JP2022044443A - 印刷装置および制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録ヘッドの昇温と生産性の低下を防ぐ印刷装置および制御方法を提供する。【解決手段】印刷装置は、記録ヘッドからインク滴を吐出することにより画像を用紙に印刷する印刷手段と、前記印刷手段による印刷が行われている間、各インク色に対応する前記記録ヘッドの温度を取得する取得手段と、印刷データに基づいて画像を印刷する複数のジョブの実行順序を制御する制御手段とを備える。前記制御手段は、前記取得手段による取得の結果、いずれかのインク色に対応する前記記録ヘッドの温度が閾値を超えていると判定された場合、前記印刷データから取得されるインク吐出量に基づいて、前記閾値を超えていると判定された前記記録ヘッドのインク色のインク吐出量が少ない印刷データを対象とするジョブを優先して実行するよう後続のジョブの実行順序を変更する。【選択図】図3
Description
本発明は、記録ヘッドからインク滴を吐出することにより画像を印刷する印刷装置および制御方法に関する。
インク等の消費材の残量がある状態での取り替えによる廃棄量を抑制する目的で、インク残量とインク消費予測からジョブを入れ替え、インク廃棄量を抑制可能とする技術が記載されている(特許文献1)。
しかしながら、特許文献1では、記録ヘッドの昇温を回避するための構成について言及されていない。また、記録ヘッドが稼働上限温度に達した場合に搬送速度を低下させる技術が知られているが、生産性を低下させてしまうおそれがある。
本発明は、記録ヘッドの昇温と生産性の低下を防ぐ印刷装置および制御方法を提供することを目的とする。
本発明に係る印刷装置は、記録ヘッドからインク滴を吐出することにより画像を用紙に印刷する印刷手段と、前記印刷手段による印刷が行われている間、各インク色に対応する前記記録ヘッドの温度を取得する取得手段と、印刷データに基づいて画像を印刷する複数のジョブの実行順序を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記取得手段による取得の結果、いずれかのインク色に対応する前記記録ヘッドの温度が閾値を超えていると判定された場合、前記印刷データから取得されるインク吐出量に基づいて、前記閾値を超えていると判定された前記記録ヘッドのインク色のインク吐出量が少ない印刷データを対象とするジョブを優先して実行するよう後続のジョブの実行順序を変更することを特徴とする。
本発明によれば、記録ヘッドの昇温と生産性の低下を防ぐことができる。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
図1は、本実施形態における印刷システムの構成の一例を示す図である。本印刷システムは、印刷装置100と、印刷装置100を制御する情報処理装置110を含む。情報処理装置110は、PC等の一般的な情報処理装置であり、LAN等のネットワーク120を介して印刷装置100と相互に通信可能に接続されている。また、情報処理装置110は、印刷装置100に対応するプリンタドライバを有している。情報処理装置110は、印刷ジョブと印刷対象となる印刷データを印刷装置100に送信する。印刷データは、例えば、情報処理装置110が有するアプリケーションにより作成されたデータである。以下、情報処理装置110をPC110と呼ぶ。印刷装置100は、PC110から受信した印刷ジョブ及び印刷データに基づいて、用紙等の記録媒体に印刷を行う。印刷装置100は、記録ヘッドに設けられたノズルからインク滴を記録媒体に吐出することで画像の印刷を行うインクジェット記録方式を採用した印刷装置である。ネットワーク120は、有線通信ネットワークや無線通信ネットワーク、もしくはその両方を含み得る。また、印刷装置100とPC110は、ケーブル等でダイレクトに接続されていても良い。
印刷装置100の構成について説明する。印刷装置100は、CPU101、RAM102、通信部103、ROM104、印刷部105、搬送部106、画像処理部107、操作部108を含む。それらのブロックは、システムバス109を介して相互に通信可能に接続されている。CPU101は、印刷装置100を統括的に制御するプロセッサである。ROM104は、汎用的なROMであり、印刷装置100の基本プログラムや制御プログラム、データ等を記憶する。RAM102は、汎用的なRAMであり、例えば、CPU101のワーキングメモリとして機能する。本実施形態における印刷装置100の動作は、例えば、CPU101がROM104に記憶されたプログラムをRAM102に読み出して実行することにより実現される。ROM104には、本実施形態において用いられるデータやテーブルが記憶されている。
印刷部105は、インクジェット記録方式が採用された構成を有し、例えば、記録ヘッド、インク収納部、インク滴の吐出制御を行うための回路、記録ヘッドの温度を検知する温度センサを有する。また、記録ヘッドは、用紙の搬送方向と直交する方向に移動しながら吐出を行うシリアル型記録ヘッドと、用紙の搬送方向に対する幅領域に渡って構成されたライン型記録ヘッドとを含む。なお、本実施形態において用いられるインク色は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)とする。しかしながら、インク色は、それらに限られず、ライトシアン等、他の色を含むものであっても良い。
搬送部106は、用紙を記録ヘッドによる記録位置まで搬送させるための機構を有する。例えば、搬送部106は、用紙を収納する不図示の収納部や手差しトレイから用紙を給送路に給送するためのピックアップローラや、記録位置まで用紙を搬送させるための搬送ローラ等を有する。
通信部103は、PC110等の外部装置と通信を行うためのインタフェースであり、有線や無線等、通信媒体に対応した構成を有する。例えば、通信部103は、LANケーブルに対応した構成や、無線通信のためのアンテナを有する。通信部103により、印刷装置100は、外部装置とダイレクトに、もしくは、ネットワークを介して相互に通信可能に接続される。また、BluetoothやWifiのように、複数種類の通信が可能なように構成されても良い。
画像処理部107は、印刷対象のデータに対して各種の画像処理を実行する。例えば、印刷装置100でのインク色に対応した色空間への変換処理や、インク滴の吐出に対応したデータへの変換処理が実行される。また、画像処理部107は、画像データから各インク色ごとにインク吐出量を取得可能である。操作部108は、各種ユーザインタフェース画面を表示可能なパネルやハードキーを含み、ユーザからの各種操作を受付可能である。
印刷装置100は、図1に示すブロック構成に限られず、印刷装置100が実行可能な機能に対応したブロックを適宜含み得る。例えば、印刷装置100が多機能型プリンタ(MFP:MultiFunctional Printer)として構成される場合には、ファクス機能やスキャン機能に対応したブロックを含む。
図2は、本実施形態におけるジョブ制御を行うためのジョブ制御データのデータ構成の一例を示す図である。図2に示すデータ構成は、例えば、RAM102やROM104の記憶領域に構成される。また、ジョブ制御データ200は、例えばジョブキューとして構成されても良い。
ジョブ制御データ200は、データ201~210を含んでいる。データ201は、記録ヘッドが通常稼働可能な上限温度を示すデータである。データ202は、データ201が示す上限温度よりも所定分低く定められた閾値であり、警告範囲にある温度(警告温度)を示すデータである。データ203は、シアンに対応する記録ヘッドの現在の温度を示すデータである。データ204は、マゼンタに対応する記録ヘッドの現在の温度を示すデータである。データ205は、イエローに対応する記録ヘッドの現在の温度を示すデータである。データ206は、ブラックに対応する記録ヘッドの現在の温度を示すデータである。データ203~206には、印刷部105の記録ヘッドに対応するインク色分のデータが格納される。データ207は、データ203~206が示す温度のうち、最も高い温度を示すインク色の記録ヘッドを示すデータである。データ208は、現時点で処理対象となる印刷データである。データ209は、現在の用紙を搬送する速度を示すデータである。
データ210は、複数のデータ情報が格納されるデータ情報リストである。データ210には、データ情報1、データ情報2、・・・データ情報Xのように、データ211が表す個数分(例えばX個)のデータ情報(データ212)が格納される。データ情報1~Xのそれぞれは、各印刷ジョブに対応し、データ221~226を含む。データ221は、印刷部数を示すデータである。データ222は、印刷対象となる印刷データである。データ223~226は、データ222の印刷データから取得される各インク色に対応するインク吐出量を示すデータである。インク吐出量は、例えば、ドットカウントとして取得される。データ223は、シアンに対応するインク吐出量を示すデータである。データ224は、マゼンタに対応するインク吐出量を示すデータである。データ225は、イエローに対応するインク吐出量を示すデータである。データ226は、ブラックに対応するインク吐出量を示すデータである。
図3は、本実施形態におけるジョブの実行制御の処理を示すフローチャートである。図3の処理は、例えば、CPU101がROM104に記憶されたプログラムをRAM102に読み出して実行することにより実現される。また、図3の処理は、例えば、ユーザの指示によりジョブ制御データ200で指定されたジョブの実行が開始された際に実行される。以下では、ジョブ制御処理の一例として、5つの印刷ジョブの実行順序を制御する動作を説明する。ここで、5つのジョブとは、図4の画像401を印刷するジョブ、画像402を印刷するジョブ、画像403を印刷するジョブ、画像404を印刷するジョブ、画像405を印刷するジョブである。また、各ジョブは、対応する画像を複数部数、印刷するジョブである。画像401~405については、各インク色に対応したインク吐出量がドットカウントとして取得されている。即ち、本例では、ジョブ制御データのデータ212としてデータ情報1~5が格納されており、各データ情報には、ジョブ情報が以下のように格納されている。
ジョブ情報1のデータ221には、印刷部数として「30」が格納され、データ222には、画像401の印刷データが格納される。また、データ223~226には、インク吐出量として「C=15、M=15、Y=175、K=10」が格納される。
ジョブ情報2のデータ221には、印刷部数として「40」が格納され、データ222には、画像402の印刷データが格納される。また、データ223~226には、インク吐出量として「C=15、M=50、Y=120、K=10」が格納される。
ジョブ情報3のデータ221には、印刷部数として「50」が格納され、データ222には、画像403の印刷データが格納される。また、データ223~226には、インク吐出量として「C=150、M=50、Y=55、K=25」が格納される。
ジョブ情報4のデータ221には、印刷部数として「20」が格納され、データ222には、画像404の印刷データが格納される。また、データ223~226には、インク吐出量として「C=70、M=15、Y=50、K=10」が格納される。
ジョブ情報5のデータ221には、印刷部数として「20」が格納され、データ222には、画像405の印刷データが格納される。また、データ223~226には、インク吐出量として「C=15、M=150、Y=140、K=10」が格納される。なお、上記の各ジョブ情報のインク吐出量は、1部数分のインク吐出量とする。
S301において、CPU101は、5つのジョブの実行順序の入れ替えを許可するか否かを判定する。S301の判定は、例えば、ユーザインタフェース画面として表示された設定画面上で予め設定された内容に基づいて行われても良い。S301で入れ替えを許可しないと判定された場合、S308に進み、5つのジョブについて、通常の印刷を実行し、図3の処理を終了する。
図4は、S308の処理を説明するための図である。図4の横軸は時間経過を表し、縦軸は、記録ヘッドの温度を表す。即ち、図4のグラフは、各インク色に対応する記録ヘッドの温度上昇の変化を示している。また、図4に示すように、画像401、画像402、画像403、画像404、画像405の順序で印刷が実行される。まず、タイミング420で画像401の印刷が開始されると、画像401ではイエローのインク吐出量が多いので、シアン、マゼンタ及びブラックに比べると、イエローに対応する記録ヘッドの温度上昇の傾きが急となり、記録ヘッドの通常稼働可能な上限温度410間近まで上昇する。
そして、タイミング421で画像402の印刷が開始されると、画像402ではイエローのインク吐出量が多いので、イエローに対応する記録ヘッドの温度がさらに上昇し、タイミング422で上限温度410を超えてしまう。
記録ヘッドの温度が上限温度410を超えると、所定時間のインターバルが確保される。即ち、タイミング422~423の間、印刷の待機が行われる。イエローに対応する記録ヘッドの温度が上限温度410より低下すると、印刷が再開される。タイミング423では、画像403の印刷が開始される。
タイミング423で画像403の印刷が開始されると、画像403ではシアンのインク吐出量が多いので、イエロー、マゼンタ及びブラックに比べると、シアンに対応する記録ヘッドの温度上昇の傾きが急となり、記録ヘッドの上限温度410間近まで上昇する。
そして、タイミング424で画像404の印刷が開始されると、画像404ではシアンのインク吐出量が多いので、シアンに対応する記録ヘッドの温度がさらに上昇し、タイミング425で上限温度410を超えてしまう。
記録ヘッドの温度が上限温度410を超えると、所定時間のインターバルが確保される。即ち、タイミング425~426の間、印刷の待機が行われる。シアンに対応する記録ヘッドの温度が上限温度410より低下すると、印刷が再開される。タイミング426では、画像405の印刷が開始される。
タイミング426で画像405の印刷が開始されると、画像405では、イエローとマゼンタのインク吐出量が多いので、シアン及びブラックに比べると、イエローとマゼンタに対応する記録ヘッドの温度上昇の傾きが急となる。その結果、イエローに対応する記録ヘッドの温度は上限温度410を超えてしまい、その後、上記と同様に、所定時間のインターバルが確保される。
以上のように、画像401~405の印刷を通常に行った場合には、記録ヘッドの上限温度410を超える昇温を招いてしまい、その結果、所定時間のインターバルが確保されることになり、印刷を完了するまでの時間が長くなってしまう。また、記録ヘッドの温度が上限温度410を超えることで、記録ヘッドの寿命が短くなってしまう。そこで、本実施形態では、後続するジョブの実行順序の入れ替えを行うことで、記録ヘッドの上限温度410を超える昇温を防ぐことができる。また、その結果生じる所定時間のインターバルの発生を回避し、印刷処理の効率低下を防ぐことができる。
S301で入れ替えを許可すると判定された場合、S302に進む。S302において、CPU101は、データ212のうちの先頭データ(データ情報1)をデータ208に格納する。S303以降の処理は、データ212にデータ情報が残っている間、繰り返される。以降の処理を、図5を参照しながら説明する。
S304において、CPU101は、各インク色に対応する記録ヘッドの現在の温度を取得し、データ203~206の値を更新する。そして、S305において、CPU101は、データ203~206のうち、データ201に格納されている記録ヘッドの通常稼働可能な上限温度510を超えているものはあるか否かを判定する。上限温度510を超えているものがあると判定された場合、S306において、CPU101は、用紙の搬送速度を低下させるように搬送部106を制御する搬送制御を行う。例えば、用紙の搬送速度の低下は、ジョブ間において、所定時間のインターバル時間が確保されるように実行される。S306の後、S307において、CPU101は、画像401の印刷を実行する。即ち、CPU101は、タイミング520で、データ208に格納されているデータ情報1の印刷データに対して印刷処理を実行する。画像401の印刷が開始されると、画像401ではイエローのインク吐出量が多いので、シアン、マゼンタ及びブラックに比べると、イエローに対応する記録ヘッドの温度上昇の傾きは急となる。
本例では、画像401は30部印刷される。従って、S307で印刷が実行されると、S309において、CPU101は、データ221に格納されている印刷部数を1部減らす。そして、S310において、CPU101は、データ221に格納されている印刷部数は「0」であるか否かを判定する。ここで、「0」でないと判定された場合、S314に進む。
S314において、CPU101は、各インク色に対応する記録ヘッドの現在の温度を取得し、データ203~206の値を更新する。そして、S315において、CPU101は、データ203~206のうち、データ202に格納されている記録ヘッドの警告温度511を超えているものはあるか否かを判定する。図5のタイミング520~521に示すように、警告温度511を超えている記録ヘッドはない。従って、S315では、S304からの処理が繰り返される。つまり、画像401の印刷においては30部の印刷が終了するまで、S304、S305、S307、S309、S310、S314、S315の処理が繰り返される。
画像401の30部の印刷が終了すると、S310で印刷部数は「0」であると判定され、S311に進む。S311において、CPU101は、データ211に格納されているデータ個数を1減算する。S312において、CPU101は、データ212からデータ情報1を削除する。そして、S313において、CPU101は、データ212にあるデータ情報のうち、先頭のデータ情報(データ情報2)について、データ222に格納されている印刷データをデータ208に格納する。その後、S314及びS315の処理が行われる。
図5のタイミング521~522に示されるように、タイミング521で画像402の印刷が開始されることにより、イエローに対応する記録ヘッドの温度が警告温度511を超える。そのため、S315で警告温度511を超えている記録ヘッドがあると判定され、S316に進む。本例では、画像402の印刷が開始され、途中の19部目の印刷まで、S304、S305、S307、S309、S310、S314、S315の処理が繰り返され、20部目でイエローに対応する記録ヘッドの温度が警告温度511を超えたと判定されたとする。
S316において、CPU101は、データ203~206のうち最も温度が高い記録ヘッドの識別情報(例えばインク色)をデータ207に格納する。例えば、本例では、イエローに対応する記録ヘッドの識別情報として、イエローを示す値をデータ207に格納する。そして、S317において、CPU101は、データ212に格納されているデータ情報のうち、データ207に格納されている情報に対応する記録ヘッドのインク吐出量が最も少ないデータ情報を探索する。例えば、本例では、データ情報2~5のうち、イエローのインク吐出量が最も少ない画像404を印刷データとして格納しているデータ情報4を検出する。インク吐出量の判定としては、1部数分のインク吐出量について色間での判定を行っても良いし、印刷部数分の総インク吐出量について色間での判定を行っても良い。また、上記では、インク吐出量が最も少ないデータ情報を探索しているが、最も少ないものに限られない。例えば、直前まで印刷が行われていた画像について警告温度511を超えたインク色のインク吐出量よりも所定量少ないのであれば、最も少ないものでなくても良い。S318において、CPU101は、S317で検出されたデータ情報のデータ222に格納されている印刷データをデータ208に格納する。即ち、データ208に格納されているデータの変更が行われる。その後、S304からの処理が繰り返される。
S318でデータが変更されると、その変更後のデータについて印刷処理が実行される。即ち、図5のタイミング522で画像404の印刷が開始される。図5のタイミング522~523に示されるように、画像404は、イエローのインク吐出量が少ないため、警告温度511を超えた記録ヘッドの温度は低下していくことになる。このように、本実施形態では、警告温度511を超えたインク色のインク吐出量が最も少ないジョブを後続で優先的に実行するようジョブの実行順序を制御するので、記録ヘッドの温度が上限温度511を超えてしまうことを回避する、もしくはその機会を低減させることができる。
図5のタイミング522~523において、S304、S305、S307、S309、S310、S314、S315の処理が繰り返され、最終部数目でS310で印刷部数が「0」であると判定される。そして、S312でデータ212からデータ情報4が削除される。S313において、CPU101は、データ212にあるデータ情報のうち、先頭のデータ情報(まだ削除されていないデータ情報2)について、データ222に格納されている印刷データをデータ208に格納する。即ち、データ208に格納されているデータの変更が行われる。その後、S314及びS315の処理が行われる。なお、タイミング522~523では、警告温度511を超えるほどに上昇する記録ヘッドはないと判定される。
S313でデータが変更されると、その変更後のデータについて印刷処理が実行される。即ち、図5のタイミング523で画像402の残りの部数(21部目以降)の印刷が開始される。
図5のタイミング523~524において、S304、S305、S307、S309、S310、S314、S315の処理が繰り返され、最終部数目でS310で印刷部数が「0」であると判定される。そして、S312でデータ212からデータ情報2が削除される。S313において、CPU101は、データ212にあるデータ情報のうち、先頭のデータ情報(データ情報3)について、データ222に格納されている印刷データをデータ208に格納する。即ち、データ208に格納されているデータの変更が行われる。その後、S314及びS315の処理が行われる。なお、タイミング523~524では、警告温度511を超えるほどに上昇する記録ヘッドはないと判定される。
S313でデータが変更されると、その変更後のデータについて印刷処理が実行される。即ち、図5のタイミング524で画像403の印刷が開始される。
図5のタイミング524~525に示されるように、タイミング524で画像403の印刷が開始されることにより、シアンに対応する記録ヘッドの温度が警告温度511を超える。そのため、S315で警告温度511を超えている記録ヘッドがあると判定され、S316に進む。本例では、画像403の印刷が開始され、途中の29部目の印刷まで、S304、S305、S307、S309、S310、S314、S315の処理が繰り返され、30部目でシアンに対応する記録ヘッドの温度が警告温度511を超えたと判定されたとする。
S316において、CPU101は、データ203~206のうち最も温度が高い記録ヘッドの識別情報(例えばインク色)をデータ207に格納する。例えば、本例では、シアンに対応する記録ヘッドの識別情報として、シアンを示す値をデータ207に格納する。そして、S317において、CPU101は、データ212に格納されているデータ情報のうち、データ207に格納されている情報に対応する記録ヘッドのインク吐出量が最も少ないデータ情報を探索する。例えば、本例では、データ情報3とデータ情報5のうち、シアンのインク吐出量が最も少ない画像405を印刷データとして格納しているデータ情報5を検出する。S318において、CPU101は、S317で検出されたデータ情報のデータ222に格納されている印刷データをデータ208に格納する。即ち、データ208に格納されているデータの変更が行われる。その後、S304からの処理が繰り返される。
S318でデータが変更されると、その変更後のデータについて印刷処理が実行される。即ち、図5のタイミング525で画像405の印刷が開始される。図5のタイミング525~526に示されるように、画像405は、シアンのインク吐出量が少ないため、警告温度を超えた記録ヘッドの温度は低下していくことになる。このように、本実施形態では、警告温度を超えたインク色のインク吐出量が最も少ないジョブを後続で実行するようジョブの実行順序を制御するので、記録ヘッドの温度が通常稼働可能な上限温度を超えてしまうことを回避するもしくはその機会を低減させることができる。
図5のタイミング525~526において、S304、S305、S307、S309、S310、S314、S315の処理が繰り返され、最終部数目でS310で印刷部数が「0」であると判定される。そして、S312でデータ212からデータ情報5が削除される。S313において、CPU101は、データ212にあるデータ情報のうち、先頭のデータ情報(まだ削除されていないデータ情報3)について、データ222に格納されている印刷データをデータ208に格納する。即ち、データ208に格納されているデータの変更が行われる。その後、S314及びS315の処理が行われる。なお、タイミング525~526では、警告温度511を超えるほどに上昇する記録ヘッドはないと判定される。
S313でデータが変更されると、その変更後のデータについて印刷処理が実行される。即ち、図5のタイミング526で画像403の残りの部数(31部目以降)の印刷が開始される。
図5のタイミング526以降において、S304、S305、S307、S309、S310、S314、S315の処理が繰り返され、最終部数目でS310で印刷部数が「0」であると判定される。そして、S312でデータ212からデータ情報3が削除される。
ここで、データ212に格納されているデータ情報はすべて削除されたことになるので、図3のS303以降のループを抜け、図3の処理を終了する。
このように、本実施形態によれば、警告温度511を超えたインク色のインク吐出量が最も少ないジョブを後続で優先的に実行するようジョブの実行順序を制御するので、記録ヘッドの温度が通常稼働可能な上限温度511を超えてしまうことを回避する、もしくはその機会を低減させることができる。
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
100 印刷装置: 101 CPU: 102 RAM: 103 通信部: 104 ROM: 105 印刷部: 106 搬送部: 107 画像処理部: 110 PC
Claims (9)
- 記録ヘッドからインク滴を吐出することにより画像を用紙に印刷する印刷手段と、
前記印刷手段による印刷が行われている間、各インク色に対応する前記記録ヘッドの温度を取得する取得手段と、
印刷データに基づいて画像を印刷する複数のジョブの実行順序を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記取得手段による取得の結果、いずれかのインク色に対応する前記記録ヘッドの温度が閾値を超えていると判定された場合、前記印刷データから取得されるインク吐出量に基づいて、前記閾値を超えていると判定された前記記録ヘッドのインク色のインク吐出量が少ない印刷データを対象とするジョブを優先して実行するよう後続のジョブの実行順序を変更する、
ことを特徴とする印刷装置。 - 前記インク吐出量は、インク色ごとに取得され、
前記制御手段は、前記後続のジョブのうち、前記閾値を超えていると判定された前記記録ヘッドのインク色のインク吐出量が最も少ない印刷データを対象とするジョブを優先して実行するよう前記後続のジョブの実行順序を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。 - 前記制御手段は、前記印刷データに基づく複数部数の印刷の途中であっても、いずれかのインク色に対応する前記記録ヘッドの温度が前記閾値を超えていると判定された場合、前記後続のジョブの実行順序の変更を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷装置。
- 前記印刷データに基づく複数部数の印刷の途中で前記後続のジョブの実行順序が変更された場合、前記制御手段は、該変更により優先されたジョブが実行された後、前記印刷データに基づく残りの部数の印刷を開始することを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
- 前記閾値は、前記記録ヘッドの通常稼働可能な上限温度より低い温度であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の印刷装置。
- 前記取得手段により取得された前記記録ヘッドの温度が前記上限温度を超えた場合、前記用紙の搬送を制御する搬送制御手段、をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
- 前記搬送制御手段は、前記用紙の搬送速度を低下させることを特徴とする請求項6に記載の印刷装置。
- 前記制御手段による前記後続のジョブの実行順序の変更を許可するか否かの指示を受け付ける受付手段、をさらに備え、
前記受付手段により許可する指示を受け付けた場合、前記制御手段は、前記取得手段による取得の結果、いずれかのインク色に対応する前記記録ヘッドの温度が前記閾値を超えていると判定された場合、前記後続のジョブの実行順序の変更を行う、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の印刷装置。 - 印刷装置において実行される制御方法であって、
記録ヘッドからインク滴を吐出することにより画像を用紙に印刷する印刷工程と、
前記印刷工程における印刷が行われている間、各インク色に対応する前記記録ヘッドの温度を取得する取得工程と、
印刷データに基づいて画像を印刷する複数のジョブの実行順序を制御する制御工程と、を有し、
前記制御工程では、前記取得工程における取得の結果、いずれかのインク色に対応する前記記録ヘッドの温度が閾値を超えていると判定された場合、前記印刷データから取得されるインク吐出量に基づいて、前記閾値を超えていると判定された前記記録ヘッドのインク色のインク吐出量が少ない印刷データを対象とするジョブを優先して実行するよう後続のジョブの実行順序を変更する、
ことを特徴とする制御方法。
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JP2020150068A JP2022044443A (ja) | 2020-09-07 | 2020-09-07 | 印刷装置および制御方法 |
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