JP2006219641A - 発光材料及び発光素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】 発光効率、発光寿命、製造コストなどに優れた発光材料及び発光素子を提供する。
【解決手段】 ABx Oy (Aは2価のアルカリ土類金属および亜鉛から選ばれる少なくとも1つ以上の元素、Bは4価の14属から選ばれる少なくとも1つ以上の元素を表わす。x、yは0より大きい数を示す。)で表される複合酸化物を含有する発光材料及びそれを用いた発光素子。複合酸化物は、ZnOとGeO2 との複合酸化物であるZn2 GeO4 、MgOとGeO2 との複合酸化物であるMg2 GeO4 が挙げられる。
【選択図】 なし
【解決手段】 ABx Oy (Aは2価のアルカリ土類金属および亜鉛から選ばれる少なくとも1つ以上の元素、Bは4価の14属から選ばれる少なくとも1つ以上の元素を表わす。x、yは0より大きい数を示す。)で表される複合酸化物を含有する発光材料及びそれを用いた発光素子。複合酸化物は、ZnOとGeO2 との複合酸化物であるZn2 GeO4 、MgOとGeO2 との複合酸化物であるMg2 GeO4 が挙げられる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、複合酸化物を含有する発光材料および発光素子に関し、特に発光材料が希土類などの微量な発光中心を含まない複合酸化物を含有する発光材料に関するものである。
発光機能を有する蛍光体薄膜及び粉末を用いたフラットパネルディスプレイ(FPD)が注目されている。FPDに用いられる蛍光体は、プラズマディスプレイ(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)等、それぞれのディスプレイの特徴に応じた蛍光体が必要とされる。
これまで作成されている蛍光体は、主に、母体となる酸化物や硫化物に遷移金属や希土類元素などが発光中心として添加されている。これは微量添加元素の内核電子励起による発光を示す。例えば、無機EL用蛍光体として、ZnS:Mn2+、SrS:Ce,Eu、CaS:Eu2+、ZnS:Tb,F、CaS:Ce3+、SrS:Ce3+、CaGa2 S4 :Ce3+、BaAl2 S4 :Eu2+、Ga2 O3 :Eu3+、Y2 O3 :Eu3+、Zn2 SiO4 :Mn2+、ZnGa2 O4 :Mn2+等、その他の蛍光体としては、Y2 O2 S:Eu3+、Gd2 S:Eu3+、YVO4 :Eu3+、Y2 O2 S:Eu,Sm、SrTiO3 :Pr3+、BaSi2 Al2 Si2 O8 :Eu2+、BaMg2 Al16O27:Eu2+、Y0.65Gd0.35BO3 :Eu3+、La2 O2 S:Eu,Sm、Ba2 SiO4 :Eu2+、Zn(Ga,Al)2 O4 :Mn2+、Y3 (Al,Ga)5 O12:Tb3+、Y2 SiO5 :Tb3+、ZnS:Cu,Al、Zn2 SiO4 :Mn2+、BaAl2 Si2 O8 :Eu2+、BaMgAl14O23:Eu2+、Y2 SiO5 :Ce3+、ZnGa2 O4 :Mn2+等が作製されている。
無機ELディスプレイは、多結晶質の無機蛍光体を使用できるため、大面積のディスプレイ作成が比較的容易であり高い使用環境耐性が期待できることなどから、注目を集めているディスプレイの一つである。近年、薄膜型ELディスプレイデバイスとして高信頼性、長寿命化、低電圧化を満足するため、発光層に損傷を加えることなく、絶縁耐圧、比誘電率ともに大きな誘電層を化学蒸着法(CVD)あるいは原子層エピタキシー(ALE)などで、発光層の上側あるいは下側、あるいは上下両側に形成する技術が発見され、片側及び二重絶縁型薄膜ELとして広く知られている(特許文献1参照)。
しかし、上記発光層に使われる蛍光体には、前述のように発光中心となる微量元素が含まれるため、作製プロセスにおける高温処理時、あるいは高電界駆動時に、微量元素の価数変化や物質拡散などの経時変化により寿命劣化を引き起こす場合がある。また、発光層に硫化物を使用している場合、大気中で徐々に酸化反応が起こって寿命劣化が起こるため、封止などの処置が必要となる。
また、古くからScheelite化合物として知られるCaWO4 、CaMoO4などは、微量な発光中心を含まないが発光を示す蛍光体である。これは(WO4 )2-、(Mo4 )2-などのイオンにおける分子内電荷移動型の発光と考えられている(非特許文献1参照)。
特開昭61−296680号公報
Blasse,G.,"Structure and Bonding",42,1,1980年
本発明は、この様な背景技術に鑑みてなされたものであり、従来にない材料組成において、発光効率、発光寿命、製造コストなどに優れた発光材料及び発光素子を提供するものである。
上記の課題は本発明の以下の構成および製法により解決できる。
即ち、本発明は、ABx Oy (Aは2価のアルカリ土類金属および亜鉛から選ばれる少なくとも1つ以上の元素、Bは4価の14属から選ばれる少なくとも1つ以上の元素を表わす。x、yは0より大きい数を示す。)で表される複合酸化物を含有することを特徴とする発光材料である。前記x=0.5〜5、y=2〜11が好ましい。
即ち、本発明は、ABx Oy (Aは2価のアルカリ土類金属および亜鉛から選ばれる少なくとも1つ以上の元素、Bは4価の14属から選ばれる少なくとも1つ以上の元素を表わす。x、yは0より大きい数を示す。)で表される複合酸化物を含有することを特徴とする発光材料である。前記x=0.5〜5、y=2〜11が好ましい。
また、本発明は、Zna Db Bx Oy (Dは2価のアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1つ以上の元素、Bは4価の14属から選ばれる少なくとも1つ以上の元素を表わす。a=0〜2、b=0〜2、但しa+bは2である。x=0.5〜5、y=2〜11である。)で表される複合酸化物を含有することを特徴とする発光材料である。
本発明は上記の発光材料を用いた発光素子をも提供する。特には無機EL素子を提供する。
また、本発明は上記の発光素子を用いた画像表示装置、照明装置、印字装置をも提供する。
また、本発明は上記の発光素子を用いた画像表示装置、照明装置、印字装置をも提供する。
本発明によれば、発光効率、発光寿命、製造コストなどに優れた発光材料及び蛍光体薄膜が得られる。前記発光材料は、無機ELやFED等の蛍光体薄膜に利用することが可能である。
以下に本発明の実施形態に関わる発光材料、特に薄膜発光材料について説明する。
本発明の複合酸化物を含有する発光材料の組成は、ABx Oy で表される複合酸化物を含有することを特徴とする。
本発明の複合酸化物を含有する発光材料の組成は、ABx Oy で表される複合酸化物を含有することを特徴とする。
ABx Oy 中、Aは2価のアルカリ土類金属および亜鉛から選ばれる少なくとも1つ以上の元素を表わす。2価のアルカリ土類金属は、Mg、Ca、Sr、Baなどが挙げられる。
Bは4価の14属から選ばれる少なくとも1つ以上の元素を表わす。4価の14属の元素は、Si、Ge、Snなどが挙げられる。
x、yは0より大きい数を示す。
x、yは0より大きい数を示す。
ここで、前記複合酸化物の組成は各種の組み合わせが可能であり、例えばZnOとGeO2 との複合酸化物であるZn2 GeO4 、MgOとGeO2 との複合酸化物であるMg2 GeO4 などが挙げられる。なお、材料組成の同定はX線回折測定、蛍光X線測定、エネルギー分散分光測定などから行うことが可能である。このときの物質形態は結晶、微結晶、アモルファスのいずれでもよく、これらの混合したものでも構わない。更に前記蛍光体が共晶材料であれば、作製時のプロセス温度の低温化が可能となり好ましい。
複合酸化物の組成に関しては、例えばZnGex Oy の場合、発光が得られた膜には、蛍光X線測定よりZn2 GeO4 とGeO2 が含まれるため、x=0.5〜5、y=2〜11が好ましい。更に、Zn部分にMgが含まれていると共晶温度が更に下がり、より明るい発光が得られる。
更に前記共晶材料のサイズは、発光部位のサイズが1μm以下、好ましくは100nm以下であれば、量子サイズ効果による特徴的な発光特性が得られ、高効率な発光が可能となり好ましい。
また、本発明の発光材料は、Zna Db Bx Oy で表される複合酸化物を含有することを特徴とする。
Dは2価のアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1つ以上の元素、Bは4価の14属から選ばれる少なくとも1つ以上の元素を表わす。a=0〜2、b=0〜2、但しa+bは2である。x=0.5〜5、y=2〜11である。
Dは2価のアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1つ以上の元素、Bは4価の14属から選ばれる少なくとも1つ以上の元素を表わす。a=0〜2、b=0〜2、但しa+bは2である。x=0.5〜5、y=2〜11である。
前記複合酸化物は、Zna Mgb GeO4 であるのが好ましい。
前記発光材料の膜はゾルゲル法によっても作製可能だが、発光素子作製の観点からは膜厚が5μm以下となる薄膜が好ましい。この場合、真空蒸着法、化学的気相成長法など、各種成膜手段を用いることが出来るが、特には緻密で再現性の良い膜が比較的容易に得られるスパッタリング法を用いることが好ましい。
前記発光材料の膜はゾルゲル法によっても作製可能だが、発光素子作製の観点からは膜厚が5μm以下となる薄膜が好ましい。この場合、真空蒸着法、化学的気相成長法など、各種成膜手段を用いることが出来るが、特には緻密で再現性の良い膜が比較的容易に得られるスパッタリング法を用いることが好ましい。
図2は、本発明の発光材料で交流駆動型無機EL素子を作製した場合の発光素子を示す断面図である。12及び14は誘電膜であり、発光部位に隣接し、高電界の印加を安定化し、発光部位へのホットエレクトロンの供給を可能にする。なお、誘電膜は12のみ、あるいは14のみの片側だけでも構わない。11は透明導電膜、15は電極膜であり、図2の場合は上部電極膜が透明なITOなどであるため、光の取り出しが上側となるトップエミッションの構成である。なお逆に、電極膜15及び基板16を透明なガラスなどにすることで基板側から光を取り出しても構わない。
本発明の発光素子を画像表示装置として用いるには電極をライン状に上下でマトリックス状に配線して駆動させることにより可能である。カラー画像を得たい場合には白色の発光材料を用いてRGBのフィルターで色を出したり、RGBに対応した発光材料を高精度にパターニング成膜することにより可能である。また、青色発光材料を用いて、緑、赤の色を蛍光体で青から変換させることも可能である。
また、本発明の発光素子を照明装置に用いる場合には、白色発光材料をもちいる方法やRGB発光材料を縦方向に積層させる方法、青や紫外発光をさせてからRGBの発光へ変換させる方法がある。
また、本発明を印字装置などのプリンターに用いる場合には、レーザー光をポリゴンミラーを用いて走査させる代わりに、ライン状に発光素子を並べて駆動することにより可能となる。
以下、実施例を用いて本発明を更に説明する。
実施例1
以下に、ZnとGeを含む複合酸化物蛍光体のゾルゲル法を用いた作製方法を示す。
実施例1
以下に、ZnとGeを含む複合酸化物蛍光体のゾルゲル法を用いた作製方法を示す。
石英基板上にZnOとGeO2 のアルコキシド混合溶液をスピンコーターを用いて塗布、乾燥した後、大気中雰囲気、900℃にて熱処理する。得られる薄膜のX線回折スペクトルを測定すると、Zn2 GeO4 に起因する2θ=33.2°、30.8°、及びGeO2 に起因する2θ=26.0°、38.1°の各ピークが得られる。したがって、この薄膜はZn2 GeO4 及びGeO2 の微結晶を含むアモルファスからなっていることが分かる。
また、この薄膜の励起スペクトルと発光スペクトルを測定すると、図1に示すように励起スペクトルは270nmにピークを持ち、発光スペクトルは490nmにピークを持ち、青白色の発光が得られる。なお、このとき希土類などの微量な不純物量は0.01atom%以下であるので、不純物からの発光ではない。
実施例2
以下に、図2により、ZnとMgとGeを含む複合酸化物蛍光体を用いたEL素子の作製方法を示す。
以下に、図2により、ZnとMgとGeを含む複合酸化物蛍光体を用いたEL素子の作製方法を示す。
基板としては石英基板を用いる。基板16にマグネトロンスパッタリング法によりTiを10nm、Ptを100nm成膜して電極膜15とする。その後マグネトロンスパッタリング法によりTa2 O5 を0.5μm成膜して誘電膜14とする。その後、ZnOとMgOとGeO2 の3つのターゲットを用いて、マグネトロンスパッタリング法により蛍光膜13を300nm成膜する。なお、蛍光膜の成膜時、基板温度を室温から1000℃まで変化させる。また成膜雰囲気は、アルゴンガスに酸素を混合したガスを流す。
その後、BaTiO3 を2μmを成膜して誘電膜12とする。その後、透明導電膜11としてITOを300nm成膜する。
蛍光膜13のみ成膜した試料について蛍光X線測定を行うと、ZnとMgとGeを3:1:3で含む複合酸化物が形成されている。また、電子顕微鏡にて観察すると、GeO2 領域に囲まれた発光部位のサイズが20nm〜200nm程度の微粒子状のZn0.5Mg1.5GeO4微結晶が分散された状態で形成されており、基板温度が高いほど大きく、明瞭である。
蛍光膜13のみ成膜した試料について蛍光X線測定を行うと、ZnとMgとGeを3:1:3で含む複合酸化物が形成されている。また、電子顕微鏡にて観察すると、GeO2 領域に囲まれた発光部位のサイズが20nm〜200nm程度の微粒子状のZn0.5Mg1.5GeO4微結晶が分散された状態で形成されており、基板温度が高いほど大きく、明瞭である。
次に透明導電膜11と電極膜15に1kHzの交流電圧を徐々に印加すると、120V程度から青白色発光が見られる。この発光は成膜時の基板温度が600℃以上で特に明るくなる。
本発明の発光材料及び発光素子は、発光効率、発光寿命、製造コストなどに優れ、無機ELやFED等の蛍光体薄膜に利用することができる。
11 透明導電膜
12 誘電膜
13 蛍光膜
14 誘電膜
15 電極膜
16 基板
12 誘電膜
13 蛍光膜
14 誘電膜
15 電極膜
16 基板
Claims (15)
- ABx Oy (Aは2価のアルカリ土類金属および亜鉛から選ばれる少なくとも1つ以上の元素、Bは4価の14属から選ばれる少なくとも1つ以上の元素を表わす。x、yは0より大きい数を示す。)で表される複合酸化物を含有することを特徴とする発光材料。
- 前記x=0.5〜5、y=2〜11である請求項1に記載の発光材料。
- 前記AはZn、BはGeである請求項1または2に記載の発光材料。
- 前記複合酸化物は、Zn2 GeO4 である請求項3に記載の発光材料。
- 前記AはMg、BはGeである請求項1または2に記載の発光材料。
- 前記複合酸化物は、Mg2 GeO4 である請求項5に記載の発光材料。
- Zna Db Bx Oy (Dは2価のアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1つ以上の元素、Bは4価の14属から選ばれる少なくとも1つ以上の元素を表わす。a=0〜2、b=0〜2、但しa+bは2である。x=0.5〜5、y=2〜11である。)で表される複合酸化物を含有することを特徴とする発光材料。
- 前記複合酸化物は、Zna Mgb GeO4 である請求項7に記載の発光材料。
- 前記発光材料が共晶材料からなる請求項1乃至8のいずれかの項に記載の発光材料。
- 前記共晶材料の発光部位のサイズが1μm以下である請求項9に記載の発光材料。
- 前記発光材料が薄膜である請求項1乃至10のいずれかの項に記載の発光材料。
- 請求項1乃至11のいずれかに記載の発光材料を用いた発光素子。
- 請求項1乃至11のいずれかに記載の発光材料を用いた画像表示装置。
- 請求項1乃至11のいずれかに記載の発光材料を用いた照明装置。
- 請求項1乃至11のいずれかに記載の発光材料を用いた印字装置。
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JP2012507123A (ja) * | 2008-10-30 | 2012-03-22 | オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 有機発光素子および有機発光素子の製造方法 |
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2005
- 2005-02-14 JP JP2005036792A patent/JP2006219641A/ja active Pending
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JP2011111477A (ja) * | 2009-11-25 | 2011-06-09 | Osamu Tsutsui | 無機el素子用蛍光体及び製造方法 |
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