JP2006200477A - 車両の駆動力制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 車両を発進、走行させる際に、車両の固有振動数もしくは共振周波数に基づいて設定される周期で駆動力を変化させることにより、車両の発進・走行性能を向上させる。
【解決手段】 駆動力を変化させる車両の駆動力制御装置において、前記駆動力を変化させる制御を実行するための予め定めた開始条件の成立を判断する制御開始判断手段(ステップS2)と、前記制御開始判断手段により前記制御の開始条件が成立したことが判断された場合に、前記車両の共振周波数に基づいて前記駆動力を周期的に変化させる駆動力変更手段(ステップS4,S6)とを備えている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、車両の駆動力を制御し、車両の発進・走行性能を向上させる車両の駆動力制御装置に関するものである。
従来、車両を発進あるいは加速させる際に駆動輪のスリップが発生した場合に、その駆動輪のスリップ状態と関連させてエンジンの出力トルクを制御することにより、例えば路面摩擦係数が小さいいわゆる低μ路や、あるいは路面摩擦係数が不均一な路面などにおいても、効果的に駆動力を路面に伝達させることがおこなわれている。その一例として、低μ路において駆動輪にスリップが発生した場合、エンジン出力の大きさを所定周期で変化させて車両を振動させるように制御することにより、周期的に駆動輪に大きなグリップ力を生じさせて、駆動力を路面に伝達させる装置に関する発明が、特許文献1に記載されている。
この特許文献1に記載されている発明は、車両の発進時あるいは加速時に駆動輪のスリップが検出され、走行路面が低μ路であることが検出された場合、例えばスロットル開度を制御することにより、エンジンの出力の大きさを所定周期で大小に変化させて、駆動輪にスリップ状態とグリップ状態とを繰り返し発生させるように構成されている。そのため、走行路面が低μ路の場合や路面μが不均一な場合であっても、車両が駆動力を得る機会を増やすことができ、発進時の加速性を向上させることができる、とされている。
また、特許文献2に記載されている発明は、車両の発進時あるいは加速時に駆動輪のスリップが検出された場合、エンジン出力の大きさを所定周期で大小に変化させる際に、検出されたスリップ状態に応じてエンジン出力の大きさを変化させる時間を変更するように構成されている。そのため、駆動輪にスリップ状態とグリップ状態とを繰り返し発生させる際に、駆動力を得るために有効なスリップ率を得ることができ、車両の発進性を向上させることができる、とされている。
特開平8−165940号公報 特開平9−158752号公報
上記の特許文献1および特許文献2に記載されている各発明では、低μ路などにおける車両の発進時に、所定周期でエンジンの出力の大きさを大小に変化させて車両を振動させることによって、周期的に大きなグリップ力を発生させている。しかしながら、車両が振動する場合、車両にはその車両に特有の固有振動数もしくは共振周波数があり、その固有振動数もしくは共振周波数は、例えば車両の積載重量あるいはその荷重の積載位置などによって変化する。そのため、例えば上記の所定周期の位相と車両の固有振動(もしくは共振)の周期の位相とが互いに逆の位相になると、所定周期で大きくなるはずのグリップ力が車両の共振により相殺され、所望する駆動力を得ることができなくなる可能性があった。
このように、特許文献1および特許文献2に記載されている各発明では、エンジンの出力の大きさを変化させる所定周期について、車両の固有振動もしくは共振に関して具体的には考慮されておらず、この点で未だ改良の余地があった。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、車両を発進、走行させる際に、車両の固有振動数もしくは共振周波数に基づいて設定される周期で車両の駆動力を変化させることにより、車両の発進性能あるいは走行性能を向上させることができる制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、駆動力を変化させる車両の駆動力制御装置において、前記駆動力を変化させる制御を実行するための予め定めた開始条件の成立を判断する制御開始判断手段と、前記制御開始判断手段により前記制御の開始条件が成立したことが判断された場合に、前記車両の共振周波数に基づいて前記駆動力を周期的に変化させる駆動力変更手段とを備えていることを特徴とする制御装置である。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記駆動力の変更操作に基づく前記共振周波数を算出する共振周波数算出手段を更に備え、前記駆動力変更手段が、予め定められた前記共振周波数もしくは前記共振周波数算出手段により算出された前記共振周波数に基づいて前記駆動力を周期的に変化させる手段を含むことを特徴とする制御装置である。
さらに、請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記駆動力変更手段が、前記共振周波数から決まる所定の駆動輪の軸荷重の増大時に、その駆動輪に対する駆動力を増大させる手段を含むことを特徴とする制御装置である。
またさらに、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記車両の車速を検出する車速検出手段と、前記車両の各車輪の車輪速を車輪毎にそれぞれ検出する車輪速検出手段と、前記車速検出手段により検出された車速と前記車輪速検出手段によりそれぞれ検出された車輪速との偏差が所定値よりも大きくなったことを検出する車輪状態検出手段とを更に備え、前記制御開始判断手段が、前記車輪状態検出手段で前記偏差が前記所定値よりも大きくなったことが検出された場合に、前記開始条件の成立を判断する手段を含むことを特徴とする制御装置である。
そして、請求項5の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記車両が走行する路面の摩擦係数を推定する路面μ推定手段を更に備え、前記制御開始判断手段が、前記路面μ推定手段で推定された前記摩擦係数が所定値よりも小さい場合に、前記開始条件の成立を判断する手段を含むことを特徴とする制御装置である。
一方、請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかの発明において、前記車両の各車軸に作用する軸荷重を各車軸毎にそれぞれ検出するとともに、前記各車軸間における軸荷重の荷重移動の周期を算出する軸荷重算出手段を更に備え、前記駆動力変更手段が、前記軸荷重算出手段で算出された前記周期に同期させて前記駆動力を周期的に変化させる手段を含むことを特徴とする制御装置である。
また、請求項7の発明は、請求項6の発明において、前記車両の各車輪毎に対する制動力を制御する制動制御手段と、前記軸荷重算出手段で検出された所定の車輪における軸荷重の減少時に、その所定の車輪を前記制動制御手段で制動する制動力付加手段とを更に備えていることを特徴とする制御装置である。
さらに、請求項8の発明は、請求項7の発明において、前記車両が走行もしくは停止している路面の傾斜角を検出する路面勾配検出手段を更に備え、前記制動力付加手段が、前記路面勾配検出手段で算出された前記傾斜角が大きいほど大きな制動力で前記車輪を制動する手段を含むことを特徴とする制御装置である。
そして、請求項9の発明は、請求項7の発明において、前記制動力付加手段が、前記偏差が大きいほど大きな制動力で前記車輪を制動する手段を含むことを特徴とする制御装置である。
請求項1の発明によれば、例えば運転者による駆動力制御の開始操作がおこなわれた場合、あるいは車輪にスリップが発生した場合などの駆動力制御の開始条件が成立したことが判断された場合に、車両の共振周波数に基づいて駆動力の大きさが周期的あるいは振動的に大小に変化させられる。そのため、周期的に増大される駆動力が、共振によりその振動の振幅が増幅された状態で車輪に作用することになり、周期的に車輪の接地荷重が増大されて車輪のグリップ力が高められる。その結果、例えば路面摩擦係数が小さい低μ路や荒れた坂路などにおける車両の発進性能あるいは走行性能を向上させることができる。
また、請求項2の発明によれば、駆動力制御の開始条件が成立したことが判断された場合に、予め定められた共振周波数、もしくは車両状態の変化に応じて算出される共振周波数すなわち車両の駆動力の変更操作を基に算出される車両の共振周波数に基づいて駆動力の大きさが周期的あるいは振動的に大小に変化させられる。そのため、周期的に増大される駆動力が、共振によりその振動の振幅が増幅された状態で車輪に作用することになり、周期的に車輪の接地荷重が増大されて車輪のグリップ力が高められる。その結果、例えば路面摩擦係数が小さい低μ路や荒れた坂路などにおける車両の発進性能あるいは走行性能を向上させることができる。
さらに、請求項3の発明によれば、車両の共振周波数から決まる所定の駆動輪における軸荷重の増大時に同期して、その駆動輪に対する駆動力が増大するように、駆動力の大きさが周期的あるいは振動的に大小に変化させられる。そのため、共振により周期的あるいは振動的に変化させられる駆動力の振動の振幅が増幅されることによって、所定の駆動輪における軸荷重が周期的に増大されることになり、周期的に駆動輪の接地荷重が増大されて駆動輪のグリップ力が高められる。その結果、例えば低μ路や荒れた坂路などにおける車両の発進性能あるいは走行性能を向上させることができる。
またさらに、請求項4の発明によれば、車速と各車輪毎の各車輪速とが検出され、少なくともいずれか一つの車輪の車輪速と車速との偏差が所定値よりも大きくなったことが検出された場合、車両の共振周波数に基づいて駆動力の大きさが周期的あるいは振動的に大小に変化させられる。そのため、例えばいずれかの車輪がスリップしたことによって前記偏差が所定値よりも大きくなった場合に、共振により周期的あるいは振動的に変化させられる駆動力の振動の振幅が増幅されることによって、周期的に車輪の接地荷重が増大されて車輪のグリップ力が高められる。その結果、例えば低μ路や荒れた坂路などで車輪がスリップした場合においても、車両の発進性能あるいは走行性能を向上させることができる。
そして、請求項5の発明によれば、路面μ推定手段により推定された路面の摩擦係数が所定値よりも小さい場合に、車両の共振周波数に基づいて駆動力の大きさが周期的あるいは振動的に大小に変化させられる。そのため、路面μが小さく車両の発進あるいは加速時にスリップが生じ易い状態であっても、共振により周期的あるいは振動的に変化させられる駆動力の振動の振幅が増幅されることによって、周期的に車輪の接地荷重が増大されて車輪のグリップ力が高められる。その結果、車両の発進性能あるいは走行性能を向上させることができる。
一方、請求項6の発明によれば、各車軸に作用する軸荷重が検出されるとともに、各車軸間における荷重移動、すなわち各車軸間において作用する軸荷重の比率が変化する状態、いわゆるピッチング状態の周期が検出される。そしてそのピッチングの周期に同期するように駆動力の大きさが周期的あるいは振動的に大小に変化させられる。例えば、車両の積載重量あるいはその荷重の積載位置が変化すること、あるいは車両の経年変化によりピッチングの発生状態が変化することなどによって、車両のピッチングの振動に対する共振周波数が変化した状態においても、その状態における車両のピッチングの振動に対する共振周波数、すなわちピッチングの周期が求められ、そのピッチングの周期に同期するように駆動力の大きさが周期的に変化させられる。そのため、現状の車両状態に即した共振の状態に基づいてピッチングの振動の振幅が増幅されることにより、周期的に車輪の接地荷重が増大されて車輪のグリップ力が高められる。その結果、例えば低μ路や荒れた坂路などにおける車両の発進性能あるいは走行性能をより向上させることができる。
また、請求項7の発明によれば、各車軸に作用する軸荷重が検出され、各車軸間における荷重移動の周期、すなわちピッチングの周期が検出されると、そのピッチングの周期に同期するように駆動力の大きさが周期的あるいは振動的に大小に変化させられるとともに、軸荷重の減少した車輪が制動される。そのため、現状の車両状態に即した共振の状態に基づいてピッチングの振幅が増幅されることにより、周期的に車輪の接地荷重が増大されて車輪のグリップ力が高められるとともに、接地荷重が減少した側の車輪に対する制動力が増大される。その結果、例えば低μ路や荒れた坂路などにおける車両の発進性能あるいは走行性能をより向上させることができるとともに、車両に作用する重力やその他の外力による車両の移動を防止し、もしくは抑制することができる。
さらに、請求項8の発明によれば、車両が走行もしくは停止している路面の傾斜角すなわち路面勾配が検出され、その路面勾配の大きさに応じた大きさの制動力で、すなわち路面勾配が大きいほど大きな制動力で、軸荷重が減少した車輪が制動される。そのため、坂路における車両の降下をより確実に防止し、もしくは抑制することができる。
そして、請求項9の発明によれば、車速と各車輪毎の各車輪速とが検出され、少なくともいずれか一つの車輪の車輪速と車速との偏差に応じた大きさの制動力で、すなわち前記偏差が大きいほど大きな制動力で、軸荷重が減少した車輪が制動される。そのため、例えば低μ路や荒れた坂路などで車輪がスリップした場合においても、より確実に車両に作用する重力やその他の外力による車両の移動を防止し、もしくは抑制することができる。
つぎに、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。まず、この発明を適用した車両の駆動系を図4に示す。図4は、この発明を適用した車両Veが、例えばFR(フロントエンジン・リヤドライブ)方式の二輪駆動車両Veである例を示している。図4に示す車両Veにおいて、動力源1の出力側には、動力源1の回転出力を変速する変速機2が配置され、その変速機2の出力側には、変速機2から伝達される駆動力を駆動輪3,4に伝える駆動軸5が設けられている。
動力源1には、例えば、内燃機関または電動機の少なくとも一方を用いることができ、内燃機関としては、好ましくは電子スロットルバルブなどの出力を電気的に制御できる機構を備えた内燃機関が使用される。電動機としては、例えば電気エネルギを運動エネルギに変換する力行機能と、運動エネルギを電気エネルギに変換する回生機能とを有するモータ・ジェネレータを用いることが可能である。この実施例では、動力源1として、電子スロットルバルブ1aを備えたガソリンエンジンやディーゼルエンジンあるいは天然ガスエンジンなどのエンジン1が用いられている場合について説明する。
変速機2としては、手動変速機、あるいは自動変速機、あるいは無段変速機などの各種の変速機を用いることが可能である。また、駆動軸5は、リヤデファレンシャル6を介して左右の後輪駆動軸7,8に連結されていて、各後輪駆動軸7,8には、左右後輪となる車輪(駆動輪)3,4が連結されている。なお、左右前輪となる車輪9,10は、自らは駆動力を発生しない非駆動輪9,10として設けられている。
このような各機構により形成される動力伝達系統を介して、エンジン1の出力トルクが駆動輪3,4に伝達される構成となっている。ここで、エンジン1の出力トルクを制御する電子スロットルバルブ1aは、後述する電子制御装置100によってその動作が制御される。すなわち、電子制御装置100により、電子スロットルバルブ1aの動作が制御されてエンジン1の出力トルクが増減制御され、駆動輪3,4で生じさせる駆動力が増減制御される。したがって、電子制御装置100から出力される信号に基づいて、駆動輪3,4の駆動力を制御することができる。
そして、各車輪3,4,9,10には、制動装置11がそれぞれに設けられている。また、制動装置11を構成するホイールシリンダ12と、マスタシリンダ13とを接続する作動液の液圧系には、運転者のブレーキ操作とは別に、ホイールシリンダ12内の液圧を増減し、各車輪3,4,9,10に付加する制動力を制御するブレーキアクチュエータ14が設けられている。
図5に、ブレーキアクチュエータ14の構成を概略的に示す。なお、ブレーキアクチュエータ14は、各車輪3,4,9,10の各制動装置11毎に、独立して液圧を制御することが可能なように構成されていて、図5には、各車輪3,4,9,10のうちの一つの車輪に関するブレーキアクチュエータ14の構成を代表的に示している。したがって他の車輪についても同様の構成となっている。
ブレーキアクチュエータ14を構成する液圧系統には、モータ20によって回転駆動される液圧ポンプ21が設けられている。この液圧ポンプ21は、制動力を制御する際の液圧源として機能し、液圧ポンプ21の吐出口21aは、管路22を介して、遮断弁23と保持弁24との間の管路25に接続されている。なお、液圧ポンプ21の吐出口21a側には、液圧ポンプ21の吐出方向とは逆方向の作動液の流れを阻止する逆止弁26が設けられている。
一方、液圧ポンプ21の吸入口21bは、管路27を介してリザーバ28に接続されていて、管路27には、液圧ポンプ21の吸入方向とは逆方向の作動液の流れを阻止する逆止弁29,30が設けられている。この逆止弁29,30の間の管路27は、管路31を介してリザーバタンク32に接続されていて、リザーバタンク32内の作動液が、管路27を介して液圧ポンプ21に吸い込まれるように構成されている。また、管路31の途中には、この管路31を開閉させる、ノーマルクローズ形(通電時に開弁する形式)の吸込弁33が設けられている。
前述のマスタシリンダ13とホイールシリンダ12とを接続する管路25には、ノーマルオープン形(通電時に閉弁する形式)の遮断弁23が設けられており、作動液の液圧制御が実行される際に閉弁されてマスタシリンダ13とホイールシリンダ12との間の管路25を遮断するように構成されている。また、遮断弁23よりもホイールシリンダ12側の管路25には、ノーマルオープン形の保持弁24が設けられており、この保持弁24が閉弁されることにより、保持弁24からホイールシリンダ12側の液圧系を閉塞状態にするように、すなわち保持弁24からホイールシリンダ12側の液圧系の液圧を保持するように構成されている。
したがって、保持弁24を閉弁状態に制御することにより、保持弁24からホイールシリンダ12側の液圧系の液圧、すなわちブレーキ液圧を保持することができ、その結果、各車輪3,4,9,10に付加された制動力をそれぞれ保持することができる。
そして、保持弁24とホイールシリンダ12との間の管路25は、管路34によってリザーバ28に接続されている。この管路34には、ノーマルクローズ形の減圧弁35が設けられており、ON/OFFの2値状態の駆動制御信号によって、減圧弁35をduty駆動させることにより、管路34の連通状態を変化させることができる。
したがって、減圧弁35の開閉状態を制御することにより、管路34の連通状態を変化させ、保持弁24からホイールシリンダ12側の液圧系の液圧(ブレーキ液圧)を変化させることができる。例えば上記のように、ブレーキ液圧を保持していた状態、すなわち各車輪3,4,9,10に付加された制動力をそれぞれ保持していた状態から、減圧弁35を開弁状態に制御して管路34を連通状態にし、ブレーキ液圧を減圧させることによって、各車輪3,4,9,10に付加された制動力の保持状態を解除することができる。
このように、液圧ポンプ21および各種の弁装置等によって構成されるブレーキアクチュエータ14は、電子制御装置100によってその動作が制御される。すなわち、電子制御装置100により、ブレーキアクチュエータ14の動作を制御し、制動装置11のホイールシリンダ12内の液圧が増減制御される。したがって、電子制御装置100から出力される信号に基づいて、各車輪3,4,9,10に設けられた制動装置11をそれぞれ制御すること、すなわち各車輪3,4,9,10に付加される制動力をそれぞれ制御することができる。
図6に、電子制御装置100の構成を概略的に示す。電子制御装置100には、各車輪3,4,9,10の回転速度をそれぞれ検出する車輪速センサ101、各車輪3,4,9,10のホイール・ストロークをそれぞれ検出するストロークセンサ102、各車輪3,4,9,10に作用する荷重をそれぞれ検出する荷重センサ103、駆動輪3,4の駆動トルクをそれぞれ検出する駆動トルクセンサ104、シフトレバーのシフトポジションを検知するシフトポジションセンサ105、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量を検出するアクセルペダルセンサ106、ブレーキペダル36の踏み込み量を検出するブレーキペダルセンサ107、マスタシリンダ13内の液圧を検出するマスタ圧センサ108、車両Veの前後方向の加速度を検出する前後加速度センサ109、車両Veの上下方向の加速度を検出する上下加速度センサ110などの各種センサが設けられており、それらの各センサの出力信号が電子制御装置100に入力されるように構成されている。
また、電子制御装置100には、各種のデータが記憶されており、電子制御装置100に入力される信号、および記憶されているデータに基づいて、電子制御装置100から、電子スロットルバルブ1aおよびブレーキアクチュエータ14を制御する信号が出力されるように構成されている。
ここで、上記の車輪速センサ101により検出される各車輪3,4,9,10の回転速度に基づいて、すなわち各車輪3,4,9,10の回転速度の検出値を基に電子制御装置100で演算処理することによって、車両Veの車速を算出することができる。さらに、上記のように検出された各車輪3,4,9,10の回転速度と車速との偏差を基に電子制御装置100で演算処理することによって、各車輪3,4,9,10の回転状態を判断することができる。例えば、各車輪3,4,9,10のいずれかの車輪の回転速度と車速との偏差が所定値よりも大きくなった場合に、そのいずれかの車輪にスリップが発生していると判断することができる。
したがって、電子制御装置100、および車輪速センサ101は、この発明における車輪速検出手段として機能するとともに、車速検出手段として機能する。さらに、この発明における車輪状態検出手段として機能する。
また、上記の前後加速度センサ109の検出結果を基に電子制御装置100で演算処理することによって、車両Veが位置している路面の路面勾配を求めることができる。あるいは、車輪速センサ101によって得られる各車輪3,4,9,10の回転速度の変化状態から路面勾配を推定することも可能である。また、傾斜角センサ(図示せず)を設け車両Veが位置している路面の路面勾配を検出することも可能である。さらに、ナビゲーションシステム(図示せず)から得られる地理情報などを基に路面勾配を推定することも可能である。
したがって、電子制御装置100、および車輪速センサ101、および前後加速度センサ109、および上下加速度センサ110は、この発明における路面勾配検出手段として機能する。
そして、上記のストロークセンサ102によって得られる各車輪3,4,9,10のホイール・ストロークの検出値、および荷重センサ103によって得られる各車輪3,4,9,10に作用する軸荷重の検出値を基に電子制御装置100で演算処理することによって、車両Veの前後の各車軸間において軸荷重が移動する(軸荷重のかかる比率が変化する)際の周期、すなわち車両Veにピッチングが生じた際の周期を算出することができる。
したがって、電子制御装置100、およびストロークセンサ102、および荷重センサ103は、この発明における軸荷重算出手段として機能する。
前述したように、この発明は、車両Veを発進、走行させる際に、車両Veの固有振動数もしくは共振周波数に基づいて設定される周期で車両Veの駆動力を変化させることにより、車両Veの発進性能あるいは走行性能を向上させることを目的としていて、そのために、この発明の制御装置は以下の制御を実行するように構成されている。
図1は、その制御例を説明するためのフローチャートであって、このフローチャートで示されるルーチンは、所定の短時間毎に繰り返し実行される。図1において、まず、車両Veの車速が所定速度αよりも低いか否かが判断される(ステップS1)。後述するように、この発明による駆動力制御は、車両Veのピッチングの振幅を増大させることにより、車両Veの発進性能あるいは走行性能を向上させる制御であるため、車速が所定速度以上の通常走行域もしくは高速走行域においてこの制御がおこなわれると(すなわちピッチングが生じると)、ドライバビリティあるいはフィーリングが低下してしまう。そのため、ここでは車速が所定速度αよりも低い低速走行域(停止も含む)であることを判断するための閾値として所定値αを設け、その状態、すなわち車速が低速走行域にあることを、この制御を実行する際の前提条件としている。したがって、車速が所定速度α以上である場合には、このステップS1で否定的に判断され、以降の制御は実行されずにこのルーチンを一旦終了する。
一方、車速が所定速度αよりも小さいこと、すなわち制御の前提条件が成立していることによって、ステップS1で肯定的に判断された場合には、ステップS2へ進み、この発明による駆動力制御の開始条件、すなわち駆動力を変化させる制御を実行するための予め定めた開始条件が成立したか否かが判断される。ここで、このステップS2における、この発明による駆動力制御の開始条件の成立の判断は、具体的には、以下に示す各種の制御内容により実行することができる。
(第1の開始判断例)
この発明による駆動力制御の開始条件が成立する場合の第1の例として、まず、車両Veがスリップ状態にある場合が挙げられる。すなわち、ステップS2において、駆動輪3,4にスリップが発生しているか否かが判断される。この駆動輪3,4におけるスリップの有無の判断、すなわち駆動輪3,4における車輪状態の検出は、前述したように、各車輪3,4,9,10に設けられた車輪速センサ101の検出結果と車両Veの車速とに基づいておこなわれる。例えば、車輪速センサ101により検出されたいずれかの車輪の回転速度と車速との偏差が、車輪のスリップを検出するための閾値として定められた所定値βよりも大きい場合に、スリップが発生していると判断することができる。
(第2の開始判断例)
この発明による駆動力制御の開始条件が成立する場合の第2の例として、車両Veが走行もしくは停止している路面が、路面摩擦係数(路面μ)が小さく通常の走行に支障をきたし易くなるいわゆる低μ路であると推定される場合が挙げられる。すなわち、ステップS2において、車両Veの走行中もしくは停止中の路面が低μ路であるか否かが判断される。この低μ路であるか否かの判断は、例えば、この制御における前回のルーチン実行時に、アンチロックブレーキシステム(ABS)が作動したこと、あるいはトラクションコントロールシステムが作動したことなどの情報を得ることにより、その時点の路面状態が低μ路であると判断することができる。
(第3の開始判断例)
この発明による駆動力制御の開始条件が成立する場合の第3の例として、運転者の意志により、この発明による駆動力制御の手動実行モードが選択される場合が挙げられる。すなわち、例えばこの発明による駆動力制御を強制的に実行する手動実行モードと、例えば上記の第1,第2の判断例のように、開始条件を自動的に判断して実行する自動実行モードとがセレクトスイッチあるいはセレクトレバー(共に図示せず)などによって選択的に設定できるように構成された場合に、運転者がセレクトスイッチを操作して手動実行モードが選択されて設定されることにより、この発明による駆動力制御の開始条件が成立したと判断することができる。
したがって、駆動輪3,4におけるスリップが検出されないこと(すなわち前記偏差が所定値β以下であること)、あるいは車両Veが走行もしくは停止している路面が低μ路ではないと推定されたことにより、このステップS2で否定的に判断された場合は、この発明による駆動力制御をおこなう必要はないと判断されて、以降の制御は実行されずにこのルーチンを一旦終了する。これに対して、駆動輪3,4のうち少なくとも一輪においてスリップが検出されたこと、あるいは車両Veが走行もしくは停止している路面が低μ路であると推定されたこと、あるいは運転者の意志によってこの発明による駆動力制御の手動実行モードが選択されたことにより、ステップS2で肯定的に判断された場合、すなわちこの発明による駆動力制御の開始条件が成立したと判断された場合には、次のステップS3へ進み、その時点における車両Veの各車両状態が検出あるいは算出される。
ステップS3では、各車輪3,4,9,10の回転速度、各車輪3,4,9,10のホイール・ストローク、各車輪3,4,9,10に作用する荷重などがそれぞれ検出され、それらの検出値を基に、後輪すなわち駆動輪3,4側の後輪側車軸と前輪9.10側の前輪側車軸との間におけるそれらの車軸に作用する軸荷重の移動周期、すなわち車両Veのピッチングの周期、あるいはそのピッチングの振動に対する共振周波数が算出される。また、各車輪3,4,9,10の回転速度の検出値に基づいて車速と各車輪3,4,9,10の車輪速度との偏差、すなわち各車輪3,4,9,10のスリップ量が算出される。
続いて、ステップS4では、ステップS3で算出された車両Veのピッチングの振動に対する共振周波数、および各車輪3,4,9,10のスリップ量などに基づいて、エンジン1の出力を増減させることにより、駆動力を周期的あるいは振動的に変化させるように電子スロットルバルブ1aを制御するいわゆるスロットル振動制御が実行される。
具体的には、図2の電子スロットルバルブ1aのスロットル開度TAの変化状態を記したタイムチャートに示すように、先ず制御の開始当初は、例えば車両Veの設計値あるいは解析値などを基に予め設定されたピッチングの振動に対する共振周波数に基づいて、電子スロットルバルブ1aのスロットル開度TAが急開・急閉を繰り返すように制御される。言い換えると、予め定められたピッチングの振動に対する共振周波数の周期に同期するようにスロットル開度TAが増減するように制御される。
すなわち、図2において、電子スロットルバルブ1aが開状態にある時間T1が、予め定められたピッチングの振動に対する共振の波形(周期)に基づいて求められる時間a1に設定され、電子スロットルバルブ1aが閉状態にある時間T2が、同様に予め定められたピッチングの振動に対する共振の波形(周期)に基づいて求められる時間a2に設定されて、エンジン1の出力が周期的に増減するように制御される。
なお、このとき、電子スロットルバルブ1aが開状態にされる場合の電子スロットルバルブ1aの開度量Toは、例えば車速を検出してフィードバック制御することにより、車速が前述のステップS1で判断される所定車速α以上となることのないように制御される。
そして次回の制御からは、ステップS3で算出された現時点の車両Veのピッチングの振動に対する共振周波数に基づいて、電子スロットルバルブ1aのスロットル開度TAが急開・急閉を繰り返すように制御される。言い換えると、現時点の車両状態に関する各センサの各検出値を基に算出された、現時点のピッチングの振動に対する共振周波数の周期に同期してスロットル開度TAが増減するように制御される。
具体的には、図2のスロットル開度TAの変化状態を示すタイムチャートにおける時間T1が、図2のホイール・ストロークSTの変化状態を示すタイムチャートとして表される、現時点のピッチングの振動に対する共振の波形(周期)に基づいて求められる時間t1に設定され、電子スロットルバルブ1aが閉状態にある時間T2が、同様に、現時点のピッチングの振動に対する共振の波形(周期)に基づいて求められる時間t2に設定されて、エンジン1の出力が周期的に増減するように制御される。
より具体的には、図3に示すように、後輪側車軸に作用する後輪軸荷重Frと前輪側車軸に作用する前輪軸荷重Ffとが、後輪側車軸と前輪側車軸との間において、それらの軸荷重Frと軸荷重Ffとの比率が変化する周期、すなわちピッチングの振動に対する共振周波数の周期に同期してスロットル開度TAが増減するように制御される。
上記のように、ステップS4でいわゆるスロットル振動制御が実行されると、ステップS5では、前述のステップS3と同様に、各車輪3,4,9,10の回転速度、各車輪3,4,9,10のホイール・ストローク、各車輪3,4,9,10に作用する荷重などがそれぞれ検出され、それらの検出値を基に、後輪側車軸と前輪側車軸との間におけるそれらの車軸に作用する軸荷重の移動周期、すなわち車両Veのピッチングの周期、あるいはピッチングの振動に対する共振周波数が算出される。また、各車輪3,4,9,10の回転速度の検出値に基づいて車速と各車輪3,4,9,10の車輪速度との偏差、すなわち各車輪3,4,9,10のスリップ量が算出される。さらに、前後加速度センサ109検出結果、もしくは車輪速センサ101によって得られる各車輪3,4,9,10の回転速度の変化状態から、車両Veが位置している路面の路面勾配を推定して算出される。
続いて、ステップS6では、ステップS5で算出された車両Veのピッチングの振動に対する共振周波数、および後輪側車軸と前輪側車軸とに作用する各軸荷重、および車両Veが位置している路面勾配、および各車輪3,4,9,10のスリップ量などに基づいて、後輪側車軸と前輪側車軸との各車軸における軸荷重の減少時に、その軸荷重が減少した側の車軸の所定の車輪を制動するいわゆるブレーキ力付加制御が実行される。すなわち、ステップS4でのスロットル振動制御によって車両Veのピッチングの周期に同期して交互に軸荷重が増減する後輪側車軸と前輪側車軸とに対して、その軸荷重が減少した側の車軸の所定の車輪が制動される。
具体的には、図3に示すように、車両Veのピッチングの振動に対する共振周波数に基づいて増減制御されるスロットル開度TAに対応して、すなわちピッチングの周期に対応して交互に軸荷重が増減する後輪側車軸と前輪側車軸とに対して、その軸荷重が最小となる点付近(図3において範囲Sで示す部分)において、その軸荷重が減少した側の車軸に対する所定の車輪を制動するブレーキ力付加制御が実行される。
例えば、軸荷重が最小となる時期およびその周期が検出され、それらの検出値をフィードフォワード制御することにより制動力を付加する時期が設定されて、前記のブレーキ力付加制御が実行される。
また、その制御の際に所定の車輪の付加される制動力の大きさは、例えば前述のステップS5で算出された各車輪3,4,9,10のスリップ量の大きさに応じて、あるいは車両Veが位置している路面の路面勾配の大きさに応じて、あるいは車両Veのピッチングの振幅の大きさに応じて設定される。すなわち、各車輪3,4,9,10のスリップ量が多いほど、あるいは車両Veが位置している路面勾配が大きいほど、あるいは車両Veのピッチングの振幅が大きいほど大きな制動力が付加される。そして、このようなブレーキ力付加制御が実行されると、その後、このルーチンを一旦終了する。
以上のように、この発明による駆動力制御によれば、先ず、例えば車両Veの車速と各車輪3,4,9,10毎の車輪速とが検出され、少なくともいずれか一つの車輪の車輪速と車速との偏差が所定値αよりも大きくなったこと、すなわちスリップが生じていることが検出されたこと、あるいはアンチロックブレーキシステム(ABS)あるいはトラクションコントロールシステムが作動したことなどの情報を利用することにより推定された路面状況が摩擦係数が小さい低μ路であること、あるいは運転者の意志によりこの発明による駆動力制御の開始操作がおこなわれたことなどの、この発明による駆動力制御の開始条件の成立について判断される。
そしてその制御の開始条件が成立したと判断されると、予め定められた車両Veのピッチングの振動に対する共振周波数、もしくは車両状態の変化に応じて算出される車両Veのピッチングの振動に対する共振周波数すなわち車両Veの駆動力の変更操作を基に算出される車両Veのピッチングの振動に対する共振周波数に基づいて、駆動力の大きさが周期的に変化させられるいわゆるスロットル振動制御が実行される。
すなわち、車両Veのピッチングの振動に対する共振周波数から決まる駆動輪3,4における軸荷重の増大時に同期してその駆動輪3,4に対する駆動力が増大するように、エンジン1の電子スロットルバルブ1aが制御されて、駆動力の大きさが周期的あるいは振動的に増減させられる。あるいは、後輪側車軸と前輪側車軸との各車軸間において作用する軸荷重の比率が変化する状態、いわゆる車両Veのピッチング状態の周期に同期して、駆動輪3,4に対する駆動力の大きさが周期的に変化するように、電子スロットルバルブ1aが制御されて、駆動力の大きさが周期的あるいは振動的に増減させられる。
そのため、周期的に増大される駆動力が、現状の車両状態に即した共振に基づいて車両Veのピッチングの振幅が増幅された状態で駆動輪3,4に作用することになり、周期的に駆動輪3,4の接地荷重が増大されて駆動輪3,4のグリップ力が高められる。その結果、例えば低μ路や荒れた坂路などにおける車両Veの発進性能あるいは走行性能を向上させることができる。
また、上記のスロットル振動制御と併せて、車両Veのピッチングにより軸荷重の減少した側の車輪に制動力を付加するブレーキ力付加制御が実行される。そしてその際の制動力は、車両Veが走行もしくは停止している路面勾配が大きいほど、あるいは車速と各車輪3,4,9,10の回転速度との偏差に基づいて検出される各車輪3,4,9,10のスリップ量が多いほど、あるいは車両Veのピッチングの振幅が大きいほど大きな制動力が付加される。
そのため、接地荷重が減少した車軸側の車輪に対する制動力が増大され、例えば低μ路や荒れた坂路などにおける車両Veの発進性能あるいは走行性能をより向上させることができるとともに、坂路における車両Veの降下や、例えば低μ路や荒れた坂路などで車輪がスリップした場合における重力やその他の外力による車両の移動をより確実に防止し、もしくは抑制することができる。
ここで、上述した具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、上述したステップS2の機能的手段が、この発明の車速検出手段と車輪速検出手段と車輪状態検出手段と路面μ推定手段とを含む制御開始判断手段に相当する。また、ステップS4,S5の機能的手段が、この発明の駆動力変更手段に相当する。さらに、ステップS3,S5の機能的手段が、この発明の共振周波数算出手段および軸荷重算出手段に相当し、ステップS5,S6の機能的手段が、この発明の制動制御手段および制動力付加手段に相当する。そして、ステップS5の機能的手段が、この発明の路面勾配検出手段に相当する。
なお、この発明は、上記の具体例に限定されないのであって、上記の具体例におけるスロットル振動制御は、例えば、車両のピッチングの振動に対する共振周波数と最大ピッチング量(ピッチング振動の振幅の最大値)とから目標ピッチング量(ピッチング振動の振幅の目標値)を算出し、実際のピッチング量が目標ピッチング量に追従するようにスロットル開度をフィードバック制御、あるいはフィードフォワード制御、あるいはそれらを併用した制御をおこなうことにより、車両の共振周波数に基づいて駆動力を周期的に変化させるように制御することも可能である。
また、上記の具体例では、この発明を適用した車両がFR方式の二輪駆動車両である例を示しているが、FR方式以外の車両であってもよく、さらに四輪駆動車両であってもよい。
そして、車輪に付加する制動力を制御するためのブレーキアクチュエータは、図5に示すように、作動液の液圧によりホイールシリンダを動作させるアクチュエータとして例示しているが、例えば電動式のサーボモータにより車輪に制動力を付加するように動作するアクチュエータであってもよく、要は、運転者のブレーキ操作とは別に、車輪に付加する制動力を制御する機構であればよい。
この発明の制御装置による制御例を説明するためのフローチャートである。 この発明の制御装置による制御を実行する際の、エンジンのスロットル開度および車両のホイール・ストロークの変化状態を示すタイムチャートである。 この発明の制御装置による制御を実行する際の、エンジンのスロットル開度および各車軸の軸荷重の変化状態を示すタイムチャートである。 この発明の制御装置を適用可能な二輪駆動車両のパワートレーンおよび制御系統を模式的に示す概念図である。 この発明の制御装置に用いられるブレーキアクチュエータの構成のうち、一つの車輪の制動力制御に関する液圧系統を代表的に示す概念図である。 この発明の制御装置に用いられる制御系統を概略的に示すブロック図である。
符号の説明
1…動力源(エンジン)、 1a…電子スロットルバルブ、 2…変速機、 3,4,9,10…車輪、 11…制動装置、 12…ホイールシリンダ、 14…ブレーキアクチュエータ、 100…電子制御装置、 101…車輪速センサ、 102…ストロークセンサ、 109…前後加速度センサ、 110…上下加速度センサ、 Ve…車両。

Claims (9)

  1. 駆動力を変化させる車両の駆動力制御装置において、
    前記駆動力を変化させる制御を実行するための予め定めた開始条件の成立を判断する制御開始判断手段と、
    前記制御開始判断手段により前記制御の開始条件が成立したことが判断された場合に、前記車両の共振周波数に基づいて前記駆動力を周期的に変化させる駆動力変更手段と
    を備えていることを特徴とする車両の駆動力制御装置。
  2. 前記駆動力の変更操作に基づく前記共振周波数を算出する共振周波数算出手段を更に備え、
    前記駆動力変更手段は、予め定められた前記共振周波数もしくは前記共振周波数算出手段により算出された前記共振周波数に基づいて前記駆動力を周期的に変化させる手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の車両の駆動力制御装置。
  3. 前記駆動力変更手段は、前記共振周波数から決まる所定の駆動輪の軸荷重の増大時に、その駆動輪に対する駆動力を増大させる手段を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の車両の駆動力制御装置。
  4. 前記車両の車速を検出する車速検出手段と、前記車両の各車輪の車輪速を車輪毎にそれぞれ検出する車輪速検出手段と、前記車速検出手段により検出された車速と前記車輪速検出手段によりそれぞれ検出された車輪速との偏差が所定値よりも大きくなったことを検出する車輪状態検出手段とを更に備え、
    前記制御開始判断手段は、前記車輪状態検出手段で前記偏差が前記所定値よりも大きくなったことが検出された場合に、前記開始条件の成立を判断する手段を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車両の駆動力制御装置。
  5. 前記車両が走行する路面の摩擦係数を推定する路面μ推定手段を更に備え、
    前記制御開始判断手段は、前記路面μ推定手段で推定された前記摩擦係数が所定値よりも小さい場合に、前記開始条件の成立を判断する手段を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車両の駆動力制御装置。
  6. 前記車両の各車軸に作用する軸荷重を各車軸毎にそれぞれ検出するとともに、前記各車軸間における軸荷重の荷重移動の周期を算出する軸荷重算出手段を更に備え、
    前記駆動力変更手段は、前記軸荷重算出手段で算出された前記周期に同期させて前記駆動力を周期的に変化させる手段を含むことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の車両の駆動力制御装置。
  7. 前記車両の各車輪毎に対する制動力を制御する制動制御手段と、
    前記軸荷重算出手段で検出された所定の車輪における軸荷重の減少時に、その所定の車輪を前記制動制御手段で制動する制動力付加手段と
    を更に備えていることを特徴とする請求項6に記載の車両の駆動力制御装置。
  8. 前記車両が走行もしくは停止している路面の傾斜角を検出する路面勾配検出手段を更に備え、
    前記制動力付加手段は、前記路面勾配検出手段で算出された前記傾斜角が大きいほど大きな制動力で前記車輪を制動する手段を含むことを特徴とする請求項7に記載の車両の駆動力制御装置。
  9. 前記制動力付加手段は、前記偏差が大きいほど大きな制動力で前記車輪を制動する手段を含むことを特徴とする請求項7に記載の車両の駆動力制御装置。
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