JP2016202840A - 回胴式遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】
複数台の表示装置を搭載した回胴式遊技機において、これまでにない新規な演出を実行可能とする。
【解決手段】
リール窓20aよりも上側の区画を表示領域αとする表示装置Aを備えた回胴式遊技機10において、表示領域βを有する透過型の表示装置Bを設け、表示装置Bを、その表示領域βが表示領域αに重なる上側位置と、その表示領域βがリール窓20aに重なる下側位置との間で上下方向に移動可能に支持させ、表示領域α及び表示領域βによる位置フェーズ(表示フェーズ)を、表示装置Bが上側位置でその表示領域βが表示領域αの前面側に重なる第一フェーズと、表示装置Bが下側位置でその表示領域βがリール窓の前面側に重なる第二フェーズとの間で移行できるようにした。
【選択図】図5

Description

本発明は、複数台の表示装置を用いて映像演出を行う回胴式遊技機に関する。
回胴式遊技機としては、リールの停止図柄を表示するためのリール窓を筺体前面の中段部に配し、映像演出を行うための液晶表示装置を筺体前面の上段部に配したものが一般的である。近年の回胴式遊技機では、筺体前面の上段部の液晶表示装置に加えて、筺体前面の中段部、すなわちリール窓の前面側に他の液晶表示装置を備えた機種も登場している(例えば、特許文献1の図1及び図15における液晶表示装置600及び前面液晶表示装置700を参照。)。これにより、それまでの回胴式遊技機(筺体前面の上段部に1台の液晶表示装置を設けた回胴式遊技機)よりも、趣向を凝らした演出を実行することが可能になる。しかし、この種の回胴式遊技機は、複数台の液晶表示装置を搭載していても、各液晶表示装置の配置が固定的であったため、それにより得られる演出効果は限定的であった。
特開2011−078842号公報
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、複数台の表示装置を搭載した回胴式遊技機において、これまでにない新規な演出を実行可能とし、遊技者をより楽しませることを目的とするものである。
上記課題は、
筺体の前面側におけるリール窓よりも上側の区画を表示領域αとする表示装置Aを備えた回胴式遊技機であって、
表示領域βを有する透過型の表示装置Bを備え、
表示装置Bを、その表示領域βが表示領域αに重なる上側位置と、その表示領域βがリール窓に重なる下側位置との間で上下方向に移動可能に支持することにより、
表示領域α及び表示領域βの位置フェーズ(以下、単に「表示フェーズ」と呼ぶことがある。)を、表示装置Bが上側位置でその表示領域βが表示領域αの前面側に重なる第一フェーズと、表示装置Bが下側位置でその表示領域βがリール窓の前面側に重なる第二フェーズとの間で移行できるようにした
ことを特徴とする回胴式遊技機
を提供することによって解決される。
ここで、「透過型の表示装置」とは、映像が表示される表示画面(表示領域)の前方から当該表示画面を介して表示装置の後方が透けて見える構造を有する表示装置のことを云う。透過型の表示装置は、「透過ディスプレイ」や「透明ディスプレイ」等、他の名称で呼ばれることもある。透過型の表示装置としては、透過液晶(液晶層の後方に非透光性部材(バックライトや裏板等)を設けないこと等により、表示画面の前方から当該表示画面を介して表示装置の後方が透けて見えるようにした液晶表示装置のこと。「透明液晶」等、他の名称で呼ばれることもある。)や、透過型の有機EL表示装置(有機EL層に接続する陰極を透明電極により形成する又は当該陰極を有機EL層の全体ではなく局所的に形成すること等により、表示画面の前方から当該表示画面を介して表示装置の後方が透けて見える構造を有する有機EL表示装置のこと。「透明有機EL」等、他の名称で呼ばれることもある。)等が例示される。
本発明の回胴式遊技機では、透過型の表示装置Bを表示装置Aの前面側からリール窓の前面側にまで及ぶ広い範囲で移動可能としたことにより、従来の回胴式遊技機では実行できなかった趣向に富んだ演出を実行することが可能になる。例えば、表示装置Bの表示領域βが表示装置Aの表示領域αの前面側に重なる第一フェーズでは、表示領域βの表示映像を、表示領域αの表示映像に重ね合わせた状態で表示することで、奥行き感のある映像演出を実行することが可能になる一方、表示装置Aの表示領域αと表示装置Bの表示領域βとが上下に並ぶ第二フェーズでは、リール窓の前面側を含めた広い範囲で迫力のある映像演出を実行することも可能になる。また、表示装置Bの移動シーン自体を演出として楽しませることも可能になる。
本発明の回胴式遊技機において、表示フェーズは、上述した第一フェーズと第二フェーズとの間でのみ移行できるようにしてもよいが、さらに別のフェーズにも移行できるようにすると好ましい。これにより、映像演出によりバリエーションを持たせて、遊技者をより楽しませることが可能になる。具体的には、表示フェーズを、上述した第二フェーズと、表示装置Bが上側位置でその表示領域βが表示領域αの後面側に重なる第三フェーズとの間でも移行できるようにすること等が挙げられる。これにより、回胴式遊技機が一般遊技状態にあるときには、表示フェーズを第三フェーズとして、表示装置Bを表示装置Aの背後に隠して遊技者から見えないようにする一方、回胴式遊技機が特別遊技状態や特殊演出状態にあるときには、表示フェーズを第一フェーズ又は第二フェーズとして、表示装置Bを遊技者から見えるようにするといったことも可能になる。この場合、一般遊技中には見えなかった表示装置Bが特別遊技や特殊演出で見えるようになるため、その際に遊技者が感じる驚きや喜びを大きなものとすることができる。
ここで、「一般遊技状態」とは、回胴式遊技機で発現する遊技状態であって、後述する特別遊技状態と特殊演出状態のいずれにも該当しない状態を云う。また、「特別遊技状態」とは、遊技者が一般遊技状態よりも有利な条件で遊技をすることができる遊技状態のことを云い、具体的には、ビッグボーナスゲームやレギュラーボーナスゲームやアシストタイム(AT)やアシストリプレイタイム(ART)が実行されているときの状態等が挙げられる。さらに、「特殊演出状態」とは、一般遊技状態では実行されない特殊な演出が実行されている遊技状態のことを云い、具体的には、フリーズ演出が実行されている状態等が挙げられる。「フリーズ演出」としては、遊技者によるスタートレバーやストップボタン等の操作を無効化するものや、遊技者によるスタートレバーやストップボタン等の操作を有効化してもメダル(遊技媒体)の回収及び払戻しを無効化するもの(擬似遊技演出)等が例示される。
本発明の回胴式遊技機において、表示フェーズとして上記の第一フェーズ及び第二フェーズに加えて第三フェーズを設ける場合には、第一フェーズと第三フェーズにおいて、表示装置Aと表示装置Bの前後方向での位置関係が逆になるため、必然的に、表示装置Aと表示装置Bのうち少なくともいずれか一方を前後方向に移動可能な状態で支持する必要が生じる。このとき、表示装置Bを前後方向に移動可能としてもよいが、上下方向に移動可能に支持されている表示装置Bをさらに前後方向にも移動可能に支持しようとすると、表示装置Bを前後方向に移動可能に支持するための機構と表示装置Bを上下方向に移動可能に支持するための機構とが複雑に絡み合った大掛かりなものとなり、これらの機構を回胴式遊技機に組み込むこと自体が困難になる虞がある。したがって、表示フェーズとして第三フェーズを設ける場合には、表示装置Aを前後方向に移動可能とすると好ましい。
具体的には、表示装置Aを、後側位置と、後側位置よりも前方に移動した第一前側位置と、第一前側位置よりもさらに前方に移動した第二前側位置との間で前後方向に移動可能に支持し、第一フェーズにあるときには、表示装置Aを後側位置として、表示装置Bを上側位置における第一前側位置に一致する位置とする一方、第三フェーズにあるときには、表示装置Aを第二前側位置として、表示装置Bを上側位置における第一前側位置に一致する位置とするようにすると好ましい。これにより、表示装置Bを上下方向に移動可能に支持するための機構と、表示装置Aを前後方向に移動可能に支持するための機構とを、それぞれ独立して設けることが可能になり、これらの機構をシンプルかつコンパクトなものとすることができる。したがって、これらの機構を回胴式遊技機に容易に組み込むことも可能になる。
本発明の回胴式遊技機において、第二フェーズでは、表示装置Aの表示領域αと表示装置Bの表示領域βとが前後方向で段違いになるようにしても(第一フェーズにおいて表示装置Aの前面側に重なる位置にあった表示装置Bを当該位置から真下に移動させるだけで第二フェーズに移行するようにしても)よい。しかし、この場合には、第二フェーズにおける表示領域αの表示映像と表示領域βの表示映像との連続性が低下する(表示領域αの表示映像と表示領域βの表示映像とが分断した状態に見えやすくなる)虞がある。したがって、第二フェーズでは、表示装置Aの表示領域αと表示装置Bの表示領域βとが前後方向で段違いとならない(面一となる)ようにすると好ましい。これにより、第二フェーズにおいて、表示領域αと表示領域βとで、連続性のある迫力ある映像演出を実行することが可能になる。
ただし、第二フェーズにおいて表示領域αと表示領域βとを面一にするためには、第一フェーズと第二フェーズとで、表示装置Aと表示装置Bとの前後方向での相対的な位置を変化させる必要があるため、必然的に、表示装置Aと表示装置Bのうち少なくともいずれか一方を前後方向に移動可能な状態で支持する必要が生じる。このとき、表示装置Bを前後方向に移動可能としてもよいが、上記の第三フェーズについての説明で述べた理由と同様の理由により、表示装置Aを前後方向に移動可能とすると好ましい。具体的には、表示装置Aを、後側位置と、後側位置よりも前方に移動した第一前側位置との間で前後方向に移動可能に支持し、第一フェーズにあるときには、表示装置Aを後側位置として、表示装置Bが上側位置における第一前側位置に一致する位置とする一方、第二フェーズにあるときには、表示装置Aを第一前側位置として、表示装置Bを下側位置における第一前側位置の真下となる位置とすると好ましい。
本発明の回胴式遊技機において、第二フェーズにあるときには、リール窓の一部のみが表示領域βによって覆われるようにしてもよいが、リール窓の全体が表示領域βによって覆われるようにすると好ましい。これにより、第二フェーズにあるときに、リール窓における各リールに重なる位置や各リールの周辺部における広い範囲を、遊技に関連する各種情報や各種画像を表示するための領域として有効に使用することが可能になる。本発明の回胴式遊技機において、表示領域βは、その形状や寸法を特に限定されるものではないが、表示領域αと略同形(通常、前面視矩形状)で略同寸法とすると好ましい。これにより、第二フェーズにあるときに、表示領域αと表示領域βとを全体として前面視矩形状にすっきりと配置することが可能になるだけでなく、第一フェーズにあるときには、表示領域αにおけるいずれの箇所においても表示領域βの表示映像を重ねて表示することも可能になる。
本発明の回胴式遊技機において、表示フェーズを移行させるタイミングは、特に限定されない。しかし、上述した一般遊技状態や特別遊技状態においては、遊技者はリールの挙動に集中しているため、一般遊技状態や特別遊技状態に表示フェーズを移行させると、遊技者の集中を途切れさせてしまう虞がある。また、移動する表示装置Bによってリールの視認性が阻害される虞もある(特に、表示装置Bが、表示領域βの周囲に不透明な外枠を備えたものである場合にリールの視認性が阻害されやすくなる。)。したがって、表示フェーズの移行は、フリーズ演出中に実行するようにすると好ましい。というのも、フリーズ演出中は、上述したように、遊技者によるスタートレバーやストップボタン等の操作が無効化されていたり、メダル(遊技媒体)の回収及び払戻しが無効化されていたりするため、フリーズ演出中に表示フェーズを移行するようにすると、遊技者が表示装置Bの挙動に集中しやすく、表示装置Bを移動させることによる演出効果をより高めることや、移動する表示装置Bがリールの視認性を阻害したことにより遊技者が不利益を被らないようにすることが可能になるからである。
以上のように、本発明によって、複数台の表示装置を搭載した回胴式遊技機において、これまでにない新規な演出を実行することが可能になる。このため、遊技者をより楽しませることが可能になる。
第一フェーズにあるときの回胴式遊技機を示した前方斜視図である。 第二フェーズにあるときの回胴式遊技機を示した前方斜視図である。 第三フェーズにあるときの回胴式遊技機を示した前方斜視図である。 第一フェーズにあるときの回胴式遊技機を、y−z面に平行で且つ回胴式遊技機の左右方向中心を通る平面で切断した状態を示した断面図である。 第二フェーズにあるときの回胴式遊技機を、y−z面に平行で且つ回胴式遊技機の左右方向中心を通る平面で切断した状態を示した断面図である。 第三フェーズにあるときの回胴式遊技機を、y−z面に平行で且つ回胴式遊技機の左右方向中心を通る平面で切断した状態を示した断面図である。 回胴式遊技機が第二フェーズにあるときの上下スライド手段及び前後スライド手段の周辺を抜き出して示した後方斜視図である。 表示フェーズの移行に伴って移動する表示装置A及び表示装置Bを模式的に示した断面図である。
本発明の回胴式遊技機の好適な実施態様について、図面を用いてより具体的に説明する。図1〜3は、本実施態様の回胴式遊技機10を示した斜視図であり、それぞれ、第一フェーズ(図1)、第二フェーズ(図2)及び第三フェーズ(図3)にあるときの状態を示している。また、図4〜6は、本実施態様の回胴式遊技機10を、y−z面に平行で且つ回胴式遊技機の左右方向中心を通る平面で切断した状態を示した断面図であり、それぞれ、第一フェーズ(図4)、第二フェーズ(図5)及び第三フェーズ(図6)にあるときの状態を示している。さらに、図7は、回胴式遊技機が第二フェーズにあるときの上下スライド手段40及び前後スライド手段50の周辺を抜き出して示した後方斜視図である。図8は、表示フェーズの移行に伴って移動する表示装置A及び表示装置Bを模式的に示した断面図(図4〜6の断面図における前扉20の略上半分を模式的に示した断面図)である。
ただし、図1〜6及び図8においては、図示の便宜上、回胴式遊技機10を構成する各部材のうち、前扉20とリール装置30のみを図示しており、それ以外の部材については、図示を省略している。前扉20は、回胴式遊技機10の筺体における前面側の開口部に対して開閉可能な状態で取り付けられる。リール装置30は、回胴式遊技機10の筺体内における所定箇所に固定される。前扉20における中段部と上段部の前面側は、図4〜6に示すように、保護カバー20cで覆われた状態となっている。この保護カバー20cは、表示装置Aや表示装置Bやリール装置30等の駆動部品に遊技者が触れないように保護するためのものであり、透明な樹脂パネルによって形成される。保護カバー20cは、図示の便宜上、図4〜6のみに図示しており、他の図面においては図示を省略している。また、図7においては、図示の便宜上、回胴式遊技機10を構成する各部材のうち、上下スライド手段40、前後スライド手段50、表示装置Aにおける表示領域α周辺及び表示装置Bにおける表示領域βの周辺のみを図示しており、それ以外の部材については、図示を省略している。
[リール窓]
前扉20の中段部には、図1〜6に示すように、リール窓20aが設けられている。このリール窓20aは、前扉20の後方(筺体の本体内)に配されたリール装置30における複数本(本実施態様の回胴式遊技機10では3本)のリール31,32,33のそれぞれの外周部に表された図柄を遊技者に表示するための開口部となっている。リール窓20a及びその周辺部の前面側は、中パネル20d(図4を参照)によって覆われている。この中パネル20dは、透明な樹脂パネルによって形成され、その左縁部及び右縁部に絵柄等が表される。中パネル20dの左縁部及び右縁部は、リール窓20aの左右両脇に設けられた発光ランプ収容部20e(図1を参照。同図では紙面向かって左側の発光ランプ収容部20eのみが表れており、紙面向かって右側の発光ランプ収容部20eは隠れた状態となっている。)に重なる状態で配される。発光ランプ収容部20eの奥部には、図示省略の発光ランプが取り付けられる。このため、中パネル20dの左縁部及び右縁部に表された絵柄等は明るく照らされた状態となる。中パネル20dは、図示の便宜上、図4〜6のみに図示しており、他の図面においては図示を省略している。
リール31,32,33のそれぞれは、左右方向の軸(x軸方向に平行な軸)を回転中心として回転可能な状態で支持された円筒部材となっている。リール31,32,33の外周部には、それぞれ複数種の図柄がリール31,32,33の回転方向に沿って所定間隔で表されている。遊技者は、リール窓20aを通じて、リール31,32,33の外周部における一部の区間に表された図柄のみを視認することができるようになっている。本実施態様の回胴式遊技機10において、遊技者は、リール窓20aを通じて、リール31,32,33のそれぞれにつき図柄を3個ずつ視認することができるようになっている。すなわち、リール窓20a全体では、図柄が3行3列で表示されるようになっている。
前扉20における上段部(リール窓20aよりも上側の区画)には、図1〜6に示すように、表示領域αを有する表示装置Aが設けられている。図1〜3において、表示領域αは、右上がりの斜線ハッチングで示しており、図1においては、下記の表示領域βを示す左上がりの斜線ハッチングと重なって網掛けハッチングとして見える部分となっている。表示領域αの形状や寸法は、特に限定されないが、通常、その対角線の長さが12〜17インチ程度の矩形とされる。本実施態様の回胴式遊技機10において、表示領域αは、15.6インチの矩形となっている。
[表示装置A]
表示装置Aとして用いる表示装置の種類は、その表示画面(表示領域α)に映像を表示できるものであれば特に限定されず、各種の表示装置を用いることができる。ただし、ブラウン管表示装置は、前後方向の厚みがあり、前扉20にコンパクトに配置することが困難であるため、あまり好ましくない。表示装置Aとしては、液晶表示装置や有機EL表示装置やプラズマディスプレイ等のパネルタイプの表示装置を好適に用いることができる。表示装置Aは、後述する表示装置Bとは異なり、透過型の表示装置とする必要性は特にない。本実施態様の回胴式遊技機10においては、非透過型(表示画面を介して表示装置の後方が透けて見えない構造を有するタイプ)の液晶表示装置を表示装置Aとして用いている。
表示装置Aは、前扉20に対して移動できない状態で固定されたものであってもよい。しかし、本実施態様の回胴式遊技機10において、表示装置Aは、図4〜6に示すように、後方に控えた後側位置(図4)と、後側位置よりも前方に移動した第一前側位置(図5)と、第一前側位置よりもさらに前方に移動した第二前側位置(図6)との間で前後方向に移動可能な状態で、前扉20に対して支持されている。表示装置Aを前後方向に移動可能に支持するための機構は、特に限定されないが、本実施態様の回胴式遊技機10においては、図7に示す前後スライド手段50によって、表示装置Aを前後方向に移動できるように支持している。
[前後スライド手段]
図7に示す前後スライド手段50は、前後スライド用モータ51と、前後スライド用第一ギア52と、前後スライド用第二ギア53と、中間連結軸54と、外側連結軸55と、前後スライド用第三ギア56と、前後スライド部材57と、ガイドピン58と、ガイド穴部材59とで構成されている。前後スライド手段50を構成する部材51〜59のうち、中間連結軸54以外の部材51〜53及び部材55〜59については、表示装置Aの左側(x軸方向負側)及び右側(x軸方向正側)に左右一対で設けられている。左側の部材51〜53,55〜59は、右側の部材51〜53,55〜59と左右対称となっている。左側の前後スライド用第二ギア53と右側の前後スライド用第二ギア53は、中間連結軸54を介して同軸上に連結されており、同期して回転するようになっている。
前後スライド手段50を構成する各部材51〜59についてより詳しく説明する。前後スライド用モータ51は、それにより生じた回転力を出力軸51aに出力するものとなっている。前後スライド用モータ51は、前扉20(図1を参照)の躯体に対して動かない状態で固定されている。前後スライド用第一ギア52、前後スライド用第二ギア53及び前後スライド用第三ギア56は、それぞれ外歯タイプ(外周部に歯形を付けたタイプ)の歯車部材となっている。前後スライド用第一ギア52、前後スライド用第二ギア53及び前後スライド用第三ギア56は、図示省略の軸受に対して回転可能(x軸に平行な軸回りに回転可能)な状態で支持されている。前記軸受は、前扉20の躯体に対して動かない状態で固定されている。前後スライド用第一ギア52の中心部は、前後スライド用モータ51の出力軸51aに固定されている。また、前後スライド用第二ギア53は、前後スライド用第一ギア52に外接した状態に配されている。さらに、前後スライド用第三ギア56は、外側連結軸55を介して前後スライド用第二ギア53と同軸上に連結されている。
前後スライド部材57は、前後方向に沿って歯形が付された前後ラック部57aを有しており、その前後ラック部57aが前後スライド用第三ギア56に外接した状態に配されている。上記の前後スライド用第三ギア56と前後ラック部57aは、いわゆる「ラック・アンド・ピニオン機構」を構成している。図7において、前後スライド部材57は、表示装置Aと分離した状態に描かれているが、実際には、表示装置Aの背面ケース(図示省略)等に固定され、表示装置Aと一体化されている。ガイドピン58は、表示装置Aの縁部から外方に突出した状態に設けられている。ガイド穴部材59は、ガイドピン58を挿入して案内するためのガイド穴59aを有している。ガイド穴59aは、前後方向(y軸方向)に沿って細長状に設けられている。ガイド穴部材59は、前扉20(図1を参照)の躯体に対して動かない状態で固定されている。ガイドピン58及びガイド穴部材59は、表示装置Aの左側及び右側に、2箇所ずつ設けられている。
この前後スライド手段50では、前後スライド用モータ51が駆動して出力軸51aが回転すると前後スライド用第一ギア52が回転し、その回転力が前後スライド用第二ギア53を介して前後スライド用第三ギア56に伝達された後、前後ラック部57aによって前後方向の力に変換されるようになっている。すなわち、前後スライド用モータ51を駆動すると、前後スライド部材57が前後方向(y軸方向)にスライドし、前後スライド部材57に一体化された表示装置Aも前後方向にスライドするようになっている。前後方向に移動する表示装置Aは、ガイドピン58を介してガイド穴部材59に支持されるようになっている。このため、表示装置Aは、前後方向に安定してスライドできるようになっている。表示装置Aの移動方向は、前後スライド用モータ51が回転する向きを反転させることによって、前方(y軸方向負側)と後方(y軸方向正側)とで切り替えることができるようになっている。
[表示装置B]
また、前扉20には、図1,2及び図4〜6に示すように、表示領域βを有する透過型の表示装置Bが設けられている。図1及び図2において、表示領域βは、左上がりの斜線ハッチングで示しており、図1において、表示領域βにおける表示領域αと重なる部分については、表示領域αの右上がりの斜線ハッチングと重なって網掛けハッチングとして見えるようになっている。図3において、表示領域βは、表示装置Aの後方に隠れた状態となっているため、図示されていない。
表示装置Bとして用いる表示装置の種類は、その表示画面(表示領域β)の前方から当該表示画面を介して表示装置Bの後方が透けて見える構造を有する透過型の表示装置であれば特に限定されない。透過型の表示装置としては、既に述べた通り、透過液晶や透過型の有機EL表示装置等が例示される。透過型の表示装置は、通常、パネル状又はシート状を為しており、前扉20にコンパクトに組み込むことができる。本実施態様の回胴式遊技機10においては、透過液晶を表示装置Bとして用いている。表示領域βの形状や寸法は、特に限定されないが、通常、その対角線の長さが12〜17インチ程度の矩形とされる。本実施態様の回胴式遊技機10において、表示領域βは、表示領域αと同様、15.6インチの矩形となっている。
表示装置Bは、図1〜3及び図4〜6に示すように、その表示領域βが表示領域αに重なる上側位置とその表示領域βがリール窓20aに重なる下側位置との間で上下方向に移動可能な状態で、前扉20に支持されている。表示装置Bを上下方向に移動可能に支持するための機構は、特に限定されないが、本実施態様の回胴式遊技機10においては、図7に示す上下スライド手段40によって、表示装置Bを上下方向に移動できるように支持している。
[上下スライド手段]
図7に示す上下スライド手段40は、上下スライド用モータ41と、上下スライド用第一ギア42と、上下スライド用第二ギア43と、中間連結軸44と、上下スライド用第三ギア45と、上下スライド部材46とで構成されている。上下スライド手段40を構成する部材41〜46のうち、中間連結軸44以外の部材41〜43及び部材45,46については、表示装置Bの左側(x軸方向負側)及び右側(x軸方向正側)に左右一対で設けられている。左側の部材41〜43,45,46は、右側の部材41〜43,45,46と左右対称となっている。左側の上下スライド用第二ギア43と右側の上下スライド用第二ギア43は、中間連結軸44を介して同軸上に連結されており、同期して回転するようになっている。
上下スライド手段40を構成する各部材41〜46についてより詳しく説明する。上下スライド用モータ41は、それにより生じた回転力を出力軸41aに出力するものとなっている。上下スライド用モータ41は、前扉20(図1を参照)の躯体に対して動かない状態で固定されている。上下スライド用第一ギア42、上下スライド用第二ギア43及び上下スライド用第三ギア45は、それぞれ外歯タイプ(外周部に歯形を付けたタイプ)の歯車部材となっている。上下スライド用第一ギア42、上下スライド用第二ギア43及び上下スライド用第三ギア45は、図示省略の軸受に対して回転可能(x軸に平行な軸回りに回転可能)な状態で支持されている。前記軸受は、前扉20の躯体に対して動かない状態で固定されている。上下スライド用第一ギア42の中心部は、上下スライド用モータ41の出力軸41aに固定されている。また、上下スライド用第二ギア43は、上下スライド用第一ギア42に外接した状態に配されている。さらに、上下スライド用第三ギア45は、上下スライド用第二ギア43に外接した状態に配されている。
上下スライド部材46は、上下方向に沿って歯形が付された上下ラック部46aを有しており、その上下ラック部46aが上下スライド用第三ギア45に外接した状態に配されている。上記の上下スライド用第三ギア45と上下ラック部46aは、いわゆる「ラック・アンド・ピニオン機構」を構成している。上下スライド部材46は、表示装置Bの左縁部及び右縁部に固定されており、前扉20におけるリール窓20aの周辺に上下方向(z軸方向)に設けられた上下ガイド溝20b(図1及び図4を参照)の内部を上下方向に案内されるようになっている。本実施態様の回胴式遊技機10において、上下ガイド溝20bは、前扉20におけるリール窓20aの左側と右側とに左右一対に設けられている。
この上下スライド手段40では、上下スライド用モータ41が駆動して出力軸41aが回転すると上下スライド用第一ギア42が回転し、その回転力が上下スライド用第二ギア43を介して上下スライド用第三ギア45に伝達された後、上下ラック部46aによって上下方向の力に変換されるようになっている。すなわち、上下スライド用モータ41を駆動すると、上下スライド部材46が上下方向(z軸方向)にスライドし、上下スライド部材46に一体化された表示装置Bも上下方向にスライドするようになっている。上下方向に移動する表示装置Bは、上下スライド部材46を介して上下スライド溝20bに案内されるようになっている。このため、表示装置Bは、上下方向に安定してスライドできるようになっている。表示装置Bの移動方向は、上下スライド用モータ41が回転する向きを反転させることによって、下方(z軸方向負側)と上方(z軸方向正側)とで切り替えることができるようになっている。
[その他の構成]
さらに、前扉20には、図1〜3に示すように、遊技媒体であるメダルを投入するためのメダル投入口21と、メダルを払い出すためのメダル払出口22と、照明演出を行うための発光ランプ(図示省略)と、音声演出を行うためのスピ−カー(図示省略)と、操作手段23等が設けられている。操作手段23は、遊技者が回胴式遊技機10に対する各種操作を行うためのものとなっている。本実施態様の回胴式遊技機10においては、操作手段23として、メダルをベットするためのベットボタン23aと、リール31,32,33の回転を一斉に開始するためのスタートレバー23bと、左リール31の回転を停止するための左ストップボタン23cと、中リール32の回転を停止するための中ストップボタン23dと、右リール33の回転を停止するための右ストップボタン23eと、クレジットされたメダルを払い戻すための払戻しボタン(図示省略)等を設けている。
本実施態様の回胴式遊技機10では、メダルのクレジット枚数が所定枚数以上となった状態でスタートレバー23bが操作されると、役抽選が実行されるとともにリール31,32,33が一斉に回転を開始するようになっている。また、リール31,32,33が回転しているときにストップボタン23c,23d,23eが操作されると、操作されたストップボタン23c,23d,23eに対応するリール31,32,33の回転がそれぞれ停止するようになっている。さらに、全てのリール31,32,33の回転が停止したときにリール窓20aの有効ライン上に表示される図柄の組み合わせが役抽選で当選した役に対応したものとなっていた場合(入賞した場合)には、その役に応じた枚数のメダルが払い出され、メダルのクレジット枚数が上限値(通常、50枚)に達しているときには、その上限値を超えた枚数分のメダルがメダル払出口21から払い出されるようになっている。メダルのクレジット枚数は、メダルのクレジット枚数が上限値に達していないときに、メダル投入口21にメダルが投入される、又は、入賞によってメダルが払い出されると増加するようになっている。
[表示装置A及び表示装置Bの動作]
本実施態様の回胴式遊技機10では、前扉20の上段部において、表示装置Aが、後方に控えた後側位置と、後側位置よりも前方の第一前側位置と、第一前側位置よりもさらに前方の第二前側位置との間で前後方向に移動できるようになっている。また、本実施態様の回胴式遊技機10では、表示装置Bが、その表示領域βが前扉20の上段部となる(表示装置Aの表示領域αに重なる)上側位置と、その表示領域βが前扉20の中段部となる(リール窓20bに重なる)下側位置との間で上下方向に移動できるようになっている。表示装置Bが上側位置にあるときに位置する場所は、表示装置Aが第一前側位置にあるときに位置する場所と略一致するようになっている。このため、本実施態様の回胴式遊技機10では、表示領域α及び表示領域βによる表示フェーズを、下記の第一フェーズと下記の第二フェーズとの間、及び、下記の第二フェーズと下記の第三フェーズとの間で移行させることができるようになっている。
・第一フェーズ
第一フェーズは、図4及び図8に示すように、表示装置Aを後側位置とし、表示装置Bを上側位置とする表示フェーズである。第一フェーズでは、表示装置Bの表示領域βが、表示装置Aの表示領域αの前面側に重なった状態となるが、表示装置Bは、既に述べた通り、透過型の表示装置である。このため、前扉20の前方に位置する遊技者は、表示領域βにおける映像(表示領域αの視認性を阻害する映像)が表示されていない部分(映像が全く表示されていない部分、又は、表示領域αの視認性を大きく阻害しない状態で映像が表示されている部分)を通じて、表示領域αに表示された映像を視認することができるようになっている。この第一フェーズでは、表示領域αと表示領域βとの双方に映像を表示することによって、奥行き感のある映像を遊技者に見せることが可能になる。
この第一フェーズでは、表示領域αと表示領域βとに、一体感のある関連映像を表示すると好ましい。表示領域αと表示領域βとに一体感のある関連映像を表示する具体例としては、表示領域αに、あるキャラクタが叫んでいる映像を表示するとともに、表示領域βに、そのキャラクタが叫んでいる台詞を吹き出しで表示することや、表示領域αに、あるキャラクタが物を投げている映像を表示するとともに、表示領域βに、その投げられた物の軌跡を表示すること等が挙げられる。ただし、第一フェーズでは、表示領域βに必ず映像を表示しなければならないということではなく、表示領域βに映像を表示しない時間帯があってもよい。
・第二フェーズ
第二フェーズは、図5及び図8に示すように、表示装置Bを下側位置とする表示フェーズである。第二フェーズにおいて、表示装置Aは、後側位置と第一前側位置と第二前側位置とのいずれとしてもよい。本実施態様の回胴式遊技機10においては、第二フェーズで表示装置Aが第一前側位置となるようにしており、表示装置Aの真下に表示装置Bが位置するようにしている。すなわち、表示装置Aの表示領域αが、下側位置にある表示装置Bの表示領域βと面一になるようにしている。これにより、表示領域αと表示領域βとで、連続性のある迫力ある映像演出を実行することが可能になる。第二フェーズにおいて、表示領域αと表示領域βとに敢えて前後方向の段差を設けたいような場合には、表示装置Aが後側位置又は第二前側位置となるようにしてもよい。
第二フェーズでは、表示装置Bの表示領域βがリール窓20aの前面側に重なり、リール窓20aの全体が表示領域βによって覆われた状態となるが、表示装置Bは、既に述べた通り、透過型の表示装置である。このため、前扉20の前方に位置する遊技者は、表示領域βにおける映像(リール窓20aの視認性を阻害する映像)が表示されていない部分(映像が全く表示されていない部分、又は、リール窓20aの視認性を大きく阻害しない状態で映像が表示されている部分)を通じて、リール窓20aを視認することができるようになっている。
この第二フェーズでは、表示領域αと表示領域βとに、連続性のある画像を表示すると好ましい。表示領域αと表示領域βとに連続性のある関連映像を表示する具体例としては、表示領域αに、あるキャラクタの上半身の映像を表示するとともに、表示領域βに、そのキャラクタの下半身を表示領域αと連続する形で表示すること等が挙げられる。また、第二フェーズでは、表示領域βに、表示領域αとは直接関係がなくても、リール窓20aに表示されるリール31〜33に対応した映像を表示することもできる。例えば、リール31〜33が回転を開始するタイミングや、リール31〜33が回転しているタイミングや、リール31〜33が回転を停止したタイミングや、リール31〜33の停止図柄が所定の組み合わせとなったタイミング等で、各タイミングに応じた図柄(炎や稲光等)をリール31〜33の周辺に表示することができる。また、リール31〜33の押し順等、遊技に関連する情報をリール31〜33の周辺に表示することもできる。
・第三フェーズ
第三フェーズは、図6及び図8に示すように、表示装置Aを第二前側位置とし、表示装置Aを上側位置とする表示フェーズである。第三フェーズでは、非透過型の表示装置Aが、表示装置Bの表示領域βの前面側に重なった状態となるため、前扉20の前方に位置する遊技者は、表示領域βを視認することができない状態となっている。この第三フェーズでは、表示領域αに視認性の高い状態で映像を表示することが可能となっている。
[表示フェーズと遊技状態等の対応]
本実施態様の回胴式遊技機10では、表示装置A及び表示装置Bによる表示フェーズとして、上述した第一フェーズ(図4)と第二フェーズ(図5)と第三フェーズ(図6)とが発現するようになっている。また、本実施態様の回胴式遊技機10では、その遊技進行において、一般遊技状態と、遊技者が一般遊技状態よりも有利な条件で遊技をすることができる特別遊技状態と、一般遊技状態では実行されない特殊な演出が実行されている特殊演出状態とが発現するようになっている。特別遊技状態としては、ビッグボーナスゲームやレギュラーボーナスゲームやアシストタイム(AT)やアシストリプレイタイム(ART)等が例示され、特殊演出状態としては、フリーズ演出等が例示される。
上述した第一フェーズと第二フェーズと第三フェーズとが、一般遊技状態と特別遊技状態と特殊演出状態とのいずれで発現するようにするかについては、特に限定されない。すなわち、第一フェーズ、第二フェーズ及び第三フェーズは、それぞれ、一般遊技状態、特別遊技状態又は特殊演出状態のいずれで発現させてもよいし、ただし、特別遊技状態や特殊演出状態では、一般遊技状態と比較して趣向に富んだ映像演出を行うことが好ましいため、第三フェーズ以外の表示フェーズ(第一フェーズ又は第二フェーズ)が発現するようにすると好ましい。特に、第二フェーズは、特別遊技状態や特殊演出状態で発現させる表示フェーズとして好適である。逆に、第三フェーズでは、可能な映像演出の態様が従来の回胴式遊技機と変わらず、表示領域α及び表示領域βの双方による趣向に富んだ映像演出を実行することができないため、一般遊技状態で発現するようにすると好ましい。
また、表示装置A及び表示装置Bによる表示フェーズの移行、具体的には、第一フェーズと第二フェーズとの間の移行、及び、第二フェーズと第三フェーズとの間の移行を、どのタイミングで行うかについても、特に限定されない。しかし、一般遊技状態や特別遊技状態においては、遊技者は、リール31〜33の挙動を確認するために、リール窓20aを視認する必要があるところ、一般遊技状態や特別遊技状態で表示フェーズを移行させると、遊技者の集中を途切れさせてしまう虞がある。また、移動する表示装置Bによってリール窓20aの視認性が阻害される虞もある。特に、表示装置Bが、表示領域βの下側に不透明な枠部(下枠)を備えたものである場合には、その枠部によってリール窓20aの視認性が阻害されやすくなる。
したがって、表示フェーズの移行は、スタートレバー23bやストップボタン23c,23d,23e等の操作が無効化され、又は、スタートレバー23bやストップボタン23c,23d,23e等の操作が有効化されていてもメダル(遊技媒体)の回収及び払戻しが無効化されており、実質的に遊技が進行しない状態、すなわちフリーズ演出中に実行するようにすると好ましい。これにより、遊技者が表示装置Bの挙動に集中しやすく、表示装置Bを移動させることによる演出効果をより高めることや、移動する表示装置Bがリールの視認性を阻害したことにより遊技者が不利益を被らないようにすることが可能になる。ただし、表示装置Bが、上述した下枠等を有さず、それをリール窓20aの前方で移動させてもリール窓20aの視認性を阻害しないものであれば、一般遊技状態や特別遊技状態において表示フェーズを移行させることもできる。
10 回胴式遊技機
20 前扉
20a リール窓
20b 上下ガイド溝
20c 保護カバー
20d 中パネル
20e 発光ランプ収容部
21 メダル投入口
22 メダル払出口
23 操作手段
23a ベットボタン
23b スタートレバー
23c 左ストップボタン(ストップボタン)
23d 中ストップボタン(ストップボタン)
23e 右ストップボタン(ストップボタン)
30 リール装置
31 左リール(リール)
32 中リール(リール)
33 右リール(リール)
40 上下スライド手段
41 上下スライド用モータ
41a 出力軸
42 上下スライド用第一ギア
43 上下スライド用第二ギア
44 中間連結軸
45 上下スライド用第三ギア
46 上下スライド部材
46a 上下ラック部
50 前後スライド手段
51 前後スライド用モータ
51a 出力軸
52 前後スライド用第一ギア
53 前後スライド用第二ギア
54 中間連結軸
55 外側連結軸
56 前後スライド用第三ギア
57 前後スライド部材
57a 前後ラック部
58 ガイドピン
59 ガイド穴部材
59a ガイド穴
上記課題は、
筺体の前面側におけるリール窓よりも上側の区画を表示領域αとする表示装置Aを備えた回胴式遊技機であって、
表示領域βを有する透過型の表示装置Bと、
表示装置Aを、後側位置と、後側位置よりも前方に移動した第一前側位置と、第一前側位置よりもさらに前方に移動した第二前側位置との間で前後方向に移動可能に支持するための前後スライド手段と、
表示装置Bを、その表示領域βが表示領域αに重なる上側位置と、その表示領域βがリール窓に重なる下側位置との間で上下方向に移動可能に支持するための上下スライド手段と
をさらに備え、
表示領域α及び表示領域βの位置フェーズ(以下、単に「表示フェーズ」と呼ぶことがある。)を、
表示装置Aが後側位置とされ、表示装置Bが上側位置における第一前側位置に一致する位置とされて、表示領域βが表示領域αの前面側に重なる第一フェーズと、表示装置Bが下側位置でその表示領域βがリール窓の前面側に重なる第二フェーズとの間
及び
第二フェーズと、表示装置Aが第二前側位置とされ、表示装置Bが上側位置における第一前側位置に一致する位置であって第一フェーズにおける表示装置Bと同じ位置とされて、表示領域βが表示領域αの後面側に重なる第三フェーズとの間
で移行できるようにした
ことを特徴とする回胴式遊技機
を提供することによって解決される。
また、本発明の回胴式遊技機においては、表示フェーズを、上述した第二フェーズと、表示装置Bが上側位置でその表示領域βが表示領域αの後面側に重なる第三フェーズとの間でも移行できるようにしたことにより、回胴式遊技機が一般遊技状態にあるときには、表示フェーズを第三フェーズとして、表示装置Bを表示装置Aの背後に隠して遊技者から見えないようにする一方、回胴式遊技機が特別遊技状態や特殊演出状態にあるときには、表示フェーズを第一フェーズ又は第二フェーズとして、表示装置Bを遊技者から見えるようにするといったことも可能になる。この場合、一般遊技中には見えなかった表示装置Bが特別遊技や特殊演出で見えるようになるため、その際に遊技者が感じる驚きや喜びを大きなものとすることができる。
また、本発明の回胴式遊技機においては、第一フェーズと第三フェーズにおいて、表示装置Aと表示装置Bの前後方向での位置関係が逆になるため、必然的に、表示装置Aと表示装置Bのうち少なくともいずれか一方を前後方向に移動可能な状態で支持する必要が生じる。このとき、表示装置Bを前後方向に移動可能とした場合には、上下方向に移動可能に支持されている表示装置Bをさらに前後方向にも移動可能に支持しようとすると、表示装置Bを前後方向に移動可能に支持するための機構と表示装置Bを上下方向に移動可能に支持するための機構とが複雑に絡み合った大掛かりなものとなり、これらの機構を回胴式遊技機に組み込むこと自体が困難になる虞がある。このため、本発明の回胴式遊技機においては、表示装置Aを前後方向に移動可能としている
具体的には、表示装置Aを、後側位置と、後側位置よりも前方に移動した第一前側位置と、第一前側位置よりもさらに前方に移動した第二前側位置との間で前後方向に移動可能に支持し、第一フェーズにあるときには、表示装置Aを後側位置として、表示装置Bを上側位置における第一前側位置に一致する位置とする一方、第三フェーズにあるときには、表示装置Aを第二前側位置として、表示装置Bを上側位置における第一前側位置に一致する位置とするようにしている。これにより、表示装置Bを上下方向に移動可能に支持するための機構と、表示装置Aを前後方向に移動可能に支持するための機構とを、それぞれ独立して設けることが可能になり、これらの機構をシンプルかつコンパクトなものとすることができる。したがって、これらの機構を回胴式遊技機に容易に組み込むことも可能になる。
ただし、第二フェーズにおいて表示領域αと表示領域βとを面一にするためには、第一フェーズと第二フェーズとで、表示装置Aと表示装置Bとの前後方向での相対的な位置を変化させる必要があるため、必然的に、表示装置Aと表示装置Bのうち少なくともいずれか一方を前後方向に移動可能な状態で支持する必要が生じる。このとき、表示装置Bを前後方向に移動可能とした場合には、上記の第三フェーズについての説明で述べた理由と同様の問題が生じる。この点、本発明の回胴式遊技機においては、表示装置Aを前後方向に移動可能とすることによって、具体的には、表示装置Aを、後側位置と、後側位置よりも前方に移動した第一前側位置との間で前後方向に移動可能に支持し、第一フェーズにあるときには、表示装置Aを後側位置として、表示装置Bが上側位置における第一前側位置に一致する位置とする一方、第二フェーズにあるときには、表示装置Aを第一前側位置として、表示装置Bを下側位置における第一前側位置の真下となる位置とすることによって、その問題を解決している
上記課題は、
筺体の前扉の前面側におけるリール窓よりも上側の区画を表示領域αとする表示装置Aを備えた回胴式遊技機であって、
表示領域βを有する透過型の表示装置Bと、
表示装置Aを、後側位置と、後側位置よりも前方に移動した第一前側位置と、第一前側位置よりもさらに前方に移動した第二前側位置との間で前後方向に移動可能に支持するための前後スライド手段と、
表示装置Bを、その表示領域βが表示領域αに重なる上側位置と、その表示領域βがリール窓に重なる下側位置との間で上下方向に移動可能に支持するための上下スライド手段と
をさらに備えるとともに
前後スライド手段が、表示装置Aに対して相対的に動かない状態で表示装置Aの背面側における左右端部に前後方向に沿って設けられた一対の前後ラック部と、それぞれの前後ラック部に噛み合うように前扉の躯体に対して相対的に動かない箇所に支持された一対の前後スライド用ギアとを備えたものとされ、
上下スライド手段が、表示装置Bに対して相対的に動かない状態で表示装置Bの背面側における左右端部に上下方向に沿って設けられた一対の上下ラック部と、それぞれの上下ラック部に噛み合うように前扉の躯体に対して相対的に動かない箇所に支持された一対の上下スライド用ギアとを備えたものとされて、
一対の前後ラック部が、一対の上下ラック部よりも左右方向外側に位置するように設けられたことにより、
表示領域α及び表示領域βの位置フェーズ(以下、単に「表示フェーズ」と呼ぶことがある。)を、
表示装置Aが後側位置とされ、表示装置Bが上側位置における第一前側位置に一致する位置とされて、表示領域βが表示領域αの前面側に重なる第一フェーズと、表示装置Bが下側位置でその表示領域βがリール窓の前面側に重なる第二フェーズとの間、
及び
第二フェーズと、表示装置Aが第二前側位置とされ、表示装置Bが上側位置における第一前側位置に一致する位置であって第一フェーズにおける表示装置Bと同じ位置とされて、表示領域βが表示領域αの後面側に重なる第三フェーズとの間
で移行できるようにした
ことを特徴とする回胴式遊技機
を提供することによって解決される。

Claims (7)

  1. 筺体の前面側におけるリール窓よりも上側の区画を表示領域αとする表示装置Aを備えた回胴式遊技機であって、
    表示領域βを有する透過型の表示装置Bを備え、
    表示装置Bを、その表示領域βが表示領域αに重なる上側位置と、その表示領域βがリール窓に重なる下側位置との間で上下方向に移動可能に支持することにより、
    表示領域α及び表示領域βの位置フェーズを、表示装置Bが上側位置でその表示領域βが表示領域αの前面側に重なる第一フェーズと、表示装置Bが下側位置でその表示領域βがリール窓の前面側に重なる第二フェーズとの間で移行できるようにした
    ことを特徴とする回胴式遊技機。
  2. 表示領域α及び表示領域βの位置フェーズを、第二フェーズと、表示装置Bが上側位置でその表示領域βが表示領域αの後面側に重なる第三フェーズとの間でも移行できるようにした請求項1記載の回胴式遊技機。
  3. 表示装置Aを、後側位置と、後側位置よりも前方に移動した第一前側位置と、第一前側位置よりもさらに前方に移動した第二前側位置との間で前後方向に移動可能に支持し、
    第一フェーズにあるときには、表示装置Aが後側位置とされて、表示装置Bが上側位置における第一前側位置に一致する位置とされ、
    第三フェーズにあるときには、表示装置Aが第二前側位置とされて、表示装置Bが上側位置における第一前側位置に一致する位置とされる
    請求項2記載の回胴式遊技機。
  4. 表示装置Aを、後側位置と、後側位置よりも前方に移動した第一前側位置との間で前後方向に移動可能に支持し、
    第一フェーズにあるときには、表示装置Aが後側位置とされて、表示装置Bが上側位置における第一前側位置に一致する位置とされ、
    第二フェーズにあるときには、表示装置Aが第一前側位置とされて、表示装置Bが下側位置における第一前側位置の真下となる位置とされる
    請求項1〜3いずれか1つに記載の回胴式遊技機。
  5. 第二フェーズにあるときには、リール窓の全体が表示領域βによって覆われる請求項1〜4いずれか1つに記載の回胴式遊技機。
  6. 表示領域βが、表示領域αと略同形で略同寸法とされた請求項1〜5いずれか1つに記載の回胴式遊技機。
  7. 表示領域α及び表示領域βの位置フェーズの移行が、フリーズ演出中に実行されるようにした請求項1〜6いずれか1つに記載の回胴式遊技機。
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