JP3125047U - 介護入浴装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被介護者の入浴の要望に対応し、かつ介護者が楽に搬入し、介護者が無理な体制をしなくてもよい姿勢で被介護者を洗うことができる介護入浴装置の開発。
【解決手段】
浴槽を形成する位置に浴槽枠を上方又は下方から引き出して設置するもので、上下に伸縮自在な巻き込み型防水布又は蛇腹状浴槽枠(1)を上方又は下方に収納し、前記蛇腹状浴槽枠(1)等は所望の高さの伸張状態で保持することが可能であることを特徴とする介護入浴装置である。
また、前記任意の伸張状態は、蛇腹状浴槽枠(1)に少なくとも1つ以上設けた係止具(5)で係止受(4)に固定することによって、所望の高さを保持する構成である。
【選択図】図2

Description

この考案は、在宅、病院、介護施設等に設置して、寝たきり老人等の身体障害者を車椅子に乗せたまま入浴させる介護用の入浴装置に関する。
我が国はいよいよ本格的な高齢化社会に突入し、高齢者の人口は年々増加していることから、介護されることを必要とする者もおのずと増え続けている。
それに伴い、寝たきりの老人・要介護者・身体障害者等(以下「被介護者」という。)を入浴させる際、被介護者を介護する者(以下「介護者」という。)の労力を軽減するために、さまざまな技術が提案されている。
介護者の労力を最小限にまで軽減させることに重点をおいた技術としては、介護用リフトを用いて被介護者を入浴させるものがある。
この種の技術のほとんどは、床走行式電動リフト又は浴室に据付式の固定リフトであり、いずれも伸縮回動アームの先端にハンモック状にスリングシートを吊るした構造をなしている。
このリフトを使用するときは、被介護者の臀部にスリングシートを引っ掛けて被介護者を吊り上げてから浴槽の中に移動させるようになっている。
リフトを用いた技術は介護者の労力を軽減させる点ではたいへん優れているが、寝たきりで体が不自由な被介護者を宙吊りという非常に不安定な状態に身を置かせるという過程が避けられない。
よって、入浴者にとって体の負担となるだけでなく、シートからの転落や転倒を危惧して入浴者が不安を感じるという精神的負担が問題であった。
また、そのようなシステムを病院や施設に導入するにしても莫大な費用がかかるし、スペースを設けるのも容易ではない。
そもそも、リフトのごとき機械装置によって入浴させられること自体、物品のような扱いを受けているという意識を被介護者に与えてしまうため、メリットも大きいが、その分抱える問題も大きかった。
そのような事情を踏まえると、介護者の負担を少なくしつつ、より自然な入浴をさせるためには、被介護者を車椅子に乗せたまま楽に入浴させる方法を提案していくのが望ましい方向と考えられる。
このような車椅子に乗せたまま入浴させる技術として、代表的構成のものとしては特開平10−146296があり、横臥したまま入浴するものとしては特開2005−312618がある。
特開平10−146296 特開2005−312618
しかし、これらの技術は装置が複雑高度化しているが、介護者側の作業労苦を軽減する発想はないものである
そこで、本考案者はこの種の先願技術では、課題とされていなかった介護者の作業を軽減すべく発想から、従前以下の内容の着想を案出している。
つまり、車椅子に乗った状態で被介護者を位置させ、そこを囲繞してそこに後付け風呂を出現させて入浴させるという着想である。
その手段は、折り畳み式の防水布で囲繞した浴槽を立ち上げる構成、或いは折り畳み式の浴槽枠を少なくとも外枠と内枠とで構成してこれらの枠内に空気室を形成し、この空気室に給気装置により空気を供給して浴槽枠を組立てる構成で、身体障害者等の被介護者を車椅子に乗せたままで浴槽枠内に搬入し、防水布浴槽を立ち上げ或いは空気充填した浴槽を立ち上げて給湯し、そのまま入浴する事が出来るという構成である。
クレーン移動などがないので入浴時の労力を大幅に低減出来るものである。
入浴が終われば、給排水装置を操作して、給気装置を操作して浴槽枠の空気室内の空気を排気して浴槽枠を折り畳むことで、身体障害者等の介護者を車椅子に乗せた状態で運び出す事が出来る。
その浴槽を収縮させるか折り畳むことで、被介護者をその位置から移動させることで、身体を拭いたりする介護ができる。
このように、本考案者の着想は被介護者を車椅子に乗せたまま楽に入浴させる方法としてたいへん画期的なものであるが、しかしながら、介護現場の立場からすれば、さらに、次に掲げる点で、まだ改良の余地があった。
第一に、前記の着想技術の構造によると、被介護者が体を動かしたとき、伸縮して立ち上げる浴槽構造では、浴湯を手でかき回したときなど湯面が揺れている場合には、浴槽枠も揺れてしまうことがある。形状として安定な浴槽である構造が課題となる。
第二に、介護者自身が比較的高齢化しているという介護現場の実情を考慮すれば、介護する側にとっても楽な姿勢で被介護者の体を洗ってあげることができる点が要請される。
前記の着想技術は主として、いかに車椅子に乗った被介護者を浴槽に出入りさせるか、という観点から提案をしたものである。
つまり、「介護のし易さ」という観点から開発された技術ではない。
そのため現実的には、上記構造の深い浴槽に入った被介護者を洗うのはかなり困難である。具体的には、被介護者の体に手が届かず、無理な姿勢を保ったまま被介護者を洗浄しなければならないことになり、浴槽の高低或いは深さは介護者にとっても重要な課題である。
以上を念頭に置いたうえで、介護用の入浴装置を検討すると、介護者・被介護者ともに両者の視点をバランスよく配慮する必要があると言える。
被介護者のためにはゆったりとした深く大きい浴槽を提供すること、介護者のためには身体を洗って差し上げるのに、手が届きやすい大きさと深さであることの両者を両立させることが重要である。
入浴させやすいことが、結果的に、入浴されやすいことにつながるのである。
行き届いた入浴サービスを提供するには、被介護者の羞恥心や快適感、迅速性などを満たし、かつ介護者にもサービスしやすいシステムであることが求められる。
特に、被介護者を洗浄する際の浴槽の高さを低くするという介護現場での要請は、従来気が付いていても課題意識がなかったため、技術の提案がなかった。
しかし、現実には介護者を洗浄する際においては、浴槽の縁の高さは、入浴装置の開発では度外視することができない重要な観点である。
したがってこの考案は、被介護者の尊厳を保持しながら、介護者にとって無理なく運搬も洗浄も実施することができ、被介護者を安定した浴槽でより自然な入浴をさせることを課題としている。
被介護者にとって快適な入浴の提供を図ることに主眼をおくだけではなく、そこから一歩進んで、介護する側にも配慮がなされた入浴装置こそ、介護現場にも現実的に実施可能となる実情に即した入浴装置となる。
具体的には、運搬という点については、乗せ替えや余計な動きをなるべく減らして車椅子により入浴をさせる手段を採用し、被介護者の洗浄という点では、浴槽の高さを自在に変えることができる仕組みを具備することにある。
それでいて入浴中に浴槽が揺れたり形状が変化したりしないよう安定した構造の介護入浴装置を提案することにある。
以上の課題を解決するために、本考案は、浴槽を形成する位置に出現させる浴槽枠を上方又は下方から引き出して設置するもので、巻き込み自在な防水布又は上下に伸縮自在な蛇腹状浴槽枠(1)を備え、その防水布又は蛇腹状浴槽枠(1)を任意及び所望の高さの伸張状態で保持することができるようにしたものである。
前記任意の伸張状態は、壁面(2)又は壁面レール(3)上に一定の間隔で係止受(4)を形成し、蛇腹状浴槽枠(1)に少なくとも1つ以上設けた係止具(5)で係止受(4)に固定することによって、所望の高さで堅実に保持する構成をとっている。
所望の箇所に出現させる浴槽枠において、もっとも肝心な浴槽枠の縁を、高さ調整自在にかつ堅固にするという基本構成を共通として、本考案は頭上収納型と底ケース収納型とを提案する。
頭上収納型は、浴槽を形成する位置に出現させる浴槽枠を上方から引き出して設置するもので、蛇腹状浴槽枠(1)の全部が、浴室の壁などに上下方向に設けられた壁面レール(3)上をスライドして上下に昇降可動であり、折り畳んだ状態の蛇腹状浴槽枠(1)を頭上に収納する。
前記蛇腹状浴槽枠(1)の下枠(7)にパッキング突起(8)を形成し、蛇腹状浴槽枠(1)の下降状態(入浴時)においては、このパッキング突起(8)を溝(10)に嵌め込んで水密にすることを特徴とする。
一方、底ケース収納型(置付け独立型)は、浴槽を形成する位置に出現させる浴槽枠を下方から引き出して設置するもので、底ケース(20)の上に蛇腹状浴槽枠(1)を装着し、前記底ケース(20)に蛇腹状浴槽枠(1)を収納可能とした。
底ケース(20)に収納ケース(25)を連設して、収納ケース(25)のうち蛇腹状浴槽枠(1)に面している側を壁面(2)として、ここに一定の間隔で係止受(4)を形成する構成をとっている。
このタイプでは任意の独立設置物として、底ケース(20)に連設した収納ケース(25)内に、蛇腹状浴槽枠(1)内に給湯した浴湯を貯湯するタンク(26)と、このタンク(26)内の浴湯を蛇腹状浴槽枠(1)内に給排水する給排水装置(27)を設けることが可能であり、この給排水装置(27)に浴湯を浄化する浄化装置(28)を接続することも可能である。
さらに、頭上収納型と底ケース収納型の浴槽枠は、伸縮自在であることと任意の高さで固定される構成であることが不可欠である。
浴槽枠は、防水布又は防水袋を巻き込み自在にして浴槽空間を作るものや、内枠と外枠で構成された蛇腹状浴槽枠(1)で、これら枠内に空気室(23)を形成し、かつ、この空気室に空気を供給して蛇腹状浴槽枠(1)を組み立てる給気装置(24)からなるもの提案できる。
本考案にかかる介護入浴装置の特徴は、以上の構成の浴槽枠を備えて、浴槽を形成する位置に出現させる浴槽枠を上方又は下方から引き出して設置する特徴的構成がある。
本考案は、被介護者の居る位置に浴槽を出現させるという発想で、かつ介護者が入浴サービスを行いやすいように新たな改良を施してなされたものである。
被介護者の居る位置に浴槽を出現させるとき浴槽枠の形状を安定させる点と、浴槽の高さを自在に変更することが出来るという点が、本考案のもたらす技術的効果である。
上下に伸縮自在の蛇腹の構造を活かすことによって浴槽の高さを変更可能とした点に関しては、高さを変更するには浴槽の上辺が上下自在であるばかりでなく、上辺に垂直な面、すなわち、浴槽を形成している「側面」も上辺の上下運動にあわせて高さが上下方向に変動することが要請される。
よって、本考案では、蛇腹の形状をした浴槽枠を用いて、この浴槽枠の上枠(6)をどの係止受(4)に固定するかという選択の余地を設けることをもって高さ変更の手段とする。
上枠(6)の高さの決定がそのまま浴槽全体の高さを決定するという構造になっているため、比較的簡単な操作によって、容易に所望の浴槽の高さへと変更が可能である。
蛇腹の形状をした浴槽枠は、空気を入れる中空構造のほか、厚い折畳み蛇腹布や巻き込み型防水布などが考えられる。
所望の浴槽の高さへと変更ができることで、本考案は、介護者が被介護者の体を洗う際に低い高さに設定でき、実に楽な姿勢で、被介護者に手が届きやすい距離で、無理なく首尾よく入浴させることができるというメリットを有している。
介護する側にもやさしい入浴設備でなければならないという要請があるにもかかわらず、容易に浴槽の高さ調節可能な介護用の入浴装置は未だ提案されていない。
このことからも、本考案は介護者が高齢である介護現場の声に耳を傾け、時代のニーズをとらえた考案であると言える。
次に、浴槽枠の形状の安定化を図るために、蛇腹状浴槽枠(1)の端部が壁面レール(3)上をスライドする仕組みとした点に関しての効果がある。
この仕組みによれば、浴槽枠の各層の端部がいずれも壁面レール(3)との接点で固定されているため、上下に動くことは出来ても、左右に動くことはない。上下への動きは、最終的に上記の係止受(4)の位置決定がなされることによって止めることができる。
この手段によって、被介護者が体を動かしたとき、浴湯を手でかき回したときなど、湯面が揺れている場合でも浴槽枠は一定の形を保ち、安全に入浴することができるのである。
この壁面レール(3)を用いた浴槽枠の形状の安定化は、浴槽枠が蛇腹であることと相俟って、高さを変更自在ならしめるものでありながらも一定の形を保つこともできるというたいへんすぐれた効果をもたらす組み合わせであると言える。
壁面レール(3)は浴室に、例えば天井から床(11)にかけて設けることによって、頭上収納型に実施することを典型例として想定しているが、底ケース(20)に連設した収納ケース(25)の壁面(2)にレールを形成して底ケース収納型に適用しても同様の効果をもたらす。
底ケース収納型の最大のメリットは収納状態の良さと、水密性の高さである。
底ケース(20)内にすっぽり収納でき、収納状態が外から分からないため、デザイン性に優れている。
底ケース(20)と蛇腹状浴槽枠(1)を製造の段階で一体的に形成すれば、完全水密の介護入浴装置が実現する。
また、入浴の際に一度蛇腹状浴槽枠(1)を上昇させて任意の高さに設定しそのまま蛇腹状浴槽枠(1)の組立て作業に入ることができる。
底ケース収納型においては、底ケース(20)又はこの底ケース(20)に連設した収納ケース(25)内に、浴湯を溜めるタンク(26)を収納し、給排水装置(27)によりタンク内の浴湯を浴槽内に給排水することで、浴湯をタンク内に溜めて再利用する事ができ、使用水量等の低減による維持費の削減を行う事ができるものである。
さらに、給排水装置(27)に浄水装置(28)を接続することで、浴湯を浄水装置(28)により浄化して汚濁を防止すれば、浴湯を長時間使用する事ができるものである。
また、この考案によれば車椅子に乗せたまま入浴させることが可能であり、他の余計な乗せ替えなどが不要である。
浴室において頭上収納型を実施すれば平面な床(11)の上を被介護者を搬入するのみで足り、実に介護者にとっても搬入の際の負担が軽減される。
比較的狭い場所や風呂を常設はできない事情がある場合などは、適宜、底ケース収納型を実施することで、同様の効果を得ることができる。
車椅子のままで入浴でき、被介護者の尊厳が失われることもなく、リラックスできる入浴を提供することが可能である。
そして、ゆっくりした入浴後に、浴槽の高さを低く調整することで、介護者は洗髪や洗体の実施に腰を深く曲げて浴槽に身体を折り入れたりすることなくサービスできる。
この考案の実施の形態を実施例1及び実施例2に基づいて説明する。
図1は本考案に係る介護入浴装置の実施例1を示すもので、蛇腹状浴槽枠(1)を備えた頭上収納型の収納状態を示す斜視図であり、図2は同じく実施例1で、蛇腹状浴槽枠(1)の浴槽形成状態を示す斜視図である。
図3は、実施例1頭上収納型における被介護者の洗浄中の状態を示す正面図である。
図4は、実施例1頭上収納型における浴槽につかっている状態の被介護者を示す正面図である。
図5は、図4の点線部分のパッキング突起(8)及び溝(10)の水密状態を示す拡大図である。
図6は、本考案に係る介護入浴装置の実施例1で、頭上収納型の浴槽形成状態において蛇腹状浴槽枠(1)を比較的低くして被介護者が仰向けで浴槽内に横臥させている状態を示す斜視図である。
図7は、本考案に係る介護入浴装置の実施例2で、蛇腹状浴槽枠(1)を備えた底ケース収納型の浴槽形成状態を示す斜視図である。
図8は、本考案に係る介護入浴装置の実施例2で、蛇腹状浴槽枠(1)を備えた底ケース収納型介護入浴装置の断面図である。
なお、実施例1は頭上収納型、実施例2は底ケース収納型の実施例を表すものである。
介護入浴装置における蛇腹状浴槽枠(1)は、上枠(6)及び下枠(7)は硬質の素材が好ましくステンレス板或いは硬質合成樹脂で作られる。
それ以外の蛇腹部分はある程度の剛性と弾性を備えていることが要請されるため、ゴムやビニルその他の樹脂、場合によっては弾性のある金属等によることもできる。
係止受(4)及び係止具(5)は固定連結できるようなものであれば、その手段を選ばない。
この考案に係る介護入浴装置の実施例1を、図1〜図6に基づいて説明する。
図1は本考案に係る蛇腹状浴槽枠(1)の頭上収納型の収納状態を示す斜視図であり、図2は本考案に係る蛇腹状浴槽枠(1)の頭上収納型の浴槽形成状態を示す斜視図である。
図1に示すとおり、実施例1は、浴槽を形成する位置に浴槽枠を上方から引き出して設置するもので、上下に伸縮自在な蛇腹状浴槽枠(1)を上方に収納し、前記蛇腹状浴槽枠(1)等は所望の高さの伸張状態で保持することが可能であることを特徴とする介護入浴装置である。
浴室の壁面(2)に天井又は相当の高さの位置から床(11)にかけて壁面レール(3)を設け、その壁面レール(3)の上方に上下に伸縮自在な蛇腹状浴槽枠(1)を折り畳んだ状態で収納してなるものである。
蛇腹状浴槽枠(1)が降下する位置には、これを水密に嵌合する溝(10)が設けられている。
溝(10)の内側が浴槽の形成空間になる。
前記蛇腹状浴槽枠(1)の下枠(7)にはパッキング突起(8)を形成し、溝(10)に嵌め込んで水密にしている。
詳細には図示していないが、風呂に必要な種々の装置は当然設備されている。
例えば壁面(2)内には給湯装置或いは給湯配管があり、シャワー或いは蛇口が設けられ、床面には排水口(12)が設けられる。
前記壁面レール(3)に沿って一定の間隔で、壁面(2)に係止受(4)が形成されている。
そして蛇腹状浴槽枠(1)の壁面側端部に少なくとも1つ以上設けた係止具(5)を、前記係止受(4)に係合させて所望の高さに固定する。
壁面(2)に設けられた操作パネル(13)は、電動タイプの蛇腹状浴槽枠(1)の昇降運動や浴槽枠を空気組立式としたときの給気装置(24)の操作を行うものである。
浴槽枠(1)の昇降運動は、電動、空気圧による空気組立式のほか、給湯装置と接続して
も可能である。
この操作パネル(13)は持ち運び可能なリモートコントローラを用いて操作する仕組みにしてもよい。
蛇腹状浴槽枠(1)は、図示していないが巻き込み型防水布や防水袋で代替することも可能である。伸縮して所定の高さまで引き出すことができれば他の構成でも良い。
但し、不可欠な構成は、昇降動から停止状態になったときに完全に固定する前記係止受(4)と係止具(5)を具備することである。
以下、頭上収納型の使用方法を説明する。
まず、被介護者を車椅子に乗せたまま所定位置(浴室)に運搬し、溝(10)に周囲を取り囲まれているスペースに被介護者を位置させる。次に、折り畳んだ状態のまま蛇腹状浴槽枠(1)を、一旦スライド下降させ、床(11)に形成された溝(10)に、下枠(7)のパッキング突起(8)を嵌め込んで水密に取付ける(図1参照)。
その後に、今度は一定の高さまで上枠(6)をスライド上昇させ、蛇腹状浴槽枠(1)に少なくとも1つ以上設けた係止具(5)で係止受(4)に固定することによって、所望の高さで保持し、浴槽が形成される(図2参照)。
図3は、実施例1の頭上収納型における被介護者の洗浄中の状態を示す正面図である。
浴槽の高さを低い位置で保持した場合、この図3に示すように、介護者は中腰や立てひざなど、楽な姿勢で介護者の体を洗うことができる。
手の届く距離に被介護者が位置しているため、介護者の労力の負担軽減を測ることができ、要領よく入浴をさせることが可能である。
被介護者がリフトに乗せられて全身を露出されて精神的にも肉体的にも不安定な状態にさらされるようなことがなく、車椅子に座った状態でも、安定した浴槽の中で、自然な雰囲気の中、安心して入浴を済ませることができるのである。
図4は、実施例1の頭上収納型における浴槽につかっている状態の被介護者を示す正面図である。
浴槽の高さを高い位置で保持した場合、この図に示すように、被介護者が肩までつかれるほどの浴槽になる。
壁面レール(3)上をスライドさせて蛇腹状浴槽枠(1)の昇降が自在であるため、浴湯を注ぎ足す、排水するなどの水量調節をすれば、湯船にもなるし、洗浄に適した形態にもなる。このように、浴槽の高さはその用途に応じて容易に変更できるのである。
図5は、図4の点線部分のパッキング突起(8)及び溝(10)の水密状態を示す拡大図である。
パッキング突起(8)は表面をゴムパッキン(9)で覆い、溝(10)の形状・長さに合わせて、蛇腹状浴槽枠(1)の下枠(7)に形成されている。
パッキング突起(8)を二重に設けることにより、相当程度の水密性を有するが、三重、四重と増設して、さらに水密性を高めることも可能である。
尚、柔軟な素材の内袋を、本考案が形成する浴槽枠の中に装着して利用することは当然に可能である。
パッキング突起(8)はゴム以外にも、水密に適している素材を使用して覆うこととしてもよい。
図6は、本考案に係る介護入浴装置の頭上収納型の浴槽形成状態において被介護者を仰向けで浴槽内に横臥させている状態を示す斜視図である。
このように、蛇腹状浴槽枠(1)を縦長に形成しているため、浴槽内へ被介護者を搬入した後、仰向けに横臥させ、この状態での入浴も可能である。
蛇腹状浴槽枠(1)の実施例1は、横臥できる大きさのものを示したが、浴槽の形状はさまざまな形態のものがデザインできる。
この考案に係る介護入浴装置の実施例2(底ケース収納型)を、図7に基づいて説明する。
図7は本考案に係る介護入浴装置で蛇腹状浴槽枠(1)の実施例2(底ケース収納型)の浴槽形成状態を示す斜視図である。
浴槽を形成する位置に浴槽枠を下方から引き出して設置するもので、上下に伸縮自在な蛇腹状浴槽枠(1)を下方に収納し、前記蛇腹状浴槽枠(1)等は所望の高さの伸張状態で保持することが可能である介護入浴装置であって、収納ケース(25)が立設されていてそのうち蛇腹状浴槽枠(1)に面している側を壁面(2)として、ここに一定の間隔で係止受(4)を形成し、一方蛇腹状浴槽枠(1)に少なくとも1つ以上係止具(5)を設け、これを前記係止受(4)に固定することによって、所望の高さで設置できることになる。
前記蛇腹状浴槽枠(1)は内枠と外枠で構成され、これら枠内に空気室(23)を形成し、かつ、この空気室(23)に空気を供給して蛇腹状浴槽枠(1)を押し上げ組み立てる。
空気室(23)に空気を供給するための給気装置(24)は、底ケース(20)に設けている。

底ケース(20)の上に前記蛇腹状浴槽枠(1)を装着し、前記底ケース(20)に蛇腹状浴槽枠(1)が収納される。
前記底ケース(20)又はこの底ケース(20)に連設した収納ケース(25)内に、前記蛇腹状浴槽枠(1)内に給湯するための浴湯を貯湯するタンク(26)と、このタンク(26)内の浴湯を蛇腹状浴槽枠(1)内に給排水する給排水装置(27)、そして浄化装置(28)が設けられている。
前記給排水装置(27)には浴湯を浄化する浄化装置(28)を接続している。
この実施例2においても、実施例1(頭上収納型)と同様、車椅子に乗せて底ケース上に被介護者を搬入し、蛇腹状浴槽枠(1)を任意の高さに設定して組み立てる。
床(11)と底ケース(20)との段差は傾斜面(30)を利用して搬入しやすいようにする。
収納ケース(25)のうち蛇腹状浴槽枠(1)に面している側を壁面(2)として、ここに一定の間隔で係止受(4)を形成する構成をとっている。
伸張状態の保持は、蛇腹状浴槽枠(1)に少なくとも1つ以上設けた係止具(5)で係止受(4)に固定することによって、所望の高さで保持し、しっかりした浴槽を形成する。
図8は、本考案に係る介護入浴装置の実施例2を示すもので、蛇腹状浴槽枠(1)を底ケース(20)に収納した底ケース収納型を示す断面図である。
貯湯するタンク(26)、給排水装置(27)、そして浄化装置(28)を用いて浴湯を繰り返し使用することを想定して、給排水口(29)を設けてここを介して蛇腹状浴槽枠(1)内に給水及び排水を行うこととする。
図7では床(11)の上にこの考案にかかる介護入浴装置を設置しているが、床(11)のうち介護入浴装置を設置する箇所のみ、底ケース(20)の高さの分だけ低く形成すれば、段差のない底ケース収納型の介護入浴装置とすることができる。
実施例2では、上面視で四角形の蛇腹状浴槽枠(1)を用いているが、底ケース(20)との形状との兼ね合いからは、長方形など、矩形が好ましいが、特に形状を限定するものではない。
なお、図示していないが、底付きの蛇腹状浴槽枠(1)、すなわち浴槽自体が壁面レール(3)上をスライドして昇降可動としたものや、浴槽枠の形としてU字形、コの字形、正方形の蛇腹状浴槽枠(1)など、実際には様々な介護入浴装置の実施形態が本考案においては存在する。
この考案は介護者が被介護者を洗浄しやすい介護用の入浴装置を提案することによって、被介護者の福祉に資することを目的としているが、本格的な高齢化社会にあって、被介護者のみならず、介護者までもが高齢化しているという時代背景に適った考案である。
介護用リフトを使用する際の高度な操作技術が要請されることもなく、リフト吊り下げのような大げさなこともなく被介護者の尊厳を保持しながら、被介護者がリラックスした雰囲気で入浴させることが可能である。
介護者にとっても浴槽の高さを自在に調節できるため被介護者の体を楽な姿勢で洗ってあげることができる。よって、被介護者及び介護者双方に配慮がなされた介護用の入浴装置として、介護現場で広く利用可能であると考えられる。
勿論、浴槽自体は健常者でも利用できる構成であるので、簡易な一般の浴槽としても利用できる。
医療や福祉の介護用浴槽の分野、建設現場の仮事務所等での臨時的浴槽の分野、スポーツレジャー分野で利用が可能である。
本考案に係る介護入浴装置の実施例1を示すもので、蛇腹状浴槽枠(1)を備えた頭上収納型の収納状態を示す斜視図である。 同じく本考案に係る介護入浴装置の実施例1を示すもので、蛇腹状浴槽枠(1)を備えた頭上収納型の浴槽形成状態を示す斜視図である。 同じく本考案に係る介護入浴装置の実施例1を示すもので、頭上収納型における被介護者の洗浄中の状態を示す正面図である。 同じく本考案に係る介護入浴装置の実施例1を示すもので、頭上収納型における浴槽につかっている状態の被介護者を示す正面図である。 同じく本考案に係る介護入浴装置の実施例1を示すもので、図4の点線部分のパッキング突起(8)及び溝(10)の水密状態を示す拡大図である。 同じく本考案に係る介護入浴装置の実施例1を示すもので、蛇腹状浴槽枠(1)を立ち上げた頭上収納型の浴槽形成状態において被介護者を仰向けで浴槽内に横臥させている状態を示す斜視図である。 本考案に係る介護入浴装置の実施例2を示すもので、蛇腹状浴槽枠(1)を備えた底ケース収納型の浴槽形成状態を示す斜視図である。 本考案に係る介護入浴装置の実施例2を示すもので、蛇腹状浴槽枠(1)を畳んで底ケースに収納した収納状態を示す断面図である。
符号の説明
1・・・・蛇腹状浴槽枠
2・・・・壁面
3・・・・壁面レール
4・・・・係止受
5・・・・係止具
6・・・・上枠
7・・・・下枠
8・・・・パッキング突起
9・・・・ゴムパッキン
10・・・溝
11・・・床
12・・・排水口
13・・・操作パネル
14・・・被介護者
15・・・介護者
20・・・底ケース
23・・・空気室
24・・・給気装置
25・・・収納ケース
26・・・タンク
27・・・給排水装置
28・・・浄化装置
29・・・給排水口
30・・・傾斜面
























Claims (8)

  1. 浴槽を形成する位置に浴槽枠を上方又は下方から引き出して設置するもので、上下に伸縮自在な巻き込み型防水布又は蛇腹状浴槽枠(1)を上方又は下方に収納し、前記蛇腹状浴槽枠(1)等は所望の高さの伸張状態で保持することが可能であることを特徴とする介護入浴装置。
  2. 前記任意の伸張状態は、壁面(2)又は壁面レール(3)上に一定の間隔で係止受(4)を形成し、蛇腹状浴槽枠(1)に少なくとも1つ以上設けた係止具(5)で係止受(4)に固定することによって、所望の高さで保持することを特徴とする請求項1記載の介護入浴装置。
  3. 前記蛇腹状浴槽枠(1)はその全部又は一部が壁面レール(3)上をスライドして上下に昇降可動であることを特徴とする請求項1〜請求項2のいずれかに記載の介護入浴装置。
  4. 前記蛇腹状浴槽枠(1)は内枠と外枠で構成され、これら枠内に空気室(23)を形成し、かつ、この空気室に空気を供給して蛇腹状浴槽枠(1)を組み立てる給気装置(24)を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の介護入浴装置。
  5. 前記蛇腹状浴槽枠(1)の下枠(7)にパッキング突起(8)を形成し、溝(10)に嵌め込んで水密することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の介護入浴装置。
  6. 底ケース(20)の上に前記蛇腹状浴槽枠(1)を装着し、前記底ケース(20)に蛇腹状浴槽枠(1)を収納可能であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の介護入浴装置。
  7. 前記底ケース(20)又はこの底ケース(20)に連設した収納ケース(25)内に、前記蛇腹状浴槽枠(1)内に給湯した浴湯を貯湯するタンク(26)と、このタンク(26)内の浴湯を蛇腹状浴槽枠(1)内に給排水する給排水装置(27)を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の介護入浴装置。
  8. 前記給排水装置(27)に浴湯を浄化する浄化装置(28)を接続したことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の介護入浴装置。





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