JP2006209874A - 光検出装置、光ピックアップおよび光ディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第2の光検出装置20Bは、光源1の出力パワーモニタ用の検出信号用受光素子26と、検出信号用受光素子26から供給される検出信号に基づいてパワーモニタ信号を生成するパワーモニタ回路200とを有している。パワーモニタ回路200は、増幅回路202と、増幅回路202の増幅度αを設定する固定抵抗204と、位置検出信号出力回路210と、出力選択回路220とを有し増幅回路202、固定抵抗204、位置検出信号出力回路206、出力選択回路208は同一の半導体基板21B上に集積化されて形成されている。
【選択図】図6
Description
このような光ピックアップは、光源から対物レンズを介して光記録媒体に光ビームを照射することで記録を行うが、この記録時における光源の出力パワーを監視するために、光源から出射された光ビームを受光する受光素子と、この受光素子から出力される検出信号を増幅してパワーモニタ信号を生成するパワーモニタ回路とが同一の半導体基板(半導体チップ)に集積化されて形成された光検出装置が提案されている(特許文献1参照)。
この光検出装置では、パワーモニタ回路は、前記受光素子から出力される電流信号としての検出信号を電圧信号に変換する電流電圧変換回路と、電圧信号を増幅する増幅回路とを備えている。
さらに、光検出装置には、パワーモニタ信号のレベル調整を行うために増幅回路の増幅度を変化させる可変抵抗(ボリューム)が前記半導体基板に対して外付けで設けられており、この可変抵抗は半導体基板とは別体の基板に実装されている。
近年、光記録媒体への記録速度の高速化が図られていることから増幅回路の応答速度の高速化が要求され、また、記録時のスペースとピットの形成時に必要な光源の出力パワー差が大きいほど増幅回路のS/N比の向上が要求されている。また、コストダウンを図る上でパワーモニタ信号のレベル調整の簡素化が求められている。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、その目的はパワーモニタ回路における増幅回路の応答速度やS/N比の向上を図りつつパワーモニタ信号のレベル調整の簡素化を図る上で有利な光検出装置およびこれを用いた光ピックアップ並びに光ディスク装置を提供することにある。
また、本発明の光ピックアップは、光ビームを出射する光源と、前記光源から出射された光ビームを集光して光記録媒体に照射する対物レンズと、前記光源から照射された光ビームの前記光記録媒体での反射光による反射光ビームを前記対物レンズを介して受光する第1の光検出装置と、前記光源の出力パワーを監視するために前記光源から照射された光ビームを受光する第2の光検出装置とを備えた光ピックアップであって、前記第2の光検出装置は、前記光源から照射される光ビームを受光して検出信号を生成する受光素子と、前記検出信号に基づいて前記光源の出力パワーを監視するためのパワーモニタ信号を生成するパワーモニタ回路とを有し、前記受光素子は複数の分割受光素子から構成され、前記検出信号は、前記複数の分割受光素子からそれぞれ分割検出信号として出力され、前記パワーモニタ回路は、前記複数の分割検出信号の全てを加算した信号を増幅して前記パワーモニタ信号を生成するとともに、前記パワーモニタ信号を極性が反対の第1、第2の差動信号S+、S−として出力する増幅回路と、前記増幅回路の増幅度を決定する固定抵抗と、前記光ビームが前記受光素子の受光面上に照射されることで形成される光スポットの前記受光面上における位置を特定する第1、第2の位置検出信号Sp1、Sp2を、前記複数の分割検出信号に基づいて生成する位置検出信号出力回路とを備え、少なくとも、前記受光素子と前記増幅回路と前記固定抵抗とが同一の半導体基板上に集積化されて形成されていることを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、光記録媒体を保持して回転駆動する駆動手段と、前記駆動手段によって回転駆動する光記録媒体に対し記録および/または再生用の光ビームを照射し、前記照射された光ビームの前記光記録媒体での反射光による反射光ビームを検出する光ピックアップとを有する光ディスク装置であって、前記光ピックアップは、前記光ビームを出射する光源と、前記光源から出射された光ビームを集光して光記録媒体に照射する対物レンズと、前記光源から照射された光ビームの前記光記録媒体での反射光による反射光ビームを前記対物レンズを介して受光する第1の光検出装置と、前記光源の出力パワーを監視するために前記光源から照射された光ビームを受光する第2の光検出装置とを備え、前記第2の光検出装置は、前記光源から照射される光ビームを受光して検出信号を生成する受光素子と、前記検出信号に基づいて前記光源の出力パワーを監視するためのパワーモニタ信号を生成するパワーモニタ回路とを有し、前記受光素子は複数の分割受光素子から構成され、前記検出信号は、前記複数の分割受光素子からそれぞれ分割検出信号として出力され、前記パワーモニタ回路は、前記複数の分割検出信号の全てを加算した信号を増幅して前記パワーモニタ信号を生成するとともに、前記パワーモニタ信号を極性が反対の第1、第2の差動信号S+、S−として出力する増幅回路と、前記増幅回路の増幅度を決定する固定抵抗と、前記光ビームが前記受光素子の受光面上に照射されることで形成される光スポットの前記受光面上における位置を特定する第1、第2の位置検出信号Sp1、Sp2を、前記複数の分割検出信号に基づいて生成する位置検出信号出力回路とを備え、少なくとも、前記受光素子と前記増幅回路と前記固定抵抗とが同一の半導体基板上に集積化されて形成されていることを特徴とする。
また、第1、第2の位置検出信号Sp1、Sp2に基づいて受光素子の受光面におけるメインビームB4のスポットの位置を確認でき、かつ、第1、第2の差動信号S+、S−に基づいて受光素子の受光面に照射される光ビームの光量を確認できる。
したがって、受光素子の受光面に受光される光量を適切な値に調整する作業を容易にかつ効率よく行うことができ、第1、第2の差動信号S+、S−からなるパワーモニタ信号のレベル調整の簡素化を図る上で有利となる。
図1は、本発明の実施例1における光検出装置および光ピックアップを組み込んだ光ディスク装置の構成を示すブロック図である。なお、図1に示す光ディスク装置は、以下に説明する光ピックアップを搭載することが可能な記録再生装置の一例である。
また、光ピックアップ104は、光ディスク202の信号記録面からの反射光ビームに基づいて、後述するような各種の光ビームを検出し、各光ビームに対応する信号を信号処理部120に供給できるように構成されている。
ここで、信号変調およびECCブロック108により復調された記録信号が、例えばコンピュータのデータストレージ用であれば、インタフェース111を介して外部コンピュータ130等に送出される。これにより、外部コンピュータ130等は光ディスク202に記録された信号を再生信号として受け取ることができるように構成されている。
前記光ピックアップ104には、例えば光ディスク202上の所定の記録トラックまで移動させるための送りモータ105が接続されている。スピンドルモータ103の制御と、送りモータ105の制御と、光ピックアップ104の対物レンズを保持するアクチュエータのフォーカシング方向およびトラッキング方向の制御は、それぞれサーボ制御部109により行われる。
すなわち、サーボ制御部109は、ATIP信号に基づいてスピンドルモータ103の制御を行ない、フォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号に基づいてアクチュエータの制御を行う。
また、レーザ制御部121は、光ピックアップ104における光源(レーザ光源)を制御するものであり、後述するパワーモニタ回路200から供給されるパワーモニタ信号に基づいてレーザ光源の出力パワー(出射パワー)を制御する動作を行う。
図2に示すように、光ピックアップ104は、実施例1と同様に、光源1、グレーティング素子2、コリメータレンズ3、偏光ビームスプリッタ4、1/4波長板5、対物レンズ6、集光レンズ7、第1、第2の光検出装置20A、20Bを備えており、これらの各部品が不図示のホルダにマウントされて構成されている。
光源1の前方には、グレーティング素子2、コリメータレンズ3、偏光ビームスプリッタ4、1/4波長板5、対物レンズ6がこの順番で直線上に配置され、対物レンズ6の前方に光ディスク202が位置している。
偏光ビームスプリッタ4は、光源1に臨む第1面4Aと、第1面4Aに対向し対物レンズ6に臨む第2面4Bと、第1面4Aおよび第2面4Bと直交する第3面4Cと、第3面4Cに対向する第4面4Dと、第1面4A、第2面4Bに対してほぼ45度をなす偏光ビームスプリッタ面42とを有している。
第1の光検出装置20Aは、偏光ビームスプリッタ4の第3面4Cに臨むように配置されている。
第2の光検出装置20Bは、偏光ビームスプリッタ4の第4面4Dに臨むように配置され、本発明の光検出装置を構成している。
光ピックアップ104において、光源1から出射された光ビームは、グレーティング素子2を通過することで1つのメインビームと2つのサイドビームに分離されコリメータレンズ3を介して偏光ビームスプリッタ4に入射する。
偏光ビームスプリッタ4の第1面4Aに入射した光ビームの一部は偏光ビームスプリッタ面42、第2面4Bを通過して、1/4波長板5、対物レンズ6を介して光ディスク202に照射され、偏光ビームスプリッタ4に入射した光ビームの残りは偏光ビームスプリッタ4の偏光ビームスプリッタ面42で反射される。
光ディスク202に到達した光ビームは光ディスク202の記録面で反射され反射光ビームとして対物レンズ6、1/4波長板5を介して偏光ビームスプリッタ4の第2面4Bに入射され、偏光ビームスプリッタ面42で反射され第3面4Cから第1の光検出装置20Aに入射される。
また、偏光ビームスプリッタ面42で反射された前記光ビームは、第4面4Dから第2の光検出装置20Bに入射される。
なお、トラッキングエラーの検出やフォーカスエラーの検出については従来公知の様々な方法を用いることができ。本例においては、トラッキングエラー信号をDPP(Differential Push−Pull)法、あるいは、DPD(Differential Phase Detection)法で検出し、フォーカスエラー信号を非点収差(Astigma)法で検出するものとして説明する。
図3は第1の光検出装置20Aの平面図、図4は第1の光検出装置20Aの構成を示す回路図である。
第1の光検出装置20Aは、図3、図4に示すように、再生信号用受光素子22と、再生信号増幅回路26と、8個の出力端子60A〜60Hとを有し、これら再生信号用受光素子22、再生信号増幅回路26、出力端子60A〜60Hは、同一の半導体基板21A上に設けられている。
図3に示すように、再生信号用受光素子22は、半導体基板21上に互いに間隔をおいて直線状に並べられた第1受光部2202、第2受光部2204、第3受光部2206の3つの受光部から構成されている。
3つの受光部のうち中央に位置する第1光検出部2202は、前記反射光ビームのうちのメインビームB1を受光するものである。第1光検出部2202は、単一の受光面が十字状に設けられた絶縁帯(非導電帯)によって互いに等しい面積で4分割された矩形状に形成され、4つの分割受光素子22A〜22Dから構成されている。
第1光検出部2202の一方の側部に位置する第2光検出部2204は、前記反射光ビームの2つのサイドビームの一方のサイドビームB2を受光するものである。第2光検出部2204は、第1受光部2202、第2受光部2204、第3受光部2206が並べられた直線と直交する方向に延在する直線状の絶縁帯によって互いに等しい面積で2分割された矩形状を呈し、第1光検出部2202に近い側の分割受光素子22Eと第1光検出部2202から遠い側の分割受光素子22Fとから構成されている。
また、第1光検出部2202の他方の側部に位置する第3光検出部2206は、前記反射光ビームの2つのサイドビームの他方のサイドビームB3を受光するものである。第3光検出部2206は、第2光検出部2204と同様に前記直線と直交する方向に延在する直線状の絶縁帯によって2分割された矩形状を呈し、第1光検出部2202に近い分割受光素子22Hと第1光検出部2202から遠い分割受光素子22Gとから構成されている。
これら8個の分割受光素子22A〜22Hは、受光した光量に応じた電流信号を分割再生電流信号A〜Hとして出力するように構成されている。
また、再生信号用受光素子22の第1受光部2202、第2受光部2204、第3受光部2206の受光面上に形成される前記反射光ビームによるメインビームおよび2つのサブビームのスポットの位置は、第1の光検出装置20Aを前記ホルダ上で動かすことによって調整される。
なお、図4では、図面繁雑化を避けるためI/V増幅器40E〜40Hの配線を省略している。
図5は第2の光検出装置20Bの平面図、図6は第2の光検出装置20Bの構成を示す回路図である。
第2の光検出装置20Bは、光源1の出力パワーモニタ用の検出信号用受光素子26(特許請求の範囲の受光素子に相当)と、検出信号用受光素子26から供給される検出信号に基づいてパワーモニタ信号を生成するパワーモニタ回路200とを有し、これら検出信号用受光素子26とパワーモニタ回路200は、第1の光検出装置20Aの半導体基板21Aとは別体に設けられた同一の半導体基板21B上に集積化されて形成されている。
検出信号用受光素子26は、前記偏光ビームスプリッタ4によって導かれる前記光ビームのうち、メインビームB4を受光するものである。検出信号用受光素子26は、前記第1検出部2202と同様に、単一の受光面が十字状に設けられた絶縁帯2602によって4分割された矩形状に形成され、4つの分割受光素子26I〜24Lから構成されている。詳細に説明すると、検出信号用受光素子26の受光面の輪郭のほぼ中央部の一点を中心としてその回りに等間隔(90度)をおいて4つの分割受光素子26I〜24Lが分割形成されている。実施例では、4つの分割受光素子26I〜24Lは、互いに等しい面積の4つの矩形の受光面に分割されており、4つの受光面により第1〜第4受光面が構成されている。言い換えると、検出信号用受光素子26の受光面の輪郭のほぼ中央部の一点を対称の中心として、2つの分割受光素子26I、26Kの受光面が互いに点対称の位置に配置され、残りの2つの分割受光素子26J、26Lの受光面が互いに点対称の位置に配置されている。
本実施例では、図6に示すように、十字状の絶縁体2402は、互いに直交するX軸、Y軸に沿った第1絶縁体2402Xと第2絶縁体2402Yで構成されている。
これら4つの分割受光素子26I〜24Lは、受光した光量に応じた電流信号を分割検出信号I〜Lとして出力するように構成されている。
これら分割検出信号I〜Lに基づいて、前記受光面上におけるメインビームB4のスポットのX軸方向およびY軸方向の位置を特定することができる。
すなわち、X軸方向については、図6からわかるように、(J+K)−(I+L)が「0」であれば、メインビームのスポットがX軸方向における受光面の中心に位置していることになり、(J+K)−(I+L)が「0」よりも大きくあるいは小さくなるほどメインビームのスポットがX軸方向における受光面の中心から離れた箇所に位置していることになる。
また、Y軸方向についても同様に、(J+I)−(K+L)が「0」であれば、メインビームのスポットがY軸方向における受光面の中心に位置していることになり、((J+I)−(K+L)が「0」よりも大きくあるいは小さくなるほどメインビームのスポットがY軸方向における受光面の中心から離れた箇所に位置していることになる。
また、検出信号用受光素子26の受光面上に形成される前記光ビームのスポットの位置は、第2の光検出装置20B(半導体基板21B)を調整治具などにより動かすことにより、前記受光面に沿って調整される。
なお、増幅回路202の回路構成は従来公知の様々な回路が採用可能である。
このようにパワーモニタ信号を差動出力にすると、差動出力でない場合に比較して検出信号の高速化に対応でき、記録密度の高い光記録媒体(例えばDVDなど)に対する記録および/または再生を行う際に記録信号あるいは再生信号の品質を確保する上で有利となる。
固定抵抗204は、増幅回路202の増幅度αを決定するものであり、増幅回路202の回路構成に応じて適宜設定されるものである。
本実施例では、位置検出信号出力回路210は、第1、第2の増幅器212、214を有している。
第1の増幅器212は、第1の分割検出信号Iと第3の分割検出信号Kとの差信号(K−I)に基づいて第1の位置検出信号Sp1を出力するように構成されている。
第3の増幅器214は、第2の分割検出信号Jと第4の分割検出信号Lとの差信号(J−L)に基づいて第2の位置検出信号Sp2を出力するように構成されている。
出力選択回路220は、第2の光検出装置20Bのモード信号入力端子230Cから入力されるモード設定信号Mに応じて、第1、第2の差動信号S1、S2を第1、第2の出力端子220E、220Fからそれぞれ同時に出力するパワーモニタ信号出力モードと、第1、第2の位置検出信号Sp1、Sp2を第1、第2の出力端子220E、220Fからそれぞれ同時に出力する位置決めモード(ALモード:アライメントモード)との何れか一方のモードに切り換えられるように構成されている。
本実施例では、モード設定信号Mは「H」、「L」の2値の信号であり、出力選択回路220はモード設定信号Mが「H」のときにパワーモニタ信号出力モードに切り換えられ、「L」のときに位置決めモードに切り換えられるように構成されている。
なお、分割検出信号I〜L、パワーモニタ信号、第1、第2の差動信号を電圧信号として扱うか、あるいは、電流信号として扱うかは任意である。これらの信号を電圧信号として扱う場合には増幅回路202、第1、第2の増幅器212、214に電流電圧変換器を設ければよく、これらの信号を電流信号として扱う場合には増幅回路202、第1、第2の増幅器212、214を電流信号で動作するように構成すればよい。
まず、再生信号用受光素子22の第1受光部2202、第2受光部2204、第3受光部2206に対して前記反射光ビームのメインビームおよび2つのサブビームのスポットが正確に位置するように位置決めを行う。
この場合、分割再生電圧信号A〜Hが出力端子60A〜60Hに出力される。
そして、各分割再生電圧信号A〜Hが出力されている(各再生信号用受光素子上に光ビームの各スポットが位置している)状態において、分割再生電圧信号A〜Hに基づいて4つの差信号(A−C)、(B−D)、(E−F)、(G−H)を検出する。4つの差信号のうち、2つの差信号(A−C)、(B−D)はメインビームが第1受光部2202上に正確に位置決めされたときに最小となる。また、4つの差信号のうち、差信号(E−F)は一方のサブビームが第2受光部2204上に正確に位置決めされたときに最小となる。また、4つの差信号のうち、差信号(G−H)は他方のサブビームが第3受光部2206上に正確に位置決めされたときに最小となる。
したがって、4つの4つの差信号(A−C)、(B−D)、(E−F)、(G−H)がそれぞれ最小となるように第1の光検出装置20A(半導体基板21A)の位置を前記ホルダ上で動かし、各差信号が全て0となった状態にすると、第1受光部2202、第2受光部2204、第3受光部2206に対するメインビームおよび2つのサブビームのスポットが正確に位置決めされたことになる。この状態で第1の光検出装置20A(半導体基板21A)を接着剤などにより前記ホルダに固定する。
第2の光検出装置20Bの位置決めは第1の光検出装置20Aの位置決めと異なり、前記光ビームのメインビームB4のスポットを検出信号用受光素子26の受光面の中心に対して正確に位置させるために行うのではなく、前記光ビームのメインビームB4のスポットが検出信号用受光素子26の受光面に受光される光量を調整するために行う。
すなわち、第2の光検出装置20B(半導体基板21B)を動かすことにより、前記スポットのうち検出信号用受光素子26の受光面の輪郭の内側に位置する領域と受光面の輪郭の外側に位置する(受光面から外れる)領域の面積を増減させ、これにより前記光ビームのメインビームB4のスポットが検出信号用受光素子26の受光面に受光される光量を調整する。
これにより増幅回路202から出力されるパワーモニタ信号(第1、第2の差動信号S+、S−)のレベル調整を行う。これは前述したように増幅回路202の増幅度を設定する抵抗が固定抵抗204によって固定されているからである。
信号調整治具300は、加算回路302と減算回路304と信号発生器306を有している。
加算回路302は、第2の光検出装置20Bの第1、第2の出力端子230A、230Bから供給される2つの信号の和を演算して第1の出力端子310Aから出力するように構成されている。
減算回路304は、第2の光検出装置20Bの第1、第2の出力端子230A、230Bから供給される2つの信号の差を演算して第2の出力端子310Bから出力するように構成されている。
信号発生器306は、第2の光検出装置20Bの入力端子230Cにモード設定信号Mとして「H」と「L」の2値を有する矩形波状の信号を供給するように構成されている。
このような信号調整治具300によりモード設定信号Mを入力端子230Cに供給すると、モード設定信号Mが「H」の期間では出力選択回路220がパワーモニタ信号出力モードに切り換えられるため、減算回路304によって第1、第2の差動信号+S、−Sの差、すなわち、第1差動信号+Sの絶対値と第2の差動信号−Sの絶対値の和(S+)−(S−)=α(I+J+K+L)−(−α(I+J+K+L))=2α(I+J+K+L)からなるパワーモニター信号に比例した信号(以下レベル信号という)が第2の出力端子310Bから出力される。なお、この場合、加算回路302によって出力される第1、第2の差動信号+S、−Sの和は利用しない。
一方、モード設定信号Mが「L」の期間では出力選択回路220が位置決めモードに切り換えられるため、加算回路302によって第1の位置検出信号Sp1と第2の位置検出信号Sp2の和Sxが第1の出力端子310Aから出力されると同時に、減算回路304によって第1の位置検出信号Sp1と第2の位置検出信号Sp2の差Syが第2の出力端子310Bから出力される。
ここで、第1の位置検出信号Sp1と第2の位置検出信号Sp2の和Sxは式(1)で示され、第1の位置検出信号Sp1と第2の位置検出信号Sp2の差Syは式(2)で示される。
Sx=Sp1+Sp2=(J−L)+(K−I)=(J+K)−(I+L) (1)
Sy=Sp1−Sp2=(J−L)−(K−I)=(J+I)−(K+L) (2)
すなわち、図6からわかるように、Sx=(J+K)−(I+L)の値によってX軸方向におけるメインビームのスポットの位置が示され、Sy=(J+I)−(K+L)によってY軸方向におけるメインビームのスポットの位置が示される。
つまり、モード設定信号Mが「H」の期間では第2の出力端子310Bからパワーモニタ信号の大きさに比例したレベル信号が出力される。
また、モード設定信号Mが「L」の期間では、第1の出力端子310AからX軸方向におけるメインビームのスポットの位置を示すX方向位置検出信号Sxが出力されると同時に、第2の出力端子310BからY軸方向におけるメインビームのスポットの位置を示すY方向位置検出信号Syが出力される。
したがって、これら2つの位置検出信号Sx、Syによって前記光ビームのメインビームB4のスポットの位置を確認しつつ、パワーモニタ信号のレベルが所望の値となるように、第2の光検出装置20B(半導体基板21B)の位置を調整治具などにより動かすことで検出信号用受光素子26の受光面に受光される光量を適切な値に調整する。
したがって、位置決め調整が完了したならば、その状態で第2の光検出装置20B(半導体基板21B)を接着剤などにより前記ホルダに固定する。
また、本実施例によれば、出力選択回路220のパワーモニタ信号出力モードと位置決めモードを切り換えることで、第1、第2の位置検出信号Sp1、Sp2に基づいて検出信号用受光素子26の受光面におけるメインビームB4のスポットの位置を確認でき、かつ、第1、第2の差動信号S+、S−に基づいて検出信号用受光素子26の受光面に照射される光ビームの光量を確認できる。
したがって、検出信号用受光素子26の受光面に受光される光量を適切な値に調整する作業を容易にかつ効率よく行うことができ、第1、第2の差動信号S+、S−からなるパワーモニタ信号のレベル調整の簡素化を図る上で有利となる。
しかしながら、本実施例のように、検出信号用受光素子26と増幅回路202と固定抵抗204と位置検出信号出力回路210と出力選択回路220とを同一の半導体基板21B上に集積化されて形成すると、出力選択回路220の第1、第2の出力端子230A、230Bによって第1、第2の位置検出信号Sp1、Sp2と第1、第2の差動信号S+、S−との4つの信号を切り換えて外部に出力することができ、出力端子数の増加を抑制しコストダウンを図る上で有利となる。
また、本実施例では、第1、第2の位置検出信号Sp1、Sp2の和を加算回路302で演算することでX方向位置検出信号Sxを求め、第1、第2の位置検出信号Sp1、Sp2の差を減算回路304で演算することでY方向位置検出信号Syを求め、これら2つの信号Sx、Syに基づいて検出信号用受光素子26の受光面におけるメインビームB4のスポットの位置を確認する場合について説明したが、加算回路302および減算回路304を位置検出信号出力回路210に組み込み、位置検出信号出力回路210によって2つの信号Sx、Syを直接生成するように構成してもよい。また、このような加算回路302および減算回路304を光ピックアップ104内あるいは光ディスク装置101内に組み込むようにしてもよい。
しかしながら、このような位置決め作業は光ピックアップの製造時にのみ行われるものであることから、本実施例のように、加算回路302および減算回路304を治具として設けると、位置検出信号出力回路210を含むパワーモニタ回路200の構成を簡素化できコストダウンおよび小型化を図る上で有利となる。
例えば、2種類の光源を切り換えて使用する光ピックアップの場合、増幅回路202は以下のように構成することができる。
増幅回路202は、4つの分割検出信号I〜Lを加算して増幅する電流電圧増幅器からなる前段増幅器と、この電流電圧増幅器の出力端子に並列に接続された第1の後段増幅器と第2の後段増幅器との2段構成となっている。
第1の後段増幅器は、一方の光源に対応するものであって、高い応答速度やS/N比などが要求され、例えばDVD±Rの記録および/または再生時に動作するものであり、実施例と同じく固定抵抗204が設けられることで増幅度αが固定的に設定される。この固定抵抗は半導体基板に集積化されて形成されている。
第2の後段増幅器は、他方の光源に対応するものであって、応答速度やS/N比が比較的低くても問題のないものであり、例えばCD−Rの記録および/または再生時に動作するものであり、従来例と同じく可変抵抗が半導体基板の外部に設けられることで増幅度αが調整可能となっている。
したがって、一方の光源を用いる際には、この一方の光源によって形成される光ビームが検出用受光素子26の受光面に入射される光量の調整を本実施例と同様の方法で行いパワーモニタ信号のレベルが所望の値となるようにすればよい。
他方の光源を用いる際には、この他方の光源によって形成される光ビームが検出用受光素子26の受光面に入射された状態で第2の後段増幅器の可変抵抗を調整することでパワーモニタ信号のレベルが所望の値となるようにすればよい。
検出信号用受光素子26を構成する分割受光素子の数は3つあるいは5つ以上であってもよい。また、各分割受光素子の形状は正方形に限られるものではなく、例えば、長方形、三角形、多角形、円形、楕円などであってもよい。また、各分割受光素子の面積は互いに異なっていてもよい。
また、実施例では、光源1から出射される光ビームを第2の光検出装置20Bに導く光路を形成する光路形成手段として、偏光ビームスプリッタ4を用いた場合について説明したが、このような光路形成手段としては従来公知のミラーやプリズムなどを含む様々な光学部品を用いることができることはもちろんである。
また、実施例では、第2の光検出装置20Bを動かすことで検出信号用受光素子26の受光面に受光される光量を調整する場合について説明したが、前記光路形成手段を構成する光学部品(ミラーやプリズムなど)を動かすことで検出信号用受光素子26の受光面に受光される光量を調整してもよいことは無論である。
また、実施例では、光ピックアップ104がメインビームと2つのサブビームを用いるいわゆる3ビーム方式であるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば1ビーム方式、あるいは4ビーム以上のビームを用いる多ビーム方式であってもよいことは無論である。
Claims (9)
- 光記録媒体に光ビームを照射する光源から照射される光ビームを受光して検出信号を生成する受光素子と、
前記検出信号に基づいて前記光源の出力パワーを監視するためのパワーモニタ信号を生成するパワーモニタ回路とを有する光検出装置であって、
前記受光素子は複数の分割受光素子から構成され、
前記検出信号は、前記複数の分割受光素子からそれぞれ分割検出信号として出力され、
前記パワーモニタ回路は、
前記複数の分割検出信号の全てを加算した信号を増幅して前記パワーモニタ信号を生成するとともに、前記パワーモニタ信号を極性が反対の第1、第2の差動信号S+、S−として出力する増幅回路と、
前記増幅回路の増幅度を決定する固定抵抗と、
前記光ビームが前記受光素子の受光面上に照射されることで形成される光スポットの前記受光面上における位置を特定する第1、第2の位置検出信号Sp1、Sp2を、前記複数の分割検出信号に基づいて生成する位置検出信号出力回路とを備え、
少なくとも、前記受光素子と前記増幅回路と前記固定抵抗とが同一の半導体基板上に集積化されて形成されている、
ことを特徴とする光検出装置。 - 光ビームを出射する光源と、前記光源から出射された光ビームを集光して光記録媒体に照射する対物レンズと、前記光源から照射された光ビームの前記光記録媒体での反射光による反射光ビームを前記対物レンズを介して受光する第1の光検出装置と、前記光源の出力パワーを監視するために前記光源から照射された光ビームを受光する第2の光検出装置とを備えた光ピックアップであって、
前記第2の光検出装置は、
前記光源から照射される光ビームを受光して検出信号を生成する受光素子と、
前記検出信号に基づいて前記光源の出力パワーを監視するためのパワーモニタ信号を生成するパワーモニタ回路とを有し、
前記受光素子は複数の分割受光素子から構成され、
前記検出信号は、前記複数の分割受光素子からそれぞれ分割検出信号として出力され、
前記パワーモニタ回路は、
前記複数の分割検出信号の全てを加算した信号を増幅して前記パワーモニタ信号を生成するとともに、前記パワーモニタ信号を極性が反対の第1、第2の差動信号S+、S−として出力する増幅回路と、
前記増幅回路の増幅度を決定する固定抵抗と、
前記光ビームが前記受光素子の受光面上に照射されることで形成される光スポットの前記受光面上における位置を特定する第1、第2の位置検出信号Sp1、Sp2を、前記複数の分割検出信号に基づいて生成する位置検出信号出力回路とを備え、
少なくとも、前記受光素子と前記増幅回路と前記固定抵抗とが同一の半導体基板上に集積化されて形成されている、
ことを特徴とする光ピックアップ。 - 前記位置検出信号出力回路が前記同一の半導体基板上に集積化されて形成されていることを特徴とする請求項2記載の光ピックアップ。
- 前記パワーモニタ回路は出力選択回路をさらに備え、前記出力選択回路は、第1、第2の出力端子を有し前記第1、第2の差動信号S+、S−を前記第1、第2の出力端子からそれぞれ出力するパワーモニタ信号出力モードと、前記第1、第2の位置検出信号Sp1、Sp2を前記第1、第2の出力端子からそれぞれ出力する位置決めモードとに切り換え可能に構成されていることを特徴とする請求項2記載の光ピックアップ。
- 前記パワーモニタ回路は出力選択回路をさらに備え、前記出力選択回路は、第1、第2の出力端子を有し前記第1、第2の差動信号S+、S−を前記第1、第2の出力端子からそれぞれ出力するパワーモニタ信号出力モードと、前記第1、第2の位置検出信号Sp1、Sp2を前記第1、第2の出力端子からそれぞれ出力する位置決めモードとに切り換え可能に構成され、前記位置検出信号出力回路と前記出力選択回路が前記同一の半導体基板上に集積化されて形成されていることを特徴とする請求項2記載の光ピックアップ。
- 前記複数の分割受光素子は第1〜第4の分割受光素子から構成され、前記第1〜第4の分割受光素子はそれぞれ前記光ビームを受光する互いに等しい面積を有する第1〜第4の受光面を有し、前記第1〜第4の分割受光素子はこの順番で一点を中心としてその回りに互いに絶縁された状態で配置され、前記複数の分割検出信号は、前記第1〜第4の分割受光素子が前記光ビームを受光することにより前記第1〜第4の分割受光素子からそれぞれ第1〜第4の分割検出信号I、J、K、Lとして出力され、前記増幅回路による前記2つの差動信号S+、S−の生成は、前記第1〜第4の分割検出信号I、J、K、Lの全てを加算した信号(I+J+K+L)に基づいてなされることを特徴とする請求項2記載の光ピックアップ。
- 前記複数の分割受光素子は第1〜第4の分割受光素子から構成され、前記第1〜第4の分割受光素子はそれぞれ前記光ビームを受光する互いに等しい面積を有する第1〜第4の受光面を有し、前記第1〜第4の分割受光素子はこの順番で一点を中心としてその回りに互いに絶縁された状態で配置され、前記複数の分割検出信号は、前記第1〜第4の分割受光素子が前記光ビームを受光することにより前記第1〜第4の分割受光素子からそれぞれ第1〜第4の分割検出信号I、J、K、Lとして出力され、前記位置検出信号出力回路による第1、第2の位置検出信号Sp1、Sp2の生成は、前記第1の分割検出電流信号と第3の分割検出電流信号との差信号(K−I)に基づいて前記第1の位置検出信号Sp1を生成し、かつ、前記第2の分割検出電流信号と第4の分割検出電流信号との差信号(J−L)に基づいて前記第2の位置検出信号Sp2を生成することでなされることを特徴とする請求項2記載の光ピックアップ。
- 前記出力選択回路は第1の入力端子を有し、前記第1の入力端子に入力されるモード設定信号に基づいて前記パワーモニタ信号出力モードと前記位置決めモードとの切り換えがなされるように構成されていることを特徴とする請求項2記載の光ピックアップ。
- 光記録媒体を保持して回転駆動する駆動手段と、前記駆動手段によって回転駆動する光記録媒体に対し記録および/または再生用の光ビームを照射し、前記照射された光ビームの前記光記録媒体での反射光による反射光ビームを検出する光ピックアップとを有する光ディスク装置であって、
前記光ピックアップは、前記光ビームを出射する光源と、前記光源から出射された光ビームを集光して光記録媒体に照射する対物レンズと、前記光源から照射された光ビームの前記光記録媒体での反射光による反射光ビームを前記対物レンズを介して受光する第1の光検出装置と、前記光源の出力パワーを監視するために前記光源から照射された光ビームを受光する第2の光検出装置とを備え、
前記第2の光検出装置は、
前記光源から照射される光ビームを受光して検出信号を生成する受光素子と、
前記検出信号に基づいて前記光源の出力パワーを監視するためのパワーモニタ信号を生成するパワーモニタ回路とを有し、
前記受光素子は複数の分割受光素子から構成され、
前記検出信号は、前記複数の分割受光素子からそれぞれ分割検出信号として出力され、
前記パワーモニタ回路は、
前記複数の分割検出信号の全てを加算した信号を増幅して前記パワーモニタ信号を生成するとともに、前記パワーモニタ信号を極性が反対の第1、第2の差動信号S+、S−として出力する増幅回路と、
前記増幅回路の増幅度を決定する固定抵抗と、
前記光ビームが前記受光素子の受光面上に照射されることで形成される光スポットの前記受光面上における位置を特定する第1、第2の位置検出信号Sp1、Sp2を、前記複数の分割検出信号に基づいて生成する位置検出信号出力回路とを備え、
少なくとも、前記受光素子と前記増幅回路と前記固定抵抗とが同一の半導体基板上に集積化されて形成されている、
ことを特徴とする光ディスク装置。
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