JP2017146431A - 積層体の製造方法、および偏光板の製造方法、並びに積層体 - Google Patents

積層体の製造方法、および偏光板の製造方法、並びに積層体 Download PDF

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将臣 桑原
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Abstract

【課題】異物や気泡が生じることなく、支持体上に低位相差の保護フィルムが積層された積層体を提供する。【解決手段】本発明の積層体の製造方法は、剥離性支持体上に保護フィルムが積層された積層体の製造方法であって、モノマー含有樹脂組成物を剥離性支持体上に塗布する塗布工程と、加熱および/またはエネルギー線照射によって、上記モノマー含有樹脂組成物を重合させて上記保護フィルムを形成する重合工程とを含み、上記保護フィルムは、23℃で波長590nmにおける面内方向の位相差値(Re)が0nm以上10nm以下であり、かつ、23℃で波長590nmにおける厚み方向の位相差値(Rth)が−10nm以上10nm以下であることを特徴とする、積層体の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、剥離性支持体上に積層された積層体の製造方法、および、該保護フィルムが偏光フィルムに貼合された偏光板の製造方法、並びに積層体に関する。
近年、TVやモバイル機器に用いられる液晶や有機ELなどのディスプレイは、益々薄型化されており、これらのディスプレイに用いられる構成部品、特に偏光板は究極の薄さを目指して技術開発が進められている。偏光板は、一般的には、ヨウ素を吸着させ一軸延伸したポリビニルアルコール系フィルムからなる偏光フィルムの両面に、トリアセチルセルロース(以下、TACと称する)等の光学フィルムを保護フィルムとして接着剤により貼合した構成となっている。
このような偏光板に使用される保護フィルムは、その用途に応じて要求される機能が異なっており、例えば、液晶ディスプレイの場合、液晶セルの両面に貼合される偏光板について、液晶セルと偏光フィルムの間に設置される保護フィルム(いわゆる位相差フィルム)には、良好なコントラストや広い視野角を得るために、位相差値が3次元的にコントロールされたフィルムが用いられている。
特に、液晶セルの駆動モードがIPSやFFSの液晶ディスプレイにおいては、位相差フィルムに該当する箇所には、フィルムの面内方向および厚み方向の位相差値が低いフィルム(いわゆる低位相差フィルム)を用いることができる。
一般的に低位相差フィルムは、溶液キャスト法と呼ばれる、溶剤で溶解した熱可塑性高分子溶液を平滑な金属ベルトなどの上にキャストし、溶剤を揮発させた後に剥がしてフィルムを得る方法や、溶融押出法と呼ばれる、高温で溶融した熱可塑性高分子を平滑な金属ロールなどの上に流し出した後に剥がしてフィルムを得る方法によって製膜されている。
これらの方法で製膜された低位相差フィルムは、偏光フィルムと貼合する際の傷付き防止や、総厚を厚くすることによる貼合時の取り扱い易さなどの観点から、低位相差フィルムの表面に保護を兼ねた支持体が積層されている。ここで言う支持体とは、一般的によく知られているものであり、例えば、PETフィルムやPPフィルムやPEフィルムを基材として該基材に微粘着層が形成されたものを挙げることができ、これら支持体の微粘着層を介して低位相差フィルムと積層される。
低位相差フィルムへの支持体の積層は、一般的に、低位相差フィルムを製膜した直後、もしくは、低位相差フィルムを製膜し一旦ロール状に巻き取った後に、支持体の微粘着層面と低位相差フィルムの表面とを貼合することでなされる。すなわち、支持体は低位相差フィルムの製膜後に貼合されており、例えば、特許文献1が挙げられる。
特開2011−112945号公報
上記の方法で得られた、支持体が積層された低位相差フィルムは、支持体を貼合する際に、異物を挟み込んだり、気泡が生じたりしてしまい、この状態のままロール状に巻き取ることで、低位相差フィルムが押されて変形してしまうことがある。この様に変形した低位相差フィルムを偏光フィルムに貼合すると、該変形箇所が偏光板の欠陥となることで液晶ディスプレイの表示品位が損なわれてしまい、液晶ディスプレイの生産歩留を悪化させる問題があった。
上記問題点を鑑み、本発明の課題は、異物や気泡が生じることなく、支持体上に低位相差の保護フィルムが積層された積層体を提供することにある。
上記課題に対し、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、支持体として剥離性支持体を用い、その上にモノマー含有樹脂組成物を塗布した後に、加熱および/またはエネルギー線照射によってモノマー含有樹脂組成物を重合することで、重合によって得られた保護フィルムと剥離性支持体との間に異物や気泡が生じることなく低位相差フィルムが積層されることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明には、少なくとも以下の形態が含まれる。
剥離性支持体上に保護フィルムが積層された積層体の製造方法であって、
モノマー含有樹脂組成物を剥離性支持体上に塗布する塗布工程と、
加熱および/またはエネルギー線照射によって、上記モノマー含有樹脂組成物を重合させて上記保護フィルムを形成する重合工程とを含み、
上記保護フィルムは、23℃で波長590nmにおける面内方向の位相差値(Re)が0nm以上10nm以下であり、かつ、23℃で波長590nmにおける厚み方向の位相差値(Rth)が−10nm以上10nm以下であることを特徴とする、積層体の製造方法。
本発明に係る積層体は、支持体に樹脂組成物を塗布、重合して得られるため、保護フィルムと支持体とを貼合する手法と異なり、保護フィルムと支持体との間に異物、気泡などが混入し難い。また、該保護フィルムは面内方向および厚み方向の位相差値が低いため、偏光フィルムに貼合した後に上記剥離性支持体を剥離することで、液晶ディスプレイの表示品位を悪化させることなく低位相差フィルムとして利用することができる。
以下、本発明に係る積層体、および該保護フィルムが貼合された偏光板、並びにこれらの製造方法を説明するが、本発明はこれらの説明に限定して解釈されるものではない。
《剥離性支持体》
本発明において用いる剥離性支持体としては、公知の透明なプラスチックフィルム、ガラス等を使用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリアリレート、ポリイミド、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、セロファン、芳香族ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール等の各種樹脂フィルム及び石英ガラス、ソーダガラス等のガラス基材等を好適に使用することができる。特に、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体等のポリエステル系をはじめ、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリオレフィン系の剥離性支持体は量産性、コストの観点で好ましい。また、上記プラスチックは2種又はそれ以上のものがブレンドされていてもよく、例えばポリエチレンテレフタレートにポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体がブレンドされていてもよい。さらには、これらの剥離性支持体が2種又はそれ以上のものが積層された複層フィルムであってもよい。
剥離性支持体は透明性の高いものほど良好であるが、光線透過率(JIS K 7361)としては80%以上、より好ましくは90%以上がよい。剥離性支持体の厚さは軽量化の観点から薄い方が望ましいが、その生産性を考慮すると1〜100μmの範囲のものを使用することが好適である。
上記剥離性支持体の表面は各種の表面処理が施されていてもよい。特に保護フィルムとの剥離性を増す為に真空中で、剥離性支持体の表面に対してフッ素系化合物を用いるプラズマ処理、大気中で高温の熱処理を行ない剥離性支持体の表面にオリゴマーを滲出させる処理、窒素ガス雰囲気中で電子線を照射し剥離性支持体表面を変質させる処理、剥離性支持体の製膜工程において、アクリル樹脂系、ポリビニルアルコール系、ポリオレフィン系等の異種支持体を積層し、表面を改質する処理等が用いられる。表面処理後の表面エネルギーは、50dyne/cm以下、特に好ましくは20dyne/cmであることが望ましい。
〔離型層〕
本発明の剥離性支持体において、必要に応じ適宜採用される離型層は、剥離性支持体とその上に形成される保護フィルムとが界面において剥離しにくい場合に剥離性支持体上に形成される。従って保護フィルムが、離型層から容易に剥離することが肝要である。離型層を構成する樹脂としては、例えば、エポキシ−メラミン樹脂、アクリル−メラミン樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、尿素樹脂、尿素−メラミン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル−シリコーン樹脂、フッ素樹脂系、各種ワックス類等があげられる。これらの樹脂の1種又はそれ以上の樹脂の有機溶剤溶液、エマルジョン等のコーティング剤をロールコーティング法、グラビアコーティング法等の通常コーティング法により剥離性支持体上に塗布し、溶媒を乾燥、硬化(熱硬化、電子線硬化、紫外線硬化等)することによって形成する。
離型層の厚さは、通常0.1〜10μmの範囲、好ましくは0.25〜5μmの範囲から適宜選択実施される。離型層の厚さが0.1μmより薄い場合には、剥離が重く目的とする剥離性を得ることができないので好ましくない。一方、10μmより厚い場合には剥離が軽すぎる為に、離型層上に保護フィルムを構成する層が加工工程中で脱落する可能性があるので好ましくない。
又、離型層は、下記方法によっても形成することができる。水酸基、エーテル基、カルボキシル基、アミノ基等を1個以上有する水溶性有機物質、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等のビニル系水溶性樹脂、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の繊維素エーテル系樹脂、アクリル酸ソーダ、アクリル酸アンモニウム等のアクリル酸系水溶性物質、澱粉、デキストリン、ニカワ、ゼラチン等の天然水溶性物質、カゼイン、カゼイン酸ソーダ、カゼイン酸アンモニウム等のタンパク質系水溶性物質、その他ポリエチレンオキサイド、カラギーナン、グルコマンガン等の1種又はそれ以上の物質の水溶液のコーティング剤をロールコーティング法、グラビアコーティング法等の通常コーティング法により剥離性支持体上に塗布し、乾燥することによって形成する。
これらの水溶性離型層を形成した場合は、その上に積層された保護フィルムを、接着剤または粘着剤を介して偏光フィルムに貼り合わせた後、水溶性離型層と保護フィルムとの界面において剥離ができずに剥離性支持体と水溶性離型層の間で剥離して水溶性離型層が残ったとしても、水洗によって水溶性離型層を完全に除去することにより、保護フィルムを露出させることができる。
《保護フィルム》
本発明の保護フィルムは、剥離性支持体上にモノマー含有樹脂組成物を塗布した後に加熱および/またはエネルギー線照射によってモノマー含有樹脂組成物を重合させることで得られる。
〔モノマー含有樹脂組成物〕
本発明のモノマー含有樹脂組成物は、
(1)エチレン性不飽和基含有化合物、
(2)エチレン性不飽和基含有化合物およびラジカル発生剤、
(3)エポキシ基含有化合物および酸発生剤、
(4)ジアミン化合物およびジカルボン酸化合物、
(5)ジカルボン酸化合物およびジオール化合物、
(6)ジイソシアネート化合物およびジオール化合物、からなる群から選択された少なくとも1種の原料群を含有したものである。
<エチレン性不飽和基含有化合物>
本発明のモノマー含有樹脂組成物としてエチレン性不飽和基含有化合物を用いた場合、該組成物を剥離性支持体上に塗布した後、電子線を照射することで、エチレン性不飽和基含有化合物が連鎖重合することで、ビニル樹脂系またはアクリル樹脂系の保護フィルムが得られる。
<エチレン性不飽和基含有化合物とラジカル発生剤>
本発明のモノマー含有樹脂組成物としてエチレン性不飽和基含有化合物とラジカル発生剤を用いた場合、該組成物を剥離性支持体上に塗布した後、加熱またはエネルギー線照射によって、ラジカル発生剤から生じたラジカルを起点にエチレン性不飽和基含有化合物が連鎖重合することで、ビニル樹脂系または、ウレタンアクリル樹脂などのアクリル樹脂系の保護フィルムが得られる。
<エポキシ基含有化合物と酸発生剤>
本発明のモノマー含有樹脂組成物としてエポキシ基含有化合物と酸発生剤を用いた場合、該組成物を剥離性支持体上に塗布した後、加熱またはエネルギー線照射によって、酸発生剤から生じた酸を起点にエポキシ基含有化合物が連鎖重合することで、エポキシ樹脂系の保護フィルムが得られる。
<ジアミン化合物とジカルボン酸化合物>
本発明のモノマー含有樹脂組成物としてジアミン化合物とジカルボン酸化合物を用いた場合、該組成物を剥離性支持体上に塗布した後、加熱によってジアミン化合物とジカルボン酸化合物が逐次重合することで、ポリアミド系の保護フィルムが得られる。
<ジカルボン酸化合物とジオール化合物>
本発明のモノマー含有樹脂組成物としてジカルボン酸化合物とジオール化合物を用いた場合、該組成物を剥離性支持体上に塗布した後、加熱によってジカルボン酸化合物とジオール化合物が逐次重合することで、ポリエステル系の保護フィルムが得られる。
<ジイソシアネート化合物とジオール化合物>
本発明のモノマー含有樹脂組成物としてジイソシアネート化合物とジオール化合物を用いた場合、該組成物を剥離性支持体上に塗布した後、加熱によってジイソシアネート化合物とジオール化合物が逐次重合することで、ポリウレタン系の保護フィルムが得られる。
本発明のモノマー含有樹脂組成物は、上記(1)〜(6)からなる群から選択された少なくとも1種の原料群を含有したものであればよく、重合反応の短時間化や塗料の保管安定性の観点から、(2)エチレン性不飽和基含有化合物およびラジカル発生剤の原料群が好ましい。
本発明に係る保護フィルムが、どのような原料群構造の繰り返し単位によって形成されているかは、熱分解GC−MSおよびFT−IRによって保護フィルムを分析することによって判断可能である。特に、熱分解GC−MSは、保護フィルムに含まれる単量体単位をモノマー成分として検知できるため有用である。
保護フィルムには、保護フィルムの成膜性、面内方向および厚み方向の位相差値を損なわなければ、紫外線吸収剤、レベリング剤や帯電防止剤等、各種添加剤を含有させてもよい。これにより、保護フィルムに紫外線吸収特性、剥離特性、帯電防止特性を付与することが可能である。
本発明に係る保護フィルムは薄膜に形成可能であるため、例えば、膜厚は5μm以上80μm以下であり、より好ましくは6μm以上50μm以下であり、特に好ましくは7μm以上30μm以下である。
本発明に係る保護フィルムの位相差値は、フィルム面内の屈折率が最大となる方向(すなわち遅相軸方向)の屈折率をnx、遅相軸と面内で直交する方向の屈折率をny、厚み方向の屈折率をnz、厚みをdとしたときに、面内の位相差値(Re)および厚み方向の位相差値(Rth)は、それぞれ下式(i)および(ii)で定義される。
Re=(nx−ny)×d (i)
Rth=[(nx+ny)/2−nz]×d (ii)
本発明に係る保護フィルムの23℃で波長590nmにおける面内位相差値(Re)は0nm以上10nm以下であり、より好ましくは0nm以上5nm以下である。また、23℃で波長590nmにおける厚み方向の位相差値(Rth)は−10nm以上10nm以下であり、より好ましくは−5nm以上5nm以下である。
《偏光板》
次に、本発明の保護フィルムを備える偏光板について説明する。本発明に係る偏光板は、偏光フィルムの少なくとも片面に、上記保護フィルムを備えるものである。
偏光フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂(PVA樹脂)からなり、偏光フィルムに入射する光のうち、ある方向の振動面を有する光を透過し、それと直交する振動面を有する光を吸収する性質を有するフィルムであり、典型的には、PVA樹脂に二色性色素が吸着配向している。偏光フィルムを構成するPVA樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することにより得られる。PVA樹脂の原料となるポリ酢酸ビニル系樹脂は、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルの他、酢酸ビニルおよびこれと共重合可能な他の単量体との共重合体であってもよい。上記PVA樹脂からなるフィルムに、一軸延伸、二色性色素による染色、および染色後のホウ酸架橋処理を施すことによって、偏光フィルムを製造できる。二色性色素としては、ヨウ素や二色性の有機染料が用いられる。一軸延伸は、二色性色素による染色の前に行なってもよいし、二色性色素による染色と同時に行なってもよいし、二色性色素による染色の後、たとえばホウ酸架橋処理中に行なってもよい。かくして製造され、二色性色素が吸着配向しているPVA樹脂からなる偏光フィルムが、偏光板の構成材料の一つとなる。
偏光フィルムと保護フィルムとの貼合には、水系接着剤や紫外線硬化型接着剤を用いればよく、接着時間の短縮化の観点から、好ましくは紫外線硬化型接着剤が用いられる。紫外線硬化型接着剤は、液状の塗布可能な状態で供給される限りにおいて、従来から偏光板の製造に使用されている公知のものを使用できるが、耐候性や重合性などの観点から、カチオン重合性の化合物、たとえば、エポキシ化合物を紫外線硬化性成分の一つとして含有するものが好ましい。
紫外線硬化型接着剤には、エポキシ化合物を代表例とするカチオン重合性化合物のほか、重合開始剤、特に紫外線の照射によりカチオン種またはルイス酸を発生し、カチオン重合性化合物の重合を開始させるための光カチオン重合開始剤が配合される。さらに、加熱によって重合を開始させる熱カチオン重合開始剤、その他、光増感剤などの各種添加剤が配合されていてもよい。
本発明に係る偏光板は、少なくとも一方の面に保護フィルムを備えており、偏光板の両面に保護フィルムを備えていてもよい。該保護フィルムは、剥離性支持体上にモノマー含有樹脂組成物を塗布した後に加熱および/またはエネルギー線照射によってモノマー含有樹脂組成物を重合させることで得られ、上記剥離性支持体と該保護フィルムとの間に異物や気泡を生じず、また、該保護フィルムは面内方向および厚み方向の位相差値が低いため、液晶ディスプレイの表示品位を悪化させることなく低位相差フィルムとして利用することができる。
《積層体の製造方法》
[保護フィルム形成工程]
本発明に係る積層体の製造方法は、該積層体を製造できれば特に限定されないが、一例として、以下の工程(A1)および(A2)を含む方法が挙げられ、当該製造方法によって、剥離性支持体上に保護フィルムが積層された積層体が得られる。
工程(A1):モノマー含有樹脂組成物を、剥離性支持体上、または、剥離性支持体の離型層上に塗布する。
工程(A2):塗布後、上記モノマー含有樹脂組成物を硬化させて保護フィルムを形成する。
《偏光板の製造方法》
本発明に係る偏光板は、偏光フィルムの少なくとも片面に本発明に係る保護フィルムを備える。本発明に係る偏光板の製造方法では、上記積層体を偏光フィルムに貼合した後、剥離性支持体を剥離する点が重要であり、貼合および剥離手法は公知の手法を採用すればよく、特に限定されるものではない。
偏光板の製造方法に係る工程をより具体的に説明する。下記工程(B1)〜(B4)は、保護フィルム形成工程の後に実施される。
(B1)剥離性支持体上に保護フィルムが積層された積層体の保護フィルム側(または偏光フィルム)に紫外線硬化型接着剤を塗布する塗工工程
(B2)塗工工程で塗布された紫外線硬化型接着剤面に偏光フィルム(または上記積層体の保護フィルム側)を重ねて加圧する貼合工程
(B3)偏光フィルムに紫外線硬化型接着剤を介して積層体と偏光フィルムとの貼合物(偏光フィルム、接着剤または粘着剤、保護フィルム、剥離性支持体がこの順に積層された貼合物)に対して、紫外線照射装置から紫外線を照射することにより、紫外線硬化型接着剤を硬化させる硬化工程
(B4)上記偏光板から、上記剥離性支持体を剥離する剥離工程
塗工工程(B1)では、偏光フィルムの貼合面となる上記積層体の保護フィルム側に、紫外線硬化型接着剤を塗布する(または、保護フィルム側に代えて、偏光フィルムに紫外線硬化型接着剤を塗布する)。塗布した紫外線硬化型接着剤を水や有機溶剤などで希釈していた場合は、加熱などの方法で適宜乾燥させる。ここで用いる塗工機としては、公知のものを適宜用いることができ、例えば、グラビアロールを用いる塗工機などが挙げられる。
貼合工程(B2)では、塗工工程(B1)を経た後、上記積層体の接着剤塗布面に、偏光フィルムを重ねて加圧しながら貼合する(塗工工程(B1)で偏光フィルムに紫外線硬化型接着剤を塗布した場合、紫外線硬化型接着剤面に上記積層体の保護フィルム側を重ねて加圧しながら貼合する)。貼合工程での加圧には、公知の手段を用いることができるが、連続搬送しながらの加圧が可能であるという観点からは、一対のニップロールにより挟む方式が好ましく用いられ、加圧時の圧力は、一対のニップロールにより挟む場合の線圧で150〜500N/cm程度とするのが好ましい。
硬化工程(B3)では、貼合工程(B2)を経た後、紫外線照射装置から紫外線を照射し、紫外線硬化型接着剤を硬化する。紫外線は、上記積層体または偏光フィルム越しに照射される。用いる紫外線光源は特に限定されないが、波長400nm以下に発光分布を有する、たとえば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプなどを用いることができる。エポキシ化合物をエネルギー線硬化性成分とする接着剤を用いる場合、一般的な重合開始剤が示す吸収波長を考慮すると、400nm以下の光を多く有する高圧水銀灯またはメタルハライドランプが、紫外線光源として好ましく用いられる。
剥離工程(B4)では、硬化工程(B3)を経た後、剥離性支持体のみを剥離し、除去することで、偏光板が得られる。偏光板をさらに加工する場合等において、保護フィルムの表面を後加工工程において保護しておきたい場合などは、これらの後加工の終了後に剥離性支持体を剥離すればよい。
なお、塗工工程(B1)において、紫外線硬化型接着剤に代えて水系接着剤を用いてもよく、その場合、硬化工程(B3)で紫外線照射ではなく、オーブンなどを用いた加熱処理によって水系接着剤面を硬化させる。
以下、実施例に基づき、本発明を説明するが、本発明は実施例の内容に限定されるものではない。位相差値の測定では、得られた積層体から、剥離性支持体を剥離した保護フィルムを測定対象とし、以下の測定方法に基づき、当該保護フィルムの面内方向および厚み方向の位相差値を測定した。
〔面内方向および厚み方向の位相差値〕
位相差測定装置KOBRA−WR(王子計測機器株式会社製)を用いて、上記式(i)および(ii)に基づき、23℃にて測定波長590nmにおける面内方向の位相差値(Re)および厚み方向の位相差値(Rth)を測定した。
〔製造例1〕
化合物1(エチレン性不飽和基含有化合物)の合成:
イソホロンジイソシアネート222.28g(1モル)をフラスコに仕込み、反応温度70℃で、2−ヒドロキシエチルアクリレート232.24g(2モル)、ジブチルスズラウリレート0.35gを加え、残存したイソシアネート基が0.1%以下になるまで反応を行い、ウレタンアクリレート(化合物1)を得た。
モノマー含有樹脂組成物(P1)の調整:
ステンレス製容器に化合物1を47.26g、イルガキュアー184(光重合開始剤)を2.49g、フッ素系レベリング剤を0.25g、トルエン(希釈溶剤)を50.00g計量し、常温の密封状態で十分に攪拌し溶解させた後、溶解液を孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過することで、モノマー含有樹脂組成物(P1)を調整した。
〔実施例1〕
JIS B9920:2002のクラス6に準拠し管理されたクリーンルーム内において、予め超音波洗浄装置と粘着ロールで異物を除去した剥離PET(パナック社製非シリコーン系剥離PET、型番SG−1、38μm厚さ)の離型層上に、ダイコート方式でモノマー含有樹脂組成物(P1)を、希釈溶剤乾燥後の膜厚が12μmとなるよう塗工条件を調整し塗布した後、100℃に設定した乾燥炉内で塗工膜を乾燥させ、その後、窒素雰囲気下でピーク照度326mW/cm、積算光量192mJ/cmの条件の高圧水銀灯で紫外線硬化させることで、剥離PETの剥離層上に保護フィルム(1)が積層されたフィルム積層体(1)を得た。
上記フィルム積層体(1)を任意の箇所から1m採取し、目視および光学顕微鏡にて観察したところ、長軸と短軸の平均サイズが50μm以上の異物および気泡は観察されなかった。
上記フィルム積層体(1)から剥離PETを剥離除去し、残った保護フィルム(1)の面内方向の位相差値(Re)は0.5nmであり、厚み方向の位相差値(Rth)は−1.3nmであった。
JIS B9920:2002のクラス6に準拠し管理されたクリーンルーム内において、上記積層体(1)の保護フィルム(1)側に、ダイコート方式でエポキシ系紫外線硬化型接着剤(無溶剤)の膜厚が2μmとなるように塗工条件を調整し塗布した後、線圧200N/cmに設定したニップロールで偏光フィルムと貼合し、上記フィルム積層体(1)側からピーク照度326mW/cm、積算光量192mJ/cmの条件の高圧水銀灯で紫外線硬化させることで、剥離PET/保護フィルム(1)/紫外線硬化型接着剤/偏光フィルムの順に積層された偏光板(1)を得た。
上記偏光板(1)から剥離PETを剥離除去することで、偏光フィルムに紫外線硬化型接着剤を介して保護フィルム(1)が積層された偏光板を得た。
本発明に係る積層体には、剥離性支持体と保護フィルムとの間に異物や気泡が生じておらず、保護フィルムの面内方向の位相差値(Re)と厚み方向位相差値(Rth)はいずれも十分に小さいため、上記積層体を偏光フィルムと貼合した後、剥離性支持体を剥離除去することで、品質歩留の良い低位相差フィルムが貼合された偏光板を製造することが可能となる。

Claims (4)

  1. 剥離性支持体上に保護フィルムが積層された積層体の製造方法であって、
    モノマー含有樹脂組成物を剥離性支持体上に塗布する塗布工程と、
    加熱および/またはエネルギー線照射によって、上記モノマー含有樹脂組成物を重合させて上記保護フィルムを形成する重合工程とを含み、
    上記保護フィルムは、23℃で波長590nmにおける面内方向の位相差値(Re)が0nm以上10nm以下であり、かつ、23℃で波長590nmにおける厚み方向の位相差値(Rth)が−10nm以上10nm以下であることを特徴とする、積層体の製造方法。
  2. 上記モノマー含有樹脂組成物は、
    (1)エチレン性不飽和基含有化合物、
    (2)エチレン性不飽和基含有化合物およびラジカル発生剤、
    (3)エポキシ基含有化合物および酸発生剤、
    (4)ジアミン化合物およびジカルボン酸化合物、
    (5)ジカルボン酸化合物およびジオール化合物、
    (6)ジイソシアネート化合物およびジオール化合物、からなる群から選択された少なくとも1種の原料群を含有することを特徴とする、請求項1に記載の保護フィルムの製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の製造方法で得られた積層体の保護フィルム側を接着剤または粘着剤を介して偏光フィルムに貼り合わせる貼合工程と、
    貼合工程で得られた貼合物から剥離性支持体を剥離する剥離工程と、を含む偏光板の製造方法。
  4. 剥離性支持体上に保護フィルムが積層された積層体であって、
    上記保護フィルムは、23℃で波長590nmにおける上記フィルムの面内方向の位相差値(Re)が0nm以上10nm以下であり、かつ、23℃で波長590nmにおける厚み方向の位相差値(Rth)が−10nm以上10nm以下であることを特徴とする積層体。
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