JP2009108828A - ディーゼルエンジン車両の制振制御を行う駆動制御装置 - Google Patents

ディーゼルエンジン車両の制振制御を行う駆動制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 車両のピッチ・バウンス制振制御のための駆動出力制御を実行するディーゼルエンジン車の駆動制御装置に於いて、制振制御に干渉されずに気筒間回転ばらつき補正制御を実行可能にすること。
【解決手段】 本発明の駆動制御装置は、エンジンの駆動トルクを制御してピッチ・バウンス制振を行う制振制御部と、車両の定常走行時に気筒間の回転ばらつきを抑制する気筒間補正制御部とを含み、気筒間補正制御部による気筒間の回転速度又は出力のばらつきの補正処理が実行されている間に於いては、制振制御部により算出される車輪トルクを補償する補償成分のうちの少なくとも一部がエンジンの駆動出力を制御するための制御指令としてエンジンに与えられないよう構成される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、自動車等の車両の駆動制御装置に係り、より詳細には、ディーゼルエンジン車両の駆動出力(駆動力又は駆動トルク)を制御して車体の振動を抑制する制振制御機能を有する駆動制御装置に係る。
車両の走行中のピッチ・バウンス等の振動は、車両の加減速時に車体に作用する制駆動力(若しくは慣性力)又はその他の車体に作用する外力により発生するところ、それらの力は、車輪(駆動時には、駆動輪)が路面に対して作用している「車輪トルク」(車輪と接地路面上との間に作用するトルク)に反映される。そこで、車両の制振制御の分野に於いて、車両のエンジン又はその他の駆動装置の駆動出力制御を通して車輪トルクを調節して、車両の走行中に於ける車体の振動を抑制することが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。かかる駆動出力制御による振動の制振制御に於いては、所謂車体のばね上振動又はばね上・ばね下振動の力学的モデルを仮定して構築された運動モデルを用いて、車両の加減速要求があった場合又は車体に外力(外乱)が作用して車輪トルクに変動があった場合に車体に生ずるピッチ・バウンス振動を予測し、その予測された振動が抑制されるように車両の駆動装置の駆動出力が調節される。このような形式の制振制御の場合、サスペンションによる制振制御の如く発生した振動エネルギーを吸収することにより抑制するというよりは、振動を発生する力の源を調節して振動エネルギーの発生が抑えられることになるので、制振作用が比較的速やかであり、また、エネルギー効率が良いなどの利点を有する。また、上記の如き制振制御に於いては、制御対象が車輪トルク又は車輪の制駆動力に集約されるので、制御の調節が比較的に容易である。
特開2004−168148 特開2006−69472 特開2000−170576 特開2006−63824
上記の駆動出力制御による制振制御が実行されると、駆動装置の出力は、車両のピッチ・バウンス振動を抑制するよう車輪トルクを制御すべく、通常の場合よりも頻繁に振動的に変動されることとなる。この点に関し、車両の駆動装置がディーゼルエンジンである場合、前記の如き制振制御による振動的な出力の変動があると、エンジンの「気筒間回転ばらつき補正制御」が良好に実行されない場合があることが見出された。
ディーゼルエンジンに於ける「気筒間回転ばらつき補正制御」とは、多気筒エンジンの気筒毎の回転速度又は回転出力のばらつきを抑制するべく、各気筒の燃料噴射量を調節する補正制御である。多気筒エンジンの場合、容易に理解される如く、気筒毎の燃焼状態が不均一であると、エンジンの回転速度又は出力にむらが生じ、このことがエンジン振動の発生要因の一つとなる。特に、ディーゼルエンジンは、一般的に、ガソリンエンジンに比べて相対的に振動が大きくなる傾向があるので、エンジンの製造又は調整時に、各気筒の燃焼状態の均一化が図られるだけでなく、エンジンの運転中にも気筒毎の回転速度又は回転出力を監視して、気筒毎の回転速度又は回転出力のばらつきの抑制するよう各気筒の燃料噴射量の学習補正が実行される場合がある。この「気筒間回転ばらつき補正制御」によれば、エンジンの使用開始後の経年劣化等に起因するエンジンの回転速度又は出力のばらつき又はむらが是正され、エンジン振動が良好に抑制されることが期待される(例えば、特許文献3、4参照)。
上記の如きディーゼルエンジンの「気筒間回転ばらつき補正制御」は、一般的には、エンジンの運転状態が定常状態にある場合或いは車両が定速走行状態にある場合が検出され(定常走行判定)、その定常走行状態に於ける各気筒の回転速度のばらつきが抑制されるように各気筒の燃料噴射量がそれぞれ補正される。しかしながら、駆動装置の駆動出力に、冒頭に述べた車両のピッチ・バウンス制振のための駆動出力制御による補償成分(駆動出力に於けるピッチ・バウンス振動を低減又は相殺するための修正量)が重畳している場合には、現在の設定されている各気筒の燃料噴射量に対応する回転速度又は出力が正確に把握されず、気筒間の回転速度又は出力のばらつきを是正するための燃料噴射量の補正の精度も悪化してしまう可能性がある。また、駆動出力又はそのための制御指令に於いてピッチ・バウンス制振制御による補償成分が重畳していると、その補償成分による駆動出力の振動的な変化によって、車両が実質的に定常走行状態にあったとしても、その判定が為されない場合がある。従って、気筒間回転ばらつき補正制御が確実に且つ精度よく実行されるためには、制振制御の補償成分を低減する必要があるが、そうなると、折角の制振効果が低減してしまうこととなる。
かくして、本発明の一つの課題は、駆動装置がディーゼルエンジンである車両に於いて、ピッチ・バウンス制振制御が実行されるよう構成されている場合に、上記の如き気筒間回転ばらつき補正制御が良好に実行できるようにすることである。
また、本発明のもう一つの課題は、駆動装置がディーゼルエンジンである車両に於いて、ピッチ・バウンス制振制御と気筒間回転ばらつき補正制御とが実行されるよう構成された駆動制御装置であって、前記の二つの制御の互いの制御干渉が発生しないよう構成された駆動制御装置を提供することである。
本発明によれば、ディーゼルエンジンを駆動装置とする車両のピッチ・バウンス制振制御のための駆動出力制御を実行する形式の駆動制御装置であって、気筒間回転ばらつき補正制御が実行されるときには、駆動出力に於けるピッチ・バウンス制振制御の寄与を制限して、これにより、気筒間回転ばらつき補正制御が良好に実行されるよう構成された駆動制御装置が提供される。
本発明の一つの態様に於いて、車両の駆動出力を制御して車両のピッチ又はバウンス振動を抑制する制振制御を実行する車両のディーゼルエンジンの駆動制御装置は、車両の車輪と路面との接地個所に於いて発生する車輪に作用する車輪トルクに基づいてピッチ又はバウンス振動振幅を抑制するようエンジンの駆動トルクを制御する制振制御部と、車両の定常走行時にエンジンの気筒間の回転速度又は出力のばらつきを抑制する気筒間補正制御部とを含んでいる。そして、気筒間補正制御部による気筒間の回転速度又は出力のばらつきの補正処理が実行されている間に於いては、制振制御部により算出される制振制御のための車輪トルクを補償する補償成分のうちの少なくとも一部がエンジンの駆動出力を制御するための制御指令としてエンジンに与えられないことを特徴とする。なお、上記の構成に於いて、「定常走行時」とは、既に触れた通り、車速又はその目標値が略一定に保たれている状態又はエンジンの作動状態又はそのための制御指令値が略一定に保たれている状態のことである。また、気筒間補正制御部による気筒間の回転速度又は出力のばらつきの抑制制御は、典型的には、エンジンの各気筒の回転速度に基づいて各気筒の燃料噴射量を学習補正するものであってよいが、これに限定されず、公知の任意の手法の「気筒間回転ばらつき補正制御」であってよく、燃料の噴射率、噴射時期、噴射圧力等の各気筒の回転出力に影響を与える因子を学習補正するものであってもよい(ここで、「学習補正」とは、各気筒の回転速度、トルク又は出力を監視し、気筒間の回転速度、トルク又は出力のばらつきが無くなるように、各気筒の燃料噴射量等のパラメータの設定を変更することを意味としている。)。
また、上記の構成に於いて、制振制御部は、車両に対する加減速要求により発生する車輪トルクにより発生するピッチ又はバウンス振動振幅を抑制するようエンジンの駆動トルクを制御する補償成分を算出するフィードフォワード制振制御部と、車輪に於いて現に発生している車輪トルクにより発生するピッチ又はバウンス振動振幅を抑制するようエンジンの駆動トルクを制御する補償成分を算出するフィードバック制振制御部とを有するようになっていてよい。この場合、フィードフォワード制振制御部が設けられていることにより、ピッチ又はバウンス振動を惹起する車輪トルクが実際に発生する前に、かかる車輪トルクが発生しないようにエンジンの駆動出力(トルク)の制御指令が修正される(補償される)こととなる。また、フィードバック制振制御部による補償成分は、主として、車体に作用する外乱に起因するピッチ又はバウンス振動を抑制することとなる。
上記の構成から理解される如く、本発明の駆動制御装置の特徴とするところは、制振制御部の構成に於いて、気筒間の回転ばらつきの補正制御の実行される間は、ピッチ・バウンス制振制御による補償成分の一部がエンジンへの制御指令へ与えられないように制振制御の構成又は作動を修正する点にある。既に述べた如く、気筒間回転ばらつき補正制御では、エンジンの各気筒毎に回転速度又は出力が監視され、それらの回転速度又は出力が均等になるよう燃料噴射量及び/又は燃料噴射制御量が補正されるところ、その補正中にエンジンの駆動出力が変動してしまうと正確に補正ができないこととなっていた。しかしながら、本発明者等による研究によれば、制振制御により与えられる駆動出力の変動成分に於いて気筒間回転ばらつき補正に悪影響を与えるのは、制振制御による変動成分の一部であり、全てではないことが見出された。そこで、本発明に於いては、上記の如く、気筒間回転ばらつき補正制御の実行中に、制振制御の作用又は駆動出力制御に於けるその寄与の一部を制限することにより、気筒間回転ばらつき補正制御に対して制振制御が制御干渉を惹起しないように制御構成が修正される。
特に、制振制御による駆動出力の変動成分のうち、気筒間回転ばらつき補正に悪影響を与える可能性の有る成分として、現在までに見出されているものの一つは、エンジンの回転速の関数である周波数成分である。当業者に於いて理解される如く、気筒間回転ばらつき補正制御では、要すれば、エンジン回転速、トルク又は出力を参照して、それらが全気筒に亙って均等になるよう制御指令が修正される。即ち、エンジンに与えられる制御指令のうち、各気筒毎の回転速、トルク又は出力の変化に影響する周波数帯域の成分が気筒間回転ばらつき補正制御に於ける補正量の決定に大きく影響する。従って、本発明の一つの態様として、上記の駆動制御装置に於いて、気筒間補正制御部による気筒間の回転速度又は出力のばらつきの補正処理が実行されている間に於いて、制振制御部により算出される車輪トルクを補償する補償成分が、そのうちのエンジンの回転速の関数である周波数成分を含む周波数帯域の成分が除去されて制御指令としてエンジンへ与えられるようになっていてよい。なお、除去される周波数帯域の帯域幅は、予め実験的又は理論的に適宜設定されてよい。
また、制振制御部が、上記の如く、フィードフォワード制振制御部とフィードバック制振制御部とに分割してされている場合、上記の気筒間回転ばらつき補正制御に於ける補正量の決定に大きく影響を及ぼす成分の除去は、フィードバック制振制御部により算出される補償成分のみに於いて実行されるようになっていてよい。気筒間回転ばらつき補正制御に於ける補正量の決定に大きく影響を及ぼす成分は、主として、外乱によるピッチ・バウンス振動を抑制するための補償成分であることが分かっている。車両に対する加減速要求に起因するピッチ・バウンス振動を抑制する補償成分、即ち、フィードフォワード制振制御部による補償成分は、むしろ、加減速要求からピッチ・バウンス振動を惹起する振動成分を低減又は相殺し、従って、車両に対する加減速要求に対応する制御指令を平滑化する。従って、気筒間回転ばらつき補正制御中の制振制御による補償成分の除去処理は、フィードバック制振制御部により算出される補償成分に対してのみ施されるようになっていてもよい。
もっとも、フィードバック制振制御部により算出される補償成分に於ける或る周波数帯域の成分の除去は、そのための構成を駆動制御装置に装備することが必要となる。従って、制振制御部がフィードフォワード制振制御部とフィードバック制振制御部とに分割されている場合には、上記の駆動制御装置に於いて、気筒間補正制御部による気筒間の回転速度又は出力のばらつきの補正処理が実行されている間に於いて、フィードバック制振制御部により算出される前記車輪トルクを補償する補償成分の全てがエンジンへ与えられる制御指令から除去されるようにするか、或いは、制振制御部からエンジンへ与えられる制御指令がフィードフォワード制振制御部により算出される補償成分のみとなるように構成されていてもよい。
ところで、既に述べた如く、気筒間回転ばらつき補正制御は、車両の定常走行時に実行されるところ、かかる定常走行状態の是非の判定の際に、エンジンに与えられる制御指令(例えば、要求駆動トルク値、燃料噴射量)が安定しているか否かが判定基準の一つとなっている場合には、制振制御による補償成分、特に、外乱に起因するピッチ・バウンス振動を抑制するための成分が、制御指令に反映される状態にあると、車速等その他のパラメータが定常走行状態の判定基準を満たしていても、車両が定常走行状態と判定される機会が低減し、気筒間回転ばらつき補正制御の実行の機会も低減することとなる。従って、上記の本発明の駆動制御装置に於いて、車両が定常走行状態であるか否かを判定する定常走行判定部が、エンジンに与えられる制御指令が安定しているか否かを判定基準の一つとする場合には、定常走行判定部は、車両に対する加減速要求に基づいて決定されるエンジンの駆動出力を制御するための制御指令を参照し、車輪に於いて現に発生している車輪トルクにより発生するピッチ又はバウンス振動振幅を抑制するようエンジンの駆動トルクを制御する補償成分を参照せずに車両が定常走行状態であるか否かを判定するようになっていてよい。また、制振制御部がフィードフォワード制振制御部とフィードバック制振制御部とに分割されている場合には、定常走行判定部は、車両に対する加減速要求及びフィードフォワード制振制御部により算出される補償成分から決定されるエンジンの駆動出力を制御するための制御指令に基づいて車両が定常走行状態であるか否かを判定するようになっていてよい。
なお、上記の本発明の駆動制御装置の有利な構成は、車両のピッチ又はバウンス振動を抑制する車両の制振制御装置が、駆動制御装置と独立に構成されている場合にも同様にされてよい。従って、本発明によれば、もう一つの態様として、ディーゼルエンジン車両の駆動出力を制御して車両の車輪と路面との接地個所に於いて発生する車輪トルクを制御することにより車両のピッチ又はバウンス振動を抑制する車両の制振制御装置であって、車両の車輪と路面との接地個所に於いて発生する車輪に作用する車輪トルクに基づいてピッチ又はバウンス振動振幅を抑制するようエンジンの駆動トルクを制御する制振制御部を含み、ディーゼルエンジンの気筒間の回転速度又は出力のばらつきの補正処理が実行されている間に於いては、制振制御部により算出される制振制御のための車輪トルクを補償する補償成分のうちの少なくとも一部がエンジンの駆動出力を制御するための制御指令としてエンジンに与えられないことを特徴とすることを特徴とする装置が提供される。
本発明に於いて対象となっているピッチ・バウンス制振制御は、エンジンの駆動出力を制御するため、実際に車両に搭載する際には、駆動出力制御に係わる既存の種々の制御と整合するよう配慮する必要がある。本発明は、そのような既存の駆動出力制御のうちの気筒間回転ばらつき補正制御に悪影響が及ばないように、制振制御の構成を修正するものであるということができる。特に、本発明に於いては、制振制御による駆動出力制御が与えるエンジンへの制御指令のうち、気筒間回転ばらつき補正制御に影響を及ぼす成分がその一部であることに気付き、かかる一部の成分が気筒間回転ばらつき補正制御の実行中には駆動出力制御に寄与しないようにすることによって、気筒間回転ばらつき補正制御と制振制御が干渉することが回避されるようになっている。かかる構成に於いて、気筒間回転ばらつき補正制御中は、制振制御の作用が或る程度低減されることとなるが、気筒間回転ばらつき補正制御は、常時実行されるわけではないので、制振制御の駆動トルクの補償成分を常に低減しなくてもよくなる。そして、ピッチ・バウンス制振制御を実行するディーゼルエンジン車両に於いても、気筒間回転ばらつき補正制御が適切に実行されるようになれば、エンジンの回転ばらつきによる振動の発生が抑制されることとなる(エンジンの気筒間の回転ばらつきが低減されると、ピッチ・バウンス振動の制振にも効果があることが見出されている。)。また、制振制御の補償成分が重畳した状態で無理に気筒間回転ばらつき補正を実行することが回避されるので、排気ガス状態又は燃費の悪化が回避されることとなる。
本発明のその他の目的及び利点は、以下の本発明の好ましい実施形態の説明により明らかになるであろう。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施形態について詳細に説明する。図中、同一の符号は、同一の部位を示す。
装置の構成
図1は、本発明の制振制御を実行する駆動制御装置の好ましい実施形態が搭載される自動車等の車両を模式的に示している。同図に於いて、左右前輪12FL、12FRと、左右後輪12RL、12RRを有する車両10には、通常の態様にて、運転者によるアクセルペダル14の踏込みに応じて後輪に駆動力又は駆動トルクを発生する駆動装置20が搭載される。駆動装置20は、図示の例では、エンジン22から、トルクコンバータ24、自動変速機26、差動歯車装置28等を介して、駆動トルク或いは回転駆動力が後輪12RL、12RRへ伝達されるよう構成される。エンジン22は、公知の態様のディーゼルエンジンであり、燃料装置22aの作動が、アクセルペダルの踏み込み量及び下記に説明する制御量に応じて決定される要求駆動トルクを達成するよう、エンジンの各気筒の燃料噴射装置22bからの燃料噴射量及び/又はその他のパラメータ(噴射時期、噴射率(単位時間当たりの燃料噴射量)、噴射圧力など。以下、総じて「燃料噴射制御量」と称する。)を調節すべく制御される。また、簡単のため図示していないが、車両10には、通常の車両と同様に各輪に制動力を発生する制動装置と前輪又は前後輪の舵角を制御するためのステアリング装置が設けられる。なお、車両は、四輪駆動車又は前輪駆動車であってもよい。
エンジン22の駆動出力の制御パラメータ(基本的には、各気筒への燃料噴射量を含む燃料噴射制御量)は、電子制御装置50の指令によって調節される。電子制御装置50は、通常の形式の、双方向コモン・バスにより相互に連結されたCPU、ROM、RAM及び入出力ポート装置を有するマイクロコンピュータ及び駆動回路を含んでいてよい。電子制御装置50には、各輪に搭載された車輪速センサ30i(i=FL、FR、RL、RR)からの車輪速Vwi(i=FL、FR、RL、RR)を表す信号と、車両の各部に設けられたセンサからのエンジンの回転速ne、アクセルペダル踏込量θa、エンジン冷却水温度(図示せず)、エンジン潤滑油温度(図示せず)、変速機の出力回転速no、潤滑油温度(図示せず)、運転者のシフトレバー位置等の信号が入力される。なお、上記以外に、本実施形態の車両に於いて実行されるべき各種制御に必要な種々のパラメータを得るための各種検出信号が入力されてよいことは理解されるべきである。
図2は、電子制御装置50の内部の構成を制御ブロックの形式で表したものである。同図を参照して、電子制御装置50は、エンジンの作動を制御する駆動制御装置50aと、制動装置(図示せず)の作動を制御する制動制御装置50bとを含み、更に、公知のディーゼルエンジン車両の電子制御装置に装備される各種の制御装置から構成されてよい。なお、駆動制御装置等の各種の制御装置の構成及び作動は、車両の運転中、電子制御装置50内のマイクロコンピュータ等の処理作動に於いて実現されることは理解されるべきである。
まず、制動制御装置50bには、図示の如く、各輪の車輪速センサ30FR、FL、RR、RLからの、車輪が所定量回転する毎に逐次的に生成されるパルス形式の電気信号が入力され、かかる逐次的に入力されるパルス信号の到来する時間間隔を計測することにより車輪の回転速が算出され、これに車輪半径が乗ぜられることにより、車輪速値r・ωが算出される。そして、その車輪速値r・ωは、後に詳細に説明する制振制御を実行するために、駆動制御装置50aへ送信されて、車輪トルク推定値の算出に用いられる。なお、車輪回転速から車輪速への演算は、駆動制御装置50aにて行われてもよい。その場合、車輪回転速が制動制御装置50bから駆動制御装置50aへ与えられる。また、制動制御装置50bに於いて算出される車輪速から公知の任意の態様にて車速が決定されてよい。
駆動制御装置50aは、基本的な構成として、アクセルペダルセンサからのアクセルペダル踏込量θaに基づいて運転者の要求するエンジンの要求駆動トルク値を決定する要求駆動トルク決定部51と、駆動トルク制御による車体のピッチ/バウンス振動制振制御を実行するための要求駆動トルク補償成分を算出して要求駆動トルク値を補償(修正)するフィードフォワード制振制御部52a及びフィードバック制振制御部52bと、上記二つの制振制御部により補償された要求駆動トルク値に基づいてその要求駆動トルクを達成するエンジン又は燃料装置の各部の駆動器(図示せず)の制御指令を決定するための燃料噴射制御指令決定部53と、エンジンの気筒間の回転ばらつきを是正するべく各気筒の燃料噴射制御量を補正する気筒間補正量演算部54及びかかる気筒間補正が実行される車両の定常走行状態を検出する定常走行判定部54aを含んでいる。
かかる基本構成に於いて、要求駆動トルク決定部51は、公知の任意の手法によりアクセルペダル踏込量θaから要求駆動トルク値を決定するようになっていてよい。フィードフォワード制振制御部52aは、図示の如く、アクセルペダル踏込量θaに基づいて決定された要求駆動トルク値(補償前)を受信し、後に詳細に説明される態様により、要求駆動トルク値(補償前)に於ける車体にピッチ・バウンス振動を惹起し得る振動成分を低減又は相殺する補償成分を算出する。かかる補償成分は、加算器a1に於いて要求駆動トルク値(補償前)に重畳される。一方、フィードバック制振制御部52bは、後に詳細に説明される態様により、車輪トルク推定器52cにて車輪速r・ωから推定される現に車輪に作用している車輪トルクの推定値を受信し、かかる車輪トルク推定値に於いて車体にピッチ・バウンス振動を惹起し得る振動成分、即ち、車輪トルクに於ける外乱振動成分、を低減又は相殺する補償成分を算出する。かかるフィードバック制振制御部の補償成分は、後述の制御ゲイン調節器又はバンドカットフィルタ(BCF)52dの処理が施された後、加算器a2にて、要求駆動トルク値に重畳される。燃料噴射制御指令決定部53は、上記の如く補償された要求駆動トルク値を受信し、その要求駆動トルク値(補償後)と、そのときのエンジン回転数及び/又はエンジン温度を参照して、予め実験的に又は理論的に定められたマップを用いて、公知の態様にて、燃料噴射量及びその他の燃料噴射制御量の目標値を決定し、しかる後に、かかる目標値を達成するためのエンジン又は燃料装置の各部の駆動器(図示せず)の制御指令の決定及び各駆動器への制御指令の送信を行う。
更に、本実施形態の車両のエンジンは、ディーゼルエンジンであるので、前記の如く、定常走行判定部54aと補正量演算部54が設けられ、「発明の開示」の欄に於いて述べた如き、「気筒間回転ばらつき補正制御」、即ち、エンジン22の運転状態が定常状態にある場合或いは車両10が定速走行状態にある場合を検出すると、気筒毎の回転速度(回転トルクであってもよい。)を検出して、かかる回転速度の大きさ及び変化の態様が全気筒に亙って均等になるよう燃料噴射制御量を調節する制御が実行される。
かかる補正制御に於いては、まず、車両が定常走行状態にあるか否かの判定が、定常走行判定部54aにより、公知の任意の態様にて行われる。具体的には、例えば、車速、要求駆動トルク値、燃料噴射量、燃料噴射実行時の燃料噴射制御量、エンジン回転速及び温度等の任意に選択されてよいエンジンの運転状態の指標値を参照し、各指標値の変化量が、所定の期間以上、所定の範囲内に収まっている場合に、車両が定常走行状態にあると判定されてよい。そして、車両が定常走行状態にあると判定された際には、その判定情報が気筒間補正量演算部54に与えられ、気筒間補正量演算部54に於いて、公知の任意の態様にて各気筒の燃料噴射制御量の補正量が算出される。例えば、まず、エンジン回転数又は発生トルク等を用いて、気筒毎に回転速度が識別できる分解能にて、エンジン回転速度又はトルクの時間変化を検出し、気筒毎にエンジン回転速度又はトルクの最大値と最小値との差が全気筒で均等になるよう燃料噴射量の増減量が算出され、かかる増減量により、燃料噴射制御指令決定部53で用いられる、要求駆動トルクとエンジン回転数及び/又は温度を入力変数とする燃料噴射量のマップの値が修正されるようになっていてよい(従って、入力変数に対する燃料噴射量は、気筒毎に決定される。)。そのために、気筒間補正量演算部54には、エンジンに(最終的に)要求される要求駆動トルク値又はこれに対応する燃料噴射制御量の値が入力されるようになっていてよい。
また更に、図示の本発明の実施形態に於いては、下記に説明される如き気筒間回転ばらつき補正制御に対する制振制御の制御干渉を回避するために、フィードバック制振制御部52bの出力である補償成分を修正する制御ゲイン調節器又はバンドカットフィルタ(BCF)52dに、定常走行判定部54aによる車両が定常走行状態にあるか否かの判定情報、エンジン回転数又はエンジン発生トルクの検出値が与えられるようになっていてよい。また、車両の定常走行状態を判定する定常走行判定部54aが要求駆動トルク値を判定基準の一つとして参照する場合には、図示の如く、フィードフォワード制振制御部からの補償成分により補償された要求駆動トルクが定常走行判定部54aへ入力されるようになっていてよい。なお、気筒間回転ばらつき補正制御に対する制振制御の制御干渉を回避する構成の別の態様として、図中点線にて示されている如く、気筒間補正量演算部54へ入力される要求駆動トルク値及びエンジン回転数又は発生トルクの値は、気筒間補正量演算部54に於いて参照する周波数成分のみを透過するバンドパスフィルター(BPF)55により濾波されるようになっていてよい。
装置の作動
(i)ピッチ・バウンス制振制御
上記の構成に於いて、フィードフォワード制振制御部52a及びフィードバック制振制御部52bによるピッチ・バウンス制振制御は、以下の如き態様にて行われる。
(制振制御の原理)
車両に於いて、運転者の駆動要求に基づいて駆動装置が作動して車輪トルクの変動が生ずると、図3(A)に例示されている如き車体10に於いて、車体の重心Cgの鉛直方向(z方向)のバウンス振動と、車体の重心周りのピッチ方向(θ方向)のピッチ振動が発生し得る。また、車両の走行中に路面から車輪上に外力又はトルク(外乱)が作用すると、その外乱が車両に伝達され、やはり車体にバウンス方向及びピッチ方向の振動が発生し得る。そこで、ここに例示するピッチ・バウンス振動制振制御に於いては、車体のピッチ・バウンス振動の運動モデルを構築し、そのモデルに於いて要求駆動トルク(を車輪トルクに換算した値)又は現在の車輪トルク(の推定値)とを入力した際の車体の変位z、θとその変化率dz/dt、dθ/dt、即ち、車体振動の状態変数を算出し、モデルから得られた状態変数が0に収束するように、即ち、ピッチ/バウンス振動が抑制されるよう駆動装置(エンジン)の駆動トルクが調節される(要求駆動トルクが修正される。)。なお、要求駆動トルクを入力した場合に算出される駆動トルクの調節量がフィードフォワード制振制御部からの補償成分であり、現在の車輪トルクを入力した場合に算出される駆動トルクの調節量がフィードバック制振制御部からの補償成分である。
かくして、まず、制振制御に於ける車体のバウンス方向及びピッチ方向の力学的運動モデルとして、例えば、図3(A)に示されている如く、車体を質量M及び慣性モーメントIの剛体Sとみなし、かかる剛体Sが、弾性率kfと減衰率cfの前輪サスペンションと弾性率krと減衰率crの後輪サスペンションにより支持されているとする(車体のばね上振動モデル)。この場合、車体の重心のバウンス方向の運動方程式とピッチ方向の運動方程式は、下記の数1の如く表される。
Figure 2009108828
ここに於いて、Lf、Lrは、それぞれ、重心から前輪軸及び後輪軸までの距離であり、rは、車輪半径であり、hは、重心の路面からの高さである。なお、式(1a)に於いて、第1、第2項は、前輪軸から、第3、4項は、後輪軸からの力の成分であり、式(1b)に於いて、第1項は、前輪軸から、第2項は、後輪軸からの力のモーメント成分である。式(1b)に於ける第3項は、駆動輪に於いて発生する車輪トルクTが車体の重心周りに与える力のモーメント成分である。
上記の式(1a)及び(1b)は、車体の変位z、θとその変化率dz/dt、dθ/dtを状態変数ベクトルX(t)として、下記の式(2a)の如く、(線形システムの)状態方程式の形式に書き換えることができる。
dX(t)/dt=A・X(t)+B・u(t) …(2a)
ここで、X(t)、A、Bは、それぞれ、
Figure 2009108828
であり、行列Aの各要素a1-a4及びb1-b4は、それぞれ、式(1a)、(1b)のz、θ、dz/dt、dθ/dtの係数をまとめることにより与えられ、
a1=-(kf+kr)/M、a2=-(cf+cr)/M、
a3=-(kf・Lf-kr・Lr)/M、a4=-(cf・Lf-cr・Lr)/M、
b1=-(Lf・kf-Lr・kr)/I、b2=-(Lf・cf-Lr・cr)/I、
b3=-(Lf2・kf+Lr2・kr)/I、b4=-(Lf2・cf+Lr2・cr)/I
である。また、u(t)は、
u(t)=T
であり、状態方程式(2a)にて表されるシステムの入力である。従って、式(1b)より、行列Bの要素p1は、
p1=h/(I・r)
である。
状態方程式(2a)に於いて、
u(t)=−K・X(t) …(2b)
とおくと、状態方程式(2a)は、
dX(t)/dt=(A−BK)・X(t) …(2c)
となる。従って、X(t)の初期値X0(t)をX0(t)=(0,0,0,0)と設定して(トルク入力がされる前には振動はないものとする。)、状態変数ベクトルX(t)の微分方程式(2c)を解いたときに、X(t)、即ち、バウンス方向及びピッチ方向の変位及びその時間変化率、の大きさを0に収束させるゲインKが決定されれば、ピッチ・バウンス振動を抑制するトルク値u(t)が決定されることとなる。かかるトルク値u(t)をエンジン駆動トルクの単位に変換した値が制振制御による補償成分である。
ゲインKは、所謂、最適レギュレータの理論を用いて決定することができる。かかる理論によれば、2次形式の評価関数
J=1/2・∫(XQX+uRu)dt …(3a)
(積分範囲は、0から∞)
の値が最小になるとき、状態方程式(2a)に於いてX(t)が安定的に収束し、評価関数Jを最小にする行列Kは、
K=R−1・B・P
により与えられることが知られている。ここで、Pは、リカッティ方程式
-dP/dt=AP+PA+Q−PBR−1
の解である。リカッティ方程式は、線形システムの分野に於いて知られている任意の方法により解くことができ、これにより、ゲインKが決定される。
なお、評価関数J及びリカッティ方程式中のQ、Rは、それぞれ、任意に設定される半正定対称行列、正定対称行列であり、システムの設計者により決定される評価関数Jの重み行列である。例えば、ここで考えている運動モデルの場合、Q、Rは、
Figure 2009108828
などと置いて、式(3a)に於いて、状態ベクトルの成分のうち、特定のもの、例えば、dz/dt、dθ/dt、のノルム(大きさ)をその他の成分、例えば、z、θ、のノルムより大きく設定すると、ノルムを大きく設定された成分が相対的に、より安定的に収束されることとなる。また、Qの成分の値を大きくすると、過渡特性重視、即ち、状態ベクトルの値が速やかに安定値に収束し、Rの値を大きくすると、消費エネルギーが低減される。
なお、車体のバウンス方向及びピッチ方向の力学的運動モデルとして、例えば、図3(C)に示されている如く、図3(B)の構成に加えて、前輪及び後輪のタイヤのばね弾性を考慮したモデル(車体のばね上・下振動モデル)が採用されてもよい。前輪及び後輪のタイヤが、それぞれ、弾性率ktf、ktrを有しているとすると、図3(B)から理解される如く、車体の重心のバウンス方向の運動方程式とピッチ方向の運動方程式は、下記の数4の如く表される。
Figure 2009108828
ここに於いて、xf、xrは、前輪、後輪のばね下変位量であり、mf、mrは、前輪、後輪のばね下の質量である。式(4a)−(4b)は、z、θ、xf、xrとその時間微分値を状態変数ベクトルとして、図3(B)の場合と同様に、式(2a)の如き状態方程式を構成し(ただし、行列Aは、8行8列、行列Bは、8行1列となる。)、最適レギュレータの理論に従って、状態変数ベクトルの大きさを0に収束させるゲイン行列Kを決定することができる。
(制振制御部の構成)
上記のピッチ・バウンス制振制御のための補償成分Uを算出するフィードフォワード制振制御部52aとフィードバック制振制御部52bの制御構成は、それぞれ、図4(A)及び(B)に示されている。まず、図4(A)を参照して、フィードフォワード制振制御部52aに於いては、要求駆動トルク決定部51からの要求駆動トルク値が入力され、車輪トルクTwoに換算した後、運動モデルに於いて、そのトルク入力値Twoを用いて式(2a)の微分方程式を解くことにより、状態変数ベクトルX(t)が算出される。次いで、その状態ベクトルX(t)に、上記の如く状態変数ベクトルX(t)を0又は最小値に収束させるべく決定されたゲインKを乗じた値U(t)が算出され、そのU(t)がエンジンの駆動トルクに換算されて加算器a1へ送信される。そして、加算器a1に於いて、要求駆動トルク値から補償成分U(t)が差し引かれる。式(1a)及び(1b)からも理解される如く、車体のピッチ・バウンス振動システムは、共振システムであり、任意の入力に対して状態変数ベクトルの値は、実質的には、システムの固有振動数(1〜5Hz程度)を概ね中心とした或るスペクトル特性を有する帯域の周波数成分のみとなる。かくして、U(t)(の換算値)が要求駆動トルクから差し引かれるよう構成することにより、要求駆動トルクのうち、システムの固有振動数の成分、即ち、車体に於いてピッチ・バウンス振動を引き起こす成分が低減又は除去され、車体に於けるピッチ・バウンス振動が抑制されることとなる。
図4(B)に示されているフィードバック制振制御部52bの構成は、現に車輪に於いて発生している車輪トルク(の推定値)Twが入力される点を除いて、フィードフォワード制振制御部と同様である。ただし、車輪トルクTwの入力に際しては、フィードバック制御ゲインFB(運動モデルに於ける運転者要求車輪トルクTw0と車輪トルク推定値Twとの寄与のバランスを調整するためのゲイン)が乗ぜられるようになっていてよい。また、図2に示されているように、フィードバック制振制御部の出力である補償成分は、制御ゲイン調節器又はBCF52dを介して加算器a2にて要求駆動トルクに重畳され、車輪トルク外乱に起因するピッチ・バウンス振動を抑制するようエンジンの駆動出力を調節することとなる(フィードバック制振制御部の補償成分を、フィードフォワード制振制御部の補償成分とは別に、要求駆動トルク値へ重畳するのは、定常走行判定部54aにフィードバック制振制御部の補償成分を入力させないためである。)。
ところで、上記のフィードバック制御部へ入力される車輪トルクについて、かかる車輪トルクは、理想的には、各輪にトルクセンサを設け、実際に検出されればよいが、通常の車両の各輪にトルクセンサを設けることは困難である。そこで、図示の例では、車輪トルクの外乱入力として、走行中の車両に於けるその他の検出可能な値から車輪トルク推定器52cにて推定された車輪トルク推定値が用いられる。車輪トルク推定値Twは、典型的には、駆動輪の車輪速センサから得られる車輪回転速ω又は車輪速値r・ωの時間微分を用いて、
Tw=M・r・dω/dt …(5)
と推定することができる。ここに於いて、Mは、車両の質量であり、rは、車輪半径である。[駆動輪が路面の接地個所に於いて発生している駆動力の総和が、車両の全体の駆動力M・G(Gは、加速度)に等しいとすると、車輪トルクTwは、
Tw=M・G・r …(5a)
にて与えられる。車両の加速度Gは、車輪速度r・ωの微分値より、
G=r・dω/dt …(5b)
で与えられるので、車輪トルクは、式(5)の如く推定される。]なお、車輪トルク推定値は、車輪速ではなく、エンジン回転速又は変速機回転速から推定されるようになっていてよく、そのような場合も本発明の範囲に属する。
(ii)気筒間回転ばらつき補正制御と制振制御の干渉を回避するための構成
上記の駆動制御装置50aの構成に於いて、従前では、制振制御部52a、52bによる要求駆動トルクの補償制御と、気筒間回転ばらつき補正制御とは、完全に独立して実行されるようになっていた(制振制御部52a、52bは、別々に構成されていなかった。)。その場合、既に述べた如く、気筒間補正量算出部54が、各気筒の燃料噴射量の実行量と回転速度又はトルクとの関係とを参照し、その実行量に対する補正量を算出する場合に、制振制御部52による補償制御による振動的な要求駆動トルクの変動があると、ばらつき補正のための補正量が精度良く算出できないことがあった。即ち、制振制御が気筒間回転ばらつき補正制御に対して制御干渉を起こす場合があった。
しかしながら、制振制御の補償成分による気筒間補正制御に対する干渉に関し、「発明の開示」に於いて述べた如く、制振制御の補償成分のうち、実際に気筒間補正制御に於ける処理の精度を悪化する成分は、主として、車輪トルクに於ける外乱によるピッチ・バウンス振動を抑制する補償成分(本実施形態では、フィードバック制振制御部の出力する補償成分)のうちの、その周波数帯域が、エンジン回転数の関数である周波数であることが見出された。
即ち、上記の説明されている気筒間補正制御に於いては、典型的には、各気筒について、その燃焼行程(膨張行程)から次の気筒の燃焼行程の開始までの回転速度の時間変化が参照され、各時間変化が均等になるよう各気筒の燃料噴射量が補正される。つまり、気筒間補正制御の参照する回転速度変化の周波数成分が、エンジン回転数の関数、即ち、
N/60×1/2 …(A1)
N/60 …(A2)
N/60×n/2 …(A3)
(ここで、Nは、毎分当たりエンジン回転数、nは、気筒数である。A1は、カムによる回転速度変化、A2は、クランクによる回転速度変化、A3は、各気筒の爆発による回転速度変化にそれぞれ対応する周波数である。)
で表される周波数の近傍となるので、要求駆動トルク値に於いて、エンジン回転速度の(A1)〜(A3)にて表される周波数成分を変化させる変動成分が含まれると、気筒間補正制御の補正量が変わってくることとなる。
そこで、ピッチ・バウンス制振制御が如何なる補償成分を生成するかについて検討すると、まず、フィードフォワード制振制御部の補償成分は、これからエンジンに対して要求される駆動トルクのうちのピッチ・バウンス振動を惹起する成分を低減又は相殺するためのものなので、かかる補償成分により補償された要求駆動トルク値は、その補償前の値よりも平滑化され、振幅が低減されていることが期待される。従って、フィードフォワード制振制御部の補償成分は、要求駆動トルク値中の気筒間補正制御の補正量を“無用に”変化させ得る成分をむしろ低減する。
一方、フィードバック制振制御部の補償成分は、車輪トルクの外乱、即ち、例えば、路面の凹凸、タイヤの状態のアンバランス、横風等の、車体又は車輪に作用する外力による車輪トルクの変化により惹起されるピッチ・バウンス振動を抑制するためのものなので、かかる補償成分により補償された要求駆動トルク値は、その補償前の値よりも振動が増大し、含有する周波数帯域も広くなる(より多くの周波数成分を含む)ことになる。加えて、車輪トルクの外乱は、アクセルペダルの変化に比して、より多様な振動成分を含み得るので、フィードバック制振制御部の補償成分は、ダイナミックレンジが広く、従って、要求駆動トルク値中の気筒間補正制御の補正量を“無用に”変化させ得る成分を含んでいる場合がある。即ち、気筒間回転ばらつき補正制御に対する制振制御の干渉は、実際には、フィードバック制振制御部からの車輪トルクの外乱に対応する補償成分により生ずるということができる。
そこで、本発明に於いては、上記の如き制御干渉を回避するべく、制振制御部が、図示の如くフィードフォワード制振制御部とフィードバック制振制御部とに分割し、気筒間回転ばらつき補正制御が実行される期間に於いて、フィードバック制振制御部52bから出力される補償成分のうち、気筒間回転ばらつき補正制御の補正量に影響を与える成分が補正量演算部54に入力されないようにするために下記のいずれかの構成が設けられる。
(a)フィードバック制振制御による補償成分の遮断
上記から理解される如く、気筒間回転ばらつき補正制御に対して干渉する補償成分は、フィードバック制振制御部52bからの補償成分に存在する。そこで、一つの態様に於いて、気筒間回転ばらつき補正制御が実行される期間、フィードバック制振制御部52bからの補償成分が要求駆動トルク値に重畳されることがないようなっていてよい。この場合、制御ゲイン調節器52dは、定常走行判定部54aから送信される判定情報に於いて、「定常走行中」と判定されている間は、制御ゲイン調節器52dは、補償成分の制御ゲインを0に設定するか、補償成分の送信を遮断するようになっていてよい。これにより、要求駆動トルク値の補償は、フィードフォワード制振制御部による補償成分のみにより為される。
(b)フィードバック制振制御による補償成分のBCF処理
フィードバック制振制御部52aの出力と加算器a2との間に設けられる制御ゲイン調節器52dに於いて、BCF機能を設け、気筒間回転ばらつき補正制御が実行される期間、即ち、定常走行判定部54aから送信される判定情報に於いて、「定常走行中」と判定されている間、フィードバック制振制御部52aからの補償成分から、上記の表式(A1)〜(A3)により与えられる周波数を含む、気筒間回転ばらつき補正制御の補正量の値に影響を与える周波数帯域の成分を除去するようになっていてよい。ここで、BCFは、除去周波数帯域が可変の「可変バンドカットフィルタ」であり、公知の任意の形式のディジタルフィルタ技術又はアナログフィルタ技術を用いて当業者に於いて任意に構成されてよい。除去周波数の帯域幅は、実験的に又は理論的に適宜設定されよい。表式(A1)〜(A3)のようにエンジン回転数依存の周波数帯域は、複数あるので、これに対応して、除去周波数帯域も複数設定されてよい。また、除去周波数帯域の算出のために、制御ゲイン調節器(BCF)52dには、エンジン回転数の計測値が入力される。
なお、上記のBCF処理は、常時実行されていてもよいが、気筒間回転ばらつき補正制御が実行される期間のみ実行される方が好ましいことは理解されるべきである。BCFの如き周波数成分の一部を除去するフィルタ処理は、しばしば、演算処理のために信号伝達等の遅れを生ずる場合がある。従って、BCFは、気筒間回転ばらつき補正制御の実行中のみ機能するようになっていることが好ましい。
(c)気筒間補正量演算部の入力のBPF処理
フィードバック制振制御部の補償成分の遮断又はBCF処理に換えて、気筒間補正量演算部へのパラメータの入力に於いて、気筒間補正量演算部の参照する周波数成分のみを透過するBPF55が設けられ、気筒間補正量演算部が精度よく燃料噴射制御量の補正量を算出できるようになっていてもよい。ただし、この場合でも、エンジン回転数の大きさによって、フィードバック制振制御部の補償成分の周波数帯域と気筒間補正量演算部の参照する周波数帯域とが重複する場合がある。従って、制御ゲイン調節器52dに於いて、エンジン回転数を監視し、表式(A1)〜(A3)にて表される周波数値が、フィードバック制振制御部の補償成分の周波数帯域と重複する場合には、制御ゲイン調節器52dに於いて、制御ゲインを0にするよう構成されてよい。典型的には、ピッチ・バウンス振動の固有周波数は、1〜5Hzの範囲であるので、表式(A1)〜(A3)で表される周波数が、かかるピッチ・バウンス振動の固有周波数帯域の入ったとき、制御ゲインが0又は1よりも十分に小さい正数に設定されてよい。或いは、フィードバック制振制御部の補償成分を即時的に周波数解析し(FFT解析等)、表式(A1)〜(A3)で表される周波数を含む任意に設定された帯域幅の周波数帯域の振動強度が大きいときに、制御ゲインが0又は1よりも十分に小さい正数に設定されてよい。
なお、制御ゲイン調節器52dに於いて補償成分は、制御ゲインλが乗ぜられて、
λ・U …(6)
として加算器a2へ渡される。制御ゲインλは、通常時は、
λ=1 …(7)
に設定されるが、上記の(a)又は(c)の場合に、制御ゲインが変更される場合には、
λ=λo(<1) (7a)
に設定される。「制御ゲインが0」とは、λoは、λo=0に設定されることである。
(iii)定常走行判定に対する制振制御の干渉を回避するための構成
既に触れたように、定常走行判定部54aが、要求駆動トルク値が安定しているか否かを、定常走行状態の判定基準の一つとしている場合には、燃料噴射制御指令決定部へ与えられる要求駆動トルク値が、制振制御部による補償制御により振動的に変動すると、車速等が略一定で、本来であれば、車両が定常走行状態であると判定されるべきときでも、「定常走行中」との判定がなされないこととなり、従って、気筒間回転ばらつき補正制御が実行されにくくなっていた。かかる事態を回避するために、本発明の装置に於いては、好ましくは、上記の如く、制振制御部をフィードフォワード制振制御部とフィードバック制振制御部とに分割し、定常走行判定部54aに、フィードフォワード制振制御部による補償成分により補償された要求駆動トルク値が入力されるよう構成される。
既に述べた如く、フィードフォワード制振制御部による補償成分は、車両に対する加減速要求に対応する要求駆動トルク値のうち、ピッチ・バウンス振動を惹起する振動成分の振幅を低減又は相殺し、従って、要求駆動トルク値をより平滑化する。かくして、上記の構成によれば、従前より定常走行状態の判定が為される機会が増大する可能性が出てくることとなる。例えば、運転者が定速にて車両を走行させようとする場合、車両の走行抵抗を凌駕するべく、アクセルペダルを或る程度踏込み、エンジンに於いて駆動出力を発生させる必要がある。しかしながら、運転者がアクセルペダル踏込み量を厳密に一定量に維持することは通常困難であり、或る程度の変動が生ずる。そのような場合、フィードフォワード制振制御部による補償成分は、運転者がアクセルペダルの踏込みに於ける変動を低減又は相殺するよう作用するので、結果として、要求駆動トルク値が従前よりも安定化され易くなる。従来の技術(特許文献3、4等)に於いて、気筒間回転ばらつき補正制御は、その実施形態に於いては、クルーズ走行制御による定速走行制御が実施されている場合にのみ実行されるようになっているが、上記の構成によれば、クルーズ走行制御が実施されていない場合でも、気筒間回転ばらつき補正制御が実行できるようになる可能性がある。
以上の説明は、本発明の実施の形態に関連してなされているが、当業者にとつて多くの修正及び変更が容易に可能であり、本発明は、上記に例示された実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の概念から逸脱することなく種々の装置に適用されることは明らかであろう。
例えば、上記の実施形態に於ける車輪トルク推定値が車輪速から推定されるものであるが、車輪トルク推定値が車輪速から以外のパラメータから推定されるものであってもよい。また、上記の実施形態に於ける制振制御は、運動モデルとしてばね上又はばね上・ばね下運動モデルを仮定して最適レギュレータの理論を利用した制振制御であるが、本発明の概念は、車輪トルクを利用するものであれば、ここに紹介されているもの以外の運動モデルを採用したもの或いは最適レギュレータ以外の制御手法により制振を行うものにも適用され、そのような場合も本発明の範囲に属する。
また、図2の例では、制振制御による駆動出力の補償演算を行う際の制御指令が要求駆動トルク値の単位にて表され、処理されているが、車輪トルク値を燃料噴射量の単位に換算するようにして、制御指令を燃料噴射量の単位で表し、駆動出力の補償が燃料噴射量の単位にて実行されるようになっていてもよい。その場合、フィードフォワード制振制御及びフィードバック制振制御の各々による補償成分は、燃料噴射量の単位で表される。BCF処理、定常走行判定部への入力は、燃料噴射量を表す信号にて行われてよい。制御指令との語は、図2のブロック53からの各駆動器への指令出力だけでなく、要求駆動トルク値又は燃料噴射量又は燃料噴射制御量の要求値又は目標値をも指すものとして理解されるべきである。
図1は、本発明による駆動制御装置の好ましい実施形態が実現される自動車の模式図を示している。 図2は、図1の電子制御装置の内部構成をより詳細な模式図である。定常走行判定部54a及び補正量演算部54には、図示されているもの以外の、例えば、エンジン温度等の種々のパラメータが入力されてよい。 図3Aは、本発明の好ましい実施形態の一つである駆動制御装置の制振制御部の作動に於いて抑制される車体振動の状態変数を説明する図である。図3Bは、本発明の好ましい実施形態の制振制御部に於いて仮定される車体振動の力学的運動モデルの一つである「ばね上振動モデル」について説明する図であり、図3Cは、ばね上・ばね下振動モデルについて説明する図である。 図4は、本発明の好ましい実施形態に於ける制振制御部の構成を制御ブロック図の形式で表した図である。図4Aは、フィードフォワード制振制御部の構成であり、図4Bは、フィードバック制振制御部の構成である。
符号の説明
10…車体
12FL、FR、RL、RR…車輪
14…アクセルペダル
20…駆動装置
22…ディーゼルエンジン
22a…燃料装置
30FL、FR、RL、RR…車輪速センサ
50…電子制御装置
50a…駆動制御装置
50b…制動制御装置

Claims (10)

  1. 車両の駆動出力を制御して前記車両のピッチ又はバウンス振動を抑制する制振制御を実行する車両のディーゼルエンジンの駆動制御装置であって、前記車両の車輪と路面との接地個所に於いて発生する前記車輪に作用する車輪トルクに基づいて前記ピッチ又はバウンス振動振幅を抑制するよう前記エンジンの駆動トルクを制御する制振制御部と、前記車両の定常走行時に前記エンジンの気筒間の回転速度又は出力のばらつきを抑制する気筒間補正制御部とを含み、前記気筒間補正制御部による気筒間の回転速度又は出力のばらつきの補正処理が実行されている間に於いては、前記制振制御部により算出される前記制振制御のための前記車輪トルクを補償する補償成分のうちの少なくとも一部が前記エンジンの駆動出力を制御するための制御指令として前記エンジンに与えられないことを特徴とする車両の駆動制御装置。
  2. 請求項1の装置であって、前記制振制御部が前記車両に対する加減速要求により発生する車輪トルクにより発生するピッチ又はバウンス振動振幅を抑制するよう前記エンジンの駆動トルクを制御する補償成分を算出するフィードフォワード制振制御部と、前記車輪に於いて現に発生している車輪トルクにより発生するピッチ又はバウンス振動振幅を抑制するよう前記エンジンの駆動トルクを制御する補償成分を算出するフィードバック制振制御部とを有することを特徴とする装置。
  3. 請求項2の装置であって、前記気筒間補正制御部による気筒間の回転速度又は出力のばらつきの補正処理が実行されている間に於いて、前記フィードバック制振制御部により算出される前記車輪トルクを補償する補償成分の全てが前記エンジンへ与えられる前記制御指令から除去されることを特徴とする装置。
  4. 請求項2の装置であって、前記気筒間補正制御部による気筒間の回転速度又は出力のばらつきの補正処理が実行されている間に於いて、前記制振制御部から前記エンジンへ与えられる制御指令が前記フィードフォワード制振制御部により算出される前記補償成分のみであることを特徴とする装置。
  5. 請求項1の装置であって、前記気筒間補正制御部による気筒間の回転速度又は出力のばらつきの補正処理が実行されている間に於いて、前記制振制御部により算出される前記車輪トルクを補償する補償成分が、そのうちの前記エンジンの回転速の関数である周波数成分を含む周波数帯域の成分が除去されて前記制御指令として前記エンジンへ与えられることを特徴とする装置。
  6. 請求項2の装置であって、前記気筒間補正制御部による気筒間の回転速度又は出力のばらつきの補正処理が実行されている間に於いて、前記フィードバック制振制御部により算出される前記車輪トルクを補償する補償成分が、そのうちの前記エンジンの回転速の関数である周波数成分を含む周波数帯域の成分が除去されて前記制御指令として前記エンジンへ与えられることを特徴とする装置。
  7. 請求項1の装置であって、前記気筒間補正制御部が前記エンジンの各気筒の回転速度に基づいて前記各気筒の燃料噴射量を学習補正することを特徴とする装置。
  8. 請求項1の装置であって、更に、前記車両が前記定常走行状態であるか否かを判定する定常走行判定部を含み、該定常走行判定部が、前記車両に対する加減速要求に基づいて決定される前記エンジンの駆動出力を制御するための制御指令を参照し、前記車輪に於いて現に発生している車輪トルクにより発生するピッチ又はバウンス振動振幅を抑制するよう前記エンジンの駆動トルクを制御する補償成分を参照せずに前記車両が前記定常走行状態であるか否かを判定することを特徴とする装置。
  9. 請求項2の装置であって、更に、前記車両が前記定常走行状態であるか否かを判定する定常走行判定部を含み、該定常走行判定部が、前記車両に対する加減速要求及び前記フィードフォワード制振制御部により算出される前記補償成分から決定される前記エンジンの駆動出力を制御するための前記制御指令に基づいて前記車両が前記定常走行状態であるか否かを判定することを特徴とする装置。
  10. ディーゼルエンジン車両の駆動出力を制御して前記車両の車輪と路面との接地個所に於いて発生する車輪トルクを制御することにより前記車両のピッチ又はバウンス振動を抑制する車両の制振制御装置であって、前記車両の車輪と路面との接地個所に於いて発生する前記車輪に作用する車輪トルクに基づいて前記ピッチ又はバウンス振動振幅を抑制するよう前記エンジンの駆動トルクを制御する制振制御部を含み、前記ディーゼルエンジンの気筒間の回転速度又は出力のばらつきの補正処理が実行されている間に於いては、前記制振制御部により算出される前記制振制御のための前記車輪トルクを補償する補償成分のうちの少なくとも一部が前記エンジンの駆動出力を制御するための制御指令として前記エンジンに与えられないことを特徴とする装置。
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