JP2014062831A - 磁気検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】バイアス磁石における中空部への磁気抵抗素子の高精度な組み付けを必要とせずに、高感度でありながら誤検出を抑制する。
【解決手段】磁気抵抗素子(31、41)と、磁気抵抗素子に対しバイアス磁界を発生するバイアス磁石(10)と、磁気抵抗素子の抵抗値が変化することにより、被検出対象の運動を検知する制御部(50、60)とを備える。バイアス磁石は中空形状であり、磁気抵抗素子はバイアス磁石の中空部(11)内に設けられている。磁気抵抗素子は、第1の磁気抵抗素子(41)と、第1の磁気抵抗素子よりも被検出対象側に配置された第2の磁気抵抗素子(31)とを有している。制御部は、第2の磁気抵抗素子に印加される磁束密度が飽和磁束密度以上である場合には、第2の磁気抵抗素子の使用し、第2の磁気抵抗素子に印加される磁束密度が飽和磁束密度未満である場合には、第1の磁気抵抗素子を使用する。
【選択図】図2

Description

この発明は、磁界変化によって磁気抵抗素子の抵抗値が変化することを利用して磁気変化を検出する磁気検出装置に関する。
従来、特許文献1のような磁気センサが知られている。この磁気センサは、バイアス磁石に中空部が被検出対象である歯車形状のロータにおける外周面に向かって伸びるように形成され、その中空部の内部空間内に磁気抵抗素子が配置されている。この磁気抵抗素子は、バイアス磁石の中空部の開口部のうち、被検出対象と対向する開口部側に配置されている。この磁気センサでは、バイアス磁石の中空部の内部空間内において、被検出対象と対向しているバイアス磁石の開口部側に近づけて磁気抵抗素子が配置されることで、磁気センサの磁気検出感度が向上している。この磁気センサは、被検出対象であるロータの回転に伴う、磁気抵抗素子に印加される磁気ベクトルの振れ角の変化を検出することで、ロータの運動を検出するものである。
特開平7−333236号公報
ここで、特許文献1のような磁気センサは、磁気抵抗素子に磁気抵抗素子の飽和磁束密度以上の磁束密度が印加された状態で使用される。飽和磁束密度とは、磁気抵抗素子において、それ以上の磁束密度が印加されても、印加される磁気ベクトルの大きさの変化に対する感度が飽和する磁束密度である。したがって、この磁気センサでは、磁気抵抗素子に印加される磁気ベクトルの大きさの影響を受けずに、磁気抵抗素子に印加される磁気ベクトルの振れ角の変化によってのみ、磁気抵抗素子の抵抗値の変化が起こる。その結果、磁気抵抗素子に印加される磁気ベクトルの振れ角の変化、つまり、ロータの運動をより精密に検出できるようになっている。
しかし、特許文献1に記載のバイアス磁石では、被検出対象と対向しているバイアス磁石の開口部側に近づくほど磁力が低下しており、磁気抵抗素子の飽和磁束密度以下の領域が存在する。したがって、バイアス磁石の中空部のうち、被検出対象と対向する側のバイアス磁石の開口部側に磁気抵抗素子が配置されると、磁気抵抗素子がその磁気抵抗素子の飽和磁束密度以下の領域に入ってしまうことがある。磁気抵抗素子がその磁気抵抗素子の飽和磁束密度以下の領域に入った場合、磁気抵抗素子の抵抗値の変化が、磁気ベクトルの振れ角の変化によるものなのか、それとも、磁気ベクトルの大きさの変化によるものなのかが分からなくなる。よって、磁気抵抗素子がその磁気抵抗素子の飽和磁束密度未満の領域に入ることにより、磁気センサの出力に誤りが生じる虞がある。
ここで、磁気抵抗素子がその磁気抵抗素子の飽和磁束密度以下の領域に入らないようにするために、磁気抵抗素子を精確にバイアス磁石の中空部における所望の位置に組み付け、さらに、そのバイアス磁石をロータとの位置関係を精確にして組み付ければ、磁気抵抗素子がその磁気抵抗素子の飽和磁束密度以下の領域に入ることを防止することができることも考えられる。しかし、「磁気抵抗素子を精確にバイアス磁石の中空部における所望の位置に組み付けること」や「バイアス磁石をロータとの位置関係を精確にして組み付けること」には、組み付け公差を精確に管理しなければならないことが懸念される。
さらに、バイアス磁石とロータとの組み付けには多数の部品が介在することから、バイアス磁石とロータとの位置関係は多数の部品の位置関係や大きさ等の影響を受けることが多い。よって、「バイアス磁石をロータとの位置関係を精確にして組み付けること」はより一層の組み付け公差の管理が困難となる。したがって、特に、バイアス磁石をロータとの位置関係を精確にして組み付けることは、公差を厳しく管理しなければならない場合が多く、製造のコストが増大する虞がある。
そこで、本発明は上記問題点を鑑み、バイアス磁石における中空部への磁気抵抗素子の高精度な組み付けを必要とせずに、高感度でありながら誤検出が抑制された磁気検出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、磁界の変化に応じて抵抗値が変化する磁気抵抗素子と、磁気抵抗素子に対しバイアス磁界を発生するバイアス磁石と、被検出対象の運動によるバイアス磁界の変化に応じて、磁気抵抗素子の抵抗値が変化することにより、被検出対象の運動を検知し、その検知に応じた出力信号を生成する制御部と、を備える磁気検出装置であって、バイアス磁石は、被検出対象に向かって伸びる中空部が形成された中空形状であり、磁気抵抗素子は、バイアス磁石の中空部内に設けられており、磁気抵抗素子は、第1の磁気抵抗素子と、第1の磁気抵抗素子よりも被検出対象側に配置された第2の磁気抵抗素子とを有しており、制御部は、被検出対象の運動を検知するために使用する素子として、第1及び第2の磁気抵抗素子のうちどちらか一方の磁気抵抗素子を選択する素子選択手段を有しており、選択手段は、第2の磁気抵抗素子に印加される磁束密度が飽和磁束密度以上である場合には、第2の磁気抵抗素子の使用を選択し、第2の磁気抵抗素子に印加される磁束密度が飽和磁束密度未満である場合には、第1の磁気抵抗素子の使用を選択することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、第2の磁気抵抗素子に印加される磁束密度が飽和磁束密度未満である場合でも、第2の磁気抵抗素子よりも被検出対象から離れている第1の磁気抵抗素子を用いて、被検出対象の運動を検出することができる。つまり、第2の磁気抵抗素子に印加される磁束密度が飽和磁束密度未満となり、第2の磁気抵抗素子を使用すると被検出対象の運動を誤検出する場合でも、被検出対象の運動を検出することができる。
したがって、本発明によれば、被検出対象の運動の誤検出を抑制できる。
また、本発明によれば、第2の磁気抵抗素子が、磁束密度が飽和磁束密度未満の領域に入ったとしても、第1の磁気抵抗素子を用いて被検出対象の運動を検出できるので、従来のように、第2の磁気抵抗素子が、磁束密度が飽和磁束密度未満の領域に入ることを恐れる必要がない。したがって、本発明によれば、第2の磁気抵抗素子をバイアス磁石の中空部における被検出対象に近い方の端部に近づけて配置することができ、被検出対象の運動の検出感度を向上できる。
また、本発明によれば、従来のように、第2の磁気抵抗素子が、磁束密度が飽和磁束密度未満の領域に入ることを恐れる必要がないので、第1及び第2の磁気抵抗素子をバイアス磁石の中空部へ組み付ける際、及び、そのバイアス磁石を被検出対象と対向するように組み付ける際において、組み付け公差を広い範囲で許容することができ、製造コストが低減できる。
本発明に係る磁気検出装置と被検出対象のロータとの位置関係を示す模式図である。 第1実施形態に係る磁気検出装置の断面模式図である。 第1実施形態に係る磁気検出装置の回路図である。 (a)本発明に係る磁気抵抗素子に磁気ベクトルが印加されている様子を示す模式図である。(b)本発明に係る磁気抵抗素子に印加される磁気ベクトルの入射角とその磁気抵抗素子の抵抗値との関係を示すグラフである。(c)本発明に係る磁気抵抗素子の抵抗値の変化を示すグラフである。 本発明に係る磁気検出装置のバイアス磁石の中空部における磁束密度不足領域がロータの動きによって変化することを示す模式図である。 第2実施形態に係る磁気検出装置の回路図である。 (a)第2実施形態に係る磁気検出装置における高感度用磁気検出部及びバックアップ用磁気検出部の出力信号を示した図である。(b)第2実施形態に係る磁気検出装置におけるバックアップ用磁気検出部の出力信号を示した図である。(c)第2実施形態に係る磁気検出装置における高感度用磁気検出部の出力信号を示した図である。 他の実施形態に係る磁気検出装置の断面図である。 他の実施形態に係る磁気検出装置のセンサチップを示す断面図である。
(第1実施形態)
図1及び図2に示されているように、本実施形態における磁気検出装置100はロータ700の外周面710に対向するように配置されている。ロータ700は被検出対象である。図2において、ロータ700付近の矢印はロータ700の回転方向を示す。ロータ700の外周面710には、歯711が多数、断続的に形成されている。
磁気検出装置100は、バイアス磁界を発生するバイアス磁石10と、バイアス磁界の変化を検出する素子が設けられたセンサチップ20とを備えている。バイアス磁界は、被検出対象であるロータ700の回転に伴い変化する。センサチップ20には、バイアス磁界の変化を検出する高感度用磁気検出部30及びバックアップ用磁気検出部40と、高感度用磁気検出部30に印加される磁束が不足しているか否かを検出する磁束不足検出部50とが設けられている。さらに、センサチップ20には、磁束不足検出部50の出力に応じて、使用する磁気検出部を選択する信号切り替えスイッチ60と、センサ出力信号を生成するための信号処理を行う信号処理部70とが設けられている。
バイアス磁石10は円筒形状をなし、その中央部には、バイアス磁石の伸びる方向に垂直な方向で切ったときの断面が長方形である貫通孔がバイアス磁石10の長手方向に伸びるように形成され、その貫通孔が中空部11を形成している。バイアス磁石10は、バイアス磁石10の一方の端面12がN極、他方の端面13がS極となるように着磁されており、N極が着磁された端面12がロータ700の外周面710と対向するように、かつ、中空部11の中心軸A上に概ねロータ700の回転軸が位置するように配置されている。
センサチップ20は、バイアス磁界の変化を検出する素子、つまり、高感度用磁気検出部30と、バックアップ用磁気検出部40と、磁束不足検出部50と、信号切り替えスイッチ60と、信号処理部70とがモールドされたものである。センサチップ20は、バイアス磁石10の中空部11に挿入され、図示しない手段、例えば、樹脂でバイアス磁石に固定されている。
高感度用磁気検出部30には、複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dとで構成された高感度用ブリッジ回路31と、高感度用ブリッジ回路31の2点の電位の差を増幅して出力する差動増幅回路32とが設けられている。
複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dは、それぞれの素子形成面がバイアス磁石10の端面13に略垂直となるように配置されている。なお、それぞれの素子形成面はセンサチップの主面である。この複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dのうち、対となる磁気抵抗素子31a、bと、他の対となる磁気抵抗素子31c、dとは、それぞれハの字を形成するように配置されている。すなわち、複数の磁気抵抗素子31a、cがそれぞれ中空部11の中心軸A方向に対して、ロータ700の回転方向を正として45°傾けて配置されている。一方、複数の磁気抵抗素子31b、dがそれぞれ中空部11の中心軸A方向に対して、ロータ700の回転方向に−45°傾けて配置されている。この複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dがなす2つのハの字は、中空部11の中心軸Aに対して線対称となるように配置されている。
高感度用ブリッジ回路31の回路構成については、図3のように、直列に接続された複数の磁気抵抗素子31a、bと、直列に接続された複数の磁気抵抗素子31c、dとが並列で接続されている。さらに、所定電圧が印加されることにより、電流が磁気抵抗素子31aから磁気抵抗素子31bに、及び、磁気抵抗素子31cから磁気抵抗素子31dに流れるように構成されている。
差動増幅回路32は、複数の磁気抵抗素子31a、bの間の電位と、複数の磁気抵抗素子31c、dの間の電位との差を増幅して、高感度用磁気検出部30の出力として出力するように構成されている。
一方、バックアップ用磁気検出部40には、複数の磁気抵抗素子41a、b、c、dとで構成されたバックアップ用ブリッジ回路41と、バックアップ用ブリッジ回路41の2点の電位の差を増幅して出力する差動増幅回路42とが設けられている。
バックアップ用ブリッジ回路41を構成する複数の磁気抵抗素子41a、b、c、dは、高感度用ブリッジ回路31を構成する複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dに対して、それぞれバイアス磁石10の中空部11の中心軸A方向におけるロータ700から離れる方向にずれて配置されている。つまり、複数の磁気抵抗素子41a、b、c、dは、それぞれ対応する複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dに対して、中心軸A方向に所定距離で離れて配置されている。
この複数の磁気抵抗素子41a、b、c、dは、複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dと同様に、それぞれの素子形成面がバイアス磁石10の端面13に略垂直となるように配置されている。対となる磁気抵抗素子41a、bと、他の対となる磁気抵抗素子41c、dとはそれぞれハの字を形成するように配置されている。この2つのハの字は、中空部11の中心軸Aに対して線対称となるように配置されている。
バックアップ用ブリッジ回路41の回路構成については、高感度用ブリッジ回路31と同様に、直列に接続された複数の磁気抵抗素子41a、bと、直列に接続された複数の磁気抵抗素子41c、dとが並列で接続されている。さらに、所定電圧が印加されることにより、電流が磁気抵抗素子41aから磁気抵抗素子41bに、及び、磁気抵抗素子41cから磁気抵抗素子41dに流れるように構成されている。
差動増幅回路42は、複数の磁気抵抗素子41a、bの間の電位と、複数の磁気抵抗素子41c、dの間の電位との差を増幅して、バックアップ用磁気検出部40の出力として出力するように設けられている。
磁束不足検出部50には、複数の磁束不足検出用磁気抵抗素子51a、bと、磁束不足検出回路52とが設けられている。複数の磁束不足検出用磁気抵抗素子51a、bは、高感度用ブリッジ回路31を構成する複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dに対して、バイアス磁石10の中空部11の中心軸A方向における、ロータ700に近づく方向にずれて配置されている。複数の磁束不足検出用磁気抵抗素子51a、bは、バイアス磁石10の中空部11の中心軸A方向に対して垂直となり、かつ、中空部11の中心軸Aに対して線対称になるように配置されている。
磁束不足検出部50の回路構成については、複数の磁束不足検出用磁気抵抗素子51a、bにはそれぞれ所定電圧が印加され、複数の磁束不足検出用磁気抵抗素子51a、bの出力電圧が磁束不足検出回路52に入力されている。磁束不足検出回路52は、その入力された電圧に基づき、スイッチ切り替え信号を生成する。
信号切り替えスイッチ60には、高感度用磁気検出部30及びバックアップ用磁気検出部40の出力信号と、磁束不足検出回路52が生成するスイッチ切り替え信号が入力されている。信号切り替えスイッチ60は、スイッチ切り替え信号に基づいて、高感度用磁気検出部30またはバックアップ用磁気検出部40の出力信号を出力する。
信号切り替えスイッチ60の出力信号は、信号処理部70により整形されて、磁気検出装置100の出力信号として出力される。信号処理部70の実装例としては、図3に記載されているような、差動増幅回路と抵抗とで構成されるものがある。
次に、本実施形態に係る磁気検出装置100の作動について述べる。
バイアス磁石10の中空部11内におけるバイアス磁界の磁気ベクトルの方向は、中空部11の中心軸Aに平行で、被検出対象のロータ700から離れる方向に向いている。高感度用ブリッジ回路31を構成する複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dは、それぞれ、中空部11の中心軸A方向に対して、ロータ700の回転方向を正として45°または−45°傾けて配置されている。よって、複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dに印加される磁気ベクトルの入射角度は45°となる。この複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dに印加される磁気ベクトルの入射角は、被検出対象のロータ700の運動により、すなわち、ロータ700に形成された多数の歯711の移動により変化する。
複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dは、印加される磁気ベクトルの入射角に応じて、その抵抗値が変動する。その抵抗値の変動の仕方について、図4(a)及び図4(b)を用いて説明する。
図4(a)は、本実施形態に係る磁気抵抗素子31aに磁気ベクトルが印加されている様子を示している。ここでは、磁気抵抗素子31aを取り上げて説明するが、他の磁気抵抗素子も同様の性質を有する。図4(a)において、破線の矢印は磁気抵抗素子31aに流れる電流の方向を、実線の矢印は磁気抵抗素子31aに印加されている磁気ベクトルの方向を示している。入射角θは電流方向と磁気ベクトルとでなす角を示している。磁気抵抗素子31aの抵抗値は入射角θの変化に伴い、図4(b)のように変化する。
複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dに印加される磁気ベクトルの入射角θの変動は、差動増幅回路32の出力信号から検出され、その結果、ロータ700の運動が検出される。また、バックアップ用磁気検出部40も、高感度用磁気検出部30と同様の回路構成を有するため、ロータ700の運動に応じた出力信号を出力する。
ここで、図5は、バイアス磁石10の端面12付近にある磁束密度不足領域、つまり、複数の磁気抵抗素子31aの飽和磁束密度未満である領域を示している。磁束密度不足領域は破線で囲まれた領域Aである。この磁束密度不足領域は、ロータ700の歯711の運動に伴い変化する。ロータ700の歯711が端面12に近づくと、磁束密度不足領域は図5中の実線で囲まれた領域Bへ移動する。つまり、ロータ700の歯711が端面12に近づくと、磁束密度不足領域は中空部11の内部、つまり、端面12から他方の端面13への方向に移動する。その磁束密度不足領域の移動に伴い、磁気抵抗素子31aが、その磁束密度不足領域に入った場合、磁気抵抗素子31aに印加される磁束密度は飽和磁束密度未満になる。他の磁気抵抗素子に対しても、同様に、磁束密度不足領域があり、その磁束密度不足領域は、ロータ700の運動により、同様に移動し、その磁気抵抗素子が磁束密度不足領域に入ることがある。
複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dや他の磁気抵抗素子の抵抗値は、それらに印加される磁気ベクトルが磁気抵抗素子の飽和磁束密度未満である場合には、印加される磁気ベクトルの磁気抵抗素子への入射角θだけでなく、磁気ベクトルの大きさによっても変動する。
図4(c)は、磁気抵抗素子31aについて、その性質を示したグラフである。他の磁気抵抗素子も同様の性質を有する。図4(c)において、実線で示す曲線aは、磁気抵抗素子31aに印加される磁気ベクトルが飽和磁束密度以上のときのグラフである。破線で示す曲線bは、磁気抵抗素子31aに印加される磁気ベクトルが飽和磁束密度未満のある大きさのときのグラフである。一点鎖線で示す曲線cは、磁気抵抗素子31aに印加される磁気ベクトルが、曲線bのときよりもさらに小さいときのグラフである。
図4(c)が示すように、磁気抵抗素子31aに印加される磁気ベクトルが飽和磁束密度以上のとき、磁気抵抗素子31aの抵抗値は曲線aのように一様に変化する。しかし、磁気抵抗素子31aに印加される磁気ベクトルが飽和磁束密度未満である場合、磁気抵抗素子31aの抵抗値の変化を表すグラフの曲線は、磁気ベクトルの大きさが小さくなるにしたがって、曲線の変化が緩くなっていく。
したがって、磁気抵抗素子31aに印加される磁気ベクトルが飽和磁束密度未満である場合、磁気抵抗素子31aの抵抗値の変化が、入射角θの変化と対応しないときがある。つまり、磁気抵抗素子31aの抵抗値が、磁気ベクトルの大きさに影響を受ける場合がある。そのため、入射角θの変化と対応しない磁気抵抗素子31aの抵抗値に基づいて、ロータ700の運動を検出すると、ロータ700の運動を誤って検出してしまう虞がある。
そのため、本実施形態の磁気検出装置100では、磁気不足検出部50が、高感度用磁気検出部30の複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dに印加される磁束密度が飽和磁束密度以上か否かを検知する。そして、複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dに印加される磁束密度が飽和磁束密度以上であると検知した場合には、高感度用磁気検出部30の出力に基づき、ロータ700の運動を検出する。一方、複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dに印加される磁束密度が飽和磁束密度以上でない、つまり、複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dに印加される磁束密度が飽和磁束密度未満であると検知した際には、バックアップ用磁気検出部40の出力に基づき、ロータ700の運動を検出する。
具体的には、磁束不足検出部50では、ロータ700の運動に伴うバイアス磁界の変動によって、複数の磁束不足検知用磁気抵抗素子51a、bに印加される磁気ベクトルが変化し、複数の磁束不足検知用磁気抵抗素子51a、bの抵抗値が変動する。磁束不足検出回路52は、その複数の磁束不足検知用磁気抵抗素子51a、bの抵抗値の変動を検知する。そして、磁束不足検出回路52は、高感度用磁気検出部30の複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dに印加される磁束密度が、その複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dの飽和磁束密度以上である、つまり、高感度用磁気検出部30の出力信号を使用する場合か否かを判定し、信号切り替えスイッチ60にスイッチ切り替え信号を出力する。
ここで、複数の磁束不足検知用磁気抵抗素子51a、bは、バイアス磁石10の中空部11の中心軸Aに対して、垂直となるように配置されているので、複数の磁束不足検知用磁気抵抗素子51a、bに印加されるバイアス磁界の磁気ベクトルの入射角θは90°となる。図4(b)に示されているように、複数の磁束不足検知用磁気抵抗素子51a、bに印加される磁気ベクトルの入射角θが90°のとき、複数の磁束不足検知用磁気抵抗素子51a、bの抵抗値は、入射角θの変動に対する感度が低い。よって、複数の磁束不足検知用磁気抵抗素子51a、bの抵抗値は、印加される磁気ベクトルの入射角θに対する感度が低い、つまり、入射角θの影響を受けない。また、図4(c)のように、複数の磁束不足検知用磁気抵抗素子51a、bの抵抗値は、印加される磁束密度が飽和磁束密度以上のときは変動しないが、飽和磁束密度未満のときは磁束密度が低下するに伴いその抵抗値は増加する。
よって、複数の磁束不足検知用磁気抵抗素子51a、bの抵抗値は、印加される磁気ベクトルの大きさによってのみ変化する。したがって、複数の磁束不足検知用磁気抵抗素子51a、bの抵抗値に基づいて、高感度用磁気検出部30の複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dに印加される磁束密度が飽和磁束密度以上か否かを検知する。
また、信号切り替えスイッチ60は、入力されるスイッチ切り替え信号に基づき、高感度用磁気検出部30の出力信号またはバックアップ用磁気検出部40の出力信号を信号処理部70に出力する。
信号処理部70は、入力される信号切り替えスイッチ60の出力信号を信号処理、例えば、出力信号を増幅させる等を行い、磁気検出装置100の出力として出力する。
次に、本実施形態における磁気検出装置100の効果について説明する。
ロータ700の運動に伴い、磁束密度不足領域が中空部11の内側に移動し、高感度用磁気検出部30の複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dが磁束密度不足領域に入った場合には、複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dに印加される磁束密度が飽和磁束密度未満になる。よって、高感度用磁気検出部30の出力に基づきロータ700の運動を検出しようとすると、ロータ700の運動を誤って検出する虞がある。
しかし、本実施形態の磁気検出装置100では、高感度用磁気検出部30の複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dが磁束密度不足領域に入った場合には、バックアップ用磁気検出部40を用いる。バックアップ用磁気検出部40の複数の磁気抵抗素子41a、b、c、dは、高感度用磁気検出部30の複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dよりも、ロータ700から離れる方向にずれて配置されている。したがって、本実施形態の磁気検出装置100によれば、高感度用磁気検出部30の複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dが磁束密度不足領域に入った場合でも、バックアップ用磁気検出部40の複数の磁気抵抗素子41a、b、c、dを用いてロータ700の運動を検出できるので、ロータ700の運動の誤検出を抑制できる。
また、従来の磁気検出装置100では、ロータ700の動きに対する感度向上のため、高感度用磁気検出部30の複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dを、バイアス磁石10の端面12に近接するように配置することも考えられる。この場合、上記説明のように、バイアス磁石10の端面12付近にある磁束密度不足領域に入り、複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dに印加される磁束密度が飽和磁束密度未満になることが懸念される。よって、複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dを、バイアス磁石10の端面12に近づくように配置することができない。しかし、本実施形態に係る磁気検出装置100によれば、高感度用磁気検出部30が使用できない場合でも、バックアップ用磁気検出部40を用いて、ロータ700の運動を検出できる。よって、この磁気検出装置100では、高感度用磁気検出部30の複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dを、バイアス磁石10の端面12に近接するように配置し、ロータ700の動きに対する感度を向上することができる。
また、従来のような磁気検出装置100では、磁気検出部が一つしか設けられておらず、バックアップ用磁気検出部40が設けられていなかった。このような磁気検出装置100では、その磁気検出部の磁気抵抗素子が磁束密度不足領域に入らないよう、磁気抵抗素子の組付けを、バイアス磁石10及びロータ700に対する位置関係を精確にして行わなければならなかった。具体的には、磁気抵抗素子を精確にバイアス磁石10の中空部11における所望の位置に組み付け、さらに、そのバイアス磁石10をロータ700との位置関係を精確にして組み付けなければならなかった。
しかし、本実施形態に係る磁気検出装置100では、高感度用磁気検出部30のほかに、バックアップ用磁気検出部40が設けられている。よって、高感度用磁気検出部30の複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dが磁束密度不足領域に入ったとしても、バックアップ用磁気検出部40によりロータ700の運動の検出が可能である。したがって、この実施形態に係る磁気検出装置100によれば、従来のように、バイアス磁石10及びロータ700に対する位置関係を精確にして、磁気抵抗素子を組み付けることを必要とせずに、ロータ700の運動を検出できる。つまり、磁気抵抗素子を精確にバイアス磁石10の中空部11における所望の位置に組み付け、さらに、そのバイアス磁石10をロータ700との位置関係を精確にして組み付けることを必要とせずに、ロータ700の運動を検出できる。その結果、複数の磁気抵抗素子31a、b、c、d及び41a、b、c、dをバイアス磁石10の中空部11へ組み付ける際や、そのバイアス磁石10をロータ700と対向するように組み付ける際において、許容できる組み付け公差を広くすることができ、製造のコストが低減できる。
また、本実施形態の磁気検出装置100では、複数の磁束不足検知用磁気抵抗素子51a、bは、バイアス磁石10の中空部11の中心軸Aに対して、垂直となるように配置されている。よって、複数の磁束不足検知用磁気抵抗素子51a、bに印加されるバイアス磁界の磁気ベクトルの入射角θは90°となる。図4(b)に示されているように、複数の磁束不足検知用磁気抵抗素子51a、bに印加される磁気ベクトルの入射角θが90°のとき、この複数の磁束不足検知用磁気抵抗素子51a、bの抵抗値は、入射角θの変動に対して変化せず、感度が低い。つまり、この複数の磁束不足検知用磁気抵抗素子51a、bの抵抗値は、入射角θの影響を受けず、印加される磁気ベクトルの大きさによってのみ変化する。したがって、本実施形態の磁気検出装置100では、複数の磁束不足検知用磁気抵抗素子51a、bの抵抗値に基づいて、高感度用磁気検出部30の複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dに印加される磁束密度が飽和磁束密度以上か否かを、入射角θの影響を受けずに、高精度に検知することができる。
また、本実施形態に係る磁気検出装置100では、複数の磁気抵抗素子31a、b、c、d及び41a、b、c、dは、それぞれ、中空部11の中心軸A方向に対して、ロータ700の回転方向を正として45°または−45°傾けて配置されている。よって、複数の磁気抵抗素子31a、b、c、d及び41a、b、c、dに印加されるバイアス磁界の磁気ベクトルの入射角θは45°周辺となる。ここで図4(b)が示すように、複数の磁気抵抗素子31a、b、c、d及び41a、b、c、dは、印加される磁気ベクトルの入射角θが45°周辺で変化するとき、磁気抵抗素子の抵抗値が大きく変動する、つまり、入射角θに対する感度が高い。したがって、本実施形態に係る磁気検出装置100によれば、複数の磁気抵抗素子31a、b、c、d及び41a、b、c、dに印加されるバイアス磁界の磁気ベクトルの入射角θは45°周辺となるので、複数の磁気抵抗素子31a、b、c、d及び41a、b、c、dの入射角θに対する感度を向上できる。つまり、この磁気検出装置100によれば、ロータ700の運動を高精度に検出できる。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る磁気検出装置200を、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。図6のように、第2実施形態の磁気検出装置200は、第1実施形態と異なり、複数の磁束不足検出用磁気抵抗素子51a、bが設けられていない。この磁気検出装置200では、高感度用磁気検出部30の複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dに印加されるバイアス磁界の磁束密度が、その複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dの飽和磁束密度以上か否かを、高感度用磁気検出部30及びバックアップ用磁気検出部40の出力に基づき行う。
図6を用いて作動原理を説明する。ここでは、高感度用磁気検出部30の複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dに印加される磁束密度が、飽和磁束密度以上である場合及び飽和磁束密度未満である場合を考える。それぞれの場合における、高感度用磁気検出部30の出力信号とバックアップ用磁気検出部40の出力信号とを比較する。
ここで、両磁気検出部30及び40の出力信号は、その出力信号が扱われる外部機器において、ある閾値を基準に、H(High)またはL(Low)の二値化されて扱われている。
図7(a)は、高感度用磁気検出部30の複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dに印加されるバイアス磁界の磁束密度が飽和磁束密度以上である場合における、高感度用磁気検出部30及びバックアップ用磁気検出部40の出力信号を示している。図7(a)において、実線は閾値を、一点鎖線は高感度用磁気検出部30の出力信号を、二点鎖線はバックアップ用磁気検出部40の出力信号を示している。両磁気検出部30及び40の出力信号における、二値化されたときの挙動は同期している。つまり、高感度用磁気検出部30の出力がHのとき、バックアップ用磁気検出部40の出力もHとなり、一方、高感度用磁気検出部30の出力がLのとき、バックアップ用磁気検出部40の出力もLとなっている。
次に、高感度用磁気検出部30の複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dに印加されるバイアス磁界の磁束密度が、複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dの飽和磁束密度未満である場合を説明する。この場合における、バックアップ用磁気検出部40の出力信号を図7(b)に、高感度用磁気検出部30の出力信号を図7(c)に示している。図7(b)及び図7(c)においても、図7(a)と同様に、実線は閾値を、一点鎖線は高感度用磁気検出部30の出力信号を、二点鎖線はバックアップ用磁気検出部40の出力信号を示している。
図7(b)及び図7(c)を比較すると、ロータ700の歯711の近接時において、バックアップ用磁気検出部40の出力信号はHであるが、高感度用磁気検出30の出力信号がLであるときがある。これは、高感度用磁気検出部30の複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dに印加されるバイアス磁界の磁束密度が、複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dの飽和磁束密度未満となっていることによる。つまり、複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dにおけるバイアス磁界の磁気ベクトルの入射角θに対する感度が下がったことによる。
そこで、本実施形態の磁気検出装置200は、バックアップ用磁気検出部40の出力信号はHであるが、高感度用磁気検出30の出力信号がLである場合を検出する。そして、その場合を検出した際、磁気検出装置200は、高感度用磁気検出部30の複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dに印加されるバイアス磁界の磁束密度が、複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dの飽和磁束密度未満であると認識する。そして、磁気検出装置200は、高感度用磁気検出部30ではなく、バックアップ用磁気検出部40の出力を使用し、ロータ700の運動を検出する。
一方、磁気検出装置200は、バックアップ用磁気検出部40の出力信号がHであるが、高感度用磁気検出部30の出力信号がLである場合を検出していないときでは、高感度用磁気検出部30の出力を使用し、ロータ700の運動を検出する。
本実施形態の磁気検出装置200によれば、第1実施形態の磁気検出装置100のように、複数の磁束不足検出用磁気抵抗素子51a、bを設けること無く、第1実施形態と同様の効果が得られ、第1実施形態に比べ製造の簡素化やコストダウンが図れる。
(他の実施形態)
第1実施形態では、バックアップ用磁気検出部40は1つであったが、図8のように、さらに複数の磁気抵抗素子91a、b、c、dを備えた第2バックアップ用磁気検出部90を設けてもよい。複数の磁気抵抗素子91a、b、c、dは、バックアップ用磁気検出部40の複数の磁気抵抗素子41a、b、c、dに対して、ロータ700から離れる側に配置する。これにより、高感度用磁気検出部30の複数の磁気抵抗素子31a、b、c、d及びバックアップ用磁気検出部40の複数の磁気抵抗素子41a、b、c、dが磁束密度不足領域に入ったとしても、第2バックアップ用磁気検出部90を用いて、ロータ700の運動の検知を継続することができる。したがって、ロータ700の運動の誤検出をさらに抑制できる。
また、第1実施形態では、バックアップ用磁気検出部40の複数の磁気抵抗素子41a、b、c、dを、高感度用磁気検出部30の複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dに対して、ロータ700から離れる方向に配置していたが、他の配置でもよい。例えば、図9のように、2つのハの字状に配置された複数の磁気抵抗素子41a、b及び複数の磁気抵抗素子41c、dを、その2つのハの字が、2つのハの字状に配置された複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dを挟むように配置してもよい。磁束密度不足領域は、図5のように、中空部11の中心軸Aから離れるほど狭くなり、端面12付近の狭い範囲にしか存在しない。よって、このように複数の磁気抵抗素子41a、b、c、dを配置すれば、複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dが磁束密度不足領域に入ったとしても、複数の磁気抵抗素子41a、b、c、dはその領域に入らず、ロータ700の運動の検知を継続することができる。
また、第1実施形態では、磁気不足検出用磁気抵抗素子51a、bを用いていたが、高感度用磁気検出部30の複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dに印加される磁束密度が、複数の磁気抵抗素子31a、b、c、dの飽和磁束密度以上か否かを検出できるものであれば、他の手段を用いてもよい。例えば、磁界を検出できるセンサであるホールセンサ、GMRセンサ、TMRセンサ等を用いてもよい。
第1実施形態では、バイアス磁石10の形状は円柱形状としていたが、円柱以外の形状、例えば、対向して配置された二枚の長方形の板状の磁石で構成されたバイアス磁石10でもよい。
また、第1実施形態では、バイアス磁石10の中空部11は、バイアス磁石10が伸びる方向に垂直な方向で切ったときの断面が長方形である貫通孔であったが、他の形状、例えば、その断面が円の貫通孔でもよい。
10・・・バイアス磁石、11・・・中空部、31・・・高感度用ブリッジ回路、31a、b、c、d・・・磁気抵抗素子、41・・・バックアップ用ブリッジ回路、41a、b、c、d・・・磁気抵抗素子、50・・・磁束不足検出部、52・・・磁束不足検出回路、700・・・ロータ。

Claims (7)

  1. 磁界の変化に応じて抵抗値が変化する磁気抵抗素子(31、41)と、
    前記磁気抵抗素子に対しバイアス磁界を発生するバイアス磁石(10)と、
    被検出対象(700)の運動による前記バイアス磁界の変化に応じて、前記磁気抵抗素子の抵抗値が変化することにより、前記被検出対象の運動を検知し、その検知に応じた出力信号を生成する制御部(50、60)と、を備える磁気検出装置であって、
    前記バイアス磁石は、前記被検出対象に向かって伸びる中空部(11)が形成された中空形状であり、
    前記磁気抵抗素子は、前記バイアス磁石の前記中空部内に設けられており、
    前記磁気抵抗素子は、第1の磁気抵抗素子(41a、b、c、d)と第2の磁気抵抗素子(31a、b、c、d)とを有しており、
    前記制御部は、前記被検出対象の運動を検知するために使用する素子として、前記第1及び第2の磁気抵抗素子のうちどちらか一方の磁気抵抗素子を選択する素子選択手段(52、60)を有しており、
    前記選択手段は、前記第2の磁気抵抗素子に印加される磁束密度が飽和磁束密度以上である場合には、前記第2の磁気抵抗素子の使用を選択し、前記第2の磁気抵抗素子に印加される磁束密度が飽和磁束密度未満である場合には、前記第1の磁気抵抗素子の使用を選択することを特徴とする磁気検出装置。
  2. 前記第2の磁気抵抗素子は、前記第1の磁気抵抗素子よりも被検出対象側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気検出装置。
  3. 前記制御部は、前記第2の磁気抵抗素子に印加される磁束の密度が飽和磁束密度以上か否かを検知する磁束密度検知手段(51)を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気検出装置。
  4. 前記磁束密度検知手段は、前記バイアス磁石における前記中空部が伸びる方向とでなす角度が略90°となるようにパターニングされた第3の磁気抵抗素子(51a、b)であることを特徴とする請求項3に記載の磁気検出装置。
  5. 前記磁束密度検知手段は、前記第2の磁気抵抗素子を用いていることを特徴とする請求項3に記載の磁気検出装置。
  6. 前記第1及び第2の磁気抵抗素子は、前記バイアス磁石における前記中空部が伸びる方向とでなす角度が略45°となるようにパターニングされていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の磁気検出装置。
  7. 前記磁気抵抗素子は、さらに、第4の磁気抵抗素子(91a、b、c、d)を有しており、
    前記第4の磁気抵抗素子は、前記第1の磁気抵抗素子よりも被検出対象から離れて配置されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の磁気検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015215342A (ja) * 2014-04-25 2015-12-03 株式会社デンソー 回転検出装置及びその製造方法
JP2017009411A (ja) * 2015-06-22 2017-01-12 株式会社デンソー 回転検出装置
JP2020186940A (ja) * 2019-05-10 2020-11-19 株式会社東海理化電機製作所 位置検出装置
JP2020197394A (ja) * 2019-05-31 2020-12-10 浜松光電株式会社 磁気センサ

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