JP3049750U - 滑り止め付き手摺り - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 木製の手摺りを握りやすく、力を入れやすく
する。 【解決手段】 手摺り１は、背面側のみに軸方向に直交
して必要な数だけ握り溝２を備えている。握り溝２の形
状は、指の形に応じた幅、長さ、深さを有し、かつ勾配
をつけるのが望ましい。各握り溝どうしの間隔も、使用
者が利用しやすいように、指の間隔を配慮して適宜設計
する。垂直手摺り１ａは、立ち上がるときに利用し易い
ように垂直に設け、同様に背面に握り溝２ａを有する。
この握り溝２ａは、下方から上方に向かってその大きさ
が漸次小さくなるように設計する。環状手摺り１ｂは内
側に握り溝２ｂを備え、車椅子の補助輪などに使用す
る。いずれの場合も、木の自然な温もりと握りやすさを
備え、階段、欄干の外、風呂、便所、ベッド、各種医療
補助具、車椅子の補助輪などに広く適用できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、木製の滑り止め付き手摺り、特に階段、欄干の手摺りの外、便所、 ベッド、浴槽、各種リハビリテーション施設、車椅子の補助輪などに広範囲に用 いる補助具としての手摺り、あるいは手摺り様用具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

近年、手摺りは、医療、保育、公共施設などで、老人、身体障害者、子供等の 身体的弱者に対する配慮から、階段、欄干等の通常の用い方の外、便所、ベッド 、浴槽、各種リハビリテーション施設、車椅子の補助輪等の健康器具に広く用い られている。これらの手摺りは、これまで大量生産のしやすさ、コスト面からプ ラスチックや金属製のものが大部分であった。しかしながら、最近は冷たいプラ スチックや金属製の手摺りに代わり、自然の温もり、握りやすさを有する木製の 手摺りが復活する傾向にある。従来、木製の手摺りをさらに握りやすくするため に、その円周上に環状の溝を形成することは知られている（実用新案登録第３０ ０１６９８号公報）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、環状の溝では手摺りを把握する指の部分だけでなく、手のひら の部分にまで凹凸が当たり、手触りが悪くなり、かえって握りにくい欠点があっ た。また装飾上も美観を損ない、用途が制限されてきた。

【０００４】 本考案は、これらの欠点を解消したもので、握りやすく使用者にやさしい木製 の滑り止め付き手摺りを提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の滑り止め付き手摺りは、木製の手摺りであって、手摺りの裏側のみに 、実質的に手摺り軸方向と直交する横長の握り溝を任意の間隔を置いて設けたこ とを特徴としている。

【０００６】 木製の手摺を階段や欄干のように斜め、水平方向に使用するのと異なり、風呂 場、ベッド、便所等に垂直方向に取り付ける場合は、把握時の強さに対応して握 り溝の大きさを下方から上方に向かって漸次減少するように設計するのが望まし い。同様に、環状手摺りの一例として、車椅子の木製補助輪の内側に握り溝を設 けることもできる。

【０００６】

【考案の実施の形態】

図１及び図２は、本考案の滑り止め付き手摺りの基本的な実施の形態を示す。 両図において、手摺り１には、矢印で示す使用者の使用方向において背面側のみ に、手摺り１の軸方向に実質的に直交して必要な数だけ握り溝２を設ける。例え ば、階段の手すり、欄干の手摺りなど、斜めや水平に手摺り１を設ける場合は、 図１に示すように下側に握り溝２を設ける。また横臥して握る懸垂手摺りであれ ば、逆に上側に握り溝を設ければよいし、二段ベッドの手摺り、風呂や便所の立 ち上がり補助手摺りのように、手摺りを垂直に配設する場合は、背面側に設けれ ばよい（いずれも図示せず）。握り溝２の形状は特に限定されないが、指の形に 応じた幅、長さ、深さを有し、かつ勾配をつけるのが望ましい。各握り溝どうし の間隔も、使用者が利用しやすいように、指の間隔を配慮して適宜設計すること ができる。

【０００７】 図３及び図４は、本考案の滑り止め付き手摺りの異なった実施形態を示す。両 図において、垂直手摺り１ａは、便所やベッド、風呂などで立ち上がるときに利 用し易いように垂直に設けられている。垂直手摺り１ａには、矢印で示す使用者 の使用方向からみて反対側の背面に、握り溝２ａが設けられているが、この握り 溝２ａは、下方から上方に向かってその大きさが漸次小さくなるように設計され ている。この設計により、もっとも大きな把握力を要する立ち上がり時に、手が 滑らず立ち上がりやすいように配慮されている。図面では、握り溝２ａの幅、長 さ、深さがいずれも漸次小さくなるように示されているが、使用目的によっては 幅、長さ、深さのいずれかひとつを漸次小さくすることもできるし、その減少も 連続的ではなく、任意の数の握り溝２ａを一組として、組内の握り溝２ａは同じ 大きさで、組が変わるごとに順次小さくなるようにしてもよい。

【０００８】 図５は、本考案の滑り止め付き手摺りを車椅子の補助輪に適用した実施形態を 示す。同図において、環状手摺り１ｂは使用者の使用方向の反対側に当たる内側 に、同じ大きさの握り溝２ｂを備えている。車椅子の補助輪の握り溝２ｂは、こ れまで外側に配設されたものは知られているが、木製で内側に握り溝のあるもの は皆無であり、この方がはるかに握りやすく効果的である。特に、一般の住居内 での利用を考えると、病院などと違って段差が多く、車椅子の操輪には大きい力 を要するので、老人や身体障害者にとって、内側に握り溝２ｂのある本考案の環 状手摺り１ｂを適用した車椅子の補助輪はきわめて有効である。

【０００９】

【考案の効果】

この考案の木製の滑り止め付き手摺りは、木製であることでプラスチックや金 属に比べて温もりがあり、特に通常の住居における階段や欄干の手摺りに使用し ても違和感がない。また使用者の使用方向とは反対側に任意の個数の握り溝を設 けることで、的確な把握と強い把握力が得られ、子供、老人、その他の身体障害 を有する人に対する補助具として有効である。加えてリハビリテーション用具を 含む種々の医療器具、ベッド、風呂、便所などの動作補助具として広く適用でき 、環状手摺りは車椅子の補助輪としても使える。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の滑り止め付き手摺りの基本的な形状を
示す側面図である。

【図２】図１の背面図である。

【図３】本考案の垂直手摺りの形状を示す側面図であ
る。

【図４】図３の背面図である。

【図５】本考案の環状手摺りの形状を示す側面図であ
る。

【符号の説明】

１……手摺り １ａ…垂直手摺り １ｂ…環状手摺り ２……握り溝 ２ａ…握り溝 ２ｂ…握り溝

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 木製の手摺りであって、手摺りの裏側の
   みに、実質的に手摺り軸方向と直交する横長の握り溝を
   任意の間隔を置いて設けてなる滑り止め付き手摺り。
2. 【請求項２】 垂直方向に設置される木製の手摺りであ
   って、握り溝の大きさが下方から上方に向かって漸次減
   少するように配設されている請求項１記載の滑り止め付
   き手摺り。
3. 【請求項３】 木製の手摺りが環状の車椅子補助輪であ
   る請求項１記載の滑り止め付き手摺り。