて、遊技機前方に張り出し前記絵柄変動装置の少なくとも一部を収容し、前面を前記前面パネル部とする前面ケース部材(ケース体60)を有し、該前面ケース部材の一部として前記光遮断部を設けたことを特徴とする遊技機。
手段11によれば、前面ケース部材が、絵柄の視認性が低下することを防止する光遮断部としての機能と、リールに付された絵柄のうち一部の絵柄を視認可能とする前面パネル部としての機能と、前面パネル部を上パネル部よりも遊技機前方へと張り出させる機能とを兼ね備えるため、これらの機能を1部材で実現することができる。なお、前面パネル部は、前面ケース部材と一体であってもよいし、別体で組み付けられていてもよい。
手段12.手段10において、遊技機前方に張り出し前記絵柄変動装置の少なくとも一部を収容し、前面を前記前面パネル部とする前面ケース部材(ケース体60)を有し、該前面ケース部材の一部として前記光遮断部及び前記傾斜部を設けたことを特徴とする遊技機。
手段12によれば、前面ケース部材が、絵柄の視認性が低下することを防止する光遮断部としての機能と、リールに付された絵柄のうち一部の絵柄を視認可能とする前面パネル部としての機能と、前面パネル部を上パネル部よりも遊技機前方へと張り出させる機能と、奥壁に設けられた表示部の視認性が低下するのを防止するという傾斜部としての機能とを兼ね備えるため、これらの機能を1部材で実現することができる。なお、前面パネル部は、前面ケース部材と一体であってもよいし、別体で組み付けられていてもよい。
手段13.手段12において、前記ケース部材の一部として前記奥壁を設けたことを特徴とする遊技機。
手段13によれば、前面ケース部材が、手段12における機能に加え、球貯留部が遊技機前方へと過剰に膨出するのを抑制しつつ遊技者が当該球貯留部に遊技球を補給するのを容易なものとする奥壁としての機能を兼ね備えるため、これらの機能を1部材で実現することができる。
手段14.手段1乃至13のいずれかにおいて、前記絵柄変動装置を挟んで前記前面パネル部の後方に後方カバー部材(保護カバー135)を設け、前記前面パネル部から前記後方カバー部材にかけての領域内において前記絵柄変動装置を後方カバー部材に近接させて収容したことを特徴とする遊技機。
手段14によれば、前面パネル部から後方カバー部材にかけての領域内において絵柄変動装置が後方カバー部材に近接するように収容されるので、絵柄変動装置がその収容領域内で、できる限り後方に配置される。これにより、絵柄変動装置の最前部となる部位が、遊技機前方へと突き出る長さを短くすることができ、前面パネル部の遊技機前方へと張り出す長さを短くすることができる。
手段15.手段14において、前記後方カバー部材を本遊技機の最後部の部位としたことを特徴とする遊技機。
手段15によれば、後方カバー部材が遊技機の最後部の部位となっている。従って、遊技ホールにおける島設備の構造上の都合により、遊技機の後方へと張り出させることができる長さが制限されている状況下において、絵柄変動装置を最大限遊技機の奥側へと配設することができる。これにより、遊技機の体格が大きくなるのをおさえつつ、前面パネル部の遊技機前方へと張り出す長さも短くすることができる。
手段16.手段1乃至15のいずれかにおいて、遊技機設置設備に取付固定される外枠(外枠2)に対して開閉可能な本体部(前面枠3、裏セット盤16)に前記絵柄変動装置を配設したことを特徴とする遊技機。
手段16によれば、外枠に対して開閉可能な本体部に絵柄変動装置が配設されているので、絵柄変動装置のメンテナンスを行う際には本体部を開くことにより当該メンテナンスを容易に行うことができる。そして、本構成の遊技機において、上記のような手段が具備されていることにより、当該遊技機の構成を最適なものとすることができる。
手段17.手段16において、前記絵柄変動装置のリールが前記外枠よりも前方及び後方の両方に張り出していることを特徴とする遊技機。
手段17によれば、絵柄変動装置が外枠よりも前方又は後方の何れかに偏って配設されるのではなく、外枠よりも前方及び後方の両方に張り出すように配設される。これにより、遊技機が遊技機前方又は遊技機後方に極端に張り出すのを防止しつつ、径が比較的大きいリールを備えた絵柄変動装置を配設することができる。
手段18.手段1乃17のいずれかにおいて、所定数の遊技媒体としての遊技球を受け入れさせるべく操作される入力操作手段(マックスベットスイッチ109)と、前記リールの回転を開始させるべく操作される始動操作手段(スタートレバー101)と、同リールの回転を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップボタン102〜104)とを備え、前記入力操作手段の操作による遊技球の受け入れと前記始動操作手段の操作とを条件に前記リールの回転を開始するとともに、前記停止操作手段が操作されると前記リールの回転を停止し、停止後に前記前面パネル部から視認できる有効位置に所定の絵柄が位置していることを条件として遊技球の払い出しを行う構成としたことを特徴とする遊技機。
手段18によれば、従来あるスロットマシンの遊技性を維持しつつ、遊技媒体を遊技球とすることができる。これにより、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいて多く見られる、メダルと遊技球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消することができる。そして、本構成の遊技機において、上記のような手段が具備されていることにより、当該遊技機の構成を最適なものとすることができる。
手段19.遊技機設置設備に取付固定される外枠(外枠2)と、
該外枠に対して開閉可能に取り付けられる本体部(前面枠3,裏セット盤16)と、
該本体部に取り付けられ、複数種の絵柄が周方向に付された円環状のリール(リール71〜73)を有し、該リールを回転させることにより絵柄の変動を行う絵柄変動装置(リールユニット70)と、
該絵柄変動装置よりも遊技機前方に位置し、前記リールに付された絵柄のうち一部の絵柄を視認可能とする前面パネル部(透明パネル65)と、
該前面パネル部よりも下方に位置し、遊技媒体としての遊技球を貯留する球貯留部(上皿18)と、
該球貯留部から所定数の遊技球を受け入れさせるべく操作される入力操作手段(マックスベットスイッチ109)と、
前記リールの回転を開始させるべく操作される始動操作手段(スタートレバー101)と、
同リールの回転を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップボタン102〜104)とを備え、
前記入力操作手段の操作による遊技球の受け入れと前記始動操作手段の操作とを条件に前記リールの回転を開始するとともに、前記停止操作手段が操作されると前記リールの回転を停止し、停止後に前記前面パネル部から視認できる有効位置に所定の絵柄が位置していることを条件として遊技球の払い出しを行う構成とした遊技機において、
前記前面パネル部を平面状とし、その上方に位置する上パネル部(上部パネル59)よりも遊技機前方に張り出して設けた構成とし、
前記前面パネル部と前記上パネル部との間に、その上方からの光が前記リールに照射されるのを遮断する光遮断部(上方傾斜部61)を設け、
さらに前記リールが前記外枠よりも前方及び後方に張り出すように前記絵柄変動装置を配設したことを特徴とする遊技機。
手段19によれば、従来あるスロットマシンの遊技性を維持しつつ、遊技媒体を遊技球とすることができる。これにより、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいて多く見られる、メダルと遊技球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消することができる。この構成において、前面パネル部が平面状なので、該前面パネル部の配設角度を調節することにより、遊技ホールの天井照明などといった遊技機外部から照射される光の前面パネル部における反射で絵柄の視認性が低下するといった不都合が発生するのを防止することができる。仮に、前面パネル部が曲面状となっている場合には、遊技者の前面パネル部を見る角度に応じて視認性にバラツキが生じることとなるからである。また、前面パネル部がその上方に位置する上パネル部よりも前方に張り出した構成であるので、前面パネル部の後方領域、すなわち絵柄変動装置の収容領域を拡張できる。これにより、例えば、遊技ホールの島設備への設置条件等により遊技機の体格に制限がある場合であっても、遊技機の体格に対して径が比較的大きいリールを備えた絵柄変動装置を望ましい状態で搭載することができる。特に、遊技機後方への張り出しが制限されている場合に、径が比較的大きいリールを備えた絵柄変動装置を配設する場合には、本構成は最適な構成といえる。さらには、絵柄変動装置が外枠よりも前方又は後方の何れかに偏って配設されるのではなく、外枠よりも前方及び後方の両方に張り出すように配設される。これにより、遊技機が遊技機前方又は遊技機後方に極端に張り出すのを防止しつつ、径が比較的大きいリールを備えた絵柄変動装置を配設することができる。しかしながら、前面パネル部が上パネル部よりも前方に張り出した構成では、両パネルの間が段差状となるので、遊技ホールにおける天井照明といったリールの上方から照射される光がリールの表面上部にあたる可能性があり、この場合、光があたった部分に位置する絵柄の視認性が低下することとなる。これに対して、本構成では、前面パネル部と上パネル部との間に光遮断部が設けられているので、リールの上方から照射される光は当該光遮断部によって遮断され、上記のように絵柄の視認性が低下することはない。以上より、遊技機の体格に対して径が比較的大きいリールを備えた絵柄変動装置を望ましい状態で搭載し、しかも遊技を良好に行うことができる。
なお、手段19に対して、手段2〜手段5及び手段7〜手段15のいずれかを適用することにより、当該遊技機の構成を最適なものとすることができる。
以下に、遊技球を受け入れた上で遊技が開始される遊技機に関する一実施の形態につき図面に基づいて説明する。
本実施の形態における遊技機は、遊技に際して所定数の遊技媒体(遊技価値)としての遊技球(例えばパチンコ機と同様の遊技球:パチンコ球)を必要とし、所定条件が成立した場合には複数の遊技球、場合によっては大量の遊技球が払い出されるよう構成されている。なお、遊技球はパチンコ球に限られず、広義には鋼球であればよい。
まず、遊技機1の外観構成及び内部構造の概略を説明する。ここで、図1は遊技機1の全体を示す斜視図、図2は遊技機1の正面図、図3は遊技機本体の前面構成を示す正面図、図4は図2におけるA―A線で示す位置の内部構造を簡略に示す構成図、図5は遊技機1の背面図である。
図1〜図3に示すように、遊技機1は、本体枠としての外枠2と、外枠2の前部に設けられ外枠2の一側部にて開閉可能に支持された前面枠3とを備えている。この場合、外枠2と前面枠3とは、その左端の上部及び下部においてヒンジ31,32により開閉可能に連結されている。外枠2は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって、全体として矩形状をなす。また、前面枠3は、外形寸法が外枠2よりも僅かに小さな四角枠状の板材よりなり、外枠2の前面に当接するようにして設けられている。前面枠3には、その裏面から外枠2の内周面に沿って背面側に延びる裏セット盤16が取り付け固定されており、その裏セット盤16に、後述するリールユニットや、遊技球の取り込み又は払い出しのための装置(いわゆる裏セット)や、各種制御基板等が搭載されるようになっている。本実施の形態では、基本的に外枠2、前面枠3及び該前面枠3に設けられる裏セット盤16等により遊技機本体が構成されている。
このように、外枠2、前面枠3及び該前面枠3に設けられる裏セット盤16等により遊技機本体を構成することにより、遊技機1に対する遊技球の補給機構及び排出機構を最適に設けることができる。当該遊技機1は、パチンコ機で使用される遊技球を遊技媒体として使用するものであり、スロットマシンで遊技媒体として使用される遊技メダルに比べ、一般的に1個当たりの有価価値が低く設定されている。従って、取り込みや払い出しといったように遊技において使用される数量は遊技球の方が多くなる。この場合に、スロットマシンのように箱状の筐体を遊技機本体とする構成とすると、遊技機1に対する遊技球の補給機構及び排出機構を設けるためには筐体に開口などを設ける必要があり、後方が開放されている当該遊技機1の遊技機本体に比べ構成上好ましくない。また、当該遊技機1は、従来あるパチンコ機の島に配設されることが想定されるため、外枠2などにより遊技機本体を構成すれば、球詰まりの解消などといった島のメンテナンス性の向上を図ることができる。
前面枠3の前面側には、当該前面枠3に対して開閉可能な開閉扉としての前面扉4が設けられると共に、この前面扉4の下方に下皿ユニット5が設けられている。すなわち、前面枠3の前面側は前面扉4と下皿ユニット5とにより覆い隠されるようになっており、前面扉4が開放されることにより、下皿ユニット5よりも上方の前面枠3及びそれに搭載された各種機構(ベルトユニット等)が前方に露出されるようになっている。前面枠3と前面扉4とは、その左端の上部及び下部のヒンジ33,34により開閉自在に連結されている。従って、前面扉4は、前面枠3に対してその左側部を中心に右側部が回動される。
前面扉4及び下皿ユニット5の前面は、遊技機全体として一体的な外観をなすよう連続的な立体形状にて形成されており、遊技機1の概ね外周全体で環状をなしかつ遊技機前面に突出する環状部6,7を有する。環状部6,7は遊技機正面から見てほぼ左右対称の形状をなす。これら環状部6,7には、発光ダイオード等よりなる発光体8,9が多数埋設されており(図2右下の一部破断部参照)、遊技に際しこの発光体8,9が発光することにより、例えば環状部6,7が一斉に又は遊技機外周を周回して光るようになっている。環状部6のうち、最上部に位置するトップ部6aは他の部位よりも一層前方に突出しており、トップ部6aには、左右一対のランプ表示部10が設けられると共に、同じく左右一対のスピーカ11が設けられている。また、環状部6において高さ方向中央部付近には、内側に括れた括れ部6bが設けられ、その括れ部6bにもランプ表示部12,13が設けられている。
環状部6,7(発光体8,9)やランプ表示部10,12,13等は、表示内容の多様化や表示演出の重厚化等を意図しつつ遊技の際の補助演出を行うために設けられるものであって、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行する。例えば、ビッグボーナスゲームを獲得しうる状態になったときに、環状部6,7(発光体8,9)を一斉に又は周回させるように発光させたり、全てのランプ表示部10,12,13を点灯又は点滅等させたりすることで、遊技者への告知が行われる。
本実施の形態における遊技機1は、現実の遊技球の受入を必要条件として遊技が行われ、所定条件の成立に伴い所定個数の遊技球の払出が行われるよう構成されている。遊技媒体として遊技球を用いるための構成を以下に説明する。すなわち、図3に示すように、前面枠3に取り付け固定された裏セット盤16には、その前面側下方に上皿形成体17が着脱可能に取り付けられている。図6は、上皿形成体17の構成を示す斜視図である。
上皿形成体17には貯留部としての上皿18が形成されており、その上皿18は、取込装置23への投入口に通じる主上皿部18aと、その上流側に位置する副上皿部18bとを有する。基本的に、主上皿部18aは、後述する払出機構より払い出された遊技球を貯留するものである一方、副上皿部18bは、図示しない球貸し機のノズルから供給される遊技球を受け取り、主上皿部18aへ導くものである。主上皿部18a内の遊技球は、球案内部19を通じて投入口に流れ込み、この投入口より取込装置23(図3参照)に給送される。球案内部19は遊技球を一列に整列させて球出口に供給することができるようになっており、球案内部19にはステンレスカバー(保護カバー)20が取り付けられている。主上皿部18a及び副上皿部18bは折り返すようにして前後に重複して設けられ、副上皿部18bは図5の左側に向けて幾分下方に傾斜し、主上皿部18aは図5の右側に向けて幾分下方に傾斜している。故に、主上皿部18a及び副上皿部18b内の遊技球は順序よく下流側に流れ、取込装置23へ向けて案内される。
上皿形成体17の左右両端部には装着固定部21が設けられており、この装着固定部21を裏セット盤16側に締結することにより、上皿形成体17が裏セット盤16に装着されるようになっている。装着固定部21の締結解除により、上皿形成体17が裏セット盤16から離脱される。装着固定部21は裏セット盤16に対して着脱自在であればその締結手法は任意でよく、裏セット盤16側に設けた被締結穴に締結具(例えばナイラッチ(登録商標))を押し込むワンプッシュ式の締結手法や、裏セット盤16側に設けたネジ穴に雄ネジを螺着する手法等が適用できる。
そして、上皿形成体17が裏セット盤16に装着された状態で、前面扉4が閉じられると、裏セット盤16と前面扉4との間で上皿形成体17が固定される。上皿形成体17にはその長手方向に延びるフランジ22が設けられており、このフランジ22が前面扉4の裏面に挟持されるようになっている。すなわち、フランジ22を挟み込むように前面扉4の裏面の対応位置には挟持用凹所が形成されていることから、前面扉4の閉状態時において上皿形成体17の脱落が防止されるとともに、上皿18に貯留される大量の遊技球の重量をも支えることができる。また、図1や図2に示すように、前面扉4のうち、上皿形成体17に対応する部分(操作部100)は前面側に膨出しており、かつその膨出部の上面が開口している。このため、前面扉4が閉状態にあるときには、上皿形成体17の上皿18が膨出部(操作部100)の上方に開放されるようになる。以上の構成により、上皿形成体17を遊技機本体又は前面扉4から容易に取り外すことができるとともに、上皿形成体17を取り外した上で、上皿18(特に球案内部19)の清掃作業等が行いやすくなる。また、後述する操作部100等の点検、修理等が前面扉4の裏側から行いやすくなる。つまり、メンテナンス性の向上が図られる。前面扉4の膨出部分は操作部100となっており、前面扉4のうち、操作部100の直上には奥壁64が設けられている。操作部100が前面扉4の膨出部分に配設されていることにより、操作部100の操作性の向上が図られている。これら操作部100及び奥壁64の構成については後述することとする。
取込装置23(図3参照)は裏セット盤16に設けられており、遊技者による操作に基づき取込装置23を介して遊技球が所定個数ずつ受け入れられる。そして、所定個分の遊技球が受け入れられことで遊技(ゲーム)の開始条件が成立し、遊技開始の準備が整えられるようになっている。このとき、受け入れられた遊技球は、図示しない排出経路を介して遊技機外部に排出される。
裏セット盤16の裏側には、遊技中の所定条件の成立時において遊技球の払出を行う払出機構が設けられている。すなわち、図5に示すように、裏セット盤16の裏側の最上部にはタンク25が設けられており、このタンク25には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク25の下方にはタンクレール26が連結され、更にタンクレール26の下流側にはケースレール27が連結されている。払出装置28はケースレール27の下流側に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が行われる。そして、払出装置28より払い出された遊技球は遊技球通路ユニット29を通じて前記上皿18に供給される。
タンクレール26、ケースレール27、払出装置28等の払出機構は、後述するリールユニット70(実際には、同リールユニット70を包囲する保護カバー135)を迂回するようにして配置されている。また、図5(遊技機1の背面図)では右端の上下部分で前面枠3が開閉可能に軸支されており、前述の払出機構は軸側に配置されている。この場合、払出機構には多数の遊技球が貯留されその重量は自ずと大きくなるが、払出機構が軸側に設けられるため、前面枠3の開閉を支障なく行うことができるようになる。またこのとき、軸部材(ヒンジ31,32)にかかる重量負担が軽減されるため、同軸部材(ヒンジ31,32)を保護する効果も併せて得られる。払出機構と同様に前記取込装置23も軸側に設けられていることから、遊技球の取り扱いに関する機構が全て軸側にまとめられ、遊技球の流れに関する不具合時の対応も容易になる。
取込装置23が作動すると、それに伴い上皿18にある遊技球が所定個数ずつ受け入れられる。また、遊技中に所定条件が成立した場合には、払出装置28が作動し、これによりタンク25に貯留されている遊技球が、遊技球通路ユニット29等を介して基本的には上皿18に払い出される。
一方、図1等に示すように、前面扉4の前面下方に設けた下皿ユニット5には下皿41が形成され、下皿ユニット5の奥方の側面には下皿排出口42が形成されている。前記上皿18等に遊技球が満タンに貯留されている状態であって更に払出装置28から遊技球が払い出される場合には、下皿排出口42を介して下皿41に遊技球が払い出される。下皿41に隣接して灰皿44が形成されている。
前面扉4前面の膨出部よりなる操作部100は、その下面が台形状(凸状)に切り欠かれており(実際には、後述するストップボタン操作面113の下方部分が切り欠かれている)、この操作部100の下方空間(切り欠きによりできた空間)は、下皿41に貯まった遊技球を掻き出すために手を差し入れる空間でもある。
下皿ユニット5には球抜き穴45が形成されており、球抜きボタン46を押すことで図示しない球抜き機構が連動し、下皿41に貯まった遊技球が球抜き穴45から下方に排出されるようになっている。
環状部6のトップ部6aの下方には、上部パネル59が配設されている。上部パネル59は、透明性の合成樹脂により形成されており、その後面には、大当たり図柄の組合せ等(役構成)といった各種遊技情報や機種名や遊技に関わるキャラクタなどが描かれた半透明性のフィルムが該キャラクタなどを遊技機前方から識別できるように貼り付けられている。そして、上部パネル59の内側には、該上部パネル59を内側から照らすための上部ライト59aが配設されており、この上部ライト59aの光によりフィルムに描かれた各種遊技情報やキャラクタなどが照らされる。各種遊技情報は遊技ルールを規定する上で必須の情報であり、遊技者は遊技の際に必要に応じて当該各種遊技情報を確認する。また、機種名や遊技に関わるキャラクタなどは遊技ホールなどにおいて遊技機を特定する上で必須の情報であり、遊技者は遊技機を選択する際に必要に応じて当該機種名や遊技に関わるキャラクタなどを確認する。そして、これら各種遊技情報やキャラクタなどが上部ライト59aの光により照らされるので、これら各種遊技情報やキャラクタなどを遊技者が視認しやすい構成となっている。なお、透明性の上部パネル59に、上記機種名や遊技に関わるキャラクタなどが直接印刷されている構成であってもよい。また、上部パネル59は傾けて配設されていることにより、上部パネル59の前面は若干下方を向いた構成となっている。当該遊技機1で遊技を行う遊技者の目の高さは、上部パネル59の下縁付近に位置するので、上部パネル59の前面が下方に向いていると、当該上部パネル59の前面の視認性が向上する。
上部パネル59の下方には、該上部パネル59よりも遊技機1の前方に張り出す、即ち、外枠2の前面よりも遊技機1の前方に大きく張り出して立体形状をなすケース体60が配設されている。当該ケース体60は、黒色に着色された合成樹脂により形成されており、また、その上端が上部パネル59の下端に沿うような形状となっており、左右両端が環状部6の左右の括れ部6bの内側部に沿うような形状となっており、さらに下端が上皿18の上端に沿うような形状となっている。そして、ケース体60は、上部パネル59、括れ部6b及び上皿18に囲まれる領域に配設されている。ケース体60は、上から順に上方傾斜部61と、枠部62と、下方傾斜部63と、奥壁64とからなり、枠部62が最も前方に張り出している。枠部62には、中央に開口が設けられており、当該開口には、透明性の合成樹脂により形成され、リールに付された図柄の一部を視認可能とする透明パネル65が配設されている。上述したように、ケース体60において枠部62が最も前方に張り出しているため、透明パネル65は上部パネル59よりも遊技機前方に位置する。ケース体60は、図4に示すように、リールユニット70のすぐ前方に位置しており、外枠2、前面枠3及び保護カバー135と共にリールユニット70の収容領域を形成している。そして、透明パネル65が外枠2の前面よりも遊技機1の前方に大きく張り出した構成であることにより、比較的サイズの大きいリールユニット70の配置が可能となっている。但し、透明パネル65が極端に遊技機前方に張り出した構成とならないようにするために、リールユニット70の奥側端部が保護カバー135の奥側端部付近に位置するようにリールユニット70が配置されており、さらに保護カバー135の奥側には制御基板などを配設していない。なお、リールユニット70の構成については、後に詳細に説明する。
上方傾斜部61は、その上端が上部パネル59の下端に接しており、当該上部パネル59と枠部62及び当該枠部62に配設されている透明パネル65とを連結するような構成となっている。また、上方傾斜部61は、リールユニット70の手前側の上方に位置している。そして、黒色に着色された合成樹脂により形成されていることにより、遊技ホールにおける天井照明や上部ライト59aなどからの光が上方傾斜部61により遮断される構成となっている。これにより、上記光がリールユニット70に照射され、その照射された位置にある図柄の視認性が低下するといったことが防止されている。仮に、このような光の透過を遮断する手段が不具備である構成の場合には、上記光がリールユニット70に照射され、その反射光により光が照射された位置の図柄の視認性が著しく低下することとなってしまう。当該遊技機1の遊技は、遊技者が透明パネル65を介して視認できる領域を通過する図柄を視認して、予め設定された有効ライン上に所定の図柄の組合せを停止させるべく所定のタイミングで図柄の変動を停止させることにより行われる。従って、図柄の視認性が低下することは、遊技興趣の低下を引き起こす要因となりかねない。これに対して、本実施の形態の構成であれば、このような不都合が生じるおそれはない。また、上方傾斜部61が黒色に着色された合成樹脂により形成されていることにより、外部から遊技機1の内部構造が視認できないようになっている。また、上方傾斜部61の前面は、奥側から手前側に向けて下方に傾斜している。これにより、上部パネル59が透明パネル65よりも奥側に位置している構成であったとしても、当該上部パネル59に表示されている内容を透明パネル65に邪魔されることなく遊技者に視認させることができる。仮に、上方傾斜部61の前面が上記のように傾斜しておらず、例えば、略水平である構成の場合には、上部パネル59の下縁と透明パネル65の上縁とが同じ高さとなってしまい、遊技者の目の高さが透明パネル65の上縁付近である状況下においては上部パネル59に表示されている内容の一部が視認できなくなるおそれがあるからである。
枠部62に配設されている透明パネル65は、平面状となっている。仮に、透明パネル65が曲面上の場合には、透明パネル65の厚みを均一とすると、図柄の視認性にバラツキが生じることとなる。詳細には、遊技者は通常、遊技機1の前方に配設された椅子に座って遊技を行うため、透明パネル65に対する遊技者の目の高さは一定の位置に保たれる。そして、本構成の遊技機1では、後述するように透明パネル65を介して上下方向に複数の図柄が視認可能となるので、遊技者の視線は同一の位置から上下に移動することとなる。この場合、厚みが均一であって曲面状の透明パネル65では、遊技者の視線の向きに応じて視線上に位置する透明パネル65の厚みが異なり、図柄の視認性にバラツキが生じることとなる。一方、当該不都合を解消すべく、透明パネル65の厚みを調整するのは困難である。これに対して、透明パネル65が平面状となっていれば、上記のような不都合が生じることはない。また、透明パネル65は、その前面が遊技者の顔と対面するように上方を向いている。これにより、図柄の視認性の向上が図られている。一方、枠部62は、上記のとおり黒色に着色された合成樹脂により形成されているので、リールユニット70周辺の構造が外部から視認できないようになっている。
下方傾斜部63の前面は、枠部62の下端から奥側に向けて下方に傾斜している。そして、その奥側端部が奥壁64の上端に相当する。これにより、奥壁64を、透明パネル65に比してある程度奥側に配設することができる。即ち、図4に示すように、下方傾斜部63及び奥壁64の奥側には、リールユニット70の手前側下部が位置しており、当該部分は曲面状となっている。そして、当該曲面に合せるように下方傾斜部63を傾斜させることにより、奥壁64をリールユニット70に接触させない範囲で、できる限り奥側に配置することができる。また、下方傾斜部63の前面が上記のように傾斜していることにより、奥壁64が透明パネル65よりも奥側に位置している構成であったとしても、奥壁64に設けられている獲得数表示部122などに表示されている内容を透明パネル65に邪魔されることなく遊技者に視認させることができる。仮に、下方傾斜部63の前面が、略水平である構成の場合には、透明パネル65の下縁と奥壁64の上縁とが同じ高さとなってしまい、遊技者の目の高さが透明パネル65の上縁付近である状況下においては獲得数表示部122などに表示されている内容が視認できなくおそれがあるからである。また、下方傾斜部63が黒色に着色された合成樹脂により形成されていることにより、外部から遊技機1の内部構造が視認できないようになっている。
奥壁64は、下方傾斜部63の下端からほぼ鉛直下方に所定範囲に渡って延びており、その中央が開口されている。そして、この開口には、獲得数表示部122及び情報表示部123が設けられている。また、奥壁64の下方には、操作部100が前面に配設された上皿18が位置する。そして、奥壁64は、透明パネル65よりも奥側に位置し、さらに上皿18の奥行き方向の中央付近の上方に位置している。この構成であることにより、操作部100が遊技機前方へと突出するのを極力抑えつつ、遊技者が上皿18へと遊技球を補充するための空間が確保されている。仮に、奥壁64が透明パネル65よりも奥側に位置しておらず、例えば、透明パネル65と同程度に遊技機前方に張り出している構成の場合には、遊技者が上皿18へと遊技球を補充するための空間を確保すべく、上皿18を遊技機前方へと膨出させる必要がある。この場合、上皿18の前方には操作部100が位置するので、結果的に操作部100を遊技機前方へと突出させることとなってしまう。当該遊技機1の遊技が、遊技機1の前方に配設されている固定式の椅子に座って行われる場合には、操作部100を遊技機前方へと突出させると、遊技者の胴体と操作部100までの距離が短くなってしまい操作部100の操作が窮屈なものとなってしまう。これは、継続して遊技を行う遊技者にとって大きな負担となるおそれがある。また、当該遊技機1の遊技が、非固定式の椅子に座って行われる場合には、椅子の位置を遊技機1から離すことにより上記不都合を解消することができるが、対向する椅子の間の距離が短くなり遊技ホールにおける従業員や客の通行スペースが狭くなってしまう。また、操作部100が遊技機前方に突出すると、遊技ホールなどにおいて前面扉4を回動させたときの操作部100の先端の移動範囲が広くなってしまい、当該操作部100の先端が遊技者に当たってしまうおそれがある。これに対して、本実施の形態であれば、このような不都合が生じるおそれはない。また、奥壁64には、精算スイッチ111も配設されている。これにより、遊技者が操作部100を操作しているときに誤って精算スイッチ111を押してしまうといったおそれもない。また、奥壁64は、黒色に着色された合成樹脂により形成されている。これにより、遊技機1外部から内部構造が視認できないようになっている。
また、説明の便宜上、図示による説明は省略するが、ケース体60の背面には、これも同様にパネル状をなすフロントライト部材が重ね合わせるようにして取り付けられている。フロントライト部材は発光手段を構成するものであり、光源(ライト)と、光源からの光をパネル面に沿って導入しかつパネル面に略垂直な方向に反射させパネル外部へ発する透明な導光パネルとを有して構成されている。つまり、このフロントライト部材によればその後方に向けて略垂直に面発光が行われ、後述するベルトユニット70のベルト表面(図柄)が明るく照射されることとなる。この場合、透明パネル65による図柄の視認範囲に対して面発光が行われる。
次に、表示装置としてのリールユニット70の構成を図3、図7、図8を用いて説明する。図7は、リールユニット70を遊技機本体から取り出して示す斜視図であり、同図には、当該リールユニット70の前面、すなわち図柄表示面を左手前側に示している。また、図8は、左リールの組立斜視図である。
リールユニット70は、可変表示手段を構成し、前面扉4の裏側において前方より裏セット盤16に設置されている。即ち、ベルトユニット70は、金属製のベース80(ベース部材)を具備している。ベース80はリールユニット70の背面側の背面部80a、上側の上面部80b及び下側の下面部80cとよりなる。上面部80bの前側端部には、その端部の一部を折り曲げ形成することにより被固定部としての支持固定部81が2カ所設けられている。そして、それぞれの支持固定部81には、1個ずつ挿通孔81aが形成されている。一方、下面部80cの前側端部には、その端部の全体を折り曲げ形成することにより被固定部としての支持固定部82が設けられている。そして、当該支持固定部82には、両端に1個ずつ挿通孔82aが形成されている。リールユニット70の裏セット盤16への取り付け固定は、挿通孔81a,82aに挿通させたネジを裏セット盤16に螺着させることにより行われている。
また、ベース80には、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール71、中リール72、右リール73が収容されている。各リール71,72,73は、側方から見て真円状となっており、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール71,72,73の回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール71,72,73の表面の一部は透明パネル65を介して視認可能な状態となっている。また、リール71,72,73が正回転すると、透明パネル65を介してリール71,72,73の表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
これら各リール71,72,73は、それぞれがステッピングモータ74,75,76に連結されており、各ステッピングモータ74,75,76の駆動により各リール71,72,73が個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。これら各リール71,72,73は同様の構成をしているため、ここでは左リール71を例に挙げて図8に基づいて説明する。
左リール71は、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材50と、その外周面において無端状に巻かれた帯状のベルトとを備えている。そして、その巻かれた状態を維持するように、ベルトの長辺両側に沿って形成された一対のシール部を介して円筒骨格部材50に貼付されている。前記ベルトの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている。円筒骨格部材50の中心部にはボス部51が形成されており、円盤状のボス補強板52を介して左リール用ステッピングモータ74の駆動軸に取り付けられている。従って、左リール用ステッピングモータ74の駆動軸が回転することによりその駆動軸を中心として円筒骨格部材50が自転するように回転され、左リール71が円環状のリール面に沿って周回するようになっている。
左リール用ステッピングモータ74は、リールユニット70(図7)内において起立状態に配置されたモータプレート53の側面にねじ54で固定されている。モータプレート53には、発光素子55aと受光素子55bとが所定間隔をおいて保持されたリールインデックスセンサ(回転位置検出センサ)55が設置されている。一方、左リール71と一体化されたボス補強板52には、半径方向に延びるセンサカットバン56の基端部56bがねじ57で固定されている。このセンサカットバン56の先端部56aは、略直角に屈曲されてリールインデックスセンサ55の両素子55a,55bの間を通過できるように位置合わせがなされている。そして、左リール71が1回転するごとにセンサカットバン56の先端部56aの通過をリールインデックスセンサ55が検出し、その検出の都度、後述する主基板131に検出信号が出力される。従って、主基板131はこの検出信号に基づいて左リール71の角度位置を1回転ごとに確認し補正できる。
ステッピングモータ74は例えば504パルスの駆動信号(励磁信号あるいは励磁パルスとも言う。以下同じ)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータ74の回転位置、すなわち左リール71の回転位置が制御される。
各リール71,72,73の各ベルト上には、その長辺方向(周回方向)に複数個、具体的には21個の図柄が描かれている。従って、所定の位置においてある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、リールインデックスセンサ55の検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が透明パネル65から視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の図柄を透明パネル65から視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
各リール71,72,73に付された図柄のうち、透明パネル65を介して全体を視認可能な図柄数は、主として透明パネル65の上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施形態では各リール3個ずつとされている。このため、各リール71,72,73がすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が遊技者に視認可能な状態となる。
さらに、説明の便宜上、図示による説明は省略するが、本リールユニット70には、透明パネル65を介して視認可能な図柄を後方より照明するためのバックライト(後方発光手段)が設けられている。このバックライトは蛍光ランプ等により構成され、各リールの内周側において透明パネル65を介して視認可能な図柄を後方より照明するように配置される。
ここで、上記のように透明パネル65が外枠2の前面よりも遊技機前方に張り出し、リールユニット70の収容領域の拡張が図られていることにより、径が比較的大きいリール71〜73を備えたリールユニット70を配設することができる。当該遊技機1の遊技は、有効ライン上に所定の図柄の組合せを停止させるべく遊技者がストップボタン102〜104を積極操作することにより行われる。この場合に、各図柄が小さいと透明パネル65を介して視認可能な領域を通過する図柄を遊技者がまったく認識できないおそれがあり、遊技者が図柄をまったく認識できないと遊技性が損なわれ、遊技興趣の低下といった不都合が生じる。また、遊技興趣の向上を図るべく、図柄の変動が停止した際に有効ライン上に停止する図柄の組合せのパターンを多種多様に設定するためには、各リール71〜73に付される図柄の数を多く設定する必要がある。これらに対して、本構成では、径が比較的大きいリール71〜73を備えたリールユニット70を配設することができるので、各リール71〜73に比較的大きい図柄を多数設定することができる。
なお、可変表示手段としては、上述したリールユニット70以外の構成も考えられる。例えば、上下に2つのローラを配設し、表面に複数の図柄が付された無端状のベルトを両ローラに掛け渡すように配設した上で、両ローラ又は何れか一方のローラを回転させることにより無端状のベルトを回転させ図柄の変動を行う構成である。この場合、上下のローラ間の距離を長く設定すれば、ベルトの奥行き方向の幅を短くすることができ、結果的に可変表示手段としての奥行き方向の幅を短くすることができる。しかしながら、当該無端状ベルトを備えた可変表示手段においては、ベルトには常に上下方向の負荷が掛かることとなるので、ベルトが切れたりするのを防止すべく、当該ベルトのメンテナンスを定期的に行う必要が生じ、遊技ホールの管理者などにとっては手間である。また、ローラの回転でベルトを送り出すことにより図柄の可変表示を行うので、遊技者の停止操作に対する応答性などが上記リールを備えた可変表示手段に比べ低下するおそれがある。さらには、上記リールを備えた可変表示手段に比べ構造が複雑となるので、製造コストやメンテナンスコストなどが高くなるおそれがある。従って、可変表示手段としては、リールユニット70を備えた構成が望ましい。
ここで、各リール71,72,73に付される図柄について説明する。図9には、左リール71,中リール72,右リール73のそれぞれに巻かれるベルトに描かれた図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール71,72,73にはそれぞれ21個の図柄が一列に設けられている。各リール71,72,73に対応して番号が1〜21まで付されているが、これは説明の便宜上付したものであり、リール71,72,73に実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、ビッグボーナスゲームに移行するための第1特別図柄としての「7」図柄(例えば、左ベルト第20番目)と「青年」図柄(例えば、左ベルト19番目)とがある。また、レギュラーボーナスゲームに移行するための第2特別図柄としての「BAR」図柄(例えば、左ベルト第14番目)がある。また、リプレイゲームに移行するための第3特別図柄としての「リプレイ」図柄(例えば、左ベルト第11番目)がある。また、小役の払出が行われる小役図柄としての「スイカ」図柄(例えば、左ベルト第9番目)、「ベル」図柄(例えば、左ベルト第8番目)、「チェリー」図柄(例えば、左ベルト第4番目)がある。そして、図9に示すように、各リール71,72,73に巻かれるベルトにおいて、各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
本実施の形態において、「7」図柄や「青年」図柄が後述する有効ライン上に左・中・右と揃った場合には、75個の遊技球の払出が行われるとともにビッグボーナスゲームへの突入がなされるようになっている。また、「BAR」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には、75個の遊技球の払い出しが行われるとともにレギュラーボーナスゲームへの突入がなされるようになっている。また、「リプレイ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には、遊技球の払出は行われずリプレイゲームへの突入がなされるようになっている。
更に、小役図柄に関し、「スイカ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には75個の遊技球の払出が、「ベル」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には40個の遊技球の払出が行われる。また、左リール71の「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には10個の遊技球の払出が行われる。すなわち、中リール72及び右リール73の「チェリー」図柄は遊技球の払出とは無関係であり、言わば無意味な図柄である。また、「チェリー」図柄に限っては、他の図柄との組合せとは無関係に遊技球の払出が行われるため、左リール71の複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段又は下段)に「チェリー」図柄が停止された場合には、その重なった有効ラインの数を乗算した分だけの遊技球の払出が行われることとなり、結果として本実施の形態では20個の遊技球の払出が行われる。
図5に示すように、遊技機1の背面において裏セット盤16には、遊技に関する各種の制御を行うための主基板(制御装置)131が設置されている。主基板131は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるIOポート、バッファとして機能する入出力ドライバ、各種抽選の際に用いられる乱数回路、リセット信号を出力するリセット回路等を含む制御回路基板より構成されている。
同じく裏セット盤16には、保護カバー135に収容される形で各種ランプ8〜10,12,13やスピーカ11の制御を行うためのサブ制御基板132が設置されている。サブ制御基板132も同様に、CPU、ROM、RAM等を具備しており、主基板131からの制御信号を受信するが主基板131側には信号を送信しない一方向通信構成を採っている。裏セット盤16には主基板131と並ぶようにして投入払出制御基板136が設置されている。投入払出制御基板136もCPU、ROM、RAM等を備え、入出力バッファを介して主基板131と双方向通信構成を採っている。主基板131、サブ制御基板132及び投入払出制御基板136は、何れも透明又は非透明な制御基板ボックスに収容されており、かつ制御基板ボックスが封印された状態でそれぞれ裏セット盤16に固定されている。なお、リールユニット70は、ケース部材としての無色透明な保護カバー135内に収容されて一体化されている。
裏セット盤16には、保護カバー135(リールユニット70)の側面に接するようにして、電源装置133が設置されている。電源装置133は、前述した主基板131、サブ制御基板132、投入払出制御基板136等の制御装置やその他払出装置28等に必要な電源を供給するための電源基板と、該電源基板を収容する無色透明な基板ボックスと、電源基板の内外で生じたノイズを排除するためのノイズ対策用の金属板とを具備し、それらが一体的に組み付けられて構成される。なお、裏セット盤16には、リールユニット70のすぐ横に縦長の凹部134が設けられており、この凹部134に電源装置133の側部が収容されるようになっている。これにより、電源装置133は、遊技機1の奥行き方向に延びる向きに縦長に配置された状態で取り付けられる。
なお、主基板131、サブ制御基板132、電源基板133、投入払出制御基板136等の配置は、以上説明した配置に限定されるものではない。
電源装置133には、電源スイッチやリセットスイッチや設定キー挿入孔などが設けられている。なお、電源スイッチは、主基板131を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチは、遊技機1の各種状態をリセットするためのスイッチである。本遊技機1は各種データのバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、例えば遊技ホールの営業が終了する場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、リセットスイッチを押しながら電源スイッチをオンすると、バックアップデータがリセットされるようになっている。また、電源スイッチがオンされている状態でリセットスイッチを押した場合には、エラー状態がリセットされる。設定キー挿入孔は、ホール管理者などが出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔へ挿入して操作することにより、遊技機1の設定状態(当選確率設定処理)を例えば「設定1」から「設定6」まで変更できるようになっている。
図10に示すように、本遊技機1の透明パネル65には、横方向に平行となるように3本、斜め方向にたすき掛けとなるように2本、計5本の有効ラインが設定されている。すなわち、有効ラインとして、上・中・下の横ライン(上ライン、中央ライン、下ライン)と、一対の斜めライン(右上がりライン、右下がりライン)とが設定されている。勿論、最大有効ライン数を6以上としてもよく、5未満としてもよく、所定条件に応じて最大有効ライン数を変更するようにしてもよい。なお、遊技者に有効ラインを一層理解し易くするために、ベット数に応じて有効化されるラインを明示的に表示するライン表示部を設けてもよい。
図1,図2に示すように、前記前面扉4の膨出部分に設けられた操作部100の左側には、各リール71〜73を一斉(同時である必要はない)に回転開始させるために操作されるスタートレバー101が設けられている。スタートレバー101は可変表示を開始させるべく操作される始動操作手段を構成する。
スタートレバー101の右側にはストップボタン操作面113が設けられ、そのストップボタン操作面113には、回転中の各リール71〜73を個別に停止させるためのストップボタン102,103,104が設けられている。各ストップボタン102〜104は、停止対象となるリール71〜73毎にそれぞれ設けられている。ストップボタン102〜104は、可変表示を停止させる停止手段、及び可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。なお、本実施の形態では、前記ストップボタン102〜104が押圧操作されないまま所定時間経過すると、前記リール71〜73が停止させられるよう構成されている。
操作部100(前面扉4の膨出部分)の上面には平坦状の操作補助面105が形成されている。この操作補助面105は、その背後の上皿18を取り囲むようにしてアーチ状に設けられ、遊技機前面との間に上皿18と略同形状の開口部106が形成されている。前面扉4を閉じた状態では、この開口部106を介して上皿18が上方に開口する構造となっている。また、操作補助面105は、前方(手前側)に向けて下降するよう僅かに傾斜して設けられている。但し、その傾斜はなくてもよいし、逆に後方に向けて下降する傾斜であってもよい。
ここで、操作補助面105においてストップボタン102〜104(ストップボタン操作面113)の直上部分は、その前後方向の幅が略均一であり、操作補助面105の後方縁部(図1のL部)は直線状に構成されている。この場合、遊技者が各ストップボタン102〜104を親指で押圧操作することを想定すると、人差し指や中指など他の指を操作補助面105の後方縁部(L部)にかけるようにするとよい。その状態で手を左右に移動することにより、操作補助面105上を沿うようにして、各ストップボタン102〜104を連続的に押圧操作することができるようになる。言い換えれば、上皿部分に指をかけて上記押圧操作を行うことができる。要するに、操作補助面105が平坦でありかつその後方縁部が直線であるため、その操作補助面105を利用し、各ストップボタン102〜104の連続的な押圧操作を素早くかつスムーズに実施することができる。
また、上皿18(本実施の形態では特に図5等に示す副上皿部18b)には、操作補助面105側を幾分高くするようにして段差や傾斜を設けておくようにしてもよい。すなわち、上皿18の前方が高く、後方が低くなるよう高低差を設けておく。これによれば、上皿18内に遊技球が貯留されたとしても多くは上皿18の低い部位(すなわち、操作補助面105から離れた部位)に貯まることとなる。それ故、上皿18を指かけ部として利用する場合に、指と遊技球とが干渉するといった不都合が回避できる。
スタートレバー101の上方(すなわち、遊技者にとっては左手側)において、操作部100の操作補助面105には、遊技球を受け入れるための入力操作手段を構成するボタン状のベットスイッチが設けられている。本実施の形態では、ベットスイッチとしてマックスベットスイッチ109が設けられている。
マックスベットスイッチ109には、操作が有効に受け付けられる状態であることを報知する発光体(発光部材)が設けられている。発光体はマックスベットスイッチ109のボタン押圧部に内蔵されており、発光体の発光に伴い当該ボタン押圧部が発光する構成となっている。発光体は、マックスベットスイッチ109の操作が有効に受け付けられる状態である場合に点灯(又は点滅)し、マックスベットスイッチ109の操作が有効に受け付けられた後、又は受け付けられない状態である場合に消灯する。或いは、発光体は、マックスベットスイッチ109の操作が有効に受け付けられる状態である場合に赤色で発光し、マックスベットスイッチ109の操作が有効に受け付けられた後、又は受け付けられない状態である場合に青色で発光するものであっても良い。
マックスベットスイッチ109は、1回押圧操作される毎に、上皿18の遊技球が「15個」ずつ取込装置23により受け入れられる。これにより、前記5本の有効ラインがすべて有効化される。そして、この状態が最大ベット状態である。つまり、マックスベットスイッチ109の1回の押圧操作がなされた時点で、それ以上の遊技球の受け入れは行われないようになっている。従って、本実施の形態では最大ベット状態となった上で、さらにマックスベットスイッチ109が押圧操作された場合には、該操作が無効化されるようになっている。但し、特別遊技状態であるビッグボーナスゲーム中のジャックインゲームにあっては、マックスベットスイッチ109の1回の押圧操作により5個分(1ベット分)の遊技球が受け入れられるようになっている。この場合、前記5本の有効ラインのうちの中央ラインのみが有効化される。
操作部100の上部に位置する奥壁64には、上述したように精算スイッチ111が設けられている。精算スイッチ111は、上皿18に貯留されている遊技球を下皿41に排出するためのものである。すなわち、遊技者が遊技を終了して上皿18に貯留されている遊技球を取り出そうとした場合に、当該精算スイッチ111が押圧操作されることで上皿18内の遊技球が下皿41に排出される。なおこのとき、誤動作防止のために、精算スイッチ111が一定時間以上押圧操作された場合のみその操作を有効とする条件を付しても良い。
これに加え、精算スイッチ111は、マックスベットスイッチ109の押圧操作により一旦受け入れられた遊技球を払い出す機能をも具備すると良い。より具体的には、遊技に際し、(イ)マックスベットスイッチ109の押圧操作により受け入れられた遊技球、(ロ)上皿18に貯留されている遊技球について、それらがいずれも存在する場合、精算スイッチ111が1回押圧操作される度に、(イ)→(ロ)の順に遊技球の精算が行われる。つまりこのとき、精算スイッチ111が計2回押圧操作されることで、上記(イ)、(ロ)の遊技球が全て下皿41に排出(精算)されることとなる。なお、上記(イ)、(ロ)の遊技球のうち、該当するものが1つでもあれば、その都度の精算スイッチ111の押圧操作に伴いその該当する遊技球が精算される(優先順位は(イ)→(ロ))。因みに、精算スイッチ111に代えて、レバースライド操作によって上皿18の遊技球が下皿41に排出される構成であってもよい。また、上記(イ)、(ロ)の遊技球をそれぞれ精算するためのスイッチを個別に設けることも可能である。
さらに、前面扉4の表示部63には、獲得遊技球の個数を表示する獲得数表示部122と、ビッグボーナスゲーム中の情報(例えばゲーム回数等)を表示するための情報表示部123とがそれぞれ設けられている。本実施の形態では、これら各表示部122,123は3桁の7セグメント表示器によって構成されているが、桁数は特に限定されるものではないし、液晶表示器等によって代替することも当然可能である。
なお、遊技機1(前面扉4)の上部には、ビッグ報知部、リプレイ報知部、小役報知部等の各種報知部(図示略)が適宜設けられるとよい。これら各種報知部は遊技機1の上部以外の場所に設けてもよいし、共通の報知部で異なる態様の報知を行うようにしてもよい。また、かかる報知部として環状部6,7を利用してもよい。例えば、ビッグ報知部は、各リール71〜73の停止時に「7」図柄が有効ライン上に揃った場合、ビッグボーナスゲームを獲得したことを点灯、点滅等によって表示報知する。リプレイ報知部は、各リール71〜73の回転停止時に「リプレイ」図柄が有効ライン上に揃った場合、リプレイゲームを獲得したことを点灯、点滅等によって表示報知する。小役報知部は、各リール71〜73の回転停止時に小役図柄としての「スイカ」図柄等が有効ライン上に揃った場合、所定数の遊技球を獲得したことを点灯、点滅等によって表示報知する。なお、これら各報知部は表示によって報知することとしたが、これに代えて或いはこれに加えて、遊技機1(前面扉4の上部)に備えられるスピーカ11によって音声により報知してもよい。
図11は、主基板131等の電気的構成を説明するブロック図である。同図に示すように、電源装置133(電源基板)からの電源は、主基板131へ供給される。また、サブ制御基板132、投入払出制御基板136その他にも直接又は間接的に電源が供給される。なお、電源装置133に設けられたリセットスイッチ138の操作に基づく各種信号は主基板131及び投入払出制御基板136に送信され、これにより、前記した球抜き処理等が実行される。
主基板131の入力側には、精算スイッチ111の押圧操作を検出する精算検出センサ111a、マックスベットスイッチ109の押圧操作を検出するマックスベット検出センサ109a、スタートレバー101の操作を検出するスタート検出センサ101a、各ストップボタン102〜104の操作を個別に検出するストップ検出センサ102a,103a,104a、各リール71〜73の回転位置(原点位置)を個別に検出するリールインデックスセンサ55等の各種センサが接続されている。
主基板131の出力側には、リールユニット70に搭載されたステッピングモータ74〜76並びに表示部63に設けられた獲得数表示部122及び情報表示部123が接続されている。
また、主基板131と投入払出制御基板136とは、双方向通信することができるように接続されている。従って、主基板131からのコマンドを投入払出制御基板136が受信したり、投入払出制御基板136からの信号を主基板131が受信することができる。また、投入払出制御基板136には取込装置23、払出装置28が接続されている。
さらに、主基板131の出力側には、サブ制御基板132が接続されている。サブ制御基板132の出力側には、発光体8,9、各ランプ表示部10,12,13、スピーカ11が接続されている。主基板131からは、サブ制御基板132に対しその時々の遊技情報が信号として送信されるようになっている。各遊技情報に関する信号を入力したサブ制御基板132では、各種信号に基づき、自身の制御プログラムに基づき、種々の演出を実行する。なお本実施の形態では、サブ制御基板132により、「発光体制御手段」、「フロントライト制御手段」、「バックライト制御手段」、「音声制御手段」等が構成される。因みに、発光体制御とは、環状部6,7内の発光体8,9を一方向又は双方向に周回させたり、同発光体8,9を一斉に点灯させたりする制御を言う。また、バックライト制御とは、バックライトを遊技状況に合わせて点灯させたり点滅させる制御を言う。また、音声制御とは、スピーカ11に所定の音声を発生させる制御を言う。
次いで、遊技機1における通常の遊技を実現する手段について説明する。この説明においては、主基板131等が備える機能実現手段の集合体としてとらえて説明する。すなわち、以下に説明する各種機能は主基板131のCPUを中心とした制御下で実現される機能であり、その制御プログラムはROM(場合によってはRAM)の記憶内容に基づくものであり、その時々の必要なデータはRAMに一時的に記憶保持されることとなるが、それらのプログラム上の要件等については適宜のテーブル構成を採用する等で当業者がなし得るものであるため、個々には説明しない。但し、本実施の形態の遊技内容を把握する上で必要がある場合等については、適宜具体的な説明をする。
主基板131は、「小役抽選手段」を備えている。小役抽選手段は、スタート検出センサ101aからの検出信号が入力されたタイミングによって、小役払出条件が成立したか否かの抽選を行い、これによって小役フラグの成立の有無が決定される。なお、小役の抽選は、他の抽選とともに、遊技球の受入個数(ベット数)に応じて変化するよう構成されており、概して受入個数が多い程遊技者に有利な抽選結果が得られるようになっている。
主基板131は、「小役制御手段」を備えている。小役制御手段は、通常遊技中に小役フラグが成立している場合、各回転体71〜73の停止時に、後述する小役成立テーブルの内容を参照しながら、一定の引き込み停止制御(スベリ制御とも言う)を加えて半強制的に小役図柄を有効ライン上に停止させる。
主基板131は、「リプレイゲーム抽選手段」を備えている。リプレイゲーム抽選手段は、スタート検出センサ101aからの検出信号が入力されたタイミングによって、リプレイゲーム移行条件が成立したか否かの抽選を行い、これによってリプレイフラグの成立の有無が決定される。
主基板131は、「リプレイゲーム制御手段」を備えている。リプレイゲーム制御手段は、通常遊技中にリプレイフラグが成立している場合、各リール71〜73の停止時に、後述するリプレイ成立テーブルの内容を参照しながら、一定の引き込み停止制御を加えて半強制的にリプレイ図柄を有効ライン上に停止させる。そして、有効ライン上にリプレイ図柄が停止することを条件に、次回の遊技を無償で行うことができるようにするものである。勿論、このリプレイゲームが行われる場合にも各種抽選は実行されている。
主基板131は、「ビッグボーナス抽選手段」を備えている。ビッグボーナス抽選手段は、スタート検出センサ101aからの検出信号が入力されたタイミングによって、ビッグボーナス移行条件が成立したか否かの抽選を行い、これによってビッグボーナス成立フラグの有無が決定される。
主基板131は、「ビッグボーナス制御手段」を備えている。ビッグボーナス制御手段は、通常遊技中に、前記ビッグボーナスフラグが成立すると、各リール71〜73の停止時に、後述するビッグボーナス成立テーブルの内容を参照しつつ、一定の引き込み停止制御を加えて半強制的にビッグボーナス図柄を有効ライン上に停止させる。そして、有効ライン上にビッグボーナス図柄が停止することを条件に、予め設定された所定の遊技回数(ここでは30回)を上限として、現状遊技状態である通常遊技から特別遊技状態たるビッグボーナスゲームに移行させ、その後、原則的には元の通常遊技状態に復帰させるものである。
主基板131は、「ビッグボーナス中抽選手段」を備えている。ビッグボーナス中抽選手段は、ビッグボーナスゲーム中にのみ有効化され、スタート検出センサ101aからの検出信号が入力されたタイミングによって、小役図柄の抽選及びジャックインの抽選を行い、小役フラグ及びジャックインフラグの成立の有無が決定される。そして、前記ビッグボーナス制御手段は、小役フラグの成立によって所定の小役図柄(例えば「スイカ」図柄)を有効ライン上に揃わせるべく小役成立テーブルを参照しつつ各リール71〜73を半強制的に引き込み停止制御する。
また、前記ビッグボーナス制御手段は、前記ジャックインフラグの成立によってジャックインさせるべく、リプレイ成立テーブルの内容を参照しつつ、各リール71〜73を半強制的に引き込み停止制御する。ジャックインとは、ビッグボーナスゲーム中に所定のボーナスゲームを実行させる状態であり、具体的には「リプレイ」図柄が揃うことによって生じる。従って、ジャックイン実行のためにビッグボーナス制御手段は、ジャックイン図柄(リプレイ図柄)を有効ライン上に揃わせるべく各リール71〜73を半強制的に引き込み停止制御する。ジャックインされるとジャックインゲームが実行される。
ここで、ジャックインゲームについて説明する。ジャックイン図柄が有効ラインに停止すると、予め設定された所定のゲーム回数(ここでは12回)を上限として、現状遊技状態であるビッグボーナスゲーム中のうちの特殊なゲームであるジャックインゲームに移行し、その後元のビッグボーナスゲームに復帰する。該ジャックインゲーム中は、有効ラインが1ライン(中央ライン)のみとされている。該ジャックインゲーム中においては、スタート検出センサ101aからの検出信号が入力されたタイミングによって、所定の図柄(ここでは、リプレイ図柄)の抽選を行う。かかる図柄の抽選は、通常の抽選とは異なり、リプレイ図柄が有効ライン(中央ラインのみ)に揃った場合に所定個数(例えば75個)の遊技球が払い出されるように設定しておき、かかるリプレイ図柄を遊技球払出図柄として、当該遊技球払出図柄が揃う条件を満たすか否かの抽選とされている。そして、前記抽選の結果、リプレイフラグ(ここでいうリプレイフラグは通常遊技中のものとは異なり、ジャックインゲーム用に新たに設定されたものである。)が成立した場合には前記遊技球払出図柄以外の図柄が有効ライン上に揃わないように各リール71〜73を制御するものであり、しかも遊技球払出図柄が所定回数(例えば8回)揃った場合には前記所定の遊技回数(12回)に達していなくとも所定のボーナスゲームは終了する。
ここで、ビッグボーナスゲームは、前記所定の遊技回数(30回)内で所定回数(例えば3回)を上限とするジャックインが可能であり、ビッグボーナスゲーム中のジャックイン中における遊技回数は前記30回の回数には加算されないようになっている。そして、ビッグボーナス制御手段は、前記所定の遊技回数(30回)内であっても、前記所定のボーナスゲームが所定回数(3回)終了した時点(3回目のジャックインによる所定のボーナスゲーム終了時点)でビッグボーナスゲームを強制的に終了させる。
主基板131は、「リール制御手段」及び「記憶手段」を備えている。リール制御手段は、記憶手段の記憶内容に応じて各リール71〜73を制御するものであり、特に記憶手段に記憶された各種テーブルの記憶内容に応じて各リール71〜73の停止位置を制御するものである。
記憶手段(ここではROMであるがRAMであってもよい。)に記憶された各種テーブルとは、成立した各種フラグに応じて個々に設定されたものである。
具体的には、例えば何らフラグが成立していない場合にいずれの図柄をも有効ライン上に揃えないようにするための「外れテーブル」、小役フラグに対応して所定の小役図柄を有効ライン上に揃えるための「小役成立テーブル」、リプレイフラグに対応してリプレイ図柄を有効ライン上に揃えるための「リプレイ成立テーブル」、ビッグボーナスフラグに対応して「7」図柄又は「BAR」図柄を有効ライン上に揃えるための「ビッグ成立テーブル」等の他、以上の成立図柄をどの有効ライン上に揃えるかを決定するための「ラインテーブル」等である。
次に、以上の構成からなる遊技機1の作用につき、遊技方法を踏まえて説明する。
遊技の開始に際し、上皿18に遊技球が十分にあることを条件に、遊技者がマックスベットスイッチ109を押圧操作することにより実際の遊技球が受け入れられる。すなわち、マックスベットスイッチ109の有効操作が可能な状態(具体的には、マックスベットスイッチ109に設けた発光体が点灯した状態)で、当該スイッチ109が押圧操作されると、それがマックスベット検出センサ109aにより検出され、その検出信号が主基板131に入力される。そして、主基板131がマックスベット検出センサ109aの検出信号を有効に受け付けることにより、主基板131は投入払出制御基板136に対してその旨のコマンドを出力し、当該投入払出制御基板136は取込装置23に対してその時のベット数相当の遊技球を受け入れるよう指令する。これにより、取込装置23が駆動されて上皿18から遊技球が受け入れられる。例えば、15個以上の遊技球が上皿18にある場合にマックスベットスイッチ109が押圧操作されると、上皿18上の15個の遊技球が取込装置23によって取り込まれる。そして、マックスベットスイッチ109の押圧操作により上下ライン、中央ライン及び左右の斜めラインからなる5ラインが有効化される。但し、ビッグボーナス時のジャックインゲームにおいては、マックスベットスイッチ109が押圧操作されても、5個の遊技球のみが取込装置23によって取り込まれ、中央ラインの1ラインのみが有効化される。
上記の如く遊技球の取り込みが行われ、5ラインが有効化されている時点で、遊技者がスタートレバー101を操作すると、その操作がスタート検出センサ101aによって検出され、その検出信号が主基板131に入力される。このとき、スタートレバー101の有効操作が可能な状態であれば、主基板131はスタート検出センサ101aの検出信号を有効に受け付け、スタートレバー101の操作があったことを判断する。また、これとともに、その旨の情報をサブ基板132へと送信する。そして、主基板131は、全てのリール71〜73を一斉(同時でもよいし所定の時間差を設けてもよい。)に回転させるべく、ステッピングモータ74〜76を駆動制御する。その結果、各リール71〜73は、遊技者にとっては表面に付された図柄を目視することが困難な程度の速度で一方向に回転し、透明パネル65を介して各図柄が上から下へ向かって可変表示されているよう映し出される。
また、前記スタートレバー101の操作に基づく検出信号が主基板131に入力されたタイミングで、通常遊技中では、小役抽選手段、リプレイゲーム抽選手段、ビッグボーナス抽選手段による各抽選が行われる。
小役抽選手段による抽選結果が、小役フラグ成立を意味する場合は、適宜の小役図柄を有効ライン上に停止させ得る権利がそのゲームにおいてのみ与えられる。また、リプレイゲーム抽選手段による抽選結果が、リプレイフラグ成立を意味する場合は、リプレイゲームへ移行する権利がそのゲームにおいてのみ与えられる。すなわち、小役フラグ及びリプレイフラグは次ゲーム以降に持ち越されることはない。また、ビッグボーナス抽選手段による抽選結果がビッグボーナスフラグ成立を意味する場合は、ビッグボーナスゲームへ移行する権利が与えられ、そのフラグはビッグボーナスゲームへ移行するまで保持される。さらに、各抽選手段の抽選結果が、いずれの条件成立をも意味しない場合には、いずれのフラグもたたない。
以上の各抽選手段による抽選が終了した後、遊技者がストップボタン102〜104を任意の順序で操作すると、その操作がそれぞれストップ検出センサ102a〜104aによって個別に検出され、各検出信号を受けて主基板131は各ストップボタン102〜104の操作があったことを判断する。すると、主基板131は、操作された各ストップボタン102〜104に対応したリール71〜73を個別に停止させるべく、各ステッピングモータ74〜76を停止制御する。
これら各リール71〜73の停止位置は、上記各抽選手段による抽選結果である各成立フラグに基づき、主基板131の記憶手段に記憶されている前記各テーブルを参照して決定される。このとき、有効ラインからリール回転方向手前の4図柄分までに成立フラグに対応した図柄が存在すれば、原則として、その図柄が積極的に有効ライン上に引き込まれるような制御がなされることとなり、リール停止タイミングが4図柄分手前までの誤差であれば、その誤差を吸収することができる(引き込み停止制御)。その結果、遊技者が熟練していなくとも主基板131によって成立フラグに応じた図柄を有効ライン上に極力停止させることが可能となる。
なお、所定のタイミング(例えば第1番目のストップボタン102、103又は104が押圧されたタイミング)において、サブ基板132は、発光体8,9、ランプ表示部10,12,13、スピーカ11等を用いて各種の補助表示を行い、リーチ演出表示等を実行する。
各リール71〜73の停止時において、有効ライン上の停止図柄の組合せが、予め定められた所定の図柄の組合せである場合、即ち小役図柄の組合せ、ビッグボーナス図柄の組合せである場合、主基板131は各停止図柄の組合せに応じて払い出される遊技球数を獲得数表示部122に表示させる。
また、主基板131は、獲得数表示部122への表示と並行して、各停止図柄の組合せに応じた数の遊技球を遊技価値として払い出すための払出制御を行う。かかる場合、原則として主基板131が投入払出制御基板136にコマンドを送信し、当該コマンドに基づいて投入払出制御基板136が払出装置28を駆動制御することにより、上皿18等へ直接的に現実の遊技球として遊技球の払出が行われる。
そして、有効ライン上に揃った図柄が小役図柄或いは何ら払出のない図柄の組合せである場合には通常遊技が続行される。一方、有効ライン上に揃った図柄の組合せがリプレイ図柄の組合せである場合にはリプレイゲーム制御手段によって次回のゲームを無償で行うことができるリプレイゲームが実行される。また、有効ライン上に揃った図柄の組合せがビッグボーナス図柄の組合せである場合にはビッグボーナス制御手段によってビッグボーナスゲームが実行される。ここで、本実施の形態の遊技機1では、ビッグボーナスゲームの終了条件として、所定回の遊技(30ゲームの終了又は3回のジャックインゲームの終了)の他、払出遊技球数が上限値(具体的には2250個)に達したか否かという条件も含まれるように構成されている。従って、30ゲーム又は3回のジャックインゲームの終了を待たずして払出遊技球数が上限値である2250個に達すると、そこでビッグボーナスゲームが終了されるようにして、必要以上に射幸性をあおらないようにしている。
なお、小役図柄、リプレイ図柄、ビッグボーナス図柄等が有効ライン上に揃った場合、サブ基板132は、発光体8,9や、各ランプ表示部10,12,13等を表示制御して小役成立や、リプレイゲームへの移行や、ボーナスゲーム成立を表示報知するとともに、スピーカ11を適宜駆動制御して音声報知する。なお、これらスピーカ11による音声報知は、遊技者への遊技価値返還による利益が大きいもの程大袈裟なもの(音量を大きくしたり、トーンを高くしたり、リズムを変化させる等)とすることが好ましい。各報知部の表示態様についても同様であり、例えばビッグボーナスゲームではめまぐるしく点滅させる等のように表示態様を変化させることによって、得られる利益の大きさを遊技者に推し量らせることができる。
次に、主基板131内のCPUにより実行される各制御処理を説明する。かかる主基板131の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがある。ここでは、まずNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを簡単に説明し、その後メイン処理を詳細に説明する。
停電の発生などによって電源が遮断されると、電源装置133から主基板131のCPUに設けられたNMI端子(ノンマスカブル割込端子)に停電信号が出力される。これに伴い、主基板131がNMI割込み処理を起動する。NMI割込み処理において、主基板131は、使用レジスタのデータをRAMのバックアップエリアに退避させる退避処理や、停電フラグをRAMの停電フラグ格納エリアにセットするフラグセット処理等を実行する。
また、例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生する。このタイマ割込みにおいて、主基板131は、先ず停電フラグがセットされているか否かを判別し、セットされていれば停電時処理を実行する。この停電時処理として、主基板131は、CPUのスタックポインタの値やRAM判定値をRAMのバックアップエリアに保存する。なお、RAM判定値とは、具体的にはRAMの作業領域アドレスにおけるチェックサム値の2の補数である。RAM判定値をバックアップエリアに保存することにより、RAMのチェックサムは0となる。RAMのチェックサムを0とすることによりそれ以後のRAMアクセスが禁止される。
また同じくタイマ割込処理において、主基板131は、以下の処理を順次実行する。すなわち、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理、各リール71〜73を回転させるためのモータ制御処理、各種センサ(図11参照)の状態を監視するセンサ監視処理、各種カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理、ベット数や払出数をカウントするカウンタ処理、サブ基板132へコマンドなどを送信するコマンド出力処理、獲得数表示部122や情報表示部123にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理、該セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理などを順次実行する。
次に、電源投入後に実行される主基板131でのメイン処理を、図12に示すフローチャートを用いて詳しく説明する。メイン処理は、停電からの復旧や電源スイッチのオン操作によって電源が投入された際に実行される。
先ずステップS101では、初期化処理として、スタックポインタの値をCPU内に設定すると共に、割込み処理を許可する割込みモードを設定し、その後CPU内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。
これらの初期化処理が終了すると、次にステップS102ではリセットスイッチ138がオン操作されているか否かを判定する。リセットスイッチ138がオン操作されている場合にはステップS103に進み、RAMクリア処理としてRAMに記憶されたデータを全てクリアする。
その後、ステップS104では設定キーが設定キー挿入孔に挿入されているか否かを判定する。設定キーが挿入されている場合にはステップS105に進み設定変更処理を行う。設定変更処理として、先ずRAMに記憶されたデータを全てクリアする。そして、予め設定された複数段階の設定状態(例えば「設定1」〜「設定6」)のうちどの設定状態が選択されたかを判定した上で、選択された設定状態に応じた内部処理を実行する。
ステップS106では停電フラグがセットされているか否かを確認する。停電フラグがセットされていない、すなわち先のステップS103又はステップS105にてRAMのデータがクリアされている場合には、後述する通常処理に進み、本処理を終了する。
ステップS106において停電フラグがセットされた状態にあるときには、ステップS108以降に示す復電処理に移行する。停電フラグがセットされた状態にあるということは、ステップS103のRAMクリア処理、ステップS105の設定変更処理等のサブルーチン処理が全く実行されていないことを意味する。従って、RAMのデータは全く書き替えられていないこととなり、復電処理ではRAMのデータなどが正常であるかどうかなどの確認処理が必要となる。そのためにまず、ステップS108ではRAM判定値が正常であるか否かを確認する。具体的には、RAMのチェックサムの値を調べ、その値が正常、つまりRAM判定値を加味したチェックサムの値が0か否かを確認する。RAM判定値を加味したチェックサムの値が0である場合、RAMのデータは正常であると判定する。
ステップS108においてRAM判定値が異常である、つまりチェックサムの値がゼロでなかったときには、RAMのデータが破壊された可能性が高い。そのため、このような場合にはステップS109にてエラー表示処理を行う。エラー表示処理として、先ず割込み処理を禁止し、入出力ポート内の全ての出力ポートをクリアすることにより、入出力ポートに接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御する。その後、ホール管理者などにエラーの発生を報知するエラー表示を行うと共に、リセットスイッチがON操作されるまでかかる状態を維持する。
ステップS108においてRAM判定値が正常であると判定した場合にはステップS110に進み、バックアップエリアに保存されたスタックポインタの値をCPUのスタックポインタに書き込み、スタックの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。次に、ステップS111において、復電処理時に使用する復電コマンドをサブ基板132に送信する。その後、ステップS112にて遊技状態として打ち止めおよび自動精算設定保存処理を行い、ステップS113にてスタート検出センサ101a等の各種センサの初期化を行う。以上の処理が終了した後、ステップS114にて停電フラグをリセットし、電源遮断前の番地に戻る。具体的には、先に説明したタイマ割込み処理に復帰し、前記タイマ割込みのウォッチドッグタイマクリア処理が実行されることとなる。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図13のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS201では、マックスベットスイッチ109が操作されたか否かを判定する。マックスベットスイッチ109が操作されたときには、続いてステップS202にてスタートレバー101が操作されたか否かを判定する。ステップS201,S202が共にYESの場合には、ステップS203の抽選処理、ステップS204のリール制御処理、ステップS205の特別遊技状態処理を順に実行し、ステップS201に戻る。一方、ステップS201にてマックスベットスイッチ109が操作されていない、またはステップS202にてスタートレバー101が操作されていない場合には、ステップS201に戻る。
以下、ステップS203の抽選処理、ステップS204のリール制御処理を、図14、図15のフローチャートを参照しながら説明する。なお、ステップS206の特別遊技状態処理では、ビッグボーナスフラグの成立に伴いビッグボーナスゲームが実行されるが、その遊技内容については概ね既述した通りであるため、ここでは説明を省略する。
先ずステップS203の抽選処理について、図14のフローチャートに基づき説明する。
ステップS301では、遊技機1の現在の設定状態や小役確率の高低等に基づき、当否判定用の乱数テーブルを選択する。ここで、遊技機1の設定状態は「設定1」〜「設定6」のいずれかであり、「設定1」のときに役の当選確率が最も低い乱数テーブルが選択され、「設定6」のときに役の当選確率が最も高い乱数テーブルが選択される。また、小役確率については高低2種類存在し、現在の出玉率が所定の期待値を下回っているときには小役当選確率が高い乱数テーブルが選択され、所定の期待値を上回っているときには小役当選確率が低い乱数テーブルが選択される。なお、当否判定用の乱数テーブルは、上述した以外のものが設定されている構成であってもよく、また、設定状態に基づくテーブルのみが設定されている構成であってもよい。
ステップS302では、このようにして選択された乱数テーブルに、スタートレバー101が操作されたときに乱数カウンタよりラッチした乱数を照らして役の抽選を行う。そしてステップS303にていずれかの役に当選したか否かを判定し、いずれの役にも当選していない場合にはそのまま本処理を終了する。いずれかの役に当選した場合にはステップS304に進み、その役に応じた当選フラグをセットすると共に図柄を揃えるべき有効ラインを決定する。続いてステップS305ではリール停止制御用のスベリテーブルを決定し、これをRAMのスベリテーブル格納エリアに格納する。ここで、スベリテーブルとは、ストップボタン102〜104が押されたタイミングにおける所定の有効ライン上の図柄と、その有効ライン上に停止させるべき図柄とが異なる場合に、その停止させるべき図柄を所定の有効ライン上で止まるようにリール71〜73をどれだけ滑らせるかを定めたテーブルである。
次に、ステップS204のリール制御処理について、図15のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップS401においてウエイト処理を行う。このウエイト処理は、前回のゲームにおいてリールの回転を開始した時点から所定時間(例えば4.1秒)が経過するまで今回のゲームにおいてリールの回転を開始せずに待機する処理である。このため、マックスベットスイッチ109の操作後にスタートレバー101が操作されたとしても、直ちに各リール71〜73が回転しないことがある。
ウエイト処理に続いてステップS402のリール始動処理を行い、各リール71〜73を回転させる。このリール始動処理では、マックスベットスイッチ109が操作されてから予め規定した受入時間を経過しても所定個数の遊技球の受入が完了していない場合に、回転中の全てのリールを強制的に停止させることとしている。この場合、仮に先述の抽選処理において何らかの役に当選し当選フラグがセットされていたとしても、この当選フラグと対応する役が成立しないように各リール71〜73が停止する。なお、受入時間は、所定個数の遊技球受入に要する時間に対して十分な時間が設定されており、受入が正常に完了しないまま受入時間を経過した場合には、上皿18内の遊技球が不足していること等が原因で遊技球受入が完了しないと考えられる。
その後、ステップS403では、ストップボタン102〜104のいずれかが押圧操作されてリールの停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合にはステップS404に進み、予め定められた各リール71〜73の最大回転時間(例えば40秒)を経過したか否かを判定する。最大回転時間を経過していない場合にはステップS403に戻り、最大回転時間を経過した場合にはステップS405に進んで回転中の全てのリールを強制的に停止させる強制停止処理を行う。
一方、ステップS403にてストップボタン102〜104のいずれかが押圧操作されて停止指令が発生した場合には、ステップS406に進み、リール停止処理を行う。このリール停止処理では、押下操作されたストップボタンに対応するリールを停止させるが、役の抽選において役に当選し、当選フラグがセットされている場合にはRAMのスベリテーブル格納エリアに格納されたスベリテーブルを参照して、可能な限り当選した役が所定の有効ライン上に並ぶように制御する。例えば、下ライン上に「スイカ」図柄が並ぶという役に当選し、「スイカ」図柄が上ラインに停止するタイミングでストップボタンが押下操作された場合には、下ラインに停止するように図柄2つ分だけリールを滑らせる。但し、滑らせることのできる範囲は予め決められている(例えば最大で図柄4つ分)ため、ストップボタンを押したタイミングによっては下ライン上に「スイカ」図柄が停止しないこともある。なお、ステップS405の強制停止処理においても、当選フラグがセットされている場合にはこれと同様の処理を行う。
続いて、ステップS407では今回の停止指令が第1停止指令か否か、すなわち3つのリール全てが回転しているときにストップボタンが押下操作されたか否かを判定する。第1停止指令の場合には、ステップS408に進み、スベリテーブル変更処理を行う。このスベリテーブル変更処理では、例えば当選した有効ライン上で役を揃えようとしたときに役の複合が発生するか否かを判定し、役の複合が発生しないときにはそのまま次のステップに移行し、役の複合が発生するときには当選した有効ラインを別の有効ラインに変更すると共に変更後の有効ラインに合ったスベリテーブルに変更した後に次のステップに移行する。ここで、役の複合とは、例えば上ライン上で「ベル」図柄を揃えようとしたときに左リール71にて「チェリー」図柄が中ライン上に現れる場合のように複数の役が同時に発生する場合をいう。なお、スベリテーブル変更処理は役の複合を回避するとき以外にも行われることがある。
一方、ステップS407で今回の停止指令が第1停止指令でないときには、ステップS409に進み、第2停止指令か否か、つまり3つのリールのうち1つのリールが停止し2つのリールが回転しているときにストップボタンが押圧操作されたか否かを判定する。第2停止指令のときにはステップS410に進み、停止目判定処理を行う。この停止目判定処理では、2つのリールが停止したときにその2つが「7」図柄等のボーナス図柄で揃っているか否かを判定し、揃っていないときにはそのまま次のステップに移行し、揃っているときにはスピーカ11から効果音等を発生させた後に次のステップに移行する。
そして、ステップS405の強制停止処理の後、ステップS408のスベリテーブル変更処理の後、ステップS409にて今回の停止指令が第2停止指令でなかったとき、又はステップS410の停止目判定処理を行った後には、ステップS411にて全てのリール71〜73の回転が停止したか否かを判定する。ステップS411がNOの場合にはステップS403に戻り、YESの場合には続くステップS412にて払出判定処理を行う。払出判定処理では、役が有効ライン上に並んでいるか否かを判定し、役が有効ライン上に並んでいないときには払出予定数が0である旨のコマンドを投入払出制御基板136に対して出力し、役が有効ライン上に並んでいるときにはその役が当選した役と一致しているか否かを判定し、一致していないときにはランプ表示部10等によりエラー表示を行うと共に払出予定数が0である旨のコマンドを投入払出制御基板136に対して出力する。一致しているときには当選役に対応した払出予定数(本実施の形態では、最大75個)の情報が内在したコマンドを投入払出制御基板136に対して出力する。投入払出制御基板136は主基板131から上記コマンドを入力すると、当該コマンドをRAMに格納する。このコマンドにより投入払出制御基板136は、払出予定数を判断する。
次に、投入払出制御基板136のCPUにおいて実行される遊技球払出処理について、図16のフローチャートに基づき説明する。
遊技球払出処理では、先ずステップS501にて払出数カウンタがカウントした払出数と、RAMに格納されたコマンドから判断される払出予定数とが一致しているか否かを判定する。払出数と払出予定数とが一致していないときには、ステップS502にて払出装置28を駆動して遊技球を上皿18に払い出す。このとき、ステップS502では払出装置28に設けられた払出検出センサの検出信号に応じて払出数を1インクリメントする。また、この際、主基板131に対して払出数を1インクリメントした旨のコマンドが出力され、主基板131は獲得数表示部122の表示数を1インクリメントする。そしてその後、ステップS501に戻る。ステップS501で払出数と払出予定数とが一致したときには、ステップS504にて払出装置28を停止させ、本処理を終了する。なお、払出数は払出予定数分の遊技球を払い出したときにリセットされる。また、この際、払出数をリセットした旨のコマンドが主基板131に対して出力され、主基板131は獲得数表示部122の表示をリセットする。
また、投入払出制御基板136においては、上記遊技球払出処理と並行して遊技球投入処理を実行する。そこで、以下に遊技球投入処理について説明する。但し、説明の便宜上、フローチャートに基づく説明は省略する。
遊技球投入処理では、まず主基板131からマックスベットスイッチ109が押圧操作された旨のコマンドを入力したかどうかを判定する。その結果、当該コマンドを入力していなかった場合には、そのまま本処理を終了する。一方、上記コマンドを入力していた場合には、取込予定数が15である旨のコマンドが主基板131から出力され、投入払出制御基板136は当該コマンドをRAMに格納する。そして、当該コマンドから取込予定数を判断し、実際の取込数と取込予定数とが一致するまで取込装置23を駆動制御する。そして、取込数と取込予定数とが一致した時点で取込装置23の駆動制御を終了し、さらに主基板131に対してその旨のコマンドを出力する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
透明パネル65が上部パネル59よりも遊技機前方に張り出している構成とすることにより、遊技機1を遊技機後方に極端に突出させることなく、リールユニット70を収容するスペースの拡張を行うことができ、遊技機1の体格(外枠2、前面枠3及び前面扉4などから構成される遊技機本体)に対して径が比較的大きいリール71〜73を備えたリールユニット70を配設することができる。ここで、当該遊技機1の島では、例えば、島設備が2列1組で構成されており、各列の島設備には背面側が互いに対向するようにして遊技機1が配設される。そして、限られた空間においてより多くの遊技機1を配設するためには、各島設備をできるだけ近づけて設けるのが望ましいといえる。この場合に、本実施の形態であれば、各島設備をできるだけ近づけつつ遊技機1の体格に対して径が比較的大きいリール71〜73を備えたリールユニット70を配設することができる。
また、保護カバー135の奥側に制御基板などを配設しないことにより保護カバー135の奥側端部を遊技機1の奥側端部とした上で、リールユニット70の奥側端部が保護カバー135の奥側端部付近に位置するようにリールユニット70を配置する構成とすることにより、透明パネル65が遊技機前方に極端に張り出さないようにしつつ、径が比較的大きいリール71〜73を備えたリールユニット70を配設することができる。透明パネル65が遊技機前方に極端に張り出した構成となると、当該遊技機1の遊技が遊技機1の前方に配設された固定式の椅子に座って行われる場合には、遊技者と透明パネル65との間の距離が極端に短くなってしまい図柄の視認性の低下などといった不都合が生じることとなる。また、当該遊技機1の遊技が、非固定式の椅子に座って行われる場合には、椅子の位置を遊技機1から離すことにより上記不都合を解消することができるが、対向する椅子の間の距離が短くなり遊技ホールにおける従業員や客の通行スペースが狭くなってしまう。これに対して、本実施の形態であれば、上記のような不都合を生じさせることなく、径が比較的大きいリール71〜73を備えたリールユニット70を配設することができる。
また、上方傾斜部61が光を遮断することができる黒色に着色された合成樹脂により形成された構成とすることにより、遊技ホールの天井照明の光や上部パネル59の内部に配設された上部ライト59aの光といった上方傾斜部61上方から照射される光が、透明パネル65を介して視認できる領域に位置する各リール71〜74の表面の上部へと照射されるのを抑制することができる。仮に、本構成を備えておらず、上記光が各リール71〜74の表面の上部へと照射される場合には、照射された部分に位置する図柄の視認性がその反射光により著しく低下するおそれがある。当該遊技機1の遊技は、遊技者が透明パネル65を介して視認できる領域を通過する図柄を視認して、予め設定された有効ライン上に所定の図柄の組合せを停止させるべく所定のタイミングでストップボタン102〜104を操作することにより行われる。従って、透明パネル65を介して視認できる領域を通過する図柄の視認性が低下することは、遊技興趣の低下を引き起こす要因となりかねない。これに対して、本実施の形態の構成であれば、このような不都合が生じるおそれはない。
また、透明パネル65と上皿18との間に透明パネル65よりも奥側に位置する奥壁64を設けることにより、上皿18が遊技機1前方へと膨出するのを抑制しつつ、遊技者が上皿18へと遊技球を補給する空間が確保されている。仮に、奥壁64が設けられていない構成の場合には、遊技者が上皿18へと遊技球を補充するための空間を確保すべく、上皿18を遊技機前方へと膨出させる必要があり、上皿18の前方には操作部100が位置するので、結果的に操作部100を遊技機前方へと突出させることとなってしまう。当該遊技機1の遊技が、遊技機1の前方に配設されている固定式の椅子に座って行われる場合には、操作部100を遊技機前方へと突出させると、遊技者の胴体と操作部100との間の距離が短くなってしまい操作部100の操作が窮屈なものとなってしまう。これは、継続して遊技を行う遊技者にとって大きな負担となるおそれがある。また、当該遊技機1の遊技が、非固定式の椅子に座って行われる場合には、椅子の位置を遊技機1から離すことにより上記不都合を解消することができるが、対向する椅子の間の距離が短くなり遊技ホールにおける従業員や客の通行スペースが狭くなってしまう。さらには、この場合、椅子の間の距離が短くなり遊技ホールにおける従業員や客の通行スペースが狭くなってしまう。また、操作部100が遊技機前方に突出すると、遊技ホールなどにおいて前面扉4を回動させたときの操作部100の先端の移動範囲が広くなってしまい、当該操作部100の先端が遊技者に当たってしまうおそれがある。これに対して、本実施の形態であれば、このような不都合が生じるおそれはない。
また、透明パネル65を平面状とすることにより、遊技ホールにおける照明の光などが透明パネル65において反射し図柄の視認性が低下するのが防止されている。仮に、透明パネル65を曲面状とした場合には、透明パネル65の厚みを同一としても遊技者のリール71〜73を見る角度に応じて図柄の視認性のバラツキが生じることとなってしまう。
なお、以上説明した実施の形態の他、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施の形態では、上方傾斜部61が黒色に着色された合成樹脂で形成されている構成であったが、これを変更してもよい。例えば、上方傾斜部61を光透過性を有する合成樹脂により形成しておき、その前面に光を遮断することができるシールなどを貼り付ける構成であってもよい。本構成であっても、上記実施の形態と同様に、上方傾斜部61において光の遮断をすることができる。
(b)上記実施の形態では、ケース体60と透明パネル65とが別体として設けられている構成であったが、これを変更してもよい。例えば、ケース体60と透明パネル65とが一体形成されている構成であってもよい。この場合、ケース体60と透明パネル65との一体形成品を光透過性を有する合成樹脂により形成し、上方傾斜部61、枠部62、下方傾斜部63及び奥壁64に光を遮断することができるシールなどを貼り付ける構成とする。
(c)上記実施の形態では、上方傾斜部61の前面が奥側から手前側に向けて下方に傾斜した構成であったが、これを変更してもよい。例えば、上方傾斜部61の前面が水平面となっている構成であってもよい。
(d)上記実施の形態では、下方傾斜部63の前面が奥側から手前側に向けて上方に傾斜した構成であったが、これを変更してもよい。例えば、下方傾斜部63の前面が水平面となっている構成であってもよい。
(e)上記実施の形態では、上皿18が遊技機1前方へと膨出するのを抑制しつつ、遊技者が上皿18へと遊技球を補給する空間を確保すべく、透明パネル65と上皿18との間に透明パネル65及び上皿18よりも奥側に位置する奥壁64が設けられている構成であったが、これを変更してもよい。例えば、上記のような奥壁64を設けずに、透明パネル65の直下に上皿18を配置する構成であってもよい。但し、この場合、遊技者が上皿18へと遊技球を補給する空間を確保すべく上皿18を遊技機1前方へと膨出させる必要がある。
(f)上記実施の形態では、上方傾斜部61、枠部62、下方傾斜部63及び奥壁64が一体形成されている構成であったが、これらが一体形成されていない構成であってもよい。
(g)上記実施の形態では、奥壁64に精算スイッチ111が配設されている構成であったが、これを変更してもよい。例えば、精算スイッチ111を操作補助面105に配設する構成であってもよい。
(h)上記実施の形態では、リールユニット70の最後部となる部位が保護カバー135の奥側端部付近に位置する構成であったが、リールユニット70の奥側端部が上記位置よりも前方に位置する構成であってもよい。この場合、上記実施の形態よりも透明パネル65を遊技機前方に張り出させる必要がある。本構成の場合、遊技機1の奥側への突出する長さを短くすることができる。
(i)上記実施の形態では、保護カバー135の奥側には制御基板などが配設されておいない構成であったが、保護カバー135の奥側に制御基板などが配設されている構成であってもよい。
(j)上記実施の形態では、上方傾斜部61の手前側端部が枠部62の上方端部に位置する構成であったが、上方傾斜部61の手前側端部が枠部62の前面よりも遊技機1の前方に突出している構成であってもよい。この場合、遊技ホールの天井照明の光や上部パネル59の内部に配設された上部ライト59aの光といった上方傾斜部61上方から照射される光が、透明パネル65を介して視認できる領域に位置する各リール71〜73の表面の上部へと照射されるのをより確実に抑制することができる。
(k)上記実施の形態の遊技機1では、入力操作手段としてマックスベットスイッチ109のみが配設されている構成であったが、1ベットスイッチや2ベットスイッチも配設されている構成であってもよい。つまり、通常遊技において、1ベット遊技や2ベット遊技を行うことができる構成とする。
(l)上記実施の形態の遊技機1は、クレジット機能(仮想遊技媒体の記憶機能)を持たない構成としたが、このクレジット機能を持つ構成としても良い。
(m)補助演出用の情報付与手段を遊技機1に設置する構成としてもよい。同情報付与手段は、例えば、リールユニット70の前面側にて当該リールユニット70に一体化して設置したり、ケース体60において透明パネル65の近傍(左右上下のいずれか)に設置したり、ケース体60よりも上方に設置したり、環状部6のうちトップ部6aに設置したりすればよい。情報付与手段としては、電気的表示装置の一種たる液晶表示装置を用いることが可能であり、さらに他の電気的表示装置、例えばCRT、ドットマトリックス、LED、エレクトロルミネセンス(EL)、蛍光表示管等を用いてもよい。また、電気的表示装置以外にも、スピーカ等の音声発生装置を用いてもよく、これにより遊技者に対してダイナミックな音声演出が可能となる。さらに、音声発生装置たるスピーカ11と表示装置との組み合わせとして情報付与手段を構成してもよい。
(n)上記実施の形態における図柄の種類、配列等はあくまでも一例にすぎず、例えば他の小役図柄を盛り込む等、任意の構成を採用することができる。また、絵、数字、文字等に限らず、幾何学的な線や図形等であってもよい。また、光や色等を利用して図柄を構成することも可能であるし、立体的形状等によっても図柄を構成し得るし、これらを複合したものであっても図柄を構成し得る。すなわち、図柄は識別性を有した情報(識別情報)としての機能を有するものであればよい。
(o)上記実施の形態におけるスタートレバー101等に代表される操作手段や、獲得数表示部122等に代表される表示手段の配置はあくまでも一例に過ぎず、例えばスタートレバー101を右側に配置したり、レバーに代えてボタンにしたりする等、適宜変更することは何ら差し支えない。
(p)遊技機1の全ての制御が主基板131により司られる構成としてサブ基板132や投入払出制御基板136を省略してもよい。また、サブ基板132を音声制御基板、ランプ制御基板といったように制御分担を細分化して複数基板によって構成することも可能である。
(q)上記実施の形態では、特別遊技状態としてビッグボーナスゲームを有する遊技機1について説明したが、一回のジャックインゲームからなるレギュラーボーナスゲームを行いうる遊技機に適用してもよい。また、逆にビッグボーナスゲームを省略したものとしてもよい。更に、ビッグボーナスゲーム後に所定条件成立(所定ゲーム回数の終了、所定フラグ成立等)まで遊技媒体(遊技球)の消費を抑えて、或いは遊技媒体(遊技球)の獲得のチャンスを増大させたゲームを進行し得るチャンスゲーム機能等の各種付加価値を設けたものとしてもよい。
(r)上記実施の形態における遊技球の、1ベット当りの受入数(所定数)、最大受入数、払出個数等はあくまでも例示であって、上記数値に特に限定されるものではない。
(s)上記実施の形態におけるリール71〜73の構成に代えて、円筒骨格部材50とベルトとを一体形成し、このベルトの外周面に図柄を個別に貼付けする構成としてもよい。
(t)上記実施に形態において説明した特徴的な構成を遊技機1の他、サイズの大きいリールユニットを備えたパチンコ機や、サイズの大きいリールユニットを備えたスロットマシンに適用してもよい。