JP2006205368A - 印刷装置及び印刷装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ロール紙とスリップ紙の両方に印刷可能なプリンタを、スリッププリンタとして使用でき、ロール紙を対象とする誤印刷を未然に防止する。
【解決手段】 ロール紙をセットせずにスリップ紙への印刷を行う場合、センサ切替部112によって、ロール紙検出センサ180,181とロール紙監視部113との接続を遮断し、ロール紙が正常にセットされていることを示すダミー信号をロール紙監視部113に入力させる。ロール紙必須モード検出部111は、ロール紙を必須とするモードの選択を検出すると、強制的にセンサ180,181を有効状態に設定する。センサ180,181が無効化されている場合に、ロール紙を対象とする印刷データを受信すると、印字禁止部114は、ダミーデータをプリントヘッドに転送させて、プリントヘッドからインク滴が吐出されるのを未然に防止する。
【選択図】 図3
【解決手段】 ロール紙をセットせずにスリップ紙への印刷を行う場合、センサ切替部112によって、ロール紙検出センサ180,181とロール紙監視部113との接続を遮断し、ロール紙が正常にセットされていることを示すダミー信号をロール紙監視部113に入力させる。ロール紙必須モード検出部111は、ロール紙を必須とするモードの選択を検出すると、強制的にセンサ180,181を有効状態に設定する。センサ180,181が無効化されている場合に、ロール紙を対象とする印刷データを受信すると、印字禁止部114は、ダミーデータをプリントヘッドに転送させて、プリントヘッドからインク滴が吐出されるのを未然に防止する。
【選択図】 図3
Description
本発明は、印刷装置及び印刷装置の制御方法に関し、例えば、連続紙と単票紙とのいずれか又は双方に印刷可能な印刷装置及び印刷装置の制御方法に関する。
連続紙と単票紙との異なる種類の印刷用紙にそれぞれ印刷可能なプリンタは、例えば、レジスタ端末やテラーターミナル等に使用されている。連続紙としては、用紙をロール状に巻回したロール紙が知られている。単票紙としては、矩形状に裁断されたスリップ紙が知られている。
このようなロール紙とスリップ紙の両方に印刷可能なマルチステーション型のプリンタでは、例えば、ロール紙をレシート印刷のために使用し、スリップ紙を伝票印刷のために使用する。マルチステーション型のプリンタでは、ロール紙を主要な印刷媒体として使用する機会が比較的多いため、ロール紙の状態に基づいて、印刷の可否を制御している(特許文献1)。
即ち、従来技術では、プリンタへの電源投入時にロール紙がセットされていない場合や、印刷中にロール紙が無くなった場合には、プリンタをオフラインモードに変更し、ホスト装置からプリンタを利用できないようにする。これにより、ロール紙へ印刷することができない状況下で、ホスト装置からロール紙を印刷対象とする印刷データが送信されるのを未然に防止している。
特開平10−119391号公報
前記文献に記載の技術では、ユーザがスリップ紙への印刷を希望する場合であっても、ロール紙が装着されていなければ、スリップ紙への印刷を行うことができない。ロール紙を使用しないユーザにとって、ロール紙をセットしなければスリップ紙へ印刷できないのでは不便であり、使い勝手が悪い。
そこで、ロール紙をセットせずにスリップ紙への印刷を可能とするために、例えば、ロール紙の有無等を検出するロール紙検出センサを、テープ等で物理的に”ロール紙有り”の状態に固定することが行われている。このように、ロール紙検出センサの検出信号を強制的に”ロール紙有り”の状態に固定すれば、実際にロール紙をプリンタに装着しなくても、スリップ紙へ印刷することができる。
しかし、ロール紙検出センサを物理的に”ロール紙有り”の状態に固定した状況下において、もしも誤操作等によりロール紙への印刷が指示された場合は、実際には存在しないロール紙に対して印刷動作が開始される。
例えば、インクジェットプリンタの場合は、そこに存在しないロール紙に向けてインク滴が吐出されるため、プラテン等に付着したインク滴によってプラテンが汚損する。これにより、例えば、後日行われる別の印刷時に、給紙されたスリップ紙またはロール紙が汚れてしまい、正常な印刷を行うことができなくなる。また、例えば、サーマルプリンタの場合は、存在しないロール紙へ印刷しようとしてサーマルヘッドが加熱されるため、ヘッド等が痛んだり破損する可能性がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、本発明の目的の一つは、第1印刷用紙が装着されていない場合でも、比較的簡単な操作で第2印刷用紙への印刷を行うことができ、かつ、第1印刷用紙を対象とする誤った印刷が行われるのを未然に防止できるようにした印刷装置及び印刷装置の制御方法を提供することにある。本発明の目的の一つは、第1印刷用紙を装着せずに第2印刷用紙への印刷を行うことができ、比較的簡易な制御構成で誤印刷を防止することができ、ユーザへ警告を発することができる印刷装置及び印刷装置の制御方法を提供することにある。本発明の目的の一つは、第1印刷用紙が装着されていない場合でも第2印刷用紙に印刷することができ、第1印刷用紙への誤印刷を未然に防止すると共に、第1印刷用紙を必須条件とする所定の印刷モードの実行を可能とした印刷装置及び印刷装置の制御方法を提供することにある。
上記課題を解決すべく、本発明の一つの観点に従う印刷装置は、それぞれ種類の異なる第1印刷用紙と第2印刷用紙とのいずれか又は両方に印刷可能な印刷装置であって、ホスト装置からの印刷データを受信する受信手段と、受信された印刷データに基づいて印字データを生成する印字データ生成手段と、生成された印字データを記憶する印字データ記憶手段と、記憶された印字データに基づいて、印字を行う印字手段と、第1印刷用紙が使用可能状態か否かを検出する第1印刷用紙検出手段と、第1印刷用紙検出手段を無効化し、第1印刷用紙の状態を使用可能状態として出力させる用紙検出無効化手段と、第1印刷用紙検出手段が無効化されている期間内に、第1印刷用紙を印刷対象とする印刷が指示された場合は、印字手段による印字動作を禁止する印字禁止手段と、を備える。
ここで、例えば、印字手段は、第1印刷用紙の状態が使用可能状態にある場合に、第2印刷用紙への印字を行うことができるように構成できる。また、例えば、第1印刷用紙としてはロール紙のような連続紙を、第2印刷用紙としてはスリップ紙のような単票紙を、それぞれ挙げることができる。
第1印刷用紙を使用せず、第2印刷用紙へ印刷を行う場合は、用紙検出無効化手段により、第1印刷用紙検出手段を無効化する。これにより、第1印刷用紙の有無に拘わらず、第1印刷用紙は装着済であり、第1印刷用紙を使用可能であると認識される。これにより、第1印刷用紙の存在が第2印刷用紙への印刷を開始するための前提条件として設定されているような場合でも、第1印刷用紙を装着せずに、第2印刷用紙への印刷を行うことができる。さらに、第1印刷用紙検出手段が無効化されている状況下において、もしもユーザの誤操作により第1印刷用紙への印刷が指示された場合でも、印字禁止手段によって印字動作が禁止されるため、実際には存在しない第1印刷用紙への印字を未然に防止することができる。
本発明の実施態様では、印字手段は、プリントヘッドの往復動作と紙送りとを交互に繰り返すことにより印字を行うシリアル型印字手段として構成される。そして、印字禁止手段は、プリントヘッドの移動は許可し、プリントヘッドによる印字を禁止するようになっている。即ち、印字禁止手段により第1印刷用紙への印字動作が禁止されている場合、プリントヘッドは、印刷面にドットを印字することなく空走する。従って、この印字しない空走(空印刷)を目撃したユーザや、第2印刷用紙が排紙されないことを確認したユーザは、誤った印刷を指示したことに気づく。つまり、ドットを形成せずにプリントヘッドが往復移動する動作そのものが、ユーザへの警告手段となる。
本発明の実施態様では、印字禁止手段は、第1印刷用紙を印刷対象として生成される印字データを、ダミーデータに置き換えることにより、プリントヘッドによる印字を禁止するようになっている。ダミーデータは、印字を禁止するためのデータであり、例えば、ヌルデータとして構成される。生成された印字データをダミーデータに置き換えてからプリントヘッドに供給することにより、簡単な制御構造で印字動作を禁止できる。
本発明の実施態様では、印刷禁止手段により印字動作が禁止された場合、この旨をホスト装置に通知するようになっている。これにより、例えば、ホスト装置のユーザインターフェースを介して、第1印刷用紙の検出が無効に設定されており実際には第1印刷用紙が存在しない可能性がある旨を、ユーザに通知することもできる。
本発明の実施態様では、用紙検出無効化手段により第1印刷用紙検出手段が無効化されている期間内に、第1印刷用紙の存在を必須条件とする所定の印刷モードが指示された場合は、第1印刷用紙検出手段の無効化を解除し、第1印刷用紙検出手段からの検出信号を有効なものとして取り扱うようになっている。
例えば、所定の印刷モードとしては、印刷装置の内部ステータスの一覧を第1印刷用紙に印刷させるような印刷モードを挙げることができる。このように、その実施に際して第1印刷用紙の存在を必須の前提条件とする印刷モードの開始が指示された場合、用紙検出無効化手段による第1印刷用紙検出手段の無効化は解除される。これにより、第1印刷用紙検出手段からの検出信号は有効なものとして扱われる。この結果、もしも第1印刷用紙が使用可能であれば、所定の印刷モードが正常に実行される。逆に、第1印刷用紙が装着されておらず、使用できない場合は、所定の印刷モードは実行されず、エラーとなる。このエラーは、ホスト装置に通知することができる。
本発明の別の観点に従う印刷装置の制御方法は、それぞれ種類の異なる第1印刷用紙と第2印刷用紙とのいずれか又は両方に印刷可能な印刷装置を制御する方法であって、ホスト装置からの印刷データを受信する受信ステップと、印刷データに基づいて印字データを生成する印字データ生成ステップと、印字データを記憶するデータ記憶ステップと、第2印刷用紙のみを使用する印刷モードが選択されている場合は、第1印刷用紙が使用可能状態であるか否かを検出する第1印刷用紙検出手段を無効化し、第1印刷用紙の状態を使用可能状態として出力する無効化ステップと、第1印刷用紙検出手段が無効化されている期間内に、第2印刷用紙を対象とする印刷データをホスト装置から受信した場合は、この印刷データに基づいて印刷を行う第2印刷用紙印字ステップと、第1印刷用紙検出手段が無効化されている期間内に、第1印刷用紙を対象とする印刷データをホスト装置から受信した場合は、第1印刷用紙への印字動作を禁止する印字禁止ステップと、を含む。
さらに、第1印刷用紙検出手段が無効化されている期間内に、第1印刷用紙の存在を必須条件とする所定の印刷モードが指示された場合は、第1印刷用紙検出手段の無効化を解除し、第1印刷用紙検出手段からの検出信号を有効なものとして取り扱う無効化解除ステップを備えることもできる。
なお、第1印刷用紙の存在を必須条件とする所定の印刷モードに着目する観点では、以下のように、印字禁止手段を構成要件としない発明として把握することもできる。即ち、それぞれ種類の異なる第1印刷用紙と第2印刷用紙とのいずれか又は両方に印刷可能な印刷装置であって、ホスト装置からの印刷データを受信する受信手段と、受信された印刷データに基づいて印字データを生成する印字データ生成手段と、生成された印字データを記憶する印字データ記憶手段と、記憶された印字データに基づいて、印字を行う印字手段と、第1印刷用紙が使用可能状態か否かを検出する第1印刷用紙検出手段と、第1印刷用紙検出手段を無効化し、第1印刷用紙の状態を使用可能状態として出力させる用紙検出無効化手段と、用紙検出無効化手段により第1印刷用紙検出手段が無効化されている期間内に、第1印刷用紙の存在を必須条件とする所定の印刷モードが指示された場合は、第1印刷用紙検出手段の無効化を解除し、第1印刷用紙検出手段からの検出信号を有効なものとして取り扱う印刷装置。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態では、ロール紙及びスリップ紙への印刷を共通のプリントエンジンで行うことができるマルチステーション型の多色プリンタを例に挙げて説明する。但し、本発明は、ロール紙への印刷とスリップ紙への印刷とを別々のプリントエンジンで行うプリンタにも適用可能であり、また、単色プリンタにも適用することができる。
本実施例によるプリンタ1は、例えば、ロール紙10とスリップ紙11との両方を共通のプリントエンジンで印刷可能ないわゆるマルチステーション型プリンタとして構成されている。プリンタ1の本体2には、前カバー3及び後カバー4がそれぞれ開閉可能に取り付けられている。カバー3,4を開けることにより、インクカートリッジ210,220(図2参照)を交換したり、印刷用紙(ロール紙10)を交換等することができるようになっている。
本体2の前面側には、操作手段またはユーザインターフェース手段として表現可能な操作パネル5が設けられている。ユーザは、操作パネル5に設けられているボタン類を操作することにより、紙送り実行やヘッドクリーニング等を指示することができる。また、ユーザは、操作パネル5に設けられたランプ類の表示状態に基づいて、用紙切れやインク切れ等を確認することもできる。また、本体2の前面下部には、電源スイッチ8が設けられている。
本体2の上面側には、ロール紙排出口6が設けられており、このロール紙排出口6を介して、ロール紙10の先端が外部に排出される。印刷済のロール紙10は、例えば、ユーザによって手動操作で、または自動的にカットすることができる。このロール紙10は、例えば、レシート印刷等に使用することができる。本体2の前面中央部には、スリップ紙排出口7が設けられている。例えば、短冊状のスリップ紙11は、スリップ紙排出口7を介して排出される。
なお、図1に示すプリンタ1は、一例であって本発明はこれに限定されない。例えば、カバー3,4や操作パネル5等の取付位置は、図示の例に限定されない。
図2は、プリンタ1の内部構成を示すブロック図である。プリンタ1は、詳細はそれぞれ後述するが、プリンタコントローラ100と、プリントエンジン200とから構成可能である。
プリンタコントローラ100は、プリンタ1の動作を制御するものである。プリンタコントローラ100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、システムLSI(Large Scale Integration)等の各種部品を備えたマイクロコンピュータシステムとして構成することができる。
プリンタコントローラ100の機能に着目すると、プリンタコントローラ100は、例えば、制御部110と、通信インターフェース(図中「通信I/F」)120と、受信バッファ130と、画像処理部140と、出力バッファ150と、プリントエンジン駆動部160とを含んで構成することができる。
また、プリンタコントローラ100は、例えば、USB(Universal Serial Bus)やIEEE1394等のような通信インターフェースに従って、ホスト装置20との間でデータ通信を行うことができる。さらに、プリンタコントローラ100は、操作パネル5との間でも制御信号をやり取りする。
操作パネル5には、例えば、第1色ランプ5A、第2色ランプ5B、ロール紙ランプ5C及びスリップ紙ランプ5Dのような、複数種類のステータス報知手段を設けることができる。操作パネル5は、制御部110からの信号に基づいて、所定のランプを点滅させることにより、インク残量や印刷用紙の有無等をユーザに報知することができる。
第1色ランプ5Aは、第1インクカートリッジ210のインク残量を報知するためのランプであり、第2色ランプ5Bは、第2インクカートリッジ220のインク残量を報知するためのランプである。各ランプ5A,5Bの点灯状態を変えることにより、複数のステータスを報知することができる。例えば、インク残量が所定値以下のニアエンド状態の場合は、ランプ5A,5Bを明滅させ、インク残量が実質的に0になったエンド状態の場合は、ランプ5A,5Bを連続点灯等させることにより、インク残量に関する複数のステータスを表現できる。
ロール紙ランプ5Cは、ロール紙10の有無を報知するためのランプである。スリップ紙ランプ5Dは、スリップ紙11の有無を報知するためのランプである。これらの各ランプ5A〜5Dは、例えば、LEDランプから構成することもできるし、あるいは、各ランプ5A〜5Dを一つの液晶ディスプレイにまとめてもよい。即ち、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の薄型ディスプレイに、各インク残量や用紙の有無等の各種ステータスを表示させることもできる。
制御部110は、プリンタコントローラ100の全体を制御する。制御部110は、例えば、必須モード検出部111と、センサ信号切替部112と、ロール紙監視部113と、印字禁止部114とを備えることができる。これらの各機能111〜114は、例えば、コンピュータプログラムや論理LSIを用いて実現することができる。なお、各機能の詳細はさらに後述する。
通信インターフェース120は、ホスト装置20との間の通信を担当する。通信インターフェース120は、例えば、USB等の所定のプロトコルに基づいて、ホスト装置20からの印刷データを受信したり、ホスト装置20へ印刷完了等を報告する。なお、通信インターフェース120とホスト装置20との間は、有線または無線のいずれの通信方式で接続してもよい。また、例えば、通信インターフェース120をLAN(Local Area Network)ポートとして構成し、ネットワークに接続することにより、プリンタ1を複数のホスト装置20で共有することもできる。
受信バッファ130は、ホスト装置20から受信した印刷データを一時的に保存するものである。受信バッファ130が受信した印刷データに含まれるコマンドは、制御部110に渡される。なお、バッファオーバーフロー等を防止するために、ハードディスク装置等の補助記憶装置を設けてもよい。
画像処理部140は、受信バッファ130に格納された印刷データに基づいて、印刷用のイメージデータ(印字データ)を生成する。画像処理部140は、例えば、色変換処理、補間処理、拡大/縮小処理、回転処理、ハーフトーン処理等の所定の画像処理を行うことにより、二値または多値の印字データを生成する。
出力バッファ150は、画像処理部140によって生成された印字データを一時的に記憶するものである。出力バッファ150には、第1色用の印字データを記憶する領域と、第2色用の印字データを記憶する領域とを備えることができる。
プリントエンジン駆動部160は、プリントエンジン200の各部を制御するもので、制御部110からの指示に基づいて、所定の制御信号を出力する。
状態設定器170は、例えば、印刷モード等の選択を行うためのものである。本実施例では、印刷モードとして、ロール紙10及びスリップ紙11の両方に印刷可能なマルチステーションモードと、スリップ紙11のみを用いて印刷するスリッププリンタモードと、ロール紙10の存在を必須の条件とするロール紙必須動作モードとを用意している。状態設定器170は、例えば、ディップスイッチとして構成することができ、ユーザは、ディップスイッチのオンオフ状態を設定することにより、所望のモードを選択できる。なお、ディップスイッチに変えて、操作パネル5に印刷モード選択ボタンを設け、このボタンを操作することにより、印刷モードを選択する構成でもよい。また、ホスト装置20からのコマンドにより、印刷モードを選択する構成でもよい。
制御部110には、複数種類のセンサをそれぞれ接続可能である。複数種類のセンサとしては、例えば、ロール紙ニアエンド検出センサ180,ロール紙エンド検出センサ181,スリップ紙検出センサ182を挙げることができる。なお、ロール紙ニアエンド検出センサ180及び/またはロール紙エンド検出センサ181を「ロール紙検出センサ」と呼ぶことがある。
ロール紙ニアエンド検出センサ180は、ロール紙10の残量が所定値以上あるか否かを検出する。ロール紙エンド検出センサ181は、ロール紙10の有無を検出する。スリップ紙検出センサ182は、スリップ紙11の有無を検出する。なお、これら以外に、例えば、用紙の搬送状態を検出するセンサやインクカートリッジ210,220の装着状態を検出するセンサ等を設けることもできる。
プリントエンジン200は、例えば、印刷用紙を搬送する機構と、プリントヘッド230を駆動する機構、及びインクを供給する機構とに大別することができる。ロール紙10またはスリップ紙11は、給紙ローラ250によってプリントヘッド230の印字位置まで給紙され、その後、プリントヘッド230が主走査を行う毎に、所定量ずつ紙送りされる(副走査)。
プリントヘッド230は、プラテン260上に支持されたロール紙10またはスリップ紙11に向けて、複数のノズルからそれぞれ所定量のインク滴を吐出させる。吐出されたインク滴は、印刷面に着弾してドットを形成する。プリントヘッド230は、キャリッジ240によって支持されている。プリントヘッド230は、キャリッジ240の往復運動に伴って、各ノズルからインク滴をそれぞれ吐出させながら、印刷面を往復する。
印刷を終えたロール紙10またはスリップ紙11は、排紙ローラ270によって所定の排紙口6,7まで搬送され、外部に排出される。ロール紙10の場合、カッタ280によって、ロール紙10は所定の位置で切断される。切断後、ロール紙10の先端は所定量だけ、プリンタ内部に巻き戻すことができる。
これらのキャリッジ240,給紙ローラ250,排紙ローラ270等は、それぞれ図示せぬモータにより駆動することができる。プリントエンジン駆動部160は、これら各モードに制御信号を与えることにより、キャリッジ240,給紙ローラ250,排紙ローラ270をそれぞれ個別に駆動させる。
第1インクカートリッジ210,第2インクカートリッジ220は、それぞれ異なる色のインクまたは同一色のインクを収容する。プリントヘッド230には、各インクカートリッジ210,220にそれぞれ対応するノズル群が形成されている。各インクカートリッジ210,220内のインクは、それぞれ専用のインク供給路211,221を介して、対応するノズル群にそれぞれ供給される。
図3は、制御部110の要部を概略的に示す機能ブロック図である。ロール紙必須モード検出部111は、ロール紙10の存在を必須条件とする印刷モードを検出するためのものである。このようなロール紙必須モードとしては、例えば、プリンタ1の内部ステータスをロール紙10に印字させるセルフテストモード等を挙げることができる。ロール必須モードは、例えば、ユーザが操作パネル5や状態設定器170を介して選択することができる。あるいは、ロール紙必須モードは、例えば、ホスト装置20からのコマンドによって選択することもできる。
センサ信号切替部112は、ロール紙ニアエンド検出センサ180及びロール紙エンド検出センサ181とロール紙監視部113との間に位置して設けられる。センサ信号切替部112は、複数種類の接続状態を備えており、状態設定器170またはロール紙必須モード検出部111からの指示、あるいはホスト装置20からのコマンドに応じて、接続状態を切り替える。
第1接続状態(有効化モード)では、センサ信号切替部112は、各検出センサ180,181をロール紙監視部113に接続する。これにより、ロール紙監視部113は、各検出センサ180,181からの検出信号に基づいて、ロール紙10の有無等を判定し、ロール紙10が装着等されていない場合に所定のエラー検出信号を出力する。第1接続状態では、各検出センサ180,181がそれぞれ有効な状態に置かれ、各検出信号がロール紙監視部113に入力される。
第2接続状態(無効化モード)では、センサ信号切替部112は、各検出センサ180,181とロール紙監視部113とを遮断し、予め用意されている疑似信号をロール紙監視部113に入力させる。この疑似信号は、所定量以上のロール紙10が存在することを示す。第2接続状態では、各検出センサ180,181がそれぞれ無効化され、各検出信号はロール紙監視部113に入力されない。従って、この場合、ロール紙10が実際に装着されていなくても、ロール紙監視部113は、所定量以上のロール紙10が装着されていると判断することになる。
なお、ここで、ロール紙監視部113に入力される疑似信号やロール紙監視部113が出力するエラー検出信号等は、電気信号として構成される必要はなく、状態を示す情報として構成されてもよい。
印字禁止部114は、各検出センサ180,181がそれぞれ無効化されている場合において、ロール紙10を印刷対象とする印字動作を全面的にまたは部分的に禁止させるものである。全面的禁止とは、例えば、キャリッジ240の移動及びプリントヘッド230からのインク吐出の両方を禁止することを意味する。部分的禁止とは、例えば、プリントヘッド230からのインク吐出のみを禁止し、キャリッジ240の移動は許可することを意味する。本実施例では、プリントヘッド230からのインク吐出のみを禁止させるようになっている。
印字禁止部114は、印字禁止フラグ115の状態に基づいて、ロール紙10を対象とする印字動作を禁止させるか否かを判定する。印字禁止フラグ115に印字禁止がセットされている場合、印字禁止部114は、プリントヘッド230からのインク吐出を禁止させる。印字禁止フラグ115に印字禁止がセットされていない場合、即ち、フラグがリセットされた場合、印字禁止部114は、ロール紙10を対象とする印字動作の実行を許可する。
印字動作を禁止する一つの方法として、本実施例では、出力バッファ150に格納された印字データをヌルデータに置き換える。これにより、出力バッファ150からプリントヘッド230のヘッドバッファにはヌルデータが転送される。ヌルデータは、インク滴を吐出させないことを示すビット0から構成される。従って、プリントヘッド230は、インク滴を吐出させることなく、主走査を完了する。
なお、これに代えて、例えば、画像処理部140によってヌルデータを生成し、これを出力バッファ150に格納させる方法を採用することも可能である。
図4〜図6を参照してロール紙検出センサ180,181の有効状態及び無効状態が切り替えられる様子を説明する。
図4(a)は、ロール紙検出センサ180,181が有効状態に置かれている様子を示す模式図である。状態設定器170からの指示に基づいて、各ロール紙検出センサ180,181を有効状態に設定することができる。この場合、ロール紙ニアエンド検出センサ180及びロール紙エンド検出センサ181は、それぞれロール紙監視部113に接続される。
従って、ロール紙監視部113は、各ロール紙検出センサ180,181からの検出信号に基づいて、ロール紙10の有無等を判定する。即ち、各ロール紙検出センサ180,181が有効な場合、プリンタ1は、ロール紙10の実際の状態に基づいて、印刷実行の可否等を判断する。
これに対し、図4(b)は、ロール紙検出センサ180,181が無効状態に置かれている様子を示す模式図である。上記同様に、状態設定器170やホスト装置20、操作パネル5からの指示により、ロール紙検出センサ180,181をそれぞれ無効状態に設定することができる。
この場合、ロール紙検出センサ180,181とロール紙監視部113との接続は遮断される。ロール紙監視部113には、予め用意されている疑似信号(ダミー信号)が入力される。この疑似信号は、ロール紙10の状態が正常であることを示す。従って、ロール紙監視部113は、ロール紙10の実際の状況に拘わらず、そこに所定量以上のロール紙10が存在するものと判定する。ロール紙検出センサ180,181を無効化することにより、実際にロール紙10が装着されていない場合であっても、スリップ紙11を用いて印刷を行うことができる。
図5は、ロール紙検出センサ180,181を強制的に有効状態に設定する様子を示す模式図である。プリンタ1が実行可能な印刷モードは複数存在するが、その中には、ロール紙の存在を必須条件とするモードも含まれている可能性がある。
例えば、一つの例として、本実施例では、セルフテストモードを挙げる。セルフテストモードでは、プリンタ1の内部状態をチェックし、各種ステータスや設定状況等をロール紙10に印字して出力させる。
セルフテストモードで印字される項目としては、例えば、通信インターフェースの設定状態、受信バッファ130のサイズ、文字コードの種類、外部接続されたモニタ装置の有無、印字色モード(多色モードか単色モードか)、状態設定器170の設定状態等を挙げることができる。このように、セルフテストモードでは、診断項目が比較的多く、長尺な印刷用紙に一覧形式で印刷する方が読みやすく、保存等にも便利である。そこで、セルフテストモードは、ロール紙10のみを使用して行われるようになっている。
セルフテストモード等のようなロール紙必須モードが、ホスト装置20や操作パネル5から指示された場合、ロール紙必須モード検出部111は、これを検出する。そして、ロール紙必須モード検出部111は、センサ信号切替部112を切り換えさせ、ロール紙検出センサ180,181をロール紙監視部113に接続させる。
即ち、ロール紙必須モードが選択されたときは、状態設定器170等からロール紙検出センサ180,181の無効化が指示されている場合であっても、ロール紙検出センサ180,181は強制的に有効状態とされる。ロール紙監視部113は、ロール紙10の実際の状況に基づいて、印刷の可否等を判定する。この結果、所定量以上のロール紙10が実際に装着されている場合は、ロール紙必須モードが実行される。所定量以上のロール紙10が実際に存在しない場合、ロール紙必須モードは実行されず、ユーザにエラーが通知される。このエラー通知は、例えば、ホスト装置20の画面や操作パネル5を介して、行われる。
図6は、ロール紙検出センサ180,181が無効状態に置かれている状況下で、ロール紙への印字が指示された場合の模式図である。換言すれば、ロール紙必須モード以外のロール紙を対象とする印刷が指示された場合を示す。
この場合は、ロール紙検出センサ180,181を無効状態に置いたまま、プリントヘッド230によるインク滴の吐出(印字)のみを禁止させる。印字禁止部114は、ロール紙検出センサ180,181が無効状態に置かれている場合であって、ロール紙10を印刷対象とする印刷が指示されたときは、出力バッファ150の印字データをヌルデータ(ダミーデータ)に書き換える。これにより、出力バッファ150からプリントヘッド230のヘッドバッファには、ヌルデータが転送される。従って、プリントヘッド230は、インク滴を吐出せずにプラテン260上を空走する。なお、ダミーデータを、ビット0のみから構成する必要はない。例えば、インク滴を吐出させずにメニスカスに微振動を与えるだけのビットデータ等のように、メンテナンス用のデータを含んで構成することもできる。
この場合、紙送りローラ250を回転させてもよい。実際にロール紙10が装着されている場合、ロール紙10には何も印字されずに所定量ずつ紙送りされる。ロール紙10が装着されていなければ、給紙ローラ250は空転することになる。
このように、ロール紙検出センサ180,181が無効化されている場合に、ロール紙10を印刷対象とする印刷が要求されたときは、ロール紙10へインク滴を吐出する動作を禁止する。従って、プリントヘッド230がキャリッジ240によって往復動するため、その作動音は発生するが、実際の印刷は行われない。この空印刷の動作によって、ユーザに対し、誤った印刷指示がされている旨を通知することができる。
図7〜図10に基づいて、各処理の概要を説明する。各図に示すフローチャートは、処理の概略を示すものであって、実際のプログラムとは相違する。なお、ステップを「S」と略記する場合がある。
図7は、プリンタ1に電源を投入した場合の処理を示す。電源スイッチ8がオン操作されて、電源が投入されると、プリンタ1は、ロール紙検出センサ180,181の切替指示が”有効状態”であるか”無効状態”であるかを判定する(S1)。
状態設定器170等によってロール紙検出センサ180,181の無効化が指示されている場合(S1:無効)、プリンタ1は、ロール紙検出センサ180,181を無効状態に設定する(S2)。また、プリンタ1は、ロール紙10への印字を禁止させるロール紙印字禁止フラグ115をセットする(S3)。これにより、ロール紙検出センサ180,181からの検出信号は使用されず、ロール紙10の状態が”印刷可能”である旨を常時示すダミー信号が使用される。一方、ロール紙検出センサ180,181の無効化が指示されていない場合(S1:有効)、プリンタ1は、ロール紙検出センサ180,181を有効化し、実際の検出信号を使用する。
以下、プリンタ1は、以下に述べるような各条件をチェックし、印刷準備の可否を判断する(S5〜S7)。例えば、プリンタ1は、所定量以上のロール紙10がセットされているか否かを判定する(S5)。
ロール紙検出センサ180,181が有効状態に設定されている場合は、ロール紙10の実際の状況に基づいて、ロール紙10の有無が判定される。これに対し、ロール紙検出センサ180,181が無効状態に設定されている場合、疑似信号に基づいて、所定量以上のロール紙10が存在するものと判定される。
また、プリンタ1は、インクカートリッジ210,22がセットされているか否か(S6)、紙詰まりが発生していないか否か(S7)をそれぞれ判定可能である。
所定量以上のロール紙10がセットされ(S5:YES)、かつ、インクカートリッジ210,220がセットされ(S6:YES)、さらに、紙詰まりも発生していない場合(S7:YES)、プリンタ1は”印刷可能”であると判定する(S8)。そして、プリンタ1は、印刷可能である旨をホスト装置20に通知する(S9)。また、印刷可能である旨を操作パネル5に表示することもできる。
所定量以上のロール紙10がセットされていない場合(S5:NO)、または、インクカートリッジ210,220がセットされていない場合(S6:NO)、または、紙詰まりが発生している場合(S7:NO)のいずれかに該当する場合、プリンタ1は、”印刷不能”であると判定する(S10)。そして、プリンタ1は、印刷不能である旨をホスト装置20に通知する(S11)。また、印刷不能である旨を操作パネル5に表示させることもできる。なお、プリンタ1は、いずれの条件が満たされていないのかを特定して、ホスト装置20に通知することができる。
図8は、ロール紙検出センサ180,181の接続状態を切り替える処理を示すフローチャートである。プリンタ1へ電源を投入した後において、状態設定器170やホスト装置20からロール紙検出センサ180,181の有効・無効を指示可能である。
プリンタ1は、ホスト装置20等からロール紙検出センサ180,181の切替指示を取得し(S21)、要求された指示内容が”無効化”であるか”有効化”であるかを判定する(S22)。
ロール紙検出センサ180,181の無効化(無効状態に設定すること)が要求されている場合(S22:無効)、プリンタ1は、ロール紙検出センサ180,181を無効状態に設定する(S23)。また、プリンタ1は、ロール紙印字禁止フラグ115をセットする(S24)。即ち、プリンタ1は、ロール紙検出センサ180,181を無効化する場合、原則としてプリントヘッド230によるドット形成を禁止させておく。
ホスト装置20等からの切替指示が”有効化”の場合(S22:有効)、プリンタ1は、ロール紙検出センサ180,181を有効状態に設定する(S25)。そして、プリンタ1は、印字禁止フラグ115をリセットする(S26)。
図9は、ロール紙必須モードへ移行する場合の処理を示すフローチャートである。プリンタ1は、例えば、セルフテストモード等のような予め設定されている所定のロール紙必須モードが選択されたか否かを監視している(S31)。このモードの選択は、例えば、ホスト装置20からのコマンドや操作パネル5からの指示等で行うことができる。
ロール紙必須モードが選択されたことを検出すると(S31:YES)、プリンタ1は、ロール紙検出センサ180,181の状態が”有効状態”であるか”無効状態”であるかを判定する(S32)。
ロール紙検出センサ180,181が”無効状態”に設定されている場合(S32:無効)、プリンタ1は、ロール紙検出センサ180,181を有効状態に設定し(S33)、ロール紙印字禁止フラグ115をリセットする(S34)。従って、もしも実際にロール紙10が装着されているのであれば、そのロール紙10に対して所定の印刷を行うことができる。
なお、ロール紙検出センサ180,181が”有効状態”に設定されている場合(S32:有効)、S33及びS34をそれぞれスキップし、処理を終了する。
図10は、印刷処理及び印字禁止処理をそれぞれ示すフローチャートである。まず、左側に示す印刷処理について先に説明する。
ホスト装置20からの印刷データを受信すると(S41:YES)、プリンタ1は、この印刷データを受信バッファ130に記憶させる。続いて、画像処理部140は、印刷データに基づいて印字データを生成する(S42)。生成された印字データは、出力バッファ150に記憶される(S43)。出力バッファ150には、複数の主走査分、即ち複数パス分の印字データを記憶させることができる。
例えば、”改行”等の印字起動を発生させるコマンドが検出されると、出力バッファ150からプリントヘッド230のヘッドバッファに向けて、1パス分の印字データが転送される(S44)。プリントヘッド230は、ヘッドバッファに格納された印字データに基づいて、各ノズルから所定量のインク滴を吐出させながら印刷用紙上を移動することにより、主走査を行う(S45)。
主走査が完了すると、プリンタ1は、次行への印刷に備えて、印刷用紙を所定量だけ紙送りさせる(S46)。印刷が完了するまでの間、S41〜S46の処理が繰り返して実行される(S47:NO)。そして、印刷が完了すると(S47:YES)、プリンタ1は、印刷処理を終了する。
以上が通常の印刷処理の動作である。次に、ロール紙10への印字を禁止する場合の処理について説明する。
プリンタ1は、印刷データを受信すると(S51:YES)、その印刷対象がロール紙10であるか否かを判定する(S52)。ロール紙10への印刷が指定されている場合(S52:YES)、プリンタ1は、ロール紙印字禁止フラグ115がセットされているか否か、即ち、ロール紙10への印字が禁止されているか否かを判定する(S53)。
ロール紙印字禁止フラグがセットされ、ロール紙10への印字が禁止されている場合(S53:禁止)、プリンタ1は、印字データが出力バッファ150に記憶されたか否かを判定する(S54)。印字データが出力バッファ150に記憶されると(S54:YES)、プリンタ1は、その印字データをダミーデータに上書きする(S55)。
これにより、出力バッファ150からプリントヘッド230のヘッドバッファには、本来の印字データに代えてダミーデータが転送される(S44)。ダミーデータは、プリントヘッド230からインク滴を吐出させないデータとして構成されている。従って、プリントヘッド230は、用紙送り方向と直交する方向に移動はするが、各ノズルからインク滴は吐出されない(S45)。これにより、そこに存在しないロール紙10に向けてインク滴が吐出されるのを防止することができる。
プリンタ1は、印刷が完了するまで(S56:NO)、S51〜S55の処理を繰り返し、ロール紙10へのインク滴吐出を禁止させる。印刷が完了した場合(S56:YES)、プリンタ1は印字動作が禁止されたことをホスト装置20に通知し(S57)、処理を終了する。
なお、ホスト装置20から受信した印刷データがスリップ紙11を印刷対象とする場合(S52:NO)、ロール紙印字禁止フラグ115がリセットされている場合(S53:許可)、プリンタ1は、通常の印刷処理を行う。
図11は、プリンタ1による複数の印刷モードを示す概略フローチャートである。上述のように、本実施例に係るプリンタ1は、少なくとも3つの印刷モードを備えることができる。ユーザは、ホスト装置20や操作パネル5、あるいは状態設定器170を介して、いずれか一つの印刷モードを選択することができる。
第1の印刷モードは、マルチステーションモードである。マルチステーションモードとは、ユーザの希望に応じて、ロール紙10及びスリップ11にそれぞれ印刷可能であるモードであり、通常の印刷モードである。
マルチステーションモードが選択された場合、ロール紙検出センサ180,181は有効状態に設定される(S61)。また、ロール紙印字禁止フラグ115はリセットされて、ロール紙10への印字が許可される(S62)。
従って、マルチステーションモードでは、通常のロール紙印刷及び通常のスリップ紙印刷をそれぞれ行うことができる(S63)。もしも、所定量以上のロール紙10がプリンタ1に装着されていない場合、ロール紙10への印刷は行われず、ホスト装置20や操作パネル5に印刷エラーが表示される。
第2の印刷モードは、スリッププリンタモードである。スリッププリンタモードとは、ロール紙10及びスリップ紙11への印刷が可能なプリンタ1を、スリップ紙専用プリンタであるかのように運用可能なモードである。
スリッププリンタモードが選択された場合、ロール紙検出センサ180,181は無効状態に設定される(S71)。また、ロール紙印字禁止フラグ115がセットされ、ロール紙10への印字(インク吐出)が事前に禁止される(S72)。
スリッププリンタモードでは、ロール紙10が正常にセットされているものとみなすため、ロール紙10の実際の状態に拘わらず、スリップ紙11へ通常の印刷を行うことができる(S73)。
スリッププリンタモードが選択されている場合において、ロール紙10を印刷対象とする印刷データが受信された場合、プリントヘッド230からインク滴を吐出させずに、キャリッジ240によってプリントヘッド230を往復移動させる(S73)。この空印刷動作により、ユーザに注意を喚起することができる。
セルフテストモード等のようなロール紙必須モードが選択された場合、ロール紙検出センサ180,181は強制的に有効状態に設定される(S81)。また、ロール紙印字禁止フラグ115はリセットされ、ロール紙10への印字が許可される(S82)。これにより、もしも実際にロール紙10が正常にセットされているのであれば、そのロール紙10へ印刷が行われる(S83)。実際にロール紙10がセットされていない場合、ロール紙10へ印刷を行うことができず、印刷エラーとなる(S83)。
本実施例は上述のように構成されるので、以下の効果を奏する。本実施例では、ロール紙検出センサ180,181を無効化し、実際の状況に拘わらずロール紙10が正常にセットされているものとみなす構成とした。従って、ロール紙10の存在が印刷実行条件にされている場合でも、ロール紙10をセットすることなく、スリップ紙11へ印刷することができ、使い勝手が向上する。
本実施例では、ロール紙検出センサ180,181が無効化されている場合に、ロール紙10を印刷対象とする印刷データを受信したときは、プリントヘッド230による印字動作を禁止する構成とした。従って、ロール紙10が存在するものとして誤ったロール紙印刷が行われるのを未然に防止することができ、プラテン260を汚したり、ヘッドを痛めたりすることがなく、信頼性が向上する。
本実施例では、ロール紙10への印字を禁止する場合、キャリッジ240によるプリントヘッド230の移動は許可し、プリントヘッド230からのインク吐出のみを禁止させる構成とした。従って、インク滴を吐出しないでプリントヘッド230が移動するという空印刷動作により、ユーザに異常を通知することができる。
本実施例では、ロール紙10への印字を禁止する場合、出力バッファ150からプリントヘッド230のヘッドバッファに転送させる印字データをダミーデータに置き換える構成とした。これにより、印字起動コマンドを一つ一つ検出して破棄する場合に比較して、より簡単な制御構造で、ロール紙10への印字を禁止させることができる。
本実施例では、ロール紙検出センサ180,181を無効化した場合、この旨をホスト装置20や操作パネル5に表示可能とした。従って、ユーザは、ロール紙検出センサ180,181が現在どのような状態に置かれているのかを簡単に確認できる。これにより、ロール紙10を対象とする誤った印刷が指示される可能性を低減することができる。
本実施例では、ロール紙検出センサ180,181が無効化されている場合において、ロール紙10の存在を必須の条件とするロール紙必須モードが選択されたときは、ロール紙検出センサ180,181を強制的に有効状態に設定する。従って、ロール紙必須モードが選択された場合は、実際のロール紙10の状況に応じて、印刷を行うか否かを判定することができ、使い勝手が向上する。
本実施例では、ロール紙10及びスリップ紙11への印刷がそれぞれ可能なマルチステーションモードと、スリップ紙11への印刷を行うスリッププリンタモードと、ロール紙必須モードとの複数種類の印刷モードを予め用意しており、これら各印刷モードに応じて、ロール紙検出センサ180,181の切替状態及びロール紙10への印字可否をそれぞれ設定可能な構成とした。従って、ユーザの希望に応じて印刷モードを選択し、選択された印刷モードを適切に実行することができる。
また、本実施例では、プリンタ1の内部でロール紙10への印刷可否等を判断するため、ホスト装置20の構成を殆ど変更する必要がない。
なお、上述した本発明の実施形態は、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本発明の要旨を逸脱することなく、他の様々な態様で本発明を実施できる。
1…プリンタ、2…本体、3…前カバー、4…後カバー、5…操作パネル、5A…第1色ランプ、5B…第2色ランプ、5C…ロール紙ランプ、5D…スリップ紙ランプ、6…ロール紙排出口、7…スリップ紙排出口、8…電源スイッチ、10…ロール紙、11…スリップ紙、20…ホスト装置、100…プリンタコントローラ、110…制御部、111…ロール紙必須モード検出部、112…センサ信号切替部、113…ロール紙監視部、114…印字禁止部、115…ロール紙印字禁止フラグ、120…通信インターフェース、130…受信バッファ、140…画像処理部、150…出力バッファ、160…プリントエンジン駆動部、170…状態設定器、180…ロール紙ニアエンド検出センサ、181…ロール紙エンド検出センサ、182…スリップ紙検出センサ、200…プリントエンジン、210,220…インクカートリッジ、211,221…インク供給路、230…プリントヘッド、240…キャリッジ、250…給紙ローラ、260…プラテン、270…排紙ローラ、280…カッタ
Claims (9)
- それぞれ種類の異なる第1印刷用紙と第2印刷用紙とのいずれか又は両方に印刷可能な印刷装置であって、
ホスト装置からの印刷データを受信する受信手段と、
前記受信された印刷データに基づいて印字データを生成する印字データ生成手段と、
前記生成された印字データを記憶する印字データ記憶手段と、
前記記憶された印字データに基づいて、印字を行う印字手段と、
前記第1印刷用紙が使用可能状態か否かを検出する第1印刷用紙検出手段と、
前記第1印刷用紙検出手段を無効化し、前記第1印刷用紙の状態を使用可能状態として出力させる用紙検出無効化手段と、
前記第1印刷用紙検出手段が無効化されている期間内に、前記第1印刷用紙を印刷対象とする印刷が指示された場合は、前記印字手段による印字動作を禁止する印字禁止手段と、を備えた印刷装置。 - 前記第1印刷用紙の状態が前記使用可能状態にある場合に、前記印字手段は、前記第2印刷用紙への印字を行うことができる請求項1に記載の印刷装置。
- 前記印字手段は、プリントヘッドの往復動作と紙送りとを交互に繰り返すことにより印字を行うシリアル型印字手段であって、前記印字禁止手段は、前記プリントヘッドの移動は許可し、前記プリントヘッドによる印字を禁止する請求項1に記載の印刷装置。
- 前記印字禁止手段は、前記第1印刷用紙を印刷対象として生成される印字データを、ダミーデータに置き換えることにより、前記プリントヘッドによる印字を禁止する請求項3に記載の印刷装置。
- 前記印刷禁止手段により印字動作が禁止された場合、この旨を前記ホスト装置に通知する請求項1に記載の印刷装置。
- 前記用紙検出無効化手段により前記第1印刷用紙検出手段が無効化されている期間内に、前記第1印刷用紙の存在を必須条件とする所定の印刷モードが指示された場合は、前記第1印刷用紙検出手段の無効化を解除し、前記第1印刷用紙検出手段からの検出信号を有効なものとして取り扱う請求項1に記載の印刷装置。
- 前記第1印刷用紙は連続紙であり、前記第2印刷用紙は単票紙である請求項1に記載の印刷装置。
- それぞれ種類の異なる第1印刷用紙と第2印刷用紙とのいずれか又は両方に印刷可能な印刷装置を制御する制御方法であって、
ホスト装置からの印刷データを受信する受信ステップと、
前記印刷データに基づいて印字データを生成する印字データ生成ステップと、
前記印字データを記憶するデータ記憶ステップと、
前記第2印刷用紙のみを使用する印刷モードが選択されている場合は、前記第1印刷用紙が使用可能状態であるか否かを検出する第1印刷用紙検出手段を無効化し、前記第1印刷用紙の状態を使用可能状態として出力させる無効化ステップと、
前記第1印刷用紙検出手段が無効化されている期間内に、前記第2印刷用紙を対象とする印刷データを前記ホスト装置から受信した場合は、この印刷データに基づいて印刷を行う第2印刷用紙印字ステップと、
前記第1印刷用紙検出手段が無効化されている期間内に、前記第1印刷用紙を対象とする印刷データを前記ホスト装置から受信した場合は、前記第1印刷用紙への印字動作を禁止する印字禁止ステップと、
を含む印刷装置の制御方法。 - 前記第1印刷用紙検出手段が無効化されている期間内に、前記第1印刷用紙の存在を必須条件とする所定の印刷モードが指示された場合は、前記第1印刷用紙検出手段の無効化を解除し、前記第1印刷用紙検出手段からの検出信号を有効なものとして取り扱う無効化解除ステップをさらに備えた請求項9に記載の印刷装置の制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005016587A JP2006205368A (ja) | 2005-01-25 | 2005-01-25 | 印刷装置及び印刷装置の制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005016587A JP2006205368A (ja) | 2005-01-25 | 2005-01-25 | 印刷装置及び印刷装置の制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family
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JP2005016587A Pending JP2006205368A (ja) | 2005-01-25 | 2005-01-25 | 印刷装置及び印刷装置の制御方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2006205368A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015137168A (ja) * | 2014-01-23 | 2015-07-30 | 東芝テック株式会社 | プリンタ装置 |
JP2017174299A (ja) * | 2016-03-25 | 2017-09-28 | ブラザー工業株式会社 | 印刷制御プログラムおよび印刷制御装置 |
-
2005
- 2005-01-25 JP JP2005016587A patent/JP2006205368A/ja active Pending
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