JP2006223071A - 負荷駆動回路の過電流検知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 負荷駆動回路を流れる過電流を検出する過電流検知部の誤動作を防止した負荷駆動回路の過電流検知装置を提供する。
【解決手段】 電源3の電圧が上昇してNch FETQ1が不飽和スイッチング状態となった場合、過電流検出電流よりもはるかに低い電流上昇であるにもかかわらず、コンパレータ出力として過電流が流れたことを示すHi出力がされるが、高電圧側誤動作防止部1においてコンパレータ出力をLowレベルとするので、過電流検出の誤動作を防止することができる
【選択図】 図1

Description

本発明は、電源から出力される過電流を検知する過電流検知部の誤動作を防止する負荷駆動回路の過電流検知装置に関する。
従来、電源から負荷へと流れる過電流を検知する回路として、例えば特開2001−83190号公報に記載されたものがある。
これは、スイッチング素子としてのNch FETのオン抵抗を電流検出用の抵抗として用い、電源に接続されたNch FETのドレイン端子と負荷に接続されたソース端子との間を流れる電流により生じた電位差と、あらかじめ定められた過電流検出基準電圧とを比較するものである。
この過電流検出基準電圧は、通常時よりも大きな電流(過電流)がNch FETのドレイン端子−ソース端子間を流れることにより生じる電位差をもとに設定される。よって、Nch FETのドレイン端子とソース端子との間の電位差が過電流検出基準電圧を超えたときに、負荷に過電流が流れていると判定するものである。
また、このようなNch FETを駆動するためにはゲート電圧をソース電圧よりも高くする必要があり、DC−DCコンバータ等を用いてソース電圧より高いゲート電圧を作り、Nch FETを完全オンさせてオン抵抗値が最も小さい状態でNch FETを駆動していた。
特開2001−83190号公報
そのため従来の過電流を検知する回路においては、Nch FETを駆動するためにゲート電圧駆動回路によって、例えばDC−DCコンバータ等を用いて作り出された安定化電源電圧や、最大ゲート端子−ソース端子間電圧を超えないように上限規制が行われた電圧(以下、クリップ電圧と呼ぶ)を生成し、この生成した電圧(以下、ゲート電圧と呼ぶ)をNch FETのゲート端子に印加していた。
しかしながら、負荷に電力を供給している電源の電圧が上昇すると、ゲート電圧駆動回路から出力される電圧は一定電圧、または上限規制が行われたクリップ制御電圧であるため、Nch FETのゲート電圧とソース電圧との差がNch FETを駆動できるゲート端子−ソース端子間電圧よりも低くなり、Nch FETを完全オンできなくなる。
このNch FETが、完全オンとならない状態である不飽和スイッチング状態では、Nch FETのオン抵抗値が非常に大きくなるため、ドレイン端子−ソース端子間の電流に対する電圧降下は非常に大きくなる。
したがって、電源から負荷へと流れる電流に、検出すべき過電流(以下、過電流検出基準電流とも呼ぶ)よりもはるかに低い電流値上昇があった場合でも、過電流検出基準電圧を超えてしまい、過電流検知部として誤動作(過電流の誤検知)を起こしてしまうといった問題があった。
そこで本発明はこのような問題点に鑑み、負荷駆動回路を流れる過電流を検出する過電流検知部の誤動作を防止した負荷駆動回路の過電流検知装置を提供することを目的とする。
本発明は、ドレイン端子を電源側に接続し、ソース端子を負荷側に接続したNch FETを介して電力供給される負荷駆動回路において、過電流検知部によって、Nch FETのドレイン端子とソース端子間の電位差を演算し、該電位差と所定の過電流検出基準電圧値とを比較することによって負荷へ流れる過電流を検知し、高電圧検知回路によって、Nch FETが不飽和スイッチング状態となる高電圧が電源から当該Nch FETに印加されたことが検知されると、第1キャンセル回路によって過電流検知部からの出力をキャンセルする、または電位差演算前のドレイン端子側の電圧をキャンセルするものとした。
本発明によれば、電源の電圧が高電圧となったことが高電圧検知回路によって検知された場合には、第1キャンセル回路によって過電流検知部からの出力をキャンセル、またはドレイン端子側の電圧をキャンセルするので、Nch FETの不飽和スイッチング状態に起因して過電流検知部が誤動作することを防止できる。
次に本発明の実施の形態を実施例により説明する。
まず、第1の実施例について説明する。
図1に、第1の実施例における全体構成を示し、図2に、ゲート電圧とソース電源とを示す。
電源3と負荷4との間に過電流検知部2を設け、電源3から負荷4へと流れ込む過電流の検知を行う。
過電流検知部2は、Nch FETQ1と、Nch FETQ1を駆動するためのゲート電圧駆動回路21とを備える。
Nch FETQ1は、ドレイン端子が電源3に接続され、ソース端子が負荷4に接続される。ゲート電圧駆動回路21には、図示しない制御部よりNch FETQ1の駆動を制御する制御信号が入力され、ゲート電圧駆動回路21は入力された制御信号に応じてゲート電圧を生成し、該ゲート電圧をNch FETQ1のゲート端子に印加して、Nch FETQ1をオンさせる。
なおゲート電圧駆動回路21には、図示しないが電源3の電力が印加されている。
またゲート電圧駆動回路21は、電源3の電力をもとにゲート電圧としてDC−DCコンバータ等を用いて作り出した一定の安定化電源電圧、または上限が所定値に規制されたクリップ制御電圧を出力する。
この安定化電源電圧およびクリップ電圧は図2に示すように、ゲート電圧駆動回路21へ入力される電源3の電圧(ドレイン電圧)が高い場合には、高い電圧値となり、第1ゲート電圧値で一定となる。
ゲート電圧駆動回路21が、DC−DCコンバータを用いて安定化電源電圧を生成している場合には、ゲート電圧駆動回路21への入力電圧が低いとDC−DCコンバータが正常に作動しないため低い電圧値が出力され、電源電圧の上昇と共にDC−DCコンバータが正常に機能し、ゲート電圧駆動回路21から一定の安定化電源電圧(第1ゲート電圧値)が出力される。
過電流検知部2は、Nch FETQ1のドレイン端子−ソース端子間のオン抵抗を電流検出用の抵抗として用い、ドレイン端子−ソース端子間に流れる電流により生じるドレイン端子−ソース端子間の電位差を出力する差動増幅回路23を備える。
差動増幅回路23は、オペアンプIC1を備え、Nch FETQ1のドレイン端子は抵抗R3(例えば10kΩ)を介してオペアンプIC1の入力側プラス端子に接続され、Nch FETQ1のソース端子は抵抗R1(例えば10kΩ)を介してオペアンプIC1の入力側マイナス端子に接続される。またオペアンプIC1の出力端子は抵抗R2(例えば20kΩ)を介してオペアンプIC1の入力側マイナス端子に接続され、オペアンプIC1の入力側プラス端子は抵抗R4(例えば20kΩ)を介してグランドに接続されている。
さらに過電流検知部2はコンパレータIC2を備え、コンパレータIC2の入力側プラス端子に差動増幅回路23の出力端子が接続され、コンパレータIC2の入力側マイナス端子に過電流検出基準電圧V1が印加されている。
コンパレータIC2は、差動増幅回路23より出力された電圧、すなわちNch FETQ1のドレイン端子−ソース端子間の電位差と、過電流検出基準電圧V1とを比較し、Nch FETQ1のドレイン端子−ソース端子間の電位差が過電流検出基準電圧V1よりも高い場合にはHi出力となり、Nch FETQ1のドレイン端子−ソース端子間の電位差が過電流検出基準電圧V1よりも低い場合にはLow出力となる。
コンパレータIC2より出力されたHi出力またはLow出力のコンパレータ出力は、後述のように高電圧側誤動作防止部1によってレベル変換が行われ、または、レベル変換が行われずに過電流検知出力として出力される。
なお過電流検知出力がHiの時に、電源3から負荷4へ過電流が流れ込んでいるものとする。
さらに過電流検知部2は、信号未入力時キャンセル回路22を備える。
ここで、電源3が過電流検知部2を介して負荷4に接続され、ゲート電圧駆動回路21にNch FETQ1を駆動するための制御信号が入力されていない状態(Nch FETQ1がOFFの状態)において、オペアンプIC1の入力側プラス端子には電源3の電圧が抵抗R3、R4によって分圧された電圧がかかり、オペアンプIC1の入力側マイナス端子には抵抗R1、負荷4を通してグランドに接続されているため、オペアンプIC1の入力側プラス端子のほうが入力側マイナス端子よりも電位が高くなる。よって、オペアンプIC1の出力電圧がコンパレータIC2によって比較を行っている過電流検出基準電圧V1よりも高くなるので、コンパレータIC2の出力はHi出力となる。
このように、制御信号が入力されていないときには、過電流が電源3から負荷4へと流れ込んでいると誤判定されてしまうため、信号未入力時キャンセル回路22は、例えば制御信号が入力されていない場合にはオペアンプIC1の入力側プラス端子をLowレベルにして、過電流であると検知されないようにする。
過電流検知部2(コンパレータIC2)の出力端子に、高電圧側誤動作防止部1が接続される。
高電圧側誤動作防止部1は、電源3の電圧が上昇し、Nch FETQ1のゲート電圧とソース電圧の関係からNch FETQ1が不完全オン状態となった場合に、コンパレータ出力のレベル変換を行って、誤った過電流検知出力となることを防止するものである。
高電圧側誤動作防止部1は、電源3が高電圧になったことを検出する高電圧検知回路1Bと、高電圧検知回路1Bによって高電圧が検知された時に過電流検知部2からの出力を変換(キャンセル)する出力キャンセル回路1Aとで構成される。
出力キャンセル回路1Aは、NPN型トランジスタQ2を備え、NPN型トランジスタQ2のコレクタ端子がコンパレータIC2の出力端子に接続され、NPN型トランジスタQ2のエミッタ端子がグランドに接続されている。
また高電圧検知回路1BはツェナーダイオードZ1を備え、ツェナーダイオードZ1のアノード端子がNPN型トランジスタQ2のベース端子に接続され、ツェナーダイオードZ1のカソード端子が抵抗R7(例えば10kΩ)を介して電源3に接続されている。
また、ツェナーダイオードZ1のアノード端子は、抵抗R6(例えば47kΩ)を介してグランドに接続されている。
ツェナーダイオードZ1のツェナー電圧は、次式を満たす値とする。
{(最大安定化電源電圧、または最大クリップ制御電圧)−(最小ゲート端子−ソース端子間電圧)} > ツェナー電圧
例えば図2に示すように、ゲート電圧駆動回路の最大安定化電源電圧または最大クリップ制御電圧(第1ゲート電圧値)を30V、Nch FETQ1の最小ゲート端子−ソース端子間電圧Xを5Vとした場合、マージンを1VとするとツェナーダイオードZ1のツェナー電圧は24Vとなる。
なお、高電圧側誤動作防止部1と過電流検知部2とより負荷駆動回路の過電流検知装置が構成される。
次に電源3の電圧が上昇した場合の各部の動作を説明する。
ゲート電圧駆動回路21が作り出すゲート電圧(安定化電源電圧、またはクリップ制御電圧)は図2に示すように第1ゲート電圧値で一定であるため、電源電圧(ドレイン電圧)が上昇すると、ゲート電圧とソース電圧の差がNch FETQ1を完全オンできる最小ゲート端子−ソース端子間電圧(5V)よりも小さくなり、Nch FETQ1を完全オンすることができない不飽和スイッチング状態となる。(図2中、※3の領域)
なお※3の領域では、次式が成り立つ。
(ゲート電圧)−(ソース電圧)<Nch FETの完全オンゲート−ソース間電圧
このような電源電圧の状態においては、Nch FETQ1は不飽和スイッチング状態であるため、Nch FETQ1のオン抵抗が非常に大きくなり、ドレイン端子−ソース端子間の電流に対する電圧降下は非常に大きくなる。
したがって、過電流検出基準電流よりもはるかに低い電流値の上昇があった場合でも、オペアンプIC1の出力はHi出力となり、コンパレータIC2からのコンパレータ出力もHi出力となる。
一方、高電圧側誤動作防止部1では、電源電圧が上昇しツェナーダイオードZ1のツェナー電圧24V(図2中、Z1)を超えると、ツェナーダイオードZ1が作動し、NPN型トランジスタQ2がオン状態となる。よってコンパレータIC2からのコンパレータ出力をLowレベルとすることができる。
したがって、電源電圧が上昇してNch FETQ1が不飽和スイッチング状態となり、過電流検知部2からコンパレータ出力として過電流が流れていることを示すHi出力がされたとしても、高電圧側誤動作防止部1によってコンパレータ出力をLowレベルに変換することができるので、過電流検知出力をLow(過電流でない状態)とすることができる。
このように高電圧側誤動作防止部1を設けたことにより、電源電圧が上昇しても過電流検知の誤動作を防止することができる。
なお本実施例において、出力キャンセル回路1Aが本発明における第1キャンセル回路を構成する。
本実施例は以上のように構成され、電源3の電圧が上昇してNch FETQ1が不飽和スイッチング状態となった場合、過電流検出電流よりもはるかに低い電流上昇であるにもかかわらず、コンパレータ出力として過電流が流れたことを示すHi出力がされる場合でも、高電圧側誤動作防止部1において、コンパレータ出力を強制的に接地してLowレベルとするので、過電流検知の誤動作を防止することができる。
なお変形例として、第1の実施例における高電圧側誤動作防止部1のNPN型トランジスタQ2のコレクタ端子を、図3に示すようにオペアンプIC1の入力端子に接続してもよい。
電源電圧の上昇があった場合には、高電圧側誤動作防止部1がオペアンプIC1の入力側プラス端子をLowレベルにすることにより、オペアンプIC1の出力はLowとなり、第1の実施例と同様に過電流検知の誤動作を防止することができる。
次に第2の実施例について説明する。
図4に、第2の実施例における全体構成を示す。
なお、本実施例における過電流検知部2、電源3、負荷4は第1の実施例と同じであり、説明を省略する。
過電流検知部2(コンパレータIC2)の出力端子に、低電圧側誤動作防止部10が接続される。
低電圧側誤動作防止部10は、電源3の電圧(ドレイン電圧)が図2に示すように減少すると共にゲート電圧(安定化電源電圧、またはクリップ制御電圧)も低下し、Nch FETQ1のゲート電圧とソース電圧との差がNch FETQ1を駆動できる所定電圧値以下となった(Nch FETQ1が不完全オン状態となった)場合に、コンパレータ出力のレベル変換を行って、誤った過電流検知出力となることを防止するものである。
低電圧側誤動作防止部10は、電源3の電圧が低下してNch FETQ1のゲート電圧とソース電圧との差がNch FETQ1を駆動できる所定電圧値以下となったことを検出する低電圧検知回路10Cと、信号の反転を行うインバータ回路10Bと、低電圧検知回路10CによってNch FETQ1を駆動できる所定電圧値以下となったことが検出されたときに過電流検知部2からの出力を変換(キャンセル)する出力キャンセル回路10Aとで構成される。
低電圧検知回路10Cは、PNP型トランジスタQ5を備え、PNP型トランジスタQ5のエミッタ端子にゲート電圧(ゲート電圧駆動回路21の出力電圧)が印加され、PNP型トランジスタQ5のコレクタ端子に抵抗R10(例えば47kΩ)および抵抗R11(例えば10kΩ)のそれぞれの一端が接続されている。抵抗R11の他端はグランドに接続され、抵抗R10の他端はインバータ回路10Bに接続されている。
PNP型トランジスタQ5のベース端子は、ツェナーダイオードZ2のカソード端子に接続され、ツェナーダイオードZ2のアノード端子は抵抗R12(例えば10kΩ)を介して電源3に接続されている。
インバータ回路10Bは、NPN型トランジスタQ4を備え、NPN型トランジスタQ4のコレクタ端子は抵抗R8(例えば10kΩ)を介して電源3に接続されている。
またNPN型トランジスタQ4のエミッタ端子はグランドに接続され、ベース端子は低電圧検知回路10Cの抵抗R10に接続され、さらに抵抗R9(例えば47kΩ)を介してグランドに接続されている。
出力キャンセル回路10Aは、NPN型トランジスタQ3を備え、NPN型トランジスタQ3のコレクタ端子はコンパレータIC2の出力端子に接続され、ベース端子はインバータ回路10Bに備えられたNPN型トランジスタQ4のコレクタ端子に接続されている。さらにNPN型トランジスタQ3のエミッタ端子はグランドに接続されている。
ここで、低電圧検知回路10CのツェナーダイオードZ2のツェナー電圧は次式を満たす値とする。
{(最大ゲート端子−ソース端子間電圧)} < ツェナー電圧
例えば図2に示すように、Nch FETQ1が完全オンとなる最小ゲート端子−ソース端子間電圧Yを5Vとした場合、マージンを1VとするとツェナーダイオードZ2のツェナー電圧は6Vとなる。
なお、最小ゲート端子−ソース端子間電圧Yと、最小ゲート端子−ソース端子間電圧Xとは同一値である。
過電流検知部2と低電圧側誤動作防止部10とより負荷駆動回路の過電流検知装置が構成される。
次に、図2に示すように電源3の電圧とゲート電圧駆動回路21が生成するゲート電圧とが減少した場合の各部の動作を説明する。
電源電圧(ドレイン電圧)が減少してくると、ゲート電圧駆動回路21が作り出すゲート電圧(安定化電源電圧、またはクリップ制御電圧)も減少し、ゲート電圧とソース電圧の差が、Nch FETQ1を完全オンできるゲート端子−ソース端子間電圧(5V)よりも小さくなり、Nch FETQ1を完全オンすることができない不飽和スイッチング状態となる。(図2中、※1の領域)
このような電源電圧の状態においては、Nch FETQ1は不飽和スイッチング状態であるため、Nch FETQ1のオン抵抗が非常に大きくなり、ドレイン端子−ソース端子間の電流に対する電圧降下は非常に大きくなる。
したがって、過電流検出基準電流よりもはるかに低い電流値の上昇があった場合でも、オペアンプIC1の出力はHi出力となり、コンパレータIC2からのコンパレータ出力もHi出力となる。
一方、低電圧側誤動作防止部10の低電圧検知回路10Cでは、6Vよりも低い値(図2中、Z2)がツェナーダイオードZ2のカソード端子−アノード端子間に印加された場合、ツェナーダイオードZ2が動作せず、PNP型トランジスタQ5がオフ状態になる。インバータ回路10BにおいてPNP型トランジスタQ5の出力レベルを反転させるので、NPN型トランジスタQ3をオン状態とすることができる。
したがってNch FETQ1が不飽和スイッチング状態となり、過電流検知部2からコンパレータ出力として過電流が流れていることを示すHi出力がなされたとしても、低電圧側誤動作防止部10の出力キャンセル回路10Aによってコンパレータ出力をLowレベルに変換することができるので、過電流検知出力をLow(過電流でない状態)とすることができる。
このように低電圧側誤動作防止部10を設けたことにより、電源電圧とゲート電圧とが減少し、ゲート電圧とソース電圧の差が、Nch FETQ1を完全オンできるゲート端子−ソース端子間電圧(5V)よりも小さくなったとしても、過電流検知の誤動作を防止することができる。
なお本実施例において、出力キャンセル回路10Aが本発明における第2キャンセル回路を構成する。
本実施例は以上のように構成され、電源3の電圧の減少と共にゲート電圧駆動回路21が出力するゲート電圧も減少してNch FETQ1が不飽和スイッチング状態となった場合、過電流検出電流よりもはるかに低い電流上昇であるにもかかわらず、コンパレータ出力として過電流が流れたことを示すHi出力がされる場合でも、低電圧側誤動作防止部10においてコンパレータ出力をLowレベルとするので、過電流検出の誤動作を防止することができる。
また第2の実施例の構成に加えて、第1の実施例で図3を用いて変形例として説明した高電圧側誤動作防止部1を、オペアンプIC1の入力端子に接続してもよい。
この場合には、電源3の電圧が上昇した場合と、電源3の電圧が低下した場合との双方の場合において、1つの回路で過電流検知の誤動作を防止することができる。
なお変形例として、第2の実施例における低電圧側誤動作防止部10のNPN型トランジスタQ3のコレクタ端子を、図5に示すようにオペアンプIC1の入力端子に接続してもよい。
電源電圧の減少があった場合には、低電圧側誤動作防止部10がオペアンプIC1の入力側プラス端子をLowレベルにすることにより、オペアンプIC1の出力はLowとなり、第2の実施例と同様に過電流検出の誤動作を防止することができる。
また本変形例の構成に加えて、第1の実施例における高電圧側誤動作防止部1を、コンパレータIC2の出力端子に接続してもよい。
この場合にも、電源3の電圧が上昇した場合と、電源3の電圧が低下した場合との双方の場合において、1つの回路で過電流検知の誤動作を防止することができる。
第1の実施例における全体構成を示す図である。 ゲート電圧とソース電源との関係を示す図である。 第1の実施例の変形例を示す図である。 第2の実施例における全体構成を示す図である。 第2の実施例の変形例を示す図である。
符号の説明
1 高電圧側誤動作防止部
1A、10A 出力キャンセル回路
1B 高電圧検知回路
2 過電流検知部
3 電源
4 負荷
10 低電圧側誤動作防止部
10B インバータ回路
10C 低電圧検知回路
21 ゲート電圧駆動回路
22 信号未入力時キャンセル回路
23 差動増幅回路
Q1 Nch FET
Q2〜Q4 NPN型トランジスタ
Q5 PNP型トランジスタ
R1〜R12 抵抗
Z1、Z2 ツェナーダイオード

Claims (4)

  1. ドレイン端子を電源側に接続し、ソース端子を負荷側に接続したNch FETを介して電力供給される負荷駆動回路において、
    前記Nch FETのドレイン端子とソース端子間の電位差を演算し、該電位差と所定の過電流検出基準電圧値とを比較することによって負荷へ流れる過電流を検知する過電流検知部と、
    前記Nch FETが不飽和スイッチング状態となる高電圧が、電源から当該Nch FETに印加されたことを検知する高電圧検知回路と、
    該高電圧検知回路によって前記高電圧が検知された場合に、前記過電流検知部からの出力をキャンセルする、または前記電位差演算前のドレイン端子側の電圧をキャンセルする第1キャンセル回路とを有することを特徴とする負荷駆動回路の過電流検知装置。
  2. ドレイン端子を電源側に接続し、ソース端子を負荷側に接続したNch FETを介して電力供給される負荷駆動回路において、
    前記Nch FETのドレイン端子とソース端子間の電位差を演算し、該電位差と所定の過電流検出基準電圧値とを比較することによって負荷へ流れる過電流を検知する過電流検知部と、
    前記Nch FETが不飽和スイッチング状態となる最小ゲート端子−ソース端子間電圧よりも低い低電圧が、当該Nch FETに印加されたことを検知する低電圧検知回路と、
    該低電圧検知回路によって前記低電圧が検知された場合に、前記過電流検知部の出力をキャンセルする、または前記電位差演算前のドレイン端子側の電圧をキャンセルする第2キャンセル回路とを有することを特徴とする負荷駆動回路の過電流検知装置。
  3. ドレイン端子を電源側に接続し、ソース端子を負荷側に接続したNch FETを介して電力供給される負荷駆動回路において、
    前記Nch FETのドレイン端子とソース端子間の電位差を演算し、該電位差と所定の過電流検出基準電圧値とを比較することによって負荷へ流れる過電流を検知する過電流検知部と、
    前記Nch FETが不飽和スイッチング状態となる高電圧が、電源から当該Nch FETに印加されたことを検知する高電圧検知回路と、
    該高電圧検知回路によって前記高電圧が検知された場合に、前記過電流検知部からの出力をキャンセルする、または前記電位差演算前のドレイン端子側の電圧をキャンセルする第1キャンセル回路と、
    前記Nch FETが不飽和スイッチング状態となる最小ゲート端子−ソース端子間電圧よりも低い低電圧が、当該Nch FETに印加されたことを検知する低電圧検知回路と、
    該低電圧検知回路によって前記低電圧が検知された場合に、前記過電流検知部の出力をキャンセルする、または前記電位差演算前のドレイン端子側の電圧をキャンセルする第2キャンセル回路とを有することを特徴とする負荷駆動回路の過電流検知装置。
  4. 前記高電圧検知回路および低電圧検知回路は、ツェナーダイオードを用いて、前記高電圧および低電圧を検知することを特徴とする請求項1から3のいずれか1に記載の負荷駆動回路の過電流検知装置。
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