JP2006218489A - ヘッドレストステイ用ノッチ形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 金属パイプ材により全体が略コ字状に形成されたヘッドレストステイHの両脚軸L、Rを挟圧して把持するクランプ部材11、12と、クランプ部材11、12に開口して設けられた開口溝M0〜M6と、開口溝M0〜M6にその回転する周端部が圧入されてヘッドレストステイHの脚軸L、Rをノッチ状に変形させるローラ部材14、15と、を有するようにヘッドレストステイ用ノッチ形成装置10を構成する。
【選択図】 図1
Description
また、金属製パイプ材の所定部位にノッチとなる凹みを形成するには、パイプ材をプレス装置の上型と下型とで固定し、その外周面の所定位置をポンチなどで押圧して陥没させる方法が知られている。
例えば特許文献1には、シートバックに固定されるヘッドレストステイとしての中空パイプ内に芯材を挿入し、この芯材と共に中空パイプを加圧してこれらを潰すことによりノッチとなる平坦面を形成させるようにした中空パイプ潰し部の形成方法が開示されている。
特に、特許文献1に記載の芯材と共に中空パイプを加圧してノッチを形成させるようにした方法では、予めパイプ端部の開口したヘッドレストステイに芯材を挿入しておく必要があり、パイプ上の加圧される部分に合わせて凹部が形成された芯材を正確に設定しなければならず、作業工程が複雑となって生産の迅速性や効率性に欠けるという課題があった。
図1〜図3において、10は本発明の一実施の形態に係るヘッドレストステイ用ノッチ形成装置である。
ヘッドレストステイ用ノッチ形成装置10には、上下一対のクランプ部材11、12が、
ヘッドレストステイHの左右の脚軸L,Rをそれぞれ挟圧把持して装置本体10aの水平方向にスライド自在に設けられている。また、ノッチ形成装置10には、クランプ駆動部13が備えられ、スライド機構などにより、ヘッドレストステイHを把持したクランプ部材11、12をアーム13aを介して進退させる。
さらに、装置本体10aには、上下側それぞれ3基のローラ部材14、15が回転自在に固定並設されている。そして、装置本体10aには、電動モータなどのローラ駆動部16が備えられ、その回転軸部を介して複数配列されたローラ部材14、15をそれぞれギア機構を介して回転駆動させると共に、ステイ押出部17は、ローラ部材14、15により脚軸L,RにノッチNが形成されたヘッドレストステイHを装置本体10a側方に押し出して取り出す。
なお、上下側それぞれ3基のローラ部材14、15の上下間の間隔は、可変可能であり、ヘッドレストステイHの形状変更に対応可能である。
金属パイプ材はステンレススチールや鋼材、アルミ合金などの金属素材からなっており、ヘッドレストステイHの左右の脚軸L、Rに設けられた複数のノッチNを介してシートバックの支持部材Sに対してその上下位置が段階的に調整可能になっている。またヘッドレスト本体Tはその表皮の内側に発泡ポリスチレン樹脂やポリエチレン樹脂等の軟質材よりなるパッド材が袋状に形成された合成樹脂シートや布地などの皮膜材に内蔵され、これによって着座者の頭部をヘッドレスト本体Tに載せて安定支持することができる。
クランプ部材11、12は、図1などに示すように、装置本体10aの上段下段側にそれぞれ進退自在に配置される。クランプ部材12は、左右一対のクランプ12a、12bを図5(a)、(b)に示すように開閉して、ヘッドレストステイHの脚軸Rをその周囲から挟圧固定できるようになっている。なお、クランプ12a、12bはボルト孔Bを介してクランプ部材12に開閉自在に固定されている。
クランプ部材12の上方側には、図6(a)に示すように、把持されるヘッドレストステイHの脚軸Rの直角方向に対して矩形状に配列された開口溝M1〜M6が設けられている。クランプ駆動部13を介して駆動されるクランプ部材12がローラ部材15に対して水平移動されると、これらの開口溝M1〜M6に、ローラ部材15に設けられた回転ローラK1〜K6の周端部が脚軸Rの内周面に噛み込むように圧入される(図5(c)参照)。このようにして、3基のローラ部材15によって金属パイプ材が順次塑性変形され、最終的に所定形状を有するノッチN1〜N6が脚軸Rに形成することができる(図6(b)参照)。
なお、装置本体10aの上段側に配置されるクランプ部材11には、1個の開口溝M0が備えられ、クランプ部材11の進行方向に対して配列された3基のローラ部材14の回転ローラが、この開口溝M0を介してヘッドレストステイHの他方にある脚軸Lの外周面に噛み込むようになっている。
例えば、このような互いに隣接するローラ部材における圧入幅や圧入深さの拡大率をそれぞれ5〜10%の範囲に設定することで、このような塑性変形にともなう加工歩留りを安定させるとともに、良好な寸法精度や形状精度を有するノッチをヘッドレストステイに形成することができる。こうして、ヘッドレストステイHを自動車のシートバックの所定高さに確実かつ安定的に固定できる。
まず、クランプ駆動部13を用いて、装置本体10aの上下段に配置されたクランプ部材11、12をステイ挿入位置に位置付ける。こうして、クランプ部材11、12、のクランプ12a、12bなどで形成されるステイ保持部18にヘッドレストステイHの脚軸L,Rを水平方向から挿入して、これらクランプ間を図示しないボルトナットなどの締め付け具により固定して把持する(図7及び図6(a)参照)。
つぎに、クランプ駆動部13を用いてヘッドレストステイHを把持したクランプ部材11、12をローラ駆動部16によりギア機構を介して同期して回転駆動されるローラ部材14、15に向かって押し出すようにしてスライドさせる。これによって、図1に示すように、ローラ部材14、15のそれぞれ回転ローラKの周端部が、開口溝Mに沿ってヘッドレストステイHの金属パイプ材からなる脚軸L,Rに圧入される。
図3に示すように、ローラ部材14、15は、このスライド方向に3基が水平配列されており、それぞれのローラ部材により段階的にこの圧入部分が塑性変形されて、最終的に所定形状のノッチNが形成されるようにしている。
こうして、所定のノッチNが形成されたヘッドレストステイHは、装置本体10aの後端位置で、ステイ保持部18から開放され、ヘッドレストステイHがステイ押出部17を用いて押し出される。そして、クランプ部材11、12はクランプ駆動部13により前記ステイ挿入位置に復帰されて、新たなヘッドレストステイがステイ保持部18に挿入される。
これによって、ヘッドレストステイHのローラ部材14、15が当接する周辺部分をクランプ部材11、12により確実に把持することができるので、ヘッドレストステイHとなる金属パイプ材のノッチ周辺におけるひずみや変形を抑制してノッチ加工を精密かつ効率的に行なうことができる。
例えば、本実施の形態では、並列配置されるローラ部材の数を3基としたが、単数もしくは4基以上のものを所定の拡大率で段階的に拡大するように配置することもできる。
さらに、ローラ部材毎に配置する回転ローラの数やヘッドレストステイの内周面又は外周面に配置する位置なども本実施の形態のものに限定されるものではない。
また、本発明における各回転ローラの回転軸と金属パイプ材は、後加工のものを接近させないような所定間隔を有した相対位置に配置するとともに、各回転ローラの形状はそれぞれ異なる形状のものとすることができる。
なお、最終的なノッチの形状を整えるために、ノッチ形成部分を挟んで扁平状になったパイプの形状を円筒形に戻す最終工程を設けることもできる。この場合は、ヘッドレストステイHを把持しているクランプ部材11,12を一旦解放し、ステイ押出部17でヘッドレストステイHを装置本体10a側方に若干押し出して(取り出し方向Y)、形成されたノッチの位置を開口溝の位置とずらし再度クランプし、ノッチ加工で楕円形(扁平)になったパイプ部分を横方向から押すことにより円筒形状に修正ができる。
10a 装置本体
11、12 クランプ部材
12a、12b クランプ
13 クランプ駆動部
13a アーム
14、15 ローラ部材
16 ローラ駆動部
17 ステイ押出部
18 ステイ保持部
H ヘッドレストステイ
L、R 脚軸
T ヘッドレスト本体
S 支持部材
K0〜K6 回転ローラ
M0〜M6 開口溝
N0〜N6 ノッチ
B ボルト孔
Claims (3)
- 金属パイプ材により全体が略コ字状に形成されたヘッドレストステイの両脚軸を挟圧して把持するクランプ部材と、前記クランプ部材に開口して設けられた開口溝と、前記開口溝にその回転する周端部が圧入されて前記ヘッドレストステイの両脚軸をノッチ状に変形させるローラ部材と、を有することを特徴とするヘッドレストステイ用ノッチ形成装置。
- 前記ヘッドレストステイの両脚軸をそれぞれ把持する前記クランプ部材を水平方向に進退させるクランプ駆動部と、装置本体に回転軸部を介して複数配列された前記ローラ部材をそれぞれ同期して回転させるローラ駆動部と、を有することを特徴とする請求項1記載のヘッドレストステイ用ノッチ形成装置。
- 前記ローラ部材が前記クランプ部材の進退方向に沿って複数組配置され、前記クランプ部材の開口溝及びこれに圧入される前記ローラ部材の周端部がその進行向に段階的に拡大して形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のヘッドレストステイ用ノッチ形成装置。
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