JPS5915646B2 - 傾斜路付浴槽 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は身障者、老年者、虚弱者、病後療養者など、
足腰、立居振舞の不自由な者（以下、身障者等という）
の入浴に適した浴槽に関するものである。

身障者等の入浴のための浴槽としては、例えば床上に据
付けたローラ台と浴槽本体とをローラ付スロープにより
連結した構造のものか知られているが、このような浴槽
は、自刃では全く動けない重症身障者を対象とし、介助
者の介助により、重症身障者をローラ台に載せ、ローラ
台上を辷らせてローラ付スロープにより浴槽内へ案内し
、ローラ付スロープを介してローラ台上へ引き上げるよ
うにした構造のもので、自刃での入浴が可能な身障者等
にはローラ台の存在によって全く利用できない状態のも
のとなっており、自刃で入浴動作が行える可能のある身
障者等のための浴槽、身障者施設、病院といった施設の
みならず、家庭に設置でき、家庭療養の身障者等が手軽
に、かつ安全に自刃で入浴でき、入浴動作がリハビリテ
ーションの一環として効果のある浴槽の出現が望まれて
いる。

そこで、この発明は浴槽本体への出入を補助する傾斜路
を浴槽本体から突出させ、この傾斜路の上端縁と浴槽本
体の上端縁とを同一の高さにすると共に、前記傾斜路に
階段を設け、最上段には水平の上段踊り場を形成して、
身障者等が介助者なしで、自刃により安全、容易に入浴
動作を行えるようにし、自刃での入浴の楽しみを味合わ
せ、入浴による水溶療法、温熱療法を行わしめると同時
に、入浴動作がリハビリテーションのための運動となる
効果を奏する傾斜路付浴槽を提供することを目的とする
。

この発明の第１の特徴は、浴槽本体と浴槽本体への出入
を補助する傾斜路とを成形材により成形した涜にあり、
これによってＦＲＰ、ホーロー、ステンレススチールな
どの成形材による工場生産を可能とし、能率的に、かつ
安価に製造でき、さらに現場施工における手間を省いて
、身障者等の入浴に適した機能を有する傾斜路付浴槽を
経済的に利用できるようにしたものである。

この発明の第２の特徴は、傾斜路が浴槽本体より側方へ
突出している点にあり、これにより身障者等の車椅子を
前記傾斜路に横着けし易くしたり、付添人の誘導、補助
行為を行い易くし、身障者等の傾斜路への立入りに便利
なものとしたものである。

この発明の第３の特徴は傾斜路が浴槽本体および洗場と
一体に形成されている点にあり、これにより洗場を有す
る傾斜路付浴槽として施工上きわめて有利なものとした
ものである。

この発明の第４の特徴は、傾斜路が階段または滑り台、
あるいはこれらの組合わせからなる点にあり、これによ
って使用条件、設置条件などに適合した構造の傾斜路と
することができるようにしたものである。

この発明のその他の特徴および利点は、つぎに説明する
、この発明の実施例により明らかとなる。

第１図から第３図は、この発明の第１実施例を示すもの
で、洗場の床ＦＬに埋設された傾斜路付浴槽Ａは浴槽本
体１Ａと傾斜路２Ａとを有している。

これら浴槽本体１人と傾斜路２Ａは同一成形材、例えば
ＦＲＰ、ホーローなどの一般に使用されている成形材で
成形されており、平面方形の浴槽本体１人の側壁１１の
三方の一部が角隅部を含めて底部から上縁部にかけて欠
除されており、この欠除された部分に傾斜路２人が連結
具、接着などの適宜手段で一体的に接続している。

なお、浴槽本体１Ａと傾斜路２Ａとは一体に成形されて
もよい。

傾斜路２Ａは階段２１の両側に側壁２２を立上らせ、上
端側と下端側とに上段踊り場２３、下段踊り場２４を有
し、下段踊り場２４は浴槽本体１人の底部１２側に接続
し、側壁２２の上縁部（階段２１を三方から囲む）２５
は浴槽本体１Ａの上縁部１３と面一、等高に形成され、
側壁２２の中間段部２６（中間段部の勾配は階段２１の
勾配よりもゆるい）には手摺り２Ｔが取付けである。

階段２１は設置基部ＧＬに設置の架台３により支持され
ている。

階段２１の幅寸法は、大人１人分の寸法であり、傾斜角
度（勾配）は比較的緩やかな傾斜で浴槽本体の底部１２
へ達しており、階段２１の段の高さ寸法は坐位状態で昇
降できるように低く抑えてあり、浴槽本体１人に水を張
った場合、中段より上の段まで水没するようになってい
る。

そして、各踏面２１ａの中間面２１ｂは、通常の階段と
異なり、上向き傾斜面になっており、使用者が座りなか
ら踏面２１ａと、中間面２１ｂをすって昇り下りできる
ようにしである。

なお、各踏面２１ａには、すべり止めのギザ１などを設
けてもよい。

浴槽本体１Ａには、片持ち式の握り棒（金属製）からな
る手摺り４が上縁部１３に取付けてあり、一端４１かヒ
ンジ支持され他端４２にはフック４３が設けられ、一端
４１を回動中心として扇形回動（上下方向）できるよう
になっており、入浴使用時には、他端４２にフック４３
が掛止めされ、固定状態で横架され、手摺り４に掴まれ
ば、横転、すべりなどがないようになっている。

上記のような構造の傾斜路付浴槽Ａを使用するには、床
ＰＬに乗入れて傾斜路２Ａに横着けした車椅子から身障
者を傾斜路２Ａの上段踊り場２３に移せば、後は自刃で
身障者が階段２１をずりながらステップ・パイ・ステッ
プで降り、浴槽本体１Ａへ進み入浴を行うことができる
のである。

この場合、階段２１は緩やかな勾配で、手摺り２１も階
段２１にそって付設されているので、きわめて安全に、
気楽な状態で入浴でき、さらに階段２１の踏面２１ａ、
中間面２１ｂは一体成形され、両者の境界の角縁にＲが
つけられているので、タイルなどの目地、継ぎ目などが
なく、したがってすりながら具合よく進むことができる
。

なお、車椅子を使用しなくてよい程度の人の場合でも、
使用要領は同様である。

第４図の第２実施例における傾斜路付浴槽Ｂは、浴槽本
体１Ｂが小判形であり、浴槽本体１Ｂの側方中央から傾
斜路２Ｂが平面Ｔ状に張出しており、浴槽本体１Ｂと傾
斜路２Ｂとは一体構造でも、継ぎ構造でもよく、また浴
槽本体１Ｂと傾斜路２Ｂの構造は、浴槽本体の側壁、底
部、傾斜路の階段、側壁、手摺りなどを含め、前記第１
実施例と同様であり、同一部分は同一符号をもって示す
。

そして、使用方法も同様である。

なお、以下に述べる第３実施例から第１５実施例まで、
同一部分は同一符号をもって示し、詳細な説明は省略し
である。

第５図の第３実施例は、第２実施例の変形で、傾斜路は
浴槽Ｃの浴槽本体１Ｃが平面方形で、傾斜路２Ｃの階段
２１の両横の中間段部２６に、複数個の握り突部２８を
一体に形成し、手摺りの代りとしたもので、その他の構
造は前記実施例と同様であり、同一部分は同一符号をも
って示す。

第６図の第４実施例は、第２．３実施例の変形で、傾斜
路付浴槽りの浴槽本体１Ｄは平面円形に形成されており
、傾斜路２Ｄ、その他の構造は第３実施例と同様である
。

第７図の第５実施例は、傾斜路付浴槽Ｅ全体が渦巻形の
もので、円形を基調とした浴槽本体１Ｅの側壁１１の一
部にそって、傾斜路２Ｅが一体に形成されており、階段
２１は扇形状になっている。

そして階段２１の片側の側壁は浴槽本体１Ｅの側壁１１
が兼用しており、他方の側壁２２は側壁１１と連らなり
、浴槽本体１Ｅの側壁１１と傾斜路２Ｅとの上縁部１３
，２５は面一で一体となっている。

手摺り２７は上縁部１３，２５の上面に取付けられてい
る。

階段２１の構造は前記実施例と同様である。

第８図から第１０図に示す第６，７．８実施例は、それ
ぞれ第１，２．３実施例の変形で、第６実施例の傾斜路
付浴槽Ｆは、傾斜路２Ｆが階段２１と滑り台２９との併
設構造からなるものであり、浴槽本体１Ｆは前記第１実
施例と同様である。

傾斜路２Ｆにおける階段２１と滑り台２９とは、両者の
間に一段立上っている中間段部２６′を介して一体に並
列され、上段踊り場２３を共通にしており、階段２１を
滑り台２９の両横には手摺り２７が図示のように３本設
けられている。

傾斜路付浴槽Ｆは、階段と滑り台との並設により、両者
いずれか、あるいは併用して入浴することができ、この
点使用者に便利なものとなっている。

第９図の第７実施例における傾斜路付浴槽Ｇは、傾斜路
２Ｇに階段２１と滑り台２９とを併設した点、前記第６
実施例と同様で、別体の手摺りを中間段部に取付ける代
りに、三列に並設された中間段部２６ 、２６’の上面
に波形の握り２８′を一体に形成し、この波形の握り２
８′を手摺りとして作用させるようになっている。

浴槽本体１Ｇは第２実施例と同じく小判形である。

第１０図の第８実施例の傾斜路付浴槽Ｈは、傾斜路２Ｈ
を浴槽本体１Ｈの中央側へ移したほかは、第６実施例と
全く同一である。

第１１図の第９実施例のものは、前置後方形状の傾斜路
付浴槽■であり、浴槽本体１■の延長体として傾斜路２
■を一体に形成したもので、傾斜路２■の構造は第６，
８実施例と同様である。

第１２図の第１０実施例における傾斜路付浴槽Ｊは、浴
槽本体１Ｊの長手方向の側壁１１にそい階段構成の傾斜
路２Ｊを一体に設けたもので、階段２１の下段踊り場２
４が鍵の手になり、浴槽本体ＩＪの底部１２へつながっ
ている。

第１３図から第１４図の第１１，１２実施例は、浴槽本
体、傾斜路、洗い場の三者を一体または一体的構造とし
たもので、第１１実施例の傾斜路付浴槽にの浴槽本体１
Ｋに対し階段構成の傾斜路２Ｋが平面り状に配置され、
平面方形の洗場５が浴槽本体１にと傾斜浴２にとに一体
に連接しており、傾斜路付浴槽にの全体が平面方形とな
るように配置されている。

この場合も、洗場５は浴槽本体１におよび傾斜路２にと
同一成形材料で成形されている。

第１４図の傾斜路付浴槽Ｌ（第１２実施例）は、階段構
成の傾斜路２Ｌが浴槽本体１Ｌの幅一杯に接続し、洗場
５が浴槽本体１Ｌと傾斜路２Ｌにわたり一杯に形成され
ている。

第１５図の第１３実施例における傾斜路付浴槽Ｍは浴槽
本体１Ｍから、階段と辷り台構成の２本の傾斜路２Ｍ、
２Ｍを洗場５をはさんで突出せしめたものである。

以上述べたように、この発明によれば、浴槽本体に対し
、そこへの出入を補助する傾斜路を合成樹脂などの成形
材により成形してなるものであるから、足腰、立居振舞
の不自由な身障者等は傾斜路を坐位状態で伝わりながら
浴槽本体へ自刃で出入でき、安全かつ快適に入浴を楽し
むことができるものであり、使用面においてきわめて有
用であると共に、製造もＦＲＰなとの成形材を用いて大
量生産でき、現場施工も搬入、据付けるだけでよいため
製造、施工の面においてもきわめてすぐれている。

特に前記傾斜路はその上端縁が浴槽本体の上端縁と同一
の高さになっているので、浴槽本体を浴室に埋込設置す
れば、傾斜路は身障者等が自刃で出入できる高さ位置に
設置され、しかも傾斜路の最上段には、上段踊り場が水
平に形成され、上段踊り場において、傾斜路を伝わって
の浴槽本体への出入、洗場から傾斜路への出入などの動
作を行うための姿勢の整え、準備がゆとりをもって行え
、不安感を鳥えず、さらに前記傾斜路には階段が設けら
れているので、傾斜路における進退、昇降動作が自刃で
確実に行え、しかもこのような動作がリハビリテーショ
ンのための運動として役立つものであるなど、身障者等
が自刃で入浴できる浴槽として従来構造からは全く期待
できない作用、効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は、この発明の実施例を示すもので、第１図から第
３図は、この発明の第１実施例を示し、第１図は設置状
態の斜視図、第２図は平面図、第３図は第２図■−■線
断面図であり、第４図から第１５図は、それぞれ第２実
施例から第１３実施例を示す斜視図である。 Ａ、Ｂ、Ｃ，Ｄ、Ｅ、Ｆ、Ｇ、Ｈ，Ｉ、Ｊ、Ｋ。 Ｌ、Ｍ、・・・・・・傾斜路付浴槽、１Ａ、１Ｂ、１Ｃ
２ＩＤ、ＩＥ、ＩＰ、ＩＧ、ＩＨ，ＩＩ、ＩＪ。 ＩＫ、 １Ｌ、ＩＭ・・・・・・浴槽本体、２Ａ、２Ｂ
。 ２Ｃ，２Ｄ、２Ｅ、２Ｆ、２Ｇ、２Ｈ，２Ｉ。 ２Ｊ 、２に、２Ｌ、２Ｍ・・・・・・傾斜路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 浴槽本体への出入を補助する傾斜路を浴槽本体から
   突出させ、浴槽本体の上端縁と傾斜路上端縁とを同一の
   高さとなるようにして一体的に成形し、前記傾斜路の最
   上段には、水平な上段踊り場を設けると共に、この上段
   踊り場から浴槽本体の底部に向け、階段を設けてなるこ
   とを特徴とする傾斜路付浴槽。