JP2009121427A - ディーゼルエンジン車両の制振制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ディーゼル車両の駆動出力制御により車体振動の制振を実行する制振制御装置に於いて、車体に作用する外乱に起因する車体振動を抑制するための燃料噴射量の増大方向の変動に起因するスモークの発生を回避できるようにすること。
【解決手段】 本発明の駆動制御装置は、車体振動振幅を抑制する車輪トルクを補償する補償成分を算出する補償成分決定部と、車両に対する加減速要求量を参照して補償成分を用いた車体振動の抑制制御の実行の可否を判定する制御実行判定部とを含み、補償成分が現に発生している車輪トルクにより生ずる車体振動振幅を抑制するためのフィードバック補償成分を含み、車両が加速状態又は登坂状態にあると判定されるときには、フィードバック補償成分による車体振動の抑制制御の実行が中止される。
【選択図】 図4

Description

本発明は、自動車等の車両の制振制御装置に係り、より詳細には、ディーゼルエンジンを駆動装置とする車両の駆動出力(駆動力又は駆動トルク)を制御して車体の振動を抑制する制振制御装置又はそのような制振制御機能を有する駆動制御装置に係る。
車両の走行中のピッチ・バウンス等の車体振動は、車両の加減速時に車体に作用する制駆動力(若しくは慣性力)又はその他の車体に作用する外力により発生するところ、それらの力は、車輪(駆動時には、駆動輪)が路面に対して作用している「車輪トルク」(車輪と接地路面上との間に作用するトルク)に反映される。そこで、車両の制振制御の分野に於いて、車両のエンジン又はその他の駆動装置の駆動出力制御を通して車輪トルクを調節して、車両の走行中に於ける車体の振動を抑制することが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。かかる駆動出力制御による振動の制振制御に於いては、所謂車体のばね上振動又はばね上・ばね下振動の力学的モデルを仮定して構築された運動モデルを用いて、車両の加減速要求があった場合又は車体に外力(路面上の凹凸又は異物、勾配又は摩擦状態の変化などの車両の走行路面上の状態変化による路面反力の変動や風等の力などの力学的な外乱)が作用して車輪トルクに変動があった場合に車体に生ずるピッチ・バウンス振動を予測し、その予測された振動が抑制されるように車両の駆動装置の駆動出力が調節される。このような形式の制振制御の場合、サスペンションによる制振制御の如く発生した振動エネルギーを吸収することにより抑制するというよりは、振動を発生する力の源を調節して振動エネルギーの発生が抑えられることになるので、制振作用が比較的速やかであり、また、エネルギー効率が良いなどの利点を有する。また、上記の如き制振制御に於いては、制御対象が車輪トルク又は車輪の制駆動力に集約されるので、制御の調節が比較的に容易である。
特開2004−168148 特開2006−69472 特開平11−223151 特開2005−330861 特開2006−152843
上記の如き駆動出力制御による制振制御をディーゼルエンジン車両に於いて実行する場合、特に車両の加速時又は登坂時など、車両に対する駆動出力の要求が高いときに、車両の排気に於いてスモーク(黒煙)が発生してしまう場合があることが見出された。また、かかるスモークの発生は、主として、車体に作用する外乱に起因する振動を抑制するための制振制御による駆動出力制御により生ずることが見出された。
ディーゼルエンジンに於いては、駆動トルクは、エンジンに与えられる燃料噴射量に対応するので、駆動トルク制御は、典型的には、燃料噴射量を増減する制御により達成される。従って、上記の如き制振制御に於いて駆動トルクの調節を行う際には、車両の加減速要求を達成するため及びエンジンの回転を維持するための駆動トルクの要求値に相当する燃料噴射量(以下、「基本燃料噴射量」と称する。)に対して、車体振動を抑制するよう車輪トルクを補償するための燃料噴射量の補償成分を重畳し、補償成分が重畳された基本燃料噴射量が制御指令としてエンジンへ与えられる。
上記の如く基本燃料噴射量に対して重畳される燃料噴射量の補償成分のうち、フィードフォワード補償成分、即ち、車両の加減速要求又は制駆動要求があった場合に生ずることとなる車輪トルク変動に含まれる車体振動を惹起する振動成分を抑制する補償成分、は、運転者又は自動走行制御装置による車両の加減速要求又は制駆動要求に対応する駆動トルクの要求値の変動を低減する方向の成分となる。従って、車両の加速時に燃料噴射量を低減する方向に作用し、車両の減速時に燃料噴射量を増大する方向に作用するところ、車両の減速時には、基本燃料噴射量が低減するので、結果として、基本燃料噴射量の変動の前後で、フィードフォワード補償成分のために、エンジンに与えられる燃料噴射量の総量(総燃料噴射量)が過剰に増大することは殆どない。他方、フィードバック補償成分、即ち、車体に作用する外乱に起因する車輪トルク変動に含まれる車体振動を惹起する振動成分を抑制する補償成分は、起振力となる外乱に対抗するよう生成され、車両に要求されている駆動出力の大小によらず、燃料噴射量を増減するので、かかるフィードバック補償成分によってエンジンに与えられる総燃料噴射量が基本燃料噴射量よりも増大する場合がある。
上記のフィードバック補償成分が、基本燃料噴射量の値が既に比較的高くなっている状態、例えば、車両の加速時又は登坂時に於いて、基本燃料噴射量に重畳され、エンジンへの総燃料噴射量が基本燃料噴射量よりも増大されると、総燃料噴射量がその許容限界を超えてしまうことが起き得る。よく知られているように、ディーゼルエンジンの作動に於いては、燃料噴射量が吸入空気量(エンジン回転数だけでなく、EGR制御や過給機制御によっても調節される。)に対して或る比率以上になると、不完全燃焼の割合が高くなり、排気に於いてスモークが発生する(例えば、特許文献3−5参照)。そこで、通常のディーゼルエンジンの燃料噴射量制御に於いては、基本燃料噴射量は、(予め調べられた)吸入空気量に対して許容可能な燃料噴射量の限界(スモーク発生噴射量)を越えないように設定されている。しかしながら、かかる基本燃料噴射量が比較的高い状況であり、スモーク発生噴射量と基本燃料噴射量との差、即ち、燃料噴射量の増大可能幅に余裕がないときに、フィードバック補償成分によって燃料噴射量が更に付加されると、総燃料噴射量がスモーク発生噴射量を超過し、結果として、エンジン排気にスモークが発生することとなる。
そこで、総燃料噴射量がスモーク発生噴射量を超過することを回避するために、総燃料噴射量に対して、スモーク発生噴射量を超えないようにする制限をかけると、補償成分の増大側(加速側)の変位が頭打ちになる一方、その低減側(減速側)の変位はそのまま要求値通りに反映されるという状態が生じ得る(後述の実施形態の欄及び図6(B)参照)。その結果、車体に於いては、車輪トルクを増大する方向の変化(車体のノーズを上げる方向の作用)が抑制されるのに対して、車輪トルクを低減する方向の変化(車体のノーズを下げる方向)が有効に作用することとなり、これにより、車体に作用するピッチモーメントがアンバランスになり、極端な場合には、制振制御が実行されることで、車体のノーズが下がり気味のままになってしまうなどの車体の挙動の悪化が発生し得ることとなる。
かくして、本発明の主な課題は、ディーゼルエンジン車両に於いて駆動出力制御による制振制御を実行するための制振制御に於いて、車体に作用する外乱に起因する車体振動を抑制するための燃料噴射量の増大方向の変動に起因するスモークの発生を(車体挙動の悪化を回避しながら)回避できるよう制御の態様を修正することである。
本発明によれば、ディーゼルエンジン車両に於いて駆動出力制御によりピッチ・バウンス等の車体振動を抑制する制振制御装置であって、車両の加速時又は登坂時など、車両に対して要求される駆動出力が高いときには、制振制御のうち、車体に外乱などが作用することにより現に車輪に於いて発生する車輪トルクの変動に起因して生ずる振動を抑制するフィードバック制振制御が中断され、これにより、エンジン排気に於けるスモークの発生を回避するよう構成された装置が提供される。
本発明の制振制御装置は、基本的には、車両の車輪と路面との接地個所に於いて発生する車輪に作用する車輪トルクに基づいて車体振動の振幅を抑制する車輪トルクを補償する補償成分を算出する補償成分決定部を含む。即ち、本発明の制振制御装置は、基本的には、車両の走行中に運転者又は自動運転制御による制駆動要求(又は旋回要求)又は車体に作用する外乱によって発生し得る車体振動(典型的には、ピッチ・バウンス振動)を低減又は相殺するよう駆動装置の駆動出力(駆動トルク)を補償する形式の制振制御装置である。かかる制振制御装置に於いては、典型的には、補償成分決定部にて算出された補償成分は、エンジンへ与えられる駆動トルクの要求値に重畳され、これにより、駆動トルクの要求値に含まれている車体振動を惹起する成分が低減又は除去され、或いは、車体に作用する外乱に於ける車体振動を惹起する成分(起振力)の作用を相殺する方向に駆動トルクが制御される。
しかしながら、上記の構成に於いては、更に、エンジンへ与えられる総燃料噴射量が、エンジン排気にスモークが発生するほど増大することを回避するために、車両に対する加減速要求量を参照して補償成分を用いた車体振動の抑制制御の実行の可否を判定する制御実行判定部が設けられる。そして、制御実行判定部は、車両が加速状態又は登坂状態にあると判定されるときには、補償成分のうちの、フィードバック補償成分、即ち、車輪に於いて現に発生している車輪トルクにより生ずる車体振動振幅を抑制するよう車輪トルクを補償する補償成分、による車体振動の抑制制御の実行を中止することを特徴とする。
上記の本発明によれば、まず、車両に要求される駆動出力がさほどに大きくないときには、フィードバック補償成分による制振制御(フィードバック制振制御)が実行される。この際、通常のディーゼルエンジン車両では、基本燃料噴射量は、既にスモーク発生噴射量を超過しないように設定されているので、フィードバック制振制御が実行されてもスモークが発生する可能性は小さい。他方、車両の加速時又は登坂時など、車両に要求される駆動出力が比較的大きく、スモーク発生噴射量と基本燃料噴射量との差にあまり余裕がないときには、本発明によれば、フィードバック制振制御を中断することにより、総燃料噴射量がスモーク発生噴射量を超過することが回避される。他方、車両に対する加減速要求により発生する車輪トルクにより発生する車体振動振幅を抑制する車輪トルクを補償するフィードフォワード補償成分は、車両の加速時又は登坂時など基本燃料噴射量の増大時に、燃料噴射量を増大する方向には変動しないので、フィードバック制振制御を中断する間に於いても、フィードフォワード補償成分による制振制御(フィードフォワード制振制御)は実行されてよく、これにより、車両の加速時又は登坂時でも或る程度の制振制御による作用効果が維持することが可能となる。なお、本発明のフィードバック制振制御を中断するという制御態様によれば、補償成分の増大側だけが頭打ちになり、制御作用のアンバランスが生ずるといった不具合も発生しないことは理解されるべきである。
上記の構成に於いて、車両が加速状態又は登坂状態にあるか否かの判定は、任意の手法で実行されてよいが、好適には、例えば、車両の現在のアクセル開度が定常走行標準アクセル開度よりも所定値以上大きいときに車両が加速状態又は登坂状態にあると判定されるようになっていてよい。定常走行標準アクセル開度とは、要すれば、車両が平地にて略定速にて走行している場合のアクセル開度(エンジンに対する駆動出力の要求量に対応する指標値であり、典型的には、アクセルペダルの踏込量)である。従って、現在のアクセル開度が定常走行標準アクセル開度よりも大きいときには、車両に通常よりも高い駆動出力が要求されていることになるので、車両が加速時又は登坂時であると判定できることとなる。ここで、車両が平地にて略定速にて走行するための車両の駆動出力は、走行抵抗に対抗するため出力であるので、車速に依存するところ、車速は、エンジン回転数と変速機の変速段とにより決定されるので、結局、定常走行標準アクセル開度は、ディーゼルエンジンの回転数に基づいて決定されるようになっていてよい(定常走行標準アクセル開度とエンジン回転数との関係は、変速段毎に、実験的に又は理論的に予め決定されてよい。)。また、上記に於いて、現在のアクセル開度が定常走行標準アクセル開度よりも所定値以上大きいときに車両が加速状態又は登坂状態にあると判定するようにされているのは、車両に要求される駆動出力が定常走行時よりも大きくても比較的小さければ、総燃料噴射量がスモーク発生噴射量に到達する可能性が低いこと、或いは、これにより、車両が加速時又は登坂時であるか否かを極端に厳密にする必要がないことによる(もし判定を厳密にしてしまうと、少しでもアクセルペダルの踏込量がふらつくことで、制御のON/OFFが頻繁に発生してしまうこととなり、好ましくない。)。また、かかるアクセル開度の判定に於ける所定値は、要するに、現在のアクセル開度が定常走行標準アクセル開度を超えてよい許容幅に相当し、かかる許容幅は、燃料噴射量と吸入空気量とのバランスで決定されるべきところ、吸入空気量は、車外の大気圧が低下すると(例えば、高地に於いて)、低減するので、その分、総燃料噴射量が早期にスモーク発生噴射量を超過する可能性が高くなる。そこで、前記の所定値、即ち、許容幅は、大気圧が低いとき、大気圧が高いときに比して、小さく設定されるように、或いは、大気圧とともに低減されるようなっていてよい。
なお、上記の本発明の構成では、車両が加速状態又は登坂状態にあるときには、フィードバック制振制御だけが中断されればよい。そこで、実施の態様に於いて、フィードバック制振制御の中断のために、補償成分決定部へ入力される車輪トルクの制御ゲイン又は該補償成分決定部から出力されるフィードバック補償成分の制御ゲインを調節する制御ゲイン調節部が設けられ、制御実行判定部がフィードバック補償成分による車体振動の抑制制御の実行を中止するときには、制御ゲインが0に設定されるようになっていてよく、これにより、フィードバック制振制御のON/OFFを容易に切り替えることが可能となる。
総じて、本発明によれば、ディーゼルエンジン車両にて駆動出力制御による制振制御を実行する際に、駆動トルク要求値、即ち、燃料噴射量に重畳される補償成分の振動特性を鑑み、制振制御の実行の一部を禁止し、エンジン排気のスモークの発生が回避されるよう制御態様が修正される。なお、本発明の装置に於いて、実際に禁止されるのは、車両の加速時又は登坂時のフィードバック制振制御、即ち、車両が加速状態又は登坂状態であり、且つ、車体に起振力となり得る外乱が作用したときであり、車両に対する加速要求のための駆動トルクの変化のうちの起振力となる成分に対する制振制御は実行されるので、制振制御が車両の加速時に完全に中断されるわけではないことは理解されるべきである。
本発明のその他の目的及び利点は、以下の本発明の好ましい実施形態の説明により明らかになるであろう。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施形態について詳細に説明する。図中、同一の符号は、同一の部位を示す。
装置の構成
図1は、本発明の制振制御装置の好ましい実施形態が搭載される自動車等の車両を模式的に示している。同図に於いて、左右前輪12FL、12FRと、左右後輪12RL、12RRを有する車両10には、通常の態様にて、運転者によるアクセルペダル14の踏込みに応じて後輪に駆動力又は駆動トルクを発生する駆動装置20が搭載される。駆動装置20は、図示の例では、エンジン22から、トルクコンバータ24、自動変速機26、差動歯車装置28等を介して、駆動トルク或いは回転駆動力が後輪12RL、12RRへ伝達されるよう構成される。エンジン22は、公知の態様のディーゼルエンジンであり、燃料装置22aの作動が、アクセル開度(アクセルペダルの踏込量)及び下記に説明する制御量に応じて決定される駆動トルク要求を達成するよう、エンジンの各気筒の燃料噴射装置22bからの燃料噴射量及び/又はその他のパラメータ(噴射時期、噴射率(単位時間当たりの燃料噴射量)、噴射圧力など。以下、総じて「燃料噴射制御量」と称する。)を調節すべく制御される。なお、簡単のため図示していないが、車両10には、通常の車両と同様に各輪に制動力を発生する制動装置と前輪又は前後輪の舵角を制御するためのステアリング装置が設けられる。また、車両は、四輪駆動車又は前輪駆動車であってもよい。更に、図示していないが、ディーゼルエンジンに付随して、その吸入空気量を調節するために、EGR装置、過給機が設けられてよい。
エンジン22の駆動出力の制御パラメータ(基本的には、各気筒への燃料噴射量を含む燃料噴射制御量)は、電子制御装置50の指令によって調節される。電子制御装置50は、通常の形式の、双方向コモン・バスにより相互に連結されたCPU、ROM、RAM及び入出力ポート装置を有するマイクロコンピュータ及び駆動回路を含んでいてよい。電子制御装置50には、各輪に搭載された車輪速センサ30i(i=FL、FR、RL、RR)からの車輪速Vwi(i=FL、FR、RL、RR)を表す信号と、車両の各部に設けられたセンサからのエンジンの回転速ne、アクセルペダル踏込量θa、エンジン冷却水温度(図示せず)、エンジン潤滑油温度(図示せず)、変速機の出力回転速no、潤滑油温度(図示せず)、運転者のシフトレバー位置等の信号が入力される。なお、上記以外に、本実施形態の車両に於いて実行されるべき各種制御に必要な種々のパラメータを得るための各種検出信号が入力されてよいことは理解されるべきである。
図2は、電子制御装置50の内部の構成を制御ブロックの形式で表したものである。同図を参照して、電子制御装置50は、まず、エンジンの作動を制御する駆動制御装置50aと、制動装置(図示せず)の作動を制御する制動制御装置50bと、更に、公知のディーゼルエンジン車両の電子制御装置に装備される各種の制御装置(図示せず)から構成されてよい。なお、駆動制御装置等の各種の制御装置の構成及び作動は、車両の運転中、電子制御装置50内のマイクロコンピュータ等の処理作動に於いて実現されることは理解されるべきである。
制動制御装置50bには、図示の如く、各輪の車輪速センサ30FR、FL、RR、RLからの、車輪が所定量回転する毎に逐次的に生成されるパルス形式の電気信号が入力され、かかる逐次的に入力されるパルス信号の到来する時間間隔を計測することにより車輪の回転速が算出され、これに車輪半径が乗ぜられることにより、車輪速値r・ωが算出される。そして、その車輪速値r・ωは、後に詳細に説明する制振制御を実行するために、駆動制御装置50aへ送信されて、車輪トルク推定値の算出に用いられる。なお、車輪回転速から車輪速への演算は、駆動制御装置50aにて行われてもよい。その場合、車輪回転速が制動制御装置50bから駆動制御装置50aへ与えられる。また、制動制御装置50bに於いて算出される車輪速から公知の任意の態様にて車速が決定されてよい。
駆動制御装置50aは、基本的な構成として、アクセルペダルセンサからのアクセルペダル踏込量(アクセル開度)θaに基づいて運転者の要求するエンジンの駆動トルクの要求値(ディーゼルエンジンの場合、駆動トルクは燃料噴射量に対応するので、要求値の単位として、燃料噴射量が採用される。)を決定する駆動トルク要求値決定部51と、駆動トルク制御による車体のピッチ/バウンス振動制振制御を実行するための、駆動トルク要求値を補償(修正)する補償成分を算出する補償成分決定部52と、補償成分により補償された駆動トルク要求値に基づいてその要求値を達成するエンジン又は燃料装置の各部の駆動器(図示せず)の制御指令を決定するための燃料噴射制御指令決定部53とを含んでいる。
かかる基本構成に於いて、駆動トルク要求値決定部51は、公知の任意の手法によりアクセル開度θaに対応して駆動トルク要求値(補償前)を決定して出力するようになっていてよい。なお、「アクセル開度」とは、車両の運転者によるアクセルペダルの踏込量若しくは操作量、又は、自動走行制御装置(図示せず)が装備されている車両の場合には自動走行制御装置による駆動トルク若しくは駆動出力の要求量を表す量であり、車両に対する加減速力又は制駆動トルクの要求量を表す。また、本実施形態の車両の駆動装置は、ディーゼルエンジンであるので、駆動トルク要求値決定部51は、アクセル開度に対応する車両に対する制駆動要求を達成するためとエンジン回転の維持のための駆動トルク要求値(補償前)として、基本燃料噴射量を決定して出力する。
補償成分決定部52は、図示の如く、駆動トルク要求値決定部51に於いて決定された駆動トルク要求値(補償前)、即ち、基本燃料噴射量を車輪トルクに変換した値(車輪トルク要求値)と、車輪トルク推定器52cにて車輪速r・ωから推定される現に車輪に作用している車輪トルクの推定値とを受信し、後に詳細に説明される態様により、それらの車輪トルク要求値及び推定値に於ける車体にピッチ・バウンス振動を惹起し得る振動成分を低減又は相殺する補償成分Uを算出する。また更に、補償成分決定部は、運転者によるブレーキ操作又はステアリング操作により車輪に生ずる車輪トルクの変化に起因するピッチ・バウンス振動を制振するための補償成分を算出するようになっていてよい。その場合には、図中点線にて示されている如く、車輪トルク推定器52xにてブレーキ操作量又はステアリング操作量に基づいて推定される車輪トルク推定値が補償成分決定部に入力され、車輪トルク要求値等と同様に処理されて、補償成分が算出される。ブレーキ操作量又はステアリング操作量に基づく車輪トルクの変化量の推定は、任意の公知の方法により為されてよい。
かくして、補償成分決定部52で算出された補償成分は、燃料噴射量の単位に変換されて加算器a1へ向けて送信され、加算器a1に於いて駆動トルク要求値(補償前)に補償成分が重畳されることにより、駆動トルク要求値、即ち、基本燃料噴射量が補償される。そして、補償後の基本燃料噴射量、即ち、エンジンへ与えられるべき総燃料噴射量は、燃料噴射制御指令決定部53に於いて、その総燃料噴射量と、そのときのエンジン回転数及び/又はエンジン温度等を参照して、予め実験的に又は理論的に定められたマップを用いて、公知の態様にて、総燃料噴射量を達成するように、エンジン又は燃料装置の各部の駆動器(図示せず)の制御指令の決定及び各駆動器への制御指令の送信を行う。
更に、上記の基本的な構成に加えて、本実施形態に於いては、特に、車両に対する基本燃料噴射量(補償前)が高い場合に、制振制御の補償成分による燃料噴射量の変動によって総燃料噴射量がスモーク発生噴射量を超過することを回避するための構成が設けられる。かかる構成として、図2に例示の制御装置の場合に於いては、車輪トルク推定器52cから補償成分決定部52へ渡される車輪トルク推定値の入力の制御ゲインλinを制御するための制御ゲイン調節器52eが設けられる。制御ゲイン調節器52eは、端的に述べれば、アクセル開度、変速段情報、大気圧等の情報を受信し、車両が加速状態又は登坂状態にあると判定されるときに、制御ゲイン乗算器52dに対して指令を送り、補償成分決定部へ入力される車輪トルク推定値が0になるよう制御ゲインλinを0に設定し、これにより、補償成分決定部52にて算出される補償成分のうち、現に発生している車輪トルクに対する補償成分(フィードバック(FB)補償成分)が出力されることを選択的に阻止するよう機能する。
装置の作動
以下、図2に例示の制御装置の制御ブロックについて、それらの作動の詳細について説明する。
(i)ピッチ・バウンス制振制御
上記の構成に於いて、図2の補償成分決定部52にて算出される補償成分によるピッチ・バウンス制振制御は、以下の如き態様にて行われてよい。
(制振制御の原理)
車両に於いて、運転者の駆動要求に基づいて駆動装置が作動して車輪トルクの変動が生ずると、図3(A)に例示されている如き車体10に於いて、車体の重心Cgの鉛直方向(z方向)のバウンス振動と、車体の重心周りのピッチ方向(θ方向)のピッチ振動が発生し得る。また、車両の走行中に路面状態の変化や風の影響により車輪上に力又はトルク(外乱)が作用すると、その外乱が車両に伝達され、やはり車体にバウンス方向及びピッチ方向の振動が発生し得る。そこで、ここに例示するピッチ・バウンス振動制振制御に於いては、車体のピッチ・バウンス振動の運動モデルを構築し、そのモデルに於いて駆動トルク要求値を車輪トルクに換算した値及び/又は現在の車輪トルク推定値を入力した際の車体の変位z、θとその変化率dz/dt、dθ/dt、即ち、車体振動の状態変数を算出し、モデルから得られた状態変数が0に収束するように、即ち、ピッチ/バウンス振動が抑制されるよう駆動装置(エンジン)の駆動トルクが調節される(駆動トルク要求値が修正される。)。
かくして、まず、制振制御に於ける車体のバウンス方向及びピッチ方向の力学的運動モデルとして、例えば、図3(B)に示されている如く、車体を質量M及び慣性モーメントIの剛体Sとみなし、かかる剛体Sが、弾性率kfと減衰率cfの前輪サスペンションと弾性率krと減衰率crの後輪サスペンションにより支持されているとする(車体のばね上振動モデル)。この場合、車体の重心のバウンス方向の運動方程式とピッチ方向の運動方程式は、下記の数1の如く表される。
Figure 2009121427
ここに於いて、Lf、Lrは、それぞれ、重心から前輪軸及び後輪軸までの距離であり、rは、車輪半径であり、hは、重心の路面からの高さである。なお、式(1a)に於いて、第1、2項は、前輪軸から、第3、4項は、後輪軸からの力の成分であり、式(1b)に於いて、第1項は、前輪軸から、第2項は、後輪軸からの力のモーメント成分である。式(1b)に於ける第3項は、駆動輪に於いて発生する車輪トルクTが車体の重心周りに与える力のモーメント成分である。
上記の式(1a)及び(1b)は、車体の変位z、θとその変化率dz/dt、dθ/dtを状態変数ベクトルX(t)として、下記の式(2a)の如く、(線形システムの)状態方程式の形式に書き換えることができる。
dX(t)/dt=A・X(t)+B・u(t) …(2a)
ここで、X(t)、A、Bは、それぞれ、
Figure 2009121427
であり、行列Aの各要素a1-a4及びb1-b4は、それぞれ、式(1a)、(1b)のz、θ、dz/dt、dθ/dtの係数をまとめることにより与えられ、
a1=-(kf+kr)/M、a2=-(cf+cr)/M、
a3=-(kf・Lf-kr・Lr)/M、a4=-(cf・Lf-cr・Lr)/M、
b1=-(Lf・kf-Lr・kr)/I、b2=-(Lf・cf-Lr・cr)/I、
b3=-(Lf2・kf+Lr2・kr)/I、b4=-(Lf2・cf+Lr2・cr)/I
である。また、u(t)は、
u(t)=T
であり、状態方程式(2a)にて表されるシステムの入力である。従って、式(1b)より、行列Bの要素p1は、
p1=h/(I・r)
である。
状態方程式(2a)に於いて、
u(t)=−K・X(t) …(2b)
とおくと、状態方程式(2a)は、
dX(t)/dt=(A−BK)・X(t) …(2c)
となる。従って、X(t)の初期値X0(t)をX0(t)=(0,0,0,0)と設定して(トルク入力がされる前には振動はないものとする。)、状態変数ベクトルX(t)の微分方程式(2c)を解いたときに、X(t)、即ち、バウンス方向及びピッチ方向の変位及びその時間変化率、の大きさを0に収束させるゲインKが決定されれば、ピッチ・バウンス振動を抑制するトルク値u(t)が決定されることとなる。かかるトルク値u(t)をエンジンの駆動トルク要求値(本実施形態の場合は、燃料噴射量)に変換した値が制振制御によりエンジンに与えられる補償成分である。
ゲインKは、所謂、最適レギュレータの理論を用いて決定することができる。かかる理論によれば、2次形式の評価関数
J=1/2・∫(XQX+uRu)dt …(3a)
(積分範囲は、0から∞)
の値が最小になるとき、状態方程式(2a)に於いてX(t)が安定的に収束し、評価関数Jを最小にする行列Kは、
K=R−1・B・P
により与えられることが知られている。ここで、Pは、リカッティ方程式
-dP/dt=AP+PA+Q−PBR−1
の解である。リカッティ方程式は、線形システムの分野に於いて知られている任意の方法により解くことができ、これにより、ゲインKが決定される。
上記の評価関数J及びリカッティ方程式中のQ、Rは、それぞれ、任意に設定される半正定対称行列、正定対称行列であり、システムの設計者により決定される評価関数Jの重み行列である。例えば、ここで考えている運動モデルの場合、Q、Rは、
Figure 2009121427
などと置いて、式(3a)に於いて、状態ベクトルの成分のうち、特定のもの、例えば、dz/dt、dθ/dt、のノルム(大きさ)をその他の成分、例えば、z、θ、のノルムより大きく設定すると、ノルムを大きく設定された成分が相対的に、より安定的に収束されることとなる。また、Qの成分の値を大きくすると、過渡特性重視、即ち、状態ベクトルの値が速やかに安定値に収束し、Rの値を大きくすると、消費エネルギーが低減される。
なお、車体のバウンス方向及びピッチ方向の力学的運動モデルとして、例えば、図3(C)に示されている如く、図3(B)の構成に加えて、前輪及び後輪のタイヤのばね弾性を考慮したモデル(車体のばね上・下振動モデル)が採用されてもよい。前輪及び後輪のタイヤが、それぞれ、弾性率ktf、ktrを有しているとすると、図3(C)から理解される如く、車体の重心のバウンス方向の運動方程式とピッチ方向の運動方程式は、下記の数4の如く表される。
Figure 2009121427
ここに於いて、xf、xrは、前輪、後輪のばね下変位量であり、mf、mrは、前輪、後輪のばね下の質量である。式(4a)−(4b)は、z、θ、xf、xrとその時間微分値を状態変数ベクトルとして、図3(B)の場合と同様に、式(2a)の如き状態方程式を構成し(ただし、行列Aは、8行8列、行列Bは、8行1列となる。)、最適レギュレータの理論に従って、状態変数ベクトルの大きさを0に収束させるゲイン行列Kを決定することができる。
(補償成分決定部の構成)
上記のピッチ・バウンス制振制御のための補償成分Uを算出する図2の補償成分決定部52内部の制御処理の構成は、図3(D)に於いて、制御ブロックの形式にて示されている。図3(D)の制御構成に於いては、まず、運動モデルの車輪トルク入力端へ、駆動トルク要求決定部51からの駆動トルク要求値を車輪トルクに換算して得られる車輪トルク要求値Twoと現に車輪に於いて発生している車輪トルク(の推定値)Twが、それぞれ、入力される(更に、図中点線の如く、ブレーキ操作量又はステアリング操作量に対応する車輪トルク推定値が入力されるようになっていてよい。)。次いで、運動モデルに於いて、そのトルク入力値T(=Two+Tw)を用いて式(2a)の微分方程式を解くことにより、状態変数ベクトルX(t)が算出される。そして、その状態ベクトルX(t)に、上記の如く状態変数ベクトルX(t)を0又は最小値に収束させるべく決定されたゲイン“−K”を乗じた値u(t)が算出され、そのu(t)がエンジンの駆動トルク要求値単位(燃料噴射量単位)の補償成分Uに換算される。かくして算出された補償成分は、加算器a1へ送信され、加算器a1に於いて、駆動トルク要求値(基本燃料噴射量)に重畳され、これにより、K・X(t)の値に相当する成分が駆動トルク要求値から差し引かれることとなる。車体のピッチ・バウンス振動システムは、式(1a)及び(1b)からも理解される如く、共振システムであり、任意の入力に対して状態変数ベクトルX(t)の値は、実質的には、システムの固有振動数(1〜5Hz程度)を概ね中心とした或るスペクトル特性を有する帯域の周波数成分のみとなっている。従って、上記の如く、駆動トルク要求値からK・X(t)を差し引く構成により、駆動トルク要求値或いは現に発生している車輪トルクのうち、システムの固有振動数の成分、即ち、車体に於いてピッチ・バウンス振動を引き起こす成分が低減又は除去され、車体に於けるピッチ・バウンス振動が抑制されることとなる。
(車輪トルクの推定)
図3(D)に於ける運動モデルに対して、外乱の作用として入力される現に発生している車輪トルクの値Twは、理想的には、各輪にトルクセンサを設け、実際に検出されればよいが、通常の車両の各輪にトルクセンサを設けることは困難である。そこで、図示の例では、車輪トルクの外乱入力として、走行中の車両に於けるその他の検出可能な値から車輪トルク推定器52c(図2)にて推定された車輪トルク推定値が用いられる。車輪トルク推定値Twは、典型的には、駆動輪の車輪速センサから得られる車輪回転速ω又は車輪速値r・ωの時間微分を用いて、
Tw=M・r・dω/dt …(5)
と推定することができる。ここに於いて、Mは、車両の質量であり、rは、車輪半径である。[駆動輪が路面の接地個所に於いて発生している駆動力の総和が、車両の全体の駆動力M・G(Gは、加速度)に等しいとすると、車輪トルクTwは、
Tw=M・G・r …(5a)
にて与えられる。車両の加速度Gは、車輪速度r・ωの微分値より、
G=r・dω/dt …(5b)
で与えられるので、車輪トルクは、式(5)の如く推定される。]なお、車輪トルク推定値は、車輪速ではなく、エンジン回転速、変速機回転速、タービン回転速など、駆動輪に作動的に連結した駆動系の回転軸の回転速から推定されるようになっていてもよい。駆動装置のエンジン又はモータの出力軸の回転速neを用いる場合には、駆動輪の車輪回転速は、
ωe=ne×トランスミッション(変速機)ギア比×デフ(差動装置)ギア比 …(6)
により与えられる。また、変速機の出力軸の回転速noを用いる場合には、
ωo=no×デフギア比 …(7)
により与えられる。そして、式(6)又は(7)の駆動輪の車輪回転速ωの推定値は、式(5)に代入され、車輪トルク推定値が算出される。
(ii)フィードバック制振制御の選択的な中断制御
上記の如く補償成分決定部52に於いて算出され加算器a1にて駆動トルク要求値(基本燃料噴射量)に重畳される補償成分のうち、車輪トルク要求値Twoに対応する成分がフィードフォワード(FF)補償成分であり、車輪トルク推定値Twに対応する成分がフィードバック(FB)補償成分である。図6(A)の左右の図は、それぞれ、かかるFF補償成分及びFB補償成分の振動変位の時間変化(振動特性)を模式的に表したものである(図2の構成に於いては、これらの補償成分は、足し合わされて出力されることとなる。)。同図を参照して、まず、FF補償成分は、上記の説明から理解される如く、アクセル開度に対応する車輪トルク要求値のうち、車体のピッチ・バウンス振動の起振力となる振動成分を相殺するよう算出される。従って、アクセル開度が増大方向に変化し、これにより車輪トルク要求値が変化したときには、例えば、図6(A)の左図の如く、車輪トルク要求値を低減する方向に、即ち、燃料噴射量を低減する方向に作用する。これに対し、FB補償成分は、車輪トルク要求値の変動の有無に関わらず、例えば、車輪が路面上の突起を乗り越えたときなど、路面上の状態変化や車体が突風を受けたときなどの車両に力学的な外乱が作用し、これにより車輪トルクに変動が生じた際に、その変動のうちのピッチ・バウンス振動の起振力となる振動成分を相殺するよう算出される。従って、例えば、図6(A)の右図の如く、FB補償成分は、ランダムな振動成分となる。
かくして、上記の如き補償成分のうち、FF補償成分は、基本燃料噴射量の変動方向とは、逆方向の振動変位を有することとなるので、FF補償成分の作用により燃料噴射量が増大されることは殆ど発生しない。他方、FB補償成分はランダムな振動成分である。従って、FB補償成分の振動が増大方向に変位し、且つ基本燃料噴射量が比較的高いときに、基本燃料噴射量に対してFB補償成分が重畳されると、総燃料噴射量が、「発明の開示」の欄で既に述べた如く、スモーク発生噴射量を超過し、エンジン排気にスモークが発生する可能性が高くなる。
図6(B)は、上記の如き基本燃料噴射量が比較的高いときにFB補償成分が重畳した場合の不具合について説明する図である。図6(B)の左図に例示されている如く、基本燃料噴射量(簡単のため水平直線状にて示されている。)が低いときには、ランダムに振動するFB補償成分が重畳しても、基本燃料噴射量からスモーク発生噴射量までの余裕が大きいので、総燃料噴射量がスモーク発生噴射量を超過することはない。しかしながら、図6(B)の右図に例示されている如く、基本燃料噴射量が比較的高くスモーク発生噴射量までの余裕が小さいときには、FB補償成分が基本燃料噴射量に重畳すると、FB補償成分が増大側に振れたときにスモーク発生噴射量を超過し、そのままでは、エンジン排気にスモークが発生することとなる。かかるスモークの発生を回避するための手法として、総燃料噴射量がスモーク発生噴射量を超えることを禁止するように総燃料噴射量を制限することが考えられるが、そうなると、FB補償成分の増大側が頭打ちになる一方で低減側はそのまま反映されることとなり、これにより、車輪トルクの変動に於いて増大側と低減側としてアンバランスが発生し、車両の挙動が悪化したり、或いは不自然なものとなる可能性がある(増大側が頭打ちになるため、車両のノーズを上げる力が不足し、ノーズが下がり気味になった状態となり得る。)。
上記の如き現象は、基本燃料噴射量が比較的大きいとき、即ち、車両が加速状態又は登坂状態にあるときに生ずる。そこで、本発明の制振制御装置では、既に触れたように、車両が加速状態又は登坂状態にあると判定されたときには、FB補償成分が総燃料噴射量に反映されないように、即ち、フィードバック制振制御を中断する構成が設けられる。かかる構成は、例えば、図2の実施形態では、制御ゲイン調節器52eによって、車輪トルク推定器52cから補償成分決定部52へ渡される車輪トルク推定値に乗ぜられる制御ゲインを調節することにより達成される。
図4(A)は、制御ゲイン調節器52eの制御処理構成を、フローチャートの形式にて表したものである。同図を参照して、まず、制御ゲイン調節器52eでは、初めに車速が所定値より低いか否か(ステップ100)、自動変速機の変速段がニュートラル又はリバースとなっているか否か(ステップ110)、及び、変速段の切り替え中であるか否か(ステップ120)が判定される。いずれかの条件が満たされるときは、駆動装置又は駆動系の作動が安定的でないか、制振制御そのものを必要としない状態であるので、制御ゲインλinは、0に設定される(ステップ150)。
一方、ステップ100〜120のいずれもが成立しないときには、車両が加速状態又は登坂状態であるか否かが判定される(ステップ130)。かかる判定は、例えば、現在のアクセル開度が、定常走行標準アクセル開度よりも所定値以上大きいか否かを判定することにより為されてよい。
ここで、定常走行標準アクセル開度とは、既に述べた如く、車両が平地にて略定速にて走行している場合のアクセル開度であり、走行中の車両に作用する走行抵抗を凌駕して車両を略定速にて走行するための基本燃料噴射量を与えるアクセル開度である。現在のアクセル開度が定常走行標準アクセル開度よりも大きいときには、車両が平地を走行していれば、車両に加速が要求されていることが推定され、車両が略定速にて走行中であれば、車両が登坂中であると推定される。従って、上記の如きアクセル開度による判定により、車両が加速状態又は登坂状態であるか否かが判定することが可能となる。また、上記の判定に於いて、現在のアクセル開度が、定常走行標準アクセル開度ではなく、定常走行標準アクセル開度よりも所定値以上大きいときに、車両が加速状態又は登坂状態であると判定するのは、車両に要求される基本燃料噴射量が定常走行時よりも大きくても比較的小さければ、総燃料噴射量がスモーク発生噴射量に到達する可能性が低く、又、運転者によるアクセルペダルの踏込量の“ふらつき”による制御のON/OFFが頻繁に発生することを回避するためである(従って、より厳密に言えば、車両に要求される加速度が所定値に対応する程度以上大きいときにFB制振制御が中断されることとなる。)。
定常走行標準アクセル開度は、上記の如く、走行抵抗に応じて定まるところ、走行抵抗は、車速の関数であり、車速は、変速比とエンジン回転数の関数である。従って、ステップ130の判定で用いられる定常走行標準アクセル開度の値は、図4(B)に例示されている如く、変速段毎にエンジン回転数をパラメータとする定常走行標準アクセル開度のマップ(図中、実線にて示されている。)を予め準備し、かかるマップから現在の変速段とエンジン回転数を参照して取得するようになっていてよい。また、ステップ130の判定で用いられる所定値は、想定される走行状態に於いて総燃料噴射量がスモーク発生噴射量を超えることがないように予め実験的又は理論的に決定されてよい。この点に関し、スモーク発生噴射量は、既に触れたように吸入空気量に依存して定まるところ、吸入空気量は、車外の大気圧に低くなると低下し、その分、スモーク発生噴射量も低下するので、基本燃料噴射量からスモーク発生噴射量までの余裕も低減することとなる。そこで、ステップ130の判定で用いられる所定値は、図4(C)の如く、大気圧が低いほど小さくなるよう設定され、大気圧が低い高地でもスモーク発生の可能性を低減するようになっていてよい。なお、加速状態と登坂状態とを別々に判定する場合には、更に、車速の上昇変化を参照するようになっていてよい。
かくして、ステップ130に於いて、現在のアクセル開度が、定常走行標準アクセル開度よりも所定値以上大きいと判定されるときには、制御ゲインは、0に設定され(ステップ150)、他方、現在のアクセル開度が、定常走行標準アクセル開度よりも所定値よりも小さいときは、制御ゲインは、任意の態様にて決定される値に設定される。車輪トルク推定器52cの出力である車輪トルク推定値Twは、制御ゲイン乗算器52d(図2)に於いて、制御ゲインλinが乗算され、補償成分決定部52の車輪トルク入力端に於いては、
T←Two+λin・Tw …(8)
にて表される車輪トルク入力Tが入力される。従って、λin=0に設定されるとき(ステップ150)には、補償成分Uに於いて、車輪トルク推定値Twの寄与は0となるので、車輪に於いて外乱が発生したとしても、FB補償成分は、0となり、FB制振制御が中断されることとなる。
(iii)補償成分決定部の構成の修正例
図6(A)に関連して説明された如く、補償成分に含まれるFF補償成分とFB補償成分とは、振動特性が異なる。従って、図5に於いて例示されている如く、補償成分決定部52に於いて、FF補償成分UFFとFB補償成分UFBとが別々に算出されるようになっていてよい。この場合、FF補償成分とFB補償成分とを算出する決定部52a、52bは、それぞれ、図3(D)に例示された構成を有する(従って、補償成分決定部52には、二つの同様の、ただし入力が異なる補償成分決定部が設けられる。)。かかる構成によれば、FF補償成分UFFとFB補償成分UFBとに対して別々に処理を施すことができるので、例えば、図5に示されている如く、FB補償成分決定部52bの出力UFBに制御ゲインλout(出力ゲイン)を乗ずる乗算器52gを設け、制御ゲイン調節器52eにより、制御ゲインλoutを制御できるようになっていてよい。その場合、制御ゲイン調節器52eは、図4(A)と同様のフローチャートの処理により制御ゲインλoutを選択的に0に設定して、FB制振制御を中断できるようになっていてよい。
また、更に別の態様として、制御ゲイン調節器52eは、図4(A)のフローチャートの処理に於いて、制御ゲインλin(又はλout)の値を、0と任意に設定される正値との間で切り替えるのではなく、現在のアクセル開度と定常走行標準アクセル開度との差分により、制御ゲインλinの値を増減するようになっていてよい。その場合、
(現在のアクセル開度)−(定常走行標準アクセル開度)
にて与えられる差分が大きいほど制御ゲインの値が小さく設定されることとなろう。
かくして、上記の構成によれば、車両の加速状態又は登坂状態など、基本燃料噴射量が比較的高いときには、FB制振制御が中断され、これにより、エンジン排気のスモーク発生が回避されることとなる。
以上の説明は、本発明の実施の形態に関連してなされているが、当業者にとつて多くの修正及び変更が容易に可能であり、本発明は、上記に例示された実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の概念から逸脱することなく種々の装置に適用されることは明らかであろう。
例えば、上記の実施形態に於ける車輪トルク推定値が車輪速から推定されるものであるが、車輪トルク推定値が車輪速から以外のパラメータから推定されるものであってもよい。また、上記の実施形態に於ける制振制御は、運動モデルとしてばね上又はばね上・ばね下振動モデルを仮定して最適レギュレータの理論を利用したピッチ・バウンス振動の制振制御であるが、本発明の概念は、車輪トルクを利用するものであれば、ここに紹介されているもの以外の運動モデルを採用したもの或いは最適レギュレータ以外の制御手法により任意の車体振動の制振を行うものにも適用され、そのような場合も本発明の範囲に属する。
また、図2の例では、制振制御による駆動出力の補償演算を行う際の制御指令が燃料噴射量の単位にて表され、処理されているが、燃料噴射量を車輪トルク値又は駆動トルク値の単位に換算するようにして、駆動トルク要求値をトルクの単位で表して演算処理が実行されるようになっていてもよい。更に、図示していないが、FF補償成分の入出力に於いて制御ゲインの調節が別に実行されてもよく、また、FF、FB補償成分のそれぞれについて、本発明の目的以外の理由で制御ゲインの調節が更に実行されるようになっていてもよく、そのような場合も本発明の範囲に属すると理解されるべきである。
図1は、本発明による制振制御装置の好ましい実施形態が実現される自動車の模式図を示している。 図2は、図1の電子制御装置の実施形態の内部構成を制御ブロック図の形式で表したものである。駆動トルク要求値決定部51、燃料噴射制御指令決定部53には、図示されているもの以外の、例えば、エンジン温度等の種々のパラメータが入力されてよい。 図3Aは、本発明の好ましい実施形態の制振制御の作動に於いて抑制される車体振動の状態変数を説明する図である。図3Bは、本発明の好ましい実施形態の制振制御に於いて仮定される車体振動の力学的運動モデルの一つである「ばね上振動モデル」について説明する図であり、図3Cは、ばね上・ばね下振動モデルについて説明する図である。図3Dは、本発明の好ましい実施形態に於ける補償成分決定部の構成を制御ブロック図の形式で表した図である。 図4Aは、図2の制御ゲイン調節器の制御処理構成をフローチャートの形式で表したものである。制御ゲインλは、FB補償成分決定部52の入力側の制御ゲイン乗算器52d(図2)の制御ゲインλin又は出力側の制御ゲイン乗算器52g(図5)の制御ゲインλoutのいずれであってもよい。図4Bは、定常走行標準アクセル開度を取得するためのマップをグラフの形式にして示したものである。標準アクセル開度は、エンジン回転数と変速段によって決定される。図中の一点鎖線は、変速段が6段の場合に、図4Aの制御処理のステップ130に於いて、現在のアクセル開度と比較される値を示している。現在のアクセル開度が一点鎖線よりも上側にあるとき、FB制振制御が中断される。図4Cは、図4Aの制御処理のステップ130に於いて使用される所定値を大気圧に応じて決定するためのマップをグラフの形式にして示したものである。 図5は、図2の制御装置に於ける補償成分決定部52と制御ゲイン調節器52eの修正例を制御ブロックの形式にて示したものである。補償成分決定部52には、FF補償成分を決定する決定部とFB補償成分を決定する決定部とが設けられ、後者の出力に於いて、制御ゲイン調節器52eにより制御ゲインの大きさが調節される乗算器52gが設けられる。 図6Aは、FF補償成分、FB補償成分の時間変化の例を模式的に示している。FF補償成分については、車輪トルク要求値に(増大方向に)変化があった場合、FB補償成分については、車輪トルクに外乱による変動が生じた場合の、変位が示されている。図6Bは、基本燃料噴射量に対して補償成分を重畳して得られる総燃料噴射量の時間変化を示している。左図は、総燃料噴射量がスモーク発生噴射量を超過しない場合であり、右図は、総燃料噴射量がスモーク発生噴射量を超過する場合をそれぞれ示している。右図において、斜線が施されている部分では、エンジン排気にスモークが発生する可能性が高くなる。
符号の説明
10…車体
12FL、FR、RL、RR…車輪
14…アクセルペダル
20…駆動装置
22…ディーゼルエンジン
22a…燃料装置
30FL、FR、RL、RR…車輪速センサ
50…電子制御装置
50a…駆動制御装置
50b…制動制御装置

Claims (6)

  1. ディーゼルエンジンを駆動装置とする車両の駆動出力を制御して前記車両の車体振動を抑制する車両の制振制御装置であって、前記車両の車輪と路面との接地個所に於いて発生する前記車輪に作用する車輪トルクに基づいて前記車体振動の振幅を抑制する前記車輪トルクを補償する補償成分を算出する補償成分決定部と、前記車両に対する加減速要求量を参照して前記補償成分を用いた前記車体振動の抑制制御の実行の可否を判定する制御実行判定部とを含み、前記補償成分が前記車輪に於いて現に発生している車輪トルクにより生ずる車体振動振幅を抑制する車輪トルクを補償するフィードバック補償成分を含み、前記制御実行判定部が、前記車両が加速状態又は登坂状態にあると判定されるときには、前記フィードバック補償成分による前記車体振動の抑制制御の実行を中止することを特徴とする装置。
  2. 請求項1の装置であって、前記車両の現在のアクセル開度が定常走行標準アクセル開度よりも所定値以上大きいときに前記車両が加速状態又は登坂状態にあると判定されることを特徴とする装置。
  3. 請求項2の装置であって、前記定常走行標準アクセル開度が前記ディーゼルエンジンの回転数に基づいて決定されることを特徴とする装置。
  4. 請求項1乃至3の装置であって、前記補償成分が前記車両に対する加減速要求により発生する車輪トルクにより発生する車体振動振幅を抑制する車輪トルクを補償するフィードフォワード補償成分を含み、前記車両が加速状態又は登坂状態にあると判定されるときでも、前記フィードフォワード補償成分による前記車体振動の抑制制御が実行されることを特徴とする装置。
  5. 請求項1乃至4の装置であって、該補償成分決定部へ入力される前記車輪トルクの制御ゲイン又は該補償成分決定部から出力される前記フィードバック補償成分の制御ゲインを調節する制御ゲイン調節部を含み、前記制御実行判定部が前記フィードバック補償成分による前記車体振動の抑制制御の実行を中止するときには、前記制御ゲインが0に設定されることを特徴とする装置。
  6. 請求項2若しくは3又は請求項2若しくは3を引用する請求項4又は5の装置であって、前記所定値が、大気圧が低いとき、大気圧が高いときに比して、小さく設定されることを特徴とする装置。
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