JP2006220506A - 回転角検出装置 - Google Patents

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JP2006220506A JP2005033453A JP2005033453A JP2006220506A JP 2006220506 A JP2006220506 A JP 2006220506A JP 2005033453 A JP2005033453 A JP 2005033453A JP 2005033453 A JP2005033453 A JP 2005033453A JP 2006220506 A JP2006220506 A JP 2006220506A
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Abstract

【課題】ロータに対する取り付け精度の許容度が高く、広範囲のロータ形状に対応可能で、高感度で高い回転角検出精度を有する回転角検出装置を提供する。
【解決手段】バイアス磁界B1,B2を発生する磁石31と、バイアス磁界B2の変化を検出する磁気センサ素子32と、バイアス磁界B1,B2の磁束を誘導する磁束誘導部34とを有してなり、磁束誘導部34を通る磁束B1,B2の経路が、2つの環状経路が連結した8字形状の経路からなり、磁石31と磁気センサ素子32とが、それぞれ、2つの環状経路の所定位置に挿入配置されると共に、2つの環状経路のそれぞれに、磁束誘導部34の隙間からなるギャップ34G1,34G2が形成され、ギャップ34G1,34G2の少なくとも一つが、ロー10の最外周軌道に最近接して配置されてなる回転検出ギャップ34G1である回転角検出装置30とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、回転するロータの最外周軌道に近接して配置され、バイアス磁界の変化により前記ロータの回転角を検出する回転角検出装置に関する。
回転するロータの最外周軌道に近接して配置され、バイアス磁界の変化により前記ロータの回転角を検出する回転角検出装置が、例えば、特開平11−237256号公報(特許文献1)に開示されている。
図14(a)は、特許文献1と同様の従来の回転角検出装置の例で、ロータ10と回転角検出装置20の模式的な配置図である。
図14(a)に示す回転角検出装置20は、回転検出用の差動型MREセンサ22a,22bを有する回転角検出装置である。回転角検出装置20のハウジング23内には、2つのMREセンサ22a,22bと共に、バイアス磁界を発生する磁石21が収容されている。回転角検出装置20は、突起部10tを有する回転するロータ10の最外周軌道に近接して配置され、ロータ10の回転に伴うバイアス磁界の変化により、ロータ10の回転角を検出する。
図14(b)は、図14(a)の破線で囲った部分の拡大図で、図中の(A)から(D)で示す各状態は、ロータ10の突起部10tが回転に伴って左から右に移動する様子を示している。
(A)状態では、突起部10tが一点鎖線で示した磁石21の中心線の左遠方にあるため、バイアス磁界は各MREセンサ22a,22b上で左右対称に傾いている。(B)状態では、突起部10tが磁石21の中心線に左側から近づいているため、バイアス磁界も全体的に左側に傾いている。(C)状態では、突起部10tが磁石21の中心線から右側に遠ざかっているため、バイアス磁界も全体的に右側に傾いている。(D)状態では、突起部10tが磁石21の中心線の右遠方にあるため、バイアス磁界は再び各MREセンサ22a,22b上で左右対称に傾いている。
図14(c)は、それぞれ、ロータの回転に伴う磁気振れ角信号、差動振れ角信号およびセンサ出力信号の経時変化を示す図である。
図14(c)において、上段は2つのMREセンサ22a,22bが検出した磁気振れ角信号の経時変化で、図中の破線で示した各位置が図14(b)の(A)から(D)で示す各状態に対応する。中段は差動振れ角信号の経時変化で、上段の2つのMREセンサ22a,22bが検出した磁気振れ角信号の差(22b−22a)を示している。下段はセンサ出力信号の経時変化で、中段の差動振れ角信号に対して一点鎖線で示した閾値が設定されており、差動振れ角信号と閾値の交点でセンサ出力信号が切り替わることで、下段の方形のセンサ出力信号が得られる。
特開平11−237256号公報
図15(a),(b)を用いて、図14(a)〜(c)に示した従来の回転角検出装置20の問題点を説明する。
図15(a)は、ロータ10と従来の回転角検出装置20との配置関係の詳細を模式的に示す図であり、図15(b)は、図14(c)の中段と同様の差動振れ角信号の経時変化を示す図である。
図15(a)に示すように、回転角検出装置20の検出精度を高めるためには、バイアス磁界の変化量を大きくするために、回転角検出装置20の磁石21を回転するロータ10にできるだけ近接する必要がある。しかしながら、磁石21の先端からハウジング23の先端までの間は、2つのMREセンサ22a,22bを配置するための間隔HGが必要である。また、回転角検出装置20のハウジング23をロータ10の突起部10tの最外周軌道に近接配置するにあたっても、形状の制約から近接配置するには限界がある限界があり、図中のエアギャップAG1,(AG2),(AG3)が必要である。
図15(b)に示すように、エアギャップがAG1からAG2まで大きくなると、差動振れ角のピークが低下して、回転角の検出精度がK1からK2に悪化する。さらに、エアギャップがAG3まで大きくなると、差動振れ角のピークが閾値以下になり、回転角が検出不能となる。従来の回転角検出装置20における検出限界のエアギャップは、1.5mm程度であるが、ロータの形状によっては検出限界のエアギャップがさらに小さな値となる。このように、従来の回転角検出装置20の取り付けには細心の注意が必要で、ロータに対する取り付け精度が悪いと回転角の検出精度が大きく劣化する。
そこで本発明は、回転するロータの最外周軌道に近接して配置され、バイアス磁界の変化によりロータの回転角を検出する回転角検出装置であって、ロータに対する取り付け精度の許容度が高く、広範囲のロータ形状に対応可能で、高感度で高い回転角検出精度を有する回転角検出装置を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、回転するロータの最外周軌道に近接して配置され、バイアス磁界の変化により前記ロータの回転角を検出する回転角検出装置であって、前記バイアス磁界を発生する磁石と、前記バイアス磁界の変化を検出する磁気センサ素子と、前記バイアス磁界の磁束を誘導する磁束誘導部とを有してなり、前記磁束誘導部を通る磁束の経路が、2つの環状経路が連結した8字形状の経路からなり、前記磁石と前記磁気センサ素子とが、それぞれ、前記2つの環状経路の所定位置に挿入配置されると共に、前記2つの環状経路のそれぞれに、前記磁束誘導部の隙間からなるギャップが形成され、前記ギャップの少なくとも一つが、前記ロータの最外周軌道に最近接して配置されてなる回転検出ギャップであることを特徴としている。
上記回転角検出装置では、磁石、磁束誘導部、回転検出ギャップおよびロータで、バイアス磁界の磁束の通る一つの環状経路が形成される。また、磁石、磁束誘導部、ギャップおよび磁気センサ素子で、バイアス磁界の磁束の通るもう一つの環状経路が形成される。上記構成の回転角検出装置においては、ロータの回転に伴って、バイアス磁界の作る磁束の上記2つの環状経路の分配割合が変化し、この磁束の分配割合の変化を磁気センサ素子により検出することで、ロータの回転角を検出することができる。
上記回転角検出装置においては、上記環状経路の所定位置に磁石が挿入配置されており、バイアス磁界の磁束を磁束誘導部により収束しているために、磁石の発生するバイアス磁界をロータの回転角検出に効率的に用いることができる。また、上記回転角検出装置では、磁石と磁気センサ素子は、基本的には上記2つの環状経路における任意の位置に挿入配置することができる。このため、回転角の検出端である回転検出ギャップは、磁石や磁気センサ素子の配置位置に邪魔されず、極限位置までロータに近づけることができる。これらにより、上記回転角検出装置は、ロータに対する取り付け精度の許容度が高く、広範囲のロータ形状に対応可能で、高感度で高い回転角検出精度を有する回転角検出装置とすることができる。
上記回転角検出装置における磁束誘導部は、当該回転角検出装置のハウジング材より比透磁率が高い材料であれば任意の材料を用いることができるが、通常用いられるロータの材料が鉄であることを考慮すると、請求項2に記載のように、前記磁束誘導部の比透磁率は、100以上であることが好ましい。比透磁率が100以上の材料としては、例えば請求項3に記載のように、42アロイ、パーマロイまたはスーパーマロイを用いることができる。
上記回転角検出装置においては、回転検出ギャップ周りの磁束誘導部先端をハウジング材で完全に保護することも可能であるが、請求項4に記載のように、前記回転検出ギャップ周りの磁束誘導部先端が、当該回転角検出装置のハウジングから突出形成されてなるように構成することもできる。これによれば、回転検出ギャップ周りの磁束誘導部先端をハウジング材で完全に保護する場合に較べて、より広範囲のロータ形状に対応可能である。
上記回転角検出装置においては、例えば請求項5に記載のように、前記ロータに対向する前記回転検出ギャップ周りの磁束誘導部先端が、ロータの回転軸を中心とする円弧形状からなるように構成することができる。これによれば、当該磁束誘導部先端と回転するロータとの間で、等間隔で均一な磁束経路が構成されるため、安定した回転角の検出が可能となる。
また上記回転角検出装置においては、例えば請求項6に記載のように、前記ロータに対向する前記回転検出ギャップ周りの磁束誘導部先端が、ロータに向かって先細に形成されてなるように構成することも可能である。これによれば、磁束経路がロータに向かって先細に形成された磁束誘導部先端に収束するため、高精度の回転角の検出が可能となる。
さらに上記回転角検出装置においては、例えば請求項7に記載のように、前記回転するロータが、前記回転検出ギャップを横切るように構成することもできる。これによれば、ロータに対する当該回転角検出装置の取り付けの位置ずれによる影響を大幅に低減することができ、安定した回転角の検出が可能となる。
尚、この場合には、例えば請求項8に記載のように、前記回転検出ギャップが、前記環状経路の直線部に配置され、前記回転するロータが、前記直線部を横切るように構成することができる。また、請求項9に記載のように、前記回転検出ギャップが、前記環状経路の角部に配置され、前記回転するロータが、前記角部を横切るように構成することもできる。この場合には、回転するロータ周りにおいて当該回転角検出装置を一方の側に寄せて配置できるため、当該回転角検出装置の配置自由度が高められる。
また、上記回転角検出装置においては、請求項10に記載のように、前記回転検出ギャップが、前記2つの環状経路のそれぞれに形成されてなるように構成することもできる。この2つの環状経路に配置された2つの回転検出ギャップによって、ロータの回転をより正確に捕捉することができると共に、ロータの回転方向の判別も可能となる。
請求項11に記載のように、上記回転角検出装置における前記磁石は、前記磁束誘導部に勘合配置することができる。これによって、前記磁石を前記磁束誘導部へ簡単に組み付けることができる。
前記磁石は、例えば請求項12に記載のように、前記8字形状の経路の交差部に配置されるように構成することができる。この場合には、磁石の発生するバイアス磁界の磁束を、例えば2つの環状経路にほぼ均等に振り分けて利用することができる。
また請求項13に記載のように、前記磁石が、前記ロータから最遠方に配置されるように構成することもできる。この場合には、磁束誘導部を通らない漏れバイアス磁界とロータの回転による磁気的ノイズによる回転角検出への悪影響を低減することができる。
請求項14に記載のように、上記回転角検出装置における前記磁気センサ素子は、前記ロータから最遠方に配置されるように構成することができる。この場合には、ロータの回転に伴う磁気的および電気的ノイズによる回転角検出への悪影響を低減することができる。
請求項15に記載のように、上記回転角検出装置においては、前記磁気センサ素子周りの磁束誘導部先端が、前記磁気センサ素子に向かって先細に形成されるように構成することができる。これにより、磁気センサ素子へ向かう磁束を収束させて磁気センサ素子上での磁束密度を高めることができ、高感度の回転角の検出が可能となる。
請求項16に記載のように、上記回転角検出装置においては、前記磁気センサ素子として、安価なホール素子を用いることができる。
また請求項17に記載のように、前記磁気センサ素子として、磁気抵抗素子の組み合わせからなるブリッジを用い、当該ブリッジを、前記8字形状の経路の分岐点に配置されるように構成することで、磁気抵抗素子を用いた回転角の検出も可能である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図に基づいて説明する。
図1に、本発明の回転角検出装置の一例を示す。図1(a)は、回転角検出装置30の構成と、突起部10tを有するロータ10に対する配置を拡大して示した模式図である。尚、ロータ10に対する回転角検出装置30の全体的な配置関係は、図14(a)と同様である。また、図1(b)と図1(c)は、回転角検出装置30によるロータ10の回転角検出原理を説明する図である。
図1に示す回転角検出装置30は、回転するロータ10の最外周軌道に近接して配置され、バイアス磁界(磁束)B1,B2の変化によりロータ10の回転角を検出する回転角検出装置である。
図1(a)に示すように、回転角検出装置30は、バイアス磁界(磁束)B1,B2を発生する磁石31と、バイアス磁界(磁束)B2の変化を検出する磁気センサ素子32と、バイアス磁界B1,B2の磁束を誘導する磁束誘導部34とを有しており、これらが非磁性材料の樹脂等からなるハウジング33に収容されている。
磁束誘導部34を有する回転角検出装置30においては、磁束誘導部34を通る磁束B1,B2の経路が、図示したように2つの環状経路が連結した8字形状の経路となっている。磁石31と磁気センサ素子32は、それぞれ、2つの環状経路の所定位置に挿入配置されている。また、回転角検出装置30では、2つの環状経路のそれぞれに、磁束誘導部34の隙間からなるギャップ34G1,34G2が形成されており、ギャップ34G1が、ロータ10の回転検出ギャップとして、ロータ10の最外周軌道に最近接して配置されている。言い換えれば、図1(a)の回転角検出装置30においては、磁石31、磁束誘導部34、回転検出ギャップ34G1およびロータ10で、バイアス磁界の磁束B1の通る一つの環状経路が形成されている。また、磁石31、磁束誘導部34、ギャップ34G2および磁気センサ素子32で、バイアス磁界の磁束B2の通るもう一つの環状経路が形成されている。尚、回転検出ギャップ34G1を構成する磁束誘導部34の先端面は、ハウジング33の先端面と一致している。
上記構成の回転角検出装置30においては、突起部10tを有するロータ10の回転に伴って、バイアス磁界の作る磁束B1,B2の上記2つの環状経路の分配割合が変化し、この磁束B1,B2の分配割合の変化を磁気センサ素子32により検出することで、ロータ10の回転角を検出することができる。尚、磁束B2の環状経路におけるギャップ34G2は、回転検出ギャップ34G1のある磁束B1の環状経路での磁束密度変化に従って、磁束密度を大きく変化させるために形成されたものである。
図1(b),(c)を用いて、回転角検出装置30の動作原理を具体的に説明する。
図1(b)に示すように、ロータ10の突起部10tが回転角検出装置30の回転検出ギャップ34G1から遠くにある場合には、磁束B1側の経路の磁気抵抗が大きいため磁束が通り難く、このため磁束B1が破線の矢印で示したように磁束密度の低い状態となっている。これと相反して、磁束B2側の経路では、ギャップ34G2が小さく大部分が磁束誘導部34の経路からなっているため、磁束B2が太い実線矢印で示したように磁束密度の高い状態となっている。
次に、図1(c)に示すように、ロータ10の回転に伴って突起部10tが近づき回転検出ギャップ34G1上を通り過ぎる際には、突起部10tが磁束経路の一部となって磁束B1側の経路の磁気抵抗が低下して磁束が通り易くなるため、磁束B1が太い実線の矢印で示したように磁束密度の高い状態となる。これに相反して、磁束B2側の経路では、磁束B1側の経路の磁束密度が上昇した同じ分だけ磁束密度が低下し、磁束B2が図1(b)の状態に較べて磁束密度の低い状態に変化する。この図1(b)と図1(c)における磁束B2の磁束密度変化を磁気センサ素子32で検出して電気信号に変換し、ロータ10の山谷を判別することで、ロータ10の回転角が検出される。
図1(a)の回転角検出装置30においては、磁束誘導部34を中心とする環状経路の所定位置に磁石31が挿入配置されており、バイアス磁界の磁束B1,B2を磁束誘導部34により収束しているために、磁石31の発生するバイアス磁界B1,B2をロータ10の回転角検出に効率的に用いることができる。また、回転角検出装置30では、磁石31と磁気センサ素子32は、基本的には磁束誘導部34を中心とする2つの環状経路における任意の位置に挿入配置することができる。このため、回転角の検出端である回転検出ギャップ34G1は、磁石31や磁気センサ素子32配置位置に邪魔されず、極限位置までロータ10の突起部10tに近づけることができる。言い換えれば、図15(a)の従来の回転角検出装置20において示した間隔HGを無視することができると共に、図1(a)に示すエアギャップAG4を限りなく小さくすることができる。これらにより、回転角検出装置30は、ロータ10に対する取り付け精度の許容度が高く、広範囲のロータ形状に対応可能で、高感度で高い回転角検出精度を有する回転角検出装置とすることができる。
上記回転角検出装置30における磁束誘導部34は、ハウジング33の構成部材より比透磁率が高い材料であれば任意の材料を用いることができるが、通常用いられるロータ10の材料が鉄であることを考慮すると、磁束誘導部34の比透磁率は、100以上であることが好ましい。比透磁率が100以上の材料としては、例えば、42アロイ、パーマロイまたはスーパーマロイを用いることができる。特に、42アロイは半導体からなる磁気センサ素子32と熱膨張係数が近いため好ましい。
上記回転角検出装置30における磁石31には、例えばフェライト磁石、希土類磁石、ネオジウム(Ne)−鉄(Fe)ボロン(B)磁石等の任意の永久磁石を用いることができる。図1(a)の回転角検出装置30では、磁石31が8字形状の経路の交差部に配置されている。これによって、磁石31の発生するバイアス磁界の磁束B1,B2を、例えば2つの環状経路にほぼ均等に振り分けて利用することができる。
図2は、磁束誘導部34への磁石31の組み付け構造の一例を示す図で、図2(a)は組み付け前の状態を示す図であり、図2(b)は組み付け後の状態を示す図である。図2(a),(b)に示すように、回転角検出装置30における磁石31は磁束誘導部34に勘合配置することができ、これによって磁石31を磁束誘導部34へ簡単に組み付けることができる。尚、図2(a),(b)に示す磁石31の組み付け構造を用いることで、磁束誘導部34は一体構造で製作することができる。
一方、回転角検出装置30にける磁気センサ素子32としては、安価なホール素子を用いることができる。また、ホール素子以外にも、磁気抵抗素子(MRE)、トンネル磁気抵抗素子(TMR)、巨大磁気抵抗素子(GMR)あるいはコイル等、磁気の変化を電気信号に変換する任意の磁電変換素子を使用することができる。また、これら磁電変換素子の使い方は、単独で使用してもよいし、ハーフブリッジやフルブリッジを構成して使用してもよい。図1(a)の回転角検出装置30では、磁気センサ素子32が、ロータ10から最遠方に配置されている。これにより、ロータ10の回転に伴う磁気的および電気的ノイズによる回転角検出への悪影響を低減することができる。
図3(a)〜(e)は、磁束誘導部34のへの磁気センサ素子32の種々の取り付け方法を示す図である。
磁気センサ素子32は、例えば図3(a)に示すように、非磁性材料である接着剤35aを用いて、ギャップ34G2を構成する磁束誘導部34の端面に直接固定する。接着剤35aは、応力の受けにくい接着剤(ビーズなどを入れた柔らかいもの)を使用する。
図3(b)では、磁気センサ素子32周りの磁束誘導部34の先端が、磁気センサ素子32に向かって先細に形成されている。これにより、磁気センサ素子32へ向かう磁束B2を収束させて磁気センサ素子32上での磁束密度を高めることができ、高感度の回転角の検出が可能となる。
図3(c)においても、磁束誘導部34の先端が磁気センサ素子32に向かって先細に形成されているが、さらに磁束誘導部34の端面形状が、磁気センサ素子32を囲むように彎曲している。これにより、磁気センサ素子32へ向かう磁束B2の平行性を高めて外部へ漏れる磁束を低減すると共に、磁気センサ素子32上で磁束密度の均一性を高めることができる。
図3(a)〜(c)では、いずれも磁気センサ素子32が磁束B2に対して垂直に固定されていたが、図3(d)に示すように、樹脂等の非磁性材料からなる保持部材35bを用いて、磁気センサ素子32が磁束B2に対して平行になるように固定することもできる。また、図3(e)に示すように、傾斜面を有する保持部材35cを用いて、磁気センサ素子32が磁束B2に対して斜め配置になるように固定することもできる。
図4(a),(b)に、別の回転角検出装置40を示す。
図4(a),(b)は、回転角検出装置40の構成と、回転角検出装置40に対してロータ10の突起部10tが異なる位置にある場合の磁束B1,B2の様子を示している。尚、図4(a),(b)の回転角検出装置40において、図1(a)〜(c)の回転角検出装置30と同様の部分については、同じ符号を付した。
図1(a)〜(c)の回転角検出装置30では、回転検出ギャップ34G1を構成する磁束誘導部34の先端面がハウジング33の先端面と一致していた。このように、回転検出ギャップ34G1周りの磁束誘導部34先端をハウジング33材で完全に保護することも可能である。
一方、図4(a),(b)に示す回転角検出装置40では、回転検出ギャップ44G1周りの磁束誘導部44先端が、ハウジング43から突出形成されている。尚、図4(a),(b)の回転角検出装置40によるロータ10の回転角検出原理は、図1(a)〜(c)の回転角検出装置30と同様であり、その説明は省略する。
図4(a),(b)の回転角検出装置40のように、回転検出ギャップ44G1周りの磁束誘導部44先端をハウジング43から突出形成することで、ハウジングによる制約が少なくなる。このため、図1(a)〜(c)の回転角検出装置30のように回転検出ギャップ34G1周りの磁束誘導部34先端をハウジング33材で完全に保護する場合に較べて、ハウジング形状を変えることなく、以下に示すようにより広範囲のロータ形状やロータとの位置関係に対応可能となる。
図5(a),(b)に、別の回転角検出装置50,60を示す。尚、図5(a),(b)の回転角検出装置50,60において、図1(a)〜(c)の回転角検出装置30と同様の部分については、同じ符号を付した。
図5(a),(b)に示すロータ11は、回転角検出装置50,60に対向する突起部11tの先端面が、円弧形状になっている。
図5(a)に示す回転角検出装置50においても、図4(a),(b)の回転角検出装置40と同様に、回転検出ギャップ54G1を構成する磁束誘導部54の先端が、ハウジング53から突出するように形成されている。一方、図5(a)の回転角検出装置50においは、図4(a),(b)の回転角検出装置40と異なり、ロータ11(突起部11t)に対向する回転検出ギャップ54G1周りの磁束誘導部54先端が、ロータ11の回転軸Cを中心とする円弧形状になっている。これにより、磁束誘導部54先端と回転するロータ11との間で、磁束誘導部54とロータ11の間のギャップが一定で均一な磁束経路が構成されるため、安定した回転角の検出が可能となる。
図5(b)に示す回転角検出装置60においても、回転検出ギャップ64G1を構成する磁束誘導部64の先端が、ハウジング63から突出するように形成されている。回転角検出装置60においは、ロータ11(突起部11t)に対向する回転検出ギャップ64G1周りの磁束誘導部64先端が、ロータ11に向かって先細に形成されている。これにより、磁束経路がロータ11に向かって先細に形成された磁束誘導部64先端に収束するため、高感度で高精度の回転角の検出が可能となる。
尚、図5(a),(b)の回転角検出装置50,60によるロータ11の回転角検出原理は、図1(a)〜(c)の回転角検出装置30と同様であり、その説明は省略する。また、図5(a),(b)の回転角検出装置50,60では、磁束誘導部54,64の先端がハウジング53,63から突出するように形成されているが、図1(a)〜(c)の回転角検出装置30と同様に、ロータ11と対向する磁束誘導部54,64の先端(面)がハウジング53,63の先端面と一致するようにして保護してもよい。
図6(a),(b)および図7(a),(b)に、それぞれ、別の回転角検出装置70,80を示す。図6(a),(b)および図7(a),(b)は、それぞれ、回転角検出装置70,80の構成と、回転角検出装置70,80に対してロータ12の突起部12tが異なる位置にある場合の磁束B1,B2の様子を示している。尚、図6(a),(b)および図7(a),(b)の回転角検出装置70,80において、図1(a)〜(c)の回転角検出装置30と同様の部分については、同じ符号を付した。
図6(a),(b)および図7(a),(b)に示す回転角検出装置70,80においても、それぞれ、回転検出ギャップ74G1,84G1を構成する磁束誘導部74,84の先端が、ハウジング73,83から突出するように形成されている。また、回転角検出装置70,80においては、いずれも、回転するロータ12(突起部12t)が、回転検出ギャップ74G1,84G1を横切るように配置されている。これにより、ロータ12に対する回転角検出装置70,80の取り付けの位置ずれによる影響を大幅に低減することができ、安定した回転角の検出が可能となる。
尚、図6(a),(b)に示す回転角検出装置70では、回転検出ギャップ74G1が、磁束B1の環状経路の直線部に配置され、回転するロータ12が、直線部を横切るように構成されている。言い換えれば、回転検出ギャップ74G1は、ロータ12の突起部12tを挟む構造となっている。また、この回転検出ギャップ74G1がロータ12の突起部12tを挟む構造においては、他の構造の回転角検出装置に較べて、ロータ厚が薄い場合やロータ径が小さい場合にも検出能力を十分に確保することができる。
一方、図7(a),(b)に示す回転角検出装置80では、回転検出ギャップ84G1が、磁束B1の環状経路の角部に配置され、回転するロータ12が、角部を横切るように構成されている。この場合には、回転するロータ12周りにおいて、回転角検出装置80を一方の側に寄せて配置できる。このため、図7(a),(b)の回転角検出装置80は、図6(a),(b)の回転角検出装置70に較べて、配置自由度が高い。
尚、図6(a),(b)および図7(a),(b)に示す回転角検出装置70,80によるロータ12の回転角検出原理は、図1(a)〜(c)の回転角検出装置30と同様であり、その説明は省略する。
図8(a),(b)に、別の回転角検出装置90を示す。
図8(a),(b)は、回転角検出装置90の構成と、回転角検出装置90に対してロータ12の突起部12tが異なる位置にある場合の磁束B3,B4の様子を示している。尚、図8(a),(b)の回転角検出装置90において、図6(a),(b)の回転角検出装置70と同様の部分については、同じ符号を付した。
図6(a),(b)の回転角検出装置70では、磁石31が8字形状の経路の交差部に配置され、磁気センサ素子32がロータ12から最遠方に配置されていた。これに対して、図8(a),(b)の回転角検出装置90では、磁石31がロータ12から最遠方に配置されている。このため、図8(a),(b)の回転角検出装置90では、磁束誘導部74を通る磁束B3,B4の経路が、図示したように2つの環状経路が連結した8字形状の経路となっている。すなわち、回転角検出装置90においては、磁石31、磁束誘導部74、回転検出ギャップ74G1およびロータ12で、バイアス磁界の磁束B3の通る一つの環状経路が形成されている。また、磁石31、磁束誘導部74、ギャップ74G2および磁気センサ素子32で、バイアス磁界の磁束B4の通るもう一つの環状経路が形成されている。
図8(a)に示すように、ロータ12の突起部12tが回転角検出装置90の回転検出ギャップ74G1を横切っていない場合は、磁束B3側の経路の磁気抵抗が大きいため、磁束B3が破線の矢印で示したように磁束密度の低い状態となっている。これと相反して、磁束B4側の経路では、磁束B4が太い実線矢印で示したように磁束密度の高い状態となっている。
次に、図8(b)に示すように、ロータ12の回転に伴って突起部12tが回転検出ギャップ74G1を横切る際には、突起部12tが磁束経路の一部となって磁束B3側の経路の磁気抵抗が低下するため、磁束B3が太い実線の矢印で示したように磁束密度の高い状態となる。これに相反して、磁束B4側の経路では、磁束B4が図8(a)の状態に較べて磁束密度の低い状態に変化する。この図8(a)と図8(b)における磁束B4の磁束密度変化を磁気センサ素子32で検出することにより、ロータ12の回転角が検出される。
図8(a),(b)の回転角検出装置90では、磁石31がロータ12から最遠方に配置されているため、磁束誘導部74を通らない漏れバイアス磁界とロータ12の回転による磁気的ノイズによる回転角検出への悪影響を低減することができる。
図9(a),(b)に、別の回転角検出装置100を示す。
図9(a),(b)は、回転角検出装置100の構成と、回転角検出装置100に対してロータ12の突起部12tが異なる位置にある場合の磁束B5,B6の様子を示している。尚、図9(a),(b)の回転角検出装置100において、図6(a),(b)の回転角検出装置70と同様の部分については、同じ符号を付した。
図9(a),(b)の回転角検出装置100では、磁束B5,B6からなる2つの環状経路に3つのギャップ104G1,104G3,104G3が形成されており、回転検出ギャップ104G1と同じ磁束B5の環状経路に、磁気センサ素子32が挿入配置されている。すなわち、回転角検出装置100においては、磁石31、磁束誘導部104、回転検出ギャップ104G1、ロータ12、ギャップ104G2および磁気センサ素子32で、バイアス磁界の磁束B5の通る一つの環状経路が形成されている。また、磁石31、磁束誘導部104、およびギャップ104G3で、バイアス磁界の磁束B6の通るもう一つの環状経路が形成されている。尚、回転検出ギャップ104G1とギャップ104G3周りの磁束誘導部104は、ハウジング103から突出するように形成されている。
図9(a)に示すように、ロータ12の突起部12tが回転角検出装置100の回転検出ギャップ104G1を横切っていない場合は、磁束B5側の経路と磁束B6側の経路の磁気抵抗は同程度の大きさである。従って、磁束B5の磁束密度と磁束B6の磁束密度も同程度の大きさとなっている。
次に、図9(b)に示すように、ロータ12の回転に伴って突起部12tが回転検出ギャップ104G1を横切る際には、突起部12tが磁束経路の一部となって磁束B5側の経路の磁気抵抗が低下するため、磁束B5が太い実線の矢印で示したように磁束密度の高い状態となる。これに相反して、磁束B6側の経路では、磁束密度が図8(a)の状態に較べて低い状態に変化する。この図8(a)と図8(b)における磁束B5の磁束密度変化を磁気センサ素子32で検出することにより、ロータ12の回転角が検出される。
以上のように、回転検出ギャップ104G1と磁気センサ素子32が同じ磁束B5の環状経路にある回転角検出装置100においても、ロータ12の回転角の検出が可能である。
図10(a)〜(c)は、図9(a),(b)に示した回転角検出装置100を、別のロータ10の回転角検出に適用した例である。図10(a)〜(c)は、回転角検出装置100に対してロータ10の突起部10tが異なる位置にある場合の磁束B5,B6の様子を示している。
図9(a),(b)の回転角検出装置100をロータ12の回転角検出に適用する例では、ギャップ104G1のみが、ロータ12の最外周軌道に最近接して配置されてなる回転検出ギャップとして機能していた。これに対して、図10(a)〜(c)に示す回転角検出装置100をロータ10の回転角検出に適用する例では、ギャップ104G1とギャップ104G3の両者が、ロータ10の最外周軌道に最近接して配置されてなる回転検出ギャップとして機能する。
図10(a)に示すように、ロータ10の突起部10tが回転角検出装置100の回転検出ギャップ104G1,104G3から遠い位置にある場合は、磁束B5側の経路と磁束B6側の経路の磁気抵抗は同程度の大きさである。従って、磁束B5の磁束密度と磁束B6の磁束密度も同程度の大きさとなっている。
次に、図10(b)に示すように、ロータ10の回転に伴って突起部10tが回転検出ギャップ104G1上を通り過ぎる際には、突起部10tが磁束経路の一部となって磁束B5側の経路の磁気抵抗が低下するため、磁束B5が太い実線の矢印で示したように磁束密度の高い状態となる。これに相反して、磁束B6側の経路では、磁束密度が図10(a)の状態に較べて低い状態に変化する。
次に、図10(c)に示すように、ロータ10の回転に伴って突起部10tが回転検出ギャップ104G3上を通り過ぎる際には、突起部10tが磁束経路の一部となって磁束B6側の経路の磁気抵抗が低下するため、磁束B6が太い実線の矢印で示したように磁束密度の高い状態となる。これに相反して、磁束B5側の経路では、磁束密度が図10(a)の状態に較べて低い状態に変化する。
この図10(a)〜(c)における磁束B5の磁束密度変化を磁気センサ素子32で検出することにより、ロータ10の回転角が検出される。
図11(a),(b)は、磁気センサ素子32が挿入されているギャップ104G3におけるバイアス磁界B5の強さの経時変化を、模式的に示したグラフである。図11(a),(b)は、それぞれ、ロータ10の正回転[図10(a)→(b)→(c)]と逆回転[図10(c)→(b)→(a)]に対応している。
図11(a),(b)からわかるように、隣接して配置された2つの回転検出ギャップ104G1,104G3上をロータ10の突起部10tが通過する際には、バイアス磁界B5の強さが急激に反転する。また、バイアス磁界B5の山と谷の出現順序を見ることで、回転方向の判別も可能である。
以上のようにして、図10(a)〜(c)の回転角検出装置100では、2つの環状経路に配置された2つの回転検出ギャップ104G1,104G3によって、ロータ10の回転をより正確に捕捉することができると共に、ロータ10の回転方向の判別も可能である。
図12(a)〜(d)に、磁気センサ素子として磁気抵抗素子の組み合わせからなるブリッジを用いた、別の回転角検出装置110を示す。
図12(a),(b)は、回転角検出装置110の構成と、回転角検出装置110に対してロータ12の突起部12tが異なる位置にある場合の磁束B3,B4の様子を示している。また、図12(c)は磁気抵抗素子32ma,32mbの組み合わせからなるブリッジの等価回路図であり、図12(d)は、図12(c)のブリッジの中点電位の経時変化を示す図である。尚、図12(a)〜(d)の回転角検出装置110において、図8(a),(b)の回転角検出装置90と同様の部分については、同じ符号を付した。
図12(a)〜(d)に示す回転角検出装置110においては、磁気センサ素子32mとして、磁気抵抗素子32ma,32mbの組み合わせからなるブリッジが用いられ、この磁気抵抗素子32ma,32mbからなるブリッジが、磁束B3,B4の8字形状の経路である磁束誘導部114の分岐点に配置されている。尚、磁束B4の環状経路におけるギャップ114G2は、回転検出ギャップ114G1のある磁束B3の環状経路での磁束密度変化に従って、磁束密度を大きく変化させるために形成されたものである。
図12(a)の左図に示すように、ロータ12の突起部12tが回転角検出装置110の回転検出ギャップ114G1を横切っていない場合は、磁束B3側の経路の磁気抵抗が大きいため、磁束B3が破線の矢印で示したように磁束密度の低い状態となっている。これと相反して、磁束B4側の経路では、磁束B4が太い実線矢印で示したように磁束密度の高い状態となっている。このため、図12(a)の右図に示すように、磁気センサ素子32mにおいては、磁気抵抗素子32mbの抵抗値が高く、磁気抵抗素子32maの抵抗値が低い状態となる。従って、図12(c)の中点電位は、図12(d)中に(a)状態で示した低い値となる。
次に、図12(b)に示すように、ロータ12の回転に伴って突起部12tが回転検出ギャップ114G1を横切る際には、突起部12tが磁束経路の一部となって磁束B3側の経路の磁気抵抗が低下する。このため、磁束B3の磁束密度が図12(a)の状態に較べて高い状態となる。これに相反して、磁束B4側の経路では、磁束密度が図12(a)の状態に較べて低い状態に変化する。このため、図12(b)の右図に示すように、磁気センサ素子32mにおいては、磁気抵抗素子32mbの抵抗値が図12(a)の状態より低く、磁気抵抗素子32maの抵抗値が図12(a)の状態より高い状態となる。従って、図12(c)の中点電位は、図12(d)中に(b)状態で示した高い値となる。
このようにして、図12(a)〜(d)に示す回転角検出装置110においては、図12(d)の中点電位の経時変化より、ロータ12の回転角が検出される。
図13(a)〜(e)に、磁気センサ素子として磁気抵抗素子の組み合わせからなるブリッジを用いた、別の回転角検出装置120を示す。
図13(a)〜(c)は、回転角検出装置120の構成と、回転角検出装置120に対してロータ10の突起部10tが異なる位置にある場合の磁束B5,B6の様子を示している。また、図13(d)は磁気抵抗素子32na,32nbの組み合わせからなるブリッジの等価回路図であり、図13(e)は、図13(d)のブリッジの中点電位の経時変化を示す図である。尚、図13(a)〜(e)の回転角検出装置120において、図10(a)〜(c)の回転角検出装置100と同様の部分については、同じ符号を付した。
図13(a)〜(e)に示す回転角検出装置120においては、磁気センサ素子32nとして、磁気抵抗素子32na,32nbの組み合わせからなるブリッジが用いられ、この磁気抵抗素子32na,32nbからなるブリッジが、磁束B5,B6の8字形状の経路である磁束誘導部124の分岐点に配置されている。尚、2つのギャップ124G1,124G2は、いずれも回転検出ギャップである。
図13(a)の上図に示すように、ロータ10の突起部10tが回転検出ギャップ124G1,124G2から遠い位置にある場合は、磁束B5と磁束B6の磁束密度がほぼ等しい。このため、図13(a)の下図に示すように、磁気センサ素子32nにおいては、磁気抵抗素子32naと磁気抵抗素子32nbの抵抗値もほぼ等しい。従って、図13(d)の中点電位は、図13(e)中に(a)状態で示した低い値となる。
次に、図13(b)に示すように、ロータ10の回転に伴って突起部10tが回転検出ギャップ124G1上を通り過ぎる際には、突起部10tが磁束経路の一部となって磁束B5側の経路の磁気抵抗が低下する。このため、磁束B5の磁束密度が図13(a)の状態に較べて高い状態となる。これに相反して、磁束B6側の経路では、磁束密度が図13(a)の状態に較べて低い状態に変化する。このため、図13(b)の下図に示すように、磁気センサ素子32nにおいては、磁気抵抗素子32naの抵抗値が図13(a)の状態より高く、磁気抵抗素子32nbの抵抗値が図13(a)の状態より低い状態となる。従って、図13(d)の中点電位は、図13(e)中に(b)状態で示した低い値となる。
次に、図13(c)に示すように、ロータ10の回転に伴って突起部10tが回転検出ギャップ124G2上を通り過ぎる際には、突起部10tが磁束経路の一部となって磁束B6側の経路の磁気抵抗が低下する。このため、磁束B6の磁束密度が図13(a)の状態に較べて高い状態となる。これに相反して、磁束B5側の経路では、磁束密度が図13(a)の状態に較べて低い状態に変化する。このため、図13(c)の下図に示すように、磁気センサ素子32nにおいては、磁気抵抗素子32naの抵抗値が図13(a)の状態より低く、磁気抵抗素子32nbの抵抗値が図13(a)の状態より高い状態となる。従って、図13(d)の中点電位は、図13(e)中に(c)状態で示した高い値となる。
このようにして、図13(a)〜(c)に示す回転角検出装置120においては、図13(e)の中点電位の経時変化より、ロータ10の回転角が検出される。
以上のようにして、上記した本発明の回転角検出装置は、いずれも回転するロータの最外周軌道に近接して配置され、バイアス磁界の変化によりロータの回転角を検出する回転角検出装置であって、ロータに対する取り付け精度の許容度が高く、広範囲のロータ形状に対応可能で、高感度で高い回転角検出精度を有する回転角検出装置となっている。
本発明の回転角検出装置の一例で、(a)は、回転角検出装置の構成とロータに対する配置を拡大して示した模式図である。(b)と(c)は、(a)の回転角検出装置によるロータの回転角検出原理を説明する図である。 磁束誘導部への磁石の組み付け構造の一例を示す図で、(a)は組み付け前の状態を示す図であり、(b)は組み付け後の状態を示す図である。 (a)〜(e)は、磁束誘導部のへの磁気センサ素子の種々の取り付け方法を示す図である。 本発明における別の回転角検出装置の例で、(a),(b)は、回転角検出装置の構成と、回転角検出装置に対してロータの突起部が異なる位置にある場合の磁束の様子を示している。 (a),(b)は、本発明における別の回転角検出装置の例である。 本発明における別の回転角検出装置の例で、(a),(b)は、回転角検出装置の構成と、回転角検出装置に対してロータの突起部が異なる位置にある場合の磁束の様子を示している。 本発明における別の回転角検出装置の例で、(a),(b)は、回転角検出装置の構成と、回転角検出装置に対してロータの突起部が異なる位置にある場合の磁束の様子を示している。 本発明における別の回転角検出装置の例で、(a),(b)は、回転角検出装置の構成と、回転角検出装置に対してロータの突起部が異なる位置にある場合の磁束の様子を示している。 本発明における別の回転角検出装置の例で、(a),(b)は、回転角検出装置の構成と、回転角検出装置に対してロータの突起部が異なる位置にある場合の磁束の様子を示している。 (a)〜(c)は、図9に示した回転角検出装置を、別のロータの回転角検出に適用した例である。 (a),(b)は、図10におけるバイアス磁界の強さの経時変化を模式的に示したグラフで、(a),(b)は、それぞれ、ロータの正回転と逆回転に対応している。 本発明における別の回転角検出装置の例で、(a),(b)は、回転角検出装置の構成と、回転角検出装置に対してロータの突起部が異なる位置にある場合の磁束の様子を示している。また、(c)は磁気抵抗素子の組み合わせからなるブリッジの等価回路図であり、(d)は(c)のブリッジの中点電位の経時変化を示す図である。 本発明における別の回転角検出装置の例で、(a)〜(c)は、回転角検出装置の構成と、回転角検出装置に対してロータの突起部が異なる位置にある場合の磁束の様子を示している。また、(d)は磁気抵抗素子の組み合わせからなるブリッジの等価回路図であり、(e)は(d)のブリッジの中点電位の経時変化を示す図である。 従来の回転角検出装置の例で、(a)は、ロータと回転角検出装置の模式的な配置図である。(b)は、(a)の破線で囲った部分の拡大図で、図中の各状態は、ロータの突起部が回転に伴って左から右に移動する様子を示している。(c)は、それぞれ、ロータの回転に伴う磁気振れ角信号、差動振れ角信号およびセンサ出力信号の経時変化を示す図である。 (a)は、ロータと図14の回転角検出装置との配置関係の詳細を模式的に示す図であり、(b)は、図14(c)の中段と同様の差動振れ角信号の経時変化を示す図である。
符号の説明
10〜12 ロータ
10t〜12t 突起部
20,30,・・・ ,120 回転角検出装置
21,31 磁石
22a,22b,32,32m,32n 磁気センサ素子
34,44,・・・ ,124 磁束誘導部
34G1,34G2,44G1,・・・ ,124G2 ギャップ
B1〜B6 バイアス磁界(磁束)

Claims (17)

  1. 回転するロータの最外周軌道に近接して配置され、バイアス磁界の変化により前記ロータの回転角を検出する回転角検出装置であって、
    前記バイアス磁界を発生する磁石と、前記バイアス磁界の変化を検出する磁気センサ素子と、前記バイアス磁界の磁束を誘導する磁束誘導部とを有してなり、
    前記磁束誘導部を通る磁束の経路が、2つの環状経路が連結した8字形状の経路からなり、
    前記磁石と前記磁気センサ素子とが、それぞれ、前記2つの環状経路の所定位置に挿入配置されると共に、前記2つの環状経路のそれぞれに、前記磁束誘導部の隙間からなるギャップが形成され、
    前記ギャップの少なくとも一つが、前記ロータの最外周軌道に最近接して配置されてなる回転検出ギャップであることを特徴とする回転角検出装置。
  2. 前記磁束誘導部の比透磁率が、100以上であることを特徴とする請求項1に記載の回転角検出装置。
  3. 前記磁束誘導部が、42アロイ、パーマロイまたはスーパーマロイからなることを特徴とする請求項2に記載の回転角検出装置。
  4. 前記回転検出ギャップ周りの磁束誘導部先端が、当該回転角検出装置のハウジングから突出形成されてなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の回転角検出装置。
  5. 前記ロータに対向する前記回転検出ギャップ周りの磁束誘導部先端が、ロータの回転軸を中心とする円弧形状からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の回転角検出装置。
  6. 前記ロータに対向する前記回転検出ギャップ周りの磁束誘導部先端が、ロータに向かって先細に形成されてなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の回転角検出装置。
  7. 前記回転するロータが、前記回転検出ギャップを横切ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の回転角検出装置。
  8. 前記回転検出ギャップが、前記環状経路の直線部に配置され、
    前記回転するロータが、前記直線部を横切ることを特徴とする請求項7に記載の回転角検出装置。
  9. 前記回転検出ギャップが、前記環状経路の角部に配置され、
    前記回転するロータが、前記角部を横切ることを特徴とする請求項7に記載の回転角検出装置。
  10. 前記回転検出ギャップが、前記2つの環状経路のそれぞれに形成されてなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の回転角検出装置。
  11. 前記磁石が、前記磁束誘導部に勘合配置されてなることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の回転角検出装置。
  12. 前記磁石が、前記8字形状の経路の交差部に配置されてなることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の回転角検出装置。
  13. 前記磁石が、前記ロータから最遠方に配置されてなることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の回転角検出装置。
  14. 前記磁気センサ素子が、前記ロータから最遠方に配置されてなることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の回転角検出装置。
  15. 前記磁気センサ素子周りの磁束誘導部先端が、前記磁気センサ素子に向かって先細に形成されてなることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載の回転角検出装置。
  16. 前記磁気センサ素子が、ホール素子であることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載の回転角検出装置。
  17. 前記磁気センサ素子が、磁気抵抗素子の組み合わせからなるブリッジであり、
    当該ブリッジが、前記8字形状の経路の分岐点に配置されてなることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載の回転角検出装置。
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