JP6128634B2 - 浴室ユニット - Google Patents
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Description
かかる自力歩行ができないような老人を入浴させるのは、介護者にとって非常に難しい作業である。
この浴室ユニットは、平面視長方形をした浴槽を、浴室内周壁の1つの短辺側壁面に浴槽長辺を沿わせ、浴槽の長手方向の端縁と、浴室内周壁と隙間にバスボードを掛け渡している。
すなわち、この浴室ユニットにおいては、被介護者を入浴させるにあたって、例えば、入浴する被介護者を介護者が2人がかりで、あるいは、車椅子に載せて浴室内に案内し、まず、バスボード上に腰掛けさせて、安定した姿勢にしながら、浴槽外にある足を持ち上げて浴槽内に跨ぎ込ませた後、入浴させることができる。
しかも、バスボードが取り外せるとともに、取り外した状態で浴槽をスライド移動させることができるようになっているので、被介護者に応じて適した浴槽位置にすることができる。
したがって、2人で介護しなければならない場合においても、2人の介護者が同じ側からしか介護することができず、満足な介助を行うことができない。
大きな介護施設では、浴室も大きくとれるのであるが、上記のような小規模介護施設では、浴室を広くとれないため、上記のようにバスバードを取り外しても介護スペースを十分とれない場合がある。
平面視で長軸を有し、長軸方向の一端にこの長軸に直交する浴槽短辺を備える浴槽が、前記浴槽短辺を前記浴室の内周壁の短辺側壁面にほぼ沿わせた状態でガイド手段にガイドされながらスライド移動可能に前記浴室内に設置されているとともに、少なくとも前記浴槽の長軸を前記短辺側壁面の幅方向中央に一致させた状態で前記浴槽と浴室の内周壁の両長辺側壁面との間に、それぞれ前記浴槽に入浴した被介護者を介護する介護者が入り込む介護スペースが形成される状態にできる浴室ユニットであって、前記浴槽が配置される浴槽パンと、この浴槽パンに接続される洗い場パンとを備え、前記浴槽が、浴槽本体と、浴槽本体を覆うエプロン部材とを備えるとともに、前記浴槽パンが、前記浴槽本体の下端部が嵌り込む浴槽受け凹部を有し、前記エプロン部材が洗い場パンの端面に沿うように配置されるガイド手段となるガイド片を備えていることを特徴としている。
また、本発明の浴室ユニットは、壁パネルで形成された浴室の内周壁が、横断面ほぼ長方形になっていて、平面視で長軸を有し、長軸方向の一端にこの長軸に直交する浴槽短辺を備える浴槽が、前記浴槽短辺を前記浴室の内周壁の短辺側壁面にほぼ沿わせた状態でガイド手段にガイドされながらスライド移動可能に前記浴室内に設置されているとともに、少なくとも前記浴槽の長軸を前記短辺側壁面の幅方向中央に一致させた状態で前記浴槽と浴室の内周壁の両長辺側壁面との間に、それぞれ前記浴槽に入浴した被介護者を介護する介護者が入り込む介護スペースが形成される状態にできる浴室ユニットであって、前記浴槽が配置される浴槽パンと、この浴槽パンに接続される洗い場パンとを備え、前記浴槽が、浴槽本体と、浴槽本体の側壁を覆うように設けられた浴槽エプロンとを備えるとともに、前記浴槽パンが、前記浴槽本体の下端部が嵌り込む浴槽受け凹部を有し、この浴槽受け凹部の前記洗い場パン側の底面に、前記浴槽本体の下面から突出する浴槽脚部の壁面に沿うように短辺側壁面に平行なガイド手段となるガイド突条が突設されていることを特徴としている。
なお、上記介護スペースの幅(浴槽と長辺側壁面との距離)は、介護者が入ることができれば、特に限定されないが、両介護スペースの合計幅が、100cm以上とすることが好ましく、120cm以上とすることがより好ましく、130cm以上とすることがさらに好ましい。
なお、ほぼ両端部とは、少なくともいずれか一方のガイド手段が、浴槽の長軸方向の端縁から他方の端縁方向に少し入った位置をガイドすることも含むことを意味する。
すなわち、上記のようにすれば、被介護者の身長や身体的特徴に応じて高さを合わせることができるとともに、浴室のコーナー部を清掃するときなど邪魔になるときは高所にスライドさせて斜め手摺を避けて作業を行うことができる。
また、本発明の浴室ユニットは、壁パネルで形成された浴室の内周壁が、横断面ほぼ長方形になっていて、平面視で長軸を有し、長軸方向の一端にこの長軸に直交する浴槽短辺を備える浴槽が、前記浴槽短辺を前記浴室の内周壁の短辺側壁面にほぼ沿わせた状態でガイド手段にガイドされながらスライド移動可能に前記浴室内に設置されているとともに、少なくとも前記浴槽の長軸を前記短辺側壁面の幅方向中央に一致させた状態で前記浴槽と浴室の内周壁の両長辺側壁面との間に、それぞれ前記浴槽に入浴した被介護者を介護する介護者が入り込む介護スペースが形成される状態にできる浴室ユニットであって、前記浴槽が配置される浴槽パンと、この浴槽パンに接続される洗い場パンとを備え、前記浴槽が、浴槽本体と、浴槽本体の側壁を覆うように設けられた浴槽エプロンとを備えるとともに、前記浴槽パンが、前記浴槽本体の下端部が嵌り込む浴槽受け凹部を有し、この浴槽受け凹部の前記洗い場パン側の底面に、前記浴槽本体の下面から突出する浴槽脚部の壁面に沿うように短辺側壁面に平行なガイド手段となるガイド突条が突設されていることを特徴としている。
すなわち、本発明の浴室ユニットは、上記のように構成されているので、被介護者の入浴介護を行う場合、2人の介護者が、被介護者の両側から介護でき、重度の障害者を入浴させる場合においても満足な介護作業を行うことができるとともに、被介護者にも安心感を与えることができる。
図1は、本発明の浴室ユニットの第1の実施の形態をあらわしている。
また、周壁の2つの長辺側壁面1aと、一方の短辺側壁面1bとは、図ではあらわれていないが、それぞれ複数枚の壁パネルが洗い場パン2および浴槽パン3の周縁部に下端部が支えられた状態で立設されて形成されている。また、もう一方の短手側壁面1cは、ドア枠あるいはドア枠と壁パネルが洗い場パン2の周縁部に下端部が支えられた状態で立設されて形成されている。
長辺側壁面1aおよび短辺側壁面1bには、複数の手摺11が握り部が垂直方向あるいは水平方向を向けて固定されている。
また、浴槽パン3は、図4〜図6に示すように、浴室Aの床の一部を構成する床面構成部30と、浴槽受け凹部31と、図1、図2、図5、図7に示すように、2枚のサイドボード5を備えている。
浴槽本体41は、その下端部が浴槽受け凹部31内に嵌りこむとともに、浴槽本体41の下端から突出する4本(図では1本または2本しかあらわれていない)の脚部46が浴槽受け凹部31の底面に受けられている。
すなわち、浴槽4aは、浴槽本体41の浴槽受け凹部31内に嵌り込む部分の幅と浴槽受け凹部31の幅との寸法差分だけ短辺側壁面1bの水平方向にスライド移動可能になっている。
さらに、浴槽本体41には、図10および図11に示すように幅広框部41c側に腰掛け部41bが設けられている。
腰掛け部41bは、不使用時には蓋部材44によって覆い隠されている。
また、蓋部材44の側面部分には、指掛け孔44aが穿設されている。
すなわち、ガイド材45は、図3に示すように、ビス45aによって短辺側壁面1bに固定されて、短辺側壁面1bとの間にガイド溝S1が形成され、浴槽本体41のフランジ41dがこのガイド溝S1に嵌ることによって浴槽本体41をガイドするようになっている。
そして、2枚のサイドボード5は、図1、図2、図5に示すように、浴槽4aを長軸を短辺側壁面1bの幅方向の中心位置に一致させるように配置した状態では、浴槽本体41を両側から挟むように浴槽受け凹部31に嵌合され、図7に示すように、浴槽4aを一方の長辺側壁面1a側にスライド移動させた状態で、他方の長辺側壁面1a側で2枚並べて浴槽受け凹部31に嵌合されるようになっている。
また、エプロン部材43は、ドアが設けられた短辺側壁面1cと向き合う部分の中央部に、図4に示すように、洗い場パン2の端面に沿うようにもう1つのガイド手段としてのガイド片43bを備えている。
すなわち、ガイド片43bが、浴槽4aを短辺側壁面1bに沿う方向に移動させる際に、洗い場パン2の端面によって短辺側壁面1bに平行にガイドされるようになっている。
図4中、21は排水口、22は排水口21の蓋、23は排水トラップ、33は浴槽パン3を支持する架台である。
すなわち、車椅子等で浴室A内まで案内した介護者(図示せず)が被介護者Pの体を支えながら、被介護者Pを浴槽4aを後ろにして幅広框部41cに一旦腰を掛けさせる。
そして、2人の介護者が浴槽4aの両側に形成された介護スペースに入り、両側から被介護者Pの体を支えながら、図9に示すように、被介護者Pを入浴させる。
また、この浴槽4aの場合、腰掛け部41bを備えているので、被介護者Pの状態によっては、一人の介護者で以下のようにして入浴後、被介護者Pを浴槽4aから引き上げることができる。
このような引き上げ方法にすれば、まず、浮力を利用して浴槽底面41aより高い位置である腰掛け部41bまで被介護者Pを引き上げ、介護者が楽な姿勢になったのち、第2引き上げ動作を実施して被介護者を框面に腰掛けるようにできるので、介護者が一人であっても無理な姿勢で大きな力を一気に加えることがなくなり、介護者への負担が軽減できるともに、介護者がバランスを崩したりすることが少なくなるため、結果として被介護者の安全性が高まる。
したがって、介護者が二人で満足のできる介護を行うことができる。
さらに、図7に示すように、浴槽4aを中央位置より、一方の長辺側壁面1a方向に移動させておけば、他方の長辺側壁面1aとの間に広い介護スペースが確保でき、例えば、リフトなどの機器を置くことも可能となる。
図12に示すように、この浴室ユニットの場合、上記エプロン部材43のガイド片43bに代えて、長軸方向他側のガイド手段として浴槽受け凹部31の底に脚部46に沿うようにガイド突条34を短辺側壁面1bに平行に設けるようにした以外は、上記浴室ユニットと同様になっている。
なお、上記ガイド突条34は、浴槽パン3の成形と同時に設けても後付けでも構わない。
図13に示すように、この浴室ユニットは、浴室Bの短辺側壁面1bと長辺側壁面1aとのコーナーを跨ぐように配置され、一端が浴槽短辺40aの一端近傍の短辺側壁面1bに固定され、他端が浴室の長辺側壁面1aに固定された浴槽4bへ跨ぎ込み介助用斜め手摺12を備えている以外は、上記の浴室ユニットと同様になっている。
また、斜め手摺11が短辺側壁面1bと長辺側壁面1aとのコーナーを跨ぐように設けられているので、斜め手摺11がなく、コーナーを挟んで設けられた垂直手摺や水平手摺を持ちながら浴槽4aの縁まで壁面に沿って伝い歩きする場合に比べ、歩行距離が短くすみ、被介護者にとってやさしく安全性が高くなる。
上記の実施の形態では、被介護者が腰掛け部側を背にして浴槽に入浴するようにしていたが、短辺側壁面側を背にして浴槽に入浴するようにしても構わない。
1a 長辺側壁面
1b,1c 短辺側壁面
11 手摺
12 介助用斜め手摺
2 洗い場パン
3 浴槽パン
30 床構成部
31 浴槽受け凹部
34 ガイド突条(ガイド手段)
4a 浴槽
40a 浴槽短辺
40b 浴槽長辺部
41 浴槽本体
43 エプロン部材
43b ガイド片(ガイド手段)
44 蓋部材
45 ガイド材(ガイド手段)
5 サイドボード
P 被介護者
Claims (2)
- 壁パネルで形成された浴室の内周壁が、横断面ほぼ長方形になっていて、
平面視で長軸を有し、長軸方向の一端にこの長軸に直交する浴槽短辺を備える浴槽が、
前記浴槽短辺を前記浴室の内周壁の短辺側壁面にほぼ沿わせた状態でガイド手段にガイドされながらスライド移動可能に前記浴室内に設置されているとともに、
少なくとも前記浴槽の長軸を前記短辺側壁面の幅方向中央に一致させた状態で前記浴槽と浴室の内周壁の両長辺側壁面との間に、それぞれ前記浴槽に入浴した被介護者を介護する介護者が入り込む介護スペースが形成される状態にできる浴室ユニットであって、
前記浴槽が配置される浴槽パンと、この浴槽パンに接続される洗い場パンとを備え、
前記浴槽が、浴槽本体と、浴槽本体を覆うエプロン部材とを備えるとともに、
前記浴槽パンが、前記浴槽本体の下端部が嵌り込む浴槽受け凹部を有し、前記エプロン部材が洗い場パンの端面に沿うように配置されるガイド手段となるガイド片を備えていることを特徴とする浴室ユニット。 - 壁パネルで形成された浴室の内周壁が、横断面ほぼ長方形になっていて、
平面視で長軸を有し、長軸方向の一端にこの長軸に直交する浴槽短辺を備える浴槽が、
前記浴槽短辺を前記浴室の内周壁の短辺側壁面にほぼ沿わせた状態でガイド手段にガイドされながらスライド移動可能に前記浴室内に設置されているとともに、
少なくとも前記浴槽の長軸を前記短辺側壁面の幅方向中央に一致させた状態で前記浴槽と浴室の内周壁の両長辺側壁面との間に、それぞれ前記浴槽に入浴した被介護者を介護する介護者が入り込む介護スペースが形成される状態にできる浴室ユニットであって、
前記浴槽が配置される浴槽パンと、この浴槽パンに接続される洗い場パンとを備え、
前記浴槽が、浴槽本体と、浴槽本体の側壁を覆うように設けられた浴槽エプロンとを備えるとともに、
前記浴槽パンが、前記浴槽本体の下端部が嵌り込む浴槽受け凹部を有し、この浴槽受け凹部の前記洗い場パン側の底面に、前記浴槽本体の下面から突出する浴槽脚部の壁面に沿うように短辺側壁面に平行なガイド手段となるガイド突条が突設されていることを特徴とする浴室ユニット。
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