次に、本発明に係る遊技装置の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。本実施形態は、遊技装置を構成する遊技機としてスロットマシンを備えるものである。なお、図1は遊技装置1の斜視図であり、図2は遊技装置1の正面図である。
遊技装置1は、スロットマシン100と、このスロットマシン100に対応して一側方に隣接させて設けた会員装置200と、この会員装置200の一側方に隣接させて設けた貸しメダル装置300とから構成する。
上記スロットマシン100は、前面が開口した箱状の筐体101の内部に種々の機構部を設け、筐体101の前面開口の一側(例えば、会員装置200の配設側)に前扉102を開放可能に蝶着し、前扉102の前面適所に設けた変動表示部である変動表示窓部103にリール装置のリール104(例えば、第1リール104a,第2リール104b,第3リール104c)を臨ませ、各リール104の周面に描かれた複数の識別情報(数字や図柄等)がリール104の定方向回転に伴って、変動表示窓103から図柄変動状態を遊技者に可視表示する。
上述したリール104a〜104cに描かれる図柄の一例は、図3に示すようなもので、例えば、配列番号0番から20番までの都合21コマ分の図柄が一定間隔で表記されている。また、図柄の種類としては、「7(塗りつぶし)」(例えば、第1リール104aの配列番号0等)、「7(白抜き)」(例えば、第1リール104aの配列番号1等)、「王冠」(例えば、第1リール104aの配列番号2等)、「リプレイ(再ゲーム)」(例えば、第1リール104aの配列番号3等)、「メインキャラクタ」(例えば、第1リール104aの配列番号4等)、「スイカ」(例えば、第1リール104aの配列番号5等)、「チェリー」(例えば、第1リール104aの配列番号9等)の都合7種類となっている。なお、このうち、「7(塗りつぶし)」、「7(白抜き)」、「メインキャラクタ」を総称してボーナス図柄ともいう。
上記前扉102における変動表示窓部103の適宜下方には、メダル投入口105,MAXベットスイッチ106a,1ベットスイッチ106b,メダル返却スイッチ107,停止スイッチ109(例えば、第1リール104aを停止させる第1リール停止スイッチ109a,第2リール104bを停止させる第2リール停止スイッチ109b,第3リール104cを停止させる第3リール停止スイッチ109c)等を配設し、前扉102の下方部適所には、メダル払出口110より払い出されたメダルを貯留するメダル貯留皿111,灰皿112等を備える。
また、前扉102には、種々の装飾表示や情報表示の機能として、上部中央に液晶表示装置等からなる演出表示装置113、この演出表示装置113の左右側方に装飾表示部114、有効化されたベットラインを表示するベットライン表示部115、遊技状態(ゲームオーバー,ウェイト,リプレイ等の状態)を表示する遊技状態表示部116、成立した賞に対して払い出されるメダル数を表示する払出数表示部117、BBゲーム等のゲーム回数を表示する遊技進行表示部118、投入メダルの貯留枚数を表示するクレジット表示部119、ビックボーナスフラグが成立した事を報知するビックボーナスフラグ成立報知ランプ120等を設けてある。
なお、ビックボーナス(以下、BBと略す)は、スロットマシン100における入賞役の一つであり、そのほかの入賞役としては、図4に示すように、レギュラーボーナス(以下、RBと略す)、リプレイ入賞、小役入賞(例えば、スイカ入賞,王冠入賞,チェリー入賞からなる)がある。
BB入賞とは、ベットコイン数に応じて決定された有効ライン上に「7(塗りつぶし),7(塗りつぶし),7(塗りつぶし)」もしくは「7(白抜き),7(白抜き),7(白抜き)」もしくは「メインキャラクタ,メインキャラクタ,メインキャラクタ」の何れかが揃うことによって入賞結果態様が成立するもので、15枚のメダルが遊技者に付与され、BBゲームが行われる。
RB入賞とは、有効ライン上に「7(塗りつぶし),7(塗りつぶし),メインキャラクタ」もしくは「7(白抜き),7(白抜き),メインキャラクタ」の何れかが揃うことによって入賞結果態様が成立するもので、15枚のメダルが遊技者に付与され、RBゲームが行われる。
リプレイ入賞とは、有効ライン上に「リプレイ,リプレイ,リプレイ」が揃うことにより入賞結果態様が成立するもので、入賞に対するメダルの払い出しは行わないものの、遊技者が新たなベットを行わないでも自動的に当該ゲームと同数のベットが引き継がれ、スタートレバー108を操作するだけで、次回のゲーム(再ゲーム;リプレイ)を行うことが可能な状態となる。
通常の遊技中における王冠入賞は、有効ライン上に「王冠,王冠,王冠」が揃うことにより入賞結果態様が成立するもので、8枚のメダルが遊技者に付与される。スイカ入賞は、有効ライン上に「スイカ,スイカ,スイカ」が揃うことにより入賞結果態様が成立するもので、10枚のメダルが遊技者に付与される。
チェリー入賞とは、有効ライン上の第1リール104aに「チェリー」が停止表示されるだけで入賞結果態様が成立し、第2,第3リール104b,104cの停止図柄が何であっても、2枚のメダルが遊技者に付与される。なお、第1リール104aの中段に「チェリー」が停止表示された場合には、入賞ラインが1であるから2枚のメダルしか払い出されないが、3枚ベットにより全ての賭けラインが有効化されたゲームにおいて第1リール20aの上段又は下段に「チェリー」が停止表示された場合には、入賞ラインが2であるから2×2=4枚のメダルが払い出される。
上記RB入賞により開始されるRBゲーム中においては、JACゲームと称される特別ゲームが所定回数(例えば、12回)を上限に実行可能とする。このJACゲームでは、メダルのベット数が、例えば1枚となり、この1ベットに対応する有効ライン(例えば、中段横ライン)上にJAC図柄(例えば、リプレイの図柄)が揃った入賞結果態様(例えば、リプレイ入賞の入賞結果態様に同じ)となることによってJAC入賞が成立し、15枚のメダルが遊技者に付与される。なお、RBゲームは、JACゲームが所定回数(例えば、12回)行われる第1終了条件、またはJAC入賞が所定回数(例えば、8回)成立する第2終了条件の何れか最先の終了条件が成立することにより終了する。
また、BB入賞が成立して行われるBBゲームにおいては、小役ゲームと称される特別ゲームを所定回数(例えば、30回)を上限に実行可能とする。この小役ゲームでは、通常のゲームに比べて高い確率で小役入賞が発生するように制御される。更に、BBゲーム中は、上述したRBゲームを所定回数(例えば、3回)を上限に実行可能とする。
BBゲーム中にRBゲームが開始される条件は、小役ゲームの結果、有効ライン上に特定のJACイン図柄(例えば、リプレイの図柄)が揃った入賞結果態様(例えば、リプレイ入賞の入賞結果態様に同じ)となること(JACイン入賞の成立)で、このBBゲーム中におけるJACイン入賞の成立に伴って、2枚のメダルが遊技者に付与されると共に、小役ゲームを一時中断してRBゲーム(JACゲームを所定回数行えるゲーム)を開始する。なお、BBゲームは、小役ゲームを所定回数(例えば、30回)行う第1終了条件、またはRBゲームを所定回数(例えば、3回)行う第2終了条件の何れか最先の終了条件が成立することにより終了する。
上記のように構成したスロットマシン100の側方に併設される併設装置の一例である会員装置200は、遊技装置1が設置されている遊技店の会員が所持する会員カードを会員カード投入口201から投入することにより、様々な会員特典を受けられるようにするものである。更に、その側方に併設される貸しメダル装置300は、紙幣投入口301から紙幣を投入すると、投入紙幣に応じた数量のメダルが貸しメダル払出口302に払い出される。
しかして、本実施形態に係る遊技装置1においては、会員装置200の適所(例えば、スロットマシン100の変動表示窓部103に対応する位置)より延出する可動アーム210により保持される表示手段としての多機能表示装置220を備える。上記多機能表示装置220は、例えば、透明なガラス基板上に透明な画素電極を形成した透過性の液晶パネルを表示面とするシャッター表示部221を有し、可動アーム210がほぼ水平な方向にあるとき(図2における実線を参照)、シャッター表示部221がちょうどスロットマシン100の変動表示窓部103の前面側に位置し、可動アーム210がほぼ鉛直上向きとなるように回動させると(図2における一点鎖線を参照)、シャッター表示部221は変動表示窓部103の前面から退避する。
すなわち、会員装置200は、可動アーム210によって多機能表示装置220を回動可能に保持することで、併設されるスロットマシン100における変動表示窓部103の前面側から多機能表示装置220のシャッター表示部221を退避させた表示退避状態と、スロットマシン100における変動表示窓部103の前面側にシャッター表示部221を位置させた表示進出状態とに変換可能となす。
なお、本構成例の可動アーム210は、アームの基部が回転する自由度1の簡易な構造としたが、これに限らず、自由度2以上のアーム構造によって多機能表示装置220の変換動作を行えるようにしても良いし、フレキシブルアーム構造を採用して、多機能表示装置220の位置を自在に変えられるようにしても良い。
また、多機能表示装置220のシャッター表示部221が変動表示窓部103の前面側から退いた表示退避状態は、多段階に設定しても良い。例えば、第1表示退避状態においては、シャッター表示部221が変動表示窓部103の近傍に位置することで、変動表示部103におけるリールの変動表示遊技を注視しつつ、多機能表示装置220の表示も視認し易くし、第2表示退避状態においては、多機能表示装置220がスロットマシン100の前面から完全に退いた状態とすることで、前扉102の全表面が見えるようにすると共に、保守作業等に際して前扉102を開閉する障害とならないようになる。このように、2種類あるいは3種類以上の様々な表示退避状態を設定しておけば、遊技者や遊技店員の目的に応じた表示退避状態に変換することが可能となるので、利便性を一層高めることができる。
同様に、表示進出状態を多段階に設定しても良い。例えば、シャッター表示部221の横幅をリール幅にほぼ等しく形成しておき、第1表示進出状態では変動表示窓部103における左リール104aの前面側にシャッター表示部221が位置し、第2表示進出状態では変動表示窓部103における中リール104bの前面側にシャッター表示部221が位置し、第3表示進出状態では変動表示窓部103における右リール104cの前面側にシャッター表示部221が位置するような、多段変換が可能な構成とすれば、小型軽量の多機能表示装置220を用いることができ、しかも、必要に応じて表示進出状態を変更することにより、変動表示部103の前面側適所にシャッター表示部221を位置させることが可能となる。
上記多機能表示装置220のシャッター表示部221は、遊技関連情報を表示する表示面として機能し、図示を省略したシャッター表示制御部からの制御によって画素毎に透過・不透過を切り換えることが可能であり、例えば、画素電極に電圧が印加されていないOFF時には透過状態にあり、裏面側の表示窓部103を遊技者が視認でき、一方、画素電極に電圧が印加されたON時には不透過状態となって、裏面側の変動表示窓部103を遊技者が視認できなくなる。このように、シャッター表示部221は、透過画素と不透過画素を適宜に制御することで、裏面側の変動表示窓部103が見える透過領域と、変動表示窓部103が見えない不透過領域とを生ぜしめることが出来る。
なお、上記のようにシャッター表示部221に透過領域と不透過領域とを生ぜしめる場合、透過領域と不透過領域が或る程度大きければ両領域の識別は容易であるが、透過領域もしくは不透過領域が微小領域であった場合、両方の領域にある程度の輝度差や色差が無ければ透過領域と不透過領域との識別が困難である。特に、表示進出状態における多機能表示装置220にあっては、シャッター表示部221の裏面側で第1〜第3リール104a〜104cが回転して図柄が変動表示されていると、精細な図柄や文字による遊技関連情報の表示を行っても、微小な透過領域あるいは不透過領域の識別が困難で、視覚的効果を高めることは難しい。そこで、液晶シャッター層の前面側に有機ELによる発光層を形成した表示パネルを用い、液晶シャッターによる不透過領域の前面側で有機ELによる多色発光で鮮明な図柄や文字表示を行えるようにすれば、多機能表示装置220の表示機能を一層高めることができる。
また、シャッター表示部221による透過領域と不透過領域の制御に際して、全面を透過状態と不透過状態とに変換させる単純な制御を可能とする場合、透過状態と不透過状態との変換周期を遊技者が任意に調整できるようにしても良い。本構成例においては、遊技者が自ら操作できるシャッター調節部222を多機能表示装置220に設けるものとした。
さらに、本構成例の多機能表示装置220にはLEDデータ通信受信部223を設け、多機能表示装置220が表示進出状態に変換された際に、スロットマシン100における前扉102の適所(例えば、変動表示窓部103の近傍)に設けたLEDデータ通信送信部121の発光を上記LEDデータ通信受信部223によって受光可能なように位置決めされる(図5を参照)。すなわち、多機能表示装置220が表示進出状態に変換されると、LEDデータ通信送信部121によるLED点滅パターンとして送信されるデータをLEDデータ通信受信部223により受信可能となるので、このデータを用いた種々の制御が可能となり、遊技の幅を広げることが出来る。
なお、LEDデータ通信受信部223を介して受信したデータは、多機能表示装置220が利用する場合に限らず、会員装置200の本体側で利用するようにしても良い。また、LEDデータ通信受信部223を多機能表示装置220に設けるものとしたが、これに限らず、例えば可動アーム210にLEDデータ通信受信部を設けるようにしても良い。また、LEDデータ通信受信部223の受光面の周縁部から裏面側に起立する周壁部を形成することで、LEDデータ通信受信部223に外乱光(LEDデータ通信送信部121からのLED光以外の光で、通信上の妨げとなる光)が入射してデータエラーが生ずることを防止し、LEDデータ通信の品質を向上させるようにしても良い。
ここで、会員装置200に併設される遊技機であるスロットマシン100の遊技制御部について、図6の機能ブロック図を参照して説明する。本構成例のスロットマシン100は、主たる遊技制御を行う遊技制御装置(メイン制御装置)130と、種々の演出制御を担う演出制御装置(サブ制御装置)150を備える。
上記遊技制御装置130は、CPU(Central Processing Unit)130a、ROM(Read only memory)130b、RAM(Random Access memory)130c、I/F(Interface)130d等を備え、遊技に際して遊技制御装置130は内部的に発生させた乱数から入賞の有無や入賞役を決定する。
この遊技制御装置130には、投入メダル検出センサ131からの投入メダル検出信号、スタートレバースイッチ132からのスタート操作検出信号、第1〜第3リール停止スイッチ109a〜109cから第1〜第3リール104a〜104cに対応するリール停止信号、第1〜第3リール位置検出センサ133a〜133cから各リール104a〜104cに対応する回転基準位置通過信号、1ベットスイッチ106bから1ベット信号、MAXベットスイッチ106bからMAXベット信号、メダル返却スイッチ107からメダル返却信号、払出メタル検出センサ134から払出メダル検出信号、確率設定装置135から確率設定信号、リセットスイッチ136からリセット要求信号、前扉開放スイッチ137から前扉開放検出信号が各々入力される。
また、遊技制御装置130からは、成立した入賞役に対応する数のメダル払出信号をメダル払出部138へ、第1リール104aの駆動・停止に応じた駆動パルスを第1リール用モータ139aへ、第2リール104bの駆動・停止に応じた駆動パルスを第2リール用モータ139bへ、第3リール104cの駆動・停止に応じた駆動パルスを第3リール用モータ139cへ、ビックボーナスフラグ成立報知の表示信号をビックボーナスフラグ成立報知ランプ120へ、LEDデータ通信のためのLED点滅制御パルスをLEDデータ通信送信部121へ各々出力する。
なお、本構成例の遊技制御装置130は、外部信号出力基板140を介して会員装置200へのデータ通信を行えるものとしたが、例えば、LEDデータ通信部121のLED点滅による多機能表示装置210へのデータ通信を行い、この多機能データ表示装置220を中継して会員装置200の制御機能へデータを供給するようにしても良い。しかしながら、本構成例のように外部信号出力基板140を介して直接的に会員装置200へデータ通信を行えれば、会員装置200が表示退避状態(シャッター表示部221が変動表示窓103の前面側から退避して、LEDデータ通信受信部223がLEDデータ通信送信部121からの信号を受信できない状態)にあって、LEDデータ通信送信部121のLED点滅によるデータ通信が行えない場合にも、会員装置200への情報伝送を行えるというメリットがある。
上記遊技制御装置130からの演出指令を受ける演出制御装置150は、スロットマシン100の前扉102に設けた種々の表示機能、すなわち、装飾表示部114、ベットライン表示部115、遊技状態表示部116、払出数表示部117、遊技進行表示部118、クレジット表示部119等の表示制御を行うと共に、演出表示装置113へ遊技状態に応じた演出表示コマンドを送信し、音出力部151から種々の効果音を出力させる。
次に、上記構成のスロットマシン100による遊技進行に応じて、多機能表示装置220による行う表示制御の具体例を図7に基づき説明する。
第1の表示制御例は、図7(a1)〜(a4)に示すもので、これは、スロットマシン100の第1〜第3リール104a〜104cが等速回転する特質を利用したものである。スロットマシン100の各リール104a〜104cの周面には等間隔で21の図柄が描かれており、これが4.1秒/回で等速回転しているので、リール上の各図柄は4.1秒周期で変動表示窓部103に現れる。また、変動表示窓部103は、縦方向に3つの図柄を同時に表示できる大きさであるから、特定の図柄が変動表示窓部103の上部から現れて下部から消えて行くまでに要する時間は「4.1×3/21」秒となり、「4.1×18/21」秒後に再び特定図柄が変動表示窓部103の上部に現れる。
従って、特定図柄(例えば、塗りつぶし7)の通過タイミングを遊技者に体感させる場合、特定図柄が変動表示窓部103に見えない「4.1×18/21」秒の間はシャッター表示部221を不透過状態にし(図7(a1)を参照)、特定図柄が変動表示窓部103の上部から現れるタイミングでシャッター表示部221を透過状態に変換させて変動表示窓部103の下部から特定図柄が消えるまでの「4.1×3/21」秒間は透過状態を保持し(図7(a2)および(a3)を参照)、特定図柄が変動表示窓部103から見えなくなるタイミングで再びシャッター表示部221を不透過状態に変換する(図7(a4)を参照)。斯くすれば、一定周期で特定図柄が変動表示窓部103を通過するタイミングを遊技者が容易に把握でき、遊技に不慣れな遊技者であっても、停止スイッチ109の押下タイミングを著しく外すことなく、特定図柄の目押しを可能ならしめる。
なお、シャッター表示部221に対するシャッター表示制御によって、特定図柄が変動表示窓103を通過するタイミングで透過状態にする期間と不透過状態にする期間は、上述した時間に限定されるものではない。例えば、透過状態とする期間を「4.1×1/21」秒とし、不透過状態とする期間を「4.1×20/21」とすれば、特定図柄の表示位置を上段,中段,下段の何れかに限定して表示することができる。
上述したように、停止させたい図柄が変動表示窓部103を通過するタイミングに同期させる制御は、会員装置200の制御装置からの指令信号に基づいて多機能表示装置220が透過・不透過の変換タイミングを自動調整するものでも良いし、遊技者が自らシャッター調節部222を操作して、所望の図柄の通過タイミングに調整するものでも良い。
シャッター調節部222を用いて遊技者がタイミング調整を可能とする場合、例えば、透過状態と不透過状態との時間比が3:18(=1:6)となるようにシャッター機能をプリセットしておき、遊技者がシャッター調節部222を操作することにより、シャッター表示部221における透過・不透過の周期を調整して(リール104の定速回転時の周期である4.1秒よりも長い周期としたり、短い周期としたりして)、所望の図柄が変動表示窓部103から見えるように調整し、所望の図柄がベットライン上に見えるタイミングで、シャッター表示部221における透過・不透過の周期をリール104の回転周期(4.1秒)にセットすると、所望の図柄が定位置に固定表示されるタイミングに調整できる。
このように、シャッター調節部222を用いたタイミング調整は煩雑であり、遊技者が調節操作に熟練していないと、所望の図柄が変動表示部103を通過するタイミングにシャッター表示部221の透過・不透過変換タイミングを同期させることは難しい。加えて、停止させたい図柄の同期調整は、第1〜第3リール104a〜104cで夫々別に行わなければならないので、1ゲームが終了するまでに相当の時間を要する可能性もあり、遊技店にとって収益性を損なうことにもなりかねない。そこで、シャッター調節部222による透過・不透過のシャッター調節機能を常時使用可能とせずに、例えば、特定の遊技状態(例えば、特定の入賞役の成立フラグがセットされた状態)においてのみ有効となるようにしても良い。
一方、多機能表示装置220によってシャッター表示部221における透過・不透過のシャッター機能を自動調整する場合、自動調整を開始するための開始条件の達成情報(例えば、フラグ成立情報)と、同期表示の対象となる図柄情報(成立フラグに応じた入賞役となる停止図柄情報)と、同期表示させるリールの回転状態(リール位置検出センサ133による基準位置検出からの経過時間もしくは第1〜第3リール用モータ140a〜140cへ供給したパルス数と、リール表面の図柄配列とから、変動表示窓部103を通過している図柄を特定可能)とを、多機能表示装置220のシャッター表示制御部が把握しておく必要がある。
これらの情報は、スロットマシン100のLEDデータ通信送信部121から多機能表示装置220のシャッター表示制御部に送信しても良いし、外部信号出力基板140を介して会員装置200の制御装置へ送信し、これを受けた会員装置200の制御装置が多機能表示装置220のシャッター表示制御部へデータ送信を行うようにしても良い。なお、リール表面の図柄配列情報は、スロットマシン100の設置時に、予め会員装置200に記憶させておくようにしても良い。
更に、第1〜第3リール停止スイッチ109a〜109cの操作によるリール停止情報をシャッター表示制御部へ供給するものとし、このリール停止情報に基づいて、停止したリールに対応するシャッター表示制御を終了するようにしても良い。また、シャッター表示制御による特定図柄のサイクリック表示を行っているにも拘わらず、成立フラグに対応した特定図が変動表示窓部103を通過するタイミングでリール停止スイッチ109を操作できない遊技者に対しては、その操作タイミングのズレをちょうど補完できる他の図柄をサイクリック表示する制御に変更し、成立フラグに対応した特定図柄で停止させるためのサポート制御を行うようにしても良い。
多機能表示装置220により表示する遊技関連情報は、上記のシャッター表示動作による特定図柄のサイクリック表示に限定されるものではなく、当該スロットマシン100における遊技において有用な情報であれば、如何様な情報表示を行っても良いし、また、その表示開始或いは表示終了のタイミングも任意に設定できる。
例えば、図7(b)に示すように、スロットマシン100の遊技制御装置130において内部的に成立したフラグ情報(例えば、成立フラグの種類がスイカ入賞である場合、スイカの図柄)を表示するようにしても良い。なお、このような成立フラグ報知は、スロットマシン100のLEDデータ通信送信部121からのデータを多機能表示装置220のLEDデータ通信受信部223で受信したタイミングで行い、ゲーム進行の妨げとならない所定期間経過後に自動で表示を終了させても良いし、遊技者が成立フラグ情報を認識して表示終了の操作(例えば、予め設けた表示終了スイッチの操作)を行うまで継続表示させるようにしても良い。また、図7(c)に示すように、例えば、目立つ図柄(例えば、塗りつぶし7)を停止させる位置を指示することで、間接的に、成立フラグに応じた停止図柄を所定位置に停止させるような報知を行っても良い。
また、上述した種々の表示制御によるサービスの提供を行うか否かを、当該遊技装置1で遊技を行っている遊技者の会員情報(会員装置200に挿入された会員カードに記録されている会員情報、あるいは、会員カードに記録された固有番号に基づいて当該遊技店が会員管理装置で管理している会員情報)から判断し、サービス提供基準(例えば、来店ポイントや稼働ポイントなどが所定の基準)を満たしている会員に対してのみ、上記のようなシャッター表示動作やフラグ報知等の表示制御を能動化させるようにしても良い。
次に、遊技機としてパチンコ機400を備えるものとした第2実施形態に係る遊技装置2について、図8〜図12を参照して説明する。遊技装置2は、図8に示すように、パチンコ機400と、このパチンコ機400に対応して一側方に隣接させて設けた会員装置500と、この会員装置500の一側方に隣接させて設けた球貸し装置600とから構成する。
上記パチンコ機400は、機枠402の前面側に額縁状の前面枠403を開閉可能に設け、該前面枠403に開設した窓部の前面側にガラス枠404と開閉扉405を開閉可能に軸着し、窓部の背面側には窓部を塞ぐようにして遊技盤406を装着し、前面枠403の下部前面側に球受皿407と発射操作ハンドル408などを取り付けてある。
また、開閉扉405には遊技球貯留手段として球供給皿409を設け、該球供給皿409より打球発射機構(図示省略)へ供給された遊技球が弾発され、遊技盤406の遊技領域(主として、ガラス枠404の装飾部材404aにより覆われていない遊技窓部404bから遊技者が視認できる状態になっている領域であり、後に詳述する。)へ到達する。また、窓部404bにおける略中央部の左右両側には、それぞれスピーカ404c,404cを設けてある。
また、上記遊技盤406は、厚肉の合板材を略四角形状に加工した本体盤の表面に種々の遊技装置や遊技器具等を設けてなる遊技部410を形成したもので、この遊技盤406を交換することで、他の機種に変更することができる。打球発射装置により弾発された遊技球が誘導される遊技部406には、図示を省略した障害釘が複数植設されると共に、変動表示部411aを備える変動表示装置411や開閉扉412aにより大入賞口を閉塞する第1状態と大入賞口を開放する第2状態とに変換可能な変動入賞装置412といった大型の遊技装置のほか、入賞口413…や風車414が配置されている。
また、遊技領域410には、通過する遊技球を検出する普図始動ゲート415を設け、この普図始動ゲート415のセンサが遊技球の通過を検出すると、変動入賞装置415に設けた普図表示器416を用いた普通図柄変動表示ゲームが行われる。この普通図柄変動表示ゲームでは、例えば、左表示ランプと右表示ランプをそれぞれ当たりランプと外れランプに対応させておき、これらを交互に点灯させて、所定時間経過後に停止表示された表示ランプが当たりランプであった場合に、普通電動役物417の可動部材が左右に開いて特図始動口に入賞し易い状態となる。
上記普通電動役物417に設けた特図始動口への入賞球を特図始動センサ418が検出した場合には、上記変動表示装置411の変動表示部411aに複数の識別情報を変動表示させて所定のタイミングで停止表示する特別図柄変動表示ゲームが行われる。特別図柄変動表示ゲームとは、例えば、3桁の数字や各種記号等を高速で変換表示した後に、所定の順序で停止表示させてゆき、3桁の停止表示態様が予め定めた特別表示態様(例えば、「0,0,0」「2,2,2」「3,3,3」「7,7,7」等、3桁の数字や記号が全て一致するぞろ目の停止態様)になると、特別遊技への遊技移行条件が達成されるものである。
なお、特別遊技への移行条件が達成される特別表示態様の中でも特に定めた特賞結果態様(例えば、奇数のぞろ目である「1,1,1」「3,3,3」「5,5,5」「7,7,7」「9,9,9」)になった場合には、特別図柄変動表示ゲームで特別表示態様が発生する確率を通常の第1確率から、特別表示態様が発生する確率が第1確率よりも高い第2確率へ変更する(所謂、確変モードに変更する)ことで、次の特別遊技移行条件を達成し易くする特典を与えるようにしても良い。また、変動表示ゲーム実行中に特図始動口への入賞球が検出された場合、これを所定数(例えば、4個)まで記憶すると共に、変動表示装置411の始動入賞記憶表示器411bにて可視表示し、変動表示ゲームの終了後にこの始動記憶に基づいて、次の変動表示ゲームを実行できる。
上記のようにして特別図柄変動表示ゲームの停止表示態様が特別表示態様となることで行われる特別遊技においては変動入賞装置412を用い、例えば、開閉扉412aが大入賞口を開放している第2状態変換時間が所定時間(例えば30秒)に達するサイクル終了第1条件と、第2状態へ変換してからカウントセンサ412bが検出した大入賞口への入賞球数が所定個数(例えば、10個)に達するサイクル終了第2条件のうち、何れかの条件が達成されると、これを以てサイクル遊技の終了となり、所定時間幅のウェイトタイム経過後に再びサイクル遊技を行う。また、特別遊技におけるサイクル更新は所定回数(例えば、15回)までとし、最初のサイクル遊技から数えて16回目のサイクル遊技が実行されると、この16回目のサイクル遊技の終了を以て特別遊技を終了させるものとした。
なお、特別遊技の内容は、上述した例に限定されるものではなく、遊技者の獲得利益を高めるという特別遊技の趣旨に沿うように、適宜設定すれば良い。無論、普通変動表示ゲームなども、上述した例に限定されるものではない。また、普通変動表示ゲームを行うための普図表示器416を別途設けずに、変動表示装置411の変動表示部411aを用いて行うようにしても良い。
上記のように構成したパチンコ機400の側方に併設される併設装置の一例である会員装置500は、遊技装置2が設置されている遊技店の会員が所持する会員カードを会員カード投入口501から投入することにより、様々な会員特典を受けられるようにするものである。更に、その側方に併設される球貸し装置600は、硬貨投入口601から硬貨を投入すると、投入硬貨に応じた数量のパチンコ球が貸し球誘導樋602を介して排出される。
しかして、本実施形態に係る遊技装置2においては、会員装置500の適所(例えば、パチンコ機500の変動表示装置411の変動表示部411aに対応する位置)より延出する可動アーム510により保持される表示手段としての表示パネル520を備える。この表示パネル520は、上記第1実施形態における多機能表示装置220と同様に、例えば、透明なガラス基板上に透明な画素電極を形成した透過性の液晶パネルを表示面とするシャッター表示部521を有するが、シャッター表示部521に対するシャッター制御を行うシャッター制御部としての機能は、会員装置500本体内の制御装置に含ませるものとし、表示パネル520の小型・軽量化を廉価に達成できるようにした。
上記可動アーム520は、例えば、会員装置500の前端面よりも前方へ突出する第1アーム部511と、該第1アーム部511の前端部から側方(パチンコ機100側)へ延出する第2アーム部512とからなり、図8に示すように、第2アーム部512がほぼ水平な方向にあるとき、第2アーム部512の先端側に支持される表示パネル520のシャッター表示部521がちょうどパチンコ機400の変動表示部411aの前面側に位置し、第1アーム部511に対して第2アーム部512を上方回動させると(図9を参照)、シャッター表示部521は変動表示部411aの前面から退避する。
すなわち、会員装置500は、可動アーム510によって表示パネル520を回動可能に保持することで、併設されるパチンコ機500に設けた変動表示装置411の変動表示部411aの前面側からシャッター表示部521を退避させた表示退避状態と、パチンコ機500に設けた変動表示装置の変動表示部411aの前面側にシャッター表示部521を位置させた表示進出状態とに変換可能となす。なお、表示退避状態と表示進出状態は、多段階に設定しても良い。
そして、本構成例の可動アーム510は、第2アーム部512をほぼ鉛直方向へ回動させた状態において、第2アーム部512の上端に支持される表示パネル520を鉛直な軸回りに90゜回転出来る構造とし、表示パネル250の表示面がパチンコ機400の前後方向の面とほぼ平行な状態となるように表示パネル250を回転させることで、表示パネル250の左右方向の幅を低減させ、第1アーム部511の基端部を回動可能に支持する軸支部513(例えば、パチンコ機400における前後方向の面に直交する鉛直面内でほぼ水平な回動軸を有する)に対して、第1アーム部511を下方から後方へ向けて回動させると、会員装置500の本体前面に開口する収納部502内に可動アーム510および表示パネル520を収納できる(図9における破線を参照)。
また、可動アーム510および表示パネル520が収納部520内の定位置に収納されると、該状態を収納状態検出スイッチ503が検出するものとしてある。すなわち、本実施形態に係る遊技装置2の会員装置500は、表示手段たる表示パネル520を収納可能な収納部502と、該収納部502に表示パネル520が収納された状態か否かを検出可能な収納状態検出手段としての収納状態検出スイッチ503と、を備える。
なお、本構成例においては、可動アーム510が適正な収納位置に到達したことを収納状態検出スイッチ503により検出することで、間接的に表示パネル520も適正な収納位置に到達したことを検出できるものとしたが、表示パネル520が適正な収納位置に到達したことを収納状態検出スイッチ503によって直接検出する構成としても良い。また、収納状態検出スイッチ503は光センサ等の非接触式検出方式のものでも良いし、リミットスイッチ等の接触式検出方式のものでも良い。
上記のような可動アーム510に支持される表示パネル520のシャッター表示部521は、前述した第1実施形態に係る遊技装置1の多機能表示装置220のシャッター表示部221と同様に、画素毎に透過・不透過を切り換えることが可能で、例えば、画素電極に電圧が印加されていないOFF時には透過状態にあり、裏面側の遊技領域410の表面や変動表示部411aを遊技者が視認でき、一方、画素電極に電圧が印加されたON時には不透過状態となって、裏面側の遊技領域410の表面や変動表示部411aを遊技者が視認できなくなる。このように、シャッター表示部521は、透過画素と不透過画素を適宜に制御することで、裏面側が見える透過領域と、裏面側が見えない不透過領域とを生ぜしめることが出来る。
さらに、本構成例の表示パネル520にはLEDデータ通信受信部522を設け、シャッター表示部521が少なくとも変動表示部411aの前面側に位置する表示進出状態において、パチンコ機400における遊技領域410内の適所に設けたLEDデータ通信送信部419の発光を上記LEDデータ通信受信部522によって受光可能なように位置決めされる。すなわち、シャッター表示部521が少なくとも変動表示部411aの前面側に位置する表示進出状態においては、LEDデータ通信送信部419によるLED点滅パターンとして送信されるデータをLEDデータ通信受信部422により受信可能となるので、このデータを用いた種々の表示制御を会員装置500で行うことが可能となり、遊技の幅を広げることが出来る。
次に、パチンコ機400の制御部について、図10の機能ブロック図に基づいて説明する。パチンコ機400は、主たる遊技制御を司る遊技制御装置450、該遊技制御装置450からの演出指令によって種々の演出動作を制御する演出制御装置460、上記遊技制御装置450からの排出指令によって賞球排出動作を制御する排出制御装置470等を備える。
上記遊技制御装置450は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を有する遊技用マイコン451が発振器452からの動作用クロックを受けて動作し、入力インターフェース453を介して特図始動センサ418,普図始動ゲート415の通過球を検出する普図始動センサ420,カウントセンサ412b,第1入賞口〜第n入賞口への入賞球を各々検出する第1入賞口センサ421a〜第n入賞口センサ421n等より各検出情報が入力され、また、出力インターフェース454を介して普図表示器416,普通電動役物417の可動部材を変換駆動させる普電ソレノイド422,大入賞口を閉塞する開閉扉412aを変換駆動させる大入賞口ソレノイド423,発射制御装置470,演出制御装置460等へ制御信号や制御用コマンドを送る。
また、表示パネル520のシャッター表示部521が変動表示装置411の変動表示部411aの前面側に位置する表示進出状態においては、遊技制御装置450からの制御によりLEDデータ通信送信部419が点滅動作した光を、会員装置500の表示パネル520に設けたLEDデータ通信受信部522で受光することにより、パチンコ機400から種々のデータを会員装置500へ送信することができるものの、表示パネル520のシャッター表示部521が変動表示装置411の変動表示部411aの前面側から退避している退避状態においては、LEDデータ通信によってパチンコ機400から会員装置500へのデータ通信を行うことが出来ないので、例えば、パチンコ機400に外部信号出力基板424を設け、この外部信号出力基板424を経由して会員装置500へ種々のデータを送信できるようにしても良い(図10中、破線で示す)。
次に、会員装置500において、上記表示パネル520のシャッター表示部521に対するシャッター制御を行うシャッター制御部としての機能を有する制御装置530について説明する。
制御装置530はCPU,ROM,RAM,入出力インターフェースを備え、磁気カードやICカード等の会員カードから情報を読み取るカードリーダ504から会員特定データが入力されると、会員特定情報を会員管理装置700へ照会し、その会員特定情報に応じた会員情報が会員管理装置700から供給され、この会員情報に基づいて、遊技者に提供するサービスを判断する。なお、記録内容を書き換え可能な会員カードを採用した場合には、カードリーダ・ライタを用いて会員カードに情報を追記するようにしても良い。
また、本構成例の会員装置500においては、収納状態検出スイッチ503からの収納検出信号を制御装置530が受けることで、表示パネル520が収納部502に収納されたことを検出すると、表示パネル520のシャッター表示部521への表示制御(例えば、ソース信号やゲート信号の供給)を停止して、表示パネル520による表示動作を不能動化するものとした。
すなわち、表示パネル520が収納部502内に収納されて遊技者に対する表示動作の必要が無くなると、制御装置530の制御により自動で表示動作が終了し、無駄な電力消費を抑えるのである。なお、表示動作のON/OFFを切り換えるスイッチを表示パネル520に設けて、遊技者の任意選択により、表示動作のON/OFFを切り換えられるようにしても良い。また、前述した第1実施形態の遊技装置1における多機能表示装置220の如く、表示パネル520にもシャッター調節部523を設け(図11中、破線で示す)、シャッター調節部523からの調節信号に応じて、制御装置530がシャッター表示部521に対するシャッター表示動作を行うようにしても良い。
パチンコ機400のLEDデータ通信送信部419から表示パネル520のLEDデータ受信部522を介して受信した受信データを制御装置530で受けると、その受信データに応じた種々の動作を行う。例えば、変動表示装置411を用いて行われる変動表示ゲームにおけるリーチ演出が実行されると、その演出動画データを遊技者に提供するサービスを行う場合、実行されたリーチ演出に対応する演出動画データがパチンコ機400から会員装置500へ送信されると、その旨を表示パネル520のシャッター表示部521に表示したり(図12(a1)を参照)、パチンコ400から送信されて遊技者に提供可能となった演出動画データのリスト表示(図12(a2)を参照)を行ったりする。
なお、本構成例の会員装置300においては、演出動画データを遊技者へ提供するために、例えば、携帯電話のデータ通信端子と接続可能なデータ出力部505を会員装置500に予め設けておき、このデータ出力部505を介して制御装置530内にストックされたデータを遊技者が所持する携帯電話へ伝送するようにしたが、これに限らず、他の記録媒体や他の伝送手法を用いて、演出動画データを遊技者に提供するようにしても良い。また、パチンコ機400から会員装置300へのデータ送信はLEDデータ通信に限らず、パチンコ機400に設けた外部信号出力基板424を介して制御装置530へ直接送信するようにしても良い。
会員装置500の制御装置530によって表示パネル520を制御することにより行う表示は、パチンコ機400からの送信データに関連したものに限らず、如何様な遊技関連情報を表示しても良い。例えば、会員カードに基づくサービス提供レベルが一定基準に達していた場合、当該パチンコ機400の設定が遊技者にとって好ましいか否かの判断に供し得る教示情報(例えば、図12(b)に示すように、遊技進行が有利となる遊技釘の調整方向を示唆する矢印をシャッター表示部421に表示するもの)を提示するようにしても良い。
また、パチンコ機400の非稼働時には、当該パチンコ機400の遊技履歴情報(例えば、図12(c1)に示すように、前回の大当りからの始動回数や本日の大当り回数など)をシャッター表示部521に表示しておき、遊技者がこれから遊技を行う遊技装置2を選定する際の参考となるようなサービスを行っても良い。なお、遊技履歴情報の表示は、遊技開始(例えば、発射操作ハンドル408に対するタッチ検出)や変動表示装置411による変動表示ゲームの開始に伴って消去(全面を透過状態に変換)したり、図12(c2)に示すような縮小表示に変更したりすることで、遊技進行の妨げとならないようにする。
以上本発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態は全て例示であって、開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、上記の実施形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものではなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈すべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲内での全ての変更が含まれる。