JP2006213811A - ゴム変性スチレン系樹脂フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐衝撃性、透明性、耐印刷性に優れ、また縦方向又は横方向の引張強度と引張破断伸びのバランスがよく、更には成形性に優れたゴム変性スチレン系フィルム、シートを提供する。
【解決手段】 スチレン−ブタジエンブロック共重合体ゴム(A)の存在下、スチレン系単量体(B)と(メタ)アクリル酸エステル系単量体(C)をグラフト重合する際、成分(A)+成分(B)+成分(C)の合計量に対して、成分(A)3〜16重量%、成分(B)+成分(C)97〜84重量%、成分(B)+成分(C)の合計量に対して、成分(B)100〜82重量%、成分(C)0〜18重量%の組成で重合してなり、分散ゴム粒子の平均粒子径が0.1〜0.5μm、全分散ゴム粒子数に対するコアーシェル構造を有するゴム粒子数が90%以上の割合で、且つビカット軟化点温度が85℃以上であるゴム変性スチレン系樹脂を成形してなるゴム変性スチレン系樹脂フィルム。

【選択図】 図1

Description

本発明は、耐衝撃性、透明性、耐印刷性に優れ、また縦方向又は横方向の引張強度と引張破断伸びのバランスがよく、更には成形性に優れたゴム変性スチレン系樹脂からなるゴム変性スチレン系樹脂フィルム、シートに関する。
スチレン系樹脂フィルムは、例えば、レタスなどの生鮮葉菜類の包装用フィルム;果物容器、弁当類、トレイ、ドンブリ、カップ、蓋財、絵付成形品などを構成するラミネート用フィルム;封筒、窓貼用、展示パネル用、花包装用、ケーキ包装用、ラベル用フィルム、玩具、装飾品等に使用される。これらの透明なポリスチレンフィルムは、一般用ポリスチレン(以下GPPSと記す)を押出成形あるいはインフレーション成形等によって、またはGPPSを一旦シート状に成形し、このシートを再加熱して縦方向及び横方向に2軸延伸することによって得られるが、衝撃強度が不十分である。そこで、この衝撃強度を改善するために、GPPSに耐衝撃性ポリスチレン(以下HIPS)を混ぜる方法、あるいはGPPSにスチレン−ブタジエンブロックゴム等を混ぜる方法がある。前者は、HIPSとして、サラミ構造を有する、分散ゴム粒子が平均粒子径1〜4μmのものが一般に用いられているが、衝撃強度は向上するものの、透明性が低下し、改善が望まれている。また後者は、衝撃強度と透明性のバランスで非常に優れたものが得られるが、成形時の滞留によって、スチレン−ブタジエンブロックゴムが架橋し、得られるフィルムにゲル物が発生、しいては印刷時の印刷飛びとなって品質不良を起こす場合があり、改善が望まれている。なお、本明細書全体を通して、「フィルム」とは、厚さに基いて厳密な意味で定義されたものではなく、通常のシートに属するような比較的厚手のものも含むこととする。
本発明は、耐衝撃性、透明性、耐印刷性に優れ、また縦方向又は横方向の引張強度と引張破断伸びのバランスがよく、更には成形性に優れたゴム変性スチレン系樹脂フィルム、シートを提供するものである。
本発明者らは、上記問題点に鑑み、鋭意研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
1.スチレン−ブタジエンブロック共重合体ゴム(A)の存在下、スチレン系単量体(B)と(メタ)アクリル酸エステル系単量体(C)をグラフト重合する際、成分(A)+成分(B)+成分(C)の合計量に対して、成分(A)3〜16重量%、成分(B)+成分(C)97〜84重量%、成分(B)+成分(C)の合計量に対して、成分(B)100〜82重量%、成分(C)0〜18重量%の組成で重合してなり、分散ゴム粒子の平均粒子径が0.1〜0.5μm、全分散ゴム粒子数に対するコアーシェル構造を有するゴム粒子数が90%以上の割合で、且つビカット軟化点温度が85℃以上であるゴム変性スチレン系樹脂を成形してなるゴム変性スチレン系樹脂フィルム、
2.成分(C)が、メタクリル酸メチル及び/又はアクリル酸ブチルである上記1に記載のゴム変性スチレン系樹脂フィルム、
3.ゴム変性スチレン系樹脂をインフレーション成形して得られる上記1または2に記載のゴム変性スチレン系樹脂フィルム、
4.ゴム変性スチレン系樹脂を1軸あるいは2軸の押出機を用いて押出し、延伸して得られる上記1または2に記載のゴム変性スチレン系樹脂フィルム、
5.上記1〜4のいずれかに記載のフィルム表面に印刷を施してなるゴム変性スチレン系樹脂フィルム、
である。
本発明のゴム変性スチレン系樹脂フィルムは、耐衝撃性、透明性、耐印刷性に優れ、また縦方向又は横方向の引張強度と引張破断伸びのバランスがよいフィルム、である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いるスチレン−ブタジエンブロック共重合体ゴム(A)(以下、スチレン−ブタジエンブロックゴム又はゴムということがある。)は、特に限定するものではないが、重合において得られるゴム粒子の構造がゴム粒子中に1個のオクルードPSを含む、いわゆるコア−シェル構造が生成しやすいものであれば良い。ゴムの構造としては、S(スチレン)−B(ブタジエン)、S−B−S、あるいはS−B−S−Bのブロックゴムであって、ゴム中のスチレン含有量は30〜50重量%、好ましくは35〜45重量%のものが、5重量%スチレン溶液粘度が5〜50センチポイズのものが、「全分散ゴム粒子数に対するコアーシェル構造を有するゴム粒子数が90%以上の割合」を与えるので好ましい。スチレン−ブタジエンブロックゴムをスチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステルの単量体に溶解、重合して目的の樹脂組成物を得るが、重合方法については、特に制限がなく、公知の塊状重合法、溶液重合法、塊状−懸濁重合法、懸濁重合法、乳化重合法等が採用できる。又、回分式重合法、連続式重合法のいずれの方式であっても差し支えない。
スチレン系単量体(B)とは、具体的にはスチレン、α−アルキル置換スチレン類、例えばα−メチルスチレン、核アルキル置換スチレン類、例えばo−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等である。これらスチレン系単量体は、単独で用いてもよいが、2種類以上を併用してもよい。中でもスチレンが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル(C)とは、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル等などで、中でもメタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチルが好ましい。これら(メタ)アクリル酸エステルは、単独で用いてもよいが、2種類以上を併用してもよい。なお(メタ)アクリル酸エステル(C)は、スチレンとの共重合において、ゴム変性スチレン系樹脂のビカット軟化点が85℃以上になるように種類と量を調整する。
本発明のゴム変性スチレン系樹脂の重合時に、重合開始剤としは2,2’ーアゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2ーメチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)等の公知のアゾ化合物や、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジーt−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、オクタノイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ジーn−プロピルペルオキシジカーボネート、t−ブチルペルオキシピバレート、t−プチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、t一ブチルヒドロペルオキシド、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン等の公知の有機過酸化物を用いることが好ましい。又、公知の分子量調整剤、例えばα−メチルスチレンリニアダイマー、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、1−フェニルー2−フルオレン、ジベンテン、クロロホルムなどのメルカプタン類、テルペン類、ハロゲン化合物、テレピノーレン等のテレピン類を必要に応じて添加してもよい。
本発明のゴム変性スチレン系樹脂の重合時に、必要に応じて重合溶剤として、例えばトルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチルエチルケトン等のジアルキルケトン類などを用いてよい。それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
更に、重合生成物の溶解性を低下させない範囲で、他の溶剤、例えば脂肪族炭化水素類等を芳香族炭化水素類に混合することができる。これらの溶剤は、単量体に対して、25重量%を超えない範囲で使用するのが好ましい。溶剤が25重量%を超えると、重合速度が著しく低下し、かつ、得られる樹脂の衝撃強度の低下が大きくなる。又、溶剤の回収のために、多量のエネルギーを要する。
溶剤は、重合が進み、比較的高粘度になってから添加してもよいし、あるいは重合前から添加しておいてもよいが、重合前に5〜20重量%の割合で添加しておく方が、品質が均一化し易く、重合温度制御の点でも好ましい。
本発明のゴム変性スチレン系樹脂の重合時に、脱揮工程についても特に制限はない。スチレン系単量体及び(メタ)アクリル酸エステルの重合を塊状重合で行なう場合は、最終的に未反応単重体が、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下になるまで重合を進め、かかる単量体などの揮発分を除去するために、公知の方法にて脱揮処理する。この脱揮工程は、重合反応後の反応物から、未反応物及び/又は溶剤を除去するためのものであり、脱揮処理には、例えばフラッシュドラム、二軸脱揮器、薄膜蒸発器、押出機などの通常の脱揮装置を用いることができる。なお、脱揮処理の温度は、通常、190〜280℃程度であり、又脱揮処理の圧力は通常、1〜100torr(トール)程度である、好ましくは1〜50torrであり、更に好ましくは1〜10torrである。脱揮方法としては、例えば加熱下で減圧して除去する方法や、揮発分除去の目的に設計された押出機等を通して除去することが望ましい。
本発明のゴム変性スチレン系樹脂において、スチレン−ブタジエンブロックゴムの含有量は3〜16重量%、好ましくは4〜13重量%、より好ましくは5〜11重量%である。3重量%未満ではフィルムの衝撃強度が低く、また16重量%を超える場合は、溶融時の粘弾性が高く、フィルムに厚み斑が起き易くなり、好ましくない。分散ゴム粒子の平均粒子径は0.1〜0.5μm、より好ましくは0.2〜0.4μmである。0.1μm未満では衝撃強度が低く、0.5μmを超える場合は透明が悪くなり好ましくない。またゴム粒子の構造は、コア−シェル構造がよい。サラミ構造と比較した場合、ゴム粒子径を形成しているゴム層の膜圧が薄く、光の屈折が小さくなるために透明性が良くなると考えられる。一方、サラミ構造は、比較的膜厚の厚いゴム層を粒子内部に多く含んでいるために、光の屈折が大きくなり、透明性が悪くなるものと考えられる。オニオン構造はコア−シェルとサラミ構造の間に属する。全分散ゴム粒子数に対するコアーシェル構造を有するゴム粒子数の割合は、90%以上である。より好ましくは95%以上100%未満である。その割合が90%未満の場合、平均粒子径が0.1〜0.5μmでも、透明性が悪くなる。
重合時のスチレン系単量体(B)と(メタ)アクリル酸エステル系単量体(C)の比率は、スチレン系単量体(B)100〜82重量%と(メタ)アクリル酸エステル系単量体(C)0〜18重量%、好ましくはスチレン系単量体(B)98〜85重量%と(メタ)アクリル酸エステル系単量体(C)2〜15重量%、より好ましくはスチレン系単量体(B)95〜88重量%と(メタ)アクリル酸エステル系単量体(C)5〜12重量%である。(メタ)アクリル酸エステル系単量体(C)が18重量%を越えるとマトリックス樹脂の屈折率がよりスチレン−ブタジエンブロックゴムの屈折率に近づき、樹脂そのものの透明性が向上し、より透明性に優れたフィルムが得られて好ましいが、反面、印刷時に塗料の溶剤で樹脂がおかされ、耐印刷性が悪くなり、好ましくない。なおスチレン−(メタ
)アクリル酸エステル共重合体の組成は、13C−NMRを用いて、それぞれの単量体単位に起するスペクトルピークの面積比から求めることができる。
また、ゴム変性スチレン系樹脂は、そのVicat軟化点温度が85℃以上である。好ましくは、93℃以上、より好ましくは100℃以上である。Vicat軟化点温度が85℃未満の場合、溶融時の樹脂粘度が低くなり過ぎ、1軸延伸、2軸延伸、インフレーション成形等で厚み斑等が起こり、成形性が悪くなる。スチレン系単量体(B)と(メタ)アクリル酸エステル系単量体(C)は上記Vicat軟化点温度が85℃以上になるようにそれらの量と種類が選定される。
本発明のゴム変性スチレン系樹脂のゴム粒子を除いたマトリックス部のスチレン系単量体(B)と(メタ)アクリル酸エステル系単量体(C)よりなる樹脂は、重量平均分子量(Mw)が10〜35万、好ましくは13〜30万、より好ましくは15〜25万である。重量平均分子量(Mw)が10万未満では、フィルムの衝撃強度が低くなり好ましくない。また35万を超える場合は流動性が低下し成形性が悪くなり好ましくない。重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比が1.5〜3.5、好ましくは1.7〜3.2、より好ましくは1.8〜3である。Mw/Mnが1.5未満の場合はフィルムの厚み斑が大きくなり好ましくない。又Mw/Mnが3.5を越えると耐衝撃性が低下し好ましくない。Mw/Mnの調整は、重合溶剤の量、重合温度、分子量調整剤の添加、Mw/Mnの異なる樹脂の混合等公知の手法が利用できる。
本発明のゴム変性スチレン系樹脂において、必要に応じて酸化防止剤、滑剤、可塑剤、着色剤、鉱油、シリコーンオイル等の添加剤を添加することができ、製造時任意の段階で配合することができる。添加剤を配合する方法については特に規定はないが、例えば、共重合体の重合時に添加して重合する方法やブレンダー等であらかじめ添加剤を混合し、押出機にて溶融混錬する方法等が挙げられる。
本発明のゴム変性スチレン系樹脂は、従来公知の任意の成型加工方法、例えば、インフレーション成形、押出成形でフィルム、シート等容易に成形加工ができる。得られたフィルムはレタスなどの生鮮葉菜類の包装用フィルム;封筒、窓貼用、展示パネル用、花包装用、ケーキ包装用、ラベル用フィルム、玩具、装飾品等はもとより、特に果物容器、弁当類、トレイ、ドンブリ、カップ、蓋財、絵付成形品などを構成する印刷を施したラミネート用フィルムとして好適に使用でき、フィルムの膜厚は好ましくは15〜250μm、より好ましくは20〜100μm。また二軸延伸やインフレーション成形では、縦方向または横方向の引張強度や引張破断伸びのバランスがよいフィルムが得られる。
次に本発明を実施例及び比較例により、詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
本発明では、下記の測定法を用いた。
(1)ゴム粒子の平均粒子径
樹脂の超薄切片法による透過型電子顕微鏡写真をとり、写真中の粒子1000個の粒子径(長径と短径の平均値)を測定して次式により平均粒子径を求めた。
平均粒子径=ΣniDi/ΣniDi
(ただし、niは粒子径Diを有するゴム粒子の個数である。)
(2)ビカット軟化点温度
ASTM D1525に準拠して測定した。
(3)数平均分子量、重量平均分子量
ゲルパーミエイション・クロマトグラフィー(GPC)で測定した、なお定量は単分散ポリスチレンを用いて検量線を作成し、ポリスチレン換算として分子量を求めた。
測定条件
試料調製:テトラヒドロフランに共重合樹脂組成物約1000ppmを溶解
機器:昭和電工社製 Shodex21 カラム:サンプル:KF−806L 2本、
リファレンス:KF−800RL 2本、温度:40℃、 キャリア:THF 1ml/min、 検出器:RI、UV:254nm、 検量線:東ソー社製の単分散PS使用、 データ処理:Sic―480
(4)引張破断強度、引張破断伸び
20mmシート押出機で得られた厚さ400μmのシートを二軸延伸機(東洋精器社製EX6−S1)で、押出方向を縦として、ビカット軟化点温度+25℃、3分間予熱後、400%/minの速度で、縦、横方向に等倍に延伸し、厚み50μmのフィルムを得た。このフィルムから幅15mm、長さ100mmの測定用サンプルを切り出し、5mm/minの速度で測定した。
(5)落錘衝撃強度
上記の(4)で得た厚み50μmのフィルムを、東洋精機社製のデュポン式ダート試験器(B−50)でミサイルの重錘形状を半径1/5インチ、ミサイル受け皿形状を1/2インチ、荷重50gを用いて、高さを変え、50%破壊値を求めた。
(6)全光線透過率、曇り度の測定
上記の(4)で得た厚さ50μmのフィルムをJIS K7105に準拠して測定した。
(7)溶剤塗布での肌荒れ観察
酢酸エチルとイソプロピルアルコールの重量比1:1の溶剤に(4)で得た厚さ50μmのフィルムを一瞬浸漬した後、室温で乾燥し、浸漬前後のフィルムの表面を観察した。表面の肌荒れが明らかにの激しいものを×、肌荒れが僅かなものを△、殆どの変化がないものを○とした。
(8)二軸延伸の成形性
上記の(4)で得たフィルムの中心から一辺10cmの正方形を切り出し、2cm間隔で厚みを測定し、平均の厚みを算出した。この平均値の厚みを±20%超える測定点が、全測定点の20%以上の場合を×、10〜20%の場合を△、10%未満の場合を○とした。
(9)インフレーションの成形性
樹脂のインフレーション成形性の確認は、20mm押出機の先端にリング状の2重円筒を取り付け、2重円筒から出てくる樹脂を手で引きながら、リング中央部からエアーを流し、樹脂を膨らましてフィルムが作成できるがどうかで確認した。フィルムが作成できる場合を○、できない場合を×とした。
[実施例1〜9]、[比較例1〜4]
攪拌機を備えた層流型反応器3基(1.5リットル)を直列に連結し、その後に二段ベント付き押出機を配置した重合装置を用いて、ゴム変性スチレン系樹脂を製造する。表1に示す重合原料組成(ただし、ゴム(スチレン−ブタジエンブロックゴム):日本エラストマー社製670A、スチレン含有量約40%)の原料溶液を反応器に0.75リットル/hrの容量で供給し、重合を行った。また反応器の温度は100〜145℃、押出機温度は200〜240℃、真空度は10〜60torr、最終反応器出の重合液中の全固形分は68〜74重量%の範囲に調整した。実施例1〜9で得られた樹脂中のゴム粒子は、電子顕微鏡写真(図1)から全粒子数の90%以上がコアーシェル構造を有していた。電子顕微鏡写真で測定した平均粒子径は0.2〜0.5μmの範囲内であった。ゴム粒子を除いたマトリックス部のスチレン系単量体(A)と(メタ)アクリル酸エステル系単量体(B)よりなる樹脂の重量平均分子量(Mw)は15〜25万、重量平均分子量と数平均分子量(Mn)の比が1.8〜3の範囲にあった。実施例1〜9、比較例1〜4で得られたゴム変性スチレン系樹脂の物性を表2に示す。
[実施例10]
実施例4で得た樹脂(ゴム粒子がコア−シェル構造)と下記比較例5で得た樹脂(ゴム粒子がサラミ構造)を97重量部:3重量部で混ぜて、20mm単軸押出機で押出し、樹脂を得た。この樹脂の平均粒子径は0.4μmで、電子顕微鏡写真から全粒子数の90%以上がコアーシェル構造であった。物性を表2に示す。
[比較例5]
実施例1において、ゴム種をスチレン−ブタジエンブロックゴムからポリブタジエン(旭化成ケミカルズ社製ジエン55)に替えた以外は、表1に示す重合原料組成で同様に重合を行った。得られた樹脂のゴム粒子は、電子顕微鏡写真からサラミ構造を有し、電子顕微鏡写真から測定した平均粒子径は0.5μmであった。物性を表2に示す。
[比較例6]
実施例4で得た樹脂(ゴム粒子がコア−シェル構造)と比較例5で得た樹脂(ゴム粒子がサラミ構造)を55重量部:45重量部で混ぜて、20mm単軸押出機で押出し、樹脂を得た。この樹脂の平均粒子径は0.45μm、電子顕微鏡写真から全粒子数の90%未満がコアーシェル構造であった。物性を表2に示す。
Figure 2006213811
Figure 2006213811
レタスなどの生鮮葉菜類の包装用フィルム;封筒、窓貼用、展示パネル用、花包装用、
ケーキ包装用、ラベル用フィルム、玩具、装飾品等はもとより、特に果物容器、弁当類、トレイ、ドンブリ、カップ、蓋財、絵付成形品などを構成する印刷を施したラミネート用フィルムとして好適に用いることができ、産業界に果たす役割は大きい。
ゴム粒子の構造を説明する図である。

Claims (5)

  1. スチレン−ブタジエンブロック共重合体ゴム(A)の存在下、スチレン系単量体(B)と(メタ)アクリル酸エステル系単量体(C)をグラフト重合する際、成分(A)+成分(B)+成分(C)の合計量に対して、成分(A)3〜16重量%、成分(B)+成分(C)97〜84重量%、成分(B)+成分(C)の合計量に対して、成分(B)100〜82重量%、成分(C)0〜18重量%の組成で重合してなり、分散ゴム粒子の平均粒子径が0.1〜0.5μm、全分散ゴム粒子数に対するコアーシェル構造を有するゴム粒子数が90%以上の割合で、且つビカット軟化点温度が85℃以上であるゴム変性スチレン系樹脂を成形してなるゴム変性スチレン系樹脂フィルム。
  2. 成分(C)が、メタクリル酸メチル及び/又はアクリル酸ブチルである請求項1に記載のゴム変性スチレン系樹脂フィルム。
  3. ゴム変性スチレン系樹脂をインフレーション成形して得られる請求項1または2に記載のゴム変性スチレン系樹脂フィルム。
  4. ゴム変性スチレン系樹脂を1軸あるいは2軸の押出機を用いて押出し、延伸して得られる請求項1または2に記載のゴム変性スチレン系樹脂フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のフィルム表面に印刷を施してなるゴム変性スチレン系樹脂フィルム。
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