JP4465483B2 - 金属製のパイプ部材に対する溝の加工装置 - Google Patents

金属製のパイプ部材に対する溝の加工装置 Download PDF

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Description

本発明は、金属製のパイプ部材を治具にセットし、治具にセットしたパイプ部材の所定部位をパイプ部材の軸線と交差する方向から押圧陥入させて所定形状の溝を付形する、パイプ部材に対する溝の加工装置に関するものである。
自動車用のヘッドレストステーを金属製のパイプ部材から形成する場合を例示すると、その製品は、図11で示すように金属製のパイプ部材をコの字状に軸曲げすると共に、ラチエット爪が離脱自在に係止されることによりヘッドレストステーからヘッドレストを任意の高さに維持する溝を設けて構成されている。
その溝としては、ヘッドレスト高さ調整用の略レの字状を呈する1〜6個程度のフリー溝gと、ヘッドレスト抜外れ防止用の略コの字状を呈する1または2個程度のストッパ溝gとが、コの字状に軸線曲げしたパイプ部材の片縦軸部の所定部位を当該縦軸部の軸線と交差する方向へ窪ませることにより付形されている。
これらの溝をパイプ部材に付形するに、切削刃によるブローチまたはスライス加工を適用すると、所定形状の溝を容易に形成できるが、切粉が発生すると共に、パイプ部材を傷付け易くなるばかりでなく、パイプ部材の削り取りはパイプ部材の剛性の低下を招いてしまう。
パイプ部材に対する溝の付形には、先端側を溝形状に合わせて曲面形に形成したポンチ(特許文献1)、先端側を溝形状に合わせて楔形状に形成した成形刃(特許文献2)をパイプ部材の軸線と直交する方向からパイプ部材に下降動させて溝をプレス成形し、また、先端側を溝形状に合わせて斜めに面取りしたパンチ(特許文献3)をパイプ部材の軸線に対して斜め方向からパイプ部材に下降動させて溝をプレス成形することが提案されている。
そのプレス加工では、パンチによる圧力をパイプ部材の軸線に対して交差する方向から加えてパイプ部材の所定部位を径内方向へ押し込む押圧力により溝を成形するため、パンチによる圧力が溝の縁部にまで作用し、パイプ部材の外周の偏平度(真円度)を大きく変えてしまい、大きなダレが溝の縁部に生じてしまう。
そのプレス成形のみによる以外、パンチを回動させながら刃先をパイプ部材の軸線と直交する方向から圧接させて溝の予備成形を行った後、プレスポンチによるシェービング加工によりパイプ部材の所定部位を削り取ることが提案されている(特許文献4)。
その溝の加工装置では、パンチを回動させながらパイプ部材の軸線に対して直交方向へ移動させて刃先をパイプ部材に圧接させるものであるため、所定形状の溝を付形するに必要なパンチの回動と移動とを適度に合わせるのが難しい。また、異なる工具を個別に作動させて溝を形成するものであるから、プレスポンチを予備成形溝の形状に合わせて正確に作動することが難しく、パイプ部材の所定部位の削取りによる切粉が発生し、パイプ部材の剛性の低下も免れ得ない。
上述したプレス成形と併用し、溝形状に相応する切欠を軸線上に設けた芯金をパイプ部材の径内に挿置することも提案されている(特許文献5)。
その芯金を併用する場合、芯金の出し入れに著しく手間が掛かるため、製品の生産性に劣ると共に、パイプ部材の上述した外周の偏平度(真円度)の変化乃至は成形断面のダレが生じて満足し得る溝を付形できない。
その他に、エピサイクロイド機構と球継手による揺動運動をスピンドルに起させ、スピンドルの先端に取り付けた所定の溝形状に相応する先端形状を有する成形具により、溝をスエージング加工でパイプ部材に付形することも提案されている(特許文献6)。
そのスエージング加工では、プレス成形と比べれば、成形具がパイプ部材の所定部位を所定の溝形状にまで徐々に陥入させるよう作用するため、溝の縁回りに生ずるダレの発生を抑えられる。然し、エピサイクロイド機構が機構的に複雑で高価なものであるところから、製品コストが嵩む。
特開2001−239340号 特開2001−18014号 特開2002−204733号 特開2002−210519号 特開2002−120022号 特開2000−51957号
本発明の解決しようとする課題は、切粉の発生する切削によらず、また、芯金をパイプ部材の径内に挿置することによらず、パイプ部材の外周の偏平度(真円度)を保って溝の縁部におけるダレの発生を抑え、所定形状の溝をパイプ部材の所定部位に簡単な機構で正確に付形可能な溝の加工装置を提供することにある。
本願の請求項1に記載の発明は、金属製のパイプ部材をセットする治具と、溝を付形するに相応した輪郭形状を有する突条歯を円周面に設けた複数の駆動ローラと、各駆動ローラを直列的に並べてローラ軸で軸承保持するローラホルダーと、ローラホルダーを治具にセットした金属製のパイプに向けて移動させる動力手段と、金属製のパイプ部材に対して摺接する駆動ローラを回転させる駆動手段とを備え、パイプ部材の軸線と交差する方向に所定形状の溝を付形するための加工装置において、
最終溝よりも浅くて狭幅のV字溝を付形する突条歯を円周面に設けた先頭ローラと、先頭ローラによって付形された溝の溝口側を深く付形する突条歯を円周面に設けた第一の中間ローラと、第一の中間ローラによって付形された溝口側の広い溝の溝奥側を扁平面に付形する突条歯を円周面に設けた第二の中間ローラと、第二の中間ローラによって付形された溝を溝の深さ,扁平面の幅及び傾斜面の長さを最終溝の溝形状に近づくまで付形する突条歯を円周面に設けた第三の中間ローラを複数の中間ローラとして含み、第三の中間ローラによって付形された形状の溝から最終形状の溝を付形するに相応した輪郭形状の突条歯を設けた最後尾ローラを備え、先頭ローラ,複数の中間ローラ,最後尾ローラを順次直列的に並べてローラホルダーで軸承支持した駆動ローラのローラ列を備え付けたことを特徴とする。
本願の請求項2に係る発明は、先頭ローラによって付形されたV字溝の溝口側を深く付形する突条歯を円周面に設けた第一の中間ローラと、第一の中間ローラによって付形された溝口側の広いV字溝の溝奥側を扁平面とすると共に、溝口側の広いV字溝の片斜面を垂直面とし、且つ、他斜面を溝奥より緩やかな上り勾配の傾斜面として付形する突条歯を円周面に設けた第二の中間ローラと、第二の中間ローラによって付形された溝を溝の深さ,扁平面の幅及び傾斜面の長さを最終溝の略レの字形状に近づくまで付形する突条歯を円周面に備えた第三の中間ローラを複数の中間ローラとして含み、第三の中間ローラによって付形された形状の溝から略レの字状の最終溝を付形するに相応した輪郭形状の突条歯を設けた最後尾ローラを備えたことを特徴とする。
本願の請求項3に係る発明は、先頭ローラによって付形されたV字溝の溝口側を深く付形する突条歯を円周面に設けた第一の中間ローラと、第一の中間ローラによって付形された溝口側の広いV字溝の溝奥側を扁平面に付形する突条歯を円周面に設けた第二の中間ローラと、第二の中間ローラによって付形された溝を溝の深さ,扁平面の幅及び傾斜面の長さを最終溝の略コの字形状に近づくまで付形する突条歯を円周面に設けた第三の中間ローラを複数の中間ローラとして含み、第三の中間ローラによって付形された形状の溝から略コの字状の最終溝を付形するに相応した輪郭形状の突条歯を設けた最後尾ローラを備えたことを特徴とする。
本願の請求項4に係る発明は、請求項2に記載のローラ列と、請求項3に記載のローラ列とを相平行に整列させて配置し、形状の異なる複数の最終溝を各ローラ列で同時に付形可能な駆動ローラのローラ列を備え付けたことを特徴とする。
本願の請求項1に係る発明に依れば、細いV字溝を先頭ローラで成形し、そのV字溝を複数の中間ローラで最終溝の形状に徐々に近付け、最終溝を最後尾ローラで成形するよう順次付形するため、駆動ローラの突条歯による圧力を溝の付形部分に確実に集中させ、溝を最終溝の溝形状にまで徐々に進行させて付形することができ、パイプ部材の外周の変形を抑えられると共に、溝の縁部に生ずるダレの発生を抑えて最終溝を正確に付形できる。
本願の請求項2に係る発明に依れば、細いV字溝を先頭ローラで成形し、そのV字溝を複数の中間ローラで略レの字形に徐々に近付け、最終溝を最後尾ローラで略レの字形に成形するよう順次付形するため、駆動ローラの突条歯による圧力を溝の付形部分に確実に集中させ、溝を最終溝の略レの字形にまで徐々に進行させて付形することができ、パイプ部材の外周の変形を抑えられると共に、溝の縁部に生ずるダレの発生を抑えて略レの字状の最終溝を正確に付形できる。
本願の請求項3に係る発明に依れば、細いV字溝を先頭ローラで成形し、そのV字溝を複数の中間ローラで略コの字形に徐々に近付け、最終溝を最後尾ローラで略コの字形に成形するよう順次付形するため、駆動ローラの突条歯による圧力を溝の付形部分に確実に集中させ、溝を最終溝の略コの字形にまで徐々に進行させて付形することができ、パイプ部材の外周の変形を抑えられると共に、溝の縁部に生ずるダレの発生を抑えてコの字状の最終溝を正確に付形できる。
本願の請求項4に係る発明に依れば、請求項2に記載のローラ列と、請求項3に記載のローラ列とを相平行に整列させて配置し、形状の異なる複数の最終溝を各ローラ列で同時に付形可能な駆動ローラのローラ列を備え付けたので、ヘッドレストステーにおけるように略レの字溝並びに略コの字溝が共に必要とされるものに対しては、溝加工を一工程で行えて製品の生産性を効率よく高めることができる。
図示の溝加工装置は、図1で示すように金属製のパイプ部材Pをセットする治具1と、後述するように溝を付形するに相応した輪郭形状を有する突条歯を円周面に設けた複数の駆動ローラ10〜14と、各駆動ローラ10〜14を直列的に並べてローラ軸で軸承保持するローラホルダー2と、ローラホルダー2を治具1にセットした金属製のパイプPに向けて移動させる動力手段3と、金属製のパイプ部材Pに対して摺接する駆動ローラ10〜14を回転させる駆動手段4とを備えて構成されている。
駆動ローラ10〜14は、図2で示す(先頭ローラ10のみ図示)ようにローラ軸を軸承保持する断面略逆凹状のローラホルダー2の側部間に掛渡し装着されている。ローラ軸の一端部はローラホルダー2の片側側部を貫通し、その先端部には駆動手段4のピニオン4aが装着されている。各駆動ローラ10〜14は、突条歯が下部開放側から一部露出された状態でローラホルダー2の内部に収容されている。駆動ローラ10〜14としては、合金工具鋼製(JIS規格:SKD11、HRC58±1.0)又は超硬合金製のローラを備え付けることができる。
ローラホルダー2には、動力手段3が後端側に連結されている。この動力手段3により、駆動ローラ10〜14の突条歯を治具1にセットされたパイプ部材Pの軸線に対して直交する方向より摺接させるよう、ローラホルダー2が水平に移動させられる。その動力手段3としては、サーボ駆動機構又は油圧サーボ駆動機構等を用いることができる。
セット治具1には、ローラホルダー2を移動自在に受け入れるゲート1aが内部に貫通するよう設けられている。このゲート1aは、ローラホルダー2の天部面がゲート1aの上部面と摺接し、ピニオン4aがゲート1aの側面と摺接せず、また、ローラホルダー2の下部より露出した突条歯の一部もゲート1aの底面と摺接しない大きさの略四辺形の空洞状に形成されている。また、パイプ部材Pを挿通する軸受け孔1bがゲート1aと交差する方向に設けられている。軸受け孔1bは、溝が付形されるパイプ部材Pの所定部位をゲート1aの空洞内に露出させる形状に形成されている。
駆動ローラ10を回転させるための駆動手段4は、ローラ軸1cの先端部に装着されたピニオン4aと、セット治具1のゲート1aの片側部内面に沿って水平に延びる長尺なラック4bとからなり、ピニオン4aの歯とラック4bの歯とを噛合可能に配置させて備え付けられている。駆動ローラ10〜14は、ローラホルダー2がセット治具1にセットされたパイプ部材Pに向かって動力手段3で移動させられた時に、ピニオン4aがラック4bと噛合しつつラック4bに沿って回転することにより回動するよう組み付けられている。
この溝の加工装置では、図3で示すようにパイプ部材Pをセット治具1の軸受け孔1bに挿通させて位置決め保持した後、ローラホルダー2をパイプ部材Pの軸線に向けて動力手段3で直交方向より移動し、駆動ローラ10〜14をラック4bに沿ったピニオン4aの回転により回動させることから、ローラホルダー2の下部より部分的に露出する駆動ローラ10〜14の突条歯でパイプ部材Pの軸線と交差する方向に所定形状の溝を付形するよう構成されている。
ローラホルダー2が治具1のゲート1aを移動する際に、ローラホルダー2の天部面がゲート1aの上部面に摺接するので、駆動ローラ10〜14をゲート1aの内部で水平に移動ガイドできる。また、駆動ローラ10〜14の突条歯がパイプ部材Pの軸線と交差する方向へ食い込むに伴う逃げの発生を防げるため、所定の加圧力を保ってパイプ部材Pの軸線と交差する方向にパイプ部材Pの所定部位を押圧陥入できることから、溝形状を所望通りに付形できる。
複数の駆動ローラとしては略レの字状溝を付形するもので説明すると、図4で示すように円周面10bの中央部より立ちあがったV字状の突条歯10aを備えた先頭ローラ10と、円周面11bの中央部より立ちあがったV字状の突状歯11aを備えた第一の中間ローラ11と、略中央の有幅な起立面から片側方のテーパ状を呈する断面略台形のリング面となる突条歯12a,13aを円周面12b,13bに備えた第二及び第三の中間ローラ12,13と、略中央の有幅な起立面から片側方のテーパ状を呈する断面略台形のリング面となる突条歯14aを円周面14bに備えた最後尾ローラ14とが備えられている。
図4中、符号10c〜14cは駆動ローラ10〜14のローラ軸を示す。各ローラ軸10c〜14cには、ピニオン4aがローラホルダー2の側部より外方へ突出した先端部に夫々装着されている。各ピニオン4aは、長尺なラック4bと噛合するよう配置されている。また、ラック4bは図示していないセット治具のゲートにおける内側面に取り付けられている。
駆動ローラ10〜14は、ローラ列の移動方向Xに向かってV字状の突条歯10aを設けた先頭ローラ10を先頭に配置し、中間ローラ11〜13として所定のレの字溝に徐々に近付く互いに異なった形状の突条歯11a〜13aを備えたものを先頭ローラ10の後方に配置し、最後尾のローラ14として所定のレの字溝と略同じ形状の突条歯14aを備えたものが第三の中間ローラ13の後方に配置することから直列的に並べて整列されている。
駆動ローラ10〜13としては、図5並びに図6で示すように円周面10b〜13bがパイプ部材の軸線に対して直交する方向より摺接しない同じ直径φ〜φを有するものが備え付けられている。これに対し、最後尾のローラ14としては円周面14bがパイプ部材の軸線に対して直交する方向より摺接可能な大きい直径φ〜φを有するものが配列されている。
駆動ローラ10,11に設けられるV字状の突条歯10a,11aを比較すると、先頭ローラ10の突状歯10aは、第一の中間ローラ11の突条歯11aの基部幅wよりも狭い基部幅wを有し、且つ、これら突状歯10a,11aの立上り高さはh=h,突端の曲部面はr=rとなっている。
駆動ローラ12〜14に設けられる略中央の有幅な起立面からテーパ状を呈するリング面となる断面略台形の突条歯12a〜14aを比較すると、駆動ローラ12〜14の順に、起立面の平坦な突端幅がw<w<wと徐々に広くなり、且つ、リング面の傾斜角がθと徐々に小さくなっている。
その駆動ローラ12〜14によっては、図7で示すように先頭ローラ10で付形されたV字溝g10を第一の中間ローラ11でV字溝g10の溝口側を広くした溝g11として付形し、次に、第二の中間ローラ12で溝口側の広いV字溝g11の溝奥側を扁平面とする溝に付形し、且つ、V字溝g11の片斜面を垂直面とすると共に、V字溝の他斜面を溝奥より緩やかな上り勾配の傾斜面とする溝g12として付形する。
更に、第三の中間ローラ13で溝奥側の深さ,扁平幅並びに傾斜面の長さを所定形状近くの溝g13にまで付形するように、段階的に溝形状を所定の溝形状に徐々に近付けてから、最終的に、所定形状近くの溝形状を最後尾のローラ14で所定形状の溝g14にまで付形することができる。
駆動ローラ10〜14は、ローラホルダー1dの移動に伴って回動させられるものであるので、先頭ローラ10から中間ローラ11,12,13及び最後尾ローラ14がパイプ部材Pの軸線と直交する方向から摺接すると共に、各突条歯10a〜14aによる圧力を溝の付形部分に集中させてパイプ部材の外周の変形を抑えつつ、溝を所定形状へと進行させて形成するため、パイプ部材の外周の偏平度(真円度)を保ち、溝の縁部におけるダレのない所定形状の溝g14としてレの字溝を一層正確に形成することができる。
次に、略コの字状の溝を付形する場合で説明すると、図8並びに図9で示すような異なる形状の突条歯10a’〜14a’を備えた駆動ローラ10’〜14’がローラホルダーに整列配置される。駆動ローラ10’〜13’としては、円周面10b’〜13b’がパイプ部材の軸線に対して直交する方向から摺接しない同じ直径φ’〜φ’を有するものが備え付けられている。最後尾ローラ14’としては、円周面14b’がパイプ部材の軸線と直交する方向から摺接する大きな直径φ〜φを有するものが備え付けられている。
駆動ローラ10’,11’に設けられるV字状の突条歯10a’,11a’を比較すると、レの字溝を設ける場合と同様に、先頭ローラ10’の突状歯10a’の基部幅w’は第一の中間ローラ11’の突条歯11a’の基部幅w’よりも狭くなっており、且つ、これら突状歯10a’,11a’における立上り高さはh’=h’,突端の曲部面はr’=r’となっている。
駆動ローラ12’〜14’に設けられる略コ形の突条歯12a’〜14a’を比較すると、ローラ12’〜14’の順に、突端幅がw’ <w’ <w’と徐々に広くなり、且つ、突端の平坦幅がr’ <r‘<r‘と徐々に広くなる突条歯12a’〜14a’が設けられている。
その駆動ローラ12’〜14’によっては、図10で示すように先頭ローラ10’で付形したV字溝g10’を第一の中間ローラ11’の突条歯11a’でV字溝g10’の溝口側を広く付形した溝g11’にし、次に、第二及び第三の中間ローラ12’,13’の突条歯12a’,13a’で溝奥側の深さ,扁平幅を所定の溝形状に徐々に近付けてから、最終的に、最後尾ローラ14’の突条歯14a’で所定形状の溝を付形する。
その駆動ローラ10’〜14’でもローラホルダーの移動に伴って回動するので、駆動ローラ10’〜14’がパイプ部材Pの軸線に対して直交する方向から摺接すると共に、駆動ローラ10’〜14’の突条歯10a’〜14a’による圧力を溝の付形部分に集中させてパイプ部材の外周の変形を抑えつつ、溝を所定形状へと進行させて付形するため、パイプ部材の外周の偏平度(真円度)を保ち、溝の縁部におけるダレのない所定形状の溝g14’としてコの字溝を一層正確に付形することができる。
上述した略レの字状溝を付形する駆動ローラのローラ列と、略コの字状溝を付形する駆動ローラのローラ列とを相平行に整列させて配置し、形状の異なる複数の最終溝を各ローラ列で同時に付形可能に構成するようにできる。これにより、ヘッドレストステーにおけるように略レの字溝並びに略コの字溝が共に必要とされるものの溝加工を一工程で行えて製品の生産性を効率よく高めることができる。
上述した実施の形態においては、複数のローラを五個直列的に配置した場合について説明したが、これに限定されることなく、ローラの個数は溝の形状や要求される形状精度、パイプ部材の材質等から適宜に選択,設計することができる。
上述した実施の形態においては、主に、ヘッドレストステーを製造する場合に基づいて所定形状の溝をパイプ部材の軸線上に設けることを説明したが、ハンドブレーキやその他の製品をパイプ部材から製造するにあたり、所定形状の溝をパイプ部材の軸線上に設ける場合にも適用することができる。
本発明に係る金属製のパイプ部材に対する溝の加工装置を示す側面図である。 図1の溝加工装置をA−A線で示す断面図である。 図1の溝加工装置を作動状態で示す説明図である。 本発明に係る金属製のパイプ部材に対する溝の加工装置に備え付けられる複数の駆動ローラを示した説明図である。 図4で示す複数の駆動ローラ中の先頭ローラと第一の中間ローラとをそれらのV字状突条歯で比較した説明図である。 図4で示す複数の駆動ローラ中の第二及び第三の中間ローラと最後尾ローラとをそれらの円錐台形の突条歯で比較する説明図である。 図4で示す複数の駆動ローラにより段階的に付形される略レの字状溝の形状変化を示す説明図である。 図7で示す溝と異なる形状の略コの字状溝を付形する複数の駆動ローラ中で、V字状の突条歯を備えた先頭ローラと第一の中間ローラとを比較する説明図である。 図8で示す駆動ローラに引き続く第二,第三の中間ローラ及び最後尾ローラをそれらの突条歯で比較する説明図である。 図8並びに図9の駆動ローラにより段階的に付形されるコの字状溝の形状変化を示す説明図である。 一般例に係るヘッドレストステーを示す斜視図である。
符号の説明
P 金属製のパイプ部材
1 セット治具
2 ローラホルダー
3 ローラホルダーの動力手段
4 ローラ駆動手段
10〜14 複数の駆動ローラ
10a〜14a 駆動ローラの突状歯
10b〜14b 駆動ローラの円周面
10c〜14c ローラ支軸

Claims (4)

  1. 金属製のパイプ部材をセットする治具と、所定形状の溝を付形するに相応した輪郭形状を有する突条歯を円周面に設けた複数の駆動ローラと、各駆動ローラを直列的に並べてローラ軸で軸承保持するローラホルダーと、ローラホルダーを治具にセットした金属製のパイプに向けて移動させる動力手段と、金属製のパイプ部材に対して摺接する駆動ローラを回転させる駆動手段とを備え、パイプ部材の軸線と交差する方向に所定形状の溝を付形するための加工装置において、
    最終溝よりも浅くて狭幅のV字溝を付形する突条歯を円周面に設けた先頭ローラと、先頭ローラによって付形された溝の溝口側を深く付形する突条歯を円周面に設けた第一の中間ローラと、第一の中間ローラによって付形された溝口側の広い溝の溝奥側を扁平面に付形する突条歯を円周面に設けた第二の中間ローラと、第二の中間ローラによって付形された溝を溝の深さ,扁平面の幅及び傾斜面の長さを最終溝の溝形状に近づくまで付形する突条歯を円周面に設けた第三の中間ローラを複数の中間ローラとして含み、第三の中間ローラによって付形された形状の溝から最終形状の溝を付形するに相応した輪郭形状の突条歯を設けた最後尾ローラを備え、先頭ローラ,複数の中間ローラ,最後尾ローラを順次直列的に並べてローラホルダーで軸承支持した駆動ローラのローラ列を備え付けたことを特徴とするパイプ部材に対する溝の加工装置。
  2. 先頭ローラによって付形されたV字溝の溝口側を深く付形する突条歯を円周面に設けた第一の中間ローラと、第一の中間ローラによって付形された溝口側の広いV字溝の溝奥側を扁平面とすると共に、溝口側の広いV字溝の片斜面を垂直面とし、且つ、他斜面を溝奥より緩やかな上り勾配の傾斜面として付形する突条歯を円周面に設けた第二の中間ローラと、第二の中間ローラによって付形された溝を溝の深さ,扁平面の幅及び傾斜面の長さを最終溝の略レの字形状に近づくまで付形する突条歯を円周面に備えた第三の中間ローラを複数の中間ローラとして含み、第三の中間ローラによって付形された形状の溝から略レの字状の最終溝を付形するに相応した輪郭形状の突条歯を設けた最後尾ローラを備えたことを特徴とする請求項1に記載のパイプ部材に対する溝の加工装置。
  3. 先頭ローラによって付形されたV字溝の溝口側を深く付形する突条歯を円周面に設けた第一の中間ローラと、第一の中間ローラによって付形された溝口側の広いV字溝の溝奥側を扁平面に付形する突条歯を円周面に設けた第二の中間ローラと、第二の中間ローラによって付形された溝を溝の深さ,扁平面の幅及び傾斜面の長さを最終溝の略コの字形状に近づくまで付形する突条歯を円周面に設けた第三の中間ローラを複数の中間ローラとして含み、第三の中間ローラによって付形された形状の溝から略コの字状の最終溝を付形するに相応した輪郭形状の突条歯を設けた最後尾ローラを備えたことを特徴とする請求項1に記載のパイプ部材に対する溝の加工装置。
  4. 請求項2に記載のローラ列と、請求項3に記載のローラ列とを相平行に整列させて配置し、形状の異なる複数の最終溝を各ローラ列で同時に付形可能な駆動ローラのローラ列を備え付けたことを特徴とするパイプ部材に対する溝の加工装置。
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