JP2004291085A - ヘッドレストステイのプレス加工方法及びプレス加工装置 - Google Patents

ヘッドレストステイのプレス加工方法及びプレス加工装置 Download PDF

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Abstract

【課題】金属製パイプ材から成るヘッドレストステイ10に高精度で凹部14,15,16をプレス加工する。
【解決手段】径の異なる複数個のロールパンチ36A〜36D,37A〜37D,38を順にヘッドレストステイ10表面の一箇所に押圧して凹部14,15,16を段々にプレス成形することで、ダレやバリの発生を抑制し、凹部14,15,16の寸法、形状の精度を高める。ロールパンチ36A〜36D,37A〜37D,38の列を複数組み設け、ロールパンチ36A〜36D,37A〜37Dを組み付けるシャフト34,35の軸心34a,35aをずらすことで、常に一個のロールパンチ36A〜36D,37A〜37D,38だけがヘッドレストステイ10に押圧されるようにする。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は金属製パイプ材から成るヘッドレストステイの表面に凹部をプレス成形するプレス加工方法及びプレス加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用シートのヘッドレストはヘッドレストレイントに垂設した2本のステイをシートバックの穴に差し込んで高さ位置調整可能に取り付けられている。この種のステイは金属製パイプ材から成り、その表面にはシートバックに固着したフックに係合してヘッドレストの高さ位置を調節するための凹部が形成されている。
この種のヘッドレストステイの加工方法の一形式として、特開2002−137673号にはヘッドレストステイを1個のロールパンチに押圧することで、ヘッドレストステイの表面に凹部を転造加工する方法が開示されている。
また、特開2002−361331号公報には、第1ロールパンチと第2ロールパンチの2個のロールパンチを使用し、ヘッドレストステイに第1ロールパンチを押圧して凹部を予備成形し、その後第2ロールパンチを押圧して凹部を最終成形する加工方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ヘッドレストステイをロールパンチに押圧することで凹部を転造する上記加工方法は、プレス成形時に凹部にダレが生じ易く、またプレス荷重も大きいためバリが生ずる。そのため凹部の寸法形状の精度が悪い。
また、第1ロールパンチで予備成形した後に第2ロールパンチで最終成形する加工方法では、予備成形した後ヘッドレストステイをホルダーから取り外して別のホルダーにセットし、しかる後に第2ロールパンチで最終成形する場合、ヘッドレストステイのホルダーへのセッティングを2回行う必要があり、手間がかかる。セッティングの手間を省くため専用機を設備すれば、その分加工コストが高くなる。
本発明はかかる問題点に鑑み、金属製パイプ材から成るヘッドレストステイに高精度で凹部のプレス加工が可能で、かつ加工コストを低減できる加工方法及び装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、金属製パイプ材から成るヘッドレストステイの表面にロールパンチを用いて凹部をプレス成形するヘッドレストステイのプレス加工方法であって、シャフトに回転可能に組み付けた複数個のロールパンチを前記ヘッドレストステイとの干渉量が漸増するように並べてロールパンチ列を形成し、複数個のロールパンチを干渉量が小さいものから大きいものへと順に前記ヘッドレストステイの外周部と交差するように相対的に動かして、ヘッドレストステイの表面の所定箇所に各ロールパンチの外周部を押し付け、もって前記凹部をプレス成形することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のヘッドレストステイのプレス加工方法において、前記複数個のロールパンチを前記ヘッドレストステイとの干渉量が漸増するように径の小さいものから径の大きいものへと順に並べて前記ロールパンチ列を形成したことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のヘッドレストステイのプレス加工方法において、前記複数個のロールパンチを前記ヘッドレストステイとの干渉量が漸増するように前記各シャフトの軸心を所要方向にずらして配置して前記ロールパンチ列を形成したことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1,2又は3に記載のヘッドレストステイのプレス加工方法において、前記ヘッドレストステイに芯金を挿入してから前記凹部をプレス成形することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は請求項1,2,3又は4に記載のヘッドレストステイのプレス加工方法において、前記ヘッドレストステイの背面側から同ヘッドレストステイの表面の所定箇所に各ロールパンチの外周部を押し付けることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、金属製パイプ材から成るヘッドレストステイの表面にロールパンチを用いて凹部をプレス成形するヘッドレストステイのプレス加工装置であって、前記ヘッドレストステイを載置する受け台と、受け台に載置したヘッドレストステイを固定するクランプ手段と、クランプ手段で受け台に固定したヘッドレストステイに対して相対的に進退可能に設けられ、かつ複数個のロールパンチを個別にシャフトに回転可能に組み付けるとともに、受け台に固定した前記ヘッドレストステイとの干渉量が漸増するように前記進退方向に沿って並べてロールパンチ列を形成したロールパンチホルダーとを備え、ロールパンチホルダーを前記ヘッドレストステイに対して相対的に前進させてロールパンチ列の各ロールパンチを干渉量が小さいものから大きいものへと順に前記ヘッドレストステイの外周部と交差させ、もってヘッドレストステイの表面の所定箇所に各ロールパンチの外周部を押圧して前記凹部をプレス成形するように構成したことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のヘッドレストステイのプレス加工装置において、前記ヘッドレストステイと前記各ロールパンチとの干渉量が順に大きくなるように前記ロールパンチ列を径の小さいものから大きいものへと順に並べて形成したことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は請求項6に記載のヘッドレストステイのプレス加工装置前記ヘッドレストステイと前記各ロールパンチとの干渉量が順に大きくなるように前記各シャフトの軸心を所要方向にずらして配置したことを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項6,7又は8に記載のヘッドレストステイのプレス加工装置において、前記ロールパンチホルダーに複数組のロールパンチ列を形成し、一のロールパンチ列のシャフトの軸心と他のロールパンチ列のシャフトの軸心をロールパンチホルダーの進退方向にずらして配置したことを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項6,7,8又は9に記載のヘッドレストステイのプレス加工装置において、前記クランプ手段が枢軸に回動可能に組み付けたクランプレバーと、このクランプレバーを回動させてその先端部で前記ヘッドレストステイを前記受け台に締め付けるアクチュエーターから成ることを特徴とする。
【0005】
【発明の作用・効果】
本発明によれば、複数個のロールパンチを順にヘッドレストステイ表面の一箇所に押圧して凹部を段々にプレス成形するので、一回のプレス工程で凹部を成形でき、ヘッドレストステイのホルダーへのセッティングも専用機を用意しなくても1回で済みむので、加工コストを低減できる。プレス荷重が比較的小さくて済み、バリが発生し難い。また、プレス荷重の小さいことに加え、ロールパンチが回転するのでロールパンチが均一に摩耗する。このためロールパンチの耐久寿命が長く、加工コストを低減できる。
ヘッドレストステイとロールパンチとの干渉量が順に大きくなるように各ロールパンチをヘッドレストステイに押圧するので、ダレの発生を防止でき、より一層凹部の加工精度を高めることができる。
ヘッドレストステイに芯金を挿入するので、プレス加工時のパイプ材の変形を防止でき、更に一層高精度に凹部を加工できる。
ロールパンチをヘッドレストステイの背面側から押し付けて凹部をプレス加工するので、ヘッドレストステイに背面側から作用する衝撃荷重に対する耐久性が高くなる。
ロールパンチ列を複数組設けることで、各ロールパンチ列に対応してヘッドレストステイの複数箇所に凹部をプレス加工できる。とりわけ、ロールパンチを組み付けるシャフトの軸心をずらしたので、一のロールパンチ列のロールパンチと他のロールパンチ列のロールパンチが同時にヘッドレストステイに当たることがなく、プレス加工時常に一個のロールパンチだけがヘッドレストステイに押圧される。このためロールパンチの負荷が小さくて済むのでロールパンチの寿命がアップし、またバリの発生をより一層抑制できる。
また、クランプレバーでヘッドレストステイを受け台に強固に固定できるので、ロールパンチによる凹部のプレス加工時にヘッドレストステイが微動するのを確実に防止できる。このためヘッドレストステイの一方の長尺部だけに凹部を高精度で加工することが可能となる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を図面に基づき説明するに、図1及び図2には本発明に係るプレレス加工方法及びプレス加工装置によって凹部をプレス加工したヘッドレストステイ10が示されている。当該ヘッドレストステイ10は金属製パイプ材をU字形に曲げ加工したもので、一本の短尺部11と、その両端部に連なる2本の長尺部12,13cから成り、短尺部11が前方へ傾斜し、一方の長尺部12の内側の3箇所に、シートバックに固定したフックが係合する凹部14,15,16が形成されている。各凹部14,15,16は角部14a,15a,16a,と、角部14a,15a,16aに連なるテーパ部14b,15b,16bから成っている。
【0007】
図3には本発明のヘッドレストステイのプレス加工方法を実施するプレス加工装置20の概略が示されている。当該プレス加工装置は基台21、基台21に固定されヘッドレストステイ10を載置する受け台22、基台21に立設したフレーム23に支持軸24で回動可能に組み付けた一対のクランプレバー25、基台21に設置され各クランプレバー25に連結した一対のエアシリンダー式アクチュエーター26、基台21に対して上下方向に進退可能に設けたプレススライダ27、プレススライダ27に垂設したロールパンチホルダー30を備えている。
【0008】
基台21にはロールパンチホルダー30が通過する貫通穴21aが形成されている。受け台22にはこの貫通穴21aに整列しロールパンチホルダー30が通過する通路22aが形成され、通路22aの一側にロールパンチホルダー30が摺接するガイドブロック28が固定されている。受け台22の通路21aの反ガイドブロック28側の上端部にヘッドレストステイ10の一方の長尺部12の下部が嵌合する断面円弧形の溝22bが形成され、受け台22の上面にヘッドレストステイ10の他方の長尺部13の下半分が嵌合する断面半円形の溝22cが形成されている。
【0009】
ロールパンチホルダー30は図4に示すように、2本のサイドフレーム31,32と両サイドフレーム31,32間に設けたインナーフレーム33を備え、一方のサイドフレーム31とインナーフレーム33の間に上下4本のシャフト34が等間隔で平行に並べて固定され、第1のシャフト列を構成している。また、他方のサイドフレーム32とインナーフレーム33間にも上下4本のシャフト35が等間隔で平行に並べて固定され、第2のシャフト列を構成している。第2のシャフト列を構成する各シャフト35の軸心35aは図3に示すように一直線m上に整列している。同じく第1のシャフト列を構成する各シャフト34の軸心34aも一直線上に整列している。また、第1のシャフト列を構成する各シャフト34の軸心34aと第2のシャフト列を構成する各シャフト35の軸心35aはその位置が互いに一致することのないように上下方向(プレススライダの進退方向)にずらして取付けられている。
【0010】
図4に示すように、ロールパンチホルダー30の第1シャフト列の各シャフト34には円錐台形のロールパンチ36A〜36Dが回転可能に組み付けられて、第1ロールパンチ列を形成している。第2シャフト列の各シャフト35には二つの円錐台形を合体した形状のロールパンチ37A〜37Dが回転可能に組み付けられ、第2ロールパンチ列を形成している。第1ロールパンチ列の各ロールパンチ36A〜36Dはリング状の外周凸部36aとテーパ状の外周面36bを有する。第2ロールパンチ列の各ロールパンチ37A〜37Dは両端にリング状の外周凸部を37a,37b有し、両凸部37a,37b間にテーパ状の外周面37c,37dを有する。第1ロールパンチ列の各ロールパンチ36A〜36Dは下方のものほど外形が小さく、上にいくほど外形が大きい。同じく、第2ロールパンチ列の各ロールパンチ37も下方のものほど外形が小さく、上のものほど外形が大きい。このため、下方にあるロールパンチ36A〜36D,37A〜37Dほど、ヘッドレストステイ10の長尺部12との干渉量が小さく、上のものほど大きい。両ロールパンチ列とガイドブロック28及び受け台22の溝22bは、プレススライダ27を下方へ前進させたとき、溝22b,22cに長尺部12,13を嵌合してクランプレバー25で固定したヘッドレストステイ10の一方の長尺部12の外周部に各ロールパンチ36,37が交差するように配置されている。
なお、図3においては第2ロールパンチ列のロールパンチ37A〜37Dだけを表示し、図を簡明にするため第1ロールパンチ列を省略した。
【0011】
ヘッドレストステイのプレス加工装置20の概略構造は以上の通りであって、ヘッドレストステイ10に凹部14,15,16を加工するには、受け台22の溝22b,22cにヘッドレストステイ10の長尺部12,13を嵌合させ、エアーシリンダ26を駆動してクランプレバー25を回動させ、同レバー25の先端部でヘッドレストステイ10の各長尺部12,13を受け台22に締め付け固定する。このときヘッドレストステイ10の長尺部12、13の前面側が溝に嵌合するように受け台22に載置する。そうしておいて、パンチスライダ27を下方へ前進させ、ロールパンチホルダー30をガイドブロック28に沿って通路22aから貫通穴21aへ挿入する。パンチスライダ30の前進に伴い、順に径の小さいロールパンチ36A、37Aから径の大きいロールパンチ36D,37Dへと順に長尺部12と交差し、長尺部12に背面側から押圧され、凹部14,15,16が段々に成形される。このとき凹部14,15,16の角部14a,15a,16aはロールパンチ列の各ロールパンチ36,37の外周凸部36a,37a,37bにより成形され、凹部14,15,16のテーパ部14b,15b,16bがロールパンチ36A〜36D,37A〜37Dのテーパ状外周面36b,37c,37dで成形される。
【0012】
本プレス加工装置20によれば、径の異なる複数個のロールパンチ36A〜36D,37A〜37Dを径の小さいものから大きいものへと順にヘッドレストステイ10表面の所定箇所に押圧して凹部14,15,16を段々にプレス成形するので、ダレやバリの発生を抑制し、凹部14,15,16の寸法、形状の精度を高めることができる。また、プレス荷重の小さいことに加え、ロールパンチ36,37が回転するのでロールパンチ36A〜36D,37A〜37Dが均一に摩耗する。このためロールパンチ36A〜36D,37A〜37Dの耐久寿命が長く、加えて一回のプレス工程で凹部14,15,16を加工できるので、低コストで加工できる。
【0013】
ロールパンチ36A〜36D,37A〜37Dの列を2組み設けたので、各ロールパンチ列に対応してヘッドレストステイ10の複数箇所に凹部14,15,16をプレス加工できる。とりわけ、ロールパンチ36A〜36D,37A〜37Dを組み付けるシャフト34,35の軸心34a,35aをずらしたので、ロールパンチホルダー30を下動させたとき一のロールパンチ列のロールパンチ36A〜36Dと他のロールパンチ列のロールパンチ37A〜37Dが同時にヘッドレストステイ10に当たることがなく、常に一個のロールパンチ36A〜36D,37A〜37Dだけがヘッドレストステイ10に押圧される。このためロールパンチ36A〜36D,37A〜37Dの負荷が小さくて済のでロールパンチ36A〜36D,37A〜37Dの寿命がアップし、またパリの発生をより一層抑制できる。
【0014】
クランプレバー25でヘッドレストステイ10を受け台22に強固に固定できるので、ロールパンチ36A〜36D,37A〜37Dによる凹部14,15,16のプレス加工時にヘッドレストステイ10が微動するのを確実に防止でき、凹部14,15,16を一方の長尺部12だけに高精度で加工できる。
また、ロールパンチ36A〜36D,37A〜37Dをヘッドレストステイ10の背面側から押し付けて凹部14,15,16をプレス加工しているが、これは、ヘッドレストステイ10に背面側から作用する衝撃荷重に対する耐久性を高くするためである。ヘッドレスト10は前方からの衝撃と後方からの衝撃の両方に耐えるものでなければならないが、安全基準では、前方より後方からより大きな衝撃力が加わることを想定している。発明者の実験によれば、ヘッドレストに対する後方からの耐衝撃性を高めるにはロールパンチ36A〜36D,37A〜37Dをヘッドレストステイの背面側から押しつけて凹部を加工するほうが、前面側から押しつけて凹部を加工するより良いことが判明した。
【0015】
本発明に係るヘッドレストステイのプレス加工装置の他の実施例20Aを図5に示す。上述したプレス加工装置20ではシャフトを平行に、かつ各シャフト34,35の軸心を一直線上に整列させ、各シャフト34,35に下から上へ、順に径の小さいロールパンチ36A,37Aから径の大きいロールパンチ36D,37Dを組み付けることにより、クランプレバー25で受け台22に固定したヘッドレストステイ10と各ロールパンチ36A〜36D,37A〜37Dとの干渉量が下から上へ順に大きくなるように構成したが、本実施例20Aでは各シャフト34,35に同一径のロールパンチ38を組み付け、かつ各ロールパンチ38とヘッドレストステイ10の長尺部12との干渉量が下から上へと順に大きくなるように、各シャフト34,35の軸心を所要寸法だけ横(ロールパンチホルダー27の進退方向と直交する方向)にずらしている。
本実施例に係るプレス加工装置20Aの他の構成はプレス加工装置20と同じであるので、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。また、プレス加工装置20におけるロールパンチ36A〜36Dに相当するロールパンチについては図示を省略する。
【0016】
次ぎに、本発明に係るヘッドレストステイの加工方法の他の実施例を図6及び図7に基づき説明する。本実施形態ではヘッドレストステイ10の長尺部12に図5に示す芯金40を挿入してプレス加工を行う。この芯金40は断面形状が略矩形で長尺部に挿入される挿入部41と、円形の一部外周を平坦にカットした断面形状を有し、冶具で回転しないように固定される基部42と、断面円形の摘み部43とから成り、挿入部41の底部は長尺部12の内径とほぼ同じ曲率半径となるように製作されている。
【0017】
プレス加工装置20の受け台22の溝にヘッドレストステイ10の長尺部12,13を嵌合してクランプレバー25で固定した後、芯金40の挿入部41を長尺部12に挿入して冶具(図示略)で回転しないように固定する。こうしておいて、ロールパンチ36A〜36D,37A〜37Dで凹部14,15,16を成形すると、パイプ材の変形を防止でき、より一層高精度に凹部を加工できる。
【0018】
前述した本実施形態に係るプレス加工装置は一列に4個のロールパンチ36A〜36D,37A〜37Dを用いてるが、4個に限定されるものではなく、一列のロールパンチの個数は2個から7個の範囲で金属製パイプの材質、肉厚、径、加工すべき凹部の形状に応じて適宜選択するとよい。1個のロールパンチで加工するとダレが大き過ぎる。一方、7個以上のロールパンチを使用した場合、ダレは少なくなるが、加工硬化度がアップしヘッドレストステイの強度が低下する。より好ましくは3個から6個の範囲で選択すると良い。受け台22に固定したヘッドレストステイ10に対してロールパンチ36A〜36D,37A〜37Dを上下方向に進退させて凹部14,15,16をプレス加工しているが、ロールパンチ36A〜36D,37A〜37Dを固定しておいて、受け台22側を進退させることで凹部14,15,16をプレス加工することも可能である。凹部14,15,16の断面形状を角部14a,15a,16aとテーパ部14b,15,16から成る形状に加工しているが、ロールパンチ36A〜36D,37A〜37D,39の外周凸部36a,37a,37bとテーパ状の外周面36b,37c,37dの形状を変えることで、断面矩形の凹部をプレス加工することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプレス加工方法で加工したヘッドレストステイを示す斜視図である。
【図2】同ヘッドレストステイを示す正面図である。
【図3】本発明のヘッドレストステイのプレス加工方法を実施するに好適なプレス加工装置の概略構成を示す正面図である。
【図4】同プレス加工装置のロールパンチホルダーを示す側面図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係るヘッドレストステイのプレス加工装置の概略構成を示す正面図である。
【図6】本発明に係るヘッドレストステイのプレス加工方法に用いられる芯金を示す斜視図である。
【図7】同芯金を金属製パイプ材に挿入した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
10…ヘッドレストステイ、12…長尺部、14,15,16…凹部、20…ヘッドレストステイのプレス加工装置、34,35…シャフト、36A〜36D,37A〜37D,39…ロールパンチ、40…芯金。

Claims (10)

  1. 金属製パイプ材から成るヘッドレストステイの表面にロールパンチを用いて凹部をプレス成形するヘッドレストステイのプレス加工方法であって、シャフトに回転可能に組み付けた複数個のロールパンチを前記ヘッドレストステイとの干渉量が漸増するように並べてロールパンチ列を形成し、複数個のロールパンチを干渉量が小さいものから大きいものへと順に前記ヘッドレストステイの外周部と交差するように相対的に動かして、ヘッドレストステイの表面の所定箇所に各ロールパンチの外周部を押し付け、もって前記凹部をプレス成形することを特徴とするヘッドレストステイのプレス加工方法。
  2. 前記複数個のロールパンチを前記ヘッドレストステイとの干渉量が漸増するように径の小さいものから径の大きいものへと順に並べて前記ロールパンチ列を形成したことを特徴とする請求項1に記載のヘッドレストステイのプレス加工方法。
  3. 前記複数個のロールパンチを前記ヘッドレストステイとの干渉量が漸増するように前記各シャフトの軸心を所要方向にずらして配置して前記ロールパンチ列を形成したことを特徴とする請求項1に記載のヘッドレストステイのプレス加工方法。
  4. 前記ヘッドレストステイに芯金を挿入してから前記凹部をプレス成形することを特徴とする請求項1,2又は3に記載のヘッドレストステイのプレス加工方法。
  5. 前記ヘッドレストステイの背面側から同ヘッドレストステイの表面の所定箇所に各ロールパンチの外周部を押し付けることを特徴とする請求項1,2,3又は4に記載のヘッドレストステイのプレス加工方法。
  6. 金属製パイプ材から成るヘッドレストステイの表面にロールパンチを用いて凹部をプレス成形するヘッドレストステイのプレス加工装置であって、前記ヘッドレストステイを載置する受け台と、受け台に載置したヘッドレストステイを固定するクランプ手段と、クランプ手段で受け台に固定したヘッドレストステイに対して相対的に進退可能に設けられ、かつ複数個のロールパンチを個別にシャフトに回転可能に組み付けるとともに、受け台に固定した前記ヘッドレストステイとの干渉量が漸増するように前記進退方向に沿って並べてロールパンチ列を形成したロールパンチホルダーとを備え、ロールパンチホルダーを前記ヘッドレストステイに対して相対的に前進させてロールパンチ列の各ロールパンチを干渉量が小さいものから大きいものへと順に前記ヘッドレストステイの外周部と交差させ、もってヘッドレストステイの表面の所定箇所に各ロールパンチの外周部を押圧して前記凹部をプレス成形するように構成したことを特徴とするヘッドレストステイのプレス加工装置。
  7. 前記ヘッドレストステイと前記各ロールパンチとの干渉量が順に大きくなるように前記ロールパンチ列を径の小さいものから大きいものへと順に並べて形成したことを特徴とする請求項6に記載のヘッドレストステイのプレス加工装置。
  8. 前記ヘッドレストステイと前記各ロールパンチとの干渉量が順に大きくなるように前記各シャフトの軸心を所要方向にずらして配置したことを特徴とする請求項6に記載のヘッドレストステイのプレス加工装置。
  9. 前記ロールパンチホルダーに複数組のロールパンチ列を形成し、一のロールパンチ列のシャフトの軸心と他のロールパンチ列のシャフトの軸心をロールパンチホルダーの進退方向にずらして配置したことを特徴とする請求項6,7又は8に記載のヘッドレストステイのプレス加工装置。
  10. 前記クランプ手段が枢軸に回動可能に組み付けたクランプレバーと、このクランプレバーを回動させてその先端部で前記ヘッドレストステイを前記受け台に締め付けるアクチュエーターから成ることを特徴とする請求項6,7,8又は9に記載のヘッドレストステイのプレス加工装置。
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