JP4992671B2 - 車両の制振制御を行う駆動制御装置 - Google Patents

車両の制振制御を行う駆動制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、自動車等の車両の駆動制御装置に係り、より詳細には、エンジンを駆動装置とする車両の駆動出力(駆動力又は駆動トルク)を制御して車体の振動を抑制する制振制御機能を有する駆動制御装置に係る。
車両の走行中のピッチ・バウンス等の振動は、車両の加減速時に車体に作用する制駆動力(若しくは慣性力)又はその他の車体に作用する外力により発生するところ、それらの力は、車輪(駆動時には、駆動輪)が路面に対して作用している「車輪トルク」(車輪と接地路面上との間に作用するトルク)に反映される。そこで、車両の制振制御の分野に於いて、車両のエンジン又はその他の駆動装置の駆動出力制御を通して車輪トルクを調節して、車両の走行中に於ける車体の振動を抑制することが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。かかる駆動出力制御による振動の制振制御に於いては、所謂車体のばね上振動又はばね上・ばね下振動の力学的モデルを仮定して構築された運動モデルを用いて、車両の加減速要求があった場合又は車体に外力(外乱)が作用して車輪トルクに変動があった場合に車体に生ずるピッチ・バウンス振動を予測し、その予測された振動が抑制されるように車両の駆動装置の駆動出力が調節される。このような形式の制振制御の場合、サスペンションによる制振制御の如く発生した振動エネルギーを吸収することにより抑制するというよりは、振動を発生する力の源を調節して振動エネルギーの発生が抑えられることになるので、制振作用が比較的速やかであり、また、エネルギー効率が良いなどの利点を有する。また、上記の如き制振制御に於いては、制御対象が車輪トルク又は車輪の制駆動力に集約されるので、制御の調節が比較的に容易である。
特開2004−168148 特開2006−69472
上記の駆動出力制御による制振制御が実行されると、駆動装置の出力は、車両のピッチ・バウンス振動を抑制するよう車輪トルクを制御すべく、通常の場合よりも頻繁に振動的に変動されることとなる。この点に関し、車両の駆動装置がディーゼルエンジン又はガソリンエンジンである場合、前記の如き制振制御による振動的な出力の変動があると、排気ガス再循環(EGR−Exhaust Gas Recirculation)装置による「EGR制御」が良好に実行されない場合があることが見出された。
「EGR制御」とは、端的に述べれば、エンジンの排気ガスの一部を排気系から取り出して吸気系に還流することにより燃焼温度を低下させ、排気ガス中のNOxを低減する制御である。ガソリンエンジンの場合、かかるEGRによって気筒内の混合気の量を増大して熱容量の増大をし、これにより、燃焼温度が低下される。また、ディーゼルエンジンの場合は、EGRにより、吸入空気量が低減され、これにより、気筒内の酸素濃度を低減して燃焼温度の低下が図られるようになっている。このEGR制御を実行する構成としては、基本的には、いずれのエンジンの場合も、エンジンの排気管から吸気管に連通する排気ガスの流路が設けられ、その流路の途中に排気ガス還流量を調節するEGR弁が設けられる。そして、EGR目標値(排気ガス還流量の目標値又はEGR率の目標値)は、(特に電子制御式の場合)エンジンに対する要求出力(要求駆動トルク、要求燃料噴射量)、吸気圧又は吸気量の目標値又は実際値、エンジン回転速度、エンジン温度(冷却水温、潤滑油温)といったパラメータに基づき、エンジンの運転状態に応じた適当な値に設定され、そのEGR目標値を達成するようEGR弁の作動が制御される。
かかるEGRは、上記の如く、排気ガスを排気管から吸気管へ戻すといった構成により実行されるので、EGR制御が適切に実行可能な速度には或る程度の限界がある。即ち、エンジンの運転状態の変化が速過ぎると、排気ガスの還流量の調節が間に合わず、気筒内に適切な量の排気ガスを投入することができない事態が生ずる(EGR制御の応答遅れ)。従って、冒頭に述べた車両のピッチ・バウンス制振制御の実行時のように、駆動装置の駆動出力の制御指令に振動的な補償成分(駆動出力に於けるピッチ・バウンス振動を低減又は相殺するための修正量)が重畳し、エンジンの運転状態、特に、発生駆動出力が、通常よりも速く振動的に変化すると、EGRの実行量(気筒内に投入される排気ガス量)が、運転状態の振動的な変化に追従できずに遅れを生ずることがある。その場合、EGR実行量が、エンジンの運転状態に対して、過少であると、NOxの低減が十分に為されず、又、過大であると、燃焼状態の不安定化、NOx以外の大気中に放出されるべきでない物質(HC、PM、黒煙)の増加、燃費悪化等の問題を生ずる。かくして、EGRを実行するよう構成されたエンジンを搭載した車両に於いて、駆動出力制御によるピッチ・バウンス制振制御を実行する場合には、EGR制御の応答遅れを考慮する必要がある。
かくして、本発明の一つの課題は、駆動出力制御によるピッチ・バウンス制振制御とEGR制御とを実行するよう構成された車両の駆動制御装置であって、EGR制御の応答遅れに配慮した駆動制御装置を提供することである。
また、本発明のもう一つの課題は、駆動装置がEGR制御を実行するエンジンである車両に於いて、ピッチ・バウンス制振制御が実行する際に、EGR制御の効果の悪化をできるだけ抑制することである。
本発明によれば、EGR制御を実行するエンジンを駆動装置とする車両のピッチ・バウンス制振制御のための駆動出力制御を実行する形式の駆動制御装置であって、ピッチ・バウンス制振制御による補償成分の特性及びEGR制御の応答遅れを考慮して両制御の態様を調停し、EGR制御の制御効果の悪化を抑制するよう構成された駆動制御装置が提供される。
本発明の一つの態様に於いて、車両の駆動出力を制御して車両のピッチ又はバウンス振動を抑制する制振制御を実行する車両のエンジンの駆動制御装置は、車両の車輪と路面との接地個所に於いて発生する車輪に作用する車輪トルクに基づいてピッチ又はバウンス振動振幅を抑制するようエンジンの駆動トルクを制御する制振制御部と、エンジンの排気ガス再還流装置に於ける排気ガス再還流量を制御する排気ガス再還流制御部とを含む。そして、エンジンの駆動出力については、制振制御部による補償成分により補償された要求駆動出力を表す制御指令に基づいて制御する一方、排気ガス再還流制御部は、制振制御部により算出される制振制御のための車輪トルクを補償する補償成分のうちの所定の特性を有する成分のみにより補償されたエンジンに対する要求駆動出力を表す制御指令に基づいて決定される排気ガス再還流量の目標値に基づいて排気ガス再還流量を制御することを特徴とする。ここで、要求駆動出力を表す制御指令とは、要求駆動出力が要求駆動トルク又は駆動力で与えられる場合には、その値か、或いは、その値に基づいて決定される燃料噴射量(ディーゼルエンジンの場合)若しくは吸入空気量(ガソリンエンジンの場合)など、この分野に於いて、エンジンの駆動出力の制御又は調節を行う際に用いられる任意の制御量であってよい。また、「排気ガス再還流量の目標値」は、EGR率(気筒に吸入される気体のうちの排気ガスの割合)の単位であってもよい。
上記の構成から理解される如く、本発明の駆動制御装置の特徴とするところは、その構成に於いて、エンジンの駆動出力制御自体に対する制御指令については、制振制御部により補償された制御指令を用いる一方、排気ガス再還流(EGR)の制御に於いて参照されるエンジンの駆動出力のための制御指令については、制振制御部により算出されるピッチ・バウンス制振制御のための補償成分のうち或る特定の特性を有する成分のみにて補償された制御指令が用いられる点である。EGR制御に於いては、EGR実行量がエンジンの運転状態に合わせて調節されるように、その制御に於いて、基本的には、エンジンに対して与えられる制御指令と同じ制御指令が参照される。しかしながら、既に述べた如く、EGR制御に於けるEGR実行量は、応答遅れがあるため、ピッチ・バウンス制振制御の実行時にエンジンの制御指令に含まれることとなる補償成分の全ての成分の変化に追従することは困難である。だからといって、制振制御による補償が全く為されていない制御指令に基づいてEGR制御を実行すると、エンジンに対して与えられる制御指令と、EGR制御で参照する制御指令との乖離が大きくなり、望ましくない。そこで、本発明に於いては、上記の如く、EGR制御は、制振制御による補償成分の特性に応じて選択的に補償された制御指令を参照し、これにより、EGR実行量が、ピッチ・バウンス制振制御の実行時に完全ではないが、制振制御による補償が全く為されていない制御指令を参照する場合よりも、実際のエンジンの運転状態に適合するよう制振制御の構成が修正される。
上記の構成に於いて、EGR制御が参照する制御指令を補償する補償成分は、一つの態様に於いては、所定の周波数帯域、特に、所定の周波数よりも低い周波数の補償成分であってよい。かかる所定の周波数帯域又は所定の周波数の上限値は、EGR制御の応答遅れを考慮して実験的に又は予め決定されてよい。既に述べた如く、EGR実行量は、制御指令の速い変化に追従することが困難であるため、参照する補償成分も、典型的には、変化の遅い低周波数成分となる。しかしながら、EGR実行量の追従可能な周波数よりも高い周波数であっても、EGR実行量の変化は、正確に制御指令の変化に対応して変化するのではなく、より平滑化されるので、補償成分は、EGR実行量の変化の1周期の間に数周期変化する周波数のものであっても実験的に問題がなければ用いられてよいであろう。
上記の構成に於いて、EGR制御が参照する制御指令を補償する補償成分は、別の態様に於いては、振幅が所定の範囲のもの、特に、振幅が所定値より大きな
補償成分であってよい。EGR制御に制振制御による補償成分で補償された制御指令を参照させるのは、EGR実行量をエンジンの運転状態にできるだけ追従させて変化させるためである。従って、少なくとも振幅の大きい補償成分、即ち、エンジンの運転状態を大きく変化させる補償成分を加味して制御指令を参照するようになっていることが好ましい。もっとも、過度に振幅の大きな補償成分は、EGR実行量がかかる大きな振幅に追従できなくなるおそれがあるため、参照されなくてもよい。
また、上記の如き、或る所定の特性の補償成分により補償された制御指令を容易に参照することができるようにするために、本発明の駆動制御装置に於ける制振制御部は、車両に対する加減速要求により発生する車輪トルクにより発生するピッチ又はバウンス振動振幅を抑制するようエンジンの駆動トルクを制御する補償成分を算出するフィードフォワード制振制御部と、車輪に於いて現に発生している車輪トルクにより発生するピッチ又はバウンス振動振幅を抑制するようエンジンの駆動トルクを制御する補償成分を算出するフィードバック制振制御部とに分割されていてよい。この場合、フィードフォワード制振制御部は、ピッチ又はバウンス振動を惹起する車輪トルクが実際に発生する前に、かかる車輪トルクが発生しないようにエンジンの駆動出力(トルク)の制御指令を修正する(補償する)こととなる。また、フィードバック制振制御部による補償成分は、主として、車体に作用する外乱に起因するピッチ又はバウンス振動を抑制することとなる。当業者に於いて理解される如く、ピッチ・バウンス振動は、その原因となる入力によって振動特性が異なり、その違いに応じて、ピッチ・バウンス振動を抑制するための補償成分の特性も異なる。従って、上記の如く振動の発生原因によって、補償成分の算出部を分けることによって、より容易に、EGR制御に参照させる制御指令の調製ができることとなる。
なお、上記の如く、制振制御部がフィードフォワード制振制御部とフィードバック制振制御部とに分割してされている場合には、EGR制御部が参照する制御指令は、典型的には、フィードフォワード制振制御部により算出される補償成分のみにより補償された制御指令であってよい。フィードフォワード制振制御部により算出される補償成分、即ち、車両に対する加減速要求に起因する振動は、一般的に、周波数帯域が低く、振幅が大きい(変化の方向も一方向に偏倚していることが多い。)。従って、EGR制御部が参照する制御指令をフィードフォワード制振制御部による補償成分により補償された制御指令とすることにより、EGR実行量は、エンジンの運転状態に、より適合したものとなることが期待される。
ところで、上記の記載から理解される如く、EGR制御と制振制御とがそのままでは整合して実行されにくい原因は、EGR制御の応答遅れのためである。そこで、本発明のもう一つの態様に於いては、車両の駆動出力を制御して車両のピッチ又はバウンス振動を抑制する制振制御を実行する車両のエンジンの駆動制御装置であって、車両の車輪と路面との接地個所に於いて発生する車輪に作用する車輪トルクに基づいてピッチ又はバウンス振動振幅を抑制するようエンジンの駆動トルクを制御する制振制御部と、エンジンの排気ガス再還流装置に於ける排気ガス再還流量を制御する排気ガス再還流制御部とを含む駆動制御装置に於いて、制振制御部により算出される制振制御のための車輪トルクを補償する補償成分により補償されたエンジンに対する要求駆動出力を表す制御指令の位相進み補償を行う位相進み補償部が設けられてよい。そして、駆動制御装置としては、エンジンの駆動出力を制振制御部による補償成分により補償された要求駆動出力を表す制御指令に基づいて制御し、排気ガス再還流制御部は、位相進み補償部により位相進み補償が為された制御指令に基づいて決定された排気ガス再還流量の目標値に基づいて排気ガス再還流量を制御するようになっていてよい。かかる構成によれば、EGR制御の応答遅れの影響が低減され又は解消され、制振制御を実行しつつ、EGR制御の効果の悪化が抑制されることが期待される。なお、位相の進み幅は、EGR制御の応答遅れを考慮して予め実験的又は理論的に適宜設定されてよい。
環境問題が深刻化する昨今に於いて、NOx低減は、車両の排気制御技術の重要な課題の一つであるため、エンジンを駆動装置とする車両に於いて、EGR制御技術は、非常に重要になっている。また、EGRは、燃費の向上にも役立つことが知られている。かくして、既に、多くの車両に於いてEGR装置が搭載されている。一方、駆動出力制御によるピッチ・バウンス制振制御は、新しい発想の技術であり、また特に、ピッチ・バウンス振動を相殺する目的で駆動トルクの上下振動を要求するというややユニークな駆動制御を実行するので、既存の駆動出力制御との整合を取りにくい技術の一つであろう。しかしながら、本発明によれば、制振制御の構成の、特に、補償成分の出力の態様を改良することにより、EGR制御の効果の悪化を抑制することが可能となる。そして、本発明の概念に従った構成の下、駆動制御装置の各部の設定を適切に調節することにより、NOxの低減を達成しつつ、燃焼状態の不安定化、HC、PM、黒煙の増加等が抑制されることが期待される。
本発明のその他の目的及び利点は、以下の本発明の好ましい実施形態の説明により明らかになるであろう。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施形態について詳細に説明する。図中、同一の符号は、同一の部位を示す。
装置の構成
図1は、本発明の制振制御を実行する駆動制御装置の好ましい実施形態が搭載される自動車等の車両を模式的に示している。同図に於いて、左右前輪12FL、12FRと、左右後輪12RL、12RRを有する車両10には、通常の態様にて、運転者によるアクセルペダル14の踏込みに応じて後輪に駆動力又は駆動トルクを発生する駆動装置20が搭載される。駆動装置20は、図示の例では、エンジン22から、トルクコンバータ24、自動変速機26、差動歯車装置28等を介して、駆動トルク或いは回転駆動力が後輪12RL、12RRへ伝達されるよう構成される。エンジン22は、公知の態様のディーゼルエンジンであり、燃料装置22aの作動が、アクセルペダルの踏み込み量及び下記に説明する制御量に応じて決定される要求駆動トルクを達成するよう、エンジンの各気筒の燃料噴射装置22bからの燃料噴射量及び/又はその他のパラメータ(噴射時期、噴射率(単位時間当たりの燃料噴射量)、噴射圧力など。以下、総じて「燃料噴射制御量」と称する。)を調節すべく制御される。また、エンジン22には、排気ガス再還流(EGR)装置が設けられており、エンジンの吸気マニホールド22cと排気マニホールド22dとの間には排気ガスを吸気側へ戻すための流路22eが取り付けられている。流路22eには、後に説明される電子制御装置50の制御下、排気マニホールド22dから吸気マニホールド22cの排気ガスの再還流量(EGR量)を調節するEGR弁装置22fが備えられる。これらのエンジン及びEGR装置の構成及び作動は、公知の任意の形式のものであってよい。なお、簡単のため図示していないが、車両10には、通常の車両と同様に各輪に制動力を発生する制動装置と前輪又は前後輪の舵角を制御するためのステアリング装置が設けられる。なお、車両は、四輪駆動車又は前輪駆動車であってもよい。
エンジン22の駆動出力及びEGR弁装置22fの作動は、電子制御装置50によって制御される。電子制御装置50は、通常の形式の、双方向コモン・バスにより相互に連結されたCPU、ROM、RAM及び入出力ポート装置を有するマイクロコンピュータ及び駆動回路を含んでいてよい。電子制御装置50には、各輪に搭載された車輪速センサ30i(i=FL、FR、RL、RR)からの車輪速Vwi(i=FL、FR、RL、RR)を表す信号と、車両の各部に設けられたセンサからのエンジンの回転速ne、アクセルペダル踏込量θa、エンジン冷却水温度(図示せず)、エンジン潤滑油温度(図示せず)、変速機の出力回転速no、潤滑油温度(図示せず)、運転者のシフトレバー位置等の信号が入力される。なお、上記以外に、本実施形態の車両に於いて実行されるべき各種制御に必要な種々のパラメータを得るための各種検出信号が入力されてよいことは理解されるべきである。
図2及び図3は、それぞれ、電子制御装置50の第一及び第二の実施形態の内部の構成を制御ブロックの形式で表したものである。
図2を参照して、まず、第一の実施形態に於いて、電子制御装置50は、エンジンの作動を制御する駆動制御装置50aと、制動装置(図示せず)の作動を制御する制動制御装置50bと、更に、公知のディーゼルエンジン車両の電子制御装置に装備される各種の制御装置(図示せず)から構成されてよい。なお、駆動制御装置等の各種の制御装置の構成及び作動は、車両の運転中、電子制御装置50内のマイクロコンピュータ等の処理作動に於いて実現されることは理解されるべきである。
制動制御装置50bには、図示の如く、各輪の車輪速センサ30FR、FL、RR、RLからの、車輪が所定量回転する毎に逐次的に生成されるパルス形式の電気信号が入力され、かかる逐次的に入力されるパルス信号の到来する時間間隔を計測することにより車輪の回転速が算出され、これに車輪半径が乗ぜられることにより、車輪速値r・ωが算出される。そして、その車輪速値r・ωは、後に詳細に説明する制振制御を実行するために、駆動制御装置50aへ送信されて、車輪トルク推定値の算出に用いられる。なお、車輪回転速から車輪速への演算は、駆動制御装置50aにて行われてもよい。その場合、車輪回転速が制動制御装置50bから駆動制御装置50aへ与えられる。また、制動制御装置50bに於いて算出される車輪速から公知の任意の態様にて車速が決定されてよい。
駆動制御装置50aは、基本的な構成として、アクセルペダルセンサからのアクセルペダル踏込量θaに基づいて運転者の要求するエンジンの要求駆動トルク値を決定する要求駆動トルク決定部51と、駆動トルク制御による車体のピッチ/バウンス振動制振制御を実行するための要求駆動トルク補償成分を算出して要求駆動トルク値を補償(修正)するフィードフォワード制振制御部52a及びフィードバック制振制御部52bと、上記二つの制振制御部により補償された要求駆動トルク値に基づいてその要求駆動トルクを達成するエンジン又は燃料装置の各部の駆動器(図示せず)の制御指令を決定するための燃料噴射制御指令決定部53と、エンジンのEGR装置の作動を制御するEGR制御部54とを含んでいる。
かかる基本構成に於いて、要求駆動トルク決定部51は、公知の任意の手法によりアクセルペダル踏込量θaから要求駆動トルク値を決定するようになっていてよい。フィードフォワード制振制御部52aは、図示の如く、アクセルペダル踏込量θaに基づいて決定された要求駆動トルク値(補償前)を受信し、後に詳細に説明される態様により、要求駆動トルク値(補償前)に於ける車体にピッチ・バウンス振動を惹起し得る振動成分を低減又は相殺する補償成分を算出する。かかる補償成分は、加算器a1に於いて要求駆動トルク値(補償前)に重畳される。一方、フィードバック制振制御部52bは、後に詳細に説明される態様により、車輪トルク推定器52cにて車輪速r・ωから推定される現に車輪に作用している車輪トルクの推定値を受信し、かかる車輪トルク推定値に於いて車体にピッチ・バウンス振動を惹起し得る振動成分、即ち、車輪トルクに於ける外乱振動成分、を低減又は相殺する補償成分を算出する。かかるフィードバック制振制御部の補償成分は、加算器a2にて、要求駆動トルク値に重畳される。燃料噴射制御指令決定部53は、上記の如く補償された要求駆動トルク値を受信し、その要求駆動トルク値(補償後)と、そのときのエンジン回転数及び/又はエンジン温度を参照して、予め実験的に又は理論的に定められたマップを用いて、公知の態様にて、燃料噴射量及びその他の燃料噴射制御量の目標値を決定し、しかる後に、かかる目標値を達成するためのエンジン又は燃料装置の各部の駆動器(図示せず)の制御指令の決定及び各駆動器への制御指令の送信を行う。
更に、EGR制御部54は、「発明の開示」の欄に於いて述べた如く、エンジンの駆動出力の制御指令(要求駆動トルク値)とその他のエンジンの運転状態を表すパラメータに基づいて、公知の任意の態様にてEGR弁装置22fの作動を制御する。典型的には、例えば、EGR制御部54に於いては、その制御部に入力された要求駆動トルク値が、対応する燃料噴射量の目標値に換算される(かかる換算は、燃料噴射制御指令決定部53と同様に実行されてよい。)。そして、その目標燃料噴射量とエンジン回転数とを変数とするEGR率(シリンダ内に吸い込まれる気体のうちの排気ガスの割合)のマップを用いて目標EGR率を決定した後、その目標EGR率を達成するよう決定される目標開度に従って、弁装置の開度が調節される。なお、本実施形態に於いては、図2から理解される如く、EGR制御部54へ入力される要求駆動トルクは、車両に対する加減速要求により決定される要求駆動トルクを、フィードフォワード制振制御部による補償成分により補償した値であり、従って、EGR制御部が参照するエンジンの制御指令に於いては、フィードバック制振制御による補償成分が反映されていない値となっている。
図3に例示されている本発明の第二の実施形態の電子制御装置50は、基本的な構成として、第一の実施形態の場合と同様に、駆動制御装置50a、制動制御装置50b及びその他の公知のディーゼルエンジン車両の電子制御装置に装備される各種の制御装置(図示せず)から構成されてよい。また、駆動制御装置50aに於いては、第一の実施形態の場合と同様に、要求駆動トルク決定部51と、燃料噴射制御指令決定部53と、EGR制御部54とを含んでいる。しかしながら、本実施形態の場合、図示の如く、駆動トルク制御による車体のピッチ/バウンス振動制振制御を実行するための要求駆動トルク補償成分を算出して要求駆動トルク値を補償する制振制御部は、一つの制振制御部52に統合されていてよい。この場合、制振制御部52に対して、アクセルペダル踏込量θaに基づいて決定された要求駆動トルク値(補償前)と現に車輪に作用している車輪トルクの推定値とが入力され、かかる制振制御部52の出力である補償成分は、加算器a1へ送信され、要求駆動トルク値(補償前)を補償するよう構成される。
また、更に、第二の実施形態の場合、EGR制御部54の制振制御による補償された要求駆動トルク値の入力に先立って、位相進み補償部54に於いて、要求駆動トルク値に対して所謂「位相進み補償」が施され、EGR制御部54は、その位相進み補償された要求駆動トルク値に基づいてEGR弁装置22fの作動を制御する。即ち、本実施形態のEGR制御は、エンジンへ与えられる制御指令よりも位相の進んだ制御指令によりEGR弁装置を動作するよう構成される。
装置の作動
(i)ピッチ・バウンス制振制御
上記の構成に於いて、図2のフィードフォワード制振制御部52a及びフィードバック制振制御部52b又は図3の制振制御部52によるピッチ・バウンス制振制御は、以下の如き態様にて行われてよい。
(制振制御の原理)
車両に於いて、運転者の駆動要求に基づいて駆動装置が作動して車輪トルクの変動が生ずると、図4(A)に例示されている如き車体10に於いて、車体の重心Cgの鉛直方向(z方向)のバウンス振動と、車体の重心周りのピッチ方向(θ方向)のピッチ振動が発生し得る。また、車両の走行中に路面から車輪上に外力又はトルク(外乱)が作用すると、その外乱が車両に伝達され、やはり車体にバウンス方向及びピッチ方向の振動が発生し得る。そこで、ここに例示するピッチ・バウンス振動制振制御に於いては、車体のピッチ・バウンス振動の運動モデルを構築し、そのモデルに於いて要求駆動トルク(を車輪トルクに換算した値)又は現在の車輪トルク(の推定値)とを入力した際の車体の変位z、θとその変化率dz/dt、dθ/dt、即ち、車体振動の状態変数を算出し、モデルから得られた状態変数が0に収束するように、即ち、ピッチ/バウンス振動が抑制されるよう駆動装置(エンジン)の駆動トルクが調節される(要求駆動トルクが修正される。)。なお、要求駆動トルクを入力した場合に算出される駆動トルクの調節量がフィードフォワード制振制御部からの補償成分であり、現在の車輪トルクを入力した場合に算出される駆動トルクの調節量がフィードバック制振制御部からの補償成分である。
かくして、まず、制振制御に於ける車体のバウンス方向及びピッチ方向の力学的運動モデルとして、例えば、図4(B)に示されている如く、車体を質量M及び慣性モーメントIの剛体Sとみなし、かかる剛体Sが、弾性率kfと減衰率cfの前輪サスペンションと弾性率krと減衰率crの後輪サスペンションにより支持されているとする(車体のばね上振動モデル)。この場合、車体の重心のバウンス方向の運動方程式とピッチ方向の運動方程式は、下記の数1の如く表される。
Figure 0004992671
ここに於いて、Lf、Lrは、それぞれ、重心から前輪軸及び後輪軸までの距離であり、rは、車輪半径であり、hは、重心の路面からの高さである。なお、式(1a)に於いて、第1、第2項は、前輪軸から、第3、4項は、後輪軸からの力の成分であり、式(1b)に於いて、第1項は、前輪軸から、第2項は、後輪軸からの力のモーメント成分である。式(1b)に於ける第3項は、駆動輪に於いて発生する車輪トルクTが車体の重心周りに与える力のモーメント成分である。
上記の式(1a)及び(1b)は、車体の変位z、θとその変化率dz/dt、dθ/dtを状態変数ベクトルX(t)として、下記の式(2a)の如く、(線形システムの)状態方程式の形式に書き換えることができる。
dX(t)/dt=A・X(t)+B・u(t) …(2a)
ここで、X(t)、A、Bは、それぞれ、
Figure 0004992671
であり、行列Aの各要素a1-a4及びb1-b4は、それぞれ、式(1a)、(1b)のz、θ、dz/dt、dθ/dtの係数をまとめることにより与えられ、
a1=-(kf+kr)/M、a2=-(cf+cr)/M、
a3=-(kf・Lf-kr・Lr)/M、a4=-(cf・Lf-cr・Lr)/M、
b1=-(Lf・kf-Lr・kr)/I、b2=-(Lf・cf-Lr・cr)/I、
b3=-(Lf2・kf+Lr2・kr)/I、b4=-(Lf2・cf+Lr2・cr)/I
である。また、u(t)は、
u(t)=T
であり、状態方程式(2a)にて表されるシステムの入力である。従って、式(1b)より、行列Bの要素p1は、
p1=h/(I・r)
である。
状態方程式(2a)に於いて、
u(t)=−K・X(t) …(2b)
とおくと、状態方程式(2a)は、
dX(t)/dt=(A−BK)・X(t) …(2c)
となる。従って、X(t)の初期値X0(t)をX0(t)=(0,0,0,0)と設定して(トルク入力がされる前には振動はないものとする。)、状態変数ベクトルX(t)の微分方程式(2c)を解いたときに、X(t)、即ち、バウンス方向及びピッチ方向の変位及びその時間変化率、の大きさを0に収束させるゲインKが決定されれば、ピッチ・バウンス振動を抑制するトルク値u(t)が決定されることとなる。かかるトルク値u(t)をエンジン駆動トルクの単位に変換した値が制振制御による補償成分である。
ゲインKは、所謂、最適レギュレータの理論を用いて決定することができる。かかる理論によれば、2次形式の評価関数
J=1/2・∫(XQX+uRu)dt …(3a)
(積分範囲は、0から∞)
の値が最小になるとき、状態方程式(2a)に於いてX(t)が安定的に収束し、評価関数Jを最小にする行列Kは、
K=R−1・B・P
により与えられることが知られている。ここで、Pは、リカッティ方程式
-dP/dt=AP+PA+Q−PBR−1
の解である。リカッティ方程式は、線形システムの分野に於いて知られている任意の方法により解くことができ、これにより、ゲインKが決定される。
なお、評価関数J及びリカッティ方程式中のQ、Rは、それぞれ、任意に設定される半正定対称行列、正定対称行列であり、システムの設計者により決定される評価関数Jの重み行列である。例えば、ここで考えている運動モデルの場合、Q、Rは、
Figure 0004992671
などと置いて、式(3a)に於いて、状態ベクトルの成分のうち、特定のもの、例えば、dz/dt、dθ/dt、のノルム(大きさ)をその他の成分、例えば、z、θ、のノルムより大きく設定すると、ノルムを大きく設定された成分が相対的に、より安定的に収束されることとなる。また、Qの成分の値を大きくすると、過渡特性重視、即ち、状態ベクトルの値が速やかに安定値に収束し、Rの値を大きくすると、消費エネルギーが低減される。
なお、車体のバウンス方向及びピッチ方向の力学的運動モデルとして、例えば、図4(C)に示されている如く、図4(B)の構成に加えて、前輪及び後輪のタイヤのばね弾性を考慮したモデル(車体のばね上・下振動モデル)が採用されてもよい。前輪及び後輪のタイヤが、それぞれ、弾性率ktf、ktrを有しているとすると、図4(C)から理解される如く、車体の重心のバウンス方向の運動方程式とピッチ方向の運動方程式は、下記の数4の如く表される。
Figure 0004992671
ここに於いて、xf、xrは、前輪、後輪のばね下変位量であり、mf、mrは、前輪、後輪のばね下の質量である。式(4a)−(4b)は、z、θ、xf、xrとその時間微分値を状態変数ベクトルとして、図4(B)の場合と同様に、式(2a)の如き状態方程式を構成し(ただし、行列Aは、8行8列、行列Bは、8行1列となる。)、最適レギュレータの理論に従って、状態変数ベクトルの大きさを0に収束させるゲイン行列Kを決定することができる。
(制振制御部の構成)
上記のピッチ・バウンス制振制御のための補償成分Uを算出するフィードフォワード制振制御部52aとフィードバック制振制御部52b(図2)、及び、制振制御部52(図3)の制御構成は、それぞれ、図5(A)、(B)及び(C)に示されている。まず、図5(A)を参照して、図2のフィードフォワード制振制御部52aに於いては、要求駆動トルク決定部51からの要求駆動トルク値が入力され、車輪トルクTwoに換算した後、運動モデルに於いて、そのトルク入力値Twoを用いて式(2a)の微分方程式を解くことにより、状態変数ベクトルX(t)が算出される。次いで、その状態ベクトルX(t)に、上記の如く状態変数ベクトルX(t)を0又は最小値に収束させるべく決定されたゲインKを乗じた値u(t)が算出され、そのu(t)がエンジンの駆動トルク単位の補償成分U(t)に換算されて加算器a1へ送信される。そして、加算器a1に於いて、要求駆動トルク値から補償成分U(t)が差し引かれる。式(1a)及び(1b)からも理解される如く、車体のピッチ・バウンス振動システムは、共振システムであり、任意の入力に対して状態変数ベクトルの値は、実質的には、システムの固有振動数(1〜5Hz程度)を概ね中心とした或るスペクトル特性を有する帯域の周波数成分のみとなる。かくして、U(t)が要求駆動トルクから差し引かれるよう構成することにより、要求駆動トルクのうち、システムの固有振動数の成分、即ち、車体に於いてピッチ・バウンス振動を引き起こす成分が低減又は除去され、車体に於けるピッチ・バウンス振動が抑制されることとなる。
図5(B)に示されているフィードバック制振制御部52bの構成は、現に車輪に於いて発生している車輪トルク(の推定値)Twが入力される点を除いて、フィードフォワード制振制御部と同様である。ただし、車輪トルクTwの入力に際しては、フィードバック制御ゲインFB(運動モデルに於ける運転者要求車輪トルクTw0と車輪トルク推定値Twとの寄与のバランスを調整するためのゲイン)が乗ぜられるようになっていてよい。また、図2に示されているように、フィードバック制振制御部の出力である補償成分は、加算器a2にて要求駆動トルクに重畳され、車輪トルク外乱に起因するピッチ・バウンス振動を抑制するようエンジンの駆動出力を調節することとなる(フィードバック制振制御部の補償成分を、フィードフォワード制振制御部の補償成分とは別に、要求駆動トルク値へ重畳するのは、EGR制御部54にフィードバック制振制御部の補償成分を入力させないためである。)。
図5(C)に示されている図3の制振制御部52は、図5(A)及び(B)の構成を統合したものであり、運動モデルの入力に於いて、要求駆動トルク決定部51からの要求駆動トルク値から換算された車輪トルクTwoと現に車輪に於いて発生している車輪トルクTwとが合算され、補償成分u(t)が算出されるよう構成される。そして、u(t)は、駆動トルク単位の補償成分U(t)に換算されて加算器a1へ送られ、要求駆動トルク値を補償する。
ところで、図5(B)又は(C)に於いて入力される現に車輪に於いて発生している車輪トルクの値について、かかる車輪トルクは、理想的には、各輪にトルクセンサを設け、実際に検出されればよいが、通常の車両の各輪にトルクセンサを設けることは困難である。そこで、図示の例では、車輪トルクの外乱入力として、走行中の車両に於けるその他の検出可能な値から車輪トルク推定器52c(図2及び3)にて推定された車輪トルク推定値が用いられる。車輪トルク推定値Twは、典型的には、駆動輪の車輪速センサから得られる車輪回転速ω又は車輪速値r・ωの時間微分を用いて、
Tw=M・r・dω/dt …(5)
と推定することができる。ここに於いて、Mは、車両の質量であり、rは、車輪半径である。[駆動輪が路面の接地個所に於いて発生している駆動力の総和が、車両の全体の駆動力M・G(Gは、加速度)に等しいとすると、車輪トルクTwは、
Tw=M・G・r …(5a)
にて与えられる。車両の加速度Gは、車輪速度r・ωの微分値より、
G=r・dω/dt …(5b)
で与えられるので、車輪トルクは、式(5)の如く推定される。]なお、車輪トルク推定値は、車輪速ではなく、エンジン回転速又は変速機回転速から推定されるようになっていてよく、そのような場合も本発明の範囲に属する。
(ii)EGR制御の制御効果の悪化を回避又は抑制するための構成
EGR制御では、EGR実行量は、既に触れたように、エンジンに対して要求される駆動出力(ディーゼルエンジンの場合は、要求駆動トルクに対応する燃料噴射量)とエンジン回転数及びその他の運転条件(エンジン冷却水又は潤滑油温度等)を参照して制御される。従って、ピッチ・バウンス制振制御が実行される場合には、EGR制御部に対してもピッチ・バウンス制振制御による補償が反映された制御指令が入力される必要がある。しかしながら、EGRは、図1に模式的に記載されている如く、排気ガスを排気マニホールドから吸気マニホールドへ引き回すという構成により為されるため、EGR実行量が、ピッチ・バウンス制振制御の補償成分により補償されたエンジンに対する要求駆動出力の振動的な変動に追従し切れない状況が生じ得る(EGR制御の応答遅れ)。かかるEGR制御の応答遅れが生ずると、実際のエンジンの運転状態に対して、EGR実行量が過少又は過大となり、NOxの低減効果の悪化、或いは、燃焼状態の不安定化、HC・PM・黒煙等の排気物質の増加及び燃費の悪化などの問題が生ずることとなる。
そこで、本発明に於いては、図2又は図3の構成図に示されている如く、制振制御を実行する際、EGR制御部に入力される制御指令に於いて制振制御による補償成分の寄与をそのまま反映させるのではなく、EGR制御の応答遅れの影響が低減されるようEGR制御部への制御指令を与える構成が改良される。以下、図2及び図3のそれぞれに於けるEGR制御部への制御指令を与える構成の作用について説明する。
(a)第一の実施形態の場合(図2)
「発明の開示」に於いて述べた如く、制振制御による補償成分のうち、フィードフォワード制振制御部により算出される補償成分、即ち、車両に対する加減速要求に対応して生成される振動成分は、一般的に、周波数帯域が低く、振幅が大きく、又、変化の方向も一方向に偏倚していることが多い。従って、かかる補償成分をEGR制御に反映させない場合、EGR制御に於いて適合させるエンジンの運転状態と、実際のエンジンの運転状態との乖離が大きくなる一方、かかる補償成分の変動は、変化速度が比較的小さいので、EGR実行量を追従させ易い。他方、フィードバック制振制御部により算出される補償成分、即ち、車輪トルクの外乱、例えば、路面の凹凸、タイヤの状態のアンバランス、横風等の、車体又は車輪に作用する外力に対応して生成される振動成分は、ダイナミックレンジが広く、より多様な振動成分を含み得るので、高い周波数の振動成分も含まれる場合がある。
そこで、第一の実施形態に於いては、制振制御による補償成分の演算を、既に述べた如く、フィードフォワード制振制御部とフィードバック制振制御部とに分けて行うとともに、EGR制御部には、フィードフォワード制振制御部により算出される補償成分のみにより補償された要求駆動出力の制御指令(要求駆動トルク(FF補償後))を参照させる。かかる構成によれば、EGR実行量は、フィードフォワード制振制御部による比較的変化の遅い駆動出力変化には追従して変化するので、EGR制御に於いて制振制御による駆動出力変化を全く反映させない場合よりも、EGR制御の効果が改善されることとなる。また、制振制御による要求駆動トルクの速い変化は、無視され、従って、そのような速い変化にEGR実行量が追従できないことから、例えば、EGR実行量の変化の位相が、実際の燃料噴射量の変化の位相と逆転することにより、EGRの効果を著しく悪化するといったことが回避される。
(b)第二の実施形態の場合(図3)
これまでの記載から理解される如く、制振制御の実行時に、その駆動トルクの補償作用をEGR制御に於いて反映させてもEGR制御の良好な効果が得られない場合が生ずる原因の一つは、EGR実行量の応答が比較的遅いという点である。そこで、図3の実施形態に於いては、既に述べた如く、EGR制御部にエンジンの要求駆動出力の制御指令(要求駆動トルク値)を入力するのに先立って、位相進み補償部54aにて、要求駆動出力の制御指令に対して位相進み補償を施すことにより、前記の如きEGR実行量又はEGR制御の応答遅れを改善することが試みられる。なお、この場合は、第一の実施形態の如く、補償成分の算出を、フィードフォワード制振制御部とフィードバック制振制御部とに分けて行う必要はないので、図3の如く、制振制御部は一つに統合されてよい。
上記の位相進み補償に於いては、公知の任意の形式の位相進み補償処理の方法に従って、制振制御による補償成分により補償された要求駆動トルクの位相進み分が付加される。例えば、要求駆動トルクをTreqとして、その時間微分値dTreq/dtを算出し、位相進み補償後の要求駆動トルクは、
Treq・[1+(dTreq/dt)・τ] …(A)
により与えられてよい。ここで、τは、任意に設定されてよい時定数である。また、位相進み補償部54a内にて、要求駆動トルクからEGR率(Regr)を決定し、EGR率に対して位相進み補償処理を施してもよい。その場合、位相進み補償後のEGR率は、
Regr・[1+(dRegr /dt)・τ] …(B)
により与えられてよい。
なお、図3の構成に於いて、位相進み補償部54aに換えて、要求駆動トルク値中の高周波成分を除去するローパスフィルター又は所定の周波数帯域のみを透過するバンドパスフィルターが設けられてもよい。かかるフィルターを透過する周波数成分は、典型的には、EGR制御が追従可能な周波数帯域に設定される。
また、図示していないが、各制振制御部に於いて、補償成分の制御ゲインを調節する手段が設けられ、要求駆動トルクの補償を行う際の補償成分の大きさが調節できるようになっていてよい。その場合、制振制御の補償成分Uは、制御ゲインλが乗ぜられて、
λ・U …(6)
として加算器a1又はa2へ渡される。制御ゲインλは、通常時は、
λ=1 …(7)
に設定されるが、EGR制御に於いてその効果が制振制御の作用により悪化する場合には、
λ=λo(<1) (7a)
に設定されるようになっていてよい。
以上の説明は、本発明の実施の形態に関連してなされているが、当業者にとつて多くの修正及び変更が容易に可能であり、本発明は、上記に例示された実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の概念から逸脱することなく種々の装置に適用されることは明らかであろう。
例えば、上記の実施形態に於ける車輪トルク推定値が車輪速から推定されるものであるが、車輪トルク推定値が車輪速から以外のパラメータから推定されるものであってもよい。また、上記の実施形態に於ける制振制御は、運動モデルとしてばね上又はばね上・ばね下運動モデルを仮定して最適レギュレータの理論を利用した制振制御であるが、本発明の概念は、車輪トルクを利用するものであれば、ここに紹介されているもの以外の運動モデルを採用したもの或いは最適レギュレータ以外の制御手法により制振を行うものにも適用され、そのような場合も本発明の範囲に属する。
また、図2及び図3の例では、制振制御による駆動出力の補償演算を行う際の制御指令が要求駆動トルク値の単位にて表され、処理されているが、車輪トルク値を燃料噴射量の単位に換算するようにして、制御指令を燃料噴射量の単位で表し、駆動出力の補償が燃料噴射量の単位にて実行されるようになっていてもよい。その場合、各制振制御部による補償成分は、燃料噴射量の単位で表される。また、EGR制御部への入力は、燃料噴射量を表す信号にて行われてよい。制御指令との語は、図2及び3のブロック53からの各駆動器への指令出力だけでなく、要求駆動トルク値又は燃料噴射量若しくは燃料噴射制御量の要求値又は目標値をも指すものとして理解されるべきである。
更に、図示の実施形態の説明は、エンジンがディーゼルエンジンの場合に則して説明されているが、本発明の概念は、ガソリンエンジンの場合にも同様に適用されることは理解されるべきである。
図1は、本発明による駆動制御装置の好ましい実施形態が実現される自動車の模式図を示している。 図2は、図1の電子制御装置の第一の実施形態の内部構成を制御ブロック図の形式で表したものである。燃料噴射制御指令決定部53及びEGR制御部54には、図示されているもの以外の、例えば、エンジン温度等の種々のパラメータが入力されてよい。 図3は、図1の電子制御装置の第二の実施形態の内部構成を制御ブロック図の形式で表したものである。燃料噴射制御指令決定部53及びEGR制御部54には、図示されているもの以外の、例えば、エンジン温度等の種々のパラメータが入力されてよい。 図4Aは、本発明の好ましい実施形態の一つである駆動制御装置の制振制御部の作動に於いて抑制される車体振動の状態変数を説明する図である。図4Bは、本発明の好ましい実施形態の制振制御部に於いて仮定される車体振動の力学的運動モデルの一つである「ばね上振動モデル」について説明する図であり、図4Cは、ばね上・ばね下振動モデルについて説明する図である。 図5は、本発明の好ましい実施形態に於ける制振制御部の構成を制御ブロック図の形式で表した図である。図5A及び5Bは、それぞれ、図2のフィードフォワード制振制御部52a、フィードバック制振制御部52bの構成である。図5Cは、図3の制振制御部52の構成である。駆動制御装置内の要求駆動出力が燃料噴射量の単位で表される場合、補償成分は、駆動トルクではなく、燃料噴射量に換算されて出力されるようになっていてよい。
符号の説明
10…車体
12FL、FR、RL、RR…車輪
14…アクセルペダル
20…駆動装置
22…ディーゼルエンジン
22a…燃料装置
22f…EGR弁装置
30FL、FR、RL、RR…車輪速センサ
50…電子制御装置
50a…駆動制御装置
50b…制動制御装置

Claims (7)

  1. 車両の駆動出力を制御して前記車両のピッチ又はバウンス振動を抑制する制振制御を実行する車両のエンジンの駆動制御装置であって、前記車両の車輪と路面との接地個所に於いて発生する前記車輪に作用する車輪トルクに基づいて前記ピッチ又はバウンス振動振幅を抑制するよう前記エンジンの駆動トルクを制御する制振制御部と、前記エンジンの排気ガス再還流装置に於ける排気ガス再還流量を制御する排気ガス再還流制御部とを含み、前記エンジンの駆動出力を前記制振制御のための前記車輪トルクを補償する補償成分により補償された要求駆動出力を表す制御指令に基づいて制御し、前記排気ガス再還流制御部が前記制振制御部により算出される前記制振制御のための前記車輪トルクを補償する補償成分のうちの所定の特性を有する成分のみにより補償された前記エンジンに対する要求駆動出力を表す制御指令に基づいて決定される前記排気ガス再還流量の目標値に基づいて前記排気ガス再還流量を制御することを特徴とする車両の駆動制御装置。
  2. 請求項1の装置であって、前記車輪トルクを補償する補償成分のうちの前記所定の特性を有する成分が、所定の周波数帯域の補償成分であることを特徴とする装置。
  3. 請求項1の装置であって、前記車輪トルクを補償する補償成分のうちの前記所定の特性を有する成分が、所定の周波数より低い周波数の補償成分であることを特徴とする装置。
  4. 請求項1の装置であって、前記車輪トルクを補償する補償成分のうちの前記所定の特性を有する成分が、所定の範囲の振幅を有する補償成分であることを特徴とする装置。
  5. 請求項1の装置であって、前記車輪トルクを補償する補償成分のうちの前記所定の特性を有する成分が、所定値より大きな振幅を有する補償成分であることを特徴とする装置。
  6. 請求項1の装置であって、前記制振制御部が前記車両に対する加減速要求により発生する車輪トルクにより発生するピッチ又はバウンス振動振幅を抑制するよう前記エンジンの駆動トルクを制御する補償成分を算出するフィードフォワード制振制御部と、前記車輪に於いて現に発生している車輪トルクにより発生するピッチ又はバウンス振動振幅を抑制するよう前記エンジンの駆動トルクを制御する補償成分を算出するフィードバック制振制御部とを有することを特徴とする装置。
  7. 請求項6の装置であって、前記車輪トルクを補償する補償成分のうちの前記所定の特性を有する成分が、前記フィードフォワード制振制御部により算出される補償成分であることを特徴とする装置。
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