JP2006211273A - フィルタ及びダイプレクサ - Google Patents
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Abstract
【課題】 素子間の干渉の小さいフィルタ及びダイプレクサを提供する。
【解決手段】 積層体の内部にコンデンサ部を形成するとともに、コンデンサ部に対し積層体の積層方向の両側にコンデンサ部と電気的に接続される第1のインダクタ回路及び第2のインダクタ回路を配設し、積層体の内部もしくは主面に第2インダクタ回路と電気的に接続される接地電極を配設する。
【選択図】図2
【解決手段】 積層体の内部にコンデンサ部を形成するとともに、コンデンサ部に対し積層体の積層方向の両側にコンデンサ部と電気的に接続される第1のインダクタ回路及び第2のインダクタ回路を配設し、積層体の内部もしくは主面に第2インダクタ回路と電気的に接続される接地電極を配設する。
【選択図】図2
Description
本発明は、各種通信機器に用いられるフィルタ及びダイプレクサに関するものである。
近年の情報通信技術の発展に伴い、通信ネットワークは我々の社会の中に定着してきた。特に、携帯電話等の無線通信の普及はめざましいものであり、その機能向上も図られている。その1つとして、周波数の異なる複種類の通信システムでの通信が可能な端末が提案されており、このような端末には、信号の分配ならびに結合を行うダイプレクサが用いられている。
図7に従来のダイプレクサを示す。従来のダイプレクサによれば、第1のインダクタ4cと第1のコンデンサ7cにより並列接続されてノッチ回路1が形成され、同じく第2のインダクタ5cと第2のコンデンサ8cにより並列接続されたノッチ回路2が形成される。さらに、ノッチ回路1の一端は第2の端子2cに、ノッチ回路2の一端は第3の端子3cに接続され、この2つのノッチ回路の他の端子同士は第1の端子1cに接続されてダイプレクサは構成されている。
そして、第1の端子1cと第2の端子2cとの間で特定の周波数帯f1を通過させたいとき、ノッチ回路2の挿入損失が周波数帯f1で最大と成るようにノッチ回路2は構成され、第3の端子3cに周波数帯f1の信号が出力されないようにする。逆に第1の端子1cと第3の端子3cとの間で特定の周波数帯f2を通過させたいとき、ノッチ回路1の挿入損失が周波数帯f2で最大となるようにノッチ回路1は構成され、第2の端子2cに周波数帯f2の信号が出力されないようにして、信号はダイプレクサで分波される。
ところが、図7のダイプレクサにおいては、ノッチ回路のみで信号を分波しているため、例えばノッチ回路1が狭い周波数帯で共振するように設定されている場合、ノッチ回路1で形成される減衰帯域は狭帯域となり、周波数帯f2で挿入損失は大きくならない。逆にノッチ回路1が広い周波数帯で共振するように設定されている場合、ノッチ回路2で形成される広い周波数帯の共振のために、周波数帯域f1までが共振の影響を受けてしまい、通過帯域は狭帯域となり、通過帯域が広帯域化されることは難しいという問題があった。
これに対して、例えば、特許文献1では、ローパスフィルタ回路とハイパスフィルタ回路と第1のLC直列共振回路と第2のLC直列共振回路とを備え、ローパスフィルタ回路を第1の入出力端子と第2の入出力端子との間に配置し、ハイパスフィルタ回路を第1の入出力端子と第3の入出力端子との間に配置し、第1の直列共振回路を第2の入出力端子とグランドとの間に配置し、第2の直列共振回路を第3の入出力端子とグランドとの間に配置するように構成したダイプレクサが開示されている。
図8に、このダイプレクサを示す。図8のダイプレクサによれば、第1のインダクタ4dは第1の端子1dと第2の端子2dとの間に配置され、第1のコンデンサ7dは第1の端子1dと第3の端子3dとの間に配置され、第2のインダクタ5dと第2のコンデンサ8dとが直列接続されたノッチ回路1は第2の端子2dとグランドとの間に配置され、第3のインダクタ6dと第3のコンデンサ9dとが直列接続されたノッチ回路2は第3の端子3dとグランドとの間に配置される。かかる構成とすることにより、図7に示したノッチ回路のみで信号を分波するダイプレクサに比べて、通過帯域が広帯域化される。
特開2001−119258号公報
しかしながら、例えば特許文献1に示されたダイプレクサでは通過域が広帯域化されるが、回路の回路素子数が増やされるため、回路素子同士の接続が増えてしまう。接地されたLC直列共振回路の場合、通常、インダクタンス値を大きくするために、インダクタパターンは接地電極より離された位置に配置され、コンデンサ電極は2枚対向されて配置して形成されるのであるが、コンデンサ電極が接地電極に対向して配置されることで、構造上容易にコンデンサを作ることができるので、接地されたLC直列共振回路が形成される際はコンデンサ側が接地される。そのため、回路素子数の多いダイプレクサでは、接地されたLC直列共振回路のインダクタが他の回路素子と接続されることとなり、インダクタ同士が接続される場合がある。その場合、インダクタパターン同士が接続されたり、インダクタパターン同士が近い位置に配置されたりすることで、インダクタパターン同士が電磁干渉を起こし、所望の特性を得られない。そのため、インダクタパターン同士が電磁干渉を起こさないように、インダクタパターンとインダクタパターンを離すことが考えられるが、その場合、ダイプレクサが大きくなってしまうという問題があった。
本発明は上述の問題点に鑑み案出されたもので、その目的は、素子間の干渉の小さいダイプレクサを提供することにある。
本発明のフィルタは、複数の誘電体層を積層してなる積層体の内部にコンデンサ部を形成するとともに、コンデンサ部に対し積層体の積層方向の両側にコンデンサ部と電気的に接続される第1のインダクタ回路及び第2のインダクタ回路を配設し、積層体の内部もしくは主面に第2インダクタ回路と電気的に接続される接地電極を配設してなることを特徴とするものである。
本発明のフィルタは、第2のインダクタ回路の少なくとも一部が、積層体を平面透視して、コンデンサ部の外周よりも内側に配置されていることを特徴とするものである。
本発明のフィルタは、第1のインダクタ回路の少なくとも一部が、コンデンサ部に対し接地電極側に、コンデンサ部のコンデンサ電極と接地電極との間に挟まれるようにして配置されていることを特徴とするものである。
本発明のダイプレクサは、上記フィルタと、積層体の主面もしくは隣接する誘電体層間に配設されているLC共振回路とを備え、フィルタ及びLC共振回路の一方をローパスフィルタとし、他方をハイパスフィルタとしたことを特徴とするものである。
本発明のダイプレクサは、第2のインダクタと接地電極とが積層体の内部に埋設されているビア導体を介して電気的に接続するとともに、ビア導体をローパスフィルタとハイパスフィルタとの間に配設したことを特徴とするものである。
本発明のフィルタによれば、複数の誘電体層を積層してなる積層体の内部にコンデンサ部を形成するとともに、コンデンサ部に対し積層体の積層方向の両側にコンデンサ部と電気的に接続される第1のインダクタ回路及び第2のインダクタ回路を配設し、積層体の内部もしくは主面に第2インダクタ回路と電気的に接続される接地電極を配設したことにより、第1のインダクタ回路と第2のインダクタ回路の接続がなくなり、接続による電磁干渉をなくすことが可能となる。また、インダクタ回路が接続による干渉を考えて配置される必要がなくなり、小型化に供することができる。
また本発明のフィルタによれば、第2のインダクタ回路の少なくとも一部を、積層体を平面透視して、コンデンサ部の外周よりも内側に配置することにより、コンデンサ部を介して、第2のインダクタ回路は電磁的に遮断されて、第2のインダクタ回路と他の素子の干渉を小さくすることができる。
さらに本発明のフィルタによれば、第1のインダクタ回路の少なくとも一部を、コンデンサ部に対し接地電極側に、コンデンサ部のコンデンサ電極と接地電極との間に挟まれるようにして配置することにより、第1のインダクタ回路と第2のインダクタ回路はコンデンサ部により電磁的に遮断され、第1のインダクタ回路と第2のインダクタ回路の干渉をなくすことができるとともに、接地電極とコンデンサ部との間のデットスペースが使用可能となって小型化にも供することができる。また、第2のインダクタ回路を容易に接地電極に対して離された位置に配置させることができ、インダクタンス値を容易に大きくすることができる。
そして本発明のダイプレクサによれば、上述のフィルタと、前記積層体の主面もしくは隣接する誘電体層間に配設されているLC共振回路とを備え、フィルタ及びLC共振回路の一方をローパスフィルタとし、他方をハイパスフィルタとすることにより、素子間の干渉が小さなダイプレクサを構成することができる。
また本発明のダイプレクサによれば、第2のインダクタと接地電極とが積層体の内部に埋設されているビア導体を介して電気的に接続するとともに、ビア導体をローパスフィルタとハイパスフィルタとの間に配設することにより、ローパスフィルタを構成する素子とハイパスフィルタを構成する素子がビア導体により電磁界的に遮断され、素子間の干渉を小さくして、ローパスフィルタとハイパスフィルタの干渉を軽減することができる。
以下、本発明のフィルタについて図を用いて説明する。なお、以下の実施の形態では、IEEE.802.11bの周波数帯に対応したローパスフィルタ回路を例にとって説明する。なお、IEEE.802.11bの通過帯域は2.4GHzから2.5GHzである。
図1は本発明のフィルタの実施の形態の一例を示す等価回路図であり、同図において1aは第1の端子、2aは第2の端子、4aは第1のインダクタ、5aは第2のインダクタ、7aは第1のコンデンサ、8aは第2のコンデンサである。
図1に示すローパスフィルタにおいては、第1の端子1aと、一端が接地された第1のコンデンサ7aの他端と、第1のインダクタ4aの一端とが接続されている。また、第2のインダクタ5a及び第2のコンデンサ8aは直列接続されており、第2のインダクタ5aの一端は接地され、第2のコンデンサ8aの一端は第2の端子2aに接続されている。そして、その第2のコンデンサ8aと第2の端子2aの接続点に第1のインダクタ4aの他端が接続されて、ローパスフィルタが形成されている。
図2は図1のローパスフィルタの構造を分解斜視図にて示したものであり、同図において、10〜16は第1〜第7の誘電体層、17は接地電極、18・19は第1・第2のインダクタパターン、20〜22は第1〜第3のコンデンサ電極、23〜26は第1〜第4のビア導体である。
図2において、8aは、第4の誘電体層13及び第5の誘電体層14の層間に形成された第1のコンデンサ電極20と、第5の誘電体層14及び第6の誘電体層15の層間に形成された第2のコンデンサ電極21との間に生じる容量によるコンデンサであり、7aは、第1の誘電体層10及び第2の誘電体層11の層間に形成された接地電極17と、第2の誘電体層11及び第3の誘電体層12の層間に形成された第3のコンデンサ電極22との間に生じる容量によるコンデンサである。また4aは第3の誘電体層12及び第4の誘電体層13の層間に形成された第1のインダクタパターン18に生じるインダクタであり、5aは第6の誘電体層15及び第7の誘電体層16の層間に形成さらた第2のインダクタパターン19に生じるインダクタである。
そして、第1のインダクタパターン18の一端と第3のコンデンサ電極22は第3の誘電体層12を貫通する第1のビア導体23を介して電気的に接続されている。また、第2のインダクタパターン19の一端と接地電極17は第2〜第6の誘電体層11〜15を貫通する第2のビア導体24を介して電気的に接続されるとともに、第2のインダクタパターン19の他端と第2のコンデンサ電極21は第6の誘電体層15を貫通する第3のビア導体25を介して接続される。また、第1のインダクタパターン18の他端と第1のコンデンサ電極20は第4の誘電体層13を貫通する第4のビア導体26を介して接続されることにより4a・5a・7a・8aからなるローパスフィルタが構成される。
そして、第1〜第7の誘電体層10〜16、第1〜3のコンデンサ電極20〜22によってコンデンサ7a・8aを調整し、また、第1〜第7の誘電体層10〜16、第1・第2のインダクタパターン18・19によってインダクタ4a・5aを調整することにより、所望のローパスフィルタ特性が得られる。
以上のような本形態のフィルタは、第2のインダクタ5aと第2のコンデンサ8aで構成されるLC共振回路では第2のコンデンサ8aが第1のインダクタ4aに接続されるため、インダクタ同士が接続されることはなくなり、接続による電磁干渉をなくすことが可能となる。また、インダクタ同士が接続による干渉を考えて配置される必要がなくなり、小型化に供することができる。
また、本形態のフィルタは、第2のインダクタパターン19は第2のビア導体24との接続部以外が、積層体を平面透視して、第2のコンデンサ電極21の外周よりも内側に配置されている。これにより、第2のコンデンサ電極21を介して、第2のインダクタパターン19は電磁的に遮断され、第2のインダクタパターン19と他の素子の干渉を小さくすることができる。
さらに、本形態のフィルタは、第1のインダクタパターン18と第2のインダクタパターン19とが第1・第2のコンデンサ電極20・21によって電磁的に遮断されるため、第1のインダクタパターン18と第2のインダクタパターン19の干渉を少なくすることができるとともに、接地電極17と第1のコンデンサ電極20との間のデットスペースが使用可能となり、小型化に供することもできる。また、第2のインダクタパターン19を容易に接地電極17に対して離された位置に配置させることができるため、インダクタンス値を容易に大きくすることができる。
なお、上述した本形態のフィルタは、例えば誘電体層がセラミックスから成る場合、焼成後に各誘電体層となるセラミックグリーンシート(以下、グリーンシートともいう)に所定の孔開け加工を施すとともに、各電極のパターン形状及びビア導体となる貫通孔やグリーンシートの側面等に導体ペーストを塗布し、これらを積層して焼成することによって製作される。あるいは、誘電体層がフッ素樹脂やガラスエポキシ樹脂,ポリイミド樹脂のような樹脂から成る場合、樹脂基板を用い、その表面に被着させた銅箔をエッチングして各電極パターンの形成を行ない、層間接続用の貫通導体を形成して積層プレスすることによって製作される。
また、誘電体を成す第1〜7の誘電体層10〜17としては、アルミナセラミックス,ムライトセラミックス等のセラミックス材料やガラスセラミックス等の無機系材料、または四フッ化エチレン樹脂(ポリテトラフルオロエチレン;PTFE),四フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂(テトラフルオロエチレン−エチレン共重合樹脂;ETFE),四フッ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂;PFA)等のフッ素樹脂やガラスエポキシ樹脂,ポリイミド等の樹脂系材料等が用いられる。
一方、接地電極17、第1、第2のインダクタパターン18、19、第1〜3のコンデンサ電極20〜22には、高周波信号伝送用の金属材料から成る導体層が用いられる。例えば、Cu層、Mo−Mnのメタライズ層上にNiメッキ層及びAuメッキ層を被着させたもの、Wのメタライズ層上にNiメッキ層及びAuメッキ層を被着させたもの、Cr−Cu合金層、Cr−Cu合金層上にNiメッキ層及びAuメッキ層を被着させたもの、Ta2N層上にNi−Cr合金層及びAuメッキ層を被着させたもの、Ti層上にPt層及びAuメッキ層を被着させたもの、またはNi−Cr合金層上にPt層及びAuメッキ層を被着させたもの等が用いられ、厚膜印刷法あるいは各種の薄膜形成方法やメッキ法等により形成される。その厚みや幅は、伝送される高周波信号の周波数や用途等に応じて設定される。
図3は、図2のフィルタの周波数特性を示すグラフである。図3において、横軸は周波数(単位:GHz)を、縦軸はフィルタの信号通過量S(2,1)(単位:dB)を表わし、実線の特性曲線は本発明のフィルタの周波数特性を、破線の周波数特性は本発明のインダクタの配置のままで従来のようにインダクタ同士が接続されたフィルタの周波数特性を示す。
所望の特性とは、通過帯域において減衰量を最小にし、通過帯域の2倍の周波数帯で減衰量を最大にするものである。
図3に示されている結果より、本発明のフィルタにおいてはインダクタ同士の干渉が殆どなく、所望のフィルタ特性が得られているのに対し、従来のフィルタにおいてはインダクタ同士が近く、インダクタ同士が接続されているため、インダクタ同士が干渉して所望のフィルタ特性が得られていない。
なお、上述の例では、2枚の電極を用いてコンデンサを構成するようにしたが、サイズ、容量を考慮し、多数の電極を用いてコンデンサを構成するようにしてもかまわない。また、インダクタについても、上述の例では単層で形成したが、サイズ、インダクタンス値を考慮して、複数の周回パターンをビア導体で連結させた立体構造としてもよい。さらに、第2のインダクタパターン19を、他のパターンやビア導体への引き出し用途部以外において第2のコンデンサ電極21の外周よりも内側に配置させておけば、第2のコンデンサ電極21により電磁的に遮断されて、他の素子の干渉を小さくすることができる。
次に本発明のダイプレクサについて図を用いて説明する。なお、以下の実施の形態では、IEEE.802.11aとIEEE.802.11bの周波数帯に対応したダイプレクサについて説明する。IEEE.802.11aの通過帯域は4.9GHzから5.825GHzで、IEEE.802.11bの通過帯域は2.4GHzから2.5GHzである。ここでIEEE.802.11bの通過帯域を周波数帯f1、IEEE.802.11aの通過帯域を周波数帯f2とする。
図4は本発明のダイプレクサの実施の形態の一例を示す等価回路図である。図4において1bは第1の端子、2bは第2の端子、3cは第3の端子、4bは第1のインダクタ、5bは第2のインダクタ、6bは第3のインダクタ、7bは第1のコンデンサ、8bは第2のコンデンサ、9bは第3のコンデンサである。
図4のダイプレクサにおいては、第1の端子1bに、第1のインダクタ4bの一端と第1のコンデンサ7bの一端とが接続されている。また、第2のインダクタ5b及び第2のコンデンサ8bは直列接続されており、第2のインダクタ5bは接地され、第2のコンデンサ8bの一端は、第1のインダクタ4bの他端と第2の端子2bに接続されている。また、第3のインダクタ6b及び第3のコンデンサ9bは直列接続されており、第3のコンデンサ9bは接地され、第3のインダクタ6bの一端は第1のコンデンサ7bの他端と第3の端子3bに接続されてダイプレクサを形成している。
図5は図4のダイプレクサの構造を分解斜視図にて示したものであり、同図において、30〜36は第1〜第7の誘電体層、37は接地電極、38〜40は第1〜第3のインダクタパターン、41〜45は第1〜第5のコンデンサ電極、46〜51は第1〜第6のビア導体である。
図5において、8bは、第4の誘電体層33及び第5の誘電体層34の層間に形成された第1のコンデンサ電極41と、第5の誘電体層34及び第6の誘電体層35の層間に形成された第2のコンデンサ電極42との間に生じる容量によるコンデンサであり、9bは、第1の誘電体層30及び第2の誘電体層31の層間に形成された接地電極37と、第2の誘電体層31及び第3の誘電体層32の層間に形成された第3のコンデンサ電極43との間に生じる容量によるコンデンサであり、7bは、第5の誘電体層34及び第6の誘電体層35の層間に形成された第4のコンデンサ電極44と、第6の誘電体層35及び第7の誘電体層36の層間に形成された第5のコンデンサ電極45との間に生じる容量によるコンデンサである。また、4bは、第3の誘電体層32及び第4の誘電体層33の層間に形成された第1のインダクタパターン38に生じるインダクタであり、5bは第6の誘電体層35及び第7の誘電体層36の層間に形成された第2のインダクタパターン39に生じるインダクタであり、6bは第4の誘電体層33及び第5の誘電体層34の層間に形成された第3のインダクタパターン40に生じるインダクタである。
そして、第2のインダクタパターン39の一端と接地電極37は第2〜第6の誘電体層31〜35を貫通する第1のビア導体46を介して電気的に接続されるとともに、第2のインダクタパターン39の他端と第2のコンデンサ電極42は第6の誘電体層35を貫通する第2のビア導体47を介して電気的に接続されるとともに、第1のインダクタパターン38の一端と第1のコンデンサ電極41は第4の誘電体層33を貫通する第3のビア導体48を介して電気的に接続されることにより、4b・5b・8bからなるローパスフィルタが構成される。また、第1のインダクタパターン38の他端と第5のコンデンサ電極45は第4〜6の誘電体層33〜35を貫通する第4のビア導体49を介して電気的に接続されるとともに、第3のインダクタパターン40の一端と第4のコンデンサ電極44は第5の誘電体層44を貫通する第5のビア導体50を介して電気的に接続されるとともに、第3のインダクタパターン40の他端と第3のコンデンサ電極43は第3・第4の誘電体層32・33を貫通する第6のビア導体51を介して電気的に接続されることにより、6b・7b・9bからなるハイパスフィルタが構成される。そしてローパスフィルタとハイパスフィルタよりダイプレクサが構成される。
これらローパスフィルタとハイパスフィルタは、第1〜第7の誘電体層30〜36、第1〜第4のコンデンサ電極41〜45によってコンデンサ7b〜9bを調整し、また、第1〜第7の誘電体層30〜36、第1〜第3のインダクタパターン38〜40によってインダクタ4b〜6bを調整し、所望のフィルタ特性が得られる。
以上のような本形態のダイプレクサは、ローパスフィルタとハイパスフィルタより構成されるとともに、ローパスフィルタが第2のインダクタ5bと第2のコンデンサ8bで構成されるLC共振回路を有しており、第2のコンデンサ8bが第1のインダクタ4bに接続されているため、素子間の干渉を小さくすることができる。
また、本形態のダイプレクサにおいては、第2のインダクタ39と接地電極37は誘電体層に形成された第1のビア導体46を介して電気的に接続され、ローパスフィルタとハイパスフィルタとの間に配置さていることから、ローパスフィルタとハイパスフィルタの干渉を小さくするために接地されたビア導体を配置する必要はなく、ローパスフィルタを構成する素子とハイパスフィルタを構成する素子を電磁界的に遮断して、素子間の干渉を小さくすることができ、これによってローパスフィルタとハイパスフィルタの干渉を軽減することができる。
図6は、図5の本発明のダイプレクサの周波数特性を示すグラフである。図6において、横軸は周波数(単位:GHz)を、縦軸はダイプレクサのローパスフィルタ側の信号通過量S(2,1)(単位:dB)を表わし、実線の特性曲線は本発明のフィルタの周波数特性を、破線の周波数特性は本発明のインダクタの配置のままで従来のようにインダクタ同士が接続されたダイプレクサの周波数特性を示している。
図6の結果より、従来のダイプレクサではインダクタ同士を近づけるとインダクタ同士の干渉して、所望のダイプレクサ特性が得られないのに対し、本発明のダイプレクサによれば、インダクタ同士の干渉がなく、所望のダイプレクサ特性を得られることが分かる。
また図6の結果より、本発明のダイプレクサはインダクタ同士の干渉がなく、所望のフィルタ特性が得られているのに対し、従来のダイプレクサはインダクタ同士が近く、インダクタ同士が接続されているため、インダクタ同士が干渉して所望のフィルタ特性が得られないことが分かる。
なお、上述の例ではダイプレクサのハイパスフィルタの共振回路を直接共振回路により構成したが、並列共振回路を用いるように回路を変更してもかまわない。また、第1のインダクタパターン38を、他のパターンやビア導体への引き出し用途部以外において第1のコンデンサ電極41と接地電極37との間に挟まれるように配置させておけば、第1のインダクタパターン38と第2のインダクタパターン39を第1・第2のコンデンサ電極41・42によって電磁的に遮断することができる。
また、本発明は上述した実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更、改良等が可能である。
例えば、本発明のフィルタ及びダイプレクサの回路の次数を3次でなく、4次、5次にしても良い。
また、フィルタはローパスフィルタとして使用したが、ハイパスフィルタとして使用してもよい。
さらに、本発明のフィルタ及びダイプレクサを、GSM(Global System for Mobile Communications)やDCS(Digital Cellular System)などのシステムに用いてもよい。
1a〜1d:第1の端子
2a〜2d:第2の端子
3a〜3d:第2の端子
4a〜4d:第1のインダクタ
5a〜5d:第2のインダクタ
6b・6d:第3のインダクタ
7a〜7d:第1のコンデンサ
8a〜8d:第2のコンデンサ
9b・9d:第3のコンデンサ
10〜16、30〜36:第1〜第7の誘電体層
17・37:接地電極
18・19、38・39:第1・第2のインダクタパターン
40:第3のインダクタパターン
20〜22、41〜43:第1〜第3のコンデンサ電極
44・45:第4・第5のコンデンサ電極
23〜26、46〜49:第1〜第4のビア導体
50・51:第5・第6のビア導体
2a〜2d:第2の端子
3a〜3d:第2の端子
4a〜4d:第1のインダクタ
5a〜5d:第2のインダクタ
6b・6d:第3のインダクタ
7a〜7d:第1のコンデンサ
8a〜8d:第2のコンデンサ
9b・9d:第3のコンデンサ
10〜16、30〜36:第1〜第7の誘電体層
17・37:接地電極
18・19、38・39:第1・第2のインダクタパターン
40:第3のインダクタパターン
20〜22、41〜43:第1〜第3のコンデンサ電極
44・45:第4・第5のコンデンサ電極
23〜26、46〜49:第1〜第4のビア導体
50・51:第5・第6のビア導体
Claims (5)
- 複数の誘電体層を積層してなる積層体の内部にコンデンサ部を形成するとともに、前記コンデンサ部に対し前記積層体の積層方向の両側に前記コンデンサ部と電気的に接続される第1のインダクタ回路及び第2のインダクタ回路を配設し、前記積層体の内部もしくは主面に前記第2インダクタ回路と電気的に接続される接地電極を配設してなるフィルタ。
- 前記第2のインダクタ回路の少なくとも一部が、前記積層体を平面透視して、前記コンデンサ部の外周よりも内側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ。
- 前記第1のインダクタ回路の少なくとも一部が、前記コンデンサ部に対し前記接地電極側に、前記コンデンサ部のコンデンサ電極と前記接地電極との間に挟まれるようにして配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフィルタ。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のフィルタと、前記積層体の主面もしくは隣接する誘電体層間に配設されているLC共振回路とを備え、前記フィルタ及び前記LC共振回路の一方をローパスフィルタとし、他方をハイパスフィルタとしたことを特徴とするダイプレクサ。
- 前記第2のインダクタと前記接地電極とが前記積層体の内部に埋設されているビア導体を介して電気的に接続するとともに、該ビア導体を前記ローパスフィルタと前記ハイパスフィルタとの間に配設したことを特徴とする請求項4に記載のダイプレクサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005020249A JP2006211273A (ja) | 2005-01-27 | 2005-01-27 | フィルタ及びダイプレクサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005020249A JP2006211273A (ja) | 2005-01-27 | 2005-01-27 | フィルタ及びダイプレクサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006211273A true JP2006211273A (ja) | 2006-08-10 |
Family
ID=36967638
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005020249A Pending JP2006211273A (ja) | 2005-01-27 | 2005-01-27 | フィルタ及びダイプレクサ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006211273A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009059478A (ja) * | 2007-08-29 | 2009-03-19 | Murata Mfg Co Ltd | イオン発生器 |
JP2019050468A (ja) * | 2017-09-08 | 2019-03-28 | 株式会社村田製作所 | 積層型共振回路部品、包装済み積層型共振回路部品及び積層型共振回路部品の製造方法 |
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2005
- 2005-01-27 JP JP2005020249A patent/JP2006211273A/ja active Pending
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JP2019050468A (ja) * | 2017-09-08 | 2019-03-28 | 株式会社村田製作所 | 積層型共振回路部品、包装済み積層型共振回路部品及び積層型共振回路部品の製造方法 |
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