JP2006212438A - 調理容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】特に使用快適性と同時に蓋から容器内への復水の確実な導出が向上された調理容器を提供する。
【解決手段】少なくとも1つの蓋つまみ(4)が、蓋縁部(5)を越えて突出するつまみ係止区分(6)を有しており、該つまみ係止区分が、少なくとも1つの容器つまみ(3,3′)の切欠き(7,7′)又は凹部に差込み可能であり、これにより、蓋内面(10)の少なくとも最下部域(17)が容器開口部(11)の上位若しくは容器開口部(11)内に位置する直立したポジションで、蓋(2)が容器(1)に保持されているようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、それぞれ少なくとも1つのつまみ(容器つまみ;蓋つまみ)を有する容器と蓋とから成る調理容器に関する。
ドイツ連邦共和国特許出願公開第10247961号明細書から公知の、つまみを装備した調理鍋若しくはフライパンの蓋のためのホルダでは、調理鍋若しくはフライパンのつまみの、調理鍋/フライパンの円筒軸線に対して間隔をあけられた2つの半径方向平面内に支持部材が設けられており、これらの支持部材の間で、蓋はその縁部を以てほぼ垂直方向で直立した位置に立てられる。これにより、調理過程中に蓋を調理鍋/フライパンから取って置こうとする場合に熱的負荷及び台所用品の汚れを防ぐ、調理鍋若しくはフライパンの蓋のための安全で実用的な収納を提供するという課題を解決しようとする。提案されたこの解決手段は、操作を難しくする特別なホルダが設けられていなくてはならないか、又は当該支持部材が調理鍋/フライパンのつまみに上向きで直立して形成されており、その結果、つまみが掴みにくく洗いにくいという欠点を有している。更に、蓋は外された位置では鍋開口部若しくはフライパン開口部の外位に位置しているので、蓋内面に表れる復水が作業面に滴下する。
同じ問題が、ドイツ連邦共和国特許出願公開第10006007号明細書から公知の、外側につまみが取り付けられて蓋ホルダとして形成された容器を備えた、調理鍋及びキャセロール等の形の食物準備装置において発生する。なぜならば、蓋がその保持ポジションにおいてやはり容器の外側に位置しているからである。蓋つまみに蓋ホルダが形成されているか、又は蓋が少なくとも1つの蓋切欠きを縁部に有している構成では、蓋は保持のために、復水が容器内部へ流出するように位置決め可能であるが、この場合、蓋はその斜位に基づいて比較的大幅に容器開口部の横断面内へ突入しているので、容器内の食物への接近が妨げられている。
ドイツ連邦共和国特許第633874号明細書から公知の、鍋つかみの上位に差込み可能な、蓋縁部用の保持フレームを備えた線材フレームから成る手間のかかる別個の蓋保持装置では、側方鍋つかみウェブを緊締するように取り囲む、互いに対向位置する2つのU字形のダブル保持クランプが設けられており、これにより、差し込まれた蓋から付着した水蒸気が鍋に戻る。
ドイツ連邦共和国特許出願公開第10247961号明細書 ドイツ連邦共和国特許出願公開第10006007号明細書 ドイツ連邦共和国特許第633874号明細書
本発明の課題は、冒頭で述べた形式の調理容器を改良して、従来技術で述べた欠点が回避された、つまり特に使用快適性と同時に蓋から容器内への復水の確実な導出が向上された調理容器を提供することである。
この課題を解決するために本発明では、少なくとも1つの蓋つまみが、蓋縁部を越えて突出するつまみ係止区分を有しており、該つまみ係止区分が、少なくとも1つの容器つまみの切欠き又は凹部に差込み可能であり、これにより、蓋内面の少なくとも最下部域が容器開口部の上位若しくは容器開口部内に位置する直立したポジションで、蓋が容器に保持されているようにした。この場合、前記最下部域には復水を導出するための装置若しくは例えば溝状の形状が設けられていてもよい。
この解決手段は技術的に簡単であり、その構成に基づいて、蓋が直立した保持ポジションに位置する場合に容器つまみの操作が容器内部への接近を妨げることはない。容器つまみのジオメトリックな配置形式と構成及び特に容器縁部の上位の蓋つまみの延長部に基づいて、特別な保持装置無しで、蓋内面に表れる復水が確実に容器内部に流入するように、蓋が容器に位置決め可能であるということが達成される。
有利には、容器は互いに対向位置する2つの側に、周壁に取り付けられた、それぞれ本発明により形成された各1つの容器つまみを有している。従って、蓋は容器の両側において保持ポジションにもたらすことができ、このことは、ユーザに対する容器の回動位置に関係無く、右利き用にも左利き用にも本発明の有用性を改善している。
これに対応して蓋も、蓋縁部の互いに対向位置する2つの側に蓋つまみを有していてよく、この蓋つまみは本発明による特性を有しているので、蓋は容器の左右で止められる。
つまみ係止区分は、特に蓋の閉鎖状態において、当該つまみ係止区分の下位に位置する蓋つまみに接触若しくは密着するか、又は少なくとも容器つまみによって把持されるように構成されていてよいので、蓋の設けられた容器から、場合によっては特に空けられた注ぎ口を介して液体を注ぐことが容易になる。
これに関連して、容器つまみの上面の輪郭が蓋つまみの下面の輪郭にその都度適合されていると、別の改良が得られる。それというのも、この場合、対応配置された各つまみが一緒に掴んだときにほぼ相接して位置しているからである。
有利には、容器つまみの上面と蓋つまみの下面とが半径方向で互いに適合するように、やや曲げられて若しくは湾曲されていてもよく、これにより、容器に蓋を載置しても、容器上で蓋の付加的なセンタリングが行われることはない。
本発明の特に簡単な構成では、容器は有利にはループつまみとして形成された2つの容器つまみを有しており、前記ループつまみのループ開口は、つまみ係止区分のための切欠きを形成している。
蓋の簡単な取扱いのためには、少なくとも1つの蓋つまみが、蓋の少なくとも1部分域に間隔をあけてオーバラップするループつまみ(ハーフループつまみ)を有しており、このループつまみのつまみ係止区分は、蓋縁部を越える延長部を成している。このようにして、蓋はその保持ポジションから簡単に再び取り出される。それというのも、取扱い用に比較的大きなループつまみが供与されているからである。
但し、少なくとも1つの蓋つまみは、なだらかな円弧で蓋の上面全体から突出しており且つ蓋縁部を越える延長部を有する少なくとも一方の端部においてつまみ係止区分を形成する、ループつまみ(フルループつまみ)として形成されていてもよい。このようなループつまみは、本発明の出願人の典型的な装備特徴である「フィスラーマジックライン」を成しており、このフィスラーマジックラインは魅力的な形状のみならず、改善された蓋の取扱いをも保証する。この点において本発明は、公知の「マジックライン」式調理容器の新たな改良にも関する。
少数の原材料からの製作を簡単にするためには、本発明に基づき互いに対向位置する両容器つまみと互いに対向位置する両蓋つまみとが、それぞれ上下で同一であってよい。
更に本発明では、容器の上位で蓋を簡単且つ確実に位置決めするために、少なくとも1つの容器つまみの切欠き又は凹部が、容器つまみをほぼ垂直方向で上から下に貫通しており、つまみ係止区分がほぼ半径方向で蓋縁部から突出しているということを提案する。
更に、保持ポジションの安全性を助成するためには、蓋がその直立したポジションで、有利には差込み縁部を以て容器縁部、有利には容器開口部を制限する注ぎ縁部に支持されていると有利である。
本発明の思想の特別な構成では、蓋の直立ポジションにおいて蓋内面の少なくとも最下部域が、容器開口部を制限する、容器内部に対して傾斜した注ぎ縁部の上位に位置しているので、復水は流出時にまずこの注ぎ縁部に到達し、容器の内壁に沿って流出可能である。
つまみ(容器つまみ;蓋つまみ)は、有利には熱伝導性の低いプラスチックから形成されており且つ/又は熱伝導性の低い移行部を介して容器壁若しくは蓋壁と結合されている。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面につき詳しく説明する。
図1に示した調理容器は、容器1と蓋2とから成っている。容器1は2つの同一の容器つまみ3,3′を1つは(図面で見て)周壁8の左側に、1つは右側に有している。蓋2はそれぞれ対応する位置に2つの蓋つまみ4,4′を有している。両蓋つまみ4,4′は、それぞれ蓋縁部5を越えて半径方向外側に突出するつまみ係止区分6,6′を有しており、このつまみ係止区分6,6′は、それぞれ容器つまみ3,3′の各切欠き7,7′に挿入可能であり、これにより、蓋2は少なくとも蓋内面10の最下部域が容器開口部11の上位に位置するような直立位置で、容器1に保持されている。なぜならば、容器つまみ3,3′は上側の容器縁部12から相応に小さな間隔をおいて容器1の周壁8に取り付けられており、蓋つまみ4,4′のつまみ係止区分6,6′は蓋縁部5を越えて張り出すように寸法決めされているからである。この場合、容器つまみ3,3′はループつまみとして形成されていてよく、このループつまみのループ開口が、つまみ係止区分6,6′のための切欠き7,7′を形成する。
蓋2の片側(左側)において認識されるように、一方の蓋つまみ4が、蓋2の1部分域(蓋2のほぼ中央まで)に間隔をあけてオーバラップするループつまみ(ハーフループつまみ)として形成されており、このループつまみのつまみ係止区分6は、蓋縁部5を越える延長部を成している。但し、蓋つまみ4,4′はループつまみ(フルループつまみ(図示せず))として形成されて、なだらかな円弧で蓋2の上面9全体から突出しており且つ蓋縁部5を越える延長部を有する少なくとも一方の端部において、つまみ係止区分6,6′を形成してもよい。図示のように、重なり合う両容器つまみ3,3′がいずれにしろ同一であると有利である。重なり合う蓋つまみ4,4′も、特に蓋縁部から外向きに突出した短いループとして同一であってよい。
図1及び図2には更に、特に容器つまみ3,3′の上面15,15′の半径方向で曲げられた輪郭が、それぞれ蓋つまみ4,4′の下面16,16′の対応する輪郭に適合されており且つ容器つまみ3,3′の上面15,15′と蓋つまみ4,4′の上面18,18′とが互いに移行している場合、つまみ係止区分6,6′が蓋2の閉鎖状態での注ぎ機能を助成するために、下位に位置する容器つまみ3,3′にそれぞれ接触しているということが示されている。
図1及び図2から判るように、切欠き7,7′は容器つまみ3,3′をそれぞれほぼ垂直方向で貫通しており、つまみ係止区分6,6′はほぼ半径方向で蓋縁部5から張り出している。このようにして、蓋2のほぼ垂直方向の若しくは傾斜の小さな保持位置が得られ、このことは蓋2の内面10における復水の良好な流出をもたらす。
蓋2を保持ポジションで安定させるためには、蓋2は当該の保持ポジションで例えば蓋差込み縁部13を以て、容器縁部12、特に容器開口部11を制限する注ぎ縁部14に(付加的に)支持されるということが有利である。この場合、蓋2の直立ポジションにおける蓋内面10の最下部域17は、容器開口部11を制限する、容器内部に対して傾斜した注ぎ縁部14の上位に位置しているので、この注ぎ縁部14において復水が捕集される。
容器つまみ3,3′も蓋つまみ4,4′も、それぞれ熱伝導性の低いプラスチックから形成されているか、又は容器つまみ3,3′及び蓋つまみ4,4′の金属製の壁は、低い熱伝達に基づいてそれぞれ熱的に絶縁されていてよい。
蓋が左側の直立保持ポジションにある、本発明を有する調理容器の垂直断面図である。 図1に示した調理容器の蓋を右側の直立保持ポジションで示した図である。
符号の説明
1 容器、 2 蓋、 3,3′ 容器つまみ、 4,4′ 蓋つまみ、 5 蓋縁部、 6,6′ つまみ係止区分、 7,7′ 切欠き、 8 周壁、 9 蓋上面、 10 蓋内面、 11 容器開口部、 12 容器縁部、 13 蓋差込み縁部、 14 注ぎ縁部、 15,15′ 容器つまみの上面、 16,16′ 蓋つまみの上面、 17 蓋の最下部域、 18,18′ 蓋つまみの上面

Claims (16)

  1. それぞれ少なくとも1つのつまみ(容器つまみ(3,3′);蓋つまみ(4,4′))を有する容器(1)と蓋(2)とから成る調理容器において、
    少なくとも1つの蓋つまみ(4)が、蓋縁部(5)を越えて突出するつまみ係止区分(6)を有しており、該つまみ係止区分が、少なくとも1つの容器つまみ(3,3′)の切欠き(7,7′)又は凹部に差込み可能であり、これにより、蓋内面(10)の少なくとも最下部域(17)が容器開口部(11)の上位若しくは容器開口部(11)内に位置する直立したポジションで、蓋(2)が容器(1)に保持されていることを特徴とする、調理容器。
  2. 容器(1)が、互いに対向位置する2つの側に、周壁(8)に取り付けられた各1つの容器つまみ(3,3′)を有している、請求項1記載の調理容器。
  3. 蓋(2)が、蓋縁部(5)の互いに対向位置する2つの側に各1つの蓋つまみ(4,4′)を有している、請求項1又は2記載の調理容器。
  4. つまみ係止区分(6,6′)が蓋(2)の閉鎖状態において、それぞれ当該つまみ係止区分の下位に位置する容器つまみ(3,3′)に接触するか、若しくは容器つまみ付近に位置している、請求項1から3までのいずれか1項記載の調理容器。
  5. 蓋つまみ(4,4′)の上面(18,18′)が容器つまみ(3,3′)の上面(15,15′)に移行している、請求項1から4までのいずれか1項記載の調理容器。
  6. 容器つまみ(3,3′)の上面(15,15′)の輪郭が、蓋つまみ(4,4′)の下面(16,16′)の輪郭に適合されている、請求項4又は5記載の調理容器。
  7. 容器つまみ(3,3′)の上面(15,15′)と蓋つまみ(4,4′)の下面(16,16′)とが、半径方向で互いに適合するようにやや曲げられているか若しくは湾曲されている、請求項6記載の調理容器。
  8. 容器(1)が、有利にはループ開口がつまみ係止区分(6,6′)用の切欠き(7,7′)を形成するループつまみとして形成された2つの容器つまみ(3,3′)を有している、請求項1から7までのいずれか1項記載の調理容器。
  9. 少なくとも1つの蓋つまみ(4,4′)が、蓋(2)の少なくとも1部分領域に間隔をあけてオーバラップするループつまみであり、該ループつまみの蓋縁部(5)を越えた延長部がつまみ係止区分(6)を成している、請求項1から8までのいずれか1項記載の調理容器。
  10. 少なくとも1つの蓋つまみ(4,4′)が、ループつまみとして形成されてなだらかな円弧で蓋(2)の上面(9)全体から突出しており且つ蓋縁部(5)を越えた延長部を備えた少なくとも1つの端部につまみ係止区分(6)を形成している、請求項1から9までのいずれか1項記載の調理容器。
  11. 互いに対向位置する2つの容器つまみ(3,3′)が同一である、請求項1から10までのいずれか1項記載の調理容器。
  12. 少なくとも1つの容器つまみ(3,3′)の切欠き(7,7′)又は凹部が、各容器つまみ(3,3′)をほぼ垂直方向で貫通しており、つまみ係止区分(6,6′)が、ほぼ半径方向で蓋縁部(5)から突出している、請求項1から11までのいずれか1項記載の調理容器。
  13. 蓋(2)がその直立したポジションで、有利には蓋差込み縁部(13)を以て容器縁部(12)、殊に容器開口部(11)を制限する注ぎ縁部(14)に支持されている、請求項1から12までのいずれか1項記載の調理容器。
  14. 蓋(2)の直立したポジションにおいて、蓋内面(10)の少なくとも最下部域(17)が、容器開口部(11)を制限する、容器内部に対して傾斜した注ぎ縁部(14)の上位に位置している、請求項1から13までのいずれか1項記載の調理容器。
  15. 蓋内面の最下部域(17)に、復水を導出するための装置若しくは例えば溝状の形状が設けられている、請求項1から14までのいずれか1項記載の調理容器。
  16. つまみ(容器つまみ(3,3′)及び/又は蓋つまみ(4,4′))が熱伝導性の低いプラスチックから成っており且つ/又はつまみ(容器つまみ(3,3′)及び/又は蓋つまみ(4,4′))と、容器壁(8)若しくは蓋壁との間に熱伝導性の低い移行域が設けられている、請求項1から15までのいずれか1項記載の調理容器。
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