以下に、遊技球を取り込んだ上で遊技が開始される遊技機に関する一実施の形態につき図面に基づいて説明する。
本実施の形態における遊技機は、遊技に際して所定数の遊技媒体(遊技価値)としての遊技球(例えばパチンコ機と同様の遊技球:パチンコ球)を必要とし、所定条件が成立した場合には複数の遊技球、場合によっては大量の遊技球が払い出されるよう構成されている。なお、遊技球は、パチンコ球に限られず、広義には鋼球であればよい。
まず、遊技機1の外観構成及び内部構造の概略を説明する。ここで、図1は遊技機1の全体を示す斜視図、図2は遊技機1の正面図、図3は遊技機本体と前面扉4とを展開して横に並べて示す正面図、図4は遊技機1の背面図である。なお、図2には、遊技機1に併設される球貸し装置Aも図示している。
図1〜図3に示すように、遊技機1は、本体枠としての外枠2と、外枠2の前部に設けられ外枠2の一側部にて開閉可能に支持された前面枠3とを備えている。この場合、外枠2と前面枠3とは、その左端の上部及び下部においてヒンジ31,32により開閉可能に連結されている。外枠2は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって、全体として矩形状をなす。また、前面枠3は、外形寸法が外枠2よりも僅かに小さな四角枠状の板材よりなり、外枠2の前面に当接するようにして設けられている。前面枠3には、その裏面から外枠2の内周面に沿って背面側に延びる裏セット盤16が取り付け固定されており、その裏セット盤16に、後述するベルトユニットや、遊技球の取込又は払出のための装置(いわゆる裏セット)や、各種制御基板等が搭載されるようになっている。本実施の形態では、基本的に外枠2、前面枠3及び該前面枠3に設けられる裏セット盤16等により遊技機本体が構成されている。
前面枠3の前面側には、当該前面枠3に対して開閉可能な開閉扉としての前面扉4が設けられると共に、この前面扉4の下方に下皿ユニット5が設けられている。すなわち、前面枠3の前面側は前面扉4と下皿ユニット5とにより覆い隠されるようになっており、前面扉4が開放されることにより、下皿ユニット5よりも上方の前面枠3及びそれに搭載された各種機構(ベルトユニット等)が前方に露出されるようになっている。前面枠3と前面扉4とは、その左端の上部及び下部のヒンジ33,34により開閉自在に連結されている。従って、前面扉4は、前面枠3に対してその左側部を中心に右側部が回動される。
前面扉4及び下皿ユニット5の前面は、遊技機全体として一体的な外観をなすよう連続的な立体形状にて形成されており、遊技機1の概ね外周全体で環状をなしかつ遊技機前面に突出する環状部6,7を有する。環状部6,7は遊技機正面から見てほぼ左右対称の形状をなす。これら環状部6,7には、発光ダイオード等よりなる発光体8,9が多数埋設されており(図2右下の一部破断部参照)、遊技に際しこの発光体8,9が発光することにより、例えば環状部6,7が一斉に又は遊技機外周を周回して光るようになっている。環状部6のうち、最上部に位置するトップ部6aは他の部位よりも一層前方に突出しており、トップ部6aには、左右一対のランプ表示部10が設けられると共に、同じく左右一対のスピーカ11が設けられている。また、環状部6において高さ方向中央部付近には、内側に括れた括れ部6bが設けられ、その括れ部6bにもランプ表示部12,13が設けられている。
環状部6,7(発光体8,9)やランプ表示部10,12,13等は、表示内容の多様化や表示演出の重厚化等を意図しつつ遊技の際の補助演出を行うために設けられるものであって、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行する。例えば、ビッグボーナスゲームを獲得しうる状態になったときに、環状部6,7(発光体8,9)を一斉に又は周回させるように発光させたり、全てのランプ表示部10,12,13を点灯又は点滅等させたりすることで、遊技者への告知が行われる。
一方で、実際の遊技ホールでは、図2に示すように、遊技機1の向かって左側には球貸し装置Aが設けられ、この球貸し装置Aへの紙幣や硬貨等の投入によりノズルBを通じて遊技球が遊技機1(実際には後述する上皿18)に供給されるようになっている。ノズルBは、基部Cを中心にして手前側に回動可能に、かつ上方に跳ね上げ可能に構成されている。かかる場合、ノズルBが図示の如く球供給位置にあると、このノズルBと、前述した前面扉4前面の環状部6とが干渉するおそれが生ずるが、本実施の形態では、環状部6の括れ部6bの一部に切り欠き状の凹部15が形成されており、この凹部15にノズルBの中間部位が配置されるようになっている。詳しくは、凹部15は、上皿18の直上となる高さ位置に、かつ後述する操作部100(遊技機前面の膨出部)の上面と連続面をなすようにして設けられている。また、凹部15は、ノズルBが回動して球供給位置に配置されるのに支障のない十分な高さ方向の寸法を有する。
上記凹部15により、遊技機1前面の立体的な造形にかかわらず、ノズルBを介して遊技球の補充が好適に実施できる。また、凹部15には、他の環状部6と同様に発光体8が埋め込まれている。故に、凹部15が切欠き状に設けられたとしても、環状部6,7は凹部15も含むようにして発光し、その全体の印象が損なわれることはない。なお、凹部15の上面壁を、手前側が上位となる傾斜面としても良い。これにより、凹部15内に配置されたノズルBを上方に跳ね上げる際、凹部15の傾斜面に沿わせて容易にその跳ね上げを行うことができる。
本実施の形態における遊技機1は、遊技球(仮想遊技球をも含む)の投入を必要条件として遊技が行われ、所定条件の成立に伴い所定個数の遊技球の払出が行われるよう構成されている。遊技媒体として遊技球を用いるための構成を以下に説明する。すなわち、図3や図5に示すように、前面枠3に取り付け固定された裏セット盤16には、その前面側下方に上皿形成体17が着脱可能に取り付けられている。図6は、上皿形成体17の構成を示す斜視図である。
上皿形成体17には球受皿、第1貯留部としての上皿18が形成されており、その上皿18は、取込装置23への投入口に通じる低位側貯留域としての主上皿部18aと、その上流側に位置する高位側貯留域としての副上皿部18bとを有する。基本的に、主上皿部18aは、後述する払出機構より払い出された遊技球を貯留するものである一方、副上皿部18bは、球貸し用のノズルB(図2参照)から供給される遊技球を受け取り、主上皿部18aへ導くものである。主上皿部18a内の遊技球は、球案内部19を通じて投入口に流れ込み、この投入口より取込装置23(図3参照)に給送される。球案内部19は遊技球を一列に整列させて球出口に供給することができるようになっており、球案内部19にはステンレスカバー(保護カバー)20が取り付けられている。主上皿部18a及び副上皿部18bは折り返すようにして前後に重複して設けられ、副上皿部18bは図6の左側に向けて幾分下方に傾斜し、主上皿部18aは図6の右側に向けて幾分下方に傾斜している。故に、主上皿部18a及び副上皿部18b内の遊技球は順序よく下流側に流れ、取込装置23へ向けて案内される。
上皿形成体17の左右両端部には装着固定部21が設けられており、この装着固定部21を裏セット盤16側に締結することにより、上皿形成体17が裏セット盤16に装着されるようになっている(図5にはその装着状態を示す)。装着固定部21の締結解除により、上皿形成体17が裏セット盤16から離脱される。装着固定部21は裏セット盤16に対して着脱自在であればその締結手法は任意でよく、裏セット盤16側に設けた被締結穴に締結具(例えばナイラッチ(登録商標))を押し込むワンプッシュ式の締結手法や、裏セット盤16側に設けたネジ穴に雄ネジを螺着する手法等が適用できる。
そして、上皿形成体17が裏セット盤16に装着された状態で、前面扉4が閉じられると、裏セット盤16と前面扉4との間で上皿形成体17が固定される。上皿形成体17にはその長手方向に延びるフランジ22が設けられており、このフランジ22が前面扉4の裏面に挟持されるようになっている。すなわち、フランジ22を挟み込むように前面扉4の裏面の対応位置には挟持用凹所が形成されていることから、前面扉4の閉状態時において上皿形成体17の脱落が防止されるとともに、上皿18に貯留される大量の遊技球の重量をも支えることができる。また、図1や図2に示すように、前面扉4のうち、上皿形成体17に対応する部分(操作部100)は前面側に膨出しており、かつその膨出部の上面が開口している。このため、前面扉4が閉状態にあるときには、上皿形成体17の上皿18が膨出部(操作部100)の上方に開放されるようになる。以上の構成により、上皿形成体17を遊技機本体又は前面扉4から容易に取り外すことができるとともに、上皿形成体17を取り外した上で、上皿18(特に球案内部19)の清掃作業等が行いやすくなる。また、後述する操作部100等の点検、修理等が前面扉4の裏側から行いやすくなる。つまり、メンテナンス性の向上が図られる。前面扉4の膨出部分は操作部100となっており、前面扉4のうち、操作部100の直上には表示部120が設けられている。これら操作部100及び表示部120の構成については後述することとする。
図5に示すように、上皿形成体17を取り付けるための前面壁部としての前面パネル部50には、上皿18の主上皿部18aの上流部分に通じる排出通路51が設けられており、この排出通路51を通じて、前面パネル部50後方に設けた後述する遊技球通路ユニット29から上皿18の主上皿部18aに対して遊技球が排出される。また、上皿18の副上皿部18bの上流部分には、前面パネル部50後方の遊技球通路ユニット29に通じる誘導通路52が設けられている。このとき、排出通路51や誘導通路52は前面パネル部50を貫通するようにして設けられている。
取込装置23(図3参照)は裏セット盤16に設けられており、遊技者による遊技球の投入操作やクレジット操作等に基づき取込装置23を介して遊技球が所定個数ずつ取り込まれる。そして、所定個分の遊技球が取り込まれる毎にその都度の遊技(ゲーム)の開始条件が成立し、遊技開始の準備が整えられるようになっている。このとき、遊技球は所定個数ずつ取り込まれた後、図示しない排出経路を介して遊技機外部に排出される。
裏セット盤16の裏側には、遊技中の所定条件の成立時において遊技球の払出を行う払出機構が設けられている。すなわち、図4に示すように、裏セット盤16の裏側の最上部にはタンク25が設けられており、このタンク25には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク25の下方にはタンクレール26が連結され、更にタンクレール26の下流側にはケースレール27が連結されている。払出装置28はケースレール27の下流側に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が行われる。そして、払出装置28より払い出された遊技球は遊技球通路ユニット29を通じて前記上皿18に供給される。遊技球通路ユニット29の詳細は後述する。
タンクレール26、ケースレール27、払出装置28等の払出機構は、後述するベルトユニット70(実際には、同ベルトユニット70を包囲する保護カバー135)を迂回するようにして配置されている。また、図4(遊技機1の背面図)では右端の上下部分で前面枠3が開閉可能に軸支されており、前述の払出機構は軸側に配置されている。この場合、払出機構には多数の遊技球が貯留されその重量は自ずと大きくなるが、払出機構が軸側に設けられるため、前面枠3の開閉を支障なく行うことができるようになる。またこのとき、軸部材(ヒンジ31,32)にかかる重量負担が軽減されるため、同軸部材(ヒンジ31,32)を保護する効果も併せて得られる。払出機構と同様に前記取込装置23も軸側に設けられていることから、遊技球の取り扱いに関する機構が全て軸側にまとめられ、遊技球の流れに関する不具合時の対応も容易になる。
前記投入操作等が行われた場合、取込装置23が作動し、これにより上皿18にある遊技球が所定個数ずつ取り込まれる。また、遊技中に所定条件が成立した場合には、払出装置28が作動し、これによりタンク25に貯留されている遊技球が、遊技球通路ユニット29等を介して基本的には上皿18に払い出される。
次に、遊技球通路ユニット29の構成を図7〜図9を用いて説明する。図7は遊技球通路ユニット29の構成を遊技機1の正面側から見た図面であり、通路内に多量の遊技球が貯留されている状態を仮想的に示している。図8は遊技球通路ユニット29を構成する通路本体53を示す斜視図である。図9は払出装置28や誘導通路52を横切るような位置での遊技球通路ユニット29の縦断面図である。図9には便宜上、上皿18等の周辺構成を併せて図示している。
払出装置28より払い出された遊技球は、案内通路54を経由して通路上流室55に導入される。通路上流室55には、上皿18に通じる払出通路56と後述する下皿41に通じる下皿排出通路57とが連通されており、通常時には払出通路56に遊技球が流れ、払出通路56が遊技球で満タンになると余剰となった遊技球が下皿排出通路57に流れるようになっている。払出通路56は図の右側に向けて下方に傾斜しており、払出通路56に流れ込んだ遊技球は排出通路51を通じて上皿18の主上皿部18aに排出される。ここで、払出通路56は、遊技機前面側に設置された上皿18に対して前後に並ぶようにして設けられており、上皿18と同じく遊技球の貯留機能を有する。払出通路56が内部側貯留部、第2貯留部に相当する。図7等に示す符号58は、図示しないリセットボタン等の操作に伴い、ケースレール27等に溜まった遊技球を遊技機外部に排出するための外部排出通路である。
なお、払出通路56を上下2段又は3段等に形成したり、奥行き方向の寸法を大きくしたりして、払出通路56の大容量化を図るようにしても良い。具体的には、払出通路56と上皿(主上皿部18a)とを合わせた容量を、1回の特別遊技状態(ビッグボーナスゲーム又はレギュラーボーナスゲーム)の発生で払い出される遊技球が貯留可能な容量とするとよい。これにより、特別遊技状態の発生後においては、当該特別遊技状態の1回分の払出遊技球相当の遊技を遊技球の補給なしで連続的に実施でき、遊技球の補給作業を少なくできる。上皿18の遊技球貯留容量よりも払出通路56の遊技球貯留容量を大きくする構成としてもよい。
また特に、図9を見て分かるように、上皿18の副上皿部18bの上流部分に設けた誘導通路52は、副上皿部18bから払出通路56に向けて下方に傾斜する構成となっている。かかる場合、遊技者が玉箱や下皿41等から上皿18に遊技球を補給しようとする際には、副上皿部18bにまで補給された遊技球は誘導通路52を通じて払出通路56に誘導される。遊技球を補給する場合には、払出通路56内の遊技球も無くなっていると考えられるため、払出通路56に対して十分量の遊技球が送り出される。上記の通り、誘導通路52が上皿18から払出通路56に向けて下方に傾斜しているため、上皿18の遊技球を無理なく(重力に任せて)払出通路56に誘導させることができる。これにより、玉箱等からの補給遊技球を払出通路56に貯めることができ、遊技球の補給回数を減じさせることが可能となる。
一方、図1等に示すように、前面扉4の前面下方に設けた下皿ユニット5には下皿41が形成され、下皿ユニット5の奥方の側面には下皿排出口42が形成されている。前記上皿18や払出通路55等に遊技球が満タンに貯留されている状態であって更に払出装置28から遊技球が払い出される場合には、下皿排出通路57及び下皿排出口42を介して下皿41にも遊技球が払い出される。下皿排出口42の上方にはスピーカ43が設けられている。下皿41に隣接して灰皿44が形成されている。
前面扉4前面の膨出部よりなる操作部100は、その下面が台形状(凸状)に切り欠かれており(実際には、後述するストップボタン操作面113の下方部分が切り欠かれている)、その切り欠きにより形成された領域にスピーカ43が設置されている。スピーカ43は、上下方向に限られた空間で十分な音量を確保するため横長の形状をなす。操作部100の下方空間(切り欠きによりできた空間)は、下皿41に貯まった遊技球を掻き出すために手を差し入れる空間でもある。この場合、操作部100の下方空間において、スピーカ43は、その上方及び左右が操作部100により、下方が下皿41(下皿ユニット5)によりそれぞれ囲まれるようになっている。
下皿ユニット5には球抜き穴45が形成されており、球抜きボタン46を押すことで図示しない球抜き機構が連動し、下皿41に貯まった遊技球が球抜き穴45から下方に排出されるようになっている。
図3,図10に示すように、前面扉4を閉じた状態において、当該前面扉4にはベルトユニット70のすぐ前方位置に前面パネル60が配設されており、その前面パネル60には3つの表示窓61,62,63が設けられている。各表示窓61〜63は横並びとなるように設けられ、各表示窓61〜63を通して内部が視認可能となっている。
また、前面パネル60の背面には、これも同様にパネル状をなすフロントライト部材64が重ね合わせるようにして取り付けられている。フロントライト部材64は発光手段を構成するものであり、光源(ライト)と、光源からの光をパネル面に沿って導入しかつパネル面に略垂直な方向に反射させパネル外部へ発する透明な導光パネルとを有して構成されている。つまり、このフロントライト部材64によればその後方に向けて略垂直に面発光が行われ、後述するベルトユニット70のベルト表面(図柄)が明るく照射されることとなる。この場合、表示窓61〜63による図柄の視認範囲に対して面発光が行われる。なお、本実施の形態では、表示窓61〜63毎に個別に光源が設けられている。すなわち、図3に示すように、それぞれ光源65,66,67及びそれらに対応したインバータ65a,66a,67aが、個別に設けられている。
次に、表示装置としてのベルトユニット70の構成を図3、図10〜図12を用いて説明する。図11は、ベルトユニット70を遊技機本体から取り出して示す斜視図であり、同図には、当該ベルトユニット70の前面、すなわち図柄表示面を左手前側に示している。また、図12は、ベルトユニット70を背面側より見た正面図である。
ベルトユニット70は、前面扉4の裏側において前方より裏セット盤16に設置されている。すなわち、ベルトユニット70は、四角ボックス状をなす金属製のケース80(ケース部材)を具備している。ケース80はベルトユニット70の背面側の背面部80aと左右及び上下の側壁部80bとよりなる。また、ケース80には、その一部を折り曲げ形成することにより上部2カ所に被固定部としれの支持固定部81が設けられている。そして、支持固定部81に取付金具82が取り付けられ、この取付金具82を介してケース80が裏セット盤16に取着固定されている。因みに図11に示すように、ケース80の下部には係止穴83,84,85が設けられており、各係止穴83〜85に裏セット盤16側の係止部(図示略)が係止されることにより、ベルトユニット下端部の前後方向の位置決めがなされるようになっている。つまり、各係止穴83〜85は前後に複数(例えば2つ)設けられ、その前後の係止穴83〜85の何れを用いるかによりベルトユニット70の傾斜角度が決定されるようになっている。
また、ケース80には、絵柄変動部を構成する左回転体71、中回転体72及び右回転体73が収容されている。図10,図11に示すように、各回転体71〜73はそれぞれ、ケース80に回転可能に軸支された駆動ローラ74及び従動ローラ75と、両ローラ74,75間に掛け渡されたベルト(無端状ベルト)76とを備えている。駆動ローラ74には、その回転方向に沿って左右両縁部に複数の外歯74aが等間隔に設けられ、従動ローラ75にも同様に、その回転方向に沿って左右両縁部に複数の外歯75aが等間隔に設けられている。これに対し、ベルト76には、その左右両縁部に前記外歯74a,75aと同じ間隔で係合穴76aが設けられている。そして、ベルト76の係合穴76aを両ローラ74,75の外歯74a,75aに係合させるようにしてベルト76が両ローラ74,75に掛け渡されている。本実施の形態では、従動ローラ75は駆動ローラ74よりも小径であるとするが、それらは同じ径であっても、従動ローラ75の方が大径であってもよい。また、駆動ローラ74を上に、従動ローラ75を下に配置するが、それらを上下逆に配置してもよい。かかる構成下、円形状のリールで回転体を構成した場合とは異なり、ベルト76(回転体71〜73)は全体として扁平状に構成されることとなる。
各回転体71〜73の駆動ローラ74は、それぞれステッピングモータ等よりなるモータ77,78,79に連結されている。そして、各モータ77〜79の駆動により各回転体71〜73が個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動されるようになっている。回転体71〜73が回転すると、各表示窓61〜63を通して回転体71〜73(各ベルト76)が上から下へ向かって移動しているかのように視認される。なお、上記のローラ機構をプーリやギア等を用いた他の機構に変更することも可能である。
各ベルト76の外表面には、それぞれ識別情報としての絵柄たる図柄(シンボル)が多数付されている。これらの図柄のうち、表示窓61〜63を介して視認可能な図柄数は、主として表示窓61〜63の上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施の形態では、各回転体71〜73毎に3個ずつの図柄が視認可能となるよう表示窓61〜63の上下方向の長さが設定されている。
各回転体71〜73の前方には、各ベルト76の係合穴76aを隠すための目隠手段としてのプレート部材86が設けられている。このプレート部材86は、各回転体71〜73の配列方向に延びるようにして各回転体共通に設けられており、各回転体71〜73毎に対応する縦長形状の透孔87,88,89が形成されている。この透孔87〜89は前記表示窓61〜63と略同じ大きさを有し、各透孔87〜89の両サイドの板部により各ベルト76の係合穴76aが前方から隠されるようになっている。この場合、プレート部材86は、駆動ローラ74及び従動ローラ75の間のベルト周回域に配設され、特に、ベルト76に接触することがない程度に当該ベルト76に近接して配設されている。また、各透孔87〜89の上下には、プレート部材86の一部を所定角度に折り曲げた集光板90が設けられており、この集光板90により、前記フロントライト部材64から発せられる光が中央方向に集められるようになっている。プレート部材86は、左右の取付部91でケース80の両側面に取り付け固定されている。
さらに、本ベルトユニット70には、表示窓61〜63を介して視認可能な図柄を後方より照明するためのバックライト92(後方発光手段)が設けられている。このバックライト92は蛍光ランプ等により構成され、駆動ローラ74と従動ローラ75との間に配置される。
また、図12に示すように、ケース80の裏面(背面部80a)には、遊技に関する各種の制御を統括的に管理する主基板(主制御装置)131と、該主基板131に対して従属的に動作するサブ基板(副制御装置)132とが左右に並べるようにして設置されている。すなわち、本実施の形態では、ベルトユニット70に対して主基板131及びサブ基板132が一体化されている。主基板131及びサブ基板132の固定方法としては、ネジによる固定、フック等の係止具の係止による固定等が考えられる。
主基板131は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む制御回路基板より構成されている。サブ基板132も同様に、CPU、ROM、RAM等を具備する。なお、主基板131及びサブ基板132は何れも透明又は非透明な制御基板ボックスに収容されており、この制御基板ボックス内に収容した状態でベルトユニット70のケース裏面に固定されている。
ベルトユニット70の各回転体71〜73が回転駆動される際、その回転及び停止が繰り返されると振動の影響が主基板131やサブ基板132に及ぶおそれがある。そこで、ケース80と主基板131及びサブ基板132との間に振動吸収用のマウント部材(衝撃吸収部材)を介在させるようにしても良い(但し図示は略す)。マウント部材としては、ゴム製又は樹脂製等のシート等が考えられる。図10,図11において符号93は、主基板131からモータ77〜79への駆動出力を中継するための中継基板である。
ここで、ベルトユニット70は遊技者の視線方向に合わせて幾分傾けて遊技機本体に装着されるようになっており、そのためケース80の背面部80aも傾斜している。この場合、主基板131及びサブ基板132は、ベルトユニット70(ケース80の背面部80a)の傾斜により形成された空きスペースに配置されるようになっている。故に、空きスペースが有効利用できる。
図4に示すように、上記構成のベルトユニット70が遊技機本体に取り付けられた状態では、当該ベルトユニット70はカバー部材としての無色透明(又は半透明)な保護カバー135で包囲される。保護カバー135は、少なくとも遊技機前面側に開口した状態で裏セット盤16に固定されており、ベルトユニット70全体を囲むのに十分な大きさを有する。この場合、ベルトユニット70に対して主基板131及びサブ基板132が一体化されていることから、主基板131及びサブ基板132も同様に保護カバー135で包囲されることとなる。故に、遊技球の供給経路や島設備等から遊技球が落下したりしても、その落下球がベルトユニット70や各基板131,132に当たることが防止できる。図中の符号135aは通気孔である。
また同図4に示すように、裏セット盤16には、ベルトユニット70よりも下方に電源装置としての電源ユニット133が設置されている。電源ユニット133は、前述した主基板131、サブ基板132等の制御装置やその他払出装置28等に必要な電源を供給するための電源基板と、該電源基板を収容する無色透明な基板ボックスと、電源基板の内外で生じたノイズを排除するためのノイズ対策用の金属板とを具備し、それらが一体的に組み付けられて構成される。
次に、各回転体71〜73のベルト76に付される図柄について説明する。図13には、各回転体71〜73のベルト76についての図柄配列が示されている。同図は、ベルト76表面の展開図とみても差し支えない。同図に示すように、各ベルト76にはそれぞれ20個の図柄が一列に設けられている。図中、各図柄の左側には1〜20の連続番号を付しており、以下の説明では当該番号を適宜用いることとする。なお、各回転体71〜73のベルト76はそれぞれに同一図柄の数や配置順序が相違するものであるが、ここでは便宜上、その1つについてのみ図示し説明する。
図柄としては、(1)ビッグボーナスゲームに移行するためのビッグボーナス図柄としての「7」図柄(例えば、図13の19番目の図柄)、(2)レギュラーボーナスゲームに移行するためのレギュラーボーナス図柄としての「BAR」図柄(例えば、図13の20番目の図柄)、(3)リプレイゲームに移行するための「リプレイ図柄」(例えば、図13の17番目の図柄)、(4)小役の払出が行われる小役図柄としての「スイカ」図柄(例えば、図13の18番目の図柄)、「ベル」図柄(例えば、図13の16番目の図柄)、「チェリー」図柄(例えば、図13の15番目の図柄)がある。
本実施の形態において、ビッグボーナス図柄の組合せである「7」図柄が後述する有効ライン上に左・中・右と揃った場合には、75個の遊技球の払出が行われるとともにビッグボーナスゲームへの突入がなされ、レギュラーボーナス図柄の組合せである「BAR」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には、75個の遊技球の払出が行われるとともにレギュラーボーナスゲームへの突入がなされるようになっている。また、「リプレイ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には、遊技球の払出は行われずリプレイゲームへの突入がなされるようになっている。
更に、小役図柄に関し、「スイカ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には75個の遊技球の払出が、「ベル」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には40個の遊技球の払出が行われる。また、左回転体71の「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には10個の遊技球の払出が行われる。すなわち、中回転体72及び右回転体73の「チェリー」図柄は遊技球の払出とは無関係であり、言わば無意味な図柄である。また、「チェリー」図柄に限っては、他の図柄との組合せとは無関係に遊技球の払出が行われるため、左回転体71の複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段又は下段)に「チェリー」図柄が停止された場合には、その重なった有効ラインの数を乗算した分だけの遊技球の払出が行われることとなり、結果として本実施の形態では20個の遊技球の払出が行われる。
図14に示すように、本遊技機1には、各表示窓61〜63を結ぶようにして、横方向に平行となるように3本、斜め方向にたすき掛けとなるように2本、計5本の有効ラインが設定されている。すなわち、有効ラインとして、上・中・下の横ライン(上ライン、中央ライン、下ライン)と、一対の斜めライン(右上がりライン、右下がりライン)とが設定されている。勿論、最大有効ライン数を6以上としてもよく、5未満としてもよく、所定条件に応じて最大有効ライン数を変更するようにしてもよい。図2に示すように、表示窓61〜63群の正面から見て左側にはベット数表示部95が設けられており、このベット数表示部95により、その都度有効化された有効ラインに応じてベット数相当の数字がセグメント表示されるようになっている。なお、遊技者に有効ラインを一層理解し易くするために、ベット数に応じて有効化されるラインを明示的に表示するライン表示部を設けてもよい。
ベット数表示部95では、中央ラインからなる1ラインのみが有効化された場合に「1」がセグメント表示される。本実施の形態では、この1ラインが有効化されるためには5個の遊技球の投入(1ベット)が必要とされる。また、ベット数表示部95では、上下ライン及び中央ラインからなる3ラインのみが有効化された場合に「2」がセグメント表示される。本実施の形態では、この3ラインが有効化されるためには10個の遊技球の投入(2ベット)が必要とされる。さらに、ベット数表示部95では、全有効ライン(上中下ライン並びに右上がり及び右下がりライン)からなる5ラインが有効化された場合に「3」がセグメント表示される。本実施の形態では、この5ラインが有効化されるためには15個の遊技球の投入(3ベット)が必要とされる。すなわち、本実施の形態では、一遊技回の遊技に必要な最低限の遊技球の数(所定数)は「5個」に設定され、一遊技回の遊技に最大限投入可能な遊技球の数(最大投入数)は「15個」に設定されている。
図1,図2に示すように、前記前面扉4の膨出部分に設けられた操作部100の左側には、各回転体71〜73を一斉(同時である必要はない)に回転開始させるために操作されるスタートレバー101が設けられている。スタートレバー101は可変表示を開始させるべく操作される始動操作手段を構成する。スタートレバー101の右側にはストップボタン操作面113が設けられ、そのストップボタン操作面113には、回転中の各回転体71〜73を個別に停止させるためのストップボタン102,103,104が設けられている。各ストップボタン102〜104は、停止対象となる回転体71〜73に対応する表示窓61〜63毎にそれぞれ設けられている。ストップボタン102〜104は、可変表示を停止させる停止手段、及び可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。なお、本実施の形態では、前記ストップボタン102〜104が押圧操作されないまま所定時間経過すると、前記回転体71〜73が停止させられるよう構成されている。
操作部100(前面扉4の膨出部分)の上面には平坦状の操作補助面105が形成されている。この操作補助面105は、その背後の上皿18を取り囲むようにしてアーチ状に設けられ、遊技機前面との間に上皿18と略同形状の開口部106が形成されている。前面扉4を閉じた状態では、この開口部106を介して上皿18が上方に開口する構造となっている。また、操作補助面105は、前方(手前側)に向けて下降するよう僅かに傾斜して設けられている。但し、その傾斜はなくてもよし、逆に後方に向けて下降する傾斜であってもよい。
ここで、操作補助面105においてストップボタン102〜104(ストップボタン操作面113)の直上部分は、その前後方向の幅が略均一であり、操作補助面105の後方縁部(図1のL部)は直線状に構成されている。この場合、遊技者が各ストップボタン102〜104を親指で押圧操作することを想定すると、人差し指や中指など他の指を操作補助面105の後方縁部(L部)にかけるようにするとよい。その状態で手を左右に移動することにより、操作補助面105上を沿うようにして、各ストップボタン102〜104を連続的に押圧操作することができるようになる。言い換えれば、上皿部分に指をかけて上記押圧操作を行うことができる。要するに、操作補助面105が平坦でありかつその後方縁部が直線であるため、その操作補助面105を利用し、各ストップボタン102〜104の連続的な押圧操作を素早くかつスムーズに実施することができる。
また、上皿18(本実施の形態では特に図6等に示す副上皿部18)には、操作補助面105側を幾分高くするようにして段差や傾斜を設けておくようにしてもよい。すなわち、上皿18の前方が高く、後方が低くなるよう高低差を設けておく。これによれば、上皿18内に遊技球が貯留されたとしても多くは上皿18の低い部位(すなわち、操作補助面105から離れた部位)に貯まることとなる。それ故、上皿18を指かけ部として利用する場合に、指と遊技球とが干渉するといった不都合が回避できる。
さらに、操作補助面105には、遊技情報等を記した情報シールS2が貼り付けられるようになっている。つまり、操作補助面105は、情報シール貼り付け面ともなっている。
スタートレバー101の上方(すなわち、遊技者にとっては左手側)において、操作部100の操作補助面105には、遊技球を投入するための入力手段を構成するボタン状のベットスイッチが設けられている。本実施の形態では、ベットスイッチとして1ベットスイッチ107と、2ベットスイッチ108と、マックスベットスイッチ109とが設けられている。各ベットスイッチ107〜109は、共に遊技媒体(又は記憶遊技媒体)たる遊技球を必要数分だけ投入するためのものである。
1ベットスイッチ107に関しては、1回押圧操作される毎に、5個の遊技球が投入されるよう設定されている。より詳しくは、後述するクレジットモード下においてクレジットされた仮想遊技球が所定数(5個)以上存在する場合には、1ベットスイッチ107の1回の押圧操作で、仮想遊技球がそれまでのクレジット数から「5個」だけ減算される。また、仮想遊技球が所定数以下の場合又はクレジットモードでないダイレクトモードの場合には、1ベットスイッチ107の1回の押圧操作で、上皿18の遊技球が「5個」ずつ回収され、取り込まれるようになっている。
また、2ベットスイッチ108に関しては、1回押圧操作される毎に、10個の遊技球が投入されるよう設定されている。より詳しくは、後述するクレジットモード下においてクレジットされた仮想遊技球が所定数(10個)以上存在する場合には、2ベットスイッチ108の1回の押圧操作で、仮想遊技球がそれまでのクレジット数から「10個」だけ減算される。また、仮想遊技球が所定数以下の場合又はクレジットモードでないダイレクトモードの場合には、2ベットスイッチ108の1回の押圧操作で、上皿18の遊技球が「10個」ずつ回収され、取り込まれるようになっている。
さらに、マックスベットスイッチ109は、前記1ベットスイッチ107等の複数回(3回)の押圧操作を省略することができるよう設けられているものであって、1回押圧操作される毎に、15個(3ベット分)の遊技球が投入されるよう設定されている。より詳しくは、後述するクレジットモード下においてクレジットされた仮想遊技球が所定数(15個)以上存在する場合には、マックスベットスイッチ109の1回の押圧操作で、仮想遊技球がそれまでのクレジット数から「15個」だけ減算される。また、仮想遊技球が所定数以下の場合又はクレジットモードでないダイレクトモードの場合には、マックスベットスイッチ109の1回の押圧操作で、上皿18の遊技球が「15個」ずつ回収され、取り込まれるようになっている。本実施の形態における実際の遊技球の取込は、前述の通り取込装置23によって行われる。但し、特別遊技状態であるビッグボーナスゲーム中にあっては、マックスベットスイッチ109の1回の押圧操作により5個分(1ベット分)の遊技球が投入されるようになっている。
また、本実施の形態では、前記5ラインが有効化された(15個の遊技球が投入された)時点で最大ベット(3ベット)状態となる。つまり、例えば、1ベットスイッチ107の3回の押圧操作或いはマックスベットスイッチ109の1回の押圧操作がなされた時点で、それ以上の投入は行われないようになっている。従って、本実施の形態では最大ベット(3ベット)状態となった上で、さらにベットスイッチ107〜109が押圧操作された場合には、該操作が無効化されるようになっている。但し、最大ベット(3ベット)状態となった上で、さらにベットスイッチ107〜109が押圧操作された場合には、その余分な操作に見合う分の遊技球をクレジット(仮想遊技球)として貯留記憶させるようにすることも可能である。
さらに、前記操作部100において、スタートレバー101の近傍には、ボタン状の切換スイッチ110が設けられている。また、操作部100の右部において操作補助面105には、精算スイッチ111が設けられている。
切換スイッチ110は、既に取り込まれ貯留記憶された状態となっている遊技球や、所定条件成立の結果遊技者に払い出される遊技球の取扱形式を変更するために操作される。すなわち、例えば電源投入時には、所定の最大値(例えば遊技球250個分:最大記憶数)となるまでの余剰の遊技球をクレジット(仮想遊技球:記憶遊技媒体)として貯留記憶するとともに、払い出された遊技球もクレジット(仮想遊技球)として貯留記憶するように設定しておく「クレジットモード」とし、切換スイッチ110が押圧操作されると、クレジットがある場合にはその分を現実の遊技球として払い出すとともに、余剰の遊技球や獲得遊技球も現実の遊技球として直接払い出すように設定された「ダイレクトモード」に切り換えられるようにしておく。この切換スイッチ110が操作される度に「クレジットモード」と「ダイレクトモード」とが交互に切り換えられるようにしておけば、遊技者は自身の好みに応じた形式で遊技を実行することができる。かかる切換スイッチ110は投入価値及び遊技価値の取扱形式を切り換える切換操作手段を構成する。
また、精算スイッチ111は、上皿18に貯留されている遊技球を下皿41に排出するためのものである。すなわち、遊技者が遊技を終了して上皿18に貯留されている遊技球を取り出そうとした場合に、当該精算スイッチ111が押圧操作されることで上皿18内の遊技球が下皿41に排出される。なおこのとき、誤動作防止のために、精算スイッチ111が一定時間以上押圧操作された場合のみその操作を有効とする条件を付しても良い。
これに加え、精算スイッチ111は、各ベットスイッチ107〜109の押圧操作により一旦取り込まれた遊技球や、クレジットモード下でクレジットされている遊技球を払い出す機能をも具備すると良い。より具体的には、遊技に際し、(イ)各ベットスイッチ107〜109の押圧操作により取り込まれた遊技球、(ロ)クレジットモード下でクレジットされている遊技球、(ハ)上皿18に貯留されている遊技球、について、上記(イ)〜(ハ)がいずれも存在する場合、精算スイッチ111が1回押圧操作される度に、(イ)→(ロ)→(ハ)の順に遊技球の精算が行われる。つまりこのとき、精算スイッチ111が計3回押圧操作されることで、上記(イ)〜(ハ)の遊技球が全て下皿41に排出(精算)されることとなる。なお、上記(イ)〜(ハ)の遊技球のうち、該当するものが1つ又は2つであれば、その都度の精算スイッチ111の押圧操作に伴いその該当する遊技球が精算される(優先順位は(イ)→(ロ)→(ハ))。因みに、精算スイッチ111に代えて、レバースライド操作によって上皿18の遊技球が下皿41に排出される構成であってもよい。また、上記(イ)〜(ハ)の遊技球をそれぞれ精算するためのスイッチを個別に設けることも可能である。
さらに、前面扉4の表示部120には、クレジットモード時に有効化されて貯留記憶された遊技球数を表示する記憶数表示手段としての残数表示部121と、獲得遊技球の個数を表示する獲得数表示部122と、ビッグボーナスゲーム中の情報(例えばゲーム回数等)を表示するための情報表示部123とがそれぞれ設けられている。本実施の形態では、これら各表示部121〜123は3桁或いは2桁の7セグメント表示器によって構成されているが、桁数は特に限定されるものではないし、液晶表示器等によって代替することも当然可能である。
ところで、本実施の形態においては、前記クレジットモード時における最大貯留記憶個数は上述したように例えば「250個」(50ベット分相当)に設定されている。そして、前記残数表示部121には、「0」〜「250」までの貯留記憶数が表示可能となっている。クレジットモード時においては、この残数表示部121の表示される数字は、1ベット毎に5ずつ(マックスベットでは15ずつ)減算されて表示されることとなる。従って、当該残数表示部121に表示されている数値が5の倍数でない場合には、現時点での貯留記憶数が「0」〜「4」の間の端数分存在していることを遊技者は容易に認識することができる。
なお、遊技機1(前面扉4)の上部には、ビッグ報知部、リプレイ報知部、小役報知部等の各種報知部(図示略)が適宜設けられるとよい。これら各種報知部は遊技機1の上部以外の場所に設けてもよいし、共通の報知部で異なる態様の報知を行うようにしてもよい。また、かかる報知部として環状部6,7を利用してもよい。例えば、ビッグ報知部は、各回転体71〜73の停止時に「7」図柄が有効ライン上に揃った場合、ビッグボーナスゲームを獲得したことを点灯、点滅等によって表示報知する。リプレイ報知部は、各回転体71〜73の回転停止時に「リプレイ」図柄が有効ライン上に揃った場合、リプレイゲームを獲得したことを点灯、点滅等によって表示報知する。小役報知部は、各回転体71〜73の回転停止時に小役図柄としての「スイカ」図柄等が有効ライン上に揃った場合、所定数の遊技球を獲得したことを点灯、点滅等によって表示報知する。なお、これら各報知部は表示によって報知することとしたが、これに代えて或いはこれに加えて、遊技機1(前面扉4の上部)に備えられるスピーカ11によって音声により報知してもよい。
図15は、遊技機1における電気的構成を説明するブロック図である。同図において、二重矢印は電源の接続及び方向を示し、通常の矢印は信号の接続及び方向を示している。電源ユニット133(電源基板)からの電源は、主基板131及び払出装置28へと供給される。また、サブ基板132へは、主基板131を介して電源が供給される。
主基板131の入力側には、スタートレバー101の操作を検出するスタート検出センサ141、各ストップボタン102〜104の操作を個別に検出するストップ検出センサ142,143,144、1ベットスイッチ107の押圧操作を検出する1ベット検出センサ145、2ベットスイッチ108の押圧操作を検出する2ベット検出センサ146、マックスベットスイッチ109の押圧操作を検出するマックスベット検出センサ147、切換スイッチ110の押圧操作を検出する切換検出センサ148、各回転体71〜73(ベルト76)の回転位置(原点位置)を個別に検出する回転位置検出センサ151,152,153、払出装置28より払い出される遊技球を検出する払出検出センサ154、取込装置23より取り込まれる遊技球を検出するカウントセンサ155、取込装置23において1ベット分(5個)又はマックスベット分(15個)の遊技球を一度に取込可能か否かを検出するための貯留球検出センサ156等の各種センサが接続されている。
主基板131の出力側には、電源ユニット133を介して前記払出装置28が接続されている。また、この他にも主基板131の出力側には、前記各モータ77,78,79、ベット数表示部95、残数表示部121、獲得数表示部122、情報表示部123、取込装置23におけるゲート開放用のソレノイド125等が接続されている。
さらに、主基板131の出力側にはサブ基板132が接続されている。サブ基板132の出力側には、発光体8,9、各ランプ表示部10,12,13、スピーカ11,43、フロントライト部材64等が接続されている。主基板131からは、サブ基板132に対しその時々の遊技情報が信号として送信されるようになっている。各遊技情報に関する信号を入力したサブ基板132では、各種信号に基づき、自身の制御プログラムに基づき、種々の演出を実行する。なお本実施の形態では、サブ基板132により、「発光体制御手段」、「フロントライト制御手段」等が構成される。因みに、発光体制御とは、環状部6,7内の発光体8,9を一方向又は双方向に周回させたり、同発光体8,9を一斉に点灯させたりする制御を言う。また、フロントライト制御とは、各回転体71〜73のベルト76を停止させる順序を遊技者に教示すべく、その停止順序に合わせて各回転体71〜73に対応するフロントライト部材64の各光源65〜67を順に発光させる制御を言う。
主基板131及びサブ基板132は、上述の通りCPU,ROM,RAM等を備えているが、以下の説明では、それらの現実の構成自体に拘束されず、主基板131及びサブ基板132を機能実現手段の集合体としてとらえて説明する。すなわち、以下に説明する各種機能はCPUの制御下で実現される機能であり、その制御プログラムはROM(場合によってはRAM)の記憶内容に基づくものであり、その時々の必要なデータはRAMに一時的に記憶保持されることとなるが、それらのプログラム上の要件等については適宜のテーブル構成を採用する等で当業者がなし得るものであるため、個々には説明しない。但し、本実施の形態の遊技内容を把握する上で必要がある場合等については、適宜具体的な説明をする。
主基板131は、「小役抽選手段」を備えている。小役抽選手段は、スタート検出センサ141からの検出信号が入力されたタイミングによって、小役払出条件が成立したか否かの抽選を行い、これによって小役フラグの成立の有無が決定される。なお、小役の抽選は、他の抽選とともに、遊技球の投入個数(ベット数)に応じて変化するよう構成されており、概して投入個数が多い程遊技者に有利な抽選結果が得られるようになっている。
主基板131は、「小役制御手段」を備えている。小役制御手段は、通常遊技中に小役フラグが成立している場合、各回転体71〜73の停止時に、後述する小役成立テーブルの内容を参照しながら、一定の引き込み停止制御を加えて半強制的に小役図柄を有効ライン上に停止させる。
主基板131は、「リプレイゲーム抽選手段」を備えている。リプレイゲーム抽選手段は、スタート検出センサ141からの検出信号が入力されたタイミングによって、リプレイゲーム移行条件が成立したか否かの抽選を行い、これによってリプレイフラグの成立の有無が決定される。
主基板131は、「リプレイゲーム制御手段」を備えている。リプレイゲーム制御手段は、通常遊技中にリプレイフラグが成立している場合、各回転体71〜73の停止時に、後述するリプレイ成立テーブルの内容を参照しながら、一定の引き込み停止制御を加えて半強制的にリプレイ図柄を有効ライン上に停止させる。そして、有効ライン上にリプレイ図柄が停止することを条件に、次回の遊技を無償で行うことができるようにするものである。勿論、このリプレイゲームが行われる場合にも各種抽選は実行されている。
主基板131は、「ビッグボーナス抽選手段」を備えている。ビッグボーナス抽選手段は、スタート検出センサ141からの検出信号が入力されたタイミングによって、ビッグボーナス移行条件が成立したか否かの抽選を行い、これによってビッグボーナス成立フラグの有無が決定される。
主基板131は、「ビッグボーナス制御手段」を備えている。ビッグボーナス制御手段は、通常遊技中に、前記ビッグボーナスフラグが成立すると、各回転体71〜73の停止時に、後述するビッグボーナス成立テーブルの内容を参照しつつ、一定の引き込み停止制御を加えて半強制的にビッグボーナス図柄を有効ライン上に停止させる。そして、有効ライン上にビッグボーナス図柄が停止することを条件に、予め設定された所定の遊技回数(ここでは30回)を上限として、現状遊技状態である通常遊技から特別遊技状態たるビッグボーナスゲームに移行させ、その後、原則的には元の通常遊技状態に復帰させるものである。
主基板131は、「ビッグボーナス中抽選手段」を備えている。ビッグボーナス中抽選手段は、ビッグボーナス中にのみ有効化され、スタート検出センサ141からの検出信号が入力されたタイミングによって、小役図柄の抽選及びジャックインの抽選を行い、小役フラグ及びジャックインフラグの成立の有無が決定される。そして、前記ビッグボーナス制御手段は、小役フラグの成立によって所定の小役図柄(例えば「スイカ」図柄)を有効ライン上に揃わせるべく小役成立テーブルを参照しつつ各回転体71〜73を半強制的に引き込み停止制御する。
また、前記ビッグボーナス制御手段は、前記ジャックインフラグの成立によってジャックインさせるべく、リプレイ成立テーブルの内容を参照しつつ、各回転体71〜73を半強制的に引き込み停止制御する。ジャックインとは、ビッグボーナスゲーム中に所定のボーナスゲームを実行させる状態であり、具体的には「リプレイ」図柄が揃うことによって生じる。従って、ジャックイン実行のためにビッグボーナス制御手段は、ジャックイン図柄(リプレイ図柄)を有効ライン上に揃わせるべく各回転体71〜73を半強制的に引き込み停止制御する。ジャックインされるとジャックインゲームが実行される。
ここで、ジャックインゲームについて説明する。ジャックイン図柄が有効ラインに停止すると、予め設定された所定のゲーム回数(ここでは12回)を上限として、現状遊技状態であるビッグボーナスゲーム中のうちの特殊なゲームであるジャックインゲームに移行し、その後元のビッグボーナスゲームに復帰する。該ジャックインゲーム中は、有効ラインが1ライン(中央ライン)のみとされている。該ジャックインゲーム中においては、スタート検出センサ141からの検出信号が入力されたタイミングによって、所定の図柄(ここでは、リプレイ図柄)の抽選を行う。かかる図柄の抽選は、通常の抽選とは異なり、リプレイ図柄が有効ライン(中央ラインのみ)に揃った場合に所定個数(例えば75個)の遊技球が払い出されるように設定しておき、かかるリプレイ図柄を遊技球払出図柄として、当該遊技球払出図柄が揃う条件を満たすか否かの抽選とされている。そして、前記抽選の結果、リプレイフラグ(ここでいうリプレイフラグは通常遊技中のものとは異なり、ジャックインゲーム用に新たに設定されたものである。)が成立した場合には前記遊技球払出図柄以外の図柄が有効ライン上に揃わないように各回転体71〜73を制御するものであり、しかも遊技球払出図柄が所定回数(例えば8回)揃った場合には前記所定の遊技回数(12回)に達していなくとも所定のボーナスゲームは終了する。
ここで、ビッグボーナスゲームは、前記所定の遊技回数(30回)内で所定回数(例えば3回)を上限とするジャックインが可能であり、ビッグボーナスゲーム中のジャックイン中における遊技回数は前記30回の回数には加算されないようになっている。そして、ビッグボーナス制御手段は、前記所定の遊技回数(30回)内であっても、前記所定のボーナスゲームが所定回数(3回)終了した時点(3回目のジャックインによる所定のボーナスゲーム終了時点)でビッグボーナスゲームを強制的に終了させる。
主基板131は、「回転体制御手段」及び「記憶手段」を備えている。回転体制御手段は、記憶手段の記憶内容に応じて各回転体71〜73を制御するものであり、特に記憶手段に記憶された各種テーブルの記憶内容に応じて各回転体71〜73(駆動ローラ74ひいてはベルト76)の停止位置を制御するものである。
記憶手段(ここではROMであるがRAMであってもよい。)に記憶された各種テーブルとは、成立した各種フラグに応じて個々に設定されたものである。
具体的には、例えば何らフラグが成立していない場合にいずれの図柄をも有効ライン上に揃えないようにするための「外れテーブル」、小役フラグに対応して所定の小役図柄を有効ライン上に揃えるための「小役成立テーブル」、リプレイフラグに対応してリプレイ図柄を有効ライン上に揃えるための「リプレイ成立テーブル」、ビッグボーナスフラグに対応して「7」図柄を有効ライン上に揃えるための「ビッグ成立テーブル」等の他、以上の成立図柄をどの有効ライン上に揃えるかを決定するための「ラインテーブル」等である。また、記憶手段は、前記クレジットモード時における仮想遊技球の数も記憶している。
次に、以上の構成からなる遊技機1の作用につき、遊技方法を踏まえて説明する。
遊技の開始に際し、遊技者は、クレジットが所定数以上あるか又は遊技球が上皿18に所定個数あることを条件に、ベットスイッチ107〜109を押圧操作することにより貯留記憶に基づく仮想遊技球又は実際の遊技球を投入する。該投入は、各ベット検出センサ145〜147によって検出され、その検出信号を受けて主基板131は遊技球(仮想遊技球を含む)の投入があったことを判断する。このとき、クレジットモード時であれば、貯留記憶されていた仮想遊技球が投入されることとなる。例えば、クレジットモード時において、15個以上の貯留数(クレジット数)がある場合にマックスベットスイッチ109が押圧操作されたようなときには、残数表示部121における残数表示数を「15」だけ減じて表示するとともに、前記記憶手段は、「15」だけ減じた数を貯留記憶数として記憶する。これに対し、貯留数(クレジット数)が15個未満しかない場合にマックスベットスイッチ109が押圧操作されたとき、或いは貯留数(クレジット数)が5個未満しかない場合に1ベットスイッチ107が押圧操作されたようなときには、当該押圧操作は無効化される。
また、ダイレクトモード時であれば、上皿18にある実際の遊技球が取り込まれ投入されることとなる。例えばダイレクトモード時において、15個以上の遊技球が上皿18にある場合にマックスベットスイッチ109が押圧操作されたようなときには、上皿18上の15個の遊技球が上記取込装置23によって取り込まれ、5個以上の遊技球が上皿18にある場合に1ベットスイッチ107が押圧操作されたようなときには、上皿18上の5個の遊技球が上記取込装置23によって取り込まれる。これに対し、遊技球が15個未満しかない場合にマックスベットスイッチ109が押圧操作されたとき、或いは5個未満しかない場合に1ベットスイッチ107が押圧操作されたときには、当該押圧操作は無効化される。
主基板131は、その都度の遊技球投入数(=ベット数×5)に応じてベット数表示部95をセグメント表示させる。ここで、1ベットスイッチ107の1回の押圧操作(5個の遊技球の投入)であればベット数表示部95には「1」が表示されて中央ラインからなる1ラインのみが有効化される。また、1ベットスイッチ107の2回の押圧操作、又は2ベットスイッチ108の1回の押圧操作(10個の遊技球の投入)であればベット数表示部95には「2」が表示されて上下ライン及び中央ラインからなる3ラインが有効化される。さらに、マックスベットスイッチ109の押圧操作等(15個の遊技球の投入)であればベット数表示部95には「3」が表示されて上下ライン、中央ライン及び左右の斜めラインからなる5ラインが有効化される。なお、本実施の形態では、ベット数表示部95においてベット数、つまり有効ラインを表示することとしているが、これに代えて、或いはこれに加えて、有効ラインに対応する有効ライン表示ランプ等を設け、どのラインが有効化されているのかをより明示的に表示することとしてもよい。
なお、クレジットモード下でのベットスイッチ107〜109の操作による仮想遊技球投入の場合には、主基板131はクレジットされている遊技球の貯留記憶数をその分減算し、その減算値に応じた表示を残数表示部121に行わせるように表示制御する。また、ダイレクトモード下でのベットスイッチ107〜109の操作による遊技球投入の場合には、主基板131は取込装置23にその旨の信号を出力し、その分の遊技球を上皿18から取り込むよう取込装置23を駆動制御する。
少なくとも1ラインが有効化されている時点で、遊技者がスタートレバー101を操作すると、その操作がスタート検出センサ141によって検出され、その検出信号を受けて主基板131はスタートレバー101の操作があったことを判断する。また、これとともに、その旨の情報をサブ基板132へと送信する。そして、主基板131は、全ての回転体71〜73(ベルト76)を一斉(同時でもよいし所定の時間差を設けてもよい。)に回転させるべく、モータ77〜79を駆動制御する。その結果、各ベルト76は、遊技者にとっては表面に付された図柄を目視することが困難な程度の速度で一方向に回転し、各表示窓61〜63を介して各図柄が上から下へ向かって可変表示されているよう映し出される。
また、前記スタートレバー101の操作に基づく検出信号が主基板131に入力されたタイミングで、通常遊技中では、小役抽選手段、リプレイゲーム抽選手段、ビッグボーナス抽選手段による各抽選が行われる。
小役抽選手段による抽選結果が、小役フラグ成立を意味する場合は、適宜の小役図柄を有効ライン上に停止させ得る権利がそのゲームにおいてのみ与えられる。また、リプレイゲーム抽選手段による抽選結果が、リプレイフラグ成立を意味する場合は、リプレイゲームへ移行する権利がそのゲームにおいてのみ与えられる。すなわち、小役フラグ及びリプレイフラグは次ゲーム以降に持ち越されることはない。また、ビッグボーナス抽選手段による抽選結果がビッグボーナスフラグ成立を意味する場合は、ビッグボーナスゲームへ移行する権利が与えられ、そのフラグはビッグボーナスゲームへ移行するまで保持される。さらに、各抽選手段の抽選結果が、いずれの条件成立をも意味しない場合には、いずれのフラグもたたない。
以上の各抽選手段による抽選が終了した後、遊技者がストップボタン102〜104を任意の順序で操作すると、その操作がそれぞれストップ検出センサ142〜144によって個別に検出され、各検出信号を受けて主基板131は各ストップボタン102〜104の操作があったことを判断する。すると、主基板131は、操作された各ストップボタン102〜104に対応した回転体71〜73を個別に停止させるべく、各モータ77〜79を停止制御する。
これら各回転体71〜73(ベルト76)の停止位置は、上記各抽選手段による抽選結果である各成立フラグに基づき、主基板131の記憶手段に記憶されている前記各テーブルを参照して決定される。このとき、有効ラインから回転体回転方向手前の4図柄分までに成立フラグに対応した図柄が存在すれば、原則として、その図柄が積極的に有効ライン上に引き込まれるような制御がなされることとなり、回転体停止タイミングが4図柄分手前までの誤差であれば、その誤差を吸収することができる(引き込み停止制御)。その結果、遊技者が熟練していなくとも主基板131によって成立フラグに応じた図柄を有効ライン上に極力停止させることが可能となる。
なお、所定のタイミング(例えば第1番目のストップボタン102、103又は104が押圧されたタイミング)において、サブ基板132は、発光体8,9、ランプ表示部10,12,13、スピーカ11,43、フロントライト部材64等を用いて各種の補助表示を行い、リーチ演出表示等を実行する。
各回転体71〜73の停止時において、有効ライン上の停止図柄の組合せが、予め定められた所定の図柄の組合せである場合、即ち小役図柄の組合せ、リプレイ図柄の組合せ、ビッグボーナス図柄の組合せである場合、主基板131は各停止図柄の組合せに応じて払い出される遊技球数を獲得数表示部122に表示させる。
主基板131は、獲得数表示部122への表示と並行して、各停止図柄の組合せに応じた数の遊技球を遊技価値として払い出すための払出制御を行う。かかる場合、原則として主基板131が電源ユニット133を介して払出装置28を駆動制御することにより、上皿18等へ直接的に現実の遊技球として遊技球の払出が行われる。ただし、切換スイッチ110の操作を切換検出センサ148が検出し、主基板131がクレジットモードであると判断した場合においては、貯留記憶できる最大値(250個分)に達していなければ、その分が直接払出装置28から払い出されることはなく、クレジット遊技球(仮想遊技球)として貯留記憶される。この場合、主基板131は、クレジットされている遊技球の貯留記憶数に今回獲得した遊技球数分を加算し、その加算値に応じた表示を残数表示部121に行わせるように表示制御する。勿論、この場合でも貯留記憶できる最大値である250個分を越えた分は払出装置28より直接遊技球が払い出される。
そして、有効ライン上に揃った図柄が小役図柄或いは何ら払出のない図柄の組合せである場合には、通常遊技が続行される。一方、有効ライン上に揃った図柄の組合せがリプレイ図柄の組合せである場合にはリプレイゲーム制御手段によって次回のゲームを無償で行うことができるリプレイゲームが実行される。また、有効ライン上に揃った図柄の組合せがビッグボーナス図柄の組合せである場合にはビッグボーナス制御手段によってビッグボーナスゲームが実行される。ここで、本実施の形態の遊技機1では、ビッグボーナスゲームの終了条件として、所定回の遊技(30ゲームの終了又は3回のジャックインゲームの終了)の他、払出遊技球数が上限値(具体的には2250個)に達したか否かという条件も含まれるように構成されている。従って、30ゲーム又は3回のジャックインゲームの終了を待たずして払出遊技球数が上限値である2250個に達すると、そこでビッグボーナスゲームが終了されるようにして、必要以上に射幸性をあおらないようにしている。
なお、小役図柄、リプレイ図柄、ビッグボーナス図柄等が有効ライン上に揃った場合、サブ基板132は、発光体8,9や、各ランプ表示部10,12,13、フロントライト部材64等を表示制御して小役成立や、リプレイゲームへの移行や、ボーナスゲーム成立を表示報知するとともに、スピーカ11,43を適宜駆動制御して音声報知する。なお、これらスピーカ11,43による音声報知は、遊技者への遊技価値返還による利益が大きいもの程大袈裟なもの(音量を大きくしたり、トーンを高くしたり、リズムを変化させる等)とすることが好ましい。各報知部の表示態様についても同様であり、例えばビッグボーナスゲームではめまぐるしく点滅させる等のように表示態様を変化させることによって、得られる利益の大きさを遊技者に推し量らせることができる。
さて、本実施の形態の遊技機1では、特に上皿18に関する構成において以下の優れた効果を奏する。
誘導通路52を通じて上皿18から払出通路56への遊技球誘導が可能となるため、上皿18の球不足時等には、玉箱等から補給する遊技球を払出通路56にも貯めることができる。そのため、一度に大量の遊技球補給が可能となり、遊技球の補給回数を減じさせることができる。その結果、玉箱等からの遊技球の補給に際しその遊技球補給の煩雑さ解消し、遊技性の向上を実現し得ることとなる。つまり、遊技球の補給に関して利便性を格段に向上させることができる。この場合、手前側への張り出し量が制約される等の理由から上皿18の大容量化に制約(限界)があるとしても遊技球補給を良好に行うことができ、遊技球補給の煩雑さを解消するために上皿18の大型化が強いられることもない。
本実施の形態の遊技機1では、複数個(マックスベット時には15個)の遊技球を一度に取り込む構成のため、パチンコ機等の弾球遊技機に比べて遊技球の消化速度(投入速度)が大きいと考えられる。それ故、遊技球の消化速度に対して上皿18の容積が小さいと、遊技球の補給が繰り返し強いられるが、上述した本実施の形態の特徴的な構成によれば、遊技球補給に関する問題が解消できる。
上記構成の遊技球1の場合、一般には遊技者は右手でスタートレバー101の操作やストップボタン102〜104の操作を行うことが多く、左手は右手に比べて使われることが少ないと考えられる。これを想定すれば、遊技者は左手で遊技球の補給を行うと考えられる。誘導通路52は左手側に設けられているため、該誘導通路52が遊技球の補給場所に合い、好適なる遊技球補給が実施できる。また、両手を使って遊技を行う遊技者にとっては、一度に多量の遊技球が補給できることで、遊技球の補給のために少なくとも片手を使わなくてはならない回数が減り、本実施の形態はやはり好都合な構成となる。
玉箱等に獲得遊技球を入れて遊技者が遊技機1を移動する場合(いわゆる台移動する場合)には、新たに遊技を開始する遊技機1で最初に多量の遊技球を補給しておくことができる。この場合、しばらくは遊技球の補給無しで遊技が継続できる。故に、台移動の際にも好都合な構成となり得る。
上皿18における排出通路51よりも上流側に(すなわち高位側に)誘導通路55を設けたため、通常時において排出通路51を通じて払出通路56から排出された遊技球が、意に反して誘導通路55を通じて払出通路56に戻ってしまうといった事態が生じ難いものとなる。故に、遊技に対しての支障が回避できる。
なお、以上説明した実施の形態の他、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施の形態では、上皿18において主上皿部18aと副上皿部18bとを折り返すように設けたが、その折り返しを持たない構成としても良い。この場合、皿部18に通じる排出通路51と誘導通路52とは左右に並ぶようにして設けられるが、排出通路51を下流側に(すなわち低位側に)、誘導通路52を上流側に(すなわち高位側に)設ける構成とする。
(b)上記実施の形態では、誘導通路52を通じて遊技球を払出通路56に誘導する構成としたが、この払出通路56とは別の貯留部に遊技球を誘導する構成としても良い。要は、遊技機本体の内部側に位置し上皿18に対しての遊技球の排出を可能とする貯留部(内部側貯留部)であれば、その構成は限定されない。
(c)誘導通路52に、同誘導通路52を開放又は閉鎖する開閉部材を設ける。具体的には、誘導通路52の上皿側入口付近に開閉可能なシャッタや扉等を設ける。このシャッタや扉等は電動式、手動式何れであっても良い。また、通常時閉鎖タイプのもの、通常時開放タイプのもの何れでも良い。通常時閉鎖タイプのものを採用する場合、遊技球の重さにより開放される構成であってもよい。誘導通路52の開閉が切り替えられることにより、上皿18から払出通路56への遊技球誘導を遊技者が望む場合にのみ許容するようにできる。
(d)誘導通路52において、上皿18から払出通路56への遊技球の誘導を補助するための誘導補助機構を設ける構成としても良い。例えば、誘導通路52の上皿側入口付近に電動式の球送り機構を設ける。これにより、やはり遊技球の補給が好適に実施できる。なおこの場合、必ずしも上皿18側から払出通路56側に向けて誘導通路52を可能に傾斜させなくても所望の作用効果が実現できる。
(e)遊技機1から下皿41を無くし、上皿18のみを設ける構成とする。この場合、上皿18やその背後の払出通路56等を大容量化することにより、遊技機1として十分量の遊技球が貯留保持できる。
(f)補助演出用の情報付与手段を遊技機1に設置する構成としてもよい。同情報付与手段は、例えば、ベルトユニット70の前面側にて当該ベルトユニット70に一体化して設置したり、中央パネル部において表示窓61〜63の近傍(左右上下のいずれか)に設置したり、前面パネル60(図10参照)よりも上方に設置したり、環状部6のうちトップ部6aに設置したりすればよい。情報付与手段としては、電気的表示装置の一種たる液晶表示装置を用いることが可能であり、さらに他の電気的表示装置、例えばCRT、ドットマトリックス、LED、エレクトロルミネセンス(EL)、蛍光表示管等を用いてもよい。また、電気的表示装置以外にも、スピーカ等の音声発生装置を用いてもよく、これにより遊技者に対してダイナミックな音声演出が可能となる。さらに、音声発生装置たるスピーカ11,43と表示装置との組み合わせとして情報付与手段を構成してもよい。
(g)上記実施の形態における図柄の種類、配列等はあくまでも一例にすぎず、例えば他の小役図柄を盛り込む等、任意の構成を採用することができる。また、絵、数字、文字等に限らず、幾何学的な線や図形等であってもよい。また、光や色等を利用して図柄を構成することも可能であるし、立体的形状等によっても図柄を構成し得るし、これらを複合したものであっても図柄を構成し得る。すなわち、図柄は識別性を有した情報(識別情報)としての機能を有するものであればよい。
(h)上記実施の形態におけるスタートレバー101等に代表される操作手段や、残数表示部121等に代表される表示手段の配置はあくまでも一例に過ぎず、例えばスタートレバー101を右側に配置したり、レバーに代えてボタンにしたりする等、適宜変更することは何ら差し支えない。
(i)遊技機1の全ての制御が主基板131により司られる構成としてサブ基板132を省略してもよい。また、サブ基板132を音声制御基板、ランプ制御基板といったように制御分担を細分化して複数基板によって構成することも可能である。
(j)上記実施の形態では、特別遊技状態としてビッグボーナスゲームを有する遊技機1について説明したが、一回のジャックインゲームからなるレギュラーボーナスゲームを行いうる遊技機に適用してもよい。また、逆にビッグボーナスゲームを省略したものとしてもよい。更に、ビッグボーナスゲーム後に所定条件成立(所定ゲーム回数の終了、所定フラグ成立等)まで遊技媒体(遊技球)の消費を抑えて、或いは遊技媒体(遊技球)の獲得のチャンスを増大させたゲームを進行し得るチャンスゲーム機能等の各種付加価値を設けたものとしてもよい。
(k)上記実施の形態における遊技球の、1ベット当りの投入数(所定数)、最大投入数、払出個数等はあくまでも例示であって、上記数値に特に限定されるものではない。
(l)上記実施の形態において説明した遊技機1の他、パチンコ機やアレンジボール機等の弾球及び球払出遊技機に適用してもよい。
1…遊技機、2…外枠、3…前面枠、4…前面扉、16…裏セット盤、17…上皿形成体、18…上皿、18a…主上皿部、18b…副上皿部、28…払出装置、29…遊技球通路ユニット、50…前面パネル部、51…排出通路、52…誘導通路、56…払出通路、61〜63…表示窓、76…ベルト、101…スタートレバー、102〜104…ストップボタン。