JP2005176341A - ハイパスフィルタ、ダイプレクサ及びそれを用いた無線通信器 - Google Patents

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周一 山本
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Abstract

【課題】 挿入損失が小さく小型のハイパスフィルタおよびこれを用いたダイプレクサを提供する。
【解決手段】 ハイパスフィルタは、複数の誘電体層が積層されて成る基体と、基体の内部の誘電体層の一つの層間に形成された第1のコンデンサ電極14と、第1のコンデンサ電極14よりも下側の誘電体層の層間に形成された第2のコンデンサ電極15および第3のコンデンサ電極16と、第1のコンデンサ電極14よりも上側の誘電体層の層間に形成された第4のコンデンサ電極17と、基体の第2および第3のコンデンサ電極15,16よりも下側に設置された接地電極13と、一端が第4のコンデンサ電極17に電気的に接続されているとともに他端が接地電極13に電気的に接続されているインダクタ18とを具備している。
【選択図】 図2

Description

本発明は、各種通信機器等に用いられるハイパスフィルタ、ダイプレクサ及びそれを用いた無線通信器に関するものである。
図9は従来の一般的なハイパスフィルタの等価回路図である。ハイパスフィルタは、直列接続された第1のコンデンサC1aおよび第2のコンデンサC2aと、第1のコンデンサC1aと第2のコンデンサC2aの接続部に一端が接続された第1のインダクタL1aと、第1のインダクタL1aの他端に、一端が接地された第3のコンデンサC3aが接続された構成である。
また、図10は図9のハイパスフィルタを用いたダイプレクサの等価回路図である。このダイプレクサはハイパスフィルタとローパスフィルタから構成されており、第1の端子にローパスフィルタの一端およびハイパスフィルタの一端を共通に接続するとともに、ローパスフィルタの他端に第2の端子を、ハイパスフィルタの他端に第3の端子を接続した構成である。また、ハイパスフィルタは、直列接続された第1のコンデンサC1bおよび第2のコンデンサC2bと、第1のコンデンサC1bと第2のコンデンサC2bの接続部に一端が接続された第1のインダクタL1bと、第1のインダクタL1bの他端に、一端が接地された第3のコンデンサC3bが接続されている。ローパスフィルタは、並列接続された第2のインダクタL2bと第4のコンデンサC4bの一端に、一端が接地された第5のコンデンサC5bが接続されている。
図11は一般的なハイパスフィルタの分解斜視図である。誘電体からなる積層体の下層側に接地電極1aを設け、この上層に接地電極1aと対向し接地容量を形成する接地容量電極2a、および接地容量電極2aに一端が接続されたストリップライン3aを設け、この上層にストリップライン3aの他端とビア導体4aを介して接続された容量電極5aを設け、その上層に容量電極5aと対向し電気的な容量を形成する容量電極6a,7aを設ける。
ところが、図11のハイパスフィルタでは、ストリップライン3aと接地電極1aとの間の間隔が狭いため、浮遊容量が発生する。その結果、図11のハイパスフィルタでは、必要なインダクタンス値を得るため、ストリップライン3aを長くする必要があり、挿入損失が大きくなるといった問題があった。
また、容量電極5aと接地電極1aの間に接地容量電極2aを配置しているため、容量電極5aと接地容量電極1aとの間に、フィルタには不要な結合が生じてしまうといった問題があった。
これに対して、図12に示すようなハイパスフィルタがあり、これによれば、ストリップライン3bと接地電極1bとの間の間隔を大きく離すことで浮遊容量を減らすとともに、接地容量電極2bを容量電極5bと接地電極1bとの間に配置しないことで不要な結合が生じるのをなくすことができる。
特開2001−267872号公報
しかしながら、図12に示す従来のハイパスフィルタやダイプレクサにおいては、容量電極6b,7bが、ストリップライン3bが電気的に接続される容量電極5bよりも接地電極1bに対して離れて配置されているため、ストリップライン3bと接地電極1bの間の距離を離す構造にしようとしても、容量電極6b,7bがストリップライン3bのすぐ上にあるため困難である。また、接地容量電極2bは容量電極5bと接地電極1bとの間に容量電極5bに重ならないように配置する必要があるため、平面視で容量電極5bを避けるように接地容量電極2bを配置する必要があり、そのため全体のサイズが大きくなってしまう問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑み案出されたもので、その目的は、挿入損失が小さい小型のハイパスフィルタ及びダイプレクサを提供するとともに、送受信時において通信特性の良好な無線通信器を提供することにある。
本発明のハイパスフィルタは、複数の誘電体層が積層されて成る基体と、該基体の内部の前記誘電体層の一つの層間に形成された第1のコンデンサ電極と、該第1のコンデンサ電極よりも下側の前記誘電体層の層間に形成された第2のコンデンサ電極および第3のコンデンサ電極と、前記第1のコンデンサ電極よりも上側の前記誘電体層の層間に形成された第4のコンデンサ電極と、前記基体の前記第2および第3のコンデンサ電極よりも下側に設置された接地電極と、一端が前記第4のコンデンサ電極に電気的に接続されているとともに、他端が前記接地電極に電気的に接続されているインダクタとを具備していることを特徴とするものである。
また、本発明のハイパスフィルタは、前記インダクタは、前記第1のコンデンサ電極よりも上側の前記誘電体層の層間に形成されており、その他端が貫通導体を介して前記接地電極に電気的に接続されていることを特徴とするものである。
さらに、本発明のハイパスフィルタは、前記接地電極が、第1乃至第4のコンデンサ電極の直下領域外に配置されていることを特徴とするものである。
またさらに、本発明のハイパスフィルタは、前記基体の下面に入力端子及び出力端子が設けられており、前記基体を平面透視して、前記第2のコンデンサ電極が入力端子より内側に、前記第3のコンデンサ電極が出力端子より内側に配置されていることを特徴としたものである。
さらにまた、本発明のハイパスフィルタは、前記第2のコンデンサ電極を入力端子とし、前記第3のコンデンサ電極を出力端子として、これら入出力端子を前記基体の下面に配置させたことを特徴とするものである。
またさらに、本発明のダイプレクサは、ローパスフィルタと、上記本発明のハイパスフィルタと、第1乃至第3の端子とから成り、前記第1の端子に前記ローパスフィルタの一端および前記ハイパスフィルタの一端を共通に接続するとともに、前記ローパスフィルタの他端に前記第2の端子を、前記ハイパスフィルタの他端に前記第3の端子を接続したことを特徴とするものである。
さらにまた、本発明のダイプレクサは、前記接地電極が、第1乃至第4のコンデンサ電極の直下領域外に配置されていることを特徴とするものである。
そして、本発明の無線通信器は、上述のダイプレクサと、該ダイプレクサの前記ハイパスフィルタ及び前記ローパスフィルタの各一端に共通接続されるアンテナと、前記ハイパスフィルタ及び前記ローパスフィルタの各他端にスイッチ回路を介して個別に接続される送受信回路とを含んでなることを特徴とするものである。
本発明のハイパスフィルタは、複数の誘電体層が積層されて成る基体と、基体の内部の誘電体層の一つの層間に形成された第1のコンデンサ電極と、第1のコンデンサ電極よりも下側の誘電体層の層間に形成された第2のコンデンサ電極および第3のコンデンサ電極と、第1のコンデンサ電極よりも上側の誘電体層の層間に形成された第4のコンデンサ電極と、基体の第2および第3のコンデンサ電極よりも下側に設置された接地電極と、一端が第4のコンデンサ電極に電気的に接続されているとともに他端が接地電極に電気的に接続されているインダクタとを具備しており、第1のコンデンサ電極よりも上側に第4のコンデンサ電極を形成しているため、ハイパスフィルタを平面視して第1のコンデンサ電極と第4のコンデンサ電極を重ねることができるため、小型化が可能となる。
またこの場合、第1のコンデンサ電極および第3のコンデンサ電極が邪魔をせずに第4のコンデンサ電極と接地電極との間の距離を離すことができるため、第4のコンデンサ電極に接続されているインダクタと接地電極との間を離すことができ、インダクタと接地容量との間で生じる浮遊容量を減らし、挿入損失を小さくすることが可能となる。
さらに、本発明のハイパスフィルタによれば、インダクタを第1のコンデンサ電極よりも上側の誘電体層の層間に形成することにより、その他端が貫通導体を介して接地電極に電気的に接続されることとなり、インダクタと接地電極との間の距離をさらに離すことができる。これにより、浮遊容量を減らし、挿入損失を小さくすることができる。
またさらに、本発明のハイパスフィルタによれば、接地電極を、第1乃至第4のコンデンサ電極の直下領域外に配置させることにより、第1乃至第4のコンデンサ電極と接地電極との間の不要な浮遊容量を効果的に減少させ、等価的に第1乃至第4のコンデンサ電極に付加されることとなる接地容量を減少させることができ、信号が等価的な接地容量を通じて接地電極へ流れるのを防止することができ、ハイパスフィルタの挿入損失をさらに小さくすることができる。また、第1乃至第4のコンデンサ電極と接地電極との間の不要な浮遊容量を減少させることにより、第1乃至第4のコンデンサ電極により形成されるコンデンサの周波数特性が改善され通過帯域を広くすることが可能となる。
さらにまた、本発明のハイパスフィルタによれば、基体の下面に入力端子及び出力端子を設け、基体を平面透視して、第2のコンデンサ電極を入力端子より内側に、第3のコンデンサ電極を出力端子より内側に配置させることにより、第2および第3のコンデンサ電極からフリンジング効果(電極の端部から電界が放射状に広がる効果)にて接地電極間に生じる浮遊容量が入力端子および出力端子で遮られることとなり、等価的に第2および第3のコンデンサ電極に付加されることとなる接地容量を減少させることができ、信号が等価的な接地容量を通じて接地電極へ流れるのを防止することができ、ハイパスフィルタの挿入損失をさらに小さくすることができる。またこの場合、第2および第3のコンデンサ電極と接地電極との間の不要な浮遊容量が効果的に減少することから、第2および第3のコンデンサ電極により形成されるコンデンサの周波数特性が改善され通過帯域を広くすることが可能となる。
またさらに、本発明のハイパスフィルタによれば、第2のコンデンサ電極を入力端子とし、第3のコンデンサ電極を出力端子として、これら入出力端子を基体の下面に配置させることにより、第2および第3のコンデンサ電極と、入出力端子とが形成される誘電体層を1層減らすことができ、より一層の小型化(薄型化)が可能となる。
さらにこの場合、コンデンサ電極や入出力端子を形成する工程(印刷工程)が減るので、工数を削減して生産性を向上させることができる。
さらにまた、本発明のダイプレクサによれば、ローパスフィルタと、上記本発明のハイパスフィルタと、第1乃至第3の端子とから成り、第1の端子にローパスフィルタの一端およびハイパスフィルタの一端を共通に接続するとともに、ローパスフィルタの他端に第2の端子を、ハイパスフィルタの他端に第3の端子を接続したことから、本発明のハイパスフィルタを使用することで、小型で、浮遊容量が低減され、挿入損失を小さくしたものとなる。
またさらに、本発明のダイプレクサによれば、接地電極が、第1乃至第4のコンデンサ電極の直下領域外に配置されていることから、第1乃至第4のコンデンサ電極と接地電極との間に不要な浮遊容量が生じることを効果的に防止することができ、浮遊容量がより一層削減された、挿入損失をさらに小さくしたものとすることができる。またこの場合、第1乃至第4のコンデンサ電極と接地電極との間の不要な浮遊容量が減少することから、第1乃至第4のコンデンサ電極により形成されるコンデンサの周波数特性が改善され通過帯域を広くすることが可能となる。
そして、本発明の無線通信器によれば、上述したダイプレクサのハイパスフィルタ及びローパスフィルタの各一端に共通接続されるアンテナと、ハイパスフィルタ及びローパスフィルタの各他端にスイッチ回路を介して個別に接続される送受信回路とを含んで構成することにより、特にハイパスフィルタ側が低損失で広帯域となるため、より良好な通信特性を得ることができる。
本発明のハイパスフィルタについて図面を用いて以下に説明する。なお、以下の実施の形態では、IEEE.802.11aとIEEE.802.11bの周波数に対応したハイパスフィルタについて説明する。IEEE.802.11aの周波数帯は4.9GHzから5.825GHzでIEEE.802.11bの周波数帯は2.4GHzから2.5GHzである。
図1は本発明のハイパスフィルタの等価回路図である。図1において、C1cは第1のコンデンサ、C2cは第2のコンデンサ、C3cは第3のコンデンサ、L1cは第1のインダクタである。図1のハイパスフィルタは、直列接続された第1のコンデンサC1cおよび第2のコンデンサC2cと、直列接続された第3のコンデンサC3cおよびインダクタL1cとを有する。そして、第1のコンデンサC1cと第2のコンデンサC2cの接続部に、第3のコンデンサC3cの一端(一方のコンデンサ電極)が接続され、第3のコンデンサC3cの他端(他方のコンデンサ電極)に接続された第1のインダクタL1cが接地されている。
図2は、本発明のハイパスフィルタの実施の形態の一例を示す分解斜視図である。図2において、8〜12は第1〜第5の誘電体層、13は接地電極、14〜17は第1〜第4のコンデンサ電極(容量電極)、18は第1のストリップライン、19は第1のビア導体(貫通導体)である。
図2において、第3の誘電体層10および第4の誘電体層11の層間に形成された第1の容量電極14と、第2の誘電体層9および第3の誘電体層10の層間に形成された第2の容量電極15との間に生じる電気的な容量をC1cとする。また、第1の容量電極14と、第2の誘電体層9および第3の誘電体層10の層間に形成された第3の容量電極16との間に生じる容量をC2cとする。また、第1の容量電極14と、第4の誘電体層11および第5の誘電体層12の層間に形成された第4の容量電極17との間に生じる容量をC3cとする。
また、第4の誘電体層11および第5の誘電体層12の層間に形成された第1のストリップライン18に生じるインダクタをL1cとする。そして、第1のストリップライン18の一端を第4の誘電体層11および第5の誘電体層12の層間に形成された第4の容量電極17に電気的に接続し、他端を第1の誘電体層8および第2の誘電体層9の層間に形成された接地電極13に、第2〜第4の誘電体層9〜11を貫通する第1のビア導体19を介して電気的に接続することにより、C1c,C2c,C3c,L1cからなるハイパスフィルタを構成している。
そして、第1〜第5の誘電体層8〜12,第1〜第4の容量電極14〜17によってコンデンサC1c〜C3cを調整し、また、第1〜第5の誘電体層8〜12、第1のストリップライン18によってインダクタンスL1cを調整することにより、所望のハイパスフィルタ特性を得ることができる。
また、本発明のハイパスフィルタは、図12の従来のハイパスフィルタでは、第3のコンデンサC3cと第1のインダクタL1cの直列共振において、第3のコンデンサC3cを接地させるのに対して、第1のインダクタL1cを接地させる。これにより、接地容量をなくすことができ、図12における接地容量電極2bがなくなる。そして、その接地容量の代わりに、第3のコンデンサC3cを第1のコンデンサC1cと第2のコンデンサC2cの上側の空間を利用して形成することにより、小型化が可能となる。また、第3のコンデンサC3cに接続される第1のインダクタL1cを容易に接地電極12と距離を離して配置することが可能となる。これにより、第1のインダクタL1cと接地電極12との距離を離して浮遊容量を減らせることができ、また短いストリップラインで第1のインダクタL1cを構成することができるため挿入損失を小さくすることが可能となる。
なお、本発明のハイパスフィルタは、例えば誘電体層がセラミックスから成る場合、焼成後に各誘電体層となるセラミックグリーンシート(以下、グリーンシートともいう)に所定の孔開け加工を施すとともに、各電極のパターン形状および貫通導体となる貫通孔やグリーンシートの側面等に導体ペーストを塗布し、これらを積層して焼成することによって製作される。あるいは、誘電体層がフッ素樹脂やガラスエポキシ樹脂,ポリイミド樹脂のような樹脂から成る場合、樹脂基板を用い、その表面に被着させた銅箔をエッチングして各電極パターンの形成を行ない、層間接続用の貫通導体を形成して積層プレスすることによって製作される。
また、第1〜5の誘電体層8〜12を始めとする誘電体層には、アルミナセラミックス,ムライトセラミックス等のセラミックス材料やガラスセラミックス等の無機系材料、または四フッ化エチレン樹脂(ポリテトラフルオロエチレン;PTFE),四フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂(テトラフルオロエチレン−エチレン共重合樹脂;ETFE),四フッ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂;PFA)等のフッ素樹脂やガラスエポキシ樹脂,ポリイミド等の樹脂系材料等が用いられる。
また、接地電極13、第1〜第4の容量電極14〜17,第1のストリップライン18には、高周波信号伝送用の金属材料から成る導体層が用いられる。例えば、Cu層、Mo−Mnのメタライズ層上にNiメッキ層およびAuメッキ層を被着させたもの、Wのメタライズ層上にNiメッキ層およびAuメッキ層を被着させたもの、Cr−Cu合金層、Cr−Cu合金層上にNiメッキ層およびAuメッキ層を被着させたもの、Ta2N層上にNi−Cr合金層およびAuメッキ層を被着させたもの、Ti層上にPt層およびAuメッキ層を被着させたもの、またはNi−Cr合金層上にPt層およびAuメッキ層を被着させたもの等が用いられ、厚膜印刷法あるいは各種の薄膜形成方法やメッキ法等により形成される。その厚みや幅は、伝送される高周波信号の周波数や用途等に応じて設定される。
図3は、図2の本発明のハイパスフィルタの周波数特性を示すグラフである。図3において、横軸は周波数(単位:GHz)を、縦軸はハイパスフィルタ側の信号通過量S21(単位:dB)を表わし、実線の特性曲線は本発明のハイパスフィルタの周波数特性を、破線の周波数特性は従来のハイパスフィルタの周波数特性を示している。図3より、本発明のハイパスフィルタによれば、ストリップラインを短くすることができるため、挿入損失が小さくなることがわかる。
また、上述したハイパスフィルタにおいては、図4および図5に示すように、接地電極13を、第1〜第4のコンデンサ電極14〜17の直下領域外に配置しておくことが好ましい。
この場合、第1乃至第4のコンデンサ電極14〜17と接地電極13との間の不要な浮遊容量を効果的に減少させ、等価的に第1〜第4のコンデンサ電極14〜17に付加されることとなる接地容量を減少させることができ、信号が等価的な接地容量を通じて接地電極13へ流れるのを防止することができ、ハイパスフィルタの挿入損失をさらに小さくすることができる。また、第1〜第4のコンデンサ電極14〜17と接地電極13との間の不要な浮遊容量を効果的に減少さることにより、第1〜第4のコンデンサ電極14〜17により形成されるコンデンサの周波数特性が改善され通過帯域を広くすることが可能となる。
次に本発明のハイパスフィルタの実施の形態の他の例について説明する。図4は本発明のハイパスフィルタの実施の形態の他の例を示す分解斜視図であり、図5は図4に示すハイパスフィルタを接地電極13側から見た平面透視図(ハイパスフィルタを平面的に見たときに、誘電体層を透視した状態を示す)である。図4および図5において、図2と同じ部位には同一符号を付し、重複する説明を省略するものとする。
同図に示すハイパスフィルタは、基体の下面に入力端子39及び出力端子40を設け、基体を平面透視して、第2のコンデンサ電極15を入力端子39より内側に、第3のコンデンサ電極16を出力端子40より内側に配置させている。
この場合、第2および第3のコンデンサ電極15,16からフリンジング効果(電極の端部から電界が放射状に広がる効果)にて接地電極13間に生じる浮遊容量を入力端子39および出力端子40で遮ることとなり、等価的に第2および第3のコンデンサ電極15,16に付加されることとなる接地容量を減少させることができ、信号が等価的な接地容量を通じて接地電極13へ流れるのを防止することができ、ハイパスフィルタの挿入損失をさらに小さくすることができる。また、第2および第3のコンデンサ電極15,16と接地電極13との間の不要な浮遊容量を効果的に減少さることにより、第2および第3のコンデンサ電極15,16により形成されるコンデンサの周波数特性が改善され通過帯域を広くすることが可能となる。
また、上述したハイパスフィルタは、第2のコンデンサ電極15を入力端子とし、第3のコンデンサ電極16を出力端子として、これら入出力端子を基体の下面に配置させている。
この場合、第2および第3のコンデンサ電極15,16と、入出力端子とが形成される誘電体層を1層(上記第2の誘電体層)減らすことができるため、より一層の小型化(薄型化)が可能となる。
また、コンデンサ電極や入出力端子を形成する工程(印刷工程)が減るので、工数を削減して生産性を向上させることができる。
次に、図6に本発明のダイプレクサの等価回路図を示す。図6において、C1dは第1のコンデンサ、C2dは第2のコンデンサ、C3dは第3のコンデンサ、C4dは第4のコンデンサ、C5dは第5のコンデンサ、L1dは第1のインダクタ、L2dは第2のインダクタである。また、図7は本発明のダイプレクサの実施の形態の一例を示す分解斜視図である。図7において、20〜25は第1〜第6の誘電体層、26は接地電極、27〜31は第1〜第5の容量電極、32は接地容量電極、33は第1のストリップライン、34は第2のストリップライン、35〜38は第1〜第4のビア導体である。
図7において、第4の誘電体層23および第5の誘電体層24の層間に形成された第1の容量電極27と、第3の誘電体層22および第4の誘電体層23の層間に形成された第2の容量電極28との間に生じる容量をC1dとする。また、第1の容量電極27と、第3の誘電体層22および第4の誘電体層23の層間に形成された第3の容量電極29との間に生じる容量をC2dとする。また、第1の容量電極27と、第5の誘電体層24および第6の誘電体層25の層間に形成された第4の容量電極30との間に生じる容量をC3dとする。
また、第5の誘電体層24および第6の誘電体層25の層間に形成された第1のストリップライン33に生じるインダクタをL1dとする。そして、第1のストリップライン33の一端を第4の容量電極30に電気的に接続し、他端を第1の誘電体層20および第2の誘電体層21の層間に形成された接地電極26に、第2〜第5の誘電体層21〜24を貫通する第1のビア導体35を介して電気的に接続する。
また、第4の誘電体層23および第5の誘電体層24の層間に形成された第5の容量電極31と、第2の誘電体層21および第3の誘電体層22の層間に形成された接地容量電極32との間に生じる容量C4dとする。また、接地電極26と接地容量電極32との間に生じる接地容量をC5dとする。
また、第4の誘電体層23および第5の誘電体層24の層間に形成された第2のストリップライン34に生じるインダクタをL2dとする。そして、第2のストリップライン34の一端を接地容量電極32に、第3〜第5の誘電体層22〜24を貫通する第2のビア導体36を介して電気的に接続し、他端を第5の容量電極31に、第5の誘電体層24を貫通する第3のビア導体37を介して電気的に接続する。
そして、第5の誘電体層24および第6の誘電体層25の層間に形成された第2のインダクタ34と、第3の誘電体層24および第4の誘電体層23の層間に形成された第2の容量電極28とを電気的に接続することにより、C1d,C2d,C3d,C4d,C5d,L1d,L2dからなるダイプレクサを形成している。
そして、第1〜第6の誘電体層20〜25、第1〜5の容量電極27〜31、接地容量電極32によって容量C1d〜C5dを調整し、また、第1〜第6の誘電体層20〜25、第1,第2のストリップライン33,34によってインダクタンスL1d,L2dを調整することにより、所望のダイプレクサ特性を得ることができる。
また、本発明のダイプレクサは、本発明のハイパスフィルタを使用することにより、小型化され、浮遊容量を減らし、挿入損失を小さくすることができる。
また、上述したダイプレクサにおいては、接地電極20を、第1乃至第4のコンデンサ電極27〜30の直下領域外に配置しておくことが好ましい。
この場合、第1〜第4のコンデンサ電極27〜30と接地電極20との間に不要な浮遊容量が生じることを効果的に防止することができ、浮遊容量がより一層削減された、挿入損失をさらに小さくしたものとすることができる。また、浮遊容量がより一層削減されたことよりコンデンサ電極により形成されるコンデンサの周波数特性が改善され通過帯域を広くすることが可能となる。
次に上述したダイプレクサを無線通信機器に用いた例について図8を用いて説明する。
図8において、44はアンテナ端子、45は上述したダイプレクサのハイパスフィルタ、46は上述したダイプレクサのローパスフィルタ、47はダイプレクサ、48は高周波側における送受信切り替えスイッチ、49は低周波側における送受信切り替えスイッチ、50は高周波側におけるローパスフィルタ、51は低周波側におけるローパスフィルタ、52は高周波側の受信端子、53は高周波側の送信端子、54は低周波側の受信端子、55は低周波側の送信端子であり、送受信端子88〜91は、通信機器内の信号処理ブロックなどに接続される。
かかる無線通信器は、高周波の受信時には、受信信号はアンテナ端子44からダイプレクサ47のハイパスフィルタ45を通過し高周波側のブロックへ伝送される。そして高周波側における送受信切り替えスイッチ48を受信端子52側へ切り替えることによって受信端子52へ伝送される。高周波信号の送信時には、送信端子53から伝送された送信信号がローパスフィルタ50を通過し、そして高周波側における送受信切り替えスイッチ48を送信端子53側に切り替えることによってダイプレクサ47、アンテナ端子44を経て高周波の送信信号が放射される。
また、低周波の受信時には、受信信号はアンテナ端子44からダイプレクサ47のローパスフィルタ46を通過し低周波側のブロックへ伝送される。そして低周波側における送受信切り替えスイッチ49を受信端子54側へ切り替えることによって受信端子54へ伝送される。低周波信号の送信時には、送信端子55から伝送された送信信号がローパスフィルタ51を通過し、そして低周波側における送受信切り替えスイッチ49を送信端子55側に切り替えることによってダイプレクサ47、アンテナ端子44を経て低周波の送信信号が放射される。
このような無線通信機器によれば、ダイプレクサのハイパスフィルタ及びローパスフィルタの各一端に共通接続されるアンテナと、ハイパスフィルタ及びローパスフィルタの各他端にスイッチ回路を介して個別に接続される送受信回路とを含んで構成することにより、特にハイパスフィルタ側が低損失で広帯域となるため、より良好な通信特性を得ることができる。
なお、本発明は上述した実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更・改良等が可能である。
例えば、ハイパスフィルタおよびダイプレクサを内蔵した基体において、第1〜6の誘電体層8〜12,20〜25の厚さを薄くしたり、これらに高誘電率材料を用いたり、磁性体を混ぜたりすることにより、さらなる小型化が可能となる。また、ハイパスフィルタやダイプレクサを内蔵した基体において、半導体素子等を収容するためのキャビティを設けてもよい。
さらに、ハイパスフィルタおよびダイプレクサの使用されるシステムをGSM(Global System for Mobile Communications)やDCS(Digital Cellular System)などとしてもよい。
本発明のハイパスフィルタについて実施の形態の例を示す等価回路図である。 図1のハイパスフィルタの分解斜視図である。 図1のハイパスフィルタの周波数特性および従来のハイパスフィルタの周波数特性を示すグラフである。 本発明のハイパスフィルタの実施の形態の他の例を示す分解斜視図である。 図4に示すハイパスフィルタを接地端子側から見た平面透視図である。 本発明のダイプレクサについて実施の形態の例を示す等価回路図である。 図6のダイプレクサの分解斜視図である。 本発明の一実施形態にかかる無線通信器の回路構成を示すブロック図である。 従来のハイパスフィルタの一例の等価回路図である。 従来のダイプレクサの一例の等価回路図である。 図9の従来のハイパスフィルタの一例の分解斜視図である。 図9の従来のハイパスフィルタの他の例の分解斜視図である。
符号の説明
8〜12,20〜24:第1〜第5の誘電体層
25:第6の誘電体層
13,26:接地電極
14〜17,27〜30:第1〜第4の容量電極
31:第4の容量電極
32:接地容量電極
18,33:第1のストリップライン
34:第2のストリップライン
19,35:第1のビア導体
36〜38:第2〜第4のビア導体
39:入力端子
40:出力端子
42,43:第5および第6のビア導体

Claims (8)

  1. 複数の誘電体層が積層されて成る基体と、該基体の内部の前記誘電体層の一つの層間に形成された第1のコンデンサ電極と、該第1のコンデンサ電極よりも下側の前記誘電体層の層間に形成された第2のコンデンサ電極および第3のコンデンサ電極と、前記第1のコンデンサ電極よりも上側の前記誘電体層の層間に形成された第4のコンデンサ電極と、前記基体の前記第2および第3のコンデンサ電極よりも下側に設置された接地電極と、一端が前記第4のコンデンサ電極に電気的に接続されているとともに他端が前記接地電極に電気的に接続されているインダクタとを具備していることを特徴とするハイパスフィルタ。
  2. 前記インダクタは、前記第1のコンデンサ電極よりも上側の前記誘電体層の層間に形成されており、その他端が貫通導体を介して前記接地電極に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1記載のハイパスフィルタ。
  3. 前記接地電極が、第1乃至第4のコンデンサ電極の直下領域外に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のハイパスフィルタ。
  4. 前記基体の下面に入力端子及び出力端子が設けられており、前記基体を平面透視して、前記第2のコンデンサ電極が前記入力端子より内側に、前記第3のコンデンサ電極が前記出力端子より内側に配置されていることを特徴とする請求項3に記載のハイパスフィルタ。
  5. 前記第2のコンデンサ電極を入力端子とし、前記第3のコンデンサ電極を出力端子として、これら入出力端子を前記基体の下面に配置させたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のハイパスフィルタ。
  6. ローパスフィルタと、請求項1または請求項2記載のハイパスフィルタと、第1乃至第3の端子とから成り、前記第1の端子に前記ローパスフィルタの一端および前記ハイパスフィルタの一端を共通に接続するとともに、前記ローパスフィルタの他端に前記第2の端子を、前記ハイパスフィルタの他端に前記第3の端子を接続したことを特徴とするダイプレクサ。
  7. 前記接地電極が、第1乃至第4のコンデンサ電極の直下領域外に配置されていることを特徴とする請求項6に記載のダイプレクサ。
  8. 請求項6または請求項7に記載のダイプレクサと、該ダイプレクサの前記ハイパスフィルタ及び前記ローパスフィルタの各一端に共通接続されるアンテナと、前記ハイパスフィルタ及び前記ローパスフィルタの各他端にスイッチ回路を介して個別に接続される送受信回路とを含んでなる無線通信器。
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