JP2006209595A - Etc車載器 - Google Patents

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Abstract

【課題】料金収集を行う車両用自動料金収集システムに利用され、ETC路側機と通信するために車両に搭載され、不正使用を防止するETC車載器を提供する。
【解決手段】電源が遮断されても情報を消失しないEEPROM17と、電源の供給が遮断されると情報を消失するRAM18とを備えるETC車載器1である。そして、各ETC車載器1に固有の車載器固有情報を第一車載器固有情報としてEEPROM17に記憶し、第2のICカード22をセットすることにより、そのカードに記憶された車載器固有情報を取得して、第二車載器固有情報としてRAM18に記憶する。EEPROM17に記憶された第一車載器固有情報と、RAM18に記憶された第二車載器固有情報とが一致すれば、ETC車載器1は、使用可能状態となる。ETC車載器1が車両から取り外されると、RAM18の情報が消去され、使用不可能状態となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、料金収集を行う車両用自動料金収集システムに利用され、ETC路側機と通信するために車両に設置されるETC車載器に関する。
車両の有料道路の通行料金の徴収方法として、ETCシステム(Electronic Toll
Collection System)が利用されている。これは、ETC車載器を設置した車両が、料金所のETCレーンを通過する際に、ETC車載器が、料金所に設置されたETC路側機と無線通信を行い、料金の支払いを自動的に行うシステムである。
従来のETC車載器において、一旦セットアップ作業が完了してしまえば、そのETC車載器を車両から取り外し、他の車両へ再度搭載した場合においても使用が可能であるため、ETC車載器の盗難による不正使用に対しセキュリティが充分とは言いがたかった。特に二輪車のようにETC車載器が露出している場合、大きな問題である。
このため従来のETC車載器のセキュリティを高める方法として、パスワード入力を施してからでないとETC車載器が有効に動作しないように設計をされているものが考案されている。また、ETC車載器に第2のインターフェースを通じて指紋認証をさせることによりETC車載器を有効にさせるものも考案されている(特許文献1)。
さらに、ナビゲーション装置の開閉式機構内面にカード挿入口を設けETCカードの存在を車両外部から見えにくくすることによりセキュリティ効果を高めようと考案されたものもある(特許文献2)。
特開2003−346205号公報 特開2003−178340号公報
しかしながら、特許文献1では、不揮発性記憶媒体(ETCカード)が正規の車両の所有者のものであるかを指紋認証により判断するものであり、特許文献2では、車載器が外部から認識されにくくなるだけである。したがって、これらの従来技術によっても、ETC車載器自体を盗難された場合には、そのETC車載器の不正使用を阻止することは困難である。
本発明の課題は、料金収集を行う車両用自動料金収集システムに利用され、ETC路側機と通信するために車両に搭載され、不正使用を防止するETC車載器を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記課題を解決するための本発明のETC車載器は
車両用自動料金収集システムに利用され、ETC路側機と通信するために車両に設置されるETC車載器であって、
ETC車載器に固有の車載器固有情報を第一車載器固有情報として予め記憶する不揮発性メモリと、
セットアップ情報を取得して不揮発性メモリに記憶するセットアップ情報取得記憶手段と、
ETC車載器に固有の車載器固有情報を取得して第二車載器固有情報として揮発性メモリに記憶する固有情報取得記憶手段と、
第一車載器固有情報と第二車載器固有情報とを比較し、これらが一致すればETC車載器を使用可能状態にする使用可能状態制御手段と、
を備える。
上記構成によれば、不揮発性メモリに記憶された第一車載器固有情報と、揮発性メモリに記憶された第二車載器固有情報とが一致すると、使用可能状態制御手段によって、ETC車載器を使用可能状態とすることができる。第二車載器固有情報は、揮発性メモリに記憶されるために、車両に設置されたETC車載器が盗難によって車両から取り外されると、この揮発性メモリへの電源供給が遮断されて、第一車載器固有情報と一致する第二車載器固有情報が消失するために、ETC車載器を使用することができなくなる。
また上記課題を解決するための本発明のETC車載器は、
車両用自動料金収集システムに利用され、ETC路側機と通信するために車両に設置されるETC車載器であって、
各ETC車載器に固有の車載器固有情報を第一車載器固有情報として予め記憶する不揮発性メモリと、
第1のICカードがセットされることにより、第1のICカードに記憶されたセットアップ用のセットアップ情報を取得して、不揮発性メモリに記憶するセットアップ情報取得記憶手段と、
第2のICカードがセットされることにより、第2のICカードに記憶された車載器固有情報を取得して、第二車載器固有情報として揮発性メモリに記憶する固有情報取得記憶手段と、
第一車載器固有情報と第二車載器固有情報とを比較し、これらが一致すれば、ETC車載器を使用可能状態とする使用可能状態制御手段と、
その使用可能状態制御手段によって使用可能状態とされている間に、料金支払い用の第3のICカードがセットされることにより、ETC路側機と通信可能な使用状態とする使用制御手段と、
を備える。
上記構成によれば、不揮発性メモリに記憶された第一車載器固有情報と、揮発性メモリに記憶された第二車載器固有情報とを、使用状態制御手段が比較して、これらが一致すれば、ETC車載器を使用可能状態とすることができる。そして使用可能状態であれば、料金決済用のカードをETC車載器にセットすることにより、使用制御手段によってETC路側機と通信することができる。このように不揮発性メモリに記憶された第一車載器固有情報と一致する第二車載器固有情報が揮発性メモリに記憶されていることにより、ETC車載器を使用可能状態とすることができる。
さらに上記構成に加えて、本発明のETC車載器は、車両のバッテリに直接または間接に接続され、揮発性メモリに電源を供給し、バッテリとの接続が遮断されると揮発性メモリへの電源の供給を遮断する電源供給部を有する。この電源供給部からの電源供給によって揮発性メモリに記憶された第二車載器固有情報を保持することができる。
そして、揮発性メモリへの電源の供給が遮断されると、揮発性メモリに記憶された第二車載器固有情報が消失され、使用可能状態制御手段は、ETC車載器を使用不可能状態とする。つまり電源供給部は、車両のバッテリとの電気的接続が遮断されると、揮発性メモリへの電源供給を停止する。これにより、揮発性メモリの第二車載器固有情報が消失し、ETC車載器は、第3のICカードがセットされてもETC路側機と通信することができなくなる。
当該ETC車載器が車両から取り外されることにより揮発性メモリへの電源が遮断され、揮発性メモリに記憶された第二車載器固有情報が消失され、使用可能状態制御手段は、ETC車載器を使用不可能状態とする。このように車両に設置されたETC車載器が、車両から取り外されると、揮発性メモリ内の第二車載器固有情報が消失するため、第三者がこのETC車載器を窃取しても、使用することができず、不正使用防止、盗難防止の効果が得られる。
そして揮発性メモリに記憶された第二車載器固有情報が消失した場合に、再度、第2のICカードがセットされることにより、固有情報取得記憶手段は、第2のICカードに記憶された車載器固有情報を取得して、第二車載器車載器固有情報として揮発性メモリに記憶し、使用可能状態制御手段は、第一車載器固有情報と第二車載器固有情報とを比較し、これらが一致すれば、ETC車載器を使用可能状態とする。
これにより、正規の第2のICカードを有するユーザは、情報が失われた揮発性メモリに、再度車載器固有情報を記憶させて、ETC車載器を使用可能状態とすることができる。
ETC車載器は、使用可能状態または使用不可能状態についての情報を報知する報知手段を有する。これによりユーザは、使用可能状態であるか使用不可能状態であるかを認識することができ、使用不可能状態であれば、第2のICカードをETC車載器にセットして、車載器固有情報を読み込ませて使用可能状態とすることができる。
また使用可能状態にある場合に、第2のICカードが再度セットされると、使用可能状態制御手段は、ETC車載器を使用可能状態から使用不可能状態にする。一旦、使用可能状態とされた場合に、再度第2のICカードがセットされると、ETC車載器を使用不可能状態とできるために、不正使用の防止効果が得られる。
以下図を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明のETC車載器1の構成を示す。ETC車載器1は、動作用の電源を各回路に供給する動力用電源部である主電源部9、ETC路側機(図示せず)と通信を行うためのETCアンテナ2、ETCアンテナ2からの信号が入力される無線部3、各種の設定や操作等を行うための操作部4、動作状態等を表示する表示部5、動作状態を音声出力するための音声出力部6、ICカード21,22,23を挿入するためのカードスロット7、これらと信号の入出力が行われる制御部8を含む。そしてETC車載器1は、車両に設置され、車両のバッテリ31と接続されて、車両のバッテリ31から電源供給される。また車両のイグニッションスイッチ(IGスイッチ)32がオンとされることにより、主電源部9がオンとされる。
制御部をさらに図2を用いて説明する。制御部8は、周知のCPU15,ROM16,EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)17,RAM18,I/O19およびこれらの構成を接続するバスライン20が備えられている。CPU15は、ROM16、EEPROM17およびRAM18に記憶されたプログラムおよびデータにより制御を行う。制御部8は、セットアップ情報取得記憶手段、固有情報取得記憶手段、使用可能状態制御手段、使用制御手段としての機能を有する。
図2のように、ROM16には利用料金支払い用のETC車載器1としての動作を制御するETCプログラム16a、カード読取プログラム16b、使用可能状態制御プログラム16cが格納される。また、これらプログラム16a,16b,16cは、揮発性メモリであるRAM18に形成されたプログラム用ワークメモリ18cを作業領域とする形で作動する。
EEPROM17は、電気的消去・書き換え可能な不揮発性メモリであり、電気的にデータの消去及び書き込みが数百回から数万回可能である。不揮発性メモリは、電源供給を受けることなく内容データを保持することが可能であり、電源OFF中も書き込んだデータを保持し、バックアップ電源が不要である。また不揮発性メモリ内のデータは、電気的に消去、書き込みが可能なため、システムに実装したまま内容の変更が可能である。
そしてEEPROM17には、第一車載器固有情報17a、登録情報17b、および鍵情報17cが記憶されている。第一車載器固有情報17aは、車載器製造者によって製造時に記憶される製造ID等の各々のETC車載器1に固有な情報である。また登録情報17bと鍵情報17cは、ETC車載器1をセットアップした場合に、ETC車載器1のセットアップ業者等がETCサービスを統括する管理者から取得して記憶させたものであり、これによりETC路側機との通信を行ってETCサービスを受けることが可能となる。
RAM18には、第2のICカード22から取得された第二車載器固有情報18a、使用状態フラグ情報18bが記憶される。使用状態フラグ情報18bは、使用可能状態制御プログラム16cがEEPROM17の第一車載器固有情報17aとRAM18の第二車載器固有情報18aとを比較して、これらが同一であると判定した場合に、使用可能状態とされる情報である。さらに、RAM18には、各種データを一時的に記憶するデータ用メモリ18dが形成される。
RAM18は揮発性メモリであり、電源の供給を受けている間は、各情報を保持することが可能である。またRAM18は、CPU15からの指示によって省電力モードであるスタンバイモードとなる。スタンバイモードによって消費電力を節約し、電源を有効に使用することができる。この場合にも、RAM18に記憶された情報は保持され、CPU15によってRAM18への書き込み等の指示がされると、直ぐにアクセスできる状態に設定される。
図1に戻って、ETCアンテナ2は、ETC路側機との間で信号を送受信するアンテナである。そして、ETCアンテナ2からの信号は、無線部3を経て、制御部8へ入力され、制御部8からの信号は、無線部3を経て、ETCアンテナ2によってETC路側機とやり取りされる。
操作部4は、ユーザが各種の設定や操作を行うためのものであり、例えば、メカニカルなスイッチとして構成される。
表示部5は、動作状態を表示する表示ランプにより構成され、ランプの点灯等により、動作状況を報知する。また、液晶ディスプレイ等によって構成されて、動作状況を文字、記号等によって表示するようにしてもよい。
カードスロット7は、利用料金支払い等のためのICカード21,22,23を挿入するためのもので、このカードスロット7にICカード21,22,23を挿入することにより、ETC路側機と通信してETCサービスを受けることが可能となる。
ETC車載器1の主電源部9は、車両のバッテリ31と接続され、バッテリ31から電源の供給を受けて、ETC車載器1を動作させるために各回路に電源を供給する。この主電源部9は、イグニッションスイッチ32のオンオフ信号に基づいて、オンオフされる。
そしてETC車載器1は、バックアップ電源10を備え、バックアップ電源10は、車両のバッテリ31から直接、または主電源部9を介して間接的に電源の供給を受ける。これによりETC車載器1が、バッテリ31と電気的に接続されている間は、バックアップ電源10によってRAM18に電力が供給される。
本発明のETC車載器1は、一般的なETC車載器と同様に、自動車のインストルメントパネル上などに設置して利用することができるが、自動車(四輪車両)のみならず、二輪車にも利用することができる。四輪車に比較して、二輪車はETC車載器が盗難されやすいために、本発明のETC車載器1を二輪車に搭載して利用することは、特に有用である。
二輪車へのETC車載器1の搭載について説明する。二輪車へは、例えば、図3(a)に示すようなミラー40へ内包することができる。図3(b)に示すように、ミラー鏡面41をオープンすると、内部にETC車載器1が設置されている。ICカード21,22,23は、ミラー鏡面41をオープンして着脱することができる。ミラー40内にETC車載器1を設置することは、一見すると車載器が設置されていることが分かりにくいため、盗難防止効果がある。また、防水効果も得られる。
二輪車へのETC車載器1の設置は、以上のようにミラー40への内包に限られないが、どこに設置した場合でも、四輪車に比べ、盗難の危険性が大きい。しかし本発明のように、不揮発性メモリに記憶された第一車載器固有情報17aと一致する揮発性メモリの第二車載器固有情報18aがなければ、ETC車載器1を使用することができないために、不正使用を防止する効果が得られる。
本発明のETC車載器1には、図4に示す第1のICカード21、第2のICカード22、第3のICカード23の三種類のICカードが使用される。それぞれのICカード21,22,23には、図1に示すように、情報を記憶・読み出し可能な周知のフラッシュメモリ等で構成されるメモリ26と、ETC車載器1のICカードコネクタ7を介して制御部8との間でデータのやり取りを行なったり、メモリ26を制御するカード制御部25とが設けられている。
第1のICカード21は、有料道路の運用者が提供する自動料金収受のためのデータを有するセットアップ用の公知のセットアップカードである。この第1のICカード21は、有料道路の運用者によって、車両所有者に対する有料道路料金の収受に必要な登録情報(車検証に記載されている車両番号や車種、車長などの情報)21a、セキュリティに必要な暗号処理に関する鍵情報21bが記録させて車両所有者(またはETC車載器1の販売者、セットアップ業者)に送達されるもので、車両所有者が第1のICカード21の登録情報21a、鍵情報21bをETC車載器1に取得、記憶させることによってETC車載器1を使用可能状態とすることができる。第1のICカード21に記憶されるETC車載器1のシリアル番号や車両情報等は暗号化されており、またETC路側機との間で送受されるETCデータはすべて暗号処理され、この暗号処理に鍵情報21bが使用される。
第2のICカード22は、車載器固有情報22aを有し、ETC車載器1に第3のICカード23が挿入された場合にETCサービスを利用できるように、ETC車載器1を使用可能状態(活性化状態)とするためのアクティベートカードである。この第2のICカード22の車載器固有情報22aは、カードスロット7からETC車載器1に読み込まれると、揮発性メモリであるRAM18に記憶される情報である。この第二車載器固有情報18aとしてRAM18に記憶される第2のICカード22に記憶された車載器固有情報22aと、EEPROM17に記憶された第一車載器固有情報17aとが比較されて、同一のものであれば、ETC車載器1は使用可能状態(活性化状態)とされる。
第3のICカード23は、利用料金支払い用の公知のETCカードで、有料道路の料金所を通過する際に、第3のICカード23がETC車載器1に挿入されていると、ETC車載器1とETC路側機とが無線通信を行うことにより、通行料金の決済が行われる。この第3のICカード23は、金融機関が発行する課金先の口座番号などが格納されたETCカードである。
第3のICカード23のメモリ26には、例えば第3のICカード23がクレジットタイプであれば、契約者の金融機関情報(銀行の口座番号等)、および契約の有効期限等、有料道路の利用料金を引き落とすための決済情報が記憶されている。また、第3のICカード23のメモリ26には、第3のICカード23を特定するためのICカード情報(カードID)や第3のICカード23の有効期限情報も予め記憶されている。このカードIDは、車両が料金所の入口ゲートを通過する際に、ETC路側機へ車載器情報の一部として送信され、この応答として返信されてきたゲート通過時刻、料金所ゲートを特定するためのゲート番号、車両の車種等の利用履歴情報がこのカードIDに関連付けられて第3のICカード23のメモリ26に記憶される。
次にETC車載器1への各種情報の格納について説明する。まず、ETC車載器1の製造時に車載器製造業者によって、EEPROM17へ第一車載器固有情報が記録される。第一車載器固有情報とは、各ETC車載器1の製造ID等の各々のETC車載器1に固有な情報である。この情報は、不揮発性メモリであるEEPROM17に記録されるために、電源が遮断された場合でも、情報が保持される。
次に第1のICカード21によるセットアップ処理について図5を用いて説明する。セットアップは、車検証に記載されている車両番号や車種、車長などの情報を添えて有料道路の運営者に申込みを行って、送達された第1のICカード(セットアップカード)21により行われる。ETC車載器1を使用する車両(運営者へ申し込みを行った車両)へ設置し、車両のバッテリ31との接続を行った後、ETC車載器1のカードスロット7に第1のICカード21を挿入することにより(S1)、ETC車載器1のCPU15がカード読取プログラム16bを実行して、この第1のICカード21に記録された情報(暗号処理のための鍵情報を含む)が読み取られてEEPROM17へ記録される(S2)。EEPROMへ登録情報21a、鍵情報21bが記憶されると、第1のICカード21がカードスロット7から排出されることによりセットアップ処理は終了する(S3)。
続いて第2のICカード22による処理について図6を用いて説明する。第2のICカード22はETC車載器1を使用可能状態とするためのカード(アクティベートカード)である。まず、ユーザが第2のICカード22をETC車載器1のカードスロット7に挿入する(S11)。CPU15は、カード読取プログラム16bによって第2のICカード22の車載器固有情報22aを読み取って第二車載器固有情報18aとしてRAM18に記録する(S12)。続いて、CPU15は、使用可能状態制御プログラム16cにより、EEPROM17に記憶された第一車載器固有情報17aとRAM18に記憶された第二車載器固有情報18aとを比較する(S13)。第一車載器固有情報17aと第二車載器固有情報18aとが一致すれば(S13:YES)、CPU15は、使用状態フラグ情報18bを取得し、使用状態フラグ情報18bが使用不可能状態であれば(S14:NO)、使用可能状態制御プログラム16cによって使用状態フラグ情報18bを使用可能状態とする(S15)。
また第一車載器固有情報17aとRAM18に記録された第二車載器固有情報18aとの照合を行い(S13)、第一車載器固有情報17aと第二車載器固有情報18aとが一致した場合に(S13:YES)、使用状態フラグ情報18bが使用可能状態であれば(S14:YES)、CPU15は、使用可能状態制御プログラム16cによって使用状態フラグ情報18bを使用不可能状態とする(S16)。これは、以前に第2のICカード22によって使用可能状態とされた場合で、再度第2のICカード22が挿入されることにより、使用不可能状態とすることができる。使用不可能状態とすれば、第3のICカード(料金支払い用のETCカード)23が挿入されても、ETC車載器1を使用することができないため、セキュリティを高めることができる。
さらに第一車載器固有情報17aとRAM18に記録された第二車載器固有情報18aとの照合を行い(S13)、第一車載器固有情報17aと第二車載器固有情報18aとが一致しない場合は(S13:NO)、CPU15は、使用可能状態制御プログラム16cによって、使用状態フラグ情報18bを使用不可能とする(S17)。すなわち第3のICカード(料金支払い用のETCカード)23が挿入されても、ETC車載器1を使用することができない。ユーザによって第2のICカード22がカードスロット7から排出されることにより第2のICカード22による処理は終了する(S18)。
第2のICカード22から取得されて第二車載器固有情報18aとしてETC車載器1に記憶される車載器固有情報22aは、揮発性メモリであるRAM18に格納されるために、ETC車載器1が車両のバッテリ31から電気的に取り外されると、その情報は、ETC車載器1から失われる。すなわち、一旦ETC車載器1への電力の供給が切断されると、第一車載器固有情報17aと同一の情報が記録された第2のICカード22がETC車載器1のカードスロット7に挿入されて、そのデータが再びRAM18に記録されない限り、ETC車載器1を使用することができなくなる。このため、ETC車載器1を取り外して別の車両に取り付けても使用できないため、盗難防止の効果が得られる。
第3のICカード23による処理について図7を用いて説明する。第3のICカード23は、利用料金決済用の公知のETCカードである。ユーザは、ETCシステムを利用する場合に、第3のICカード(ETCカード)23をETC車載器1のカードスロット7に挿入する(S21)。ユーザにより車両のイグニッションスイッチ32がオンとされると、ETC車載器1の主電源部9に電力が供給され、電源がオンとされる。
ETC車載器1のCPU15は、ETCプログラム16aにより、使用状態フラグ情報18bを取得して、使用可能状態であるかどうかを判断する(S22)。使用可能状態でない場合(S22:NO)は、CPU15は、ETCサービスを利用できないことを音声、または表示によりユーザに報知する(S26)。使用可能状態であると判断した場合(S22:YES)には、CPU15は、音声または表示により、ETCサービスを利用可能であることをユーザに報知する(S23)。
そして、CPU15は、ETCサービスを使用できる状態とする(S24)。すなわちETC車載器1に第3のICカード23が装着されると、第3のICカード23内部の情報がETC車載器1に読み込まれる。この情報は、無線通信時にETC車載器1に予め登録されている車両の情報と共に車載器情報として送信される。このETC車載器1は、有料道路の料金所の入口あるいは出口に設置されているETC路側機と無線通信を行い通行料金の算出を行うことができる。そして、そのETC車載器1が取り付けられた車両は有料道路の料金所で停止することなく料金収受が行えるようになる。
具体的には、車両が有料道路の入口に設置されたETC路側機付近を通過すると、アンテナ2を介してETC路側機を認識するための識別信号を受信し、その識別信号を記憶する。その後、車両が有料道路を走行して、出口に設置されたETC路側機付近を通過すると、このETC路側機から識別信号を受信する。そして、ETC車載器1は、記憶した入口のETC路側機の識別信号を送信し、出口のETC路側機は、この情報に基づいて課金情報を送信する。そして第3のICカード23から個人情報(以下利用者情報ともいう)を読み取って、出口のETC路側機に送信する。この支払い情報を受信した出口のETC路側機は、この個人情報に含まれた口座番号から料金を引き落とすことになる。このようにして、ETC車載器1とETC路側機とが通信を行うことによって、有料道路の通行料の徴収が自動的に行われる。
そしてETC車載器1のCPU15は、ETCプログラム16aにより、第3のICカード23の着脱を監視し、第3のICカード23がカードスロット7から抜かれると(S25:YES)、ETCサービスを利用できなくする。この場合、第二車載器固有情報18aは、揮発性メモリであるRAM18に保持されているため、使用状態フラグ情報18bは、使用可能状態のまま維持されており、再びETCカード23をカードスロット7に装着すれば、ETCサービスを利用可能となる。
以上のように、第2のICカード22であるアクティベートカードによって、揮発性メモリであるRAM18に所定の情報が記憶されていることによって、ETC車載器1が使用可能状態となる。これにより、ETC車載器1を車両から取り外した場合には、使用できなくなるために、盗難を防ぐことができる。なお、ETC車載器1に「取り外すことにより使用不可能となる盗難防止装置付き」とのラベルを貼っておくと、ETC車載器1を盗もうとする者の意欲を削ぐことになり、さらに効果的である。
上記変形例として、第2のICカード22を、第1のICカード21または第3のICカード23と兼用するように構成してもよい。また第1のICカード21によってEEPROM17に記憶された第一車載器固有情報17aを、ユーザがパスワードをETC車載器1に入力することによりRAM18に転送し、第二車載器固有情報18aとして利用するように構成することもできる。また第一車載器固有情報17aや第二車載器固有情報18aを、ICカードを使用せずに通信回線等を通じて記憶させるように構成してもよい。
ETC車載器の機器構成図。 制御部を説明する図。 ETC車載器の二輪車への設置を説明する図。 ICカードの記録情報を説明する図。 第1のICカードによる処理を説明する図。 第2のICカードによる処理を説明する図。 第3のICカードによる処理を説明する図。
符号の説明
1 ETC車載器
2 ETCアンテナ
9 主電源部
10 バックアップ電源
16 ROM
17 EEPROM(不揮発性メモリ)
18 RAM(揮発性メモリ)
21 第1のICカード(セットアップカード)
22 第2のICカード(アクティデートカード)
23 第3のICカード(ETCカード)

Claims (8)

  1. 車両用自動料金収集システムに利用され、ETC路側機と通信するために車両に設置されるETC車載器であって、
    ETC車載器に固有の車載器固有情報を第一車載器固有情報として予め記憶する不揮発性メモリと、
    セットアップ情報を取得して前記不揮発性メモリに記憶するセットアップ情報取得記憶手段と、
    前記ETC車載器に固有の車載器固有情報を取得して第二車載器固有情報として揮発性メモリに記憶する固有情報取得記憶手段と、
    前記第一車載器固有情報と前記第二車載器固有情報とを比較し、これらが一致すれば前記ETC車載器を使用可能状態にする使用可能状態制御手段と、
    を備えることを特徴とするETC車載器。
  2. 車両用自動料金収集システムに利用され、ETC路側機と通信するために車両に設置されるETC車載器であって、
    各ETC車載器に固有の車載器固有情報を第一車載器固有情報として予め記憶する不揮発性メモリと、
    第1のICカードがセットされることにより、第1のICカードに記憶されたセットアップ用のセットアップ情報を取得して、前記不揮発性メモリに記憶するセットアップ情報取得記憶手段と、
    第2のICカードがセットされることにより、第2のICカードに記憶された車載器固有情報を取得して、第二車載器固有情報として、揮発性メモリに記憶する固有情報取得記憶手段と、
    前記第一車載器固有情報と前記第二車載器固有情報とを比較し、これらが一致すれば、前記ETC車載器を使用可能状態とする使用可能状態制御手段と、
    その使用可能状態制御手段によって使用可能状態とされている間に、料金支払い用の第3のICカードがセットされることにより、前記ETC路側機と通信可能な使用状態とする使用制御手段と、
    を備えることを特徴とするETC車載器。
  3. 前記車両のバッテリに直接または間接に接続され、前記揮発性メモリに電源を供給し、前記バッテリとの接続が遮断されると前記揮発性メモリへの電源の供給を遮断する電源供給部を有する請求項2に記載のETC車載器。
  4. 前記揮発性メモリへの電源の供給が遮断されると、前記揮発性メモリに記憶された前記第二車載器固有情報が消失され、前記使用可能状態制御手段は、使用不可能状態とする請求項2または3に記載のETC車載器。
  5. 当該ETC車載器が前記車両から取り外されることにより前記揮発性メモリへの電源が遮断され、前記揮発性メモリに記憶された前記第二車載器固有情報が消失され、前記使用可能状態制御手段は、使用不可能状態とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載のETC車載器。
  6. 前記揮発性メモリに記憶された前記第二車載器固有情報が消失した場合に、再度、前記第2のICカードがセットされることにより、前記固有情報取得記憶手段は、前記第2のICカードに記憶された前記車載器固有情報を取得して、第二車載器固有情報として前記揮発性メモリに記憶し、前記使用可能状態制御手段は、前記第一車載器固有情報と前記第二車載器固有情報とを比較し、これらが一致すれば、前記ETC車載器を使用可能状態とする請求項4または5に記載のETC車載器。
  7. 使用可能状態または使用不可能状態についての情報を報知する報知手段を有する請求項2ないし6のいずれか1項に記載のETC車載器。
  8. 使用可能状態にある場合に、前記第2のICカードが再度セットされると、前記使用可能状態制御手段は、使用可能状態から使用不可能状態にする請求項2ないし7のいずれか1項に記載のETC車載器。
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