JP2004351468A - 中空なステアリングラック軸の製造方法および製造装置 - Google Patents

中空なステアリングラック軸の製造方法および製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004351468A
JP2004351468A JP2003152210A JP2003152210A JP2004351468A JP 2004351468 A JP2004351468 A JP 2004351468A JP 2003152210 A JP2003152210 A JP 2003152210A JP 2003152210 A JP2003152210 A JP 2003152210A JP 2004351468 A JP2004351468 A JP 2004351468A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rack
steel pipe
mandrel
manufacturing
ironing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003152210A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobumoto Isshiki
信元 一色
Keita Ozeki
啓太 尾関
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Neturen Co Ltd
Original Assignee
Neturen Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Neturen Co Ltd filed Critical Neturen Co Ltd
Priority to JP2003152210A priority Critical patent/JP2004351468A/ja
Publication of JP2004351468A publication Critical patent/JP2004351468A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】自動車の操舵装置の部品であるステアリングラック軸で全長が中空なものを、塑性加工によって能率的に製造する。
【解決手段】貫通した縦穴を構成する他は鋼管の全周を取り囲む形状の割型12,13に鋼管を収容し、割型12,13を合わせた状態で前記縦穴にラック形成型15を挿入してこの部分の鋼管を押圧することにより平面状とし、次いでラック形成型15を前記平面状にされた部分に接触させて保持した状態で鋼管の内部にマンドレル18を押込んでしごき加工することによりラック形成型15を材料に食い込ませ、さらに前記ラック形成型15による鋼管の追加的な押圧とマンドレル18によるしごき加工とを交互に繰り返してラック形成型15に材料を順次深く食い込ませることにより、ラック形成型15に従ってラックを形成させる。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車の操舵装置の部品であるステアリングラック軸の製造方法および装置に関する。近年、自動車の軽量化を目的として従来は中実であった軸などを中空にすることが図られているが、本発明が対象とするのはこのような中空なステアリングラック軸である。本発明は中空なステアリングラック軸を塑性加工によって能率的に製造することを目的とする。
【0002】
【従来の技術】
図1の外観図に示すように本発明におけるステアリングラック軸1は円形断面の軸の長さの一部にラックの歯2が形成されているものである。このようなラック軸を軽量化のため中空にするには、棒材にラック部を切削加工により形成した後に穴をあける方法が行なわれていた。その後材料の無駄を減らすために素材として中空なもの、すなわち鋼管を使用し、ラックを形成すべき部分を平坦に潰した後にラックを形成する方法が開発された。この場合、切削加工ではラックを形成した部分の肉厚が薄くなって必要な強度を確保するのが困難なので、塑性加工による製造方法が実施されている。
【0003】
素材に鋼管を使用して塑性加工によりラック部を形成し、全長が中空なステアリングラック軸とする方法は特公平3−5892号公報において示された発明を改良した方法が現在行なわれている。上記発明は塑性加工をすべて冷間で行なうことを可能にしたものであって、現在行なわれている改良された工程は以下のようなものである。すなわちまず図10の縦断面図に示すように、鋼管11の全周を取り囲む第1の割型51、52に鋼管の長さの一部分を収容する。この第1の割型の上型51には鋼管のラックを形成すべき部分に対応した個所に縦穴53が貫通している。この状態で縦穴53にポンチ54を挿入してこの部分の鋼管11を押圧して平面にする。このようにして鋼管の長さの一部分について外面円周の一部が平面になったものが作られる。
【0004】
次いで図11の縦断面図に示すように、鋼管11の全周を取り囲む第2の割型55、56に鋼管の平面が形成された部分を収容する。この第2の割型の内部にはラック形成型57が設けられ、鋼管の平面が形成された部分に接触するようになっている。この状態で鋼管の内部にマンドレル58を押し込み、平面状にされた部分の内面を順次しごき加工をして内部から材料を盛り上げ、ラック形成型57に従ってラックを形成させる。図11はこのようにしてラック形成が完了した状態を示している。マンドレル58は少しずつ寸法の異なるものを使用して複数回のストロークにより加工を行なうことになるが、全長の複数個所にしごき加工部分である突起59を有するマンドレルを使用してストローク数を減らしている。なお、ラック形成型57の部分は第2の割型の上型55と一体にしても原理的には差し支えないが、大きな力を受けるため比較的寿命が短いので、図11に示したようにラック形成型の部分だけ独立させて割型に取付けて使用するのが普通である。
【0005】
上記は塑性加工により製造する方法として現在実用化されている唯一の方法であるが、しごき加工は少しずつ寸法を変えたマンドレルを挿入してたとえば20ストロークといった多数回行なう必要がある。このため鋼管の平潰しとその後のしごき加工とを別々の装置で行なうことと相まって、かなり多くの工程を要する。特開2001−58239公報にはこの点を改良するとして塑性加工による新たな製造方法が提案されている。この方法は素材の鋼管に芯金を兼ねたマンドレルを挿入してプレス装置に保持し、ラック形成型を押しつけて前記マンドレルの芯金個所との間で加圧成型する荒歯形成型工程をまず行なう。次いで前記マンドレルを引き抜いてこれの芯金個所の先端に設けられた凸部により内面をしごき加工して完全なラック歯形を形成する圧接工程からなるとしている。
【0006】
上記特開2001−58239公報の方法は芯金を兼ねたマンドレルとラック形成型との間で材料を加圧してラックの歯形の大部分を形成するが、歯形の隅の部分まで材料が完全には充満しないのでマンドレルによるしごき加工により補助的な加工を行なうものであると説明されている。しかしながら熱間加工ではなく冷間加工を前提とする限り、どんなに焼鈍軟化させた素材を使用しどんなに加圧力を大きくしても単に押し付けることによりラック形成型に材料を十分に食い込ませるのは困難である。したがってマンドレルによる1回のしごき加工を行なうだけで完全なラック歯形を形成できる程度に荒歯形成型を行なうことは無理である。もっとも特開2001−58239公報には、1回の加工サイクルでラック形成型に材料を完全に充填させるのが無理な場合には、圧接面高さの異なるマンドレルを複数用意して荒歯形成型工程としごき加工工程とを繰り返し行なえば良いとしている。しかしこれも繰り返し回数が多くなれば、先に述べた現在行なわれている方法より手順が複雑なだけにかえって手間が掛かることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
鋼管を素材として冷間の塑性加工により中空なステアリングラック軸を製造するさいの上記のような従来技術の問題点に鑑み、本発明はより簡略化された高能率な製造工程により製造する方法および装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するものであって、素材の鋼管の長さの一部分を加工することによりラックを形成して中空なステアリングラック軸を製造する方法において、2以上の型を合わせた状態において鋼管の前記長さの一部分に対応した個所に貫通した縦穴を構成する他は鋼管の全周を取り囲む形状の割型に鋼管を収容し、前記割型を合わせた状態で前記縦穴にラック形成型を挿入してこの部分の鋼管を押圧することにより平面状とし、次いでラック形成型を前記平面状にされた部分に接触させて保持した状態で鋼管の内部にマンドレルを押込んでしごき加工することによりラック形成型を前記平面状にされた部分の材料に食い込ませ、さらに前記ラック形成型による鋼管の追加的な押圧とマンドレルによるしごき加工とを交互に繰り返してラック形成型に材料を順次深く食い込ませることにより、ラック形成型に従ってラックを形成させることを特徴とする中空なステアリングラック軸の製造方法である。ここにおいて、最初のしごき加工に使用したマンドレルを、以後の繰り返し行なうしごき加工においても使用することも特徴とする。
【0009】
また本発明は、素材の鋼管の長さの一部分を加工することによりラックを形成して中空なステアリングラック軸を製造する装置において、2以上の型を合わせた状態において鋼管の前記長さの一部分に対応した個所に貫通した縦穴を構成する他は鋼管の全周を取り囲む形状の割型が開閉機構に結合されており、また前記縦穴に挿入して鋼管を押圧しまた指定位置に保持されるようにラック形成型が加圧・位置設定機構に結合されており、さらに鋼管の内面をしごいて前記ラック形成型に従ってラックを形成するためのマンドレルを駆動する押込み装置とを有することを特徴とする中空なステアリングラック軸の製造装置である。ここにおいて、加圧・位置設定機構はラック形成型が結合された移動ビームが送りねじの回転によって移動するものであることも特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
図2および図3は本発明のステアリングラック軸の製造方法における最初の段階を示すそれぞれ縦断面図および横断面図である。12および13は割型であって、上下2つの型を合わせると素材の鋼管11の全周を取り囲む形状の内面を有するが、上型12には鋼管のラックを形成すべき部分に対応した個所に長方形の縦穴14が貫通している。割型が素材の鋼管11の全周を取り囲む形状の内面を有するのは、鋼管の一部分を平潰ししたときに、潰された以外の円周部分の変形を防止するためである。なお、ラック軸においてラックがあるのは全長のうちの一端に寄った一部分であるから、鋼管11を割型12、13内に収容したとき他端は割型から外に出た状態になる。このとき鋼管の一端側においては割型は塞がっていてもよいが、後に述べるように鋼管内にマンドレルを挿入するのにこちら側の方がストロークが短くなって都合が良いので、鋼管の延長部分も穴16が貫通しているのが好ましい。また割型はこれら図2などに示したような上下2つの型ではなく3以上の型から構成されていてもよい。
【0011】
上記のようにして割型12、13を合わせることにより鋼管11を保持した状態で、前記の縦穴14にラック形成型15を挿入してこの部分の鋼管を押圧する。図4はこの段階の状態を示す縦断面図である。ラック形成型15は形成すべきラックの雌型(細部が解り易いように歯を相対的に大きく示している)が前面に形成されているものであるが、側面は割型の縦穴14と隙間が無くちょうど収まって摺動できるようになっている。上記のように鋼管11を押圧すると鋼管は潰れてその部分が平面状になる。すなわち比較的小さな力で鋼管は潰れるものの、冷間加工のため材料はかなり硬いのでラック形成型のラックパターンに応じた凹凸は生ずることなく、ほぼ平面に近い面が形成される。このような状態の面をこの明細書においては平面状と称することにする。つまり先に述べた特開2001−58239公報におけるような芯金を使用しないので、鋼管を潰すだけの小さな力ではラック形成型による凹凸は生じないのである。また上記のように鋼管を潰す程度は、平面状にした部分の内面17がラックが最終的に形成されたときの位置より少し下がった、つまり余計に潰れた位置になるようにする。
【0012】
次いで、上記のようにして鋼管11を平潰ししたときの位置でラック形成型15を保持し、その状態でマンドレル18を挿入して鋼管の平面状にした部分の内面17をしごき加工する。これによりしごき加工により押し上げられた材料の分に見合って、平面状にされた部分の外面がラック形成型に食い込むことになる。このしごき加工は原則的に1本のマンドレルで行なう。つまり寸法の異なる多数のマンドレルを順次挿入するようなしごき加工は行なわないということである。もっとも1本のマンドレルに寸法の異なる複数個所の加工部分19を有することは全く差し支えなく、少しずつ無理なく加工できてむしろ好ましい。なお、2本のマンドレルを鋼管の両側から交互に挿入すれば、能率の低下を招くことなく異なる寸法のマンドレルを2本使用できるのでこのようにしても良い。
【0013】
上記の工程に次いで、さらにラック形成型15を追加的に押圧することにより、最初に平面状にしたときと同様にその部分の内面17がラックが最終的に形成されたときの位置より少し下がった位置になるようにする。そしてその位置でラック形成型15を保持し、先程使用したのと同じマンドレル18を挿入して鋼管の平面状にした部分の内面17をしごき加工する。これにより平面状にされた部分の外面が、ラック形成型に先程よりさらに食い込むことになる。さらにこのようなラック形成型の追加的な押圧による潰し加工と、同じマンドレルによるしごき加工とを交互に繰り返すことにより、最終的にはラック形成型のラックパターンに材料が完全に食い込んでラックが形成されることになる。この繰り返しの回数は通常は十数回から二十数回といった程度になる。なお当然であるが、マンドレルは各回のしごき加工をした後は退避させ、毎回のラック形成型による潰し加工のときは鋼管内部は空になっている。
【0014】
図5は上記のようにしてラック形成型による潰し加工とマンドレルによるしごき加工とを何回か交互に繰り返した、製造工程の途中段階の状態を示す縦断面図である。ラック形成型15が図4に示した位置より下方に移動すると共に、ラック形成型の凹部20に隆起した材料が食い込んでいる。また図6および図7は製造工程の最終段階の状態を示すそれぞれ縦断面図および横断面図である。ラック形成型15は図5に示した位置よりもさらに下降し、ラック形成型15のラックパターンにしたがってラックの歯2が完全に形成されている。
【0015】
上記のように本発明の製造方法においては、最初のしごき加工に使用したマンドレルを以後の繰り返し行なうしごき加工においても使用するため、マンドレルの動作は往復運動を繰り返すだけで済む。このためラック形成型の押圧、位置保持とマンドレルの動作を交互に行なうようにプログラミングしておけば、短いサイクルタイムの繰り返しにより高能率の加工ができる。このように本発明の方法はマンドレルを1本だけ使用することにより高能率の加工ができるものであり、先に述べたように2本のマンドレルを鋼管の両側から交互に挿入しても、これによる能率の向上はさして期待できない。従来の異なる寸法のマンドレルを順次挿入する方法においては、鋼管の両側から交互にマンドレルを挿入することによりサイクルタイムを短縮できるのとはこの点で異なる。
【0016】
しかし一方向からのみマンドレルを挿入すると鋼管の軸方向への材料の移動が多少あり、その影響でラックの歯幅についてラックの両端方向で異なる誤差が生ずる傾向があるので、両側からのマンドレルの挿入はこれを防止する効果がある。この場合、1回のラック形成型による潰し加工につきマンドレルによるしごき加工は1回として両側のマンドレルを交互に使用する方法、また1回のラック形成型による潰し加工につきマンドレルによるしごき加工は2回として毎回両側のマンドレルを使用する方法とがあり、どちらの方法も適用できる。ただしこの場合においても繰り返し行なうしごき加工において、最初に使用した両側各1本のマンドレルとは寸法の異なるマンドレルを使用するものではないことは同じである。
【0017】
以上説明した本発明の中空なステアリングラック軸の製造方法と、先に述べた特公平3−5892号公報の方法を基本とする従来から実用化されている方法とを比較すると以下のようになる。まず従来方法においては鋼管のポンチによる平潰し工程とマンドレルによるしごき加工の工程とに対して別々の装置を用意する必要があり、製造工程においてその間で材料を移動する必要があったのに対し、本発明の方法では1つの装置で全部の塑性加工工程が完了する。また従来の方法においては平潰ししたときの面は完成品においてラックの歯底に相当する位置にあり、ラック形成型をこの位置に保持したまま順次寸法の異なるマンドレルを挿入することによりラックの歯を形成している。これに対し本発明の方法ではラック形成型を利用して鋼管を潰してマンドレルによるしごき加工をするが、最初に潰す量は従来方法より少なく、その後少しずつ追加的に潰す加工と同一のマンドレルによるしごき加工とを交互に繰り返すことによりラックの歯を形成する。
【0018】
上記のような本発明の方法を実施するための装置であるが、主要部は割型を保持する開閉機構とラック形成型を移動しまた一定位置で保持する加圧・位置設定機構としごき加工のためのマンドレルを駆動する押込み装置によって構成される。このうち割型を保持する開閉機構とマンドレルを駆動する押込み装置とは前記の従来から実用化されている方法のための装置においても同様の機構を有するが、ラック形成型の加圧・位置設定機構は本発明の装置に特有のものである。
【0019】
このラック形成型の加圧・位置設定機構はラック形成型によって潰し加工を行い、またマンドレルによるしごき加工のときラック形成型を保持するもので、ラック形成型が割型の縦穴に沿って移動できるようにする必要がある。ラック形成型により潰し加工するときにはさ程大きな力は掛からないが、しごき加工のときにはラックの歯を形成するさいの材料の変形による大きな反力が掛かる。したがってラック形成型の位置の移動には大きな力は不要であるが、一定位置に設定したときには強固に保持する必要がある。これは圧延機においてロール間隔を調節し、また圧延中にロール間隔を設定値に保持するためのスクリューダウン機構と機能的に類似している。
【0020】
図8および図9は本発明の中空なステアリングラック軸の製造装置を示すそれぞれ正面図と側面図である。上型12と下型13を合わせた状態で鋼管11の全周を取り囲む形状の割型が設けられおり、鋼管を収容して挟んだ状態が示されている。また割型には鋼管のラックを形成すべき部分に対応した個所に貫通した縦穴が設けられており、これにラック形成型15を挿入できるようになっている。また4本の柱体31間を結合するように上ビーム32と下ビーム33がそれぞれ4本ずつ設けられ、強固な枠体を形成している。
【0021】
上ビーム32と下ビーム33のうち、装置の幅方向に延びる2本の上ビームと下ビームの中間位置にそれぞれ送りねじ34が設けられ、それぞれに歯車35が結合されており、モータ36により歯車37を介して回転されるようになっている。送りねじ34には移動ビーム38が貫通して送りねじの回転に伴って移動するようになっており、この移動ビームにはラック形成型15が一体に結合されている。上記のようなラック形成型15が結合された移動ビーム38が送りねじ34の回転によって移動する加圧・位置設定機構により、ラック形成型を下方に動かして鋼管を平面状に潰すことができ、送りねじの回転を止めた状態ではラックの歯を形成するさいの材料の変形による大きな反力に対抗することができる。
【0022】
また下ビーム33のうち、装置の幅方向に延びる2本のものの中間位置にそれぞれ張り出し部分39が設けられて油圧シリンダ40が取り付けられ、上型12を上下することによる割型の開閉機構を構成している。割型は開くことにより鋼管の出し入れ、閉じることにより鋼管の保持を行なうが、鋼管を収容したときの割型の加圧力は、平潰しをしたときに鋼管の他の円周部分の変形を防止し、またマンドレル挿入のときのスラスト力による鋼管の移動を防止するだけの大きさが必要である。
【0023】
また鋼管11の内面をしごいてラックを形成するためのマンドレル18を駆動する押込み装置は、図8においては油圧シリンダ41によりマンドレルを往復運動する機構になっている。なお従来の装置においては多数の寸法の異なるマンドレルを順次挿入するため、たとえばターレット式にマンドレルを迅速に交換する機構が使用されているが、本発明においてはそのようなものは原則として不要である。また図8に示したものとは別の機構として、直線区間に沿って回転駆動されるチェーン機構の1つのリンクにマンドレルを結合することによっても、しごき加工を行なうことができる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の中空なステアリングラック軸の製造方法によれば、ラック形成型によって鋼管の平潰しを行ないつつ、同じマンドレルによるしごき加工を繰り返してラック形成型のラックパターンに従ってラックの歯を形成できる。したがって鋼管の平潰し工程を行なったのち、寸法の異なる多数のマンドレルによるしごき加工工程を行なう従来の中空なステアリングラック軸の製造方法に比して極めて高能率、低コストで製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で製造されるステアリングラック軸を示す外観図
【図2】本発明のステアリングラック軸の製造方法における最初の段階を示す縦断面図
【図3】本発明のステアリングラック軸の製造方法における最初の段階を示す横断面図
【図4】本発明のステアリングラック軸の製造方法における図2および図3の次の段階を示す縦断面図
【図5】本発明のステアリングラック軸の製造方法における図4の次の段階を示す縦断面図
【図6】本発明のステアリングラック軸の製造方法における最終段階を示す縦断面図
【図7】本発明のステアリングラック軸の製造方法における最終段階を示す横断面図
【図8】本発明のステアリングラック軸の製造装置を示す正面図
【図9】本発明のステアリングラック軸の製造装置を示す側面図
【図10】従来のステアリングラック軸の製造方法を示す縦断面図
【図11】従来のステアリングラック軸の製造方法における図10の次の段階を示す縦断面図
【符号の説明】
1 ステアリングラック軸
2 ラックの歯
11 鋼管
12 割型の上型
13 割型の下型
14 縦穴
15 ラック形成型
16 穴
17 平面状にした部分の内面
18 マンドレル
19 加工部分
20 ラック形成型の凹部
31 柱体
32 上ビーム
33 下ビーム
34 送りねじ
35、37 歯車
36 モータ
38 移動ビーム
39 張り出し部分
40、41 油圧シリンダ
51 第1の割型の上型
52 第1の割型の下型
53 縦穴
54 ポンチ
55 第2の割型の上型
56 第2の割型の下型
57 ラック形成型
58 マンドレル
59 突起(加工部分)

Claims (4)

  1. 素材の鋼管の長さの一部分を加工することによりラックを形成して中空なステアリングラック軸を製造する方法において、2以上の型を合わせた状態において鋼管の前記長さの一部分に対応した個所に貫通した縦穴を構成する他は鋼管の全周を取り囲む形状の割型に鋼管を収容し、前記割型を合わせた状態で前記縦穴にラック形成型を挿入してこの部分の鋼管を押圧することにより平面状とし、次いでラック形成型を前記平面状にされた部分に接触させて保持した状態で鋼管の内部にマンドレルを押込んでしごき加工することによりラック形成型を前記平面状にされた部分の材料に食い込ませ、さらに前記ラック形成型による鋼管の追加的な押圧とマンドレルによるしごき加工とを交互に繰り返してラック形成型に材料を順次深く食い込ませることにより、ラック形成型に従ってラックを形成させることを特徴とする中空なステアリングラック軸の製造方法。
  2. 最初のしごき加工に使用したマンドレルを、以後の繰り返し行なうしごき加工においても使用することを特徴とする請求項1記載の中空なステアリングラック軸の製造方法。
  3. 素材の鋼管の長さの一部分を加工することによりラックを形成して中空なステアリングラック軸を製造する装置において、2以上の型を合わせた状態において鋼管の前記長さの一部分に対応した個所に貫通した縦穴を構成する他は鋼管の全周を取り囲む形状の割型が開閉機構に結合されており、また前記縦穴に挿入して鋼管を押圧しまた指定位置に保持されるようにラック形成型が加圧・位置設定機構に結合されており、さらに鋼管の内面をしごいて前記ラック形成型に従ってラックを形成するためのマンドレルを駆動する押込み装置とを有することを特徴とする中空なステアリングラック軸の製造装置。
  4. 加圧・位置設定機構はラック形成型が結合された移動ビームが送りねじの回転によって移動するものであることを特徴とする請求項3記載の中空なステアリングラック軸の製造装置。
JP2003152210A 2003-05-29 2003-05-29 中空なステアリングラック軸の製造方法および製造装置 Pending JP2004351468A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003152210A JP2004351468A (ja) 2003-05-29 2003-05-29 中空なステアリングラック軸の製造方法および製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003152210A JP2004351468A (ja) 2003-05-29 2003-05-29 中空なステアリングラック軸の製造方法および製造装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004351468A true JP2004351468A (ja) 2004-12-16

Family

ID=34047485

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003152210A Pending JP2004351468A (ja) 2003-05-29 2003-05-29 中空なステアリングラック軸の製造方法および製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004351468A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102228948A (zh) * 2011-04-21 2011-11-02 郑州机械研究所 一种齿形转向摇臂轴热精密成形方法及其装置
CN102259545A (zh) * 2011-03-31 2011-11-30 胡家辉 一种金属中空花纹管制造方法
JP2013082008A (ja) * 2012-11-26 2013-05-09 Neturen Co Ltd プレス加工装置及び中空ラックバーの製造方法
CN105057528A (zh) * 2015-08-19 2015-11-18 郑州机械研究所 汽车转向活塞单工位多向挤压精密成形工艺
WO2016152146A1 (en) 2015-03-23 2016-09-29 Neturen Co., Ltd. Rack bar and method for manufacturing said rack bar
CN107252845A (zh) * 2017-06-22 2017-10-17 苏州明雪电子有限公司 一种安全冲压模具
JP2018199150A (ja) * 2017-05-26 2018-12-20 高周波熱錬株式会社 ラックバーの製造方法及び製造装置
CN110961567A (zh) * 2018-10-01 2020-04-07 高周波热錬株式会社 齿条杆的制造装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102259545A (zh) * 2011-03-31 2011-11-30 胡家辉 一种金属中空花纹管制造方法
CN102228948A (zh) * 2011-04-21 2011-11-02 郑州机械研究所 一种齿形转向摇臂轴热精密成形方法及其装置
JP2013082008A (ja) * 2012-11-26 2013-05-09 Neturen Co Ltd プレス加工装置及び中空ラックバーの製造方法
WO2016152146A1 (en) 2015-03-23 2016-09-29 Neturen Co., Ltd. Rack bar and method for manufacturing said rack bar
CN105057528A (zh) * 2015-08-19 2015-11-18 郑州机械研究所 汽车转向活塞单工位多向挤压精密成形工艺
JP2018199150A (ja) * 2017-05-26 2018-12-20 高周波熱錬株式会社 ラックバーの製造方法及び製造装置
CN107252845A (zh) * 2017-06-22 2017-10-17 苏州明雪电子有限公司 一种安全冲压模具
CN110961567A (zh) * 2018-10-01 2020-04-07 高周波热錬株式会社 齿条杆的制造装置
CN110961567B (zh) * 2018-10-01 2022-04-12 高周波热錬株式会社 齿条杆的制造装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100815463B1 (ko) 스티어링 랙 제조
CA2023675C (en) Apparatus and method for forming a tubular frame member
EP1326722B1 (en) Apparatus and method for hydroforming a tubular part
JP3901551B2 (ja) パイプラック成形方法及び装置
JP2006218489A (ja) ヘッドレストステイ用ノッチ形成装置
JPS58218339A (ja) 車両用ステアリングロツド及びその製造法
KR20110084215A (ko) 중공형 금속 소재 상의 외부 쓰레드의 비절삭 제조방법 및 장치
JP2004351468A (ja) 中空なステアリングラック軸の製造方法および製造装置
TWI491455B (zh) 鍛造材的製造方法
JP3772090B2 (ja) ラック付き管状部材の製造方法
US20070017267A1 (en) Apparatus and method for performing a hydroforming process
JP2006103644A (ja) 中空なステアリングラック軸およびその製造方法
CN2439344Y (zh) 内花键冷挤成形模具
JP3514159B2 (ja) 金属管の液圧バルジ加工装置及び金属管を製造する方法
JP3838321B2 (ja) 中空ラックバーの製造方法およびその装置
JP4000861B2 (ja) 段付軸の製造方法
JP4723769B2 (ja) 中空ラックバーの製造方法
JP4156063B2 (ja) 歯形付フランジを有する筒状部品の製造方法及びその装置
CA2303377A1 (en) Metallic shaft material diameter increasing device
JP2004050279A (ja) 液圧成形装置及び液圧成形方法
CN215786086U (zh) 一种防变形冲孔装置
JPS5813250B2 (ja) クランクシヤフトの荒打閉塞鍛造方法
JP2000317569A (ja) 鍛造方法及び鍛造型
JPS60223632A (ja) 閉塞鍛造装置
JP2007083245A (ja) ステアリング装置用ラック及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070802

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070814

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071012

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20081104