以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。本実施の形態は、プリンタ機能とコピー機能とスキャナ機能とファクシミリ機能と電話機能等を備えた多機能装置1に本発明を適用した場合の一例である。図1は、多機能装置1の斜視図である。この多機能装置1は、プリンタ機能、コピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能、電話機能等を備えたものであり、図1に示すように、後端部に給紙装置2が設けられ、給紙装置2の下部前側にインクジェット式のプリンタ3が設けられ、プリンタ3の上側にコピー機能及びファクシミリ機能の為の読み取り装置4が設けられている。また、プリンタ3の前側には排紙トレイ5が設けられ、読み取り装置4の前端上面部には操作パネル6及び液晶パネル7が設けられている。
次に、図1及び図2を参照して、給紙装置2について説明する。図2は、給紙装置の縦断面図である。図2に示すように、給紙装置2は、記録媒体としての用紙Pを傾斜姿勢に保持する用紙保持部60と、用紙保持部60の底面側に設けられた左右1対のストッパ61と、ストッパ61の位置を上下に切り換えるストッパ位置切換機構62と、用紙保持部60に保持されている用紙Pを給紙する給紙ローラ63を含む給紙機構64と、ストッパ位置切換機構62及び給紙機構64を駆動する共通の給紙モータ65(図5参照)と、用紙保持部60に用紙Pがセットされているか否かを検知する用紙切れ検出スイッチ69(図4,図5参照)とを備えている。
そして、用紙保持部60は、プリンタケースと一体の傾斜壁部66を有し、その傾斜壁部66に拡張用紙ガイド板67が着脱自在に装着されている。また、傾斜壁部66には、図1に示すように用紙Pの左右両側端を保持するための用紙ガイド78,78が設けられており、何れか一方の用紙ガイド78が左右方向に動かされると、他方の用紙ガイド78がその動きに追従して反対方向に移動する。つまり、左右の用紙ガイド78,78が左右対称に動く構成となっており、このため、用紙Pは、そのサイズに関係なくその幅方向の中心線が常に一定の位置となるように用紙ガイド78,78によって保持される。
次に、図3及び図4を参照して、多機能装置1のプリンタ3について説明する。図3は、プリンタ3の内部構造を表す平面図であり、図4は、プリンタ3の主要構成要素の配置を示す模式図である。尚、図3においては下方向が、図4においては左方向が、本多機能装置1の前方側(排紙トレイ5側)に当たる。
図3及び図4に示すように、プリンタ3には、印字ヘッド10、印字ヘッド10を搭載したキャリッジ11、キャリッジ11を走査方向である左右方向へ移動自在にガイド支持するガイド機構12、キャリッジ11を左右方向へ移動させるキャリッジ移動機構13、給紙装置2で給紙された用紙Pを搬送する用紙搬送機構14、印字ヘッド10用のメンテナンス機構15などが設けられている。また、プリンタ3には、左右方向に長く上下幅が小さな直方体状のフレーム16が設けられ、このフレーム16には、前述したガイド機構12、キャリッジ移動機構13、用紙搬送機構14、メンテナンス機構15などが装着され、更に、このフレーム16の内部には、前述した印字ヘッド10及びキャリッジ11が左右方向へ移動可能に収容されている。
そして、フレーム16の後側板16a及び前側板16bには、図示しないが用紙導入口及び用紙排出口がそれぞれ形成されており、給紙装置2により給紙された用紙Pは、用紙導入口からフレーム16の内部に導入され、用紙搬送機構14により前方へ搬送されて用紙排出口からその前方の排紙トレイ5(図1参照)へ排出される。また、フレーム16の底面部には、複数のリブを有する黒色のプラテン17が装着され、フレーム16の内部において、プラテン17の上を移動する用紙Pに印字ヘッド10による印字が実行される。
この印字ヘッド10には、4組のインクノズル群10a〜10dが下方に向けて設けられ、これらインクノズル群10a〜10dから4色(ブラック、シアン、イエロー、マゼンダ)のインクを下側に噴射して用紙Pに印字可能となっている。尚、4組のインクノズル群10a〜10dは、印字ヘッド10の下側に設けられるため、図3では、透過した位置に点線で表している。フレーム16の前側には、4色のインクカートリッジ21a〜21dが装着されたカートリッジ装着部20が設けられており、この4色のインクカートリッジ21a〜21dは、フレーム16の内部を通る4本の可撓性のインクチューブ22a〜22dを介して印字ヘッド10に接続され、4色のインクが印字ヘッド10に供給される。
また、フレーム16の内部には、左右2本のFPC23,24(フレキシブル・プリント・サーキット)が配設され、左側のFPC23は前述した2本のインクチューブ22a,22bと一体的に印字ヘッド10に延びて接続され、右側のFPC24は前述した2本のインクチューブ22c,22dと一体的に印字ヘッド10に延びて接続されている。そして、FPC23,24には、後述する制御装置70(図5参照)と印字ヘッド10とを電気的に接続する複数の信号線が配線されている。
一方、ガイド機構12は、フレーム16内の後部において左右方向向き配設されて左右両端部がフレーム16の左側板16c及び右側板16dのそれぞれに連結されたガイド軸25と、フレーム16内の前部に形成された左右方向向きのガイドレール26とを有しており、キャリッジ11の後端部がガイド軸25に摺動自在に外嵌され、キャリッジ11の前端部がガイドレール26に摺動自在に係合している。
また、キャリッジ移動機構13は、フレーム16の後側板16aの右端部後側に前向きに取り付けられたキャリッジモータ30、キャリッジモータ30で回転駆動される駆動プーリ31、後側板16aの左端部に回動自在に支持された従動プーリ32、これらプーリ31,32に掛けられてキャリッジ11に固定されたベルト33などで構成されている。また、キャリッジモータ30の近傍には、キャリッジ11(印字ヘッド10)の移動量を検出するためのキャリッジ送り用エンコーダ39が設けられている。
用紙搬送機構14は、フレーム16の左側板16cのうち後側板16aよりも後側に張り出した部分に左向きに取り付けられた用紙搬送モータ40と、フレーム16の内部のガイド軸25の下側に左右方向向きに配設されて左右両端部が左側板16c及び右側板16dに回動自在に支持されたレジストローラ41と、用紙搬送モータ40で回転駆動される駆動プーリ42と、レジストローラ41の左端部に連結された従動プーリ43と、プーリ42,43に掛けられたベルト44とを有し、用紙搬送モータ40が駆動されると、レジストローラ41が回転して用紙Pを前後方向に搬送可能になる。尚、図3では、レジストローラ41が強調して記載されているが、実際にはガイド軸25の下方にレジストローラ41が配置されている。
そして更に、用紙搬送機構14は、フレーム16の内部の前側に左右方向向きに配設されて左右両端部が左側板16c及び右側板16dに回動自在に支持された排紙ローラ45と、従動プーリ43に一体的に設けられた従動プーリ46と、排紙ローラ45の左端部に連結された従動プーリ47と、従動プーリ46,47に掛けられたベルト48とを有し、用紙搬送モータ40が駆動されると、排紙ローラ45が回転して用紙Pを前方の排紙トレイ5側へ排出可能になる。また、従動プーリ43には、エンコーダディスク51が固定されており、このエンコーダディスク51を挟むように発光部と受光部とを有するフォトインタラプタ52が左側板16cに取り付けられている。この用紙搬送用エンコーダ50(フォトインタラプタ52)からの検出信号に基づいて、後述する制御装置70により用紙搬送モータ40が駆動制御される。
また更に、メンテナンス機構15は、印字ヘッド10のヘッド面を拭き取るワイパ15aと、4組インクノズル群10a〜10dを2組ずつ密閉可能な2つのキャップ15bと、ワイパ15aとキャップ15bをそれぞれ駆動する共通の駆動モータ15cを有し、これらワイパ15aとキャップ15bと駆動モータ15c等が取付板15dに取り付けられ、この取付板15dがフレーム16の底板の右部に下面側から固定されている。尚、キャップ15bは、印字ヘッド10の下側に設けられるため、図3では、透過した位置に点線で表している。
さらに、印字ヘッド10の左側へ張り出したセンサ取付部10eには、用紙Pの先端部、幅方向における端縁等を検出可能なセンサとしてのメディアセンサ68が取り付けられている。このメディアセンサ68は、発光素子(本実施形態では発光ダイオード)と受光素子(本実施形態ではフォトトランジスタ)とを有した光学式センサ(反射型センサ)であり、発光素子を発光させた際の検出対象箇所からの反射光を受光素子で受光する。尚、メディアセンサ68は、できれば、印字ヘッド10の少なくともインクノズル群10a〜10dよりも用紙搬送方向の上流側に取り付けられることが望ましい。すなわち、図3,図4に示す例では、メディアセンサ68によって用紙Pの先端部等を検出してから印字動作を開始するときに、例えば、用紙Pの先端側端縁に余白無しで印字しなければならない場合には、一旦、用紙Pを戻してから印字を開始する必要があるが、図10に変形例として示すように、印字ヘッド10の少なくともインクノズル群10a〜10dよりも用紙搬送方向の上流側(図10では右側)にメディアセンサ68が取り付けられていれば、検出後に用紙Pを戻す動作が不要となり、すみやかに印字動作を開始することが可能となる。
次に、多機能装置1の特にプリンタ3に係わる電気的構成について、図5を用いて説明する。図5は、多機能装置1の電気的構成を示すブロック図である。図5に示すように、多機能装置1の制御装置70は、多機能装置1の制御を司るCPU71、CPU71の動作を制御するための制御プログラム等を記憶したROM72、データを一時的に記憶するRAM73及びEEPROM74、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)10が、バス89を介して接続されて構成されている。そして、ASIC10には、プリンタ3、画像読み取り装置4、給紙装置2、前記操作パネル部6及び液晶パネル7に対するパネルインターフェイス81、外部のパーソナルコンピュータ(以下、PCという。)77等と画像情報の入出力を行なうためのUSBインターフェイス83、外部のファクシミリと一般公衆回線を介して情報を伝達するためのネットワーク制御装置(NCU)85やモデム84が接続されている。尚、RAM73には、印刷のモードに関する情報が記憶されるモード情報記憶エリア731、及び、優先モードに関する情報が記憶される優先モード情報記憶エリア732が設けられている。
また、この制御装置70は、印刷装置3を構成するメディアセンサ68、用紙搬送用エンコーダ50、用紙切れ検出スイッチ69、キャリッジ送り用エンコーダ39と電気的に接続されている。そして更に、制御装置70は、給紙モータ65、用紙搬送モータ40、キャリッジモータ30をそれぞれ駆動する為の駆動回路76a〜76cと、印字ヘッド10を駆動する為の印字駆動回路76dと電気的に接続されている。
また、制御装置70は、PC77と通信可能に接続されており、PC77からの印刷命令に従い、この印刷命令と共に送られてくる印刷データの表わす画像を用紙Pに印刷するための周知の印刷処理を行う。尚、PC77から送られてくる印刷命令には、画像を印刷する用紙サイズ(A4,B5等)に関する情報が含まれている。また、多機能装置1はファクシミリ機能も有しており、プリンタ3で受信したファクシミリデータに含まれている印刷データの印刷処理も行われる。尚、ファクシミリデータにも用紙サイズに関する情報が含まれており、通常、ファクシミリデータとして送受信される用紙サイズはA4サイズ以上となっている。
本実施の形態の多機能装置1では、印刷データの表わす画像と用紙Pとを正確に位置合わせするため、メディアセンサ68により用紙Pが印刷可能位置まで搬送されているか否かの検出(用紙有無の検出)、及び、搬送された用紙Pのサイズが印刷データの示す用紙サイズの用紙幅であるか否か(用紙幅の検出)の検出が行われる。位置合わせが正確に成されないと、用紙Pに全ての画像が印刷されないというトラブルが発生する。また、用紙Pの存在しない位置にインクが吐出されるため、プラテン17がインクで汚れてしまい、その後搬送された用紙Pの裏面が汚れてしまうというトラブルも発生する。さらには、求める画像でない画像が印刷されたことによりその画像を印刷しなおすため、インクの使用量も倍となり、インクの消費がかさむという問題点もある。そこで、用紙有無の検出及び用紙幅の検出が必要となる。
図1に示すように、本実施の形態の多機能装置1では、拡張用紙ガイド板67に用紙Pがセットされる。そして、用紙ガイド78,78により幅方向の中心線が常に一定の位置となるように用紙Pが保持される。したがって、用紙Pが印刷可能位置まで搬送された場合には、用紙Pのサイズに関係なく中心線には必ず用紙Pが存在することになる。そこで、用紙有無の検出を行う際には、検出対象箇所は、メディアセンサ68を搭載したキャリッジ11をガイドレール26の中央に移動させた位置となる。また、用紙幅の検出を行う際には、検出対象箇所は用紙サイズの用紙Pの端部位置となる。
検出対象箇所に用紙Pが存在するか否かの判断は、次の(1)〜(3)の手順で行われる。
(1):発光素子を一定の発光量で発光させる。正確には、発光素子に一定の電流値(以下、紙端検出用電流値という。)で通電する。
(2):(1)の条件で発光素子を発光させている状態での受光素子の受光量を検出する。正確には、受光素子の出力値(本実施形態では電圧値)を検出する。
(3):(2)で検出した受光素子の出力値が、一定の閾値(以下、紙端検出用閾値という。)を超えていれば検出対象箇所に用紙Pが存在していると判断し、超えていなければ用紙Pが存在していないと判断する。
このような判断条件で用紙Pの存在の有無を判断することができるのは、検出対象箇所に用紙Pが存在していない状態(即ち、黒色のプラテン17が存在している状態)では受光素子の出力値が0に近い値となるが、検出対象箇所に用紙P(一般に白色)が存在している状態では受光素子の出力値が大きくなるからである。
このようなメディアセンサ68による用紙検出には、キャリッジ11を移動させる時間が係るため、用紙検出を行わない場合に比べると、印刷動作に係る時間(印刷時間)が長くなる。特に、ページ換え毎に用紙検出を行った場合には、ページ数に比例して印刷時間が長くなってしまう。そこで、本実施の形態の多機能装置1では印刷時間を短縮するために、印刷データの解像度に基づいて、用紙検出の実施不実施を決定する。本実施の形態の多機能装置1に接続しているPC77では、ドラフト印刷(解像度「600*150」又は「600*300」)、ノーマル印刷(解像度「600*600」又は「750*750」)、ファイン印刷(解像度「1200*1200」)、スーパーファイン印刷(解像度「1200*2400」又は「1200*6000」)の4種類の印刷種類の指定が可能である。
そこで、多機能装置1では、解像度によりA,B,C,Dの4つのモードに印刷データを分類し、モードに用紙検出の頻度が決定される。モードAであれば全く用紙検出を行わずに印刷を実行する。このモードAは、印刷時間を優先させる場合や、仮に用紙Pが搬送されていなかったり、異なるサイズの用紙Pが搬送されたりした場合であっても、被害が少ない場合に選択される。本実施の形態では、解像度が「600*300」以下であればモードAとされ、解像度が「750*750」以下であればモードBとされ、解像度が「1200*1200」以下であればモードCとされ、解像度が「1200*1200」より高ければモードDとされる。
よって、ドラフト印刷時、即ち解像度が「600*150」又は「600*300」の場合にモードAが選択される。また、モードBであれば用紙有無の検出のみが行われる。このモードBでは用紙幅検出は行われないので、その分印刷時間が短縮されるが、用紙有無検出は行われるので、印刷本実施の形態では、ノーマル印刷時、即ち解像度が「600*600」又は「750*750」の場合にモードBが選択される。また、モードCであれば1ページ目のみ用紙有無検出及び用紙幅検出が行われ、2ページ目以降は、用紙幅検知は行われず、用紙有無検知のみが行われる。ただし、途中で用紙切れとなった場合には、新しい用紙がセットされた場合には、最初のページのみ用紙幅の検知も行われる。本実施の形態では、ファイン印刷時、即ち解像度が「1200*1200」の場合にモードCが選択される。また、モードDであれば必ず用紙有無検出も用紙幅検出も行われる。本実施の形態では、スーパーファイン印刷、即ち解像度が「1200*2400」又は「1200*6000」の場合にモードDが選択される。尚、ファクシミリデータは、印刷後に印刷データが削除されてしまうので、必ず用紙幅検出及び用紙有無検出を行う必要があり、モードDが選択される。また、上記いずれの解像度にも一致しない場合にもこのモードDが選択される。尚、いずれのモードが選択されているかの情報は、RAM73に設けられているモード情報記憶エリア731に記憶される。尚、本実施の形態では、モードAであれば「1」、モードBであれば「2」、モードCであれば「3」、モードDであれば「4」が記憶される。
また、操作パネル6においては、プリンタ機能、コピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能、電話機能等に対して種々の設定を行うことができる。例えば、液晶パネル7に表示されるメニュー画面(図示外)において「印刷」、「コピー」、「スキャナ」、「ファクシミリ」、「電話」の5つの選択メニューを設け、それぞれが選択された際に表示される画面において、項目を選択したり、値を入力したりすることにより、ファクシミリ機能や電話機能で使用する電話番号登録、ファクシミリ機能における送信画像の画像レベル(解像度)の指定、スキャナ機能の画像読取レベル(解像度)の指定、コピー機能の拡大縮小指定や部数指定等を行うことができる。尚、項目の選択や値の入力は操作パネル6に設けられている種々のキーを操作することにより行われる。
本実施の形態の多機能装置1では、操作パネル6において「印刷時間優先モード」又は「印刷品質優先モード」を選択することが可能である。例えば、メニュー画面において「印刷」が選択された際に表示される印刷メニュー画面(図示外)において、「印刷モード」という選択項目を表示する。そして、「印刷モード」が選択されたら、印刷モード選択メニュー画面(図示外)を表示し、選択項目として「印刷時間優先モード」及び「印刷品質優先モード」を表示する。そして、RAM73に設けられている優先モード情報記憶エリア732に選択されたモードの識別コードが記憶される。尚、本実施の形態では、「印刷時間優先モード」であれば「1」、「印刷品質優先モード」であれば「2」、どちらのモードも選択されていなければ「0」が記憶される。
ここで、図6乃至図8のフローチャートを参照して、具体的な制御について説明する。図6は、印刷処理のフローチャートであり、図7は、図6の印刷処理の続きのフローチャートであり、図8は、印刷処理の中で行われるモード決定処理のフローチャートである。本印刷処理では、カットフラグというフラグが使用される。このカットフラグは、給紙装置2にセットされている用紙Pのサイズが、印刷データにより指定されているサイズよりも小さい場合に、セット用紙Pからはみ出て印刷されてしまう画像をカットして印刷する際に「1」が記憶されて「ON」とされる。また、印刷指示を受けた時点で初期値として「0」が記憶されて「OFF」とされている。
図6に示すように、印刷指示を受け付けたら(S1:YES)、モード決定処理が行われる(S2)。モード決定処理では、図8に示すように、まず印刷データがファクシミリデータであるか否かの判断が行われる(S30)。ファクシミリデータである場合には(S30:YES)、必ず用紙有無検出も用紙幅検出も行われるので、モード情報記憶エリア731に「4」が記憶されてモードDとされ(S44)、印刷処理へ戻る。ファクシミリデータでなければ(S30:NO)、次いで、印刷モードが設定されているか否かの判断が行われ(S31、S32)、設定されている印刷モードに従ってモードが設定される。優先モード情報記憶エリア732に記憶されている値が「1」であり「時間優先モード」が選択されていれば(S31:YES)、用紙有無検出も用紙幅検出も行わずに印刷時間が短くなるように、モード情報記憶エリア731に「1」が記憶されてモードAとされ(S41)、印刷処理へ戻る。また、優先モード情報記憶エリア732に記憶されている値が「2」であり「品質優先モード」が選択されていれば(S32:YES)、用紙有無検出も用紙幅検出も行うように、モード情報記憶エリア731に「4」が記憶されてモードDとされ(S44)、印刷処理へ戻る。
また、印刷モードの設定が成されていなければ(S31:NO,S32:NO)、印刷データから解像度の情報が取得され(S33)、解像度に基づいてモードが決定される(S34〜S44)。解像度が「600*300」以下であれば(S35:YES)、モード情報記憶エリア731に「1」が記憶されてモードAとされ(S41)、解像度が「750*750」以下であれば(S37:YES)、モード情報記憶エリア731に「2」が記憶されてモードBとされ(S42)、解像度が「1200*1200」以下であれば(S38:YES)、モード情報記憶エリア731に「3」が記憶されてモードCとされ(S43)、解像度が「1200*1200」より高ければ(S38:NO)、モード情報記憶エリア731に「4」が記憶されてモードDとされる(S44)。そして、印刷処理へ戻る。
次いで、図6に示すように、印刷を行うために用紙搬送機構14により用紙Pを印字可能位置まで搬送する用紙搬送処理が行われる(S3)。ここからは、モードA,モードB,モードC,モードD毎に説明する。まずモードAである場合について説明する。モードAの場合にはモード情報記憶エリア731には「1」が記憶されている。
モード情報記憶エリア731の値が「1」であり、モードAであるので(S4:YES)、用紙有無検出は行われない。次いで、図7に示すS11において、モード情報記憶エリア731の値が「1」であり、モードAであるので(S11:YES)、用紙幅検出は行われないので、そのまま1ページ分のデータの印刷が実行される(S23)。そして、次に印刷するページがあるか否かの判断が行われ(S24)、次に印刷するページがあれば(S24:YES)、図6に示すS3へ戻り、次のページの用紙Pの搬送処理が行われる(S3)。そして、次ページについても用紙有無検出も用紙幅検出も行われずに(S4:YES,S11:YES)、1ページ分のデータの印刷が実行される(S23)。これらの処理が繰り返され、全てのページの印刷が行われたら(S24:NO)、印刷処理は終了する。
次に、モードBの場合について説明する。モードBの場合にはモード情報記憶エリア731には「2」が記憶されている。
モード情報記憶エリア731には「2」が記憶されており、モードAでないので(S4:NO)、用紙有無検出が行われる。そこで、メディアセンサ68を用紙サイズにかかわらず用紙Pの有無が検出可能となる位置、すなわち、ガイドレール26の中央まで移動させてその位置に用紙Pが存在するか否かの検出が行われる(S5)。そして、メディアセンサ68の出力値が紙端検出用閾値を超えており、検出結果が「OK」である場合には(S6:YES)、用紙Pが存在するので、S11へ進む。尚、メディアセンサ68の出力値が紙端検出用閾値を超えておらず、検出結果が「OK」でない場合には(S6:NO)、用紙Pの給紙動作が実行されたのにもかかわらず用紙Pが存在しないので、印刷を正常に行うことができない。そこで、液晶パネル7へエラーメッセージを表示したり、操作パネル6に設けられているエラーランプを点滅させたりしてエラー処理が行われ(S7)、印刷処理が終了される。
尚、メディアセンサ68によって用紙Pの有無を検出する方法としては、用紙Pの先端部(用紙搬送方向の下流側の端部)をメディアセンサ68によって検出可能な位置まで用紙Pを搬送してから、メディアセンサ68を用紙搬送経路に面する位置まで移動させて、当該位置で用紙Pの存在が確認されれば、給紙動作が正常に行われたものと判断し、用紙Pの存在が確認されなければ、給紙動作が正常に行われなかったものと判断するようにしてもよいが、他の方法として、例えば、給紙動作を開始する前に、予めメディアセンサ68を用紙搬送経路に面する位置まで移動させておくか、若しくは、給紙動作が開始されたとしても用紙Pがメディアセンサ68によって検出可能な位置に搬送されてくるまでに、メディアセンサ68を用紙搬送経路に面する位置まで移動させて、少なくとも給紙動作が終了した時点で用紙Pの存在が確認されれば、給紙動作が正常に行われたものと判断し、給紙動作が完了したにもかかわらずメディアセンサ68によって用紙Pの存在が確認されなければ、給紙動作が正常に行われなかったものと判断するようにしてもよい。
また、用紙Pの存在が確認された場合(S6:YES)、モード情報記憶エリア731には「2」が記憶されており、モードBであるので(S11:YES)、用紙幅検出は行われないので、そのまま1ページ分のデータの印刷が実行される(S23)。次いで、モードAの場合と同様に、次に印刷するページがあるか否かの判断が行われ(S24)、次に印刷するページがあれば(S24:YES)、図6に示すS3へ戻り、次のページの用紙Pの搬送処理が行われる(S3)。そして、次ページについても、用紙有無検出が行われて(S4:NO,S5,S6)、1ページ分のデータの印刷が実行される(S23)。これらの処理が繰り返され、全てのページの印刷が行われたら(S24:NO)、印刷処理は終了する。
次に、モードCの場合について説明する。モードCの場合にはモード情報記憶エリア731には「3」が記憶されている。
モード情報記憶エリア731には「3」が記憶されており、モードAでないので(S4:NO)、用紙有無検出が行われる。そこで、メディアセンサ68をガイドレール26の中央まで移動させてその位置に用紙が存在するか否かの検出が行われる(S5)。そして、メディアセンサ68の出力値が紙端検出用閾値を超えており、検出結果が「OK」である場合には(S6:YES)、用紙Pが存在するので、S11へ進む。尚、メディアセンサ68の出力値が紙端検出用閾値を超えておらず、検出結果が「OK」でない場合には(S6:NO)、用紙Pが存在しないので、印刷を正常に行うことができない。そこで、液晶パネル7へエラーメッセージを表示したり、操作パネル6に設けられているエラーランプを点滅させたりしてエラー処理が行われ(S7)、印刷処理が終了される。
また、モード情報記憶エリア731には「3」が記憶されており、モードAでもモードBでもなく(S11:NO)、モードCであるので(S12:YES)、1ページ目は用紙幅検出が行われる。そこで、1ページ目のデータを印刷しようとしているか否かの判断が行われる(S13)。印刷データの有する情報が1ページ目を示していれば(S13:YES)、用紙搬送経路に面する位置よりも外側の位置にメディアセンサ68を移動させてから、用紙搬送経路を横切るようにメディアセンサ68を移動させて、用紙幅の検出が行われる(S15)。すなわち、メディアセンサ68の出力値が用紙幅に対応する区間の間は紙端検出用閾値を超えるということに基づいて用紙幅が検出され、その検出結果が「OK」である(用紙Pの幅が印刷データが指定する用紙サイズの幅以上である)場合には(S16:YES)、1ページ分のデータの印刷が実行される(S23)。
次いで、次に印刷するページがあるか否かの判断が行われ(S24)、次に印刷するページがあれば(S24:YES)、図6に示すS3へ戻り、次の2ページ目の用紙Pの搬送処理が行われる(S3)。そして、用紙有無検出は行われるが(S4:NO,S5,S6)、1ページ目のデータでないので(S11:NO,S12:YES,S13:NO)、用紙幅検出は行われない。1ページ目において用紙幅は正しく、カットフラグは「OFF」のままであるので(S21:YES)、1ページ分のデータの印刷が実行される(S23)。これらの処理が繰り返され、全てのページの印刷が行われたら(S24:NO)、印刷処理は終了する。
尚、モードCである場合に、1ページ目の用紙幅検出をした際に、メディアセンサ68の出力値に基づいて判断された用紙幅の検出結果が「OK」でない(印刷データが指定する用紙サイズの用紙幅よりもセットされている用紙Pの幅が小さい)場合には(S16:NO)、モードCにおいてファクシミリデータであるということはないので(S17:NO)、セットされている用紙Pからはみ出る画像はカットされ、用紙Pに収まる範囲内の画像のみが印刷されることを示すためにカットフラグに「1」が記憶されて「ON」とされる(S18)。そして、印刷データの印刷しようとしているページのデータが、検出された用紙幅に合わせてはみ出ている部分をカットしたカット画像のデータに加工される(S20)。そして、1ページ分のカット画像の印刷が実行される(S23)。
次いで、次に印刷するページがあるか否かの判断が行われ(S24)、次に印刷するページがあれば(S24:YES)、図6に示すS3へ戻り、次のページの用紙Pの搬送処理が行われる(S3)。2ページ目以降では、モード情報記憶エリア731は「3」でモードCであるので(S4:NO,S6:YES,S11:NO,S12:YES,S13:NO)、一旦用紙切れとなったか否かの判断が行われる(S14)。2ページ目以降であっても用紙切れとなり新しい用紙Pがセットされた際には(S14:YES)、用紙幅検知についての処理が行われる(S15〜S20)。尚、用紙切れとなったか否かの判断は、用紙切れフラグに「1」が記憶されて「ON」となっているか、「0」が記憶されて「OFF」となっているかにより行われるが、この用紙切れフラグは用紙切れ検出スイッチ69を監視している本印刷処理とは別のプログラムによりON−OFFされている。
用紙切れとなっていなければ(S14:NO)、用紙幅検出は行われないので印刷が実行されるが、1ページ目において用紙幅が指定用紙サイズの用紙幅よりも小さかった場合には、本ページもはみ出している部分をカットする必要があるので、カットフラグが「OFF」でなければ(S21:NO)、はみ出ている部分をカットしたカット画像のデータに加工され(S22)、1ページ分のカット画像の印刷が実行される(S23)。カットフラグが「OFF」であれば(S21:YES)、データを加工する必要はないのでそのまま1ページ分の印刷が実行される(S23)。そして、これらの処理が繰り返され、全てのページの印刷が行われたら(S24:NO)、印刷処理は終了する。
次に、モードDの場合について説明する。モードDの場合にはモード情報記憶エリア731には「4」が記憶されている。
モード情報記憶エリア731には「4」が記憶されており、モードAでないので(S4:NO)、用紙有無検出が行われる。そこで、メディアセンサ68をガイドレール26の中央まで移動させてその位置に用紙が存在するか否かの検出が行われる(S5)。そして、メディアセンサ68の出力値が紙端検出用閾値を超えており、検出結果が「OK」である場合には(S6:YES)、用紙Pが存在するので、S11へ進む。また、メディアセンサ68の出力値が紙端検出用閾値を超えておらず、検出結果が「OK」でない場合には(S6:NO)、用紙Pが存在しないので、印刷を正常に行うことができない。そこで、液晶パネル7へエラーメッセージを表示したり、操作パネル6に設けられているエラーランプを点滅させたりしてエラー処理が行われ(S7)、印刷処理が終了される。
また、モード情報記憶エリア731には「4」が記憶されており、モードAでもモードBでもはなく(S11:NO)、モードCでもないので(S12:NO)、用紙幅の検出が行われる(S15)。そして、メディアセンサ68の出力値に基づいて判断される用紙幅の検出結果が「OK」である(用紙Pの幅が印刷データが指定する用紙サイズの幅以上である)場合には(S16:YES)、1ページ分のデータの印刷が実行される(S23)。
次いで、次に印刷するページがあるか否かの判断が行われ(S24)、次に印刷するページがあれば(S24:YES)、図6に示すS3へ戻り、次の2ページ目の用紙Pの搬送処理が行われる(S3)。そして、用紙有無検出が行われ(S4:NO,S5,S6)、用紙幅検出も行われ(S11:NO,S12:NO,S15)、用紙幅検出の結果が「OK」であれば(S16:YES)、1ページ分のデータの印刷が実行される(S23)。これらの処理が繰り返され、全てのページの印刷が行われたら(S24:NO)、印刷処理は終了する。
尚、用紙幅検出をした際に、メディアセンサ68の出力値に基づいて判断される用紙幅の検出結果が「OK」でない場合には(S16:NO)、ファクシミリデータでなければ(S17:NO)、カットフラグが「ON」とされ(S18)、印刷データの印刷しようとしているページのデータが、検出された用紙幅に合わせてはみ出ている部分をカットしたカット画像のデータに加工される(S20)。そして、1ページ分のカット画像の印刷が実行される(S23)。また、ファクシミリデータであれば(S17:YES)、液晶パネル7へ正しいサイズの用紙Pのセットを促すエラーメッセージを表示したり、操作パネル6に設けられているエラーランプを点滅させたりしてエラー処理が行われ(S7)、印刷処理が終了される。
ファクシミリデータは、用紙Pへの印刷処理が終了すると受信バッファメモリから消去されるようになっている。このため、用紙Pの搬送ミス等で用紙Pが正常に搬送されていない状態のままで印刷が行われ、プラテンに空打ちされてしまうと、無用な印刷処理が行われてプラテンが汚れてしまうだけでなく、ファクシミリデータの内容が用紙Pに出力されないまま、データが消去されてしまう。また、用紙Pが正常に搬送された場合であっても、セットされていた用紙サイズが誤っていて、用紙幅が小さいときには、用紙幅に合わせて画像をカットして印刷したとしてもファクシミリデータの一部が削られて出力されることになるので、ファクシミリデータの内容を充分に認識することができない。したがって、ファクシミリデータを印刷する場合には、上述の如くモードDに設定されて必ず用紙Pの有無の検出と用紙幅の検出とが実施され、その両方が満足された場合にのみ印刷処理を行うようにしているので、用紙Pへの適正な印刷処理がなされないままファクシミリデータが失われてしまうことがない。
以上のようにして、解像度等に基づいて用紙Pの検出の頻度の異なるモードが決定されて、印刷が実行される。尚、メディアセンサ68が「検出手段」に該当し、用紙切れ検出スイッチ69が「供給媒体検出手段」に該当し、給紙装置2が「被印刷媒体供給手段」に該当する。液晶パネル7に表示される印刷モード選択メニュー画面が「第1印刷品質優先モード選択手段」、「第1印刷時間優先モード選択手段」、「第3印刷品質優先モード選択手段」に相当する。図6に示す印刷処理のS5の処理を実施するCPU71が「有無検出制御手段」に相当し、S4の処理を実施するCPU71が「第1有無検出判断手段」及び「第3有無検出判断手段」に相当する。また、図7に示す印刷処理のS23の処理を実施するCPU71が「印刷制御手段」に相当し、S15の処理を実施するCPU71が「幅検出制御手段」に相当し、S11,S12の処理を実施するCPU71が「第1幅検出判断手段」及び「第3幅検出判断手段」に相当し、S13の処理を実施するCPU71が「ページ数取得手段」に相当する。図8に示すモード決定処理のS33の処理を実施するCPU71が「解像度取得手段」に相当し、S35〜S44の処理を実施するCPU71が「第1モード選択手段」に相当する。
尚、本発明のシリアルプリンタは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。上記実施の形態では、ファクシミリ機能を有した多機能装置1のインクジェット式のプリンタ3を例に挙げたが、シリアルプリンタは、このようなファクシミリ機能を有した多機能装置のプリンタでなくてもよく、プリンタのみの機能を有する装置であってもよいことは言うまでもない。尚、ファクシミリ機能を有していない場合には、図7に示す印刷処理のS17の判断処理は行う必要がない。また、シリアルプリンタはプリンタ3のようなインクジェット式シリアルプリンタでなく、ドットインパクト式シリアルプリンタや熱転写式シリアルプリンタであってもよい。
また、上記実施の形態では、解像度が「600*300」以下であればモードAとされ、解像度が「750*750」以下であればモードBとされ、解像度が「1200*1200」以下であればモードCとされ、解像度が「1200*1200」より高ければモードDとされたが、基準となる解像度は一例であり、この解像度に限らないことは言うまでもない。また、モードはA,B,C,Dの4つのモードであったが、この中の少なくとも3つのモードのみであってもよい。
また、上記実施の形態では、用紙Pは中央寄せでセットされているので、用紙有無検出を行う際にメディアセンサ68をガイドレール26の中央まで移動させた位置で用紙Pの検出を行ったが、用紙有無検出を行う位置はこの位置に限らない。用紙Pを左端又は右端に寄せてセットするようなプリンタでは、メディアセンサ68を左端又は右端に移動させた位置で用紙Pの検出を行えばよい。
また、上記実施の形態では、解像度に基づいてモードが決定されたが、シリアルプリンタがインクジェット式シリアルプリンタである場合には、インク液適量に基づいてモードを決定してもよい。図9は、本発明のインクジェット式シリアルプリンタに対して印刷指示を行うPC77において、印刷データをインクジェット式シリアルプリンタに送信する前に実施されるPC側モード決定処理のフローチャートである。図9に示すように、時間優先モードが選択されていれば(S71:YES)、モードAとされ(S81)、品質優先モードが選択されていれば(S72:YES)、モードDとされる(S84)。そして、印刷画像のインク液適量が算出される(S73)。具体的には、用紙Pの印刷可能領域全てにインクを吐出した状態(全面ベタ塗り)のインク液適量を100%として、印刷画像のインク液適量がどれくらいの割合になるかが算出される。そして、10%以下であれば(S74:YES)、モードAとされ(S81)、30%以下であれば(S75:YES)、モードBとされ(S82)、50%以下であれば(S76:YES)、モードCとされ(S83)、50%より高ければ(S76:NO)モードDとされる(S84)。そして、モードが決定されたら、決定されたモードを示す値が印刷データと共にインクジェット式シリアルプリンタに送信されて、インクジェット式シリアルプリンタでは、その値にしたがって用紙有無検出及び用紙幅検出の制御が行われることになる。尚、時間優先モード又は品質優先モードの指定は、PC77において、印刷指示についての印刷部数やページ指定等の詳細設定が行われる印刷画面(図示外)において、例えば、「時間優先モード」、「品質優先モード」、「モード指定無し」のラジオボタンが設けられており、それにより設定される。
そして、この場合には、印刷データを受信したインクジェット式シリアルプリンタでは、図6及び図7に示す印刷処理からS2のモード決定処理を除いた処理と同様の処理が行われて、インク液適量に基づいて決定されたモードに従って、用紙有無検出及び用紙幅検出の制御が行われる。尚、S73の処理を行うPC77のCPUが「インク液滴量算出手段」に相当し、同様にしてS74〜S84の処理を行うCPUが「第2モード選択手段」に相当し、印刷画面のラジオボタンが「第2印刷品質優先モード選択手段」及び「第2印刷時間優先モード選択手段」に該当する。また、図6の印刷処理のS4に該当する処理を行うインクジェット式シリアルプリンタのCPUが「第2有無検出判断手段」に相当し、図7の印刷処理のS15に該当する処理を実施するCPUが「第2幅検出判断手段」に相当する。