JP2006218086A - 身体障害者独立入浴型浴槽 - Google Patents

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Abstract

【課題】浴槽において、身体障害者の自立入浴と健常者の安全入浴を可能とする。
【解決手段】身体障害者独立入浴型浴槽1は、車椅子に乗車したまま入出するための入出用開口23が設けられた浴槽本体2と、浴槽本体2の入出用開口23を開閉するドアパネル3とを有する。浴槽本体2の入出用開口23は、その左右両側端縁が下方から上方に向かうに連れて左右方向幅が広がるように傾斜しており、この左右両側端縁には、上下に連通する溝27、28が設けられている。ドアパネル3は、入出用開口23を閉鎖する形状を有しており、その両側端縁が溝27、28に挿入されることで浴槽本体2に装着される。入出用開口23の左右両側端縁が下方から上方に向かうに連れて広がるように傾斜しているため、ドアパネル3を少ない上下移動距離で浴槽本体2に着脱でき、車椅子に乗車した身体障害者が自らドアパネル3を着脱して浴槽本体2に入出できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、浴槽に関するものであり、身体障害者の独立入浴と健常者の快適入浴を可能とした身体障害者独立入浴型浴槽に関するものである。
従来から、身体障害者に対する入浴に関する設備は、浴槽への進入を容易にするために脱衣場、浴室、浴槽の床面をオールフラットにしたり、浴室に暖房装置を設置する等がある。また、浴槽に関しては、浴槽の側壁に開口を設けると共に、その開口をドアで開閉するようにして、浴槽側壁の開口から車椅子に乗車したまま浴槽に入出できるようにしたものが知られている(例えば特許文献1乃至特許文献3参照)。
実開平5286号公報 特開平6−296661号公報 特開2002−86608号公報
ところが、上述した従来の浴槽においては、ドアは浴槽からの漏水を防止しなければならないため重量が重く、手動でドアを開閉する場合は、かなりの腕力を必要とし、腕力の代わりに動力を用いる場合は、高価な動力装置を必要とする。また、従来の浴槽においては、車椅子に乗車したまま浴槽に進入して入浴するため、浴槽の側壁が高く、同居する健常者が入浴する場合は、高い外壁を跨いで浴槽に入らなければならず、浴槽に入り難く危険である。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、身体障害者の自立入浴と健常者の安全入浴を可能とした身体障害者独立入浴型浴槽を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、車椅子に乗車したまま入出するための入出用開口が床から連続する周側壁の一部に設けられた浴槽本体と、浴槽本体の入出用開口を開閉する浴槽本体に着脱自在なドアパネルとを有する浴槽であって、浴槽本体の入出用開口は、その左右両側端縁が下方から上方に向かうに連れて左右方向幅が広がるように傾斜しており、この左右両側端縁には、上下に連通する溝が設けられており、ドアパネルは、その左右側端縁が溝に挿入されることで浴槽本体に装着され、浴槽本体に装着されたときに入出用開口を閉鎖する形状を有し、該左右側端縁及び下端縁にはパッキング部材が設けられており、ドアパネルを浴槽本体に装着した状態で該ドアパネル上端縁に当接して下方に向けて押圧し、ドアパネルを入出用開口の左右側端縁及び床面に圧着させるドアパネル圧着手段を備え、車椅子に乗車した身体障害者が自らドアパネルを着脱して浴槽本体に入出できるようにしたものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の浴槽において、ドアパネルは、上下方向に分割された複数のドアパネル片から成り、各ドアパネル片の左右側端縁及び下端縁にはパッキング部材が設けられており、各ドアパネル片が個別に浴槽本体に着脱自在となっているものである。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の浴槽において、ドアパネル圧着手段は、一端側が入出用開口の左右両側端縁の溝内に設けられたフック穴にそれぞれ係合される一対の圧着棒と、これら圧着棒の他端側を一直線上に重ね合わせた状態で該他端側に設けられたロック穴に挿通されるロック棒と、を有し、圧着棒には、各一端側をフック穴にそれぞれ係合させて他端側を下方に向けて回動させ、これら他端側を一直線上に重ね合わせた状態で、ドアパネルの上端縁を下方に向けて押圧する圧着ボールが設けられているものである。
請求項1の発明によれば、浴槽本体の入出用開口の左右両側端縁が下方から上方に向かうに連れて入出用開口の左右方向幅が広がるように傾斜しているため、ドアパネルを少ない上下移動距離で浴槽本体に着脱できる。しかも、浴槽本体の入出用開口の左右両側端縁が傾斜しているため、ドアパネル側端縁のパッキング部材と浴槽本体との摩擦力が小さくなり、ドアパネルを弱い力で容易に浴槽本体に着脱することができる。従って、入浴用車椅子に乗車した身体障害者が自らドアパネルを着脱して浴槽本体に入出することができ、入浴用車椅子に乗車した身体障害者が自立して単身で入浴することが可能となる。また、介護を要して入浴するときに、介護人の少力化を図ることができる。さらに、浴槽本体の入出用開口の左右両側端縁が傾斜しているため、ドアパネル側端縁のパッキング部材が平均して浴槽本体に圧着され、これにより、ドアパネルと浴槽本体との間の水密性が高められ、漏水を防止することができる。また、手動でドアパネルを開閉できるため、ドアパネルを開閉するための動力装置を必要とせず、安価な設備費で済む。
請求項2の発明によれば、個々のドアパネル片の重量は軽く、また、個々のドアパネル片のパッキング部材と浴槽本体との摩擦力も小さいため、個々のドアパネル片を弱い力で容易に浴槽本体に着脱することができ、これにより、ドアパネル全体を弱い力で容易に浴槽本体に着脱することができる。しかも、浴槽本体に装着するドアパネル片の個数を調整することで、ドアパネルの高さを調整できると共に、浴槽本体内に貯める湯水の上限水位を調整することができる。従って、健常者が入浴する場合は、車椅子に乗車した身体障害者が入浴する場合よりもドアパネル片の個数を少なくしてドアパネルの高さ低くすることで、ドアパネルを跨いで容易に浴槽本体に入ることができ、安全である。また、幼児が単独で入浴する場合は、ドアパネル片の個数をさらに少なくしてドアパネルの高さをさらに低くすることで、幼児がドアパネルを跨いで容易に浴槽本体に入ることができ、安全であると共に、浴槽本体内に貯まる湯水の水位もドアパネルの高さが上限となって、安全な水位に保たれる。
請求項3の発明によれば、圧着棒の他端側を下方に向けて回動させることにより、ドアパネルが圧着棒の圧着ボールにより梃子の作用を受けて下方に押圧されるため、弱い力でドアパネルのパッキング部材と浴槽本体との密着度を増すことができ、弱い力でドアパネルと浴槽本体との間の水密性を高めて漏水を防止することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態による身体障害者独立入浴型浴槽について図面を参照して説明する。図1は、身体障害者独立入浴型浴槽の構成を示す。身体障害者独立入浴型浴槽1は、入浴用車椅子に乗車した身体障害者が単身で入浴することを可能とした浴槽であり、入浴のための湯水を貯める浴槽本体2と、浴槽本体2に着脱自在なドアパネル3と、ドアパネル圧着手段である一対の圧着棒4、5及びロック棒6とを有する。
浴槽本体2は、床21と、床21から連続する周側壁22とを有しており、車椅子に乗車したまま浴槽本体2に入出するための入出用開口23が周側壁22の一部に設けられている。浴槽本体2(周側壁22)の入出用開口23の左右両側端縁には、ドアパネル3を浴槽本体2に装着するための上下に連通する溝27、28が設けられている。溝27の底面には、圧着棒4を係合するためのフック穴29a、29b、29cが設けられており、溝27の底面には、圧着棒5を係合するためのフック穴29d、29e、29fが設けられている。
入出用開口23は、浴槽本体2の床21から周側壁22の上端縁に亘って、下方から上方に向かうに連れて左右方向幅が広がるように形成されている。すなわち、周側壁22の入出用開口23の左右両側端縁は(左右両側端縁の一部である溝27、28の底面も)、浴槽本体2の床21から周側壁22の上端縁に亘って、下方から上方に向かうに連れて相互の間隔が広がっていくように傾斜している。
ドアパネル3は、浴槽本体2の入出用開口23を開閉するものであり、上下方向に分割された3つのドアパネル片40、50、60から成っている。各ドアパネル片40、50、60は、個別に浴槽本体2に着脱自在となっている。ドアパネル片40、50、60は、各々、その左右側端縁が浴槽本体2の溝27、28に挿入されることで浴槽本体2に装着される。
ドアパネル片40は、浴槽本体2に装着されたときに、その左右側端縁が浴槽本体2の入出用開口23の左右両側端縁の一部である溝27、28の底面と密着すると共に下端縁が浴槽本体2の床面と密着して、入出用開口23を閉鎖する形状をしている。ドアパネル片50は、浴槽本体2に装着されたときに、その左右側端縁が浴槽本体2の溝27、28の底面と密着すると共に下端縁がドアパネル片40の上端縁と密着して、入出用開口23を閉鎖する形状をしている。ドアパネル片60は、浴槽本体2に装着されたときに、その左右側端縁が浴槽本体2の溝27、28の底面と密着すると共に下端縁がドアパネル片50の上端縁と密着して、入出用開口23を閉鎖する形状をしている。
ドアパネル片40、50、60は、各々、浴槽本体2との間の水密性を保つためのゴムパッキング45、55、65が左右側端縁及び下端縁に設けられており、手で持ち上げるための把持ロープ46、56、66が側面に設けられている。
ドアパネル片40は、把持ロープ46を把持して浴槽本体2の溝27、28間で上方から下方に移動させることにより、ドアパネル片40の左右側端縁が浴槽本体2の溝27、28に挿入されて、浴槽本体2に装着される。また、浴槽本体2に装着されているドアパネル片40は、把持ロープ46を把持して上方に移動させることにより、ドアパネル片40の左右側端縁が浴槽本体2の溝27、28から抜出されて、浴槽本体2から取外される。
このとき、浴槽本体2の入出用開口23の左右両側端縁が下方から上方に向かうに連れて入出用開口23の左右方向幅が広がるように傾斜しているため、ドアパネル片40は、少ない上下移動距離で、その左右側端縁を溝27、28に挿入、抜出できて、浴槽本体2に着脱できる。しかも、浴槽本体2の溝27、28の底面が傾斜しているため、ドアパネル片40の左右側端縁のゴムパッキング45と浴槽本体2との摩擦力が小さくなり、ドアパネル片40を弱い力で容易に浴槽本体2に着脱できる。
また、ドアパネル片50、60も、把持ロープ56、66を把持してドアパネル片40と同様に浴槽本体2に着脱され、ドアパネル片40と同様に、少ない上下移動距離で浴槽本体2に着脱できると共に弱い力で容易に浴槽本体2に着脱できる。
このような構成のドアパネル3(ドアパネル片40、50、60)は、必要に応じて、ドアパネル片40、50、60が適宜組合されて、浴槽本体2に装着される。例えば、身体障害者が車椅子に乗車して入浴する場合は、ドアパネル片40、50、60の全てが浴槽本体2に装着され、健常者が入浴する場合は、ドアパネル片40、50が浴槽本体2に装着される。また、例えば、幼児が入浴する場合は、ドアパネル片40のみが浴槽本体2に装着される。
圧着棒4、5は、ドアパネル3(ドアパネル片40、50、60)を浴槽本体2の入出用開口23の左右両側端縁及び床面に圧着させるために、すなわちドアパネル3のゴムパッキング45、55、65と浴槽本体2との密着度を高めるために、梃子の応用でドアパネル3(ドアパネル片40、50、60)を下方に押圧するものである。
圧着棒4は、浴槽本体2のフック穴29a、29b、29cに着脱自在に係合される固定フック71と、ドアパネル3(ドアパネル片40、50、60)を下方に向けて押圧する圧着ボール72と、ロック棒6が挿通されるロック穴73、74とを有している。固定フック71及び圧着ボール72は、圧着棒4の一端側に設けられており、ロック穴73、74は、圧着棒4の他端側に設けられている。
圧着棒5は、浴槽本体2のフック穴29d、29e、29fに着脱自在に係合される固定フック81と、ドアパネル3(ドアパネル片40、50、60)を下方に向けて押圧する圧着ボール82と、ロック棒6が挿通されるロック穴83、84とを有している。固定フック81及び圧着ボール82は、圧着棒5の一端側に設けられており、ロック穴83、84は、圧着棒5の他端側に設けられている。圧着棒5は、圧着棒4よりも細くなっており、圧着棒4内に納まるようになっている。
ロック棒6は、圧着棒4、5によるドアパネル3(ドアパネル片40、50、60)の浴槽本体2への圧着状態を保持するために、圧着棒4、5を固定するものである。ロック棒6は、圧着棒4のロック穴73、74及び圧着棒5のロック穴83、84に挿入可能な金属性の角棒から成っている。
図2は、上記圧着棒4、5によるドアパネル3の圧着構造を示し、図3は、上記ロック棒6による圧着棒4、5の固定構造を示す。なお、図2では、ドアパネル片40、50、60の全てを浴槽本体2に装着した場合の例を示している。
圧着棒4、5によるドアパネル3の圧着は、ドアパネル片40、50、60を浴槽本体2に装着した後、まず、圧着棒5の固定フック81を浴槽本体2のフック穴29fに挿入し、続いて、圧着棒4の固定フック71を浴槽本体2のフック穴29cに挿入する。これにより、圧着棒4及び圧着棒5は、各々、一端側が支点となって他端側が上下に回動自在になる。
そして、圧着棒4及び圧着棒5の他端側を回動させて、圧着棒5が圧着棒4内に納まるようにして、圧着棒4及び圧着棒5の他端側を手動により下方に向けて押下げる。これにより、圧着棒4の圧着ボール72及び圧着棒5の圧着ボール82が、各々、ドアパネル片60の上端縁(すなわちドアパネル3の上端縁)に当接して、ドアパネル3を下方に向けて押圧し、ドアパネル3が浴槽本体2の入出用開口23の左右側端縁及び床21に圧着されて、ドアパネル3のゴムパッキング45、55、65と浴槽本体2との密着度が高められる。
このとき、圧着ボール72、82は、各々、圧着棒4、5の一端側(回動の支点となる側)に設けられているため、ドアパネル3は、圧着ボール72、82により梃子の作用を受けて下方に押圧される。従って、弱い力でドアパネル3のゴムパッキング45、55、65の密着度を増すことができ、弱い力でドアパネル3と浴槽本体2との間の水密性を高めて漏水を防止することができる。
圧着棒4及び圧着棒5の他端側を押下げてドアパネル3を浴槽本体2に圧着させた状態では、圧着棒4及び圧着棒5は略一直線上に重なり合い、圧着棒4のロック穴73と圧着棒5のロック穴83が重なり合う。
ロック棒6による圧着棒4、5の固定は、このように圧着棒4、5の他端側を一直線上に重ね合わせて、圧着棒4のロック穴73と圧着棒5のロック穴83を重ね合わせた状態で、ロック棒6を圧着棒4のロック穴73と圧着棒5のロック穴83の双方に挿通することにより行われる。これにより、圧着棒4及び圧着棒5は、一直線上に重ね合わせた状態で固定され、圧着棒4及び圧着棒5によりドアパネル3(ドアパネル片40、50、60)を浴槽本体2に圧着させた状態が保持される。
なお、ドアパネル片40のみを浴槽本体2に装着した場合は、圧着棒5の固定フック81を浴槽本体2のフック穴29dに挿入すると共に、圧着棒4の固定フック71を浴槽本体2のフック穴29aに挿入することにより、上記ドアパネル片40、50、60の全てを浴槽本体2に装着した場合と同様にして、梃子を応用して弱い力で、ドアパネル3(ドアパネル片40)を浴槽本体2に圧着させることができる。このとき、圧着棒4のロック穴74と圧着棒5のロック穴84が重なり合い、ロック棒6を圧着棒4のロック穴74と圧着棒5のロック穴84の双方に挿通することにより、圧着棒4及び圧着棒5によりドアパネル3(ドアパネル片40)を浴槽本体2に圧着させた状態が保持される。
また、ドアパネル片40とドアパネル片50を浴槽本体2に装着した場合は、圧着棒5の固定フック81を浴槽本体2のフック穴29eに挿入すると共に、圧着棒4の固定フック71を浴槽本体2のフック穴29bに挿入することにより、上記ドアパネル片40、50、60の全てを浴槽本体2に装着した場合と同様にして、梃子を応用して弱い力で、ドアパネル3(ドアパネル片40、50)を浴槽本体2に圧着させることができる。このとき、圧着棒4のロック穴73と圧着棒5のロック穴84、及び圧着棒4のロック穴74と圧着棒5のロック穴83が重なり合い、ロック棒6を圧着棒4のロック穴73と圧着棒5のロック穴84の双方に挿通するか、又は、圧着棒4のロック穴74と圧着棒5のロック穴83の双方に挿通することにより、圧着棒4及び圧着棒5によりドアパネル3(ドアパネル片40、50)を浴槽本体2に圧着させた状態が保持される。
このような構成の身体障害者独立入浴型浴槽1によれば、浴槽本体2の入出用開口23の左右両側端縁が下方から上方に向かうに連れて入出用開口23の左右方向幅が広がるように傾斜しているため、ドアパネル3を少ない上下移動距離で浴槽本体2に着脱できる。しかも、浴槽本体2の入出用開口23の左右両側端縁が傾斜しているため、ドアパネル3の側端縁のゴムパッキング45、55、65と浴槽本体2との摩擦力が小さくなり、ドアパネル3を弱い力で容易に浴槽本体3に着脱することができる。従って、入浴用車椅子に乗車した身体障害者が自らドアパネル3を着脱して浴槽本体2に入出することができ、入浴用車椅子に乗車した身体障害者が自立して単身で入浴することが可能となる。
しかも、浴槽本体2の入出用開口23の左右両側端縁が傾斜しているため、ドアパネル3の側端縁のゴムパッキング45、55、65が平均して浴槽本体2に圧着され、これにより、ドアパネル3と浴槽本体2との間の水密性が高められ、漏水を防止することができる。
また、ドアパネル3がドアパネル片40、50、60に分割されているため、個々のドアパネル片40、50、60の重量は軽く、また、個々のドアパネル片40、50、60のゴムパッキング45、55、65と浴槽本体2との摩擦力も小さい。従って、個々のドアパネル片40、50、60は、より一層弱い力で浴槽本体に着脱することができ、これにより、ドアパネル3全体をより一層容易に浴槽本体2に着脱することができる。
しかも、ドアパネル3がドアパネル片40、50、60に分割されているため、浴槽本体2に装着するドアパネル片40、50、60を選択することで、ドアパネル3の高さを調整できると共に、浴槽本体2内に貯める湯水の上限水位を調整することができる。従って、例えば、健常者が入浴する場合は、ドアパネル片40とドアパネル片50を装着し、ドアパネル片60を装着しないことで、ドアパネル片50を跨いで容易に浴槽本体2に入ることができ、安全である。また、例えば、幼児が単独で入浴する場合は、ドアパネル片40のみを装着することで、幼児がドアパネル片40を跨いで容易に浴槽本体2に入ることができ、安全であると共に、浴槽本体2内に貯まる湯水の水位もドアパネル片40の高さが上限となって、安全な水位に保たれる。
さらに、圧着棒4、5により梃子を応用してドアパネル3を下方に押圧するため、弱い力でドアパネル3のゴムパッキング45、55、65と浴槽本体2との密着度を増すことができ、弱い力でドアパネル3と浴槽本体2との間の水密性を高めて漏水を防止することができる。
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態において、ドアパネル3は、3つのドアパネル片に分割されている構成に限られず、2つのドアパネル片に分割されていてもよく、また、4つ以上のドアパネル片に分割されていてもよい。また、ドアパネル3は、必ずしも複数のドアパネル片に分割されている必要はなく、1枚で構成されていてもよい。
本発明は、高齢者住宅、病院、介護施設、温泉旅館等へ設置して利用することが可能である。
本発明の一実施形態に係る身体障害者独立入浴型浴槽の概略構成を示す浴槽本体からドアパネルを取外した状態の斜視図。 同浴槽の圧着棒によるドアパネルの圧着構造を示す断面図。 同浴槽のロック棒による圧着棒の固定構造を示す一部破断した斜視図。
符号の説明
1 身体障害者独立入浴型浴槽
2 浴槽本体
3 ドアパネル
4、5 圧着棒
6 ロック棒
21 床
22 周側壁
23 入出用開口
27、28 溝
29a〜29f フック穴
40、50、60 ドアパネル片
45、55、65 ゴムパッキング
71、81 固定フック
72、82 圧着ボール
73、74、83、84 ロック穴

Claims (3)

  1. 車椅子に乗車したまま入出するための入出用開口が床から連続する周側壁の一部に設けられた浴槽本体と、前記浴槽本体の入出用開口を開閉する前記浴槽本体に着脱自在なドアパネルとを有する浴槽であって、
    前記浴槽本体の入出用開口は、その左右両側端縁が下方から上方に向かうに連れて左右方向幅が広がるように傾斜しており、この左右両側端縁には、上下に連通する溝が設けられており、
    前記ドアパネルは、その左右側端縁が前記溝に挿入されることで前記浴槽本体に装着され、前記浴槽本体に装着されたときに前記入出用開口を閉鎖する形状を有し、該左右側端縁及び下端縁にはパッキング部材が設けられており、
    前記ドアパネルを前記浴槽本体に装着した状態で該ドアパネル上端縁に当接して下方に向けて押圧し、前記ドアパネルを前記入出用開口の左右側端縁及び床面に圧着させるドアパネル圧着手段を備え、
    車椅子に乗車した身体障害者が自らドアパネルを着脱して浴槽本体に入出できるようにしたことを特徴とする身体障害者独立入浴型浴槽。
  2. 前記ドアパネルは、上下方向に分割された複数のドアパネル片から成り、各ドアパネル片の左右側端縁及び下端縁にはパッキング部材が設けられており、各ドアパネル片が個別に前記浴槽本体に着脱自在となっていることを特徴とする請求項1に記載の身体障害者独立入浴型浴槽。
  3. 前記ドアパネル圧着手段は、
    一端側が前記入出用開口の左右両側端縁の溝内に設けられたフック穴にそれぞれ係合される一対の圧着棒と、
    これら圧着棒の他端側を一直線上に重ね合わせた状態で該他端側に設けられたロック穴に挿通されるロック棒と、を有し、
    前記圧着棒には、前記各一端側を前記フック穴にそれぞれ係合させて他端側を下方に向けて回動させ、これら他端側を一直線上に重ね合わせた状態で、前記ドアパネルの上端縁を下方に向けて押圧する圧着ボールが設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の身体障害者独立入浴型浴槽。


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