JP2006196587A - 固体撮像装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 反射光を抑制することにより感度を向上できるとともに、反射防止膜としてシリコン窒化膜を採用した場合であっても、暗電流を十分に抑制することができる固体撮像装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明の固体撮像装置が備える反射防止膜19は、アルコキシ系化合物を材料として成膜された水素透過性の高いシリコン酸化膜19aを下層膜として備え、その上層に、半導体基板10の屈折率より小さく、かつゲート絶縁膜の屈折率より大きい屈折率を有する材料からなる中間屈折膜19bを備える。ここで、シリコン酸化膜19aは、アルコキシ系化合物である有機ソースを用いて形成される。なお、上記シリコン酸化膜は、CVD法において、一般に使用される有機ソースであるアルコキシ系化合物(テトラエトキシシラン)を用いたもので、ホットウォール減圧CVD法にて600℃〜700℃までの温度にて成膜してされるものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体撮像素子およびその製造方法に関し、特に、フォトダイオード上に、反射防止膜を備えたMOS型固体撮像装置および製造方法に関する。
従来から、固体撮像装置として、CCD(Charge Coupled Device)型固体撮像装置が知られている。CCD型固体撮像装置は、フォトダイオードで生成された信号電荷を、隣接する画素を介して順次転送し、画像信号を出力する構造の固体撮像装置である。本構造は、高速化には不向きであるが、CCD型固体撮像装置の製造に最適化された専用プロセスが使用されるため、高感度かつ低暗出力(低暗電流)のフォトダイオードを形成することができる。このため、S/N比の高い画素を実現することができ、この特徴を生かしてカメラ等に広く用いられてきた。
しかしながら、近年、カメラの撮像能力の高速化が求められており、固体撮像装置においても高速化が要求されている。これに対応するのがMOS型固体撮像装置に代表される増幅型固体撮像装置である。増幅型固体撮像装置は、CCD型固体撮像装置のように信号電荷を順次転送する必要がなく、個々の画素から直接に画像信号を取り出す構造であるため高速化に対応可能である。
しかしながら、MOS型固体撮像装置を製造する際に、CMOSロジックプロセスをそのまま使用すると、上述のCCDプロセスのようにフォトダイオードの感度・暗出力(暗電流)に対する施策が施されていないため、画素のS/N比が低くなるという問題があった。このため、MOS型固体撮像装置では、フォトダイオードの高感度化および低暗出力化が最も重要な課題となっている。
以下、従来のMOS型固体撮像装置の構造について図面を参照しながら説明する。図3はMOS型固体撮像装置の画素の構造を示す概略断面図である。
図3に示す画素は、フォトダイオード23(以下、受光部23という。)と、転送用トランジスタ31、増幅用トランジスタ32、およびリセット用トランジスタ33の3個のトランジスタを備えている(以下、適宜、これらを能動素子という。)。ここで、転送用トランジスタ31は、受光部23から検出部24に信号電荷の転送を行うトランジスタであり、増幅トランジスタ32は検出部24aの電位に応じた信号を出力するトランジスタである。また、リセット用トランジスタ33は、信号電荷により変動した検出部24aの電位を初期電位にリセットするトランジスタである。
図3に示すように、転送用トランジスタ31は、P型シリコン基板20内に形成されたN型の不純物拡散領域である受光部23と、当該受光部23と所定の間隔をおいて形成されたN型の不純物拡散領域である検出部24aと、両不純物拡散領域の間のシリコン基板20の表面にゲート絶縁膜であるシリコン酸化膜21を介して形成されたゲート電極22(以下、転送ゲート電極22という。)とで構成される。ここで、受光部23は転送トランジスタ31のソースを構成し、検出部24aは転送トランジスタ31のドレインを構成している。
なお、図3の例では、転送トランジスタ31は、高不純物濃度を有する検出部24a端部での電界集中を緩和するためのLDD(Lightly Doped Drain)構造を有している。すなわち、検出部24aの受光部23側に当該検出部24aに比べて低い不純物濃度を有するLDD部24bが設けられている。
公知のように、このようなLDD構造は、転送ゲート電極22および絶縁分離部27をマスクとした第1のイオン注入と、サイドウォール26、転送ゲート電極22および絶縁分離部27をマスクとした第2のイオン注入とを行うことで形成される。ここで、第1のイオン注入は、LDD部24bの不純物濃度に応じたドーズ量で行われるものであり、第2のイオン注入は、検出部24aの不純物濃度に応じたドーズ量で行われるものである。
なお、絶縁分離部27は、各画素および各能動素子を電気的に分離するために、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)等により設けられたフィールド酸化膜である。また、図3の例では、受光部23は、シリコン基板20の表面近傍に、高不純物濃度のP型不純物領域である表面P型層25が設けられた埋め込みダイオード構造になっている。
さらに、図面において、便宜上、端子41、42、43を示しているが、これらの端子は、実際の固体撮像装置では、各画素を連結する配線に接続されている。ここで、端子41は、増幅用トランジスタ32から信号が出力される出力端子である。また、端子42は、増幅用トランジスタ32およびリセット用トランジスタ33に電源電位を供給する電源端子であり、端子43は、検出部14aに蓄積された信号電荷を一定期間ごとに電源端子42側に排出させる制御信号が入力される制御端子である。
さて、従来のMOS型固体撮像装置では、転送用トランジスタ31のゲート絶縁膜であるシリコン酸化膜21が、通常、シリコン基板20の全面を酸化する熱酸化法により形成される。このため、シリコン酸化膜21は、ゲート電極22の直下のシリコン基板表面だけでなく受光部23のシリコン基板表面にも形成される。
このような構造を有する受光部23では、シリコン基板20の屈折率(nSi=約3.5)とシリコン酸化膜21の屈折率(nSiO2=約1.45)とが異なるため、受光部23に入射しようとする光の一部は、シリコン基板20とシリコン酸化膜21との界面(シリコン基板20の表面)でシリコン酸化膜21側に反射され、固体撮像装置の外部に放出されてしまう。このため、受光部23に到達する光量が減少し、画素の感度が低下するという問題があった。
この対策として、受光部23上に反射防止膜を備える構造が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。図4は、反射防止膜を備えた従来の固体撮像装置の画素を示す概略断面図である。
図4に示すように、反射防止膜29は、上記シリコン酸化膜21上に形成される。ここで、反射防止膜29の端部は、受光部23を確実に被覆するために、ゲート電極22の上部と、受光部23の外周に形成された絶縁分離部27上に設けられている。なお、反射防止膜29を除く他の構造は、図3に示した固体撮像装置と同一である。
一般に、反射防止膜29には、シリコン基板20の屈折率より小さく、かつシリコン酸化膜21の屈折率より大きい屈折率を有する材料が使用される。これらの材料としては、例えば、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜、チタン酸化膜、タンタル酸化膜等がある。ここでは、反射防止膜29として、CVD法(Chemical Vapor Deposition)により形成されたシリコン窒化膜(nSiNx=2.0)が形成されているものとする。
このように、シリコン窒化膜からなる反射防止膜29を絶縁膜21上に設けたことにより、シリコン基板20の表面で反射された光は、シリコン酸化膜21とシリコン窒化膜29との界面でシリコン基板20側に反射される。このため、シリコン基板20の表面で反射された光が外部に放出される割合を減少させることができる。
なお、図3、図4のいずれの固体撮像装置においても、その上面にはシリコン酸化膜等からなる層間絶縁膜が形成され、当該層間絶縁膜上には、受光部23以外の領域に光が入射することを防止する遮光膜や、水分等の進入を防止するシリコン窒化膜等からなるパッシベーション膜等が形成される。
特開2000−12822号公報
公知のように、例えば、アルミニウム系の配線とシリコン基板20に形成された不純物領域とのオーミックコンタクトを形成する工程や、フォトレジストや絶縁膜のパターニングを行うドライエッチング工程においてシリコン基板20の表面にダングリングボンドが生成される。このようなダングリングボンドに起因して、シリコン基板20とシリコン酸化膜21との界面には多数の界面準位が生成される。界面準位が生成された場合、この界面準位を介して界面リーク電流が流れるため暗電流が増大し、固体撮像装置のS/N比が低下する。
このため、一般に、水素雰囲気中でシリコン基板20を加熱することにより、シリコン基板20の表面に水素を供給する水素熱処理が行われている。当該水素熱処理よりシリコン基板20表面に供給された水素をダングリングボンドに結合させ、界面準位を不活性化することが可能となる。このため、暗電流が減少し、S/N比を向上させることができる。
しかしながら、上述のように、反射防止膜29としてシリコン窒化膜を採用した場合、シリコン窒化膜が緻密な膜であるため、上述の水素熱処理により、シリコン基板20の表面に水素を到達させることが困難になる。このため、反射防止膜29を設けない場合に比べて、暗電流が増大するという問題があった。
本発明は、上記従来の事情を鑑みて提案されたものであって、反射光を抑制することにより感度を向上できるとともに、反射防止膜としてシリコン窒化膜を採用した場合であっても、暗電流を十分に抑制することができる固体撮像装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、以下の手段を採用している。まず、本発明にかかる固体撮像装置は、半導体基板内に形成された受光部および拡散領域と、受光部と前記拡散領域との間の半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、受光部の領域上に形成された反射防止膜と、受光部または拡散領域と電気的に接続された読み出し回路とを有する画素が複数配置された固体撮像装置を前提としている。そして、本発明にかかる固体撮像装置は、上記反射防止膜として、アルコキシ系化合物を材料としたCVD法により形成されたシリコン酸化膜と、当該シリコン酸化膜より上層に形成された中間屈折膜とを含む多層膜を採用している。また、この中間屈折膜は、上記シリコン酸化膜の屈折率より大きく、かつ上記半導体基板の屈折率より小さい屈折率を有する。
上記構成によれば、反射防止膜が、水素透過性の高いシリコン酸化膜を備えているため、中間屈折膜に緻密な膜を採用した場合であっても、水素熱処理時に、シリコン酸化膜を通じて半導体基板表面に水素を供給することができる。このため、反射防止膜の効果により、感度を向上させることができるとともに、暗電流を減少させることが可能である。本構成は、中間屈折膜として、特に、シリコン窒化膜を採用した場合に好適である。
また、上記シリコン酸化膜は、上記中間屈折膜の被覆領域に比べて広い領域を被覆することが望ましい。例えば、シリコン酸化膜を受光部の領域上からゲート電極上にわたって形成し、中間屈折膜が受光部領域上にのみ形成されている構成である。
本構成によれば、中間屈折膜の周囲に水素透過性の高いシリコン酸化膜が露出しているため、当該露出部を通じて、より確実に半導体基板表面に水素を供給することができる。
なお、上記構成において、シリコン酸化膜の下層にはゲート絶縁膜と共通に形成された絶縁膜が存在してもよい。また、上記アルコキシ系化合物としては、例えば、テトラエトキシシラン(Si(OC254)を使用することができる。
また、他の観点では、本発明は、上記固体撮像装置の製造方法を提供することができる。すなわち、本発明に係る固体撮像装置の製造方法は、半導体基板の表面部に受光部を形成し、半導体基板上、かつ、前記受光部に隣接する位置にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成する。また、前記ゲート電極を挟んで前記受光部と反対側の前記半導体基板の表面部には拡散領域を形成する。そして、少なくとも前記受光部上に、アルコキシ系化合物を材料としたCVD法によりシリコン酸化膜を形成し、当該シリコン酸化膜上に、シリコン酸化膜の屈折率より大きく、かつ前記半導体基板の屈折率より小さい屈折率を有する中間屈折膜を形成する。
上記固体撮像装置の製造方法においては、シリコン酸化膜は、上記中間屈折膜の被覆領域に比べて広い領域を被覆することが望ましい。また、シリコン酸化膜のパターニングは、ウェットエッチングで行われることが好ましく、さらに、中間屈折膜のパターニングもウェットエッチングで行われることが好ましい。また、上記シリコン酸化膜の成膜温度は、600℃〜700℃であることが望ましい。
本発明によれば、水素熱処理において、水素が水素透過性の高いシリコン酸化膜を横方向に透過できるため、受光部のシリコン基板表面に存在する界面準位を不活性化させることができる。このため、反射防止膜により感度を向上させることが可能であるとともに、暗電流を抑制することができる。
以下、本発明に係る固体撮像装置を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の固体撮像装置の画素部の構造を示す概略断面図である。ここでは、上述の従来固体撮像装置と同様に、拡散領域にアクティブ型の読み出し回路を接続した構造を有する固体撮像装置に適用した事例に基づいて本発明を説明する。
図1に示すように、本発明の固体撮像装置は、光電変換により受光部13で生成された信号電荷を、受光部13から拡散領域14aに転送し、当該拡散領域14aで生じる電位変化を出力する方式を採用した固体撮像装置である。
転送トランジスタ31は、ソースである受光部13と、ドレインである拡散領域14aと、受光部13と拡散領域14aとの間の半導体基板10の表面に絶縁膜11を介して設けられたゲート電極12(以下、転送ゲート12という。)とから構成されている。
拡散領域14aは、増幅用トランジスタ32のゲートおよび、リセット用トランジスタ33のソースと電気的に接続されており、フローティングディフュージョンを構成している。(以下、拡散領域14aを検出部14aという。)。また、増幅用トランジスタ32のドレイン、およびリセット用トランジスタ33のドレインは共通化され、電源電位が供給される電源端子42に電気的に接続されている。なお、各トランジスタは、上記従来の固体撮像装置と同様の動作を行うものである。
また、図示していないが、増幅トランジスタ32のソースは、負荷トランジスタおよび負荷抵抗を介して接地電位に選択的に接続される構成になっており、接地電位に接続された場合に、ソースフォロアが構成され、出力信号が出力端子41から出力されるようになっている。
受光部13および検出部14aは、P型シリコン基板10内にイオン注入等により形成されたN型不純物領域として構成される。受光部13の不純物濃度は、光電変換が可能な濃度であればよいが、10E15cm-3〜10E16cm-3程度に調整されることが好ましい。また、受光部13は、基板表面から0.5〜2.0μm程度の深さにわたって形成されていることが適当である。なお、図1では、従来の固体撮像装置と同様に、表面P型層15を設けた埋め込み構造を採用していが、本発明は、表面P型層15を備えない固体撮像装置にも適用可能である。
一方、検出部14aの不純物濃度は、金属配線によるオーミック接続が可能な濃度であればよいが、10E20cm-3以上であることが好ましい。また、検出部14aは、基板表面から0.2〜0.4μm程度の深さにわたって形成されていることが適当である。
さらに、検出部14aのゲート電極側端部にはシリコン酸化膜からなるサイドウォール16を設けるとともに、サイドウォール16の直下のシリコン基板10に検出部14aよりも低不純物濃度のN型不純物拡散領域14b(以下、LDD部14bという。)が形成されていることが望ましい。当該LDD部の不純物濃度は10E18cm-3〜10E19cm-3程度とすればよい。
さて、本発明に係る固体撮像装置では、反射防止膜19が、受光部13上に絶縁膜11を介して形成される。ここで、反射防止膜19は、少なくとも受光部13を被覆するシリコン窒化膜からなる中間屈折膜19bと、当該中間屈折膜19bの下層に、アルコキシ系化合物を材料としたCVD法により形成されたシリコン酸化膜19aとが積層された構造を有する。
シリコン酸化膜19aは、例えば、アルコキシ系化合物であるテトラエトキシシラン(tetraethoxysilane、Si(OC254、以下、TEOSという。)を有機ソース材料としたCVD法により、受光部13を被覆する領域に成膜される。図1の例では、シリコン酸化膜19aを、転送ゲート12のゲート絶縁膜と共通に形成された絶縁膜11上に成膜している。
当該シリコン酸化膜19aは、例えば、ホットウォール減圧CVD法を使用することができ、TEOSに対して十分な酸素を供給することで、Si(OC254+12O2→SiO2+8CO2+10H2Oの反応機構により成膜することができる。このとき、成膜温度が600℃より小さいとTEOSの熱分解ができず、また700℃より大きいと成膜されるシリコン酸化膜19aの膜密度が緻密になるため、600℃〜700℃で成膜することが好ましい。
また、中間屈折膜19bであるシリコン窒化膜は、シリコン酸化膜19a上に、例えば、ホットウォール減圧CVD法により形成することができる。この場合、700℃〜800℃の成膜温度において、3SiH2Cl2+4NH3→SiN3+6HCl+6H2 の反応機構により、シリコン窒化膜が成膜される。
上記、反射防止膜19を構成する各膜の膜厚は、例えば、中間屈折膜19bの膜厚を40〜60nmとし、ゲート絶縁膜11と反射防止膜のシリコン酸化膜19aとの合算膜厚を10〜30nm積層すると、反射光の強度を弱めることが可能となる。
以上のようにして成膜された中間屈折膜19b、および、シリコン酸化膜19aに対して、公知のフォトリソグラフィ、およびエッチングによる加工をおこなうことで、所望のパターンが形成される。以下、当該加工の手順を簡単に説明する。
まず、フォトリソグラフィにより、中間屈折膜19bであるシリコン窒化膜のパターンを形成するためのエッチングマスクとなるレジストパターン(ここでは、受光部13を被覆するパターン)が形成され、当該レジストパターンをエッチングマスクとして中間屈折膜19bが選択的にエッチング除去される。
特に限定されるものではないが、当該エッチングは熱燐酸等のエッチング液を使用したウェットエッチングであることが好ましい。これは、中間屈折膜19bのエッチングにドライエッチングを使用した場合、オーバーエッチングが生じるとシリコン酸化膜19aがエッチングされることになるからである。すなわち、ドライエッチングの活性種を生成するためのプラズマ中には、高速で運動する荷電粒子が多数存在するため、この荷電粒子がシリコン酸化膜19a、および絶縁膜11を貫通してシリコン基板10の表面に到達して多数の界面準位が生成されることが懸念されるからである。
次に、有機溶剤等を使用して、上記レジストパターンを除去した後、シリコン酸化膜19a上にレジストパターン(ここでは、転送ゲート12上に一端部が形成されるパターン)が形成され、当該レジストパターンをエッチングマスクとして、シリコン酸化膜19aが選択的に除去される。当該エッチングも、上述の理由により、フッ酸等のエッチング液を使用したウェットエッチングであることが好ましい。
なお、上述のように、シリコン酸化膜19aの被覆領域は、中間屈折膜19bの被覆領域に比べて広いことが好ましい。また、図1の例では、中間屈折膜19bが受光部13の一部を被覆する構成となっているが、図2に示すように、中間屈折膜19bが受光部13全体を被覆する構成であってもよい。
以上のようにして形成された反射防止膜19が備えるシリコン酸化膜19aは、TEOSを材料として成膜されているため、熱酸化膜やシラン系のガスにより成膜された酸化膜と比較して膜密度が低く、水素透過性が高い。
したがって、水素熱処理の際に、水素は、例えば露出部18からシリコン酸化膜19aに進入し、シリコン酸化膜19aの膜中を通過することができるため、反射防止膜19の中間屈折膜19bにシリコン窒化膜のような緻密な膜を採用した場合であっても、中間屈折膜19bに被覆された領域の半導体基板の表面に水素が供給される。このため、中間屈折膜19bに被覆された領域の半導体基板の表面に生成された界面順位を不活性化することができ、暗電流を低減することが可能となる。
ここで、本発明に係る固体撮像装置と、従来の反射防止膜を備えた固体撮像装置との暗電流を測定した結果を示す。なお、比較例は、図1において反射防止膜19に使用しているシリコン酸化膜19aに代えて、従来から多用されているSiH4‐N2O系ガスにより成膜されたシリコン酸化膜を採用した固体撮像装置である。この場合、本発明の固体撮像装置の暗電流は、比較例に比べて約25%低下することが確認できた。また、反射防止膜を備えていない固体撮像装置と本発明の固体撮像装置の感度を比較した場合、反射防止膜19を設けた効果により感度が10%向上する。
なお、成膜直後のSiH4‐N2O系ガスにより成膜されたシリコン酸化膜をDHF(Dilute HF、希フッ酸)100:1によりエッチングしたエッチングレートは7±2 nm/minであるのに対し、本発明の反射防止膜19に採用しているシリコン酸化膜19aのエッチングレートは16±4 nm/minである。この結果からも、反射防止膜19に採用しているシリコン酸化膜19aが、SiH4‐N2O系ガスにより成膜されたシリコン酸化膜に比べて膜密度が低く、水素透過性が高いことが理解できる。
ところで、シリコン酸化膜19aおよび中間屈折膜19bの膜厚は上記膜厚に限定されるものではなく、反射を防止する波長に応じて適宜設計すれることが可能である。例えば、可視光領域(380〜780nm)内で比較的平坦な分光特性の反射防止膜を得るには、中心波長の550nmの光を最も反射抑制することが重要である。この場合、反射率低減条件 m+λ/4(m:自然数)を満足する光学距離は、m+137.5nmになる。ここで、シリコン酸化膜の屈折率はnSiO2=1.45であり、シリコン窒化膜の屈折率はnSiNx=2.0であるので、(ゲート絶縁膜の膜厚+反射防止シリコン酸化膜19aの膜厚)×1.45+シリコン窒化膜19bの膜厚×2.0=m+137.5nmの条件を満たす膜厚の組み合わせを選択すれば、550nmの光を反射抑制することができる。
また、図示を省略しているが、画素部の上層には、シリコン酸化膜等からなる層間絶縁膜等を介して、受光部13以外の領域に光が入射することを防止する遮光膜が設けられる。当該遮光膜を構成する材料は、遮光性を有する物質であれば特に限定されないが、アルミニウム、タングステンシリサイド等が一般的である。
以上説明したように、本発明によれば、水素熱処理において、水素が水素透過性の高いシリコン酸化膜を横方向に透過できるため、受光部のシリコン基板表面に存在する界面準位を不活性化させることができる。このため、反射防止膜により感度を向上させることが可能であるとともに、暗電流を抑制することができる。また、本発明は、上述のように、中間屈折膜19bとして、シリコン窒化膜のような緻密な膜を採用した場合に、特に、顕著な効果を得ることができる。しかしながら、中間屈折膜19bが水素透過性の高い膜であっても、水素熱処理において、受光部13が形成された領域のシリコン基板10の表面に対して、水素を効率的に供給できる効果が損なわれるものではない。
なお、上記説明では、水素透過性の高いシリコン酸化膜19aとシリコン窒化膜からなる中間屈折膜19bとがシリコン基板20側から順に積層された反射防止膜19について説明した。しかしながら、本構成は、本発明の技術的範囲を制限するものではない。例えば、反射防止膜19が、中間屈折膜19bとシリコン酸化膜19aの間、あるいは、中間屈折膜19b上に他の材質からなる膜を備えた多層膜であっても、同様の効果を奏することができることは勿論である。さらに、特に限定されるものではないが、ゲート絶縁膜21のシリコン酸化膜19aは、その下層に設けられた膜により、水素熱処理時の水素供給効果が低下することがないように、シリコン基板の直上、あるいはできるだけシリコン基板10の表面に近い膜として成膜されることが好ましい。
なお、上記説明では、画素が検出部を備え、当該検出部に接続された読み出し回路が増幅器を備えたアンプ回路であるアクティブ型である固体撮像装置を例示して説明したが、上記構成も本発明の技術的範囲を限定するものではない。
本発明は、各画素が、受光部および拡散領域と、当該受光部と拡散領域との間の半導体基板表面上に形成されたゲート電極と、受光部または拡散領域と接続した読み出し回路とを備えた固体撮像装置であれば、各画素の回路形式については任意の構成を採用することができる。例えば、画素内の読み出し回路に増幅器を備えていないパッシブ型の固体撮像装置であっても適用可能であり、受光部に読み出し回路が直接接続された固体撮像装置であっても適用可能である。なお、受光部に読み出し回路が直接接続された固体撮像装置では、上記ゲート電極はリセットトランジスタのゲート電極として機能し、上記拡散領域が、リセットトランジスタのドレインとして機能する。
本発明によれば、高いS/N比を有する固体撮像装置を実現することができるという効果を有し、高速かつ高S/N比が要求される、高級一眼レフタイプディジタルスチルカメラを始め、民生用、プロ用ディジタルスチルカメラ用固体撮像装置、ハイビジョン動画撮像を主体とする放送用機器の固体撮像装置等として特に有用である。
本発明に係る固体撮像装置の画素部の構造を示す概略断面図 本発明に係る固体撮像装置の画素部の構造を示す概略断面図 従来の固体撮像装置の画素部を示す概略断面図 従来の固体撮像装置の画素部を示す概略断面図
符号の説明
10、20 シリコン基板
11、21 ゲート絶縁膜
12、22 転送ゲート電極
13、23 受光部
14a、24a 検出部
14b、24b 検出部のLDD部
15、25 表面P型層
16、26 シリコン酸化膜
17、27 絶縁分離部
19a TEOS系シリコン酸化膜
19b シリコン窒化膜(中間屈折膜)
39 反射防止膜

Claims (15)

  1. 半導体基板内に形成された受光部および拡散領域と、当該受光部と拡散領域との間の半導体基板表面にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、前記受光部を被覆する反射防止膜と、受光部または前記拡散領域と電気的に接続された読み出し回路とを有する画素が複数配置された固体撮像装置において、
    前記反射防止膜が、アルコキシ系化合物を材料としたCVD法により形成されたシリコン酸化膜と、当該シリコン酸化膜より上層に形成されるとともに、前記シリコン酸化膜の屈折率より大きく、かつ前記半導体基板の屈折率より小さい屈折率を有する中間屈折膜とを含む多層膜からなることを特徴とする固体撮像装置。
  2. 前記中間屈折膜がシリコン窒化膜である請求項1に記載の固体撮像装置。
  3. 前記シリコン酸化膜が、前記中間屈折膜の被覆領域に比べて広い領域を被覆する請求項1または2に記載の固体撮像装置。
  4. 前記シリコン酸化膜の下層に、前記ゲート絶縁膜と共通に形成された絶縁膜を備えた請求項1または2に記載の固体撮像装置。
  5. 前記アルコキシ系化合物が、テトラエトキシシラン(Si(OC254)である請求項1から4のいずれかに記載の固体撮像装置。
  6. 受光部上に反射防止膜を備えた固体撮像装置の製造方法において、
    半導体基板の表面部に受光部を形成する工程と、
    前記半導体基板上、かつ、前記受光部に隣接する位置にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成する工程と、
    前記ゲート電極を挟んで前記受光部と反対側の前記半導体基板の表面部に拡散領域を形成する工程と、
    少なくとも前記受光部上に、アルコキシ系化合物を材料としたCVD法によりシリコン酸化膜を形成する工程と、
    前記シリコン酸化膜上に、当該シリコン酸化膜の屈折率より大きく、かつ前記半導体基板の屈折率より小さい屈折率を有する中間屈折膜を形成する工程と
    を含むことを特徴とする固体撮像装置の製造方法。
  7. 前記中間屈折膜がシリコン窒化膜である請求項6に記載の固体撮像装置の製造方法。
  8. 前記シリコン酸化膜の一端が、前記ゲート電極上に設けられた請求項6または7に記載の固体撮像装置の製造方法。
  9. 前記中間屈折膜が前記受光部のみを被覆する、請求項6から8のいずれかに記載の固体撮像装置の製造方法。
  10. 前記シリコン酸化膜が、ウェットエッチングにより選択的に除去される請求項6〜9に記載の固体撮像装置の製造方法。
  11. 前記中間屈折膜がウェットエッチングで選択的に除去される請求項6〜10に記載の固体撮像装置の製造方法。
  12. 前記アルコキシ系化合物はテトラエトキシシラン(Si(OC254)である請求項6から11のいずれかに記載の固体撮像装置の製造方法。
  13. 前記シリコン酸化膜の成膜温度が、600℃〜700℃である請求項6〜12のいずれかに記載の固体撮像装置の製造方法。
  14. 前記シリコン酸化膜が、前記ゲート絶縁膜と共通に形成された絶縁膜上に形成された請求項6〜13のいずれかに記載の固体撮像装置の製造方法。
  15. 前記中間屈折膜形成後に水素熱処理を行う工程を有する請求項6〜14のいずれかに記載の固体撮像装置の製造方法。

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