JP2006195204A - 光学補償シート、偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents

光学補償シート、偏光板及び液晶表示装置 Download PDF

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慎一 森嶌
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真 高橋
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Abstract

【課題】 生産性に優れ、かつ、画像表示装置に適用した場合に、広い視野角拡大性能を有する新規な光学補償シートを提供する。
【解決手段】 透明支持体と、該透明支持体上に光学異方性層とを有し、該光学異方性層が、液晶性化合物の少なくとも一種、1,3,5−トリアジン環基を有する化合物の少なくとも一種及びカルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SO3H)、ホスホノキシ基{−OP(=O)(OH)2}及びそれらの塩からなる群より選ばれる一種以上の親水性基を有するフルオロ脂肪族基含有ポリマーの少なくとも一種を含有する光学補償シートである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規な光学補償シート、ならびにそれを用いた偏光板及び液晶表示装置の分野に属する。また、本発明は、液晶、特にディスコティック液晶性化合物の配向速度を制御する方法の技術分野にも属する。
光学補償シートは画像着色解消や視野角拡大のために、様々な液晶表示装置で用いられている。従来から光学補償シートとしては延伸複屈折フィルムが使用されていたが、近年、延伸複屈折フィルムに代えて、透明支持体上にディスコティック液晶性化合物からなる光学異方性層を有する光学補償シートを使用することが提案されている。この光学異方性層は、通常、ディスコティック液晶性化合物を含む組成物を配向膜上に塗布し、配向温度よりも高い温度に加熱してディスコティック液晶性化合物を配向させ、その配向状態を固定することにより形成される。一般に、ディスコティック液晶性化合物は、大きな複屈折率を有するとともに、多様な配向形態がある。そして、ディスコティック液晶性化合物を用いることで、従来の延伸複屈折フィルムでは得ることができない光学的性質を実現することが可能になってきている。また、一方で、ディスコティック液晶性化合物には、多様な配向形態が存在するため、所望の光学特性の発現には、光学異方性層におけるディスコティック液晶性化合物の配向を制御する技術が必要である。特に光学補償性能の発現には、ディスコティック液晶性化合物の傾斜角を支持体面からの距離に伴って変化するように配向させる、いわゆる「ハイブリッド配向」の状態を実現することが重要であり、光学補償シートの性能、すなわち、視野角拡大、視角変化によるコントラスト低下、階調反転、黒白反転、および色相変化等を決める最も重要な因子となる。
このハイブリッド配向は、ディスコティック液晶性化合物の配向の方位角を規制する目的で支持体上に設けられる配向膜表面の傾斜角と、光学補償シートの最外面である空気側界面の傾斜角との差を利用して実現されている。ディスコティック液晶性化合物を用いて光学補償シートを塗設、乾燥した後、ディスコティック液晶性化合物は、空気界面と配向膜界面の両方でそれぞれ安定な傾斜角でモノドメイン配向する。その結果、膜の厚み方向に連続的に傾斜角が変化した配向状態が形成される。ディスコティック液晶性化合物は、空気界面では50°以上の高い傾斜角を持つ性質がある。そのため、ハイブリッド配向を実現するには、配向膜界面の傾斜角は、空気界面の傾斜角より大幅に小さくしなくてはならない。ポリビニルアルコールを用いた配向膜は、その傾斜角が0°に近いために目的のハイブリッド配向の実現に好適に用いられている(特許文献1)。また、液晶性化合物とともに、フッ素置換アルキル基と親水性基とを有するフッ素化合物を光学異方性層中に添加することによって、傾斜角の大きいハイブリッド配向を達成し得ることが知られている(特許文献2)。
一方、製造においては液晶組成物を加熱して配向させることによりモノドメイン化したハイブリッド配向が達成される。そのため、製造の効率化のために加熱熟成時間を短縮すると、配向欠陥の発生が顕著になり易いという問題があり、モノドメイン化時間の短縮を実現させる技術の開発が強く望まれていた。液晶性化合物とともに、フッ素置換アルキル基と親水性基とを有する低分子のフッ素化合物及び1,3,5−トリアジン環基を有する化合物を光学異方性層中に添加することによって、熟成時間を短縮しても傾斜角の大きいハイブリッド配向を達成し得ることが知られている(特許文献3)。
特開平8−50206号公報 特開2001−330725号公報 WO03/098337
本発明は、光学異方性層のハイブリッド配向する液晶性化合物の配向速度を制御し、生産性に優れ、かつ、画像表示装置に適用した場合に、視野角の拡大に寄与する新規な光学補償シートを提供することを課題とする。とりわけ、製造上の生産性に優れ、ハイブリッド配向したディスコティック液晶性化合物を光学異方性層に含有する、TNモード、OCBモード、IPSモード等の液晶表示装置の視野角特性の改善に寄与する光学補償シートを提供することを課題とする。また、本発明は、液晶表示装置の視野角拡大に寄与する偏光板、及び視野角特性に優れ、表示品位の高い液晶表示装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段は、以下のとおりである。
[1] 透明支持体と、該透明支持体上に光学異方性層とを有し、該光学異方性層が、液晶性化合物の少なくとも一種、1,3,5−トリアジン環基を有する化合物の少なくとも一種及びカルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SO3H)、ホスホノキシ基{−OP(=O)(OH)2}及びそれらの塩からなる群より選ばれる一種以上の親水性基を有するフルオロ脂肪族基含有ポリマーの少なくとも一種を含有する光学補償シート。
[2] 前記ポリマーが、フルオロ脂肪族基含有モノマーより誘導される繰り返し単位と下記一般式(1)で表される繰り返し単位とを含む共重合体である[1]の光学補償シート。
Figure 2006195204
(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表し;Lは下記の連結基群から選ばれる2価の連結基または下記の連結基群から選ばれる2つ以上を組み合わせて形成される2価の連結基を表し、
(連結基群)
単結合、−O−、−CO−、−NR4−(R4は水素原子、アルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表す)、−S−、−SO2−、−P(=O)(OR5)−(R5はアルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表す)、アルキレン基およびアリーレン基;
Qはカルボキシル基(−COOH)もしくはその塩、スルホ基(−SO3H)もしくはその塩、またはホスホノキシ基{−OP(=O)(OH)2}もしくはその塩を表す。)
[3] 前記液晶性化合物が、ディスコティック液晶性化合物である[1]又は[2]の光学補償シート。
[4] 前記ディスコティック液晶性化合物が、トリフェニレン液晶である[3]の光学補償シート。
[5] 前記光学異方性層中、前記液晶性化合物がハイブリッド配向し、該ハイブリッド配向が固定されている[1]〜[4]のいずれかの光学補償シート。
[6] [1]〜[5]のいずれかの光学補償シートを有する液晶表示装置。
[7] 少なくとも透明支持体と、該透明支持体上に光学異方性層を有する光学補償シートの製造方法であって、液晶性化合物の少なくとも一種を、1,3,5−トリアジン環基を有する化合物の少なくとも一種及びカルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SO3H)、ホスホノキシ基{−OP(=O)(OH)2}及びそれらの塩からなる群より選ばれる一種以上の親水性基を有するフルオロ脂肪族基含有ポリマーの少なくとも一種の存在下で水平配向させる工程と、該水平配向した液晶性化合物をハイブリッド配向させる工程と、該ハイブリッド配向状態にある液晶性化合物を固定して光学異方性層を形成する工程とを含む光学補償シートの製造方法。
[8] 少なくとも、偏光膜と、該偏光膜の片面に設けられた透明保護膜とを有し、該透明保護膜が、[1]〜[5]のいずれかの光学補償シートである偏光板。
[9] 少なくとも、液晶セルと、該液晶セルの両側にそれぞれ配置された偏光板とからなり、前記偏光板の少なくとも一方が、偏光膜と該偏光膜の一方の表面であって液晶セルに近い側の表面に設けられた透明保護膜とを少なくとも有し、且つ該透明保護膜が[1]〜[5]のいずれかの光学補償シートである液晶表示装置。
本発明では、液晶性化合物とともに、1,3,5−トリアジン環基を有する化合物及びカルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SO3H)、ホスホノキシ基{−OP(=O)(OH)2}及びそれらの塩からなる群より選ばれる一種以上の親水性基を有するフルオロ脂肪族基含有ポリマーの少なくとも一種をさせることにより、配向速度を向上させ、高い生産性で製造可能であり、光学補償機能に優れ、且つ画像表示装置に適用した場合に、広い視野角拡大性能を有する光学補償シート、及び偏光板を提供する。また、本発明の光学補償シート及び偏光板は、種々のモードの液晶表示装置の視野角特性の改善に寄与する。
発明の実施の形態
以下、本発明について詳細に説明する。まず、本発明の光学補償シートについて説明する。
[光学補償シート]
本発明の光学補償シートは、透明支持体と、該透明支持体上に、液晶性化合物の少なくとも一種、1,3,5−トリアジン環基を有する化合物の少なくとも一種及びカルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SO3H)、ホスホノキシ基{−OP(=O)(OH)2}及びそれらの塩からなる群より選ばれる一種以上の親水性基を有するフルオロ脂肪族基含有ポリマーの少なくとも一種を含有する光学異方性層を有する。本発明の光学補償シートは、前記透明支持体と光学異方性層との間に、配向膜を有していてもよい。
(1,3,5−トリアジン環基を有する化合物)
該化合物は、液晶性化合物、特にディスコティック液晶性化合物を、水平配向状態からハイブリッド配向状態に安定的に転移させ配向迅速化に寄与する。本発明に使用可能な1,3,5−トリアジン環基を有する化合物としては、下記一般式(5)または(6)で表される化合物が好ましい。
Figure 2006195204
一般式(5)において、L1、L2およびL3はそれぞれ独立に、単結合または二価の連結基を表し、A1、A2およびA3はそれぞれ独立に、アルキレン基を表し、m2、m3およびm4は0以上の整数を表す。R10、R11およびR12はそれぞれ独立に有機基であり、m2が0の時、R10はアルキル基であり、m3が0の時、R11はアルキル基であり、m4が0の時、R12はアルキル基である。
Figure 2006195204
一般式(6)において、X4及びY4はそれぞれ独立に、NRa(Raは水素原子またはアルキル基を表す)、O及びSのいずれかを表し、Z4は二価の連結基を表し、R13、R14、R15およびR16はそれぞれ独立に、置換基を表す。
まず、前記一般式(5)で表される化合物について詳細に説明する。
1、L2およびL3で各々表される二価の連結基の例としては、例えば−CO−、―NRa−(Raはアルキル基または水素原子)、−O−、−S−、−SO−、−SO2−及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。より好ましくは、−CO−、−NRa−、−O−、−S−、−SO2−及びそれらの群より選ばれる二価の連結基であり、さらに好ましくは−CO−、−NRa−、−O−、−S−及び−SO2−からなる群選ばれる二価の連結基、又は該群から選ばれる二価の連結基の二種又は3種の組み合わせである。最も好ましくは、−NRa−、−O−及び−S−からなる群より選ばれる二価の連結基、又は該群から選ばれる二価の連結基の二種又は3種の組み合わせである。
1、A2およびA3で各々表されるアルキレン基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよく、また置換されていてもよい。前記置換もしくは無置換のアルキレン基は、炭素数2〜30のアルキレン基であるのが好ましく、その例には、−CH2−、−(CH22−、−(CH23−、−CH2CH(CH3)−、−CH2C(CH32−及び−(CH24−)が含まれる。好ましくは−(CH22−、−(CH23−、−CH2CH(CH3)−、−(CH24−である。
2、m3およびm4は0以上の整数を表わし、好ましくは1〜10で、より好ましくは1〜5である。
10、R11およびR12で各々表される有機基としては、アルキル基(直鎖または分岐の置換もしくは無置換のアルキル基で、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、ドデシル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2−エチルヘキシル基、2‐へキシルデシル基、2−オクチルドデシル基、3−(2、4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピル基、
シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基が挙げられ、多シクロアルキル基、例えば、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基で、例えば、ビシクロ(1.2.2)ヘプタン−2−イル基、ビシクロ(2.2.2)オクタン−3−イル基)やトリシクロアルキル基等の多環構造の基が挙げられる。好ましくは単環のシクロアルキル基、ビシクロアルキル基であり、単環のシクロアルキル基が得に好ましい。)、
アルケニル基(直鎖または分岐の置換もしくは無置換のアルケニル基で、好ましくは炭素数2〜30のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基で、例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基、多シクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基で、例えば、ビシクロ(2.2.1)ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ(2.2.2)オクト−2−エン−4−イル基またはトリシクロアルケニル基であり、単環のシクロアルケニル基が特に好ましい)、アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基)、
アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基で、例えばフェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基、o−2−(パーフルオロヘキシル)エトキシフェニル基、o−3−(パーフルオロヘキシル)プロピルオキシフェニル基、o−2−(6H−ドデカフルオロヘキシル)エトキシフェニル基、o−(8H−ヘキサデカフルオロオクチル)メトキシフェニル基)、ヘテロ環基(好ましくは5〜7員の置換もしくは無置換、飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族、単環もしくは縮環のヘテロ環基であり、より好ましくは、環構成原子が炭素原子、窒素原子および硫黄原子から選択され、かつ窒素原子、酸素原子および硫黄原子のいずれかのヘテロ原子を少なくとも一個有するヘテロ環基であり、更に好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族ヘテロ環基である。例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基)、等が挙げられる。
10、R11およびR12で各々表される有機基は、置換基を有してもよく、該置換基の例としては以下のものが挙げられる。
アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリール基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルキニル基であり、例えば、プロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えば、フェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基などが挙げられる)、置換もしくは無置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6のアミノ基であり、例えば、無置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アニリノ基などが挙げられる)、
アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは2〜10であり、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは2〜10であり、例えば、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10のアシルアミノ基であり、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニルアミノ基であり、例えば、メトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12のアリールオキシカルボニルアミノ基であり、例えば、フェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニルアミノ基であり、例えば、メタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12のスルファモイル基であり、例えば、スルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基などが挙げられる)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のカルバモイル基であり、例えば、無置換のカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基などが挙げられる)、
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のアルキルチオ基であり、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールチオ基であり、例えば、フェニルチオ基などが挙げられる)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニル基であり、例えば、メシル基、トシル基などが挙げられる)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルフィニル基であり、例えば、メタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のウレイド基であり、例えば、無置換のウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基などが挙げられる)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のリン酸アミド基であり、例えば、ジエチルリン酸アミド基、フェニルリン酸アミド基などが挙げられる)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12のヘテロ環基であり、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を有するヘテロ環基であり、例えば、イミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基などが挙げられる)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは、炭素数3〜24のシリル基であり、例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる)が含まれる。
これらの置換基はさらにこれらの置換基によって置換されていてもよい。また、置換基が二つ以上有する場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに結合して環を形成していてもよい。
10、R11およびR12で各々表される有機基の置換基は、特に好ましくは、置換もしくは無置換のアルキル基又は置換もしくは無置換のアリール基である。
前記一般式(5)で表される化合物の中でも、下記一般式(5a)で表される化合物が好ましい。
Figure 2006195204
一般式(5a)において、A1、A2およびA3はそれぞれ独立し、アルキレン基を表し、m2、m3およびm4は0以上の整数を表し、R10、R11およびR12はそれぞれ独立し有機基であり、m2が0の時、R10はアルキル基であり、m3が0の時、R11はアルキル基であり、m4が0の時、R12はアルキル基である。
一般式(5a)においてA1、A2およびA3、m2、m3およびm4、R10、R11およびR12は一般式(5)中のそれぞれと同義であり、好ましい範囲も同一である。
次に、前記一般式(6)で表される化合物について詳細に説明する。
式中、Z4で表される二価の連結基は、アルキレン基、アルケニレン基、二価のアリール基、二価のヘテロ環残基、−O−、−CO−、−SO−、−SO2−およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。
13、R14、R15およびR16で各々表される置換基としては、アルキル基(直鎖または分岐の置換もしくは無置換のアルキル基で、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、ドデシル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2−エチルヘキシル基、2‐へキシルデシル基、2−オクチルドデシル基、3−(2、4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピル)基、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基が挙げられ、多シクロアルキル基、例えば、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基で、例えば、ビシクロ(1.2.2)ヘプタン−2−イル基、ビシクロ(2.2.2)オクタン−3−イル基)やトリシクロアルキル基等の多環構造の基が挙げられる。好ましくは単環のシクロアルキル基、ビシクロアルキル基であり、単環のシクロアルキル基が得に好ましい。)、
アルケニル基(直鎖または分岐の置換もしくは無置換のアルケニル基で、好ましくは炭素数2〜30のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基で、例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基が挙げられ、多シクロアルケニル基、例えば、ビシクロアルケニル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基で、例えば、ビシクロ(2.2.1)ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ(2.2.2)オクト−2−エン−4−イル基)、やトリシクロアルケニル基であり、単環のシクロアルケニル基が得に好ましい。)、アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基)、
アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基で、例えばフェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基、o−2−(パーフルオロヘキシル)エトキシフェニル基、o−3−(パーフルオロヘキシル)プロピルオキシフェニル基、o−2−(6H−ドデカフルオロヘキシル)エトキシフェニル、o−(8H−ヘキサデカフルオロオクチル)メトキシフェニル基)、ヘテロ環基(好ましくは5〜7員の置換もしくは無置換、飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族、単環もしくは縮環のヘテロ環基であり、より好ましくは、環構成原子が炭素原子、窒素原子および硫黄原子から選択され、かつ窒素原子、酸素原子および硫黄原子のいずれかのヘテロ原子を少なくとも一個有するヘテロ環基であり、更に好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、
アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルコキシ基で、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノナノキシ基、2−パーフルオロヘキシルエトキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、2,4−ジ−t−アミルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基、o−2−(パーフルオロヘキシル)エトキシフェノキシ基、o−3−(パーフルオロヘキシル)プロピルオキシフェノキシ基、o−2−(6H−ドデカフルオロヘキシル)エトキシフェノキシ基、o−(8H−ヘキサデカフルオロオクチル)メトキシフェノキシ基)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基で、例えば、トリメチルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基で、ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましく、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基)、
アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基であり、例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基で、例えばメトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基で、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基)、
アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアミノ基、炭素数0〜30のヘテロ環アミノ基であり、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、3−パーフルオロヘキシルプロピルアミノ基、3−(2、4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピルアミノ、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミノ基、3−(2−ヘキシルデカノオキシ)プロピルアミノ基、3−ドデシルオキシプロピルアミノ基、3−(3−パーフルオロヘキシルプロピルオキシ)プロピルアミノ基、3−(3−(6H−パーフルオロヘキシル)プロピルオキシ)プロピルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基、2−メチルオキシアニリノ基、2−(3−パーフルオロヘキシルプロピルオキシ)アニリノ基、2−(2−パーフルオロブチルエチルオキシ)アニリノ基、2、4−ジ(2−パーフルオロヘキシルエチルオキシ)アニリノ基、2−(6H−パーフルオロヘキシルメチルオキシ)アニリノ基、3,4−ジ(3−パーフルオロヘキシルプロピルオキシ)アニリノ基、N−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ基)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基であり、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基で、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基)、
アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基で、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基で、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基)、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基であり、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基)、メルカプト基、
アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基で、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールチオ基で、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チオ基で、ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましく、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイル基で、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイ基ル、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル基)、スルホ基、
アルキルおよびアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基であり、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基)、アルキルおよびアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基であり、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基であり、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノキシカルボニル基)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、
アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基で、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基)、アリールアゾ基およびヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基(ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましい)、例えば、フェニルアゾ基、p−クロロフェニルアゾ基、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ基)、イミド基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のイミド基で、例えばN−スクシンイミド基、N−フタルイミド基)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニル基で、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基)、
ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基で、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基で、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシリル基で、例えば、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基)が挙げられる。
上記置換基の中で水素原子を有するものは、これを取り去り更に上記の基で置換されていてもよい。そのような置換基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられ、具体的には、メチルスルホニルアミノカルボニル基、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル基、アセチルアミノスルホニル基、ベンゾイルアミノスルホニル基などが挙げられる。
これらの置換基はさらにこれらの置換基によって置換されていてもよい。また、置換基を2つ以上有する場合は、それらの置換基は同一でも、異なっていてもよい。また、可能な場合には互いに結合して環を形成していてもよい。
好ましくはR13、R14、R15およびR16は、置換もしくは無置換のアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基又はヘテロ環アミノ基であり、さらに好ましくは置換もしくは無置換のアルキルアミノ基(例えばメチルアミノ基、ジメチルアミノ基、3−パーフルオロヘキシルプロピルアミノ基、3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピルアミノ基、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミノ基、3−(2−ヘキシルデカノオキシ)プロピルアミノ基、3−ドデシルオキシプロピルアミノ基、3−(3−パーフルオロヘキシルプロピルオキシ)プロピルアミノ基、3−(3−(6H−パーフルオロヘキシル)プロピルオキシ)プロピルアミノ)基、アリールアミノ基(例えばアニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基、2−メチルオキシアニリノ基、2−(3−パーフルオロヘキシルプロピルオキシ)アニリノ基、2−(2−パーフルオロブチルエチルオキシ)アニリノ基、2,4−ジ(2−パーフルオロヘキシルエチルオキシ)アニリノ基、2−(6H−パーフルオロヘキシルメチルオキシ)アニリノ基、3,4−ジ(3−パーフルオロヘキシルプロピルオキシ)アニリノ基)である。
前記一般式(6)で表される化合物の中でも、下記一般式(6a)で表される化合物が特に好ましい。
Figure 2006195204
一般式(6a)において、Z5はポリ(アルキレンオキシ)基を表し、Raは水素原子またはアルキル基を表し、R17、R18、R19およびR20はそれぞれ独立に置換基を表し、j1、j2、j3およびj4はそれぞれ0〜5の整数を表す。j1、j2、j3およびj4が2以上のとき複数の、R17、R18、R19およびR20はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。
j1、j2、j3およびj4はそれぞれ0〜5の整数を表す。好ましくは1、2又は3である。
17、R18、R19およびR20で各々表される置換基の例としては、前記一般式(6)におけるR13、R14、R15およびR16として挙げた基が挙げられる。好ましくは置換もしくは無置換のアルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基である。さらに好ましくは置換もしくは無置換のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノナノキシ基、2−パーフルオロヘキシルエトキシ基、3−パーフルオロヘキシルプロピルオキシ基、2−パーフルオロブチルエチルオキシ基、6H−パーフルオロヘキシルメチルオキシ基)である。
本発明に使用可能な1,3,5−トリアジン環基を有する化合物の具体例を以下に示すが、本発明に用いられる化合物はこれらに限定されるものではない。
Figure 2006195204
Figure 2006195204
Figure 2006195204
1,3,5−トリアジン環基を有する化合物の添加量としては、液晶性化合物(好ましくはディスコティック液晶性化合物)に対して、0.01〜20質量%であるのが好ましく、0.05〜10質量%であるのがより好ましく、0.1〜5質量%であるのが更に好ましく、0.1〜1質量%であるのが特に好ましい。
(フルオロ脂肪族基含有ポリマー)
親水性基を少なくとも一種有するフルオロ脂肪族基含有ポリマー(以下、「フッ素系ポリマー」と略記することもある)の存在下で、液晶性化合物の分子を配向させると、1,3,5−トリアジン環基を有する化合物と協同的に、液晶性化合物、特にディスコティック液晶性化合物を、水平配向状態からハイブリッド配向状態に安定的に転移させ配向迅速化に寄与する。更に、ムラ、ハジキなどの塗布性が改善される。
[フッ素系ポリマー]
ポリマーの種類としては、「改訂 高分子合成の化学」(大津隆行著、発行:株式会社化学同人、1968)1〜4ページに記載があり、例えば、ポリオレフィン類、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリイミド類、ポリウレタン類、ポリカーボネート類、ポリスルホン類、ポリカーボナート類、ポリエーテル類、ポリアセタール類、ポリケトン類、ポリフェニレンオキシド類、ポリフェニレンスルフィド類、ポリアリレート類、PTFE類、ポリビニリデンフロライド類、セルロース誘導体などが挙げられる。前記フッ素系ポリマーは、ポリオレフィン類であることが好ましい。
前記フッ素系ポリマーは、フルオロ脂肪族基を側鎖に有するポリマーである。前記フルオロ脂肪族基は、炭素数1〜12であるのが好ましく、6〜10であるのがより好ましい。脂肪族基は、鎖状であっても環状であってもよく、鎖状である場合は直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。中でも、直鎖状の炭素数6〜10のフルオロ脂肪族基が好ましい。フッ素原子による置換の程度については特に制限はないが、脂肪族基中の50%以上の水素原子がフッ素原子に置換されているのが好ましく、60%以上が置換されているのがより好ましい。フルオロ脂肪族基は、エステル結合、アミド結合、イミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、エーテル結合、チオエーテル結合、芳香族環などを介してポリマー主鎖と結合した側鎖に含まれる。フルオロ脂肪族基の一つは、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)又はオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物から導かれるものである。これらのフルオロ脂肪族化合物の製造法に関しては、例えば、「フッ素化合物の合成と機能」(監修:石川延男、発行:株式会社シーエムシー、1987)の117〜118ページや、「Chemistry of Organic Fluorine Compounds II」(Monograph 187,Ed by Milos Hudlicky and Attila E.Pavlath,American Chemical Society 1995)の747−752ページに記載されている。テロメリゼーション法とは、ヨウ化物等の連鎖移動常数の大きいアルキルハライドをテローゲンとして、テトラフルオロエチレン等のフッ素含有ビニル化合物のラジカル重合を行い、テロマーを合成する方法である(Scheme−1に例を示した)。
Figure 2006195204
得られた、末端ヨウ素化テロマーは通常、例えば[Scheme2]のごとき適切な末端化学修飾を施され、フルオロ脂肪族化合物へと導かれる。これらの化合物は必要に応じ、さらに所望のモノマー構造へと変換され、フルオロ脂肪族基含有ポリマーの製造に使用される。
Figure 2006195204
前記フッ素系ポリマーの製造には、下記一般式(A1)で表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーが好適に用いられる。
Figure 2006195204
上記一般式(A1)において、R11は水素原子またはメチル基を表し、Xは酸素原子、イオウ原子または−N(R12)−を表し(R12は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、好ましくは水素原子またはメチル基である。)、Hfは水素原子またはフッ素原子を表し、mは1以上6以下の整数、nは2〜4の整数を表す。
Xは好ましくは酸素原子であり、mは好ましくは1または2であり、nは好ましくは3または4であり、これらの混合物を用いてもよい。
本発明のフッ素系ポリマーの製造に利用可能なモノマーの具体例を以下に挙げるが、本発明は以下の具体例によってなんら制限されるものではない。
Figure 2006195204
Figure 2006195204
Figure 2006195204
Figure 2006195204
Figure 2006195204
Figure 2006195204
Figure 2006195204
Figure 2006195204
本発明のフッ素系ポリマーの一例は、フルオロ脂肪族基含有モノマーより誘導される繰り返し単位と、下記一般式(1)で表される親水性基を含有する繰り返し単位とを有する共重合体である。
Figure 2006195204
上記一般式(1)において、R1、R2およびR3はそれぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。Qはカルボキシル基(−COOH)またはその塩、スルホ基(−SO3H)またはその塩、ホスホノキシ基{−OP(=O)(OH)2}またはその塩を表す。Lは下記の連結基群から選ばれる任意の基、またはそれらの2つ以上を組み合わせて形成される2価の連結基を表す。
(連結基群)
単結合、−O−、−CO−、−NR4−(R4は水素原子、アルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表す)、−S−、−SO2−、−P(=O)(OR5)−(R5はアルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表す)、アルキレン基およびアリーレン基。
一般式(1)中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子または下記に例示した置換基群から選ばれる置換基を表す。
(置換基群)
アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリール基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルキニル基であり、例えば、プロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えば、フェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基などが挙げられる)、アラルキル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12のアラルキル基であり、例えば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基などが挙げられる)、置換もしくは無置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6のアミノ基であり、例えば、無置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アニリノ基などが挙げられる)、
アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜10のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは2〜10のアルコキシカルボニル基であり、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは2〜10のアシルオキシ基であり、例えば、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10のアシルアミノ基であり、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニルアミノ基であり、例えば、メトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12のアリールオキシカルボニルアミノ基であり、例えば、フェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニルアミノ基であり、例えば、メタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12のスルファモイル基であり、例えば、スルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基などが挙げられる)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のカルバモイル基であり、例えば、無置換のカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基などが挙げられる)、
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のアルキルチオ基であり、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールチオ基であり、例えば、フェニルチオ基などが挙げられる)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニル基であり、例えば、メシル基、トシル基などが挙げられる)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルフィニル基であり、例えば、メタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のウレイド基であり、例えば、無置換のウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基などが挙げられる)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のリン酸アミド基であり、例えば、ジエチルリン酸アミド基、フェニルリン酸アミド基などが挙げられる)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12のヘテロ環基であり、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を有するヘテロ環基であり、例えば、イミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基などが挙げられる)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは、炭素数3〜24のシリル基であり、例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる)が含まれる。これらの置換基はさらにこれらの置換基によって置換されていてもよい。また、置換基を二つ以上有する場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに結合して環を形成していてもよい。
1、R2およびR3はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、または後述する−L−Qで表される基であることが好ましく、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、塩素原子、−L−Qで表される基であることがより好ましく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基であることがさらに好ましく、水素原子、炭素数1〜2のアルキル基であることが特に好ましく、R2およびR3が水素原子で、R1が水素原子またはメチル基であることが最も好ましい。該アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基等が挙げられる。該アルキル基は、適当な置換基を有していても良い。該置換基としては、ハロゲン原子、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、ヒドロキシル基、アシルオキシ基、アミノ基、アルコキシカルボニル基、アシルアミノ基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホニル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、スルホリル基、カルボキシル基などが挙げられる。なお、アルキル基の炭素数は、置換基の炭素原子を含まない。以下、他の基の炭素数についても同様である。
Lは、上記連結基群から選ばれる2価の連結基、またはそれらの2つ以上を組み合わせて形成される2価の連結基を表す。上記連結基群中、−NR4−のR4は、水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を表し、好ましくは水素原子又はアルキル基である。また、−PO(OR5)−のR5はアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表し、好ましくはアルキル基である。R4およびR5がアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す場合の炭素数は「置換基群」で説明したものと同じである。Lとしては、単結合、−O−、−CO−、−NR4−、−S−、−SO2−、アルキレン基またはアリーレン基を含むことが好ましく、単結合、−CO−、−O−、−NR4−、アルキレン基又はアリーレン基を含んでいることが特に好ましく、−CO−、−O−、−NR4−、又はアリーレン基を含んでいることが最も好ましい。Lがアルキレン基を含む場合、アルキレン基の炭素数は好ましくは1〜10、より好ましくは1〜8、特に好ましくは1〜6である。特に好ましいアルキレン基の具体例として、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラブチレン、ヘキサメチレン基等が挙げられる。Lが、アリーレン基を含む場合、アリーレン基の炭素数は、好ましくは6〜24、より好ましくは6〜18、特に好ましくは6〜12である。特に好ましいアリーレン基の具体例として、フェニレン、ナフタレン基等が挙げられる。Lが、アルキレン基とアリーレン基を組み合わせて得られる2価の連結基(即ちアラルキレン基)を含む場合、アラルキレン基の炭素数は、好ましくは7〜34、より好ましくは7〜26、特に好ましくは7〜16である。特に好ましいアラルキレン基の具体例として、フェニレンメチレン基、フェニレンエチレン基、メチレンフェニレン基等が挙げられる。Lとして挙げられた基は、適当な置換基を有していてもよい。このような置換基としては先にR1〜R3における置換基として挙げた置換基と同様なものを挙げることができる。
以下にLの具体的構造を例示するが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
Figure 2006195204
Figure 2006195204
前記式(1)中、Qはカルボキシル基、カルボキシル基の塩(例えばリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩(例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、トリメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム、ジメチルフェニルアンモニウムなど)、ピリジニウム塩など)、スルホ基、スルホ基の塩(塩を形成するカチオンの例は上記カルボキシル基に記載のものと同じ)、ホスホノキシ基、ホスホノキシ基の塩(塩を形成するカチオンの例は上記カルボキシル基に記載のものと同じ)を表す。より好ましくはカルボキシル基、スルホ基、ホスホノキシ基であり、特に好ましいのはカルボキシル基またはスルホ基であり、最も好ましいのはカルボキシル基である。
本発明のフッ素系ポリマーの製造に利用可能な前記式(1)に対応するモノマーの具体例を以下に挙げるが、本発明は以下の具体例によってなんら制限されるものではない。
Figure 2006195204
Figure 2006195204
Figure 2006195204
前記フッ素系ポリマーは、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を一種含んでいてもよいし、二種以上含んでいてもよい。また、前記フッ素系ポリマーは、上記各繰り返し単位以外の他の繰り返し単位を一種または二種以上有していてもよい。前記他の繰り返し単位については特に制限されず通常のラジカル重合反応可能なモノマーから誘導される繰り返し単位が好ましい例として挙げられる。以下、他の繰り返し単位を誘導するモノマーの具体例を挙げる。前記フッ素系ポリマーは、下記モノマー群から選ばれる一種または二種以上のモノマーから誘導される繰り返し単位を含有していてもよい。
モノマー群
(1)アルケン類
エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、ヘキサフルオロプロペン、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデンなど;
(2)ジエン類
1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−n−プロピル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、1−α−ナフチル−1,3−ブタジエン、1−β−ナフチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1−ブロモ−1,3−ブタジエン、1−クロロブタジエン、2−フルオロ−1,3−ブタジエン、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1,1,2−トリクロロ−1,3−ブタジエン及び2−シアノ−1,3−ブタジエン、1,4−ジビニルシクロヘキサンなど;
(3)α,β−不飽和カルボン酸の誘導体
(3a)アルキルアクリレート類
メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、tert−オクチルアクリレート、ドデシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−クロロエチルアクリレート、2−ブロモエチルアクリレート、4−クロロブチルアクリレート、2−シアノエチルアクリレート、2−アセトキシエチルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、2−クロロシクロヘキシルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、ω−メトキシポリエチレングリコールアクリレート(ポリオキシエチレンの付加モル数:n=2ないし100のもの)、3−メトキシブチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−ブトキシエチルアクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアクリレート、1−ブロモ−2−メトキシエチルアクリレート、1,1−ジクロロ−2−エトキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレートなど);
(3b)アルキルメタクリレート類
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、アリルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、クレジルメタクリレート、ナフチルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、3−メトキシブチルメタクリレート、ω−メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(ポリオキシエチレンの付加モル数:n=2ないし100のもの)、2−アセトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、2−ブトキシエチルメタクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレート、アリルメタクリレート、2−イソシアナトエチルメタクリレートなど;
(3c)不飽和多価カルボン酸のジエステル類
マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、イタコン酸ジメチル、タコン酸ジブチル、クロトン酸ジブチル、クロトン酸ジヘキシル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジメチルなど;
(3d)α、β−不飽和カルボン酸のアミド類
N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N−tertブチルアクリルアミド、N−tertオクチルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−(2−アセトアセトキシエチル)アクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−アクリロイルモルフォリン、ジアセトンアクリルアミド、N−メチルマレイミドなど;
(4)不飽和ニトリル類
アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど;
(5)スチレンおよびその誘導体
スチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、p−tertブチルスチレン、p−ビニル安息香酸メチル、α−メチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、ビニルナフタレン、p−メトキシスチレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、p−アセトキシスチレンなど;
(6)ビニルエステル類
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、クロロ酢酸ビニル、メトキシ酢酸ビニル、フェニル酢酸ビニルなど;
(7)ビニルエーテル類
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、n−ドデシルビニルエーテル、n−エイコシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、フルオロブチルビニルエーテル、フルオロブトキシエチルビニルエーテルなど;および
(8)その他の重合性単量体
N−ビニルピロリドン、メチルビニルケトン、フェニルビニルケトン、メトキシエチルビニルケトン、2−ビニルオキサゾリン、2−イソプロペニルオキサゾリンなど。
フルオロ脂肪族基を有さない、他の繰り返し単位を誘導するモノマーとしては、下記一般式(B1)で表されるモノマーが好適に用いられる。
Figure 2006195204
上記一般式(B1)において、R6は水素原子またはメチル基を表し、Zは2価の連結基を表し、R7は置換基を有しても良いポリ(アルキレンオキシ)基または置換基を有しても良い炭素数1以上20以下の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基を表す。Zで表される2価の連結基としては、酸素原子、イオウ原子、または−N(R5)−が好ましい。ここで、R5は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピルまたはブチルが好ましい。R5はより好ましくは、水素原子またはメチルである。Zは、酸素原子、−NH−、または−N(CH3)−であることが特に好ましい。
上記一般式(B1)において、ポリ(アルキレンオキシ)基は(RO)xで表すことができ、Rは2〜4個の炭素原子を有するアルキレン基、例えば−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、または−CH(CH3)CH(CH3)−であることが好ましい。
上記ポリ(アルキレンオキシ)基中のアルキレンオキシ単位は、例えばポリ(プロピレンオキシ)のように全ての単位が同一であっても良く、また互いに異なる二種以上のアルキレンオキシ単位が不規則に分布したもの(例えば、直鎖プロピレンオキシ単位、分岐状プロピレンオキシ単位およびエチレンオキシ単位が不規則に分布したもの)であっても良く、また互いに異なる二種以上のアルキレンオキシ単位のブロックが結合したもの(例えば、直鎖または分岐状のプロピレンオキシ単位のブロックとエチレンオキシ単位のブロックが結合したもの)であっても良い。
このポリ(アルキレンオキシ)鎖として、複数のポリ(アルキレンオキシ)単位同士が1つまたはそれ以上の連結基(例えば−CONH−Ph−NHCO−、−S−など、ここでPhはフェニレン基を表す)で連結されたものも含むことができる。連結基が3価またはそれ以上の原子価を有する場合には、これにより分岐鎖状のアルキレンオキシ単位を得ることができる。またこの共重合体を第1の態様に用いる場合には、ポリ(アルキレンオキシ)基の分子量は250〜3000が適当である。
7で表される炭素数1以上20以下の直鎖、分岐または環状のアルキル基としては、直鎖及び分岐してもよいメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、エイコサニル基等、また、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の単環シクロアルキル基及びビシクロヘプチル基、ビシクロデシル基、トリシクロウンデシル基、テトラシクロドデシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロデシル基等の多環シクロアルキル基が好適に用いられる。
7で表されるポリ(アルキレンオキシ)基またはアルキル基の置換基としては、水酸基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、カルボキシル基、アルキルエーテル基、アリールエーテル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基等があげられるがこの限りではない。
上記一般式(B1)で表されるモノマーは、アルキル(メタ)アクリレートまたはポリ(アルキレンオキシ)(メタ)アクリレートであることが特に好ましい。
上記一般式(B1)で示されるモノマーの具体例を次に示すが、以下の具体例によってなんら制限されるものではない
Figure 2006195204
Figure 2006195204
Figure 2006195204
Figure 2006195204
Figure 2006195204
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Figure 2006195204
Figure 2006195204
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なお、ポリ(アルキレンオキシ)アクリレート及びメタクリレートは、市販のヒドロキシポリ(アルキレンオキシ)材料、例えば商品名“プルロニック”[Pluronic(旭電化工業(株)製)、“アデカポリエーテル”(旭電化工業(株)製)“カルボワックス”[Carbowax(グリコ・プロダクス)]、“トリトン”[Toriton(ローム・アンド・ハース(Rohm and Haas製))および“P.E.G”(第一工業製薬(株)製)として販売されているものを公知の方法でアクリル酸、メタクリル酸、アクリルクロリド、メタクリルクロリドまたは無水アクリル酸等と反応させることによって製造できる。
別に、公知の方法で製造したポリ(オキシアルキレン)ジアクリレート等を用いることもできる。
前記フッ素系ポリマー中、フルオロ脂肪族基含有モノマーの量は、該ポリマーの構成モノマー総量の20質量%以上であるのが好ましく、40質量%以上であるのがより好ましく、60質量%以上であるのがさらに好ましい。前記フッ素系ポリマーにおいて、前記一般式(1)で表される繰り返し単位の量は、該フッ素ポリマーの構成モノマー総量の1質量%以上であるのが好ましく、1〜50質量%であるのがより好ましく、1〜30質量%であるのが特に好ましく、1〜20質量%であるのが最も好ましい。
前記フッ素系ポリマーの質量平均分子量は1000以上1,000,000以下であるのが好ましく、1000以上500,000以下であるのがより好ましく、1000以上100,000以下であるのがさらに好ましい。質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて、ポリスチレン(PS)換算の値として測定可能である。
前記フッ素系ポリマーを製造する際に採用される重合方法は、特に限定されるものではないが、例えば、ビニル基を利用したカチオン重合やラジカル重合、あるいは、アニオン重合等の重合方法を採ることができ、これらの中ではラジカル重合が汎用に利用できる点で特に好ましい。ラジカル重合の重合開始剤としては、ラジカル熱重合開始剤や、ラジカル光重合開始剤等の公知の化合物を使用することができるが、特に、ラジカル熱重合開始剤を使用することが好ましい。ここで、ラジカル熱重合開始剤は、分解温度以上に加熱することにより、ラジカルを発生させる化合物である。このようなラジカル熱重合開始剤としては、例えば、ジアシルパーオキサイド(アセチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等)、ケトンパーオキサイド(メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等)、ハイドロパーオキサイド(過酸化水素、tert−ブチルハイドパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等)、ジアルキルパーオキサイド(ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド等)、パーオキシエステル類(tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシピバレート等)、アゾ系化合物(アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル等)、過硫酸塩類(過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等)が挙げられる。このようなラジカル熱重合開始剤は、一種を単独で使用することもできるし、あるいは二種以上を組み合わせて使用することもできる。
ラジカル重合方法は、特に制限されるものでなく、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法、溶液重合法等を採ることが可能である。典型的なラジカル重合方法である溶液重合についてさらに具体的に説明する。他の重合方法についても概要は同等であり、その詳細は例えば「高分子科学実験法」高分子学会編(東京化学同人、1981年)等に記載されている。
溶液重合を行うためには有機溶媒を使用する。これらの有機溶媒は本発明の目的、効果を損なわない範囲で任意に選択可能である。これらの有機溶媒は通常、大気圧下での沸点が50〜200℃の範囲内の値を有する有機化合物であり、各構成成分を均一に溶解させる有機化合物が好ましい。好ましい有機溶媒の例を示すと、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類;ジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、γ−ブチロラクトン等のエステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;が挙げられる。なお、これらの有機溶媒は、一種単独または二種以上を組み合わせて用いることが可能である。さらに、モノマーや生成するポリマーの溶解性の観点から上記有機溶媒に水を併用した水混合有機溶媒も適用可能である。
また、溶液重合条件も特に制限されるものではないが、例えば、50〜200℃の温度範囲内で、10分〜30時間加熱することが好ましい。さらに、発生したラジカルが失活しないように、溶液重合中はもちろんのこと、溶液重合開始前にも、不活性ガスパージを行うことが好ましい。不活性ガスとしては通常窒素ガスが好適に用いられる。
前記フッ素系ポリマーを好ましい分子量範囲で得るためには、連鎖移動剤を用いたラジカル重合法が特に有効である。連鎖移動剤としてはメルカプタン類(例えば、オクチルメルカプタン、デシルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、オクタデシルメルカプタン、チオフェノール、p−ノニルチオフェノール等)、ポリハロゲン化アルキル(例えば、四塩化炭素、クロロホルム、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,1−トリブロモオクタンなど)、低活性モノマー類(α−メチルスチレン、α−メチルスチレンダイマー等)のいずれも用いることができるが、好ましくは炭素数4〜16のメルカプタン類である。これらの連鎖移動剤の使用量は、連鎖移動剤の活性やモノマーの組み合わせ、重合条件などにより著しく影響され精密な制御が必要であるが、通常は使用するモノマーの全モル数に対して0.01モル%〜50モル%程度であり、好ましくは0.05モル%〜30モル%、特に好ましくは0.08モル%〜25モル%である。これらの連鎖移動剤は、重合過程において重合度を制御するべき対象のモノマーと同時に系内に存在させればよく、その添加方法については特に問わない。モノマーに溶解して添加してもよいし、モノマーと別途に添加することも可能である。
以下に、本発明で好ましく用いられるフルオロ脂肪族基含有ポリマーの具体例を示すが、本発明はこれらの具体例によってなんら限定されるものではない。ここで式中の数値は、それぞれ各モノマーの組成比を示す質量百分率であり、MwはGPCにより測定されたPS換算の質量平均分子量である。a、b、c、d等の数値は質量比を表す。
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前記フッ素系ポリマーを二種以上用いてもよく、その含有量についても特に制限はなく、液晶性化合物の分子を安定的に配向させるのに、またハジキ又はムラの発生の軽減に寄与する量を用いればよい。前記フッ素系ポリマーは、少量であってもかかる効果を奏し、一般的には、光学異方性層形成用の組成物(塗布液である場合は溶媒を除いた組成物)中、0.005〜8質量%であるのが好ましく、0.01〜5質量%であるのがより好ましく、0.05〜2.5質量%であるのがさらに好ましい。前記フッ素系ポリマーの添加量が前記範囲であると、その効果を充分に発揮できるとともに、塗膜の乾燥性を損なうこともなくレターデーション等の光学特性が均一な光学補償シートを作製することができる。
本発明の光学補償シートは、液晶性化合物、前記1,3,5−トリアジン環基を有する化合物、前記フッ素系ポリマー、及びその他必要に応じて添加する各種化合物を含有する組成物を、配向膜上に塗布し、液晶性化合物の分子を配向させることにより光学異方性層を形成する工程を含む方法によって作製することができる。前記光学異方性層は、液晶性化合物の分子の配向によって発現された光学異方性を示す。以下に、本発明の光学補償シートの光学異方性層に用いられる材料のうち、前記で説明した1,3,5−トリアジン環基を有する化合物及びフッ素系ポリマー以外の材料について詳細に説明する。
[液晶性化合物]
本発明には、液晶性化合物として、棒状液晶性化合物およびディスコティック液晶性化合物のいずれを用いてもよく、また高分子液晶および低分子液晶のいずれを用いてもよい。さらに、光学異方性層を形成した後は、例えば光学異方性層中に低分子液晶が架橋された状態で含有され、もはや液晶性を示さなくなってもよい。本発明に用いる液晶性化合物としては、ディスコティック液晶性化合物が好ましい。
棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。なお、棒状液晶性化合物には、金属錯体の液晶性化合物も含まれる。また、棒状液晶性化合物を繰り返し単位中に含む液晶ポリマーも、棒状液晶性化合物として用いることができる。言い換えると、棒状液晶性化合物は、(液晶)ポリマーと結合していてもよい。棒状液晶性化合物については、季刊化学総説第22巻液晶の化学(1994)日本化学会編の第4章、第7章および第11章、および液晶デバイスハンドブック日本学術振興会第142委員会編の第3章に記載がある。棒状液晶性化合物の複屈折率は、0.001〜0.7の範囲にあることが好ましい。棒状液晶性化合物は、その配向状態を固定するために、重合性基を有することが好ましい。棒状液晶性化合物については国際公開WO01/88574号公報50頁7行〜57頁末行に記載されている。
ディスコティック液晶性化合物の例としては、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physics lett,A,78巻、82頁(1990)に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体およびJ.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルなどを挙げることができる。さらに、ディスコティック液晶性化合物としては、一般的にこれらを分子中心の母核とし、直鎖のアルキル基やアルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基等がその直鎖として放射線状に置換された構造のものも含まれ、液晶性を示す。ディスコティック液晶性化合物の好ましい例は、特開平8−50206号公報に記載されている。
本発明に用いる液晶性化合物としては、トリフェニレン液晶が特に好ましい。本発明に用いられるトリフェニレン液晶の例としては、前記C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)、またはB.Moureyらの研究報告、Mol.Cryst.84巻、193頁(1982年)に記載されているトリフェニレン誘導体などを挙げることができる。特に好ましいトリフェニレン液晶としては、特開平7−306317号公報記載の一般式(1)〜(3)にて表されるトリフェニレン誘導体、特開平7−309813号公報記載の一般式(I)で表されるトリフェニレン誘導体、および特開2001−100028号公報記載の一般式(I)で表されるトリフェニレン誘
導体を挙げることができる。
また、光学異方性層が最終的に形成された際に、液晶性化合物はもはや液晶性化合物である必要はない。例えば、低分子のディスコティック液晶性化合物が、熱、光等で反応する基を有しており、結果的に熱、光等で反応により重合または架橋し、高分子量化して、液晶性を失ってもよい。ディスコティック液晶性化合物の重合については、特開平8−27284号公報に記載があり、本発明にも適用することができる。
ディスコティック液晶性化合物を重合により固定する方法の一例として、ディスコティック液晶性化合物として、ディスコティックコアに置換基として重合性基が結合した液晶性化合物を用い、ハイブリッド配向させた後、前記液晶性化合物を重合させて固定する方法がある。但し、ディスコティックコアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる傾向にある。そこで、ディスコティックコアと重合性基との間に、連結基を導入することが好ましい。重合性基を有する好ましいディスコティック液晶性化合物としては、下記式(2)で表わされる化合物が挙げられる。
一般式(2)
D(−L−P)n
式中、Dはディスコティックコアを表し、Lは二価の連結基を表し、Pは重合性基を表し、nは2〜12のいずれかの整数を表す。前記ディスコティック液晶性化合物の具体例としては、国際公開WO01/88574号公報の58頁6行〜65頁8行に記載されている。
本発明で用いられる最も好ましい液晶性化合物としては、特開平7−306317号公報記載の一般式(1)〜(3)にて表されるトリフェニレン誘導体、特開平7−309813号公報記載の一般式(I)で表されるトリフェニレン誘導体、および特開2001−100028号公報記載の一般式(I)で表されるトリフェニレン誘導体の中でも、トリフェニレンコアと重合性基との間に連結基を有する化合物を挙げることができる。
本発明では、二種類以上の液晶性化合物を併用してもよい。また、例えば、上記の重合性ディスコティック液晶性化合物と非重合性ディスコティック液晶性化合物とを併用することも可能である。非重合性ディスコティック液晶性化合物は、前述した重合性ディスコティック液晶性化合物の重合性基(式(2)中のP)を、水素原子またはアルキル基に変更した化合物であることが好ましい。すなわち、非重合性ディスコティック液晶性化合物は、下記式(3)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(3)
D(−L−R)n
式中、Dは円盤状コアを、Lは二価の連結基を、Rは水素原子またはアルキル基を表し、nは4〜12の整数である。
[光学異方性層の添加剤]
前記光学異方性層を形成する際に用いる組成物中には、前記液晶性化合物、前記1,3,5−トリアジン環基を有する化合物、前記フッ素系ポリマーの他に、任意の添加剤を併用することができる。添加剤の例としては、ハジキ防止剤、配向膜のチルト角(光学異方性層/配向膜界面での液晶性化合物のチルト角)を制御するための添加剤、重合開始剤、配向温度を低下させる添加剤(可塑剤)、重合性モノマー等である。以下、各添加剤について詳細に説明する。
[ハジキ防止剤]
液晶性化合物、特にディスコティック液晶性化合物とともに使用して、塗布時のハジキを防止するための材料としては、一般に高分子化合物を好適に用いることができる。使用するポリマーとしては、液晶性化合物と相溶性を有し、液晶性化合物のチルト角変化や配向を著しく阻害しない限り、特に制限はない。ハジキ防止剤として使用可能なポリマーの例としては、特開平8−95030号公報に記載があり、特に好ましい具体的ポリマー例としてはセルロースエステル類を挙げることができる。セルロースエステルの例としては、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロースおよびセルロースアセテートブチレートを挙げることができる。液晶性化合物の配向を阻害しないように、ハジキ防止目的で使用されるポリマーの添加量は、液晶性化合物に対して一般に0.1〜10質量%の範囲であるのが好ましく、0.1〜8質量%の範囲にあるのがより好ましく、0.1〜5質量%の範囲にあるのがさらに好ましい。
[配向膜チルト角制御剤]
配向膜のチルト角を制御する添加剤として、分子内に極性基と非極性基の両方を有する化合物を添加することができる。極性基を有する化合物としては、R−OH、R−COOH、R−O−R、R−NH2、R−NH−R、R−SH、R−S−R、R−CO−R、R−COO−R、R−CONH−R、R−CONHCO−R、R−SO3H、R−SO3−R、R−SO2NH−R、R−SO2NHSO2−R、R−C=N−R、HO−P(−OR)2、(HO−)2P−OR、P(−OR)3、HO−PO(−OR)2、(HO−)2PO−OR、PO(−OR)3、R−NO2、R−CN、等が例として挙げられる。また、有機塩(例えば、アンモニウム塩、ピリジニウム塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩)でもかまわない。前記極性基を有する化合物の中でも、R−OH、R−COOH、R−O−R、R−NH2、R−SO3H、HO−PO(−OR)2、(HO−)2PO−OR、PO(−OR)3もしくは有機塩が好ましい。ここで、上記各Rは非極性基を表し、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30の直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数1〜30の直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基)、アルキニル基(好ましくは炭素数1〜30の直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基)、アリール基(好ましくは、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシリル基)が例として挙げられる。これらの非極性基はさらに置換基を有していてもよく、置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールアゾ基、ヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が例として挙げられる。
前記組成物に配向膜チルト制御剤を添加し、配向膜チルト制御剤の存在下で液晶性化合物の分子を配向させることで、配向膜側界面における液晶性分子のチルト角を調整することができるが、その時の変化量はラビング密度に関係がある。ラビング密度が高い配向膜とラビング密度の低い配向膜を比較すれば、ラビング密度の低い配向膜の方が、配向膜チルト制御剤の添加量が同一であっても、チルト角が変わりやすい。したがって、配向膜チルト制御剤の添加量の好ましい範囲は、用いる配向膜のラビング密度および所望のチルト角の大きさ等によって変動するが、一般的には、液晶性化合物の質量に対して0.0001質量%〜30質量%であるのが好ましく、0.001質量%〜20質量%であるのがより好ましく、0.005質量%〜10質量%であるのがさらに好ましい。本発明に使用可能な配向膜チルト制御剤の具体例を以下に示すが、本発明は以下の具体例によってなんら限定されるものではない。
Figure 2006195204
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[重合開始剤]
液晶性化合物の分子を配向状態に固定して光学異方性層を形成するのが好ましく、重合反応を利用して液晶性化合物の分子を固定するのが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれるが、熱により支持体等が変形、変質するのを防ぐためにも、光重合反応が好ましい。光重合開始剤の例、光重合開始財の使用量、および重合のための光照射エネルギーの値の各々は特開2001−91741号公報の段落[0050]〜[0051]の記載が本発明に適用できる。
[重合性モノマー]
液晶性化合物とともに重合性モノマーを使用してもよい。本発明に使用可能な重合性モノマーとしては、液晶性化合物と相溶性を有し、液晶性化合物のチルト角変化や配向阻害を著しく引き起こさない限り、特に限定はない。これらの中では重合活性なエチレン性不飽和基、例えばビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基およびメタクリロイル基などを有する化合物が好ましく用いられる。上記重合性モノマーの添加量は、液晶性化合物に対して一般に1〜50質量%の範囲にあり、5〜30質量%の範囲にあることが好ましい。また反応性官能基数が2以上のモノマーを用いると、配向膜と光学異方性層間の密着性を高める効果が期待できるため、特に好ましい。
[塗布溶剤]
前記組成物は、塗布液として調製してもよい。塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましい。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
[塗布方式]
塗布液の配向膜表面への塗布は、公知の方法(例えば、ワイヤバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
また、塗布液における液晶性化合物の含有量については、用いる液晶性化合物の種類等に応じてその好ましい範囲が変動するが、一般的には、1〜50質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましく、20〜40質量%がさらに好ましい。
[光学異方性層の製造方法]
光学異方性層は、支持体表面に直接又は配向膜表面に、液晶性化合物等を含有する組成物を適用して形成することができる。光学異方性層形成用の組成物は、液晶性化合物、および種々の添加剤を含有する。これらの原料を溶媒に溶解して塗布液として、支持体表面等に塗布するのが好ましい。光学異方性層の形成に用いられる配向膜については特に制限はなく、ポリビニルアルコール等のポリマー層を形成した後、該ポリマー層の表面を所定の方向にラビング処理することによって形成された配向膜などが利用できる。なお、配向膜は光学異方性層の形成時のみに用い、光学異方性層を形成した後は、剥離可能な場合は剥離してもよい。かかる場合は、仮支持体上に配向膜を形成し、配向膜上で光学異方性層を形成した後に、該光学異方性層を、透明支持体に転写して、本発明の光学補償シートを作製してもよい。
前記塗布液を、支持体表面もしくは配向膜表面に塗布した後、液晶性分子を所望の配向状態にする。以下、液晶性分子をハイブリッド配向させて、光学異方性層を形成する方法について、詳細に説明する。まず、液晶性化合物を、前記1,3,5−トリアジン環基を有する化合物、前記フッ素系ポリマー、および所望により他の添加剤の存在下で水平配向させ(第一の配向工程)、その後、水平配向した液晶性化合物をハイブリッド配向に転移させる(第二の配向工程)のが好ましい。この方法によれば、配向欠陥などの欠陥の少ないハイブリッド配向に、迅速に転移させることができ、生産性が改善される。
前記第一および/または第二の配向工程において、液晶性化合物に電場、磁場、放射線および熱の少なくとも一種を供与することによって、液晶性化合物を水平配向および/またはハイブリッド配向させることができる。例えば、第一と第二の配向工程において、外部から供与するエネルギーの大きさを変化させる(例えば、加熱により配向させる場合は、加熱温度を変化させる)ことによって、または供与するエネルギーの種類を替えることによって、液晶性化合物の配向状態を水平配向からハイブリッド配向へ転移することができる。製造適性の観点から、前記第一および第二の配向工程において、液晶性化合物の加熱温度を変化させることによって、水平配向からハイブリッド配向に転移させるのが好ましい。
前述した様に、外部からのエネルギーの供与によって、液晶性化合物を所望の配向状態に配向させることができるが、光学異方性層を配向膜上に形成することによって、または液晶性化合物の配向状態を制御し得る化合物(水平配向化剤等)を光学異方性層に添加することによっても、所望の配向状態を達成することもできる。特に、前記フッ素系ポリマーとともに、前記1,3,5−トリアジン環基を有する化合物等の水平配向を促進する添加剤を用いると、より迅速に、欠陥の少ないハイブリッド配向の光学異方性層を製造できるので好ましい。
前記光学異方性層の製造方法の好ましい態様としては、以下の方法を挙げることができる。
液晶性化合物、前記1,3,5−トリアジン環基を有する化合物、前記フッ素系ポリマー、および所望により各種添加剤の存在下で、液晶性化合物を温度T1℃で水平配向させる第一の配向工程と、前記第一の配向工程の後、液晶性化合物を温度T2℃(但し、T1<T2)でハイブリッド配向させる第二の配向工程と、ハイブリッド配向した液晶性化合物をその配向状態に固定する固定化工程を含む光学異方性層の製造方法である。
前記第一の配向工程では、ネマチック相形成温度まで加熱し、さらに液晶相状態において水平配向状態をとる温度(T1℃)まで昇温する(第一の配向工程)。温度T1℃において、前記液晶(特にディスコティック液晶)は水平配向状態になる。その後、該液晶相状態を呈する温度範囲の高温度領域(T2℃)までさらに昇温して、ハイブリッド配向状態に転移させる(第二の配向工程)。最後に、UV光の照射等により重合し、配向状態を固定化する(固定化工程)。この製造方法によれば、液晶性化合物、特にディスコティック液晶性化合物が、ハイブリッド配向してなる光学異方性層を配向欠陥の発生を抑制しつつ、迅速に製造できる。
前記製造方法では、液晶性化合物の配向過程における温度制御が重要である。水平配向状態を呈する温度(T1℃)としては、50〜200℃が好ましく、70〜200℃がより好ましく、70〜120℃が特に好ましい。
水平配向状態を呈する温度(T1℃)は、ハイブリッド配向状態を呈する温度(T2℃)よりも低温である。その温度差(T2−T1)は10℃以上であるのが好ましく、20℃以上であるのがより好ましい。
なお、T1およびT2℃は、光学異方性層の膜面温度として測定される温度である。
液晶性化合物が水平配向化状態を呈する温度は、液晶性化合物および前述の添加剤の種類や添加量によって任意に制御することができ、それに応じて温度、T1およびT2を設定することができる。また、T1℃およびT2℃の各温度に維持する時間、ならびにT1℃からT2℃に変化させる時間については、液晶性化合物の種類等に応じて、適宜設定することができる。
[光学異方性層の特性]
光学異方性層の厚さは、0.1〜20μmであることが好ましく、0.5〜15μmであることがさらに好ましく、1〜10μmであることが最も好ましい。
光学異方性層形成用の組成物を配向膜上に適用すると、液晶性分子は配向膜との界面では配向膜のチルト角で配向し、空気との界面では空気界面のチルト角で配向する。前記組成物を配向膜の表面に塗布後、液晶性化合物を均一配向(モノドメイン配向)させることで、実態ではないが、イメージで表すと空気界面から配向膜界面に向けて、つまり光学異方性層の深さ方向に液晶性化合物のチルト角(ディスコティック液晶性化合物の円盤面の法線と透明支持体の配向膜を設ける面の法線とがなす角)が連続的に変化するハイブリッド配向を実現することができる。液晶性分子をハイブリッド配向させ、且つその配向状態に固定することによって形成された光学異方性層を有する光学補償シートは、液晶表示装置の視野角の拡大に寄与し、並びに視角変化に対するコントラスト低下、階調または黒白反転、および色相変化等を防止するのに寄与する。
前記フッ素系ポリマーの存在下では、液晶性分子を、空気界面のチルト角50°以上で配向させることができる。光学補償能を発揮できる状態のハイブリッド配向を実現するためには、配向膜側の液晶性分子のチルト角は3°〜30°とするのが好ましい。この配向膜側の液晶性分子のチルト角は、前記した方法(配向膜のラビング密度、配向膜チルト角制御剤等)により制御することができる。一方、空気界面側の液晶性分子のチルト角は、前記フッ素系ポリマーを用いることによって、および所望により添加される他の化合物を選択することにより調整することができ、本発明の光学補償シートを適用する液晶表示装置の表示モードに応じて、好ましいハイブリッド配向状態を実現することができる。
[チルト角]
本明細書において「チルト角」とは、液晶性化合物の分子の長軸方向と界面(配向膜界面あるいは空気界面)との法線がなす角度を指し、本発明では、配向膜側のチルト角は3°〜30°、空気界面側のチルト角は40〜80°であるのが好ましい。配向膜側のチルト角は小さすぎると、液晶性化合物、特にディスコティック液晶性化合物をモノドメイン配向させるのに要する時間が長くなるため大きい方が好ましいが、チルト角が大きくなりすぎると、光学補償シートとして好ましい光学性能が得られなくなるため逆に好ましくない。したがって、モノドメイン化時間の短縮と光学補償シートとしての好ましい光学性能との両立の観点から、好ましい配向膜側のチルト角は5°〜50°であり、更に好ましくは10〜50°であり、特に好ましいのは10〜30°である。また、好ましい空気界面側のチルト角は40〜80°であり、更に好ましくは50〜80°であり、特に好ましいのは50〜70°である。配向膜側のチルト角は、配向膜のラビング密度、あるいは前述の配向膜チルト角制御剤の添加などにより、数度〜数十度の範囲で制御可能である。なお、上述した様に、光学異方性層が一旦形成された後、転写などにより2つの層間に配置されている場合等は、必ずしも光学異方性層の界面は配向膜界面と空気界面とでなく、かかる態様では、光学異方性層が有する2つの界面のうち一方の界面側および他方の界面側それぞれにおける液晶性化合物のチルト角が、上記配向膜側チルト角の範囲および上記空気界面側のチルト角の範囲であることが好ましい。特に、上記光学異方性層の配向膜界面のディスコティック液晶性化合物のチルト角θ1は10°≦θ1≦30°を満足することが好ましい。
2つの界面のチルト角は、光学異方性層の配向膜側の面における傾斜角(ディスコティック液晶性化合物等における物理的な対称軸が光学異方性層の界面となす角度)θ1および空気界面側の面の傾斜角θ2を求めることによって得られる。θ1およびθ2を直接的にかつ正確に測定することは困難であるため、本明細書においては算出を容易にするために下記の2点の仮定に基づいてθ1及びθ2を算出した。本手法は本発明の実際の配向状態を正確に表現していないが、光学補償シートのもつ一部の光学特性の相対関係を表す手段として有効である。
1.光学異方性層はディスコティック液晶性化合物等を含む層で構成された多層体と仮定する。さらに、それを構成する最小単位の層(ディスコティック液晶性化合物の傾斜角は該層内において一様と仮定)は光学的に一軸と仮定する。
2.各層の傾斜角は光学異方性層の厚み方向に沿って一次関数で単調に変化すると仮定する。
具体的な算出法は下記のとおりである。
(1)各層内の傾斜角が光学異方性層の厚み方向に沿って一次関数で単調に変化する面内で、光学異方性層への測定光の入射角を変化させ、3つ以上の測定角でレターデーション値を測定する。測定および計算を簡便にするためには、光学異方性層に対する法線方向を0°とし、少なくとも、−40°、0°及び+40°を含む3つ以上の測定角でレターデーション値を測定することが好ましい。このような測定KOBRA-21ADHおよびKOBRA-WR(王子計測器(株)製)、透過型のエリプソメーターAEP-100((株)島津製作所製)、M150およびM520(日本分光(株)製)、ABR10A(ユニオプト(株)製)で行うことができる。
(2)上記のモデルにおいて、各層の常光の屈折率をno、異常光の屈折率をne(neは各々すべての層において同じ値、noも同様とする)、及び多層体全体の厚みをdとする。さらに各層における傾斜方向とその層の一軸の光軸方向とは一致するとの仮定の元に、光学異方性層のレターデーション値の角度依存性の計算が測定値に一致するように、光学異方性層の一方の面における傾斜角θ1および他方の面の傾斜角θ2を変数としてフィッティングを行い、θ1およびθ2を算出する。
ここで、noおよびneは文献値、カタログ値等の既知の値を用いることができる。値が未知の場合はアッベ屈折計を用いて測定することもできる。光学異方性層の厚みは、光学干渉膜厚計、走査型電子顕微鏡の断面写真等により測定数することができる。測定波長は632.8nmである。
[配向膜]
配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、あるいはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けることができる。さらに、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。配向膜上に設けられる光学異方性層の液晶性化合物に所望の配向を付与できるのであれば、配向膜としてはどのような層でもよいが、本発明においては、配向膜のチルト角の制御し易さの点から、特にポリマーのラビング処理により形成する配向膜が特に好ましい。ラビング処理は、一般にはポリマー層の表面を、紙や布で一定方向に数回擦ることにより実施することができるが、特に本発明では「液晶便覧」(丸善(株))に記載されている方法により行うことが好ましい。配向膜の厚さは、0.01〜10μmであることが好ましく、0.05〜1μmであることがさらに好ましい。配向膜に用いられるポリマーは、多数の文献に記載があり、多数の市販品を入手することができる。本発明の光学補償フィルム用の配向膜ではポリビニルアルコールおよびその誘導体が好ましく用いられる。特に好ましくは、疎水性基が結合している変性ポリビニルアルコールが特に好ましい。配向膜については国際公開WO01/88574号公報の43頁24行〜49頁8行の記載を参照することができる。
[配向膜のラビング密度]
配向膜のラビング密度を変える方法としては、「液晶便覧」(丸善(株))に記載されている方法を用いることができる。ラビング密度(L)は式(A)で定量化されている。
式(A) L=Nl{1+(2πrn/60v)}
式(A)中、Nはラビング回数、lはラビングローラーの接触長、rはローラーの半径、nはローラーの回転数(rpm)、vはステージ移動速度(秒速)である。ラビング密度を高くするためには、ラビング回数を増やす、ラビングローラーの接触長を長く、ローラーの半径を大きく、ローラーの回転数を大きく、ステージ移動速度を遅くすればよく、一方、ラビング密度を低くするためには、この逆にすればよい。ラビング密度と配向膜のチルト角との間には、ラビング密度を高くするとチルト角は小さくなり、ラビング密度を低くするとチルト角は大きくなる関係がある。
なお、液晶性分子を配向させて、重合等によりその状態を固定すれば、配向膜がなくてもその配向状態を維持することができる。従って、前記光学異方性層を配向膜(例えば仮支持体上に形成された配向膜)上に形成した後、透明支持体上に光学異方性層のみを転写することによって、本発明の光学補償シートを作製することもできる。即ち、本発明には、配向膜を含まない光学補償シートの態様も含まれる。
[透明支持体]
本発明の光学補償シートは、支持体を有していてもよい。本発明に使用可能な支持体は、透明であるのが好ましく、光透過率が80%以上であるのが好ましい。光学的等方性のポリマーフィルムを用いるのが好ましい。ポリマーの具体例および好ましい態様は、特開2002−22942号公報の段落番号[0013]の記載を適用できる。また、従来知られているポリカーボネートやポリスルホンのような複屈折の発現しやすいポリマーであっても国際公開WO00/26705号公報明細書に記載の分子を修飾することで該発現性を低下させたものを用いることもできる。
ポリマーフィルムとしては、酢化度が55.0〜62.5%であるセルロースアセテートを使用することが好ましい。特に酢化度が57.0〜62.0%であることが好ましい。酢化度、およびその範囲、並びにセルロースアセテートの化学構造は、特開2002−196146号公報の段落番号[0021]の記載を適用できる。セルロースアシレートフィルムを非塩素系溶媒を用いて製造することについて、発明協会公開技報2001−1745号に詳しく記載されており、そこに記載されたセルロースアシレートフィルムも本発明に好ましく用いることができる。
透明支持体として用いるセルロースエステルフィルムの厚み方向のレターデーション値、および複屈折率の範囲は、特開2002−139621号公報の段落番号[0018]〜[0019]の記載を適用できる。
透明支持体として用いるポリマーフィルム、特にセルロースアシレートフィルムのレターデーションを調整するために、少なくとも二つの芳香族環を有する芳香族化合物をレターデーション上昇剤として使用することが好ましい。芳香族化合物の好ましい範囲、および使用量は、特開2002−139621号公報の段落番号[0021]〜[0023]の記載を適用できる。このようなレターデーション上昇剤については国際公開WO01/88574号公報、WO00/2619号公報、特開2000−111914号公報、同2000−275434号公報、同2002−363343号公報等に記載されている。
セルロースアシレートフィルムは、調製されたセルロースアシレート溶液(ドープ)から、ソルベントキャスト法によりを製造することが好ましい。ドープには、前記のレターデーション上昇剤を添加することが好ましい。調製したセルロースアシレート溶液(ドープ)を用いて、ドープの2層以上流延によるフィルム化もできる。フィルムの形成は、特開2002−139621号公報の段落番号[0038]〜[0040]の記載を適用できる。
セルロースアシレートフィルムは、さらに延伸処理によりレターデーションを調整することができる。延伸倍率は、3〜100%の範囲にあることが好ましい。前記セルロースアシレートフィルムを延伸する場合には、テンター延伸が好ましく使用され、遅相軸を高精度に制御するために、左右のテンタークリップ速度、離脱タイミング等の差をできる限り小さくすることが好ましい。
セルロースエステルフィルムには、機械的物性を改良するため、または乾燥速度を向上するために、可塑剤を添加することができる。可塑剤としては、特開2002−139621号公報の段落番号[0043]の態様、および好ましい範囲が本発明に適用できる。
セルロースエステルフィルムには、劣化防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)や紫外線防止剤を添加してもよい。劣化防止剤については、特開2002−139621号公報の段落番号[0044]の記載を適用できる。特に好ましい劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を挙げることができる。紫外線防止剤については、特開平7−11056号公報に記載がある。
セルロースアシレートフィルムの表面処理、および固体の表面エネルギーについては、特開2002−196146号公報の段落番号[0051]〜[0052]の記載を適用できる。
セルロースアシレートフィルムの厚さは、使用目的によって異なるが、通常5〜500μmの範囲であり、さらに20〜250μmの範囲が好ましく、特に30〜180μmの範囲が最も好ましい。なお、光学用途としては30〜110μmの範囲が特に好ましい。
[光学補償シートの用途]
本発明の光学補償シートは、偏光子(偏光膜)と組合せて楕円偏光板の用途に供することができる。さらに、透過型液晶表示装置に、偏光膜と組合せて適用することにより、視野角の拡大に寄与する。以下に、本発明の光学補償シートを利用した楕円偏光板および液晶表示装置について説明する。
[楕円偏光板]
本発明の光学補償シートと偏光膜を積層することによって楕円偏光板を作製することができる。本発明の光学補償シートを利用することにより、液晶表示装置の視野角を拡大しうる楕円偏光板を提供することができる。前記偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。偏光膜の偏光軸は、フィルムの延伸方向に垂直な方向に相当する。
偏光膜は前記光学補償シートの光学異方性層側に積層する。偏光膜の光学補償シートを積層した側と反対側の面に透明保護膜を形成することが好ましい。透明保護膜は、光透過率が80%以上であるのが好ましい。透明保護膜としては、一般にセルロースエステルフィルム、好ましくはトリアセチルセルロースフィルムが用いられる。セルロースエステルフィルムは、ソルベントキャスト法により形成することが好ましい。透明保護膜の厚さは、20〜500μmであることが好ましく、50〜200μmであることがさらに好ましい。
[液晶表示装置]
本発明の光学補償シートの利用により、視野角が拡大された液晶表示装置を提供することができる。また、表示ムラのない高品位の画像を表示し得る液晶表示装置を提供することができる。TNモードの液晶セル用光学補償シートは、特開平6−214116号公報、米国特許5583679号、同5646703号、ドイツ特許公報3911620A1号の各明細書に記載がある。また、IPSモードまたはFLCモードの液晶セル用光学補償シートは、特開平10−54982号公報に記載がある。さらに、OCBモードまたはHANモードの液晶セル用光学補償シートは、米国特許5805253号明細書および国際公開WO96/37804号公報に記載がある。さらにまた、STNモードの液晶セル用光学補償シートは、特開平9−26572号公報に記載がある。そして、VAモードの液晶セル用光学補償シートは、特許番号第2866372号公報に記載がある。
本発明において、上記公報を参考にして各種のモードの液晶セル用光学補償シートを作製することができる。本発明の光学補償シートは、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Super Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)およびHAN(Hybrid Aligned Nematic)モードなど、種々のモードで駆動される液晶セルと組合わせて液晶表示装置に適用できる。本発明の光学補償シートは、TN(Twisted Nematic)モードまたはOCB(Optically Compensatory Bend)モードの液晶表示装置において特に効果がある。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、操作等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例に制限されるものではない。
(実施例1)
(ポリマー基材の作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、30℃に加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
────────────────────────────────────
セルロースアセテート溶液組成(質量部) 内層 外層
────────────────────────────────────
酢化度60.9%のセルロースアセテート 100 100
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8 7.8
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9 3.9
メチレンクロライド(第1溶媒) 293 314
メタノール(第2溶媒) 71 76
1−ブタノール(第3溶媒) 1.5 1.6
シリカ微粒子(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製)
0 0.8
下記レターデーション上昇剤 2.2 0
────────────────────────────────────
Figure 2006195204
得られた内層用ドープおよび外層用ドープを、三層共流延ダイを用いて、0℃に冷却したドラム上に流延した。残留溶剤量が70質量%のフィルムをドラムから剥ぎ取り、両端をピンテンターにて固定して搬送方向のドロー比を110%として搬送しながら80℃で乾燥させ、残留溶剤量が10%となったところで、110℃で乾燥させた。その後、140℃の温度で30分乾燥し、残留溶剤が0.3質量%のセルロースアセテートフィルム(外層:3μm、内層:74μm、外層:3μm)を製造した。作製したセルロースアセテートフィルム(CF−02)について、光学特性を測定した。
(ReおよびRthの測定)
本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は各々、波長λにおける面内のリターデーションおよび厚さ方向のリターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。Rth(λ)は前記Re(λ)、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して+40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値、および面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値の計3つの方向で測定したレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHが算出する。ここで平均屈折率の仮定値はポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADHはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx,ny,nzよりNz=(nx-nz)/(nx-ny)が更に算出される。
得られたポリマー基材(PK−1)の幅は1340mmであり、厚さは、80μmであった。波長630nmにおけるレターデーション値(Re)を測定したところ、8nmであった。また、波長630nmにおけるレターデーション値(Rth)を測定したところ、100nmであった。
作製したポリマー基材(PK−1)を2.0Nの水酸化カリウム溶液(25℃)に2分間浸漬した後、硫酸で中和し、純水で水洗、乾燥した。このPK−1の表面エネルギーを接触角法により求めたところ、63mN/mであった。
このPK−1上に、下記の組成の配向膜塗布液を#16のワイヤーバーコーターで28ml/m2の塗布量で塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥して、ポリビニルアルコール層を形成した。
(配向膜塗布液組成)
下記の変性ポリビニルアルコール 10質量部
水 371質量部
メタノール 119質量部
グルタルアルデヒド(架橋剤) 0.5質量部
Figure 2006195204
形成したポリビニルアルコール層の表面にラビング処理を施して、配向膜を形成した。ラビング処理は、ポリマー基材(PK−1)の遅相軸(波長632.8nmで測定)と平行な方向に、配向膜にラビング処理を実施した。
(光学異方性層の形成)
下記の組成物を、102Kgのメチルエチルケトンに溶解して塗布液を調製した。
下記のディスコティック液晶性化合物(1) 41.01質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製) 4.06質量部
1,3,5−トリアジン環基を有する例示化合物(H-16) 0.066質量部
フルオロ脂肪族基含有ポリマー例示化合物(P-72 ) 0.082質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製) 1.35質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 0.45質量部
Figure 2006195204
調製した塗布液を、#3.4のワイヤーバーで、上記配向膜の表面に室温下で塗布し、さらに120℃の恒温ゾーンで1分間加熱し、ディスコティック液晶性化合物をハイブリッド配向させた。次に、100℃の雰囲気下で120W/cmの高圧水銀灯を用いて、1分間UV照射し、ディスコティック液晶性化合物を重合して、配向状態を固定した。その後、室温まで放冷した。このようにして、光学異方性層を形成し、光学補償シート(KH−1)を作製した。
波長546nmで測定した光学異方性層のReレターデーション値は50nmであった。また、偏光板をクロスニコル配置とし、得られた光学補償シートのムラを観察したところ、正面、および法線から60度まで傾けた方向から見ても、ムラは検出されなかった。
(偏光板の作製)
ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、KH−1(光学補償シート)を、偏光子(HF−1)の片側表面に貼り付けた。また、厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(TD−80U:富士写真フイルム(株)製)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光子(HF−1)の反対側表面に貼り付けた。
偏光子(HF−1)の透過軸と、光学補償シートの支持体であるポリマーフィルム(PK−1)の遅相軸とが平行になるように配置した。偏光子(HF−1)の透過軸と上記トリアセチルセルロースフィルムの遅相軸とは、直交するように配置した。このようにして偏光板(HB−1)を作製した。
(実施例2)〜(実施例4)
光学異方性層形成用の塗布液の調製において、表1に示したフルオロ脂肪族基含有ポリマーを変更した以外は、実施例1と同様にして、光学補償シート(KH−2)〜(KH−4)、さらには、(KH−2)〜(KH−4)付偏光板(HB−2)〜(HB−4)を作製した。波長546nmで測定した光学補償シート中の光学異方性層のReレターデーション値は、各々48nm、50nm、50nmであった。また、偏光板をクロスニコル配置とし、得られた光学補償シートのムラを観察したところ、正面、および法線から60度まで傾けた方向から見ても、ムラは検出されなかった。
(実施例5)〜(実施例8)
光学異方性層形成用の塗布液の調製において、表1に示した1,3,5−トリアジン環基を有する化合物およびフルオロ脂肪族基含有ポリマーを変更した以外は、実施例1と同様にして、光学補償シート(KH−5)〜(KH−8)、さらには、(KH−5)〜(KH−8)付偏光板(HB−5)〜(HB−8)を作製した。波長546nmで測定した光学補償シート中の光学異方性層のReレターデーション値は、各々48nm、48nm、50nm、48nmであった。また、偏光板をクロスニコル配置とし、得られた光学補償シートのムラを観察したところ、正面、および法線から60度まで傾けた方向から見ても、ムラは検出されなかった。
(比較例1)
光学異方性層形成用の塗布液の調製において、1,3,5−トリアジン環基を有する化合物およびフルオロ脂肪族基含有ポリマーを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、光学補償シート(KH−H1)、さらには、(KH−H1)付偏光板(HB−H1)を作製した。
(比較例2)
光学異方性層形成用の塗布液の調製において、1,3,5−トリアジン環基を有する化合物を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、光学補償シート(KH−H2)、さらには、(KH−H2)付偏光板(HB−H2)を作製した。
(比較例3)
光学異方性層の加熱熟成において、120℃の恒温ゾーンで2.5分間加熱した以外は、実施例1と同様にして、光学補償シート(KH−H3)、さらには、(KH−H3)付偏光板(HB−H3)を作製した。波長546nmで測定した光学補償シート中の光学異方性層のReレターデーション値は、45nmであった。また、偏光板をクロスニコル配置とし、得られた光学補償シートのムラを観察したところ、正面、および法線から60度まで傾けた方向から見たとき、ムラが検出された。
(比較例4)
光学異方性層形成用の塗布液の調製において、1,3,5−トリアジン環基を有する化合物を下記化合物(A)に変更し、フルオロ脂肪族基含有ポリマーを下記化合物(B)に変更した以外は、実施例1と同様にして、光学補償シート(KH−H4)、さらには、(KH−H4)付偏光板(HB−H4)を作製した。偏光板をクロスニコル配置とし、得られた光学補償シートのムラを観察したところ、正面および法線から60度まで傾けた方向から見たとき、ムラが検出された。
化合物(A):WO03/098337記載の化合物No.XIII−2
化合物(B):WO03/098337記載の化合物No.VI−11
(参考例1)
光学異方性層の加熱熟成方法を80℃の恒温ゾーンで1分間加熱した以外は、実施例1と同様にして光学補償シートを作製した。
(TN液晶セルでの評価)
TN型液晶セルを使用した液晶表示装置(AQUOS LC20C1S、シャープ(株)製)に設けられている一対の偏光板を剥がし、代わりに実施例1で作製した偏光板(HB−1)を、光学補償シート(KH−1)が液晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側およびバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸と、バックライト側の偏光板の透過軸とは、Oモードとなるように配置した。
作製した液晶表示装置について、測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、黒表示(L1)から白表示(L8)までの8段階で視野角を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 2006195204
上記表1に示した実施例1〜8と、比較例1、2、3及び4の結果からわかるように、本発明の1,3,5−トリアジン環基を有する化合物及び少なくとも一種の親水性基を有するフルオロ脂肪族基含有ポリマーの双方を含有する光学異方性層では、液晶性化合物の配向速度が格段に向上するため、該光学異方性層を有する光学補償シートは、液晶表示装置の視野角の拡大効果を損なうことなく生産性を大幅に改善できる。また、ムラのない光学補償シートを提供できる。さらに、実施例1と参考例1の比較から、光学異方性層は低温領域(80℃の恒温ゾーン)で水平配向を形成したのち、高温領域(120℃の恒温ゾーン)でハイブリッド配向に転移していることがわかる。

Claims (9)

  1. 透明支持体と、該透明支持体上に光学異方性層とを有し、該光学異方性層が、液晶性化合物の少なくとも一種、1,3,5−トリアジン環基を有する化合物の少なくとも一種及びカルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SO3H)、ホスホノキシ基{−OP(=O)(OH)2}及びそれらの塩からなる群より選ばれる一種以上の親水性基を有するフルオロ脂肪族基含有ポリマーの少なくとも一種を含有する光学補償シート。
  2. 前記ポリマーが、フルオロ脂肪族基含有モノマーより誘導される繰り返し単位と下記一般式(1)で表される繰り返し単位とを含む共重合体である請求項1に記載の光学補償シート。
    Figure 2006195204
    (式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表し;Lは下記の連結基群から選ばれる2価の連結基または下記の連結基群から選ばれる2つ以上を組み合わせて形成される2価の連結基を表し、
    (連結基群)
    単結合、−O−、−CO−、−NR4−(R4は水素原子、アルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表す)、−S−、−SO2−、−P(=O)(OR5)−(R5はアルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表す)、アルキレン基およびアリーレン基;
    Qはカルボキシル基(−COOH)もしくはその塩、スルホ基(−SO3H)もしくはその塩、またはホスホノキシ基{−OP(=O)(OH)2}もしくはその塩を表す。)
  3. 前記液晶性化合物が、ディスコティック液晶性化合物である請求項1又は2に記載の光学補償シート。
  4. 前記ディスコティック液晶性化合物が、トリフェニレン液晶である請求項3に記載の光学補償シート。
  5. 前記光学異方性層中、前記液晶性化合物がハイブリッド配向し、該ハイブリッド配向が固定されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学補償シート。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学補償シートを有する液晶表示装置。
  7. 少なくとも透明支持体と、該透明支持体上に光学異方性層を有する光学補償シートの製造方法であって、液晶性化合物の少なくとも一種を、1,3,5−トリアジン環基を有する化合物の少なくとも一種及びカルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SO3H)、ホスホノキシ基{−OP(=O)(OH)2}及びそれらの塩からなる群より選ばれる一種以上の親水性基を有するフルオロ脂肪族基含有ポリマーの少なくとも一種の存在下で水平配向させる工程と、該水平配向した液晶性化合物をハイブリッド配向させる工程と、該ハイブリッド配向状態にある液晶性化合物を固定して光学異方性層を形成する工程とを含む光学補償シートの製造方法。
  8. 少なくとも、偏光膜と、該偏光膜の片面に設けられた透明保護膜とを有し、該透明保護膜が、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学補償シートである偏光板。
  9. 少なくとも、液晶セルと、該液晶セルの両側にそれぞれ配置された偏光板とからなり、前記偏光板の少なくとも一方が、偏光膜と該偏光膜の一方の表面であって液晶セルに近い側の表面に設けられた透明保護膜とを少なくとも有し、且つ該透明保護膜が請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学補償シートである液晶表示装置。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015197526A (ja) * 2014-03-31 2015-11-09 大日本印刷株式会社 位相差フィルム

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