JP3339360B2 - セキュリティ機能を有する電子装置 - Google Patents

セキュリティ機能を有する電子装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セキュリティを必
要とする電子回路をケース内に収納してなる電子装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、路上機と車載機との間で料金の自
動収受を行う自動料金徴収システムにおいて、車載機
は、ケース内に電子回路を収納して構成されており、電
子回路には、車載機ID番号、暗号化のための鍵デー
タ、プリペイドカードを用いた場合の残高データなどセ
キュリティを必要とするデータが記憶されている。
【0003】この車載機のような電子装置において、そ
のセキュリティを確保する場合、ケースが開けられたこ
とを検知する手段、例えばケースの内面にワイヤを張り
めぐらせワイヤの切断を検知する手段、あるいはケース
内にフォトセンサを設けケースが開いたときの外部光を
検知する手段を設けて、ケースが開けられたことを検知
したときに、セキュリティを必要とするデータを消去す
るようにしたものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の構成に
おいては、セキュリティを必要とするデータが消去され
た後に、電子回路を再度使用するためには、データの復
旧作業が必要となる。この復旧作業においては、車載機
の場合、ホストコンピュータに記憶されている元データ
を用いて車載機内にデータを記憶させる処理を必要とす
る。
【0005】また、この種の電子装置においては、メイ
ンテナンスを行うためにケースを開けることがある。例
えば、車載機の場合、通信異常箇所の調査、電子部品の
取り換え、内蔵電池の交換などのためにケースを開ける
必要があるが、ケースを開けると上述したようにデータ
が消去してしまうため、その都度、復旧作業が必要とな
る。
【0006】本発明は上記問題に鑑みたもので、上述し
たような復旧作業を必要とすることなくメインテナンス
ができ、かつセキュリティを十分確保できるようにする
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明においては、電子回路(2)
を収納するケース(1)を第1、第2のケース部材(1
a、1b)により構成し、第1、第2のケース部材(1
a、1b)を複数のネジ(3)によって固定し、ネジ
(3)が外された順序が予め定められた順序以外のとき
に、電子回路(2)に記憶されているデータに対してセ
キュリテイ動作が行われるようにしたことを特徴として
いる。
【0008】従って、ネジを外す順序を設けることによ
ってセキュリティを確保することができ、またネジを正
規の順序で外しケースを開けることによってメインテナ
ンスを行うことができる
【0009】
【0010】記した電子装置は、請求項に記載の発
明のように、路上機と車載機との間で料金の自動収受を
行うシステムに用いられる車載機として用いることがで
【0011】
【発明の実施の形態】 (第1実施形態)図1に、本発明の第1実施形態に係る
車載機の組付け構造図を示す。電子回路を収納する樹脂
ケース1は、上ケース部材1a、下ケース部材1bから
構成されている。このケース1内に、路上機との間で料
金の自動収受を行うための電子回路2が収納される。こ
の電子回路2は、回路基板20上に各種部品(図には1
つのICチップのみを示す)が搭載されて構成されてい
る。
【0012】車載機の組付けを行う場合には、図に示す
ように、4つの特殊ネジ(以下、単にネジという)3を
用いて、上ケース部材1a、電子回路2、下ケース部材
1bを固定する。このようにして構成された車載機は、
車室内の所定位置、例えばダッシュボード上あるいはフ
ロントガラス内側に取り付けられる。
【0013】ここで、本実施形態では、ネジ3が外され
たことを検知するため、図2(a)に示す形状の金属部
材4が、回路基板20の各ネジ穴の上下に取り付けられ
ている(図2(b)参照)。そして、回路基板20に取
り付けられた上下の金属部材4(4a、4b)の貫通穴
を通過して、ネジ3により上ケース部材1a、下ケース
部材1bが固定されたとき、上下の金属部材4a、4b
とネジ3とがそれぞれ接触し、上下の金属部材4a、4
bが電気的に接続される。
【0014】回路基板20のネジ穴の下側の金属部材4
aは電源ラインに接続され、上側の金属部材4bは後述
する制御回路26に接続されている。従って、図3に示
すように、上下の金属部材4a、4bおよびネジ3によ
りスイッチ5が構成され、ネジ3が外されたときにスイ
ッチ5がオフし、そのスイッチオフの信号が制御回路2
6に入力される。このことによりネジ3が外されたこと
が制御回路26にて検出される。
【0015】図4に、車載機における電子回路2のブロ
ック構成を示す。この電子回路2は、路上機と通信を行
うためのアンテナ21と、通信を制御する送受信回路2
2と、残高情報や車載機の異常情報などを使用者に通知
するための液晶表示装置(LCD)23およびそのドラ
イバ24と、使用者の注意を喚起するためにブザー音を
発生するブザー25と、上述した各構成部を制御する制
御回路26を有している。
【0016】制御回路26は、料金の自動収受に必要な
演算処理および後述するセキュリティ処理を図示しない
マスクロムに記憶されたプログラムに従って実行するC
PU26aと、車載機ID番号、プリペイドカードを用
いた場合の残高データなどのデータを記憶するデータ格
納メモリ26bと、CPU26aからのデータを暗号化
し、また路上機からの暗号化された受信データをデコー
ドし、路上機との間で暗号化されたデータにより通信を
行うための暗号化ロジック回路26cと、データの暗号
化を行う際に必要な鍵データを格納する鍵データ格納メ
モリ26dとを有している。なお、それらの各構成要素
間のデータのやりとりは、図に示すようにバスライン2
6eを用いて行われる。
【0017】また、図4に示す各部回路は、図示しない
車載バッテリから安定化電源回路を介した電圧の供給を
受けて作動するようになっている。なお、車載バッテリ
からの電源供給の代わりに、電池を用いて電源供給を行
うように構成してもよい。また、ICカードを用いて料
金の決済を行う場合には、ケース1内にICカードが挿
入保持される。そして、制御回路26はICカードから
データの読み出しを行い、またICカードにデータの書
込を行って、料金決済を行う。
【0018】図5に、CPU26aにおいて行われるセ
キュリティ処理を示す。まず、電源がオンされ、この処
理が開始されたときに、ネジ3が全て外されているか否
かを判定する(ステップ101)。ネジ3が外されてい
るか否かは、図3で示したスイッチ5からのスイッチ信
号を用いて判定することができる。この処理は、車載機
が車両から取り外され、特殊ドライバを用いて電子回路
を取り出し、この後に電源供給を行った場合に、それを
不正処理とみなして、後述する不正対応処理(ステップ
105)を行い、セキュリティを確保するために行う。
【0019】そして、ステップ101においてネジ3が
外されていないことを判定すると、以下、ネジ3が不正
に外されたか否かを監視する処理を行う。なお、ネジ3
が不正に外されたか否かは、ネジ3が予め定められた順
序通りに外されたか否かにより判定される。まず、新た
に外されたネジ3があるか否かを監視する(ステップ1
02)。そして、新たに外されたネジ3があると、その
ネジ3に対して設定されたネジ番号を記憶する(ステッ
プ103)。この後、そのネジ番号が予め定められた順
序通り(例えば、ネジ番号1→ネジ番号3→ネジ番号2
→ネジ番号4)になっているか否かを判定する(ステッ
プ104)。すなわち、ネジ3が予め定められた順序通
りに外されているか否かを判定する。そして、ネジ番号
が順序通りになっているときには、ステップ102に戻
り上述した処理を実行する。
【0020】一方、ネジ番号が順序通りになっていない
場合には、不正対応処理を行う(ステップ105)。こ
の不正対応処理においては、メモリ26b、26dに記
憶されている車載機ID番号、プリペイドカードを用い
た場合の残高データ、鍵データなどセキュリティを必要
とするデータを消去するセキュリテイ動作を行う。この
場合、それらのデータを使えなくするためにフラグをセ
ットするようにしてもよい。
【0021】従って、上述した実施形態においては、車
載機が車両から取り外され特殊ドライバを用いて電子回
路2を取り出したときの不正時、および特殊ドライバを
用い正規の順序以外でネジ3を外したときの不正時に、
メモリ26b、26dに記憶されているデータの盗難お
よびデータの改ざんを防止することができる。なお、電
子回路2のメインテナンス(例えば、路上機と通信を行
う回路部21、22の異常箇所の調査、電子部品の取り
替えなど)を行う場合には、ネジ3を正規の順序で外す
ことによって、上述した不正対応処理が行われることな
くケース1を開けることができる。 (第2実施形態)図6(a)、(b)に、本発明の第2
実施形態を示す。図6(a)は、回路基板20上に搭載
される電子部品の概念的な平面図、図6(b)は、その
斜視図である。
【0022】この実施形態においては、第1実施形態で
示した構成に加え、回路基板20上に搭載される電子部
品のうち、セキュリティを必要とする回路部、具体的に
は図4に示す制御回路26を、蓋6で覆うとともに、蓋
6が開けられたことを検知するためのフォトダイオード
(光検出手段)7が、蓋6内の回路基板20上に搭載さ
れている。なお、蓋6は、接着材で回路基板20上に接
着固定されている。
【0023】フォトダイオード7は、図7に示すよう
に、抵抗8、9と直列に接続されており、フォトダイオ
ード7と抵抗9の接続点の電圧がCPU26aに入力さ
れる。蓋6が開けられフォトダイオード7に外部光が当
たったとき、フォトダイオード7に流れる電流が増大
し、CPU26aに入力される電圧が高くなる。このこ
とによって、CPU26aは蓋6が開けられたことを検
知することができる。
【0024】CPU26aは、図8に示す処理を実行
し、上述した入力電圧により蓋6が開けられたか否かを
判定し(ステップ201)、蓋6が開けられたときに不
正対応処理を行う(ステップ202)。この不正対応処
理は、図5のステップ105に示す処理と同じである。
従って、この実施形態においては、回路基板20上に設
けられた蓋6を開けて不正を行おうとしたとき不正対応
処理が行われるため、セキュリティを十分確保すること
ができる。また、回路基板20上に搭載される電子部品
のうち、セキュリティを必要とする回路部に対してのみ
蓋6が設けれているため、回路基板20上のその他の回
路部21〜25に対してメインテナンスを行うことがで
きる。
【0025】なお、フォトダイオード7の取り付け位置
は、回路基板20上でなくても蓋6内の他の位置であっ
てもよい。例えば、図9に示すように、CPU26aの
チップ上にフォトダイオード7を設けるようにしてもよ
い。また、この第2実施形態を、第1実施形態と組み合
わせることなく単独で構成するようにしてもよい。 (第3実施形態)上述した第1、第2実施形態によりセ
キュリティを十分確保できるが、万一それによってセキ
ュリティが確保できなかった場合、制御回路26が図4
に示すようにディスクリート回路で構成されていると、
バスライン26eにプローブを当てることにより暗号化
されていない生データの読み取りが可能になってしまう
という問題がある。
【0026】そこで、本実施形態では、第1、第2実施
形態に加え、図10に示すように制御回路26を1チッ
プで構成し、バスライン26eを内部バスラインとする
ことにより、プローブを用いた生データの読み取りを不
可能にしている。なお、暗号化を行う場合に用いられる
鍵データについては、外部に知れてしまうと、制御回路
26の外部インターフェイスからデータの読み取りが可
能になってしまうので、鍵データのセキュリティを確保
するために、鍵データを可変にするのが好ましい。例え
ば、鍵データ格納メモリ26dに鍵リストを用意してお
いてランダムに選択した鍵データを使用し、また路上機
側においても同様の鍵リストを保有しておいて鍵リスト
の中から同じ鍵データを使用し、この鍵データを用いた
暗号化データにより互いに通信を行うようにする。ま
た、図11に示すように、デコード回路26eを設け
て、路上機から送信された鍵データをデコードし、それ
を用いて暗号化を行うようにしてもよい。
【0027】また、この第3実施形態においても、第
1、第2実施形態と組み合わせることなく単独で構成す
るようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車載機の組付け構
造図である。
【図2】図1に示すネジ3が外されたことを検知するた
めに用いる金属部材4およびその回路基板20への取り
付け状態を示す図である。
【図3】図2に示す金属部材4a、4bおよびネジ3に
より構成されるスイッチ5を用いた検出回路の構成を示
す電気結線図である。
【図4】図1に示す電子回路2のブロック構成を示す図
である。
【図5】図4中のCPU26aのセキュリティ処理を示
すフローチャートである。
【図6】本発明の第2実施形態に係る回路基板20の概
念的な構成を示す図である。
【図7】図6に示すフォトダイオード7を用いた検出回
路の構成をを示す電気結線図である。
【図8】本発明の第2実施形態におけるCPU26aの
セキュリティ処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2実施形態における変形例を示す図
である。
【図10】本発明の第3実施形態における制御回路26
の構成を示す図である。
【図11】本発明の第3実施形態における制御回路26
の変形例を示す図である。
【符号の説明】
1…ケース、1a…上ケース部材、1b…下ケース部
材、2…電子回路、3…ネジ、4…金属部材、5…スイ
ッチ、6…蓋、7…フォトダイオード、20…回路基
板、26…制御回路、26a…CPU、26b…データ
格納メモリ、26c…暗号化ロジック回路、26d…鍵
格納メモリ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−174639(JP,A) 特開 平5−336104(JP,A) 特開 平9−24151(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06K 17/00 G06K 19/00 G06K 19/10 G06F 12/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子回路(2)をケース(1)内に収納
    してなる電子装置であって、 前記ケース(1)は、第1のケース部材(1a)と第2
    のケース部材(1b)を有し、前記第1のケース部材
    (1a)と前記第2のケース部材(1b)とが複数のネ
    ジ(3)によって固定されており、前記電子回路(2)は、 前記ネジ(3)が外されたこと
    検出するネジ検出手段(4a、4b、102)を有
    し、このネジ検出手段(4a、4b、102)によって
    前記ネジ(3)が外されたことが検出されたとき、前記
    ネジ(3)がめ定められた順序通りに外されたか否か
    を判定し、順序通りに外されていないことを判定する
    と、当該電子回路(2)に記憶されているデータに対し
    てセキュリテイ動作うようになっていることを特徴
    とするセキュリティ機能を有する電子装置。
  2. 【請求項2】 前記電子装置は、路上機と車載機との間
    で料金の自動収受を行うシステムに用いられる車載機で
    あることを特徴とする請求項1に記載のセキュリティ機
    能を有する電子装置。
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