JP5136081B2 - 固体撮像素子 - Google Patents
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Description
具体的には、図11Aに模式的断面図を示し、図11Bにポテンシャル図を示すように、シリコン層51の表面付近にp型の不純物を導入して、p+の半導体領域を形成して、このp+の半導体領域を、正電荷(ホール)を蓄積するための正電荷蓄積領域53とする。
このように、界面に正電荷蓄積領域53を形成したHAD構造とすることにより、フォトダイオードPDを界面から離して、界面準位を発生源とする暗電流を抑制することが可能になる。
これにより、図12Bに示すように、バンドを曲げて、特に界面付近に正電荷(ホール)が蓄積されるようにすることができる。
トラップされた電子も、固定電荷と同様に、HAD構造による効果を増大させることが可能である。しかし、時間の経過と共に、電子が基板酸化層(IFL)をトンネリングして、基板中へ拡散していくため、正電荷(ホール)が蓄積されるようにする効果、即ち負バイアス効果が劣化する、という問題がある。
これにより、電子のトンネリングを抑制することが可能になる。
これにより、第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜が、いずれも負の固定電荷を有するので、シリコン層の界面付近に正電荷(ホール)が蓄積されるようにすることができる。そして、シリコン層の正電荷蓄積領域と合わせて、界面付近に正電荷(ホール)が蓄積されるようにして、界面準位に起因する暗電流の発生を抑制することができる。
これにより、負の固定電荷を有する第2の絶縁膜中に存在する電子トラップの基板への拡散を防止することが可能になるため、正電荷を蓄積させる効果(負バイアス効果)を長期的に維持することができる。
そして、第1の絶縁膜が負の固定電荷を有するので、電子のトンネリングの抑制のためにSiO2膜を形成した場合と比較して、負の固定電荷を有する膜を界面に近くすることができ、負バイアス効果を充分な大きさで得ることが可能になる。
また、この負バイアス効果を長期的に維持することが可能になる。
本実施の形態は、本発明を、いわゆる裏面照射型のCMOS固体撮像素子(CMOSイメージセンサ)に適用した場合である。
このフォトダイオードの電荷蓄積領域4の表面には、P+の正電荷蓄積領域5が形成されている。
そして、これら電荷蓄積領域4及び正電荷蓄積領域5によって、前述したHAD構造が構成されている。
なお、絶縁層13は、図示しないが、下方に設けられる支持基板等によって支持されている。
各画素には、図示のトランジスタ(この場合は、電荷蓄積領域4に蓄積した電荷を読み出し・転送する転送トランジスタ)Tr1を含む、1個以上のトランジスタを有して構成される。
なお、図示しないが、電荷蓄積領域4のトランジスタTr1のゲート電極11側の界面に、p+半導体領域を形成して、絶縁層13との界面における暗電流の発生を抑制することが好ましい。
図示していないが、これらのMOSトランジスタTr2,Tr3のソース・ドレイン領域やチャネルとなる半導体ウエル領域が、シリコン基板2内に形成されている。
ハフニウム酸化膜22上には、SiO2膜6が形成されている。
この遮光膜7によって、フォトダイオードに光が入らない領域(図示しないオプティカルブラック領域)を作り、そのフォトダイオードの出力によって画像での黒レベルを決定することができる。
また、周辺回路部42においては、遮光膜7により、光が入ることによるMOSトランジスタTr2,Tr3等の特性の変動を抑制することができる。
この窒化珪素膜8は、屈折率が2程度の膜であり、下地のSiO2膜6の膜厚に応じて最適な膜厚を調整することによって、反射防止効果を得ることが可能である。
窒化珪素膜8の上には、画素毎に、対応する色(赤R、緑G、青B)のカラーフィルター9が形成されている。
各カラーフィルター9の上には、それぞれ、集光のためのオンチップレンズ10が設けられている。
そして、フォトダイオードが形成されたシリコン基板2から見て、下層にある配線層12の側(表面側)とは反対側(裏面側)の上層から光を入射させるので、いわゆる裏面照射型構造となっている。
このハフニウムシリケート膜21は、ハフニウム酸化膜22よりは電荷量が小さいが、負の固定電荷を有している。
ハフニウム酸化膜22は、屈折率が2程度であり、好適な膜厚を調整することにより、反射防止効果を得ることも可能になる。
ハフニウムシリケート膜21の成膜方法としては、ALD(Atomic Layer Deposition;原子層成長)法やPVD(物理的気相成長)法、MOCVD(有機金属化学的気相成長)法等を採用することができる。
まず、図3に示すように、電荷蓄積領域4及び正電荷蓄積領域5が形成されたシリコン基板2上に、負の固定電荷を有する第1の膜として、ハフニウムシリケート膜21を形成する。
次に、図4に示すように、負の固定電荷を有する第2の膜として、ハフニウム酸化膜22を形成する。
このSiO2膜6を形成することにより、後の遮光膜7のエッチングの際に、ハフニウム酸化膜22の表面を直接エッチングに晒すことを防ぐことが可能になる。また、ハフニウム酸化膜22と遮光膜7を直接接触させることに起因した、ハフニウム酸化膜22と遮光膜7との反応を、抑制することが可能になる
さらに、図7に示すように、エッチングにより遮光膜7を加工して、フォトダイオード部41上の一部及び周辺回路部42上に残るようにする。
最後に、図9に示すように、フォトダイオード部41において、各画素のフォトダイオードの上方に、カラーフィルター9及びオンチップレンズ10を順次形成する。
このようにして、図1に示した固体撮像素子1を製造することができる。
これにより、ハフニウムシリケート膜21及びハフニウム酸化膜22が、いずれも、負の固定電荷を有するので、図12A及び図12Bに示したと同様に、バンドを曲げて、界面付近に正電荷(ホール)が蓄積されるようにすることができる。そして、シリコン基板2の正電荷蓄積領域5と合わせて、界面付近に正電荷(ホール)が蓄積されるようにして、界面準位に起因する暗電流の発生を抑制することができる。
そして、ハフニウムシリケート膜21が負の固定電荷を有するので、電子のトンネリングの抑制のためにSiO2膜を形成した場合と比較して、負の固定電荷を有する膜を界面に近くすることができ、負バイアス効果を充分な大きさで得ることが可能になる。
シリコンを含有する絶縁膜において、比誘電率が3.9以下では、固定電荷がないか、正の固定電荷を有する。ちなみに、二酸化シリコン(SiO2)の比誘電率は、3.9である。
シリコンを含有する絶縁膜において、比誘電率が3.9を超えると、負の固定電荷を持つようになり、比誘電率が大きいほど、負の固定電荷の量が大きくなる。
例えば、シリコン及び上述の元素を含有する、酸化物、酸窒化物のうち負の固定電荷を有するもの、その他の材料で負の固定電荷を有するもの、等が挙げられる。
比誘電率が5以上であり、負の固定電荷を有する絶縁膜としては、前述の実施の形態のハフニウム酸化膜22の他に、ハフニウム、ジルコニウム、アルミニウム、タンタル、チタン、イットリウム、ランタノイド元素のうち、少なくとも1つの元素を含む、絶縁膜が挙げられる。
例えば、上述の元素を含有する、酸化物、酸窒化物のうち負の固定電荷を有するもの、その他の材料で負の固定電荷を有するもの、等が挙げられる。
ちなみに、ハフニウム酸化膜は、20以上の比誘電率を有している。
例えば、CCD固体撮像素子においても、本発明を適用して、受光部のフォトダイオードをHAD構造として、その上に、負の固定電荷を有する第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜を形成することにより、界面付近に正電荷(ホール)を蓄積させて、界面準位に起因する暗電流の発生を抑制することができる。
Claims (3)
- フォトダイオードが形成され、前記フォトダイオードの表面に正電荷蓄積領域が形成されたシリコン層と、
前記シリコン層上に形成された、比誘電率が3.9よりも大きく、シリコンを含有し、負の固定電荷を有する第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜上に形成された、比誘電率が5以上であり、負の固定電荷を有する第2の絶縁膜とを有する
ことを特徴とする固体撮像素子。 - 前記第1の絶縁膜が、シリコンと、ハフニウム、ジルコニウム、アルミニウム、タンタル、チタン、イットリウム、ランタノイド元素のうち、少なくとも1つの元素とを含む、絶縁膜であることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
- 前記第2の絶縁膜が、ハフニウム、ジルコニウム、アルミニウム、タンタル、チタン、イットリウム、ランタノイド元素のうち、少なくとも1つの元素を含む絶縁膜であることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
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