JP2015197526A - 位相差フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】新規な構成の配向膜を有する位相差フィルムを提供する。
【解決手段】本発明に係る位相差フィルム1は、基材11と、配向膜12と、位相差層13とがこの順で積層されなり、配向膜12が、紫外線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂との混合材料により構成されていることを特徴とする。この位相差フィルム1では、配向膜12において、その紫外線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂とが相分離して存在するようなり、特に、熱硬化性樹脂が配向膜12と位相差層13との界面側に偏在するようになる。
【選択図】図2

Description

本発明は、位相差フィルムに関するものであり、新規な構成の配向膜を有する位相差フィルムに関する。
近年、フラットパネルディスプレイ等に適用される位相差フィルムは、位相差層により透過光に所望の位相差を付与して所望する光学特性を確保するものが提供されている(例えば、特許文献1参照)。この種の位相差フィルムは、透明フィルム等による基材の表面に配向膜が作製され、この配向膜の配向規制力により液晶材料を配向させた状態で硬化して位相差層が作製される。このような位相差層に適用される液晶材料は、通常、正の波長分散特性を備えているものの、近年、逆分散特性による液晶材料が提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。ここで、逆分散特性とは、短波長側ほど透過光における位相差が小さい波長分散特性であり、より具体的に、450nmの波長におけるリタデーション(R450)と、550nmの波長におけるリタデーション(R550)との関係が、R450<R550である。
また、画像表示パネルにおいては、Aプレート、Cプレート等を利用して視野角特性、色味等の種々の光学特性を改善する方法が提案されており、例えば特許文献4には、Aプレート、Cプレートを使用したIPS液晶表示装置の光学補償に係る工夫が提案されている。ここで、光学補償とは、黒表示の際に直線偏光板からの斜め方向の光漏れを低減する構成である。また、Cプレートは、nx=ny<nz又はnx=ny>nzで表され、nx=ny<nzは正のCプレートであり、nx=ny>nzは負のCプレートである。また、Aプレートは、nx>ny=nz又はnz=nx>nyで表され、nx>ny=nzは正のAプレートであり、nz=nx>nyは負のAプレートである。なお、nx、ny(nx≧ny)は面内方向の屈折率であり、nzは厚さ方向の屈折率である。
これらのうち、正のAプレートは、位相差層に適用される正の波長分散特性による液晶材料、逆分散特性による液晶材料を使用して、それぞれ正の波長分散特性、逆分散特性により作製することができる。また、正のCプレートにおいては、いわゆるCプレート用の液晶材料による塗工液を塗布して乾燥硬化させることにより作製することができる。また、バーチカル・アライメント(VA)液晶表示装置等では、垂直配向膜により液晶材料を垂直方向に配向させており、VA液晶に関する垂直配向膜の工夫が種々提案されている。
さて、このような位相差フィルムにおいては、位相差層における液晶化合物の分子を確実にかつ厳密に所定の方向に配向させることが重要となる。一方で、ある態様においては、配向膜の厚みを適切に制御することが重要となり、配向膜の膜厚を適切に制御でき、位相差層における液晶化合物に対して有効に配向規制力を発揮させることができるような新規な構成の配向膜を有する位相差フィルムが求められている。
特開平10−68816号公報 米国特許第8119026号明細書 特表2010−522892号公報 特表2006−520008号公報 特開2005−49865号公報 特開2007−156234号公報
本発明は、新規な構成の配向膜を有する位相差フィルムを提供することを目的とするものである。そして、ある一態様においては、配向膜の膜厚を適切に制御でき、位相差層における液晶化合物に対して有効に配向規制力を発揮させることができる位相差フィルムを提供することを目的とする。
(1)本発明は、基材と、配向膜と、位相差層とがこの順で積層され、前記配向膜が、紫外線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂との混合材料により構成されていることを特徴とする位相差フィルムである。
(2)また本発明は、(1)の発明において、前記配向膜では、前記紫外線硬化性樹脂と前記熱硬化性樹脂とが相分離して存在することを特徴とする位相差フィルムである。
(3)また本発明は、(1)又は(2)の発明において、前記配向膜中に含まれる熱硬化性樹脂は、垂直配向性を示すことを特徴とする位相差フィルムである。
(4)また本発明は、(1)乃至(3)の何れかの発明において、前記基材は、ブロッキング防止処理が施されて凹凸を有するものであり、前記配向膜の膜厚が、前記基材の表面の凸部の高さ以上の大きさであることを特徴とする位相差フィルムである。
(5)また本発明は、(1)乃至(4)の何れかの発明において、当該位相差フィルムは、転写層を有する光学フィルム用転写積層体であり、前記配向膜と前記位相差層との界面を剥離界面として、前記基材と該配向膜とが剥離されることを特徴とする位相差フィルムである。
(6)また本発明は、(5)の発明において、前記転写層が、1/4波長分の位相差を付与する光学機能層に転写されることを特徴とする位相差フィルムである。
本発明によれば、新規な構成の配向膜を有する位相差フィルムを提供することができる。また、一態様においては、配向膜の膜厚を適切に制御でき、位相差層における液晶化合物に対して有効に配向規制力を発揮させることができる。
位相差フィルムの一例を示す断面模式図である。 PET基材と、紫外線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂との混合材料により構成した配向膜と、液晶層とを積層させた位相差フィルムに関して、配向膜と液晶層との界面で剥離したときの、液晶層側界面(A)及び配向膜側界面(B)におけるX線光電子分光法による分析結果を示すグラフ図である。 (A)は垂直配向熱硬化性材料のリファレンスピークを示し、(B)はUV硬化性材料のリファレンスピークを示すグラフ図である。 位相差フィルムの作製工程の流れを示すフロー図である。 位相差フィルムを光学フィルム用転写積層体として用いて転写法により光学フィルムを作製する流れを説明するための図である。
以下、本発明に係る位相差フィルムの具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について、以下の順で詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。
1.位相差フィルムの構成
2.配向膜について
3.位相差フィルムの製造方法
4.光学フィルム用転写積層体としての適用
≪1.位相差フィルムの構成≫
図1は、本実施の形態に係る位相差フィルム1の一例を模式的に示す断面図である。図1に示すように、位相差フィルム1は、透明フィルム材からなる基材11と、配向膜12と、位相差層(液晶層)13とがこの順で積層されてなるものである。
本実施の形態に係る位相差フィルム1においては、基材11上に積層される配向膜12が、紫外線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂との混合材料により構成されていることを特徴としている。そして、このような位相差フィルム1では、その配向膜12内において、紫外線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂とが相分離して存在するようになっている。具体的には、配向膜12内において、熱硬化性樹脂が、配向膜12と位相差層13との界面側に偏在するようになる。
このような、紫外線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂との2種類の異なる樹脂の混合材料により構成してなる新規な配向膜12を有する位相差フィルム1では、配向膜12内において紫外線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂とが相分離して存在する性質を利用して、例えば以下のような位相差フィルムとすることができる。すなわち、詳しくは後述するが、一例として、その配向膜を、位相差層における液晶化合物の分子の分子軸を効果的にホメオトロピック配向させるための垂直配向膜とするとともに、所定の厚みを有する配向膜であって、位相差層13を形成する際の塗工液(位相差層形成用塗工液)のハジキの発生を効果的に抑制することができる位相差フィルムとすることができる。
以下、本実施の形態に係る位相差フィルム1の構成について順に説明する。
<1−1.基材>
基材11は、配向膜12を支持する機能を有し、長尺に形成されている透明フィルム材である。この基材11は、例えば位相差フィルム1を転写用として用いる場合には、離型性支持体として機能し、転写用の配向層12及び位相差層13を支持するものであるとともに、その表面が剥離可能な程度の接着力を有するものが好ましい。
基材11を構成するフィルム材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン、トリアセチルセルロース、アクリル系ポリマー等を挙げることができる。基材11としては、これらの材料からなる単層でもよいが、2種以上の材料を積層させた積層体としてもよい。また、複数の層の積層体とする場合には、同一組成の層が積層されてもよい。
基材11の厚みとしては、特に限定されないが、例えば20μm〜200μmの範囲内とすることが好ましい。基材11の厚さが20μm未満であると、光学フィルム用転写積層体として最低限必要な自己支持性を付与できないことがある。一方で、厚さが200μmを超えると、光学フィルム用転写積層体が長尺状である場合に、長尺状の光学フィルム用転写積層体を裁断加工して枚葉の光学フィルム用転写積層体とするにあたって、加工屑が増加したり、裁断刃の磨耗が早くなってしまうことがある。
ここで、基材11は、種々のブロッキング防止処理が施されていてもよい。ブロッキング防止処理としては、例えば、易接着処理や、フィラー等を練り込ませることでブロッキングを防止する処理、ナーリング処理等が挙げられる。このようなブロッキング防止処理を基材11に対して施すことによって、基材11を巻き取る際の基材同士の張り付き、いわゆるブロッキングを効果的に防止することができ、生産性高く位相差フィルムを製造することが可能となる。
このように基材11に対してブロッキング防止処理を施すと、その基材11の表面には凹凸が形成されることになる。ブロッキング防止処理が施された基材11の表面の凸部の高さ(大きさ)としては、特に限定されないが、一般的には、0.5μm〜1.5μm程度となっている。
<1−2.配向膜>
配向膜12は、上述した基材11上に配向膜用組成物(配向膜組成物)を塗工して硬化させることによって得られ、配向規制力を発現する。ここで、配向規制力とは、配向膜12上に重合性液晶化合物(液晶材料)からなる層(位相差層13)を形成したとき、その液晶化合物を所定の方向に配列(配向)させる機能をいう。
配向膜12は、特に限定されないが、例えば、位相差層13における液晶化合物の分子の分子軸をホメオトロピック配向(垂直配向)させる垂直配向膜とすることができる。垂直配向膜としては、VA液晶表示装置等に適用される各種の垂直配向膜を適用することができ、例えば、ポリイミド配向膜、LB膜による配向膜等を適用することができる。
なお、上述のように、配向膜12は、垂直配向膜により構成されることに限られず、液晶化合物の分子軸をホモジニアス配向(水平配向)させる配向膜であってもよく、液晶化合物の分子軸をハイブリッド配向(傾斜配向)させる配向膜であってもよい。
配向膜組成物中に用いる溶媒(希釈溶媒)としては、配向材料を所望の濃度に溶解できるものであれば特に限定されるものでなく、例えば、ベンゼン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン(CHN)等のケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、プロピレングリコールモノエチルエーテル(PGME)等のエーテル系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化アルキル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)等のエステル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、シクロヘキサン等のアノン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒を例示することができる。また、溶媒は、1種類であってもよいし、2種類以上の溶媒の混合溶媒であってもよい。
このような、配向膜12は、上述したような材料を含有する配向膜組成物による塗工液を基材11に塗布して乾燥し、その後、所定の硬化処理を施すことにより作製される。このようにして作製された硬化物により配向膜12が構成される。
ここで、本実施の形態に係る位相差フィルム1では、その配向膜12が、紫外線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂との混合材料により構成されていることを特徴としている。詳しくは後述するように、このような、紫外線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂との混合材料により構成されてなる配向膜12を有する位相差フィルム1によれば、その膜内において、紫外線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂とが相分離して存在するようになり、特に、熱硬化性樹脂が配向膜12と位相差層13との界面側に偏在するようになる。
<1−3.位相差層(液晶層)>
位相差層(液晶層)13は、重合性液晶組成物を含有する。この重合性液晶組成物は、液晶性を示し分子内に重合性官能基を有する液晶化合物(棒状化合物)を含有する。
液晶化合物は、屈折率異方性を有し、規則的に配列することにより所望の位相差性を付与する機能を有する。液晶化合物としては、例えば、ネマチック相、スメクチック相等の液晶相を示す材料が挙げられるが、他の液晶相を示す液晶化合物と比較して規則的に配列させることが容易である点で、ネマチック相の液晶性を示す材料を用いることが好ましい。ネマチック相を示す液晶化合物としては、メソゲン両端にスペーサを有する材料であることが好ましい。メソゲン両端にスペーサを有する液晶化合物は、柔軟性に優れるため、位相差フィルム1を透明性に優れたものにすることができる。
また、例えば、上述の配向膜12を垂直配向膜からなるものとし、液晶化合物をホメオトロピック配向させる場合には、液晶化合物として、ホメオトロピック配向を形成することができるホメオトロピック液晶材料であれば特に限定されない。なお、ホメオトロピック液晶材料としては、垂直配向膜を使用することなく、ホメオトロピック配向を形成できるものと、垂直配向膜を使用することによりホメオトロピック配向を形成できるものとを挙げることができるが、どちらであっても好適に用いることができる。
液晶化合物は、上述したように分子内に重合性官能基を有する重合性液晶化合物である。重合性官能基を有することにより、液晶化合物を重合して固定することが可能になるため、配列安定性に優れ、位相差性の経時変化が生じにくくなる。また、重合性液晶化合物は、分子内に三次元架橋可能な重合性官能基を有することがより好ましい。三次元架橋可能な重合性官能基を有することで、配列安定性をより一層高めることができる。なお、「三次元架橋」とは、液晶性分子を互いに三次元に重合して、網目(ネットワーク)構造の状態にすることをいう。
重合性官能基としては、例えば、紫外線、電子線等の電離放射線、あるいは熱の作用によって重合するものを挙げることができる。これら重合性官能基としては、ラジカル重合性官能基、カチオン重合性官能基等が挙げられる。ラジカル重合性官能基の代表例としては、少なくとも1つの付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合を持つ官能基が挙げられ、例えば、置換基を有する若しくは有さないビニル基、アクリレート基(アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基を包含する総称)等が挙げられる。また、カチオン重合性官能基の具体例としては、エポキシ基等が挙げられる。その他、重合性官能基としては、イソシアネート基、不飽和3重結合等が挙げられる。その中でも、プロセス上の点から、エチレン性不飽和二重結合を持つ官能基が好適に用いられる。
重合性液晶化合物の量としては、配向膜12上に塗工する塗工方法に応じて、位相差層形成用塗工液(液晶組成物)の粘度を所望の値に調整できれば特に限定されないが、例えば、液晶組成物中の量として5質量部〜40質量部程度の範囲内とすることができる。なお、重合性液晶化合物は、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
上述した液晶化合物は、通常、溶媒(希釈溶媒)に溶かされている。溶媒としては、液晶化合物等を均一に分散できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ベンゼン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン(CHN)等のケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、プロピレングリコールモノエチルエーテル(PGME)等のエーテル系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化アルキル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)等のエステル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、シクロヘキサン等のアノン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒を例示することができるが、これらに限られるものではない。また、溶媒は、1種類単独であってもよく、2種類以上の混合溶媒であってもよい。
溶媒の量としては、特に限定されるものではなく、例えば液晶化合物100質量部に対して66質量部〜900質量部程度とすることができる。溶媒の量が66質量部未満であると、液晶化合物を均一に溶かすことができない可能性があり好ましくない。一方で、900質量部を超えると、溶媒の一部が残存し、信頼性が低下する可能性、及び均一に塗工できない可能性があり好ましくない。
その他、液晶組成物には、上述した液晶化合物の配列秩序を害するものでなければ、必要に応じて他の化合物を含んでもよい。例えば、重合禁止剤、可塑剤、界面活性剤、及びシランカップリング剤等を挙げることができる。
上述したような液晶組成物を配向膜12上に塗工して形成される位相差層13の厚さとしては、特に限定されるものでないが、適切な配向性能を得るためには、500nm〜2000nm程度であることが好ましい。
≪2.配向膜について≫
(配向膜12の構成)
上述したように、本実施の形態に係る位相差フィルム1においては、配向膜12が、紫外線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂との混合材料により構成されている。
このような、紫外線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂との混合材料により構成されてなる配向膜12では、その配向膜12の膜内において、紫外線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂とが相分離して存在するようになる。より具体的には、紫外線硬化性樹脂が基材11側に、熱硬化性樹脂が配向膜12と位相差層13との界面側に相分離するようになる。このことは、比較して親水性である基材11側よりも大気側(比較して疎水性)に、熱硬化性樹脂が移行して安定化しやすくなるためであると考えられる。
ここで、図2に、PET基材と、紫外線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂との混合材料により構成した配向膜と、位相差層(液晶層)とをこの順で積層させた位相差フィルムについて、配向膜と液晶層との界面で剥離したときの、液晶層側界面及び配向膜側界面のそれぞれにおけるX線光電子分光法(XPS)による分析結果を示す。具体的に、このXPS分析においては、紫外線(UV)硬化性材料(「UV硬化性材料(a)」とする)と、垂直配向性を示す熱硬化性材料(「熱硬化性材料(b)」とする)とを用意し、重量比で1:100の割合で混合させた混合材料を配向膜を構成する材料として、配向膜の膜厚が3μmとなるようにPET基材上に塗布し、紫外線を照射して硬化させることによって配向膜を形成して行った。
図2のXPS分析結果に示されるように、液晶層側界面においても(図2(A))、配向膜側界面においても(図2(B))、垂直配向性を示す熱硬化性材料(b)が主成分となるピークが検出されていることが分かる。なお、図3(A)にUV硬化性材料(a)のリファレンスピークを示し、図3(B)に垂直配向性を示す熱硬化性材料(b)のリファレンスピークを示す。
このことから、紫外線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂との混合材料により構成した配向膜においては、その紫外線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂とが膜内で相分離し、熱硬化性樹脂が、液晶層と配向膜との界面側に偏在するようになることが分かる。
(配向膜12を有する位相差フィルム1の利用例)
ところで、一般的に、位相差フィルムにおいては、その基材に対して、巻き取り用としてブロッキング等を防止するための種々のブロッキング防止処理が施されている。しかしながら、従来、そのようなブロッキング防止処理が施された基材を用いて位相差フィルムを形成した場合、ブロッキング防止処理により基材表面に凹凸が形成され、基材上に配向膜を塗膜して配向層を形成しようとすると、基材表面の凸部に起因してその配向層の表面(位相差層との接触面)においても凹凸をもたらすことになる。そして、このような凹凸が形成され表面粗さ(Ra)の大きくなった配向層上に液晶組成物を含む位相差層形成用塗工液を塗工すると、その配向膜表面の凹凸に追随して位相差層形成用塗工液を配向層上に均一に塗工することができずに配向層が露出してしまう、いわゆる「ハジキ」を発生させる。ハジキのような塗工欠陥の発生は、位相差フィルムの歩留まりを低下させるとともに、ハジキの生じた光学フィルムに偏光板を積層させて外観検査を行うと、ハジキが生じた部分の位相差が小さくなり、欠点等を発生させて外観不良を引き起こす。
このような従来の問題に対して、本実施の形態においては、上述した、紫外線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂との混合材料により構成されてなる配向膜12を、そのブロッキング防止処理が施された基材11の表面の凸部の高さ以上の厚み(膜厚)となるように形成する。このように、基材11の表面の凸部の高さ以上の膜厚となる配向膜12を形成することによって、その基材11の凹凸に起因する配向膜12の表面粗さを小さくすることができる。つまり、所定の膜厚以上の配向層12を形成することで、基材11の凹凸を配向膜12が包埋するようになってキャンセルすることが可能となる。これにより、配向膜12上への液晶組成物塗工時におけるハジキの発生を効果的に抑制することができる。
ここで、位相差フィルムにおいては、位相差層における液晶化合物の分子を所望とする方向に確実に配向させることが求められ、例えばその液晶化合物を確実に且つ厳密にホメオトロピック配向(垂直配向)させることが求められている。なお、液晶化合物の分子の配向方向は、垂直配向に限られず、ホモジニアス配向(水平配向)させるものであっても、ハイブリッド配向(傾斜配向)させるものであってもよい。ところが、液晶化合物を所望の方向に配向させるために、その所望の方向への配向性を示す熱硬化性樹脂を用いて配向膜を形成する上では、熱硬化性樹脂の高い粘性等の観点から、熱硬化性樹脂のみでは形成できる配向膜の膜厚に制限があり、十分に厚みのある配向膜を形成することができない。このことから、上述のように位相差層を形成する際のハジキの発生を効果的に抑制するために、従来の位相差フィルムでは、基材の表面の凸部の高さ以上の膜厚となる配向膜を有効に形成することができない。
この点、本実施の形態に係る位相差フィルム1では、上述したように、紫外線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂との混合材料により構成されてなる配向膜12を有することにより、ハジキの発生を効果的に抑制するとともに、位相差層における液晶化合物の分子を確実に所定の方向に配向させることが可能となる。
すなわち、例えば、その配向膜12を構成する熱硬化性樹脂を、位相差層13における液晶化合物の分子の分子軸をホメオトロピック配向させる垂直配向性を示す熱硬化性樹脂とする。位相差フィルム1では、紫外線硬化性樹脂と、このような垂直配向性を示す熱硬化性樹脂との混合材料により配向膜12を構成することで、その配向膜12内において紫外線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂とが相分離して存在するようになり、特に、垂直配向性を示す熱硬化性樹脂が配向膜12と位相差層13との界面側に偏在するようになる。一方で、紫外線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂との混合材料により配向膜12を構成していることから、垂直配向性を示す配向膜12においては、その紫外線硬化性樹脂(基材11側に分離している樹脂)の分だけ、配向膜12の膜厚を厚くすることができる。つまり、配向膜12と位相差層13との界面側に偏在する垂直配向性を示す熱硬化性樹脂により、液晶化合物に対して有効に配向規制力を発揮させるとともに、紫外線硬化性樹脂により配向膜12の膜厚を所定に厚みに制御することができ、例えば基材の表面の凸部の高さ以上の膜厚となる配向膜を効果的に形成することができる。
このことによって、上述したように液晶組成物塗工時におけるハジキの発生を効果的に抑制することが可能になるとともに、位相差層13側に偏在する垂直配向性を示す熱硬化性樹脂により、配向膜12上に形成させた液晶層中の液晶化合物を、確実に且つ厳密にホメオトロピック配向させることができる。
なお、このような配向膜12を有する位相差フィルム1の利用例としては、ある一態様として例示したに過ぎず、これに限定されるものではない。
(紫外線硬化性樹脂材料)
配向膜12を構成する紫外線硬化性樹脂材料としては、紫外線の照射により硬化させることができるものであれば特に限定されないが、例えば、アクリレート系、メタクリレート系等の単量体、プレポリマー、或いはこれらの混合物にアセトフェノン、ベンゾフェノン、芳香族ヨードニウム等の光重合開始剤を添加したものを使用することができる。
より具体的には、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の樹脂を用いることができる。
(熱硬化性樹脂材料)
配向膜12を構成する熱硬化性樹脂は、上述したように、配向膜12内において、配向膜12と位相差層13との界面側に偏在するようになる成分である。したがって、熱硬化性樹脂は、位相差層13における液晶化合物の分子の配向性等に影響を与えるものである。このことから、熱硬化性樹脂としては、熱により硬化させることができるものであれば特に限定されないが、位相差層13の液晶化合物を所望とする方向に配向させる配向規制力を発揮させるうえで最適な樹脂を選択することが好ましい。
例えば、液晶化合物を垂直配向させるためには、垂直配向性を示す熱硬化性樹脂を選択することが好ましい。具体的に、垂直配向性を示す熱硬化性樹脂としては、熱により硬化し液晶化合物をホメオトロピック配向させることができるものであれば特に限定されないが、例えば、熱硬化性ポリイミドや、長鎖アルキル基や脂環式構造を側鎖に有するポリアミック酸等が挙げられる。また、垂直配向性を示す熱硬化性樹脂材料としては、上述した熱硬化性樹脂と共に、例えば、レシチン、シラン系界面活性剤、チタネート系界面活性剤、ピリジニウム塩系高分子界面活性剤、n−オクタデシルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤等を混合させることもできる。
なお、液晶化合物の分子の配向方向は、垂直配向に限られず、ホモジニアス配向(水平配向)させても、ハイブリッド配向(傾斜配向)させてもよく、その所望とする方向に配向させる配向性を示す熱硬化性樹脂を選択することが好ましい。
(紫外線硬化性樹脂材料と熱硬化性樹脂材料との混合割合)
配向膜12を構成する混合材料中における、紫外線硬化性樹脂材料と熱硬化性樹脂材料との混合割合としては、特に限定されないが、重量比で紫外線硬化性樹脂材料100に対して、熱硬化性樹脂材料を0.1〜10の割合で混合することが好ましく、1〜5の割合で混合することがより好ましい。
この混合割合に関して、熱硬化性樹脂材料の混合量が、重量比で紫外線硬化性樹脂材料100に対して0.1未満の割合であると、配向膜における配向規制力が弱くなり、位相差層13における液晶化合物を十分に所定の方向に配向させることができない可能性がある。一方で、熱硬化性樹脂材料の混合量が、重量比で紫外線硬化性樹脂材料100に対して10を超える割合であると、混合材料が濁ってしまうとともにゲル化し、基材上に効果的に塗布することができず、所望とする効果を発揮する配向膜を形成することができない可能性がある。
≪3.位相差フィルムの製造方法≫
次に、位相差フィルム1の製造方法について説明する。図4は、位相差フィルム1の製造工程の流れを示すフロー図である。なお、以下の製造方法の説明では、配向膜12が垂直配向膜により構成される場合を例に挙げて説明するが、これに限られない。
図4に示すように、位相差フィルム1の製造においては、先ず、ロールに巻き取った長尺フィルムからPETフィルム等の基材11が提供される(S1)。
次に、配向膜形成工程(S2)において、ロールから繰り出した基材11上に配向膜形成用の塗工液(配向膜組成物)を塗工し、乾燥した後に硬化処理を施す。これにより基材11上に配向膜12を形成する。このとき、本実施の形態においては、紫外線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂との混合材料により構成される配向膜組成物を基材11上に塗工して、乾燥処理を施した後、紫外線を照射することによって硬化させて配向膜12を形成する。なお、配向膜12を構成する混合材料中に熱硬化性樹脂は、紫外線照射に伴う熱によって効果的に硬化させることができる。
次に、位相差層形成工程(S3)において、液晶化合物を含有する液晶組成物の塗工液(位相差層形成用塗工液)を、配向膜12上に塗工する。その後、乾燥させて紫外線等の照射により硬化させることによって、位相差層(液晶層)13を形成する。なお、紫外線照射処理に先立ち、位相差層13の層厚を均一にするためのレベリング処理を施すようにしてもよい。
ここで、本実施の形態においては、上述したように、紫外線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂との混合材料により構成される配向膜組成物を基材11上に塗工することによって配向膜12を形成している。すなわち、紫外線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂との混合材料により配向膜12を構成するようにする。このような配向膜12においては、その膜内において、紫外線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂とが相分離して存在するようになり、特に、熱硬化性樹脂が配向膜12と位相差層13との界面側に偏在するようになる。
このようにして、基材11/配向膜12/位相差層13がこの順で積層されてなる積層体フィルムを製造し、得られたフィルムを巻き取りリール等で巻き取った後、所望の大きさに切り出す切断処理を行う。このような工程を経て、位相差フィルム1が作製される。
なお、基材11上への配向膜組成物の塗工方法や、配向膜12上への位相差層形成用塗工液の塗工方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ダイコート法、グラビアコート法、リバースコート法、ナイフコート法、ディップコート法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、スピンコート法、ロールコート法、プリント法、浸漬引き上げ法、カーテンコート法、キャスティング法、バーコート法、エクストルージョンコート法、E型塗布方法等を用いることができる。
≪4.光学フィルム用転写積層体としての適用≫
さて、フラットパネルディスプレイ等に適用される光学フィルムは、例えば、直線偏光板としての機能を担う直線偏光板等の光学機能層に転写される転写層を有した光学フィルム用転写積層体を用いた転写法により作製することができる。転写法とは、例えば所定の基材の上に所望とする層を形成する場合に、その所望とする層を直接基材上に形成するのではなく、一旦、離型性の支持体(支持体基材)上に剥離可能にその層を積層形成して転写積層体を作製した後、工程や需要等に応じて、その支持体上に形成した層を、最終的に積層すべき基材(被転写基材)上に接着、積層し、その後、支持体を剥離除去することにより、所定の基材上に所望とする層を形成する方法である。このような転写法によって光学フィルムを作製することにより、全体の厚みが薄い光学フィルムを提供することができると考えられる。なお、転写法により作製された光学フィルムは、例えば特許文献5、特許文献6に記載されている。
本実施の形態に係る位相差フィルム1は、光学フィルムを転写法を用いて作製する際に用いられる光学フィルム用転写積層体として適用することができる。光学フィルム用転写積層体は、上述のように、その位相差フィルムを構成する位相差層等を、離型性を有する基材(離型性基材)や配向膜から他の任意の基材に転写することで、その任意の基材上に位相差層を形成するために用いられる。光学フィルム用転写積層体では、例えば、直線偏光板の光学機能層や、逆分散延伸フィル、またはλ/2位相差板とλ/4位相差板の積層体等からなる、透過光に1/4波長分の位相差を付与する光学機能層等に貼合して、転写層を転写することができる。なお、このような光学フィルム用転写積層体では、特に限定されないが、例えば、配向膜12と位相差層13との界面が剥離界面となり、その光学フィルムの作製に際して、光学フィルム用転写積層体に逆分散延伸フィルム等の基材に転写層(位相差層13)を転写した後に、基材11及び配向膜12が位相差層13から剥離されることになる。
より具体的に、本実施の形態に係る位相差フィルム1を光学フィルム用転写積層体として用いて転写法により光学フィルムを作製する方法について説明する。なお、以下では、その光学フィルム用転写積層体を「光学フィルム用転写積層体1A」として説明する。
図5は、光学フィルム用転写積層体1Aを用いて、透過光に1/4波長分の位相差を付与する光学機能層に光学フィルム用転写積層体1Aの転写層を転写して光学フィルムを作製する際の工程の流れを示す図である。なお、この図5は、フィルムの断面を示す図であり、各工程におけるフィルムの層構造について示しながら工程の流れを示す図である。また、フィルムの層構造については、これに限定されない。
先ず、図5(a)に示すように、PETフィルム等からなる基材11上に、例えば垂直配向膜からなる配向膜12を形成し、その配向膜12上に液晶組成物を含有する位相差層形成用塗工液を塗工して位相差層(液晶層)13を形成し、光学フィルム用転写積層体1Aを作製する。ここで、上述したように、この光学フィルム用転写積層体1Aの作製においては、紫外線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂との混合材料よりなる配向膜組成物を用いて配向膜12が構成されている。
次に、図5(b)に示すように、作製した光学フィルム用転写積層体1Aの位相差層13上に、例えばUV接着剤等を含有する接着層21を形成し、その接着層21上に、例えば逆分散延伸フィルム22を形成して、光学フィルム用転写積層体1Aを転写する。
接着層21としては、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、感圧接着剤等、各種の接着剤を広く適用することができるが、その中でも、全体の厚みを薄くする観点から紫外線(UV)硬化性樹脂を適用してUV接着層とすることが好ましく、この場合には、厚み1μm程度の接着層を作製することができる。なお、接着層21には粘着層を適用してもよい。
また、1/4波長板用位相差層としての役割を担えば、特に限定されないが、例えば逆分散特性を備えた延伸フィルム(以下、「逆分散延伸フィルム22」ともいう)を接着層21上に形成することができる。この逆分散延伸フィルム22は、縦方向、横方向に延伸、若しくは所望の方向に斜め延伸した、例えばPC(ポリカーボネート)フィルムで形成されており、遅相軸が、直線偏光板の吸収軸に対して約45度の角度をなすように配置され、透過光に1/4波長分の位相差を付与する1/4波長板用位相差層としての役割を担う。このような逆分散延伸フィルム22を用いることにより、例えば、基材、1/4波長板用樹脂層、1/4波長板用配向膜の構成を省略することができので、光学フィルムの全体の層厚みを薄くすることができる。
逆分散延伸フィルム22を光学フィルム用転写積層体1Aに積層させて転写すると、次に、図5(c)に示すように、光学フィルム用転写積層体1Aの基材11及び配向膜12を剥離する。光学フィルム用転写積層体1Aは、このように他の基材(高分子フィルム等)に転写層(位相差層13)を転写するために、離型性の支持体としての役割を担う基材11及び配向膜12が剥離される。なお、基材11及び配向膜12の剥離は、後述する直線偏光板を積層させた後に行うようにしてもよい。
そして、光学フィルム用転写積層体1Aの基材11及び配向膜12を剥離すると、次に、図5(d)に示すように、粘着剤層31を備えた直線偏光板を積層する。
直線偏光板としては、TAC(トリアセチルセルロース)等の透明フィルムからなる基材34の下面側が鹸化処理された後、光学機能層が配置される。なお、基材34は、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体等のアクリル樹脂等の樹脂、ソーダ硝子、カリ硝子、鉛硝子、石英硝子等の硝子等を適用することもできる。
光学機能層は、直線偏光板としての光学的機能を担う部位であり、例えば、偏光子33と、アクリル樹脂等からなる透明の保護フィルム(基材)32とが順に積層されたものを用いることができる。このような直線偏光板を、粘着剤層31を介して逆分散延伸フィルム22に貼り合わせる。
以上のような工程に基づき、位相差フィルム1を光学フィルム用転写積層体として用いることによって、転写法に基づき簡易に光学フィルムを作製することができる。
なお、上述したように、光学フィルム用転写積層体1Aにおいて垂直配向膜からなる配向膜12を有するものとし、その光学フィルム用転写積層体1Aの位相差層13上に接着層21を介して逆分散延伸フィルム22を積層させ、その逆分散延伸フィルム22上に、透明フィルムからなる基材32,34により挟持された偏光子33を備える直線偏光板を設けることで、簡易に且つ高い生産性でもって、逆分散特性による正のCプレートを備えた光学フィルムを得ることができる。
また、上述の例では、配向膜12と位相差層13との界面を剥離界面として、転写後に基材11及び配向膜12を剥離する場合を例として説明したが、剥離界面としてはこれに限られず、基材11と配向膜12との界面を剥離界面として、転写後に基材11のみを剥離して配向膜12と位相差層13とを他の基材に転写するようにしてもよい。
1 位相差フィルム
1A 光学フィルム用転写積層体
11 基材
12 配向膜
13 位相差層(液晶層)

Claims (6)

  1. 基材と、配向膜と、位相差層とがこの順で積層され、
    前記配向膜が、紫外線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂との混合材料により構成されていることを特徴とする位相差フィルム。
  2. 前記配向膜では、前記紫外線硬化性樹脂と前記熱硬化性樹脂とが相分離して存在することを特徴とする請求項1に記載の位相差フィルム。
  3. 前記配向膜中に含まれる熱硬化性樹脂は、垂直配向性を示すことを特徴とする請求項1又は2に記載の位相差フィルム。
  4. 前記基材は、ブロッキング防止処理が施されて凹凸を有するものであり、
    前記配向膜の膜厚が、前記基材の表面の凸部の高さ以上の大きさであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の位相差フィルム。
  5. 当該位相差フィルムは、転写層を有する光学フィルム用転写積層体であり、
    前記配向膜と前記位相差層との界面を剥離界面として、前記基材と該配向膜とが剥離されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の位相差フィルム。
  6. 前記転写層が、1/4波長分の位相差を付与する光学機能層に転写されることを特徴とする請求項5に記載の位相差フィルム。
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